ソウルで1万人を収容する室内公演場は蚕室(チャムシル)室内体育館、KSPOドーム(旧オリンピック体操競技場)程度に過ぎない。 これさえもスポーツ行事や行政的使用に優先権があり、公演企画に制約が大きい。 結局、K-POPアーティストたちは日本のドームツアーや米国スタジアムツアーから企画し、ソウルの日程は調整したり、最初からスキップしたりもする。 文化の首都に舞台がないため、文化主権の欠乏だ。 Kカルチャーを経験したい世界のファンにとって、ソウルは「目的地」ではなく「出発地」にとどまっている。
2024年テイラー・スウィフトのグローバルツアーは「公演(Live Concert Industry)が経済だ」という点を刻印させた。 シンガポールでは彼女の6回の公演で3億ドルの経済効果が創出され、観光収入は前年同期対比50%以上上昇した。 この都市国家は、スウィフトの公演を見に来た外国人観光客であふれていた。 宿泊・交通・外食·ショッピングなどに使った支出がシンガポール全体を動かした。 (中略)
ソウルがアリーナを作るなら、公演場ひとつを建てるにとどまってはならない。 日本の東京は、公演産業全体を都市構造の中に統合した代表的な事例だ。 東京は大型スタジアムと中型専用公演場が有機的に連結された多層的な公演生態系を備えている。
例えば、東京ドーム(5万5000人)、日産スタジアム(7万2000人)、新国立競技場(6万7000人)は、Kポップスターが観客数万人を動員できるスタジアム公演場だ。 2024年、ブルーノマーズとテイラー·スウィフトがここで公演し、Kポップアイドルグループも次第にこの舞台に進入している。 東京はこのような大型空間を基盤に「スーパースターツアー」を吸収する産業的条件を確保している。
その下を支える中型公演場も体系的に分布している。 さいたまスーパーアリーナ(2万~3万人)、横浜アリーナ(1万7000人)、Kアリーナ横浜(2万人)、有明アリーナ(1万5000人)、東京ガーデンシアター(8000人)などは2010年以降リニューアルまたは新築された高品質施設で、Kポップアーティストの公演が活発だ。
このような公演場は音響設備、接近性、ファン専用ブース、MD販売空間、周辺商業施設との連係性など公演自体を一つの産業化されたパッケージとして受け入れる。 アーティストたちには最適なパフォーマンス条件を、ファンたちには留まる理由と消費する空間を提供する。 公演一つが都市全体の宿泊·交通·外食·ショッピング売上を牽引するわけだ。 K-POPファンはK-POP公演を見に東京に行く。 「才能はソウルが使い、お金は東京が稼ぐ」という言葉が出てくる理由だ。
(引用ここまで)
「日本には1万〜2万人収容クラスのアリーナから東京ドーム、新国立競技場までさまざまな規模で公演のできる場所がある。それに比べて韓国にはなにもないではないか」とする記事。
現状、韓国で屋内公演ができる最大の箱はスカイドームかな。
レポートもしていますのでごらんください。
音響はなんというか、低音がすべて「ボボボボボボボ」ってなっちゃうレベル。
まあ、そもそも野球用のスタジアムなので期待すべくもない。東京ドームも音響はアレですしね。
ただ、この記事ではアリーナクラスから上だけをピックアップしていますが。
音楽文化的にはそれ以下のライブハウス、ライブホールレベルも大事なんだよなぁ……。
「ZEPP目標!」ってできることのありがたさがあるというか。
韓国では2000人クラスのライブハウスがないがしろにされている感があります。
「韓流のすべてが体験できる」とか言って計画されていたKカルチャーバレーとやらはいつものように失敗。
2000人クラスのライブハウスと宿泊施設って予定だったものを、一気に「2万人クラスのアリーナを建造する!」って言い出して撃沈。
まあ、そんな感じでないがしろにされているのはライブハウスだけじゃないですけどね。
2004年にはジャズクラブのブルーノートがソウルにできたのですが、わずか2ヶ月半で閉店。
パイプオルガンが設置されているホールもないし、「久石譲コンサート」って銘打って、ジブリの劇伴を演奏ってやってたりするのですが、公式サイトで「断じて認められるものではありません」って書かれるレベルでやらかしている。
基本、音楽を聞く基盤ってもんがないんですよ。
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中味は長編記事。最新の記事は「「どんなにめちゃくちゃをやっても復活する」イ・ジェミョンはまるで不死鳥? 」となっています。
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