代表的な事例が統計庁が毎月発表する消費者物価と雇用指標だ。 物価·雇用は景気の流れを計る核心指標だ。 表面的に明らかになった数字だけを見れば、韓国は目標管理値(2%)を下回る1.3%(先月基準)の物価上昇率を前面に出して「スーパー雇用好況」を疾走する国だ。 問題は消費者物価指数に自家住居費(自家住宅で居住しながら発生する住居費用)が抜けたまま伝貰·家賃賃借料だけが含まれ体感物価と少なからぬ乖離を見せるという点だ。 自家住居費が抜けているため、最近のような住宅価格上昇期に物価上昇率を一部下げる錯視効果が発生するというのが専門家たちの指摘だ。 住宅価格の上昇にともなう物価の過度な変動を意識して、自家住居費の導入を躊躇したのだ。 米国やドイツ、日本など経済協力開発機構(OECD)38ヵ国のうち、半分の19ヵ国が自家住居費を物価の指標として活用しているのと比較される部分だ。
雇用統計も同じだ。 9月の就職率と失業率は各々63.3%と2.1%で、COVID-19パンデミック以後、歴代最高値と最低値であった。 数字だけを見れば、通貨危機以後、歴代最大の雇用好況だ。 通常、雇用指標は景気後退指標として活用される。 このため、政府は内需不振による景気低迷の懸念にも関わらず、雇用指標を前面に出して景気楽観論を展開した。 ただし低出生·高齢化の余波で高齢就業者増加が雇用率上昇を導いたという部分は隠されている。 非経済活動人口なので失業者と見なさない「休んだ」人口の急増もやはり歴代級雇用指標に隠された錯視効果だ。 就業者と失業者を分ける「週当り1時間以上働いたか否か」が国際労働機構(ILO)が勧告した国際基準であることは正しい。 ただし私たちとは異なり米国では失業者基準を「週当り15時間未満」に厳格に分類するということはまた別の話だ。
統計と体感景気との乖離が続けば、統計に対する国民の不信が大きくなる。 現実に合わせた品目加重値調整など補正作業と共に大々的な改編作業が必要だ。 容易なことではない。 過去と現在の時系列比較が難しくなるという現実的な問題が存在する。 政治的誤解を受ける可能性もある。 特に文在寅政府の不動産・所得・雇用統計操作の試みは正常な補正作業まで疑われる口実を提供した。 昨年9月、監査院の中間調査の結果、このような事実が知らされた後、前政権の人事11人は「職権乱用および統計法違反」の疑いで裁判を受けている。 独立性と中立性が生命である統計を操作しようとした試みは、国家政策を揺るがした「国政壟断」と変わらない行為だ。 統計の信頼性確保のためにも、この事件が国民の記憶の中で決して忘れてはならない理由だ。
(引用ここまで)
韓国の統計は現実に即しているのか、とするコラムが韓国メディアからも出てきました。
ま、そりゃそうで。
「21世紀に入ってから最悪の不景気」であるにも関わらず、雇用率は63.3%と史上最高。
失業率も2.1%で史上最低。
さらに消費者物価指数(CPI)も2ヶ月連続で1%台の上昇でしかない。
ちなみにCPIは7月から2.6%→2.0%→1.6%→1.3%と順調に「インフレ退治が進んでいる」ように見えます。
「よかった、就労に苦しんだり、インフレに苦しんでいる韓国人はいなかったんだ……」
──とはなりませんわな。
現在の不況の大半はムン・ジェイン政権時代の責任が大きいものだと感じられます。
特に政府支出を一気に増やして財政難に陥ったのはムン・ジェイン政権時代のそれが大きく尾を引いています。
新たな政府支出がやりにくいんですよね。
でも、その一方で救われているのはムン・ジェイン政権時代に「経済情勢がまずいから統計改竄しようぜ!」ってなって、それをそのまま引き継いでいることで数字が低くなっていること。
不動産統計をはじめとして、雇用統計、所得統計にも手を出していたことが知られています。
ムン・ジェイン政権での統計改竄、不動産だけで5年間で94回にも及んでいた……民間統計では倍になったソウルの不動産価格、政府統計では「20%上昇した」だけだった(楽韓Web過去エントリ)
この改竄された統計基準をそのまま用いている。
まあ、そうする以外に手はないんですが。
特に雇用については地方自治体各所で高齢者を短時間雇用することで失業率を糊塗できることにムン・ジェイン政権は気づいてしまったのです。
これをそのまま引き継いだ結果として、ユン政権の現在は雇用統計はほぼ完全雇用といっていいレベルになっているわけです。
ムン・ジェインのおかげだなぁ(笑)。
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