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カテゴリ:鉄道の記事一覧

「ソウルから釜山まで20分」のハイパーループに韓国がこだわる理由、首都圏だけではない「国土均衡発展」が目的のひとつだった……もう遅い気がしますけどね

カテゴリ:鉄道 コメント:(107)
ソウル〜釜山20分……「ハイパーチューブ」の均衡発展を導くのか(週刊朝鮮・朝鮮語)
国内で「ハイパーチューブ」技術開発が本格化する。 国土交通部は今年を「K-ハイパーチューブ」の元年とし、ハイパーチューブ列車の核心技術である「自己浮上·推進」の開発に本格的に着手すると明らかにした。 ハイパーチューブはソウルから釜山まで20分以内に移動できる次世代超高速交通手段で「鉄路の上の飛行機」と呼ばれる。

韓国型高速鉄道(KTX)が全国を一日生活圏を越えて半日生活圏に変えたとすれば、ハイパーチューブは1時間生活圏を可能にする。 空間革命を起こすハイパーチューブは果たしてどんな技術が融合されたのだろうか。 (中略)

全国ハイパーチューブの建設は、人口と働き口の50%以上が首都圏に集中する集中現象も消えるものと予想される。 目前に迫った地方消滅問題から首都圏と地方の深刻な不均衡を解消する転換点が用意されるというのが専門家たちの意見だ。 その場合、政府の国政目標の一つである「大韓民国どこでも住みやすい地方時代」が開かれるのではないか。
(引用ここまで)




 あー、なるほどね。
 韓国は他国に比べてもかなりハイパーループにご執心なのですが。
 その理由が地方の衰退対策だって部分もあると。
 釜山は韓国第2の都市とされていますが、人口・域内総生産ともに仁川に追い抜かれたとのニュースが出ています。

韓国の「第2の首都」は釜山ではなく仁川…生産・経済人口いずれもリード(中央日報)

 ソウルの衛星都市である仁川のほうが大きくなってしまったと。
 まあ、仁川は「ソウル、京畿道、仁川市」として首都圏を形成しているのでどうかとも思いますが。
 釜山が長期凋落傾向にあるのは間違いないところ。



 なにしろ釜山は消滅危険性が懸念されるレベルで人口流出している状況。
 対策をしてきたはずなのに、「消滅注意」から「消滅危険」になっているんですよね。



 そんな中、ハイパーループ云々って言っているのは「通勤が20分なら働くのはソウルでも住むのは釜山」ってやってくれるのではないかって期待があるから……ってことなんでしょう。
 この視点に立つと、釜山から何度も何度も「日韓トンネルが必要だ」って声が上がっているのも同じことなのかって理解できると思います。
 今年になっても何回か釜山日報から関連コラムが出てますから。

[寄稿] 日本の「青函トンネル」の踏査に行ってきて(釜山日報・朝鮮語)

 青函トンネルができるのだったら韓日トンネルもできるはずだ、と(笑)。
 もう釜山自体の魅力創出は不可能だから、外からの働きかけでどうにかするしかないってわけです。
 それがハイパーループでソウルを出勤圏にすることだったり、日韓トンネルで日本からの富の流入を目論むことだったりしているのですね。




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韓国政府、まだハイパーループ計画を諦めていなかった模様……「ソウル−釜山間を20分で駆け抜ける!」のですって

カテゴリ:鉄道 コメント:(95)
ソウル~釜山20分 飛行機よりも速い「夢の列車」、韓国で再び技術開発に着手…事業性に疑問の声も(朝鮮日報)
韓国国土交通部(省に相当)は9日、「線路上の飛行機」と呼ばれる次世代の超高速交通手段「ハイパーチューブ」の核心技術の開発に着手したと発表した。ハイパーチューブは、真空に近い亜真空(気圧0.001-0.01)状態のチューブ内を磁気浮上技術で列車を浮かせて移動させる交通システムだ。速度は時速1200キロで飛行機よりも速く、ソウル-釜山間の移動が20分で可能になる。

 ハイパーチューブを実用化するためには、車両の高速走行に必要な磁気浮上技術だけでなく、亜真空状態のチューブの設計や車両設計技術なども必要だ。国土交通部は今年、36億8000万ウォン(約3億6700万円)を投じるのを皮切りに、2027年までに127億ウォンを投資する計画だ。これまで韓国鉄道技術研究院を中心に研究が進められており、2020年には実際の大きさを17分の1に縮小した模型でのテストで時速1019キロを出すことに成功した。

 しかし、事業性に対する疑問の声も多く聞かれる。実際に韓国政府は以前にも、全北特別自治道のセマングム地域にハイパーチューブの試験場など総合試験センターを建設するとして、1兆1000億ウォン規模の事業を推進したが、予備妥当性調査の壁を越えることができなかった。韓国科学技術政策研究院は当時「事業の妥当性が不足している」と判断した。長距離にわたって真空に近い状態を維持するのが技術的に難しい上に、事故発生時の安全問題も解決されていないというわけだ。初の有人走行テストに成功した英国の企業ハイパーループ・ワンも、こうした問題を解決できず、2023年に事業を閉鎖した。
(引用ここまで)




 夢が語られては次々と破れていくハイパーループ構想。
 バージン傘下のハイパーループ・ワンは人員輸送を諦めて高速物流にトライしたものの、撤退決定。
 イーロン・マスクが大言壮語していたハイパーループは試験路線が撤去されてスペースX職員のための駐車場になっているそうです。

 一方でオランダではテストが行われていて「時速30キロ」で試験走行が行われたとのこと。
 磁気浮遊っぽいですね。他のいくつかの資料にはMaglevとあったので。



 でもまあ、実現は相当に苦しい。



 亜真空をどう保つのか。
 チューブの安定性を求めれば地下での運用になるのだけども、事故が起きた際の救出をどうするのか。
 地上なら事故対応はできるでしょうが、温度変化でチューブが歪むのは間違いない。
 亜真空下で廃熱をどう処理するのか。生じた熱の捨て所がないんですよね。
 空冷はもちろんできない。水冷にしても一度冷やした後、どこで熱を捨てるのか。

 まあ、まだ事業を続けている人々はそのあたりにアイディアがあるのかもしれませんね。
 で、韓国でもやっていたのですが。
 なんかよくわからない1/17モデルで時速1019キロ出したって書いてますが。
 要するに模型で時速60キロまで出したってことです。実物大にしたらその速さになるってだけで。
 その韓国鉄道技術研究院はなんか「亜真空下なのに吸気口がある謎の列車」をCGで走らせてましたね。



 この吸気口からなにを吸いこんでいるのかさっぱりわからないんですが……やっぱエーテルとか?

 まあ、夢のある話なので研究継続していただければいいんじゃないでしょうか。
 でもやっているのは要素研究で磁気浮遊だけらしいので現実的といえば現実的。
 リニアモーターカーに転進できるかもしれないですしね。
 がんばれー。



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韓国の地下鉄駅が大規模改修に……どれだけひどいかというか、周辺地域は「あの映画」のロケに使われるほどにひどかった

天井は垂れ下がって漏水… 阿峴・忠正路駅40年ぶりに手入れする(東亞日報・朝鮮語)
29日、ソウル交通公社は阿峴・忠正路駅に対する「老朽地下鉄駅舎環境改善」を推進すると明らかにした。 ソウル交通公社が管理する老朽化した駅舎は、全体275駅のうち48駅(17%)だ。 このうち13駅が竣工後40年以上が過ぎた。 公社によると、今回環境改善を推進する2ヵ所は、13駅の中でも最も環境が劣悪だ。

公社関係者は「地下駅舎である阿峴·忠正路駅は残り11ヶ所の老朽高架駅舎に比べても天井仕上げ材脱落、コンクリート落下、漏水発生などが継続発生し状態が最も深刻だった」として「特に駅舎周辺に高級新築住宅が大規模に入り古くて古い駅に対する地域住民の改善要求も絶えなかった」と説明した。

公社は阿峴駅は「全面環境改善」を、忠正路駅に対しては「部分環境改善」を推進する。 1日平均2万人の乗客が利用する阿峴駅のリモデリングは、約500億ウォンの予算を投入し、2026年上半期中に完了する。 1日平均1万9000人が利用する忠正路(チュンジョンロ)駅は、予算100億ウォンを投入し、来年12月に再会場を終える計画だ。
(引用ここまで)


 韓国のソウルメトロで老朽化した駅をリニューアルする、とのニュース。
 阿峴駅、忠正路駅を大規模改修するとのことで。
 忠正路駅は使ったことがあるはずのですが、そこまで古かったような覚えはないなぁ……。
 阿峴駅は使ったことがないのですが、記事に画像がありまして。
 これはひどい。

スクリーンショット 2024-06-02 23.42.49.png

 天井は木造かと思ったのですが、一応金属製らしいです。
 天井というか、支えの部分がダメになっているんだな、これは。
 あとどちらもエアコンとかないそうです。


 んで、その阿峴駅ですが。
 「あー、そりゃぼろいわ」って納得できてしまう理由……というか、背景がありまして。

 阿峴駅周辺はあの「パラサイト 半地下の家族」のロケ地です。
 冒頭の友人と焼酎を飲んでいたシーンとか、坂のあるシーンとかの。「あの家族が半地下で住んでいる土地」なのです。
 ね、納得でしょ?

 つまり、街としてのぼろさ、貧乏くささが評価されてロケが行われたってことですからね。
 再開発が行われるとの話で、あのぼろいあたりは全部更地になるってことでしたが。
 少なくとも去年の段階ではまだ聖地巡礼で行っている日本人観光客とかいました。
 不動産不況だから再開発も遅れてるのかもしれませんね。

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韓国でバッテリー出火から全焼していたモノレールが再稼動するものの、またバッテリー問題で停止

カテゴリ:鉄道 コメント:(67)
火災で立ち止まった巨済モノレール、再運行半月ぶりにまた事故(聯合ニュース・朝鮮語)
ホーム火災で休場し、1年5ヵ月ぶりに再運行した慶尚南道巨済(キョンサンナムド·コジェ)のモノレールが半月ぶりに再び止まり、市民の不安を生んでいる。

25日、巨済モノレール運営会社である弘益観光開発によると、24日午後1時頃、下部乗り場に降りていたモノレール1台がバッテリー放電で突然止まった。

当時、このモノレールには5人の乗客が乗っていた。

問題になったバッテリーは自動的に充電されなければならないが、この日充電できず事故が発生した。

状況を認知した運営会社側は、万が一の2次事故に備え、他のモノレールの運行も中止した。 (中略)

巨済モノレールは2022年10月、下部乗り場で火災が発生し、乗り場の建物とモノレール13台が全焼し運行が止まった。

以後、新しい運営会社である弘益観光開発が巨済海洋観光公社と委·受託協約を結び、事故1年5ヶ月ぶりの9日から再び商業運転を始めた。
(引用ここまで)


 韓国では観光地でモノレールを観光の目玉として導入することが多く。
 いや、そこで「え、なんでモノレール?」ってなると話が進まないのでとりあえずは「なるほど、そうなんだ」でスルーしておいてください。
 一応、理由としては高いところから観光地の景観を一望することができる、みたいな部分が大きいようですね。

 以前に楽韓Webが取材した月尾島の月尾銀河レールもモノレールでした。
 現在、月尾海列車としてリブートされ、時々止まりながらも運行されているそうです。

 さて、そのモノレールですが羽田線や千葉モノレールのような立派なものではなく、1台に6人くらいが乗車できる小さなものです。
 こんな感じのもの。



 ちなみにこの画像のものはまだだいぶよいほうのもの。
 あ、このモノレールを含めた遊園地は破綻済です。


 このように韓国のモノレールは各所に存在しているのですが、だいたい4ヶ所に1ヶ所が運休中。メンテの問題がほとんど。

韓国で「観光の切り札」として使われているモノレール、事故多発で4ヶ所にひとつは「休業」状態(楽韓Web過去エントリ)

 さて、韓国南部にある巨済島でもこうした観光用モノレールはありまして。
 一昨年の10月に駅も含めて全焼しました。



 バッテリー充電中に発火。
 んでなんだかんだありながら「観光施設としてどうしてもモノレールが必要だ」とのことになって、今月1日に運行が再開されました。



 で、再開から2週間、バッテリー問題でまた運行停止。
 ……なんとなーく将来の姿が見えた感じがしますね。
 どちらかというと「モノレール乗り場でこんな火災があったのだ」っていうことをメモしておきたいってところでした。

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アメリカが諦めた時速1000キロを超える超高速「ハイパーループ」、中国、カナダ、韓国はまだ諦めずに開発を続けている模様

カテゴリ:鉄道 コメント:(97)
ソウル~釜山が20分… 時速1000キロの「夢の列車」がさらに近くなった(朝鮮日報)
「夢の列車」と呼ばれる超高速列車ハイパーループが次第に現実に近づいている。 これまでイーロン·マスクとリチャード·ブランソン·バージン·グループ会長のような世界IT富豪が未来の交通手段として考え、開発に乗り出したが、商用化が容易ではなかった。 しかし最近、世界各国がハイパーループ開発戦争を繰り広げ、技術障壁を一つ二つ突破している。 (中略)

技術的限界にもかかわらず、世界各国の大学と企業は真空状態を維持する案に没頭し、最近成果が少しずつ出ている。 中国航空宇宙科学工業グループ(CASIC)が開発したハイパーループ「T-フライト(Flight)」は最近、試験運行で時速623kmの新記録を立てた。 今回の試験は2㎞走行したもので、比較的短距離である。 CASICは次は60キロの距離を時速1000キロで走る実験を実施する予定だ。 CASIC関係者は「究極的に超高速旅客機であるコンコードに準ずる時速2000キロを作る計画」と話した。

カナダのスタートアップであるトランスフォードも時速1000㎞で走れる「フラックスジェット(FluxJet)」を開発している。 乗客54人または貨物10トンを積んでチューブの中で飛行するように高速で走る。 磁石が押して引く力で空中に浮いたまま動く。 同社は2035年までに180億ドル(約23兆6000億ウォン)を投じてカナダの主要都市エドモントンとカルガリーを結ぶ300キロの路線を作るという構想だ。 トランスフォードは「飛行機より40%安く、二酸化炭素の排出量を63万6000トン減らすことができる」と述べた。

ドイツのミュンヘン技術大学は直径4m、長さ24mのコンクリートチューブを開発し、試験中だ。 これまで耐久性の良い鉄のような素材を使ったが、相対的に費用が多くかかった。 ドイツのミュンヘン技術大学は、大きな圧力差に耐えるコンクリートを利用して費用を減らせば、ハイパーループインフラの拡張に役立つと見ている。 韓国では韓国建設技術研究院がコンクリート素材のハイパーループチューブを開発中だ。
(引用ここまで)


 韓国ではいまだにハイパーループにかなりの期待をしている模様です。

 ちょっと現状を書いておきましょうかね。
 「ハイパーループ」として真空チューブ鉄道を再提唱したのがイーロン・マスク。
 ただし、スペースX社で行っていたハイパーループ実験施設はすでに撤去されて、敷地はスペースX社員のための駐車場になっています。

 同様にヴァージングループもハイパーループ・ワンを設立して、有人テスト走行を行うところまで計画を進めました。



 しかし、その後に「有人運行は無理」と判断されます。
 高速貨物運搬施設として使えないかと模索していたものの、最終的に「事業性がない」としてすべての計画を破棄しています。
 それでもまだ何カ国かはハイパーループに希望をかけているそうですわ。

 ちなみにハイパーループ的なシステムの構想としては19世紀前半からありまして。
 この時はまだ真空ではなく圧縮空気による移動でしたが、20世紀初頭には「アメリカロケット界の父」として知られている、ロバート・ゴダードが「磁気で動く列車を真空チューブで走らせれば超高速鉄道となる」とする構想を唱えていたりもします。

 ただ、それから現在に至るまで実現できていないのは「真空チューブ」にコスト的な問題が大きすぎるから。
 地上に作れば気温差で素材が伸縮しますし、地下に作れば万一の事故の際の救出活動は不可能なレベルになってしまう。
 ドイツのやっているコンクリートでチューブを作ろうというのは、そのあたりの対策かな。
 亜真空下での廃熱処理も大きな問題のひとつですね。空冷も水冷もできませんから。


 それでもまだ中国、カナダ、ドイツ、そして韓国がテストを行っているそうです。

・中国
 Tフライトと呼ばれるシステムのテストを行った。低真空下でフルスケールのポッドの実験を行い、2kmの試験用チューブを走った際の最大時速は623kmだったとのこと(なお、その速度での動画は見つからず)。



・カナダ
 Transpod社のFluxjetが事業化予定。あくまでも予定。



・ドイツ
 ミュンヘン大学がコンクリート製のチューブで試験中。

・韓国
 韓国建設技術研究院がドイツと同様にコンクリート素材で開発中とのこと。

 ただまあ、前述したようにシステムそのものが抱えている問題があるので、それを解決する手段がないと容易に詰むでしょうね。
 実験を行ったヴァージンのハイパーループワン、イーロン・マスクのハイパーループテクノロジーがそれぞれ「ダメだこりゃ」と匙を投げたのは現実の壁に突き当たったから。
 まだ残っているほうの実験はどうなるんでしょうかね。
 あくまでも夢を追い続けるのか。

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 エントリでのハイパーループの歴史については以下の書籍から引用しています。


韓国の鉄道職員「33万ウォンの横領で解雇は無効だ」と裁判に訴えるものの敗訴……ここで10年前の大規模地下鉄横領事件を見てみましょう

カテゴリ:鉄道 コメント:(43)
タグ: 鉄道関連 KORAIL
「33万ウォンのせいで解雇、ひどい」…コレイル職員訴訟の結末(韓国経済新聞・朝鮮語)
Aは2003年8月に入社し、駅を転々としながら切符の業務を遂行してきた。

2020年、全羅北道(チョンラブクド)地方KTX駅のある切符窓口に発令されたAは、2020年7月、経路運賃の適用を受ける高齢者に龍山(ヨンサン)行きKTX列車の切符を購入し、運賃の50%が割引される重度障害者乗車券(1万9600ウォン)を発売した。 しかし、顧客には30%が割引された経路割引運賃2万7400ウォンを現金で受け取った。 差額7800ウォンを本人が手にしたのだ。 該当駅から龍山までの基本運賃は3万9200ウォンだ。

列車利用途中に変に感じた老人顧客が「なぜ私が障害者乗車券になっているのか」と抗議し、Aの行為が明らかになった。 抗議を受けた乗務員は顧客を落ち着かせるために顧客の要請により7800ウォンを「払い戻し」し、Aからお金を口座振替を受けたりもした。

このようなことは10日後にも起きた。 Aは63歳の顧客に龍山行きの一般乗車券を発売し、基本運賃3万9200ウォンを現金で受け取った。 しかし、発売40秒後にスキャナーを利用して乗車券「旅行変更」を通じて50%割引される「重症障害者」チケットで再発売した。

駅員がかけたスキャナーを通じて乗車券旅行を変更する場合、本来の乗車券が無効になるが、外観上表示されない点を悪用したのだ。 顧客は無効になった一般旅行券で搭乗し、Aは変更された重度障害者乗車券を廃棄する方式で1万9600ウォンを横領したのだ。 このような事実は顧客がマイレージ積立額が半分であることを抗議して明らかになった。

公社の調査結果、Aは同じ方式で2016年にも計8回にわたって10万1200ウォンを着服した事実が明らかになり、新しい役に発令された2020年にも同じ方式で7ヶ月間20回にわたって23万1400ウォンを横領した事実が明らかになった。

Aは3回にわたって反省文と事実確認書も提出した。 監査過程で自分にも盗癖症、衝動調節があると主張し、過去に自分が機械故障によって相当な金額を自分のお金で埋めて損害を被ったことが発生し、これを補償を受けようとする心理のために不正行為を犯したと主張した。 (中略)

だが、公社懲戒委員会は2020年12月Aに罷免を議決し、公社はこれに伴い翌年2月に解雇を通知した。 以後、Aは無念な気持ちで全北地方労働委と中央労働委に救済申請を出したが棄却され、結局中労委を相手に訴訟を提起したのだ。 (中略)

不正の程度も軽く、故意ではないとし、解雇懲戒が懲戒裁量権を乱用したものだと主張した。 Aはこの過程で、一部の被害苦情者や同僚、地域住民が作成した嘆願書も提出し、公社社長や国土海洋部長官、以前の歴史の郡守などから受け取った表彰内訳も一緒に提出した。

しかし、裁判所は公社側の手をあげた。 裁判所は「不当発券による行為は運賃差額を横領したもの」とし、「差額を横取りした時点で横領犯行はすでに期首」と指摘した。 続けて「お釣り交付エラーではなく意図的に運賃差額を着服するために不当発券をした点を見れば横領ではないというAの主張は受け入れられない」と指摘した。
(引用ここまで)


 KORAIL、韓国鉄道公社の職員が「33万ウォンほど横領したけど、33万ウォンで懲戒解雇されるのはあんまりだ」として訴えていた裁判で負けた、とのニュース。

 KORAILの年収って低いわけじゃないんですよね。
 平均年収で7000万ウォンに達するとの話。
 新入社員で3000万ウォン半ば。
 この事件の場合は2003年入社で発覚が2020年ってことですから40歳前後。
 5000万ウォンはもらってた……って感じかなぁ。

 これ以外にもこうした現金のからむ鉄道関連にはけっこうこうした横領のニュースがあります。
 地下鉄用の「1回用交通カード」と呼ばれるものがありまして。
 切符の代わりに日本でいうところのSuicaとかのICカードを買うのですが、保証金として500ウォンを取られます。んで、出たあとに払い戻し機で保証金を取り戻すのですが。
 外国人観光客にとっては小銭よりも時間のほうが大事なので、保証金を取り戻さずに改札のところに置いていくなんてパターンがけっこう多いのです。
 そもそも運賃が10km以内なら1500ウォン、それに保証金を足しても2000ウォンとかですからね。

 で、駅職員がこのカードを集めて、保証金を自分のポケットに入れる。さらに機械からカードを取り出してまた保証金をがめる……なんてことがあって600万ウォンを横領したことがあります。


500ウォンの地下鉄カード払い戻し金を1万回入れた減算式でお金を取った地下鉄副駅長(京郷新聞・朝鮮語)

 で、これきっかけで監査に入ったらソウル地下鉄全体で112人が3000万ウォンを横領していたことが判明したっていう。

ソウルメトロ、使い捨て交通カードデポジット3000万ウォン横領「ソウル駅・蚕室駅・弘大入口駅順」(ヘラルドポップ・朝鮮語)

 実行犯の112人、管理監督者の70人が懲戒されたのですが、89%の162人が警告処分だけで終わったとの話。
 それ以前からやっていたのだろうなと推測できますけどね。
 これが2014年の出来事です。

 前例に照らすと33万ウォンで懲戒解雇はきついかな、とも思えるのですが。
 この10年で韓国の規律も少しは厳しくなったのかな、と感じる事例だったのさ。

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韓国で「観光の切り札」として使われているモノレール、事故多発で4ヶ所にひとつは「休業」状態

カテゴリ:鉄道 コメント:(78)
いきなり事故も……モノレール4カ所に1カ所「休業」(文化日報・朝鮮語)
観光活性化の目的で地方自治体などが先を争って設置したモノレールの安全性問題が後を絶たない。 開通後、観光客が殺到してホットプレイスになったところもあるが、各種火災と事故で観光客の不安感を高めるところも少なくないのが実情だ。 昨年末基準で、全国に設置されたモノレール(65ヵ所)約4ヵ所のうち1ヵ所が機械の欠陥などで止まっており、一部は撤去されている。

31日、各自治体によると、慶尚北道蔚珍郡の「竹辺海岸スカイレール」は13日、乗降場に停車中だった電車の床に設置された補助バッテリーの過熱で火災が発生し、1週間運行が中断された。 このモノレールは蔚珍郡が民間企業に任せて運営しているが、昨年4月にも電源供給レールで炎が発生し、乗客約90人が避難した。 先立って全羅南道順天市順天湾国家庭園の小型無人軌道列車である「スカイキューブ」は昨年9月、電気ショートで38台中12台が止まり、搭乗客70人が空中に孤立し1時間後に待避した。 一部の乗客は呼吸困難の症状を見せ、病院に搬送されて治療を受けたりもした。

慶尚南道統営市の「欲知島モノレール」は2021年11月、50〜70代の搭乗客8人が骨折傷を負う恐ろしい脱線事故が発生して以来、2年以上運行できずにいる。 (中略)

山林庁国立自然休養林管理所が設置した蔚山蔚州郡「神仏山滝自然休養林モノレール」は2018年7月開通初日に機器故障を起こした以後「構造的に非常に危険な状態」という診断を受け、ただの一度もまともに運行できず今年中に撤去される。 事業費20億ウォンが投入されたこのモノレール撤去に4億ウォンが投入されるという。

韓国交通安全公団によると、昨年末基準で全国65ヵ所のモノレールのうち15ヵ所(23.0%)が機械の欠陥などで休止(休止)状態だ。 最近5年間(2019~2023年)、全国で計17件のモノレール事故が発生し、運行障害も52件だった。 また、この期間の事故で重傷8人、軽傷19人の計27人が負傷した。 韓国交通安全公団の関係者は「モノレールの場合、事業性が落ち、管理の疎かさで故障が発生する場合が多いが、収益性の有無を几帳面に確認して設置しなければならない」と話した。
(引用ここまで)


 なんでか分からないのですが、韓国では小さめの島とかで「観光の決め手」としてモノレールが採用されることがあるのです。
 ……いや、なんでですかね。
 こんな部分からも韓国における観光資産の少なさが伺えるわけですが。

 思えば楽韓Webでレポートした月尾銀河レールもモノレールで、当初は1編成70人が乗車するものでした。

楽韓さん、韓国を行く:月尾銀河レールはこうして廃墟になった(楽韓Web過去エントリ)

 その遺骸……じゃなくて、レールを利用して現在運行している月尾海列車は最大46人で運行しています。
 先日、400億ウォンを投じて造成されたテーマパーク(なお破綻済)でも小型モノレールが運用されていましたね。



 斯様に韓国では観光の切り札としてモノレールが採用されているのです。


 ですが、記事中にある欲知島モノレールですが、以前にもちらっと楽韓Webでピックアップしていましたね。

韓国で事故を起こした観光用モノレールが再運行へ……え、この角度で運行してたの?(楽韓Web過去エントリ)

 本当に角度が素晴らしいので映像もご覧ください(笑)。



 運行再開を目指していたそうですが、市がチェックしたところレールの強度が根本的に足りていなかったとのことで現状のレールを撤去し、再敷設が必要になっているそうですわ。

 これらも含めて65ヶ所のモノレールが韓国には存在して、うち15ヶ所が運行停止している状態。
 ……去年の5月の記事では62ヶ所のうち、14ヶ所が運行停止しているって話だったのですが。
 モノレール自体が3ヶ所増えて、運行停止が1ヶ所増えるっていう。
 さすがだ。ちゃんと確率を守っている。

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イーロン・マスクもヴァージングループも撤退したハイパーループ、韓国はまだ諦めずに「2040年にもソウル−釜山間を30分で結ぶ」と意気軒昂の模様

カテゴリ:鉄道 コメント:(163)
イーロン·マスクもとりこになった「ハイパーチューブ」···ソウル~釜山「夢の30分台」を作る(ニュース1・朝鮮語)
ハイパーチューブは空気抵抗のない亜真空(0.001~0.01気圧)チューブ内で磁力で列車を浮上させ時速1200kmの速度を出す新交通手段だ。2013年にイーロン・マスクが公開した「ハイパーループ」のような概念で、すでに世界各地で技術開発に飛び込んだ状態だ。

米国は2017年の無人試験で時速387㎞を達成したのに続き、2020年には時速172㎞の有人試験にも成功した。欧州連合(EU)も長さ2.5キロの試験線建設に取り組んでいる。日本は空気と摩擦がある状態で運営され、ハイパーループとは多少距離があるが、東京~名古屋区間に2027年開通を目標とした時速500km級のリニアモーターカー路線を建設している。

韓国もまた、韓国鉄道技術研究院が2020年ハイパーループを17分の1に縮小した模型試験を通じて時速1019㎞の走行に成功したことがある。

カギはハイパーチューブ核心技術の確保を通じたグローバル市場の先取りだ。KTXは世界4番目の高速鉄道開発だったにもかかわらず、先導技術が障壁として作用し、輸出に困難を来たしたためだ。

政府は今年10月12日、科学技術情報通信部の予備妥当性調査を通過すれば、1次的に2025年全羅北道セマングムなどテストベッドで短い区間試験などを行う計画だ。以後、2次段階では12kmの本試験線路を建設する1兆ウォン規模の事業を進め、関連技術を確保するという計画だ。

第3段階に達すると、新しい敷地を選定し、路線を新たに建設する方針だ。政府はハイパーチューブの大まかな導入時期を2040年と見ている。
(引用ここまで・太字引用者)


 いまだに韓国は完成でハイパーループ(韓国ではハイパーチューブと呼称)をやっているってアレ。
 2025年に試験路線を建設、2040年には実用路線を……としていますが。

 これまでできたのは17分の1スケールで時速1019kmを出しただけ。
 ちなみにこの「17分の1スケールで時速1019km」っていうのは、1/17の模型で時速60kmを出しただけで。
 スケールに従って、それを17倍にしたというだけの話。別に亜音速を出した実績はありません。

 日本のリニアモーターカー、L0の全高が3.1m、車体幅が2.9mですから。
 ざっくり高さ20cmていどの模型と、それを取り囲む亜真空チューブで作ったんでしょうね。

 それでもなんとしてでも「源泉特許を取得したい」ということで進めているようです。


 ちなみに記事タイトルで「イーロン・マスクがとりこになった」ってしていますが、すでにイーロン・マスクがやっていたハイパーループ用の試験走行用チューブはすべて取り壊されてスペースXの社員が使う駐車場になっています。

 リチャード・ブランソンのバージングループはハイパーループを都市間の急速貨物運搬手段として扱う模様です。
 超高速で医薬品や臓器、ハードディスクや資料を運ぶって用途はあるか。
 貨物をしっかり気密性の容器に入れればいいわけですから。

 貨物ならいける。逆に「人間を運ぶには安全性にかける」との判断がされているようですね。

 いま、国家規模でチェックしているのは中国と韓国だけ。
 なるほど。高速鉄道を埋める国と、鉄筋を抜いて知らんふりをする国。
 この二カ国ならいけるかもしれない。安全性が低くても。

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