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カテゴリ:韓国人と数字の記事一覧

韓国メディア「日本のエンゲル係数が28.3%にもなっている。後進国でもないのに」……いや、君のところのエンゲル係数、見直したほうがいいと思うぞ?

カテゴリ:韓国人と数字 コメント:(90)
「後進国でもないのに」初の事態…日本で何が(韓国経済新聞・朝鮮語)
日本のエンゲル指数が43年ぶりの最高水準を示した。 総務省が発表した統計によると、昨年、日本のエンゲル指数は28.3%で、1981年以降最も高かった。 00年代初めまで下落傾向を見せていた同数値は、05年を底に右肩上がりの曲線を描いている。 日本経済新聞は「食料品価格急騰が個人消費の荷物になっている」と話した。

エンゲル指数が上昇したということは、日本国民の体感景気が厳しくなったという意味と解釈できる。 特に、昨年はコメ価格などの上昇がエンゲル指数を押し上げたものと分析された。 新潟産コシヒカリ米の卸売り価格は1ヵ月間で35%も急騰した。

日本経済はいわゆる「失われた30年」と呼ばれる長期低迷に悩まされてきた。 所得が増えず、消費も増えず、物価も上がらない悪循環に陥っていた。 中央銀行が「マイナス基準金利」という極端な景気浮揚策を使うかと思えば、政府と財界が力を合わせて企業の賃金引き上げを督励するほどだった。 このような努力が功を奏し、最近日本は低物価から抜け出す兆しを見せている。 昨年、日本の消費者物価上昇率は2.5%を記録し、3年連続で中央銀行の管理目標値(2%)を上回った。

だが、景気が完璧に回復しなかったのに物価からうごめくために日本人は「生活が苦しくなった」と訴えている。 名目賃金は35ヵ月連続で増加傾向だが、実質賃金は4ヵ月連続で後退している。 月給袋が表向きには厚くなったように見えるが、実際の購買力は小さくなったという話だ。
(引用ここまで)


 韓国メディアが「日本のエンゲル係数が28.3%になった!」と嬉々として報じています。
 「後進国でもないのに」って記事タイトルがもうね。
 どんだけ嬉しいんだって話ですけども。

 以前もちらと語りましたが、韓国のエンゲル係数は12%ていどとの公式統計があります。
 もっとも、これは「外食費、アルコール購入費を除いた」数字となっています。
 エンゲル係数の大元の考えかた ── 「収入が増えれば相対的に食料費が減る」って考えかたには外食費やアルコール購入費用は入っていないだろと言われればその通りなのですが。
 でもまあ、数字を揃えることができていないのでそれらを加えた数字を足すと、だいたい28.9%になるそうですよ(笑)。
 後進国でもあるま……いや、うーん。
 前回同様、まだ韓国のほうがエンゲル係数高かったりするってオチなのでした。


 そもそもの問題としてエンゲル係数が21世紀の日本を語るのにふさわしい数字なのか、って部分もあります。
 ミシュランガイドの星を持っている店が東京だけで170軒ある国ですからね。
 ちなみにソウルは31軒、星3つなし(1軒あるけど休業中)。

 エンゲル係数自体が19世紀のヨーロッパにおける食うや食わずの労働者階級を見て作られたものです。
 端的に「家計に占める食費割合が高いから貧乏だ」って考えがもはや通用してないというか。
 アメリカみたいに医療費が高すぎて相対的にエンゲル係数が低くなるパターンとかもありますしね。

 日本についていえば超高齢社会となってからこっち、「年金以外の収入がない世帯」が多くなったために見た目の食費割合が上昇したのが実際でしょう。
 以前にもピックアップしたニッセイ基礎研究所のこちらの記事をごらんください。

エンゲル係数の上昇を考える(ニッセイ基礎研究所)

 この7年前のレポートで「高齢化がエンゲル係数を押し上げる圧力となっている以上、これからもそのように動くはずだ」とされていて、そのように情勢は動いています。
 これを覆す考えかたが現在のところ見当たらないので、つまりはそういうことなのでしょう。

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韓国野党、相次ぐ「与野党の支持率逆転」の世論調査結果に「世論調査を検証するための特別委員会」を設立し、「制度改善」を提言してしまう……そういうとこだぞ?

共に民主党、支持率不振に「世論調査特別委員会」発足……「世論調査歪曲検証」(京郷新聞・朝鮮語)
共に民主党が20日、12·3非常戒厳の余波にも関わらず国民の力が民主党支持率を上回る世論調査結果が相次いで出てくるや世論調査に対応する党内機構を設けた。 民主党は、内乱頭(首魁)容疑で拘束された尹錫悦(大統領)が司法体系を否定し、支持者を扇動した結果、保守層が結集した影響が大きいとしながらも、党レベルの収拾に乗り出している。

民主党内の世論調査対応機構である「世論調査検証および制度改善特別委員会」が21日に活動を始める。 特委委員長は、当選3回の魏聖坤(ウィ·ソンゴン)議員(行政安全委員会所属)が務める。 特委は、委員長とともに戦略企画委員会副委員長の李連熙(イ·ヨンヒ)議員、金栄煥(キム·ヨンファン)議員、李康一(イ·ガンイル)議員、黄貞娥(ファン·ジョンア)議員の計5人で構成されている。 委員会は世論調査動向を分析しブリーフィングし、操作・歪曲疑惑がある世論調査を検証する役割を引き受ける。 長期的には制度改善も推進する方針だ。

民主党が別途の機構まで発足し、世論調査に集中的に対応することには、最近低迷している党支持率の影響が大きい。 (中略)

民主党が自主的に分析した支持率不振の原因は「保守層結集」に要約される。 ユン大統領が捜査機関と裁判所の適法な措置に応じず「最後まで戦う」という立場を明らかにするなど支持者を扇動した影響が大きいということだ。 民主党院内指導部関係者は通話で「今日発表されたリアルメーター世論調査も回答者の中で371人が保守、226人が進歩性向だと答えた」として「保守と答える人々が過集票されていることは明白な事実であり、相対的に進歩的な人々は調査に積極的に臨んでいない」と話した。 ある最高委員は記者に「西部地裁暴力事態を扇動した人々に対する捜査が本格化すれば世論調査結果も変わるだろう」とし「尹大統領が拘束(19日)された以後に実施した調査結果を見なければならない」と話した。

世論調査特委は、調査項目、回答者分布などを分析し、公正性と代表性に疑問が生じる地点を公開し、世論戦にも乗り出す計画だ。 これに先立ち民主党は、尹大統領が弾劾後も支持率40%を突破したと明らかにした韓国世論評判研究所(KOPRA)の世論調査に対する異議申し立てを、中央選挙世論調査審議委員会に要請したことがある。

ただ、支持率不振の原因を外部要因だけに回してはならないという声もある。 民主党の相次ぐ閣僚弾劾と対与党攻勢など強硬一辺倒の戦略が疲労感を高めたという指摘が一部で提起されている。 この日、イ·ジェミョン民主党代表と昼食をした常任顧問団は「占領軍のような姿を見せてはならない」「国民が見るに民主党が少し強者になっているのではないか。 こういう時こそ謙虚な姿勢を持つことが必要だ」という趣旨の注文をしたという。
(引用ここまで)


 韓国の最大野党である共に民主党への支持率が、与党・国民の力に逆転されたとの世論調査を何度かお伝えしています。
 当初は世論調査の誤差範囲内だったものが、つい先日の調査では誤差範囲外の差をつけられています。
 与野党での流れが大きく変化しつつあるのは間違いないですね。

 で、野党である共に民主党がその対策を打ち出しました。

 「世論調査検証のための特別委員会」を設立する、です。

 あ、いや。
 フェイクニュースじゃないですよ?
 本気の本当で「世論調査検証特別委」を設立しているのです。
 この特別委、さらに世論調査の制度改善の提言もしていくそうですよ。


 ……そういうとこだぞ?

 世論調査の数字が下落しているの、まさにこういう部分なんですけどね。
 先日も「フェイクニュースを封じるために我々は通信の秘密を侵害する」って宣言していましたけども。これも支持率減少の大きな原因のひとつ。
 基本、民主主義とか自由主義が向いていないのです。

 かつてムン・ジェインは大統領時代に「共産主義者」と呼ばれて民事・刑事の両方で訴えたことがあります。
 さすがに「言論の自由の範囲内」とされて無罪判決が出ましたけども。
 でも、高裁では有罪判決出てたんだよなぁ……。

 あ、そうそう。ついでに「ユン大統領への支持率が40%」としている世論調査あったじゃないですか。
 共に民主党はあの世論調査を選管委に「こんな世論調査はおかしい」と異議申し立てしていたのですが、棄却されています(韓国では世論調査企業は選管委に登録され、調査内容はすべて選管委で公表されています)。

選管委、「尹錫悦支持40%」世論調査で民主党の異議申し立てを棄却(京郷新聞・朝鮮語)

 このあたりも含めて「制度改善」しようとしているのでしょう。
 彼らにとって「2+2は5」であるのは当然のことですからね?

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1984 (角川文庫)
田内 志文
KADOKAWA
2021-03-24

韓国メディア「雇用率63.3%、失業率2.1%でほぼ完全雇用……もしかして我が国の統計っておかしいのでは?」……お気づきになられましたか

「錯視効果」が育てる統計不信(韓国経済新聞・朝鮮語)
代表的な事例が統計庁が毎月発表する消費者物価と雇用指標だ。 物価·雇用は景気の流れを計る核心指標だ。 表面的に明らかになった数字だけを見れば、韓国は目標管理値(2%)を下回る1.3%(先月基準)の物価上昇率を前面に出して「スーパー雇用好況」を疾走する国だ。 問題は消費者物価指数に自家住居費(自家住宅で居住しながら発生する住居費用)が抜けたまま伝貰·家賃賃借料だけが含まれ体感物価と少なからぬ乖離を見せるという点だ。 自家住居費が抜けているため、最近のような住宅価格上昇期に物価上昇率を一部下げる錯視効果が発生するというのが専門家たちの指摘だ。 住宅価格の上昇にともなう物価の過度な変動を意識して、自家住居費の導入を躊躇したのだ。 米国やドイツ、日本など経済協力開発機構(OECD)38ヵ国のうち、半分の19ヵ国が自家住居費を物価の指標として活用しているのと比較される部分だ。

雇用統計も同じだ。 9月の就職率と失業率は各々63.3%と2.1%で、COVID-19パンデミック以後、歴代最高値と最低値であった。 数字だけを見れば、通貨危機以後、歴代最大の雇用好況だ。 通常、雇用指標は景気後退指標として活用される。 このため、政府は内需不振による景気低迷の懸念にも関わらず、雇用指標を前面に出して景気楽観論を展開した。 ただし低出生·高齢化の余波で高齢就業者増加が雇用率上昇を導いたという部分は隠されている。 非経済活動人口なので失業者と見なさない「休んだ」人口の急増もやはり歴代級雇用指標に隠された錯視効果だ。 就業者と失業者を分ける「週当り1時間以上働いたか否か」が国際労働機構(ILO)が勧告した国際基準であることは正しい。 ただし私たちとは異なり米国では失業者基準を「週当り15時間未満」に厳格に分類するということはまた別の話だ。

統計と体感景気との乖離が続けば、統計に対する国民の不信が大きくなる。 現実に合わせた品目加重値調整など補正作業と共に大々的な改編作業が必要だ。 容易なことではない。 過去と現在の時系列比較が難しくなるという現実的な問題が存在する。 政治的誤解を受ける可能性もある。 特に文在寅政府の不動産・所得・雇用統計操作の試みは正常な補正作業まで疑われる口実を提供した。 昨年9月、監査院の中間調査の結果、このような事実が知らされた後、前政権の人事11人は「職権乱用および統計法違反」の疑いで裁判を受けている。 独立性と中立性が生命である統計を操作しようとした試みは、国家政策を揺るがした「国政壟断」と変わらない行為だ。 統計の信頼性確保のためにも、この事件が国民の記憶の中で決して忘れてはならない理由だ。
(引用ここまで)


 韓国の統計は現実に即しているのか、とするコラムが韓国メディアからも出てきました。
 ま、そりゃそうで。
 「21世紀に入ってから最悪の不景気」であるにも関わらず、雇用率は63.3%と史上最高。
 失業率も2.1%で史上最低。


 さらに消費者物価指数(CPI)も2ヶ月連続で1%台の上昇でしかない。
 ちなみにCPIは7月から2.6%→2.0%→1.6%→1.3%と順調に「インフレ退治が進んでいる」ように見えます。

 「よかった、就労に苦しんだり、インフレに苦しんでいる韓国人はいなかったんだ……」
 ──とはなりませんわな。


 現在の不況の大半はムン・ジェイン政権時代の責任が大きいものだと感じられます。
 特に政府支出を一気に増やして財政難に陥ったのはムン・ジェイン政権時代のそれが大きく尾を引いています。
 新たな政府支出がやりにくいんですよね。

 でも、その一方で救われているのはムン・ジェイン政権時代に「経済情勢がまずいから統計改竄しようぜ!」ってなって、それをそのまま引き継いでいることで数字が低くなっていること。
 不動産統計をはじめとして、雇用統計、所得統計にも手を出していたことが知られています。

ムン・ジェイン政権での統計改竄、不動産だけで5年間で94回にも及んでいた……民間統計では倍になったソウルの不動産価格、政府統計では「20%上昇した」だけだった(楽韓Web過去エントリ)

 この改竄された統計基準をそのまま用いている。
 まあ、そうする以外に手はないんですが。

 特に雇用については地方自治体各所で高齢者を短時間雇用することで失業率を糊塗できることにムン・ジェイン政権は気づいてしまったのです。
 これをそのまま引き継いだ結果として、ユン政権の現在は雇用統計はほぼ完全雇用といっていいレベルになっているわけです。
 ムン・ジェインのおかげだなぁ(笑)。

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韓国野党、「偏向した世論調査」の数字を「これこそが真実の数字だ」と「我々への支持率は減っていない」と信じこんでしまう

【コラム】金於俊印の「世論調査」だけを信じる共に民主党(朝鮮日報)
韓国の進歩(革新)系最大野党「共に民主党」は最近、支持率の下落傾向が顕著になると「世論調査のせい」だとした。このごろは世論調査で保守層の回答者が非常に多いから支持率が落ちており、李在明(イ・ジェミョン)代表の司法リスクの影響はない、と主張した。朴賛大(パク・チャンデ)最高委員は「(保守系与党の)『国民の力』全党大会の効果で(回答に積極的な)保守層が過度にサンプリングされたのは明らか」と発言した。

 だが「保守層の過度なサンプリング」という主張には根拠がない。主な調査機関4社が共に実施した全国指標調査(NBS)の昨年末と最近の結果を比べてみると、標本全体に占める保守層の割合は34%から33%へと、むしろ減っていた。それにもかかわらず、与野党の支持率は与党32%対野党28%から与党39%対野党26%へと、差が広がった。 (中略)

 民主党戦略委は少し前に議員総会で、「金於俊(キム・オジュン)氏の設立した調査会社である『世論調査・花』のARS(地域無作為抽出)調査では与党より10ポイントも優勢だ」という分析が載った資料を配ったという。このところ韓国ギャラップ、NBS、RnSearch、国民リサーチグループなど大多数の調査では与党の支持率が高かったが、民主党は「例外的に有利な」金於俊印の調査を信じたいらしい。

 だが金於俊印の調査では、特定の回答を意図しているような設問がしばしば見られる。「検察は憲政史上初めて、野党代表の3回連続検察出頭を要求した。これは次期大統領選ランナーを除去しようとする標的捜査だという主張についてどう思うか」というような問い方だ。 (中略)

専門家らは「設問の過程で特定の党派に有利に見える項目が続くと、反対党派の支持者が調査中に電話を切るケースがある」とし「そういう場合、調査結果がゆがめられる」と語った。どの調査会社がどういう調査をするかによって結果が違ってくる「ハウス・エフェクト」が働いているという見方だ。
(引用ここまで)


 日本でもっともキム・オジュンのことを伝えているのがうちなんじゃないかという気もしますが。
 左派のコバンザメであるキム・オジュンが怪しげな世論調査会社を立ち上げ、怪しげな調査結果を出しているというニュース。
 どんな人物か分からない場合は「日本の新型コロナの新規感染者数が低くなっているのは選挙対策」、「日本の新型コロナの新規感染者数が少なくなっているのは、日本の検査キットはデルタ株を検知できないからだ」ってバカ話を語っていた人物だといえば思い出す人も多いかもしれませんね。

 さて、以前からキム・オジュンは「世論調査の会社を立ち上げる」と言っていたのですよ。
 その理由が「世論調査で行われるガスライティング(誤情報を信じさせるなどして被害者を追い詰める行為)を避けるため」なのだそうで。
 つまり、設立意図が自分たちの陣営に都合のいい数字を出すことで、世論を誘導することなのです。

 実際、調査会社を設立して偏向した質問を連発して、共に民主党の支持率が高いように見せかけていると。
 いや、別にいいんですけどね。


 当初からそれが目的なのでしょうし。
 でもまあ、「他の世論調査から10%ポイントも乖離している」調査を信用して、それを基に戦略を立てても意味がないように思いますけどね?

 まさに「数字は嘘をつかないけども、嘘つきは数字を使う」ってアレ。
 「キム・オジュンが世論調査会社を設立」のエントリでちらっと話した福島民報の「18〜19歳は安倍元総理の国葬に100%反対だ」ってヤツありましたね。
 どんな世論調査であっても充分な母数があった場合は100%には絶対にならないのです。
 これは統計学的に絶対。間違いなく100%にはならない。

 福島民報も調査方法(固定電話へのRDD)は公開しても、頑なに母数を公開しませんでしたね。
 あれは「世論調査」とは言えないものなのですよ。世代別母数を公開できないのであればその割合なんて信頼できないものであるのは当然ですから。

 今回のキム・オジュンのそれは手法的には異なるのですが、まあやっていることは似たり寄ったり。
 数字を変えても現実が変わるわけでもないのにね。

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韓国人「我々は世界6大強国に選ばれているが、ランキングを気にしすぎてはいけない」……あ、そのランキング、嘘ですよ

【コラム】「宇宙7大強国」誇張した宣言、順位にこだわりすぎるな=韓国(中央日報)
最近、韓国が6大強国の仲間入りを果たしたという消息が聞こえる。米国時事週刊誌「USニューズ&ワールド・レポート」が発表した結果だ。85カ国の政治・経済・軍事影響力を総合評価する時、米国・中国・ロシア・ドイツ・英国に続き韓国が、そしてフランスと日本・アラブ首長国連邦(UAE)・イスラエルがその後に続いた。だが冷静になる必要がある。実はこの調査は10分野の領域で行われたが、韓国は国民の冒険への積極性(51位)や事業開放性(76位)、生活の質(24位)、人権のような社会構成員が共有する目標(42位)では低い点数に留まった。

このように「順位」が「実力」をゆがめることは宇宙分野でも起きている。韓国政府は羅老(ナロ)号と月軌道船(タヌリ号)の相次ぐ成功に自信を得て「7大宇宙強国」として生まれ変わるだろうとぶちあげた。1トンを越える人工衛星を軌道に上げることができるというのがその根拠だ。しかし、ほとんどの専門家はこれに同意しない。「7大強国」の本質的意味とその「成績」が国際社会でも有効なのか返答に困るためだ。

トン(t)級発射体の開発力量だけを問題にするなら韓国はすでに7位(2022年)の席を確保した。韓国の宇宙分野予算は11位(2022年)、人工衛星打ち上げ件数は14位(2022年)だ。どうにかここまでは韓国がライバルに追いつくことができるだろう。 (中略)

だが、韓国が38人目として有人宇宙ミッションに参加した後、いかなる活動もないという事実を思い出さなくてはならない。イ・ソヨン博士は2008年世界で475人目、女性として49人目の宇宙飛行士になった。2022年だけでも14カ国出身63人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションと天宮のミッションに参加した。そんな中で「順位」に何の意味があるだろうか。そのうえ米国・中国・日本・インド・UAE、欧州宇宙機関(ESA)は2020年代に60個以上の月探査船や太陽系探査船を打ち上げるが、韓国はタヌリ号が唯一の太陽系探査船だ。

なぜ順位にこだわるのだろうか。ちゃんと組まれた戦略がないからだ。哲学がないからだ。国権侵奪と韓国戦争(朝鮮戦争)を体験した後、すべてのことが焦土化した韓国は高度成長で産業社会に進入した。急げば副作用はつきものだ。我々の価値観は単純化・画一化し、内面よりも外見に、無形の価値や内実よりも数字や指標を重視することになったかもしれない。
(引用ここまで・太字引用者)


 韓国の宇宙開発はいまのところうまく行っているように見えています。
 1回目は失敗に終わったものの、2回目でとりあえず成功。
 月探査船タヌリも(アメリカのファルコン9で)打ち上げて現在のところ、ミッションは順調にこなしている模様。

 で、U.S.ニュースで6大強国に選ばれた、ということで自信満々に報じていたのですが。
 これは軍事予算などの「パワー部門」におけるランキングで、実際には20位だったというオチがついています。
 シンシアリーさんのところで報じられてますね。

韓国、「わしはパワーで6位じゃ」記事が初出から1週間経っても各紙で話題・・パワー以外の総合順位を報じたのは聯合ニュースだけ(シンシアリーのブログ)

 これ、ホントに大騒ぎになってて「え、どういうこと」ってU.S.ニュース&ワールドレポート誌を見にいったくらいだったのですが。
 けっこうバカバカしいオチでした。
 ちなみに U.S.ニュースの選ぶベストカントリーはこちら→U.S. News Best Countries
 スイスが1位、日本は6位、韓国は20位です。


 なんというか……憐れだねぇ。
 ランキング好きなのはよくない、としている記事でそのランキングが実は嘘に近いものだっていう。
 逆説的に韓国人が心からランキングを愛してやまないことが理解できる結果になっていますが。

 斯様に「ランキング」に敏感なのは自分たちに戦略、哲学がないからだ、というのがこのコラムの著者による主張。
 これはまあ、ノーベル賞をほしがってやまないいつものアレにもつながっていますし。
 「世界10大○○!」みたいなことを常に言っていることにもつながりますね。

 あと外国人にインタビューする際に「何歳ですか?」って常に聞くことにも。  常にどちらが上か下かを気にし続けないといけない社会に住んでいることが、極度のランキング好きという結果につながっているのです。

 あといまだにイ・ソヨンを「宇宙飛行士」扱いしているんですね。
 ただの宇宙飛行関係者に過ぎないのに。

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韓国の陰謀論ジャーナリストがなんと「世論調査会社」を起業……これは面白いことになりそう

カテゴリ:韓国人と数字 コメント:(85)
偏向報道の金於俊氏が世論調査会社設立、韓国選管に正式登録(朝鮮日報)
ジャーナリストの金於俊(キム・オジュン)氏が世論調査会社を設立し、このほど韓国選管委傘下の中央選挙世論調査審議委員会(世審委)に登録したことが17日までに分かった。世審委によると、金於俊氏は今月14日、自らが代表を務める「世論調査・花」という会社を選挙世論調査機関として正式に登録した。

 金氏は今年4月から「世論調査会社を設立したい」と主張していた。4月1日、「タンジ日報」のホームページで「世論調査機関を設立する」「一切の外部依存なしに完全な独立調査を行う。メンバーシップ調査機関として定期会員を募集する」と発表した。会費は1年で10万ウォン(現在のレートで約1万300円。以下同じ)、3年で27万ウォン(約2万7900円)だ。金氏は、動画サイト「ユーチューブ」のチャンネル「金於俊のダースベイダー」では「(大統領選挙の期間に)世論調査でガスライティング(誤情報を信じさせるなどして被害者を追い詰める行為)があった。それが選挙に多大な影響を及ぼした」「だからメディアや政党などの依頼を受けずに独自調査だけで毎週企画調査を行い、定期リポートを会員に送る」と語った。

 だが、偏向報道論争の絶えなかった金氏が選挙世論調査をやるということに対し、批判の声が上がっている。
(引用ここまで)


 「ジャーナリスト」のキム・オジュンが世論調査会社を設立し、選挙管理委員会に登録したとのニュース。
 これはかなり面白い。
 なにが面白いって、この本人が大嘘つきだってことなのですよ。

 これまでの代表的な主張をピックアップすると──

セウォル号の船舶識別信号は操作され、故意に沈没させられた
日本の新規感染者数は虚偽だ(根拠なし)
日本の検査キットはデルタ株を検出できないから感染者数が減ったように見える
・(元慰安婦の正義連糾弾声明に対して)誰かが背後にいて彼女を操っている

 といった感じ。

 要するに共に民主党のコバンザメ。
 そんな人物が「世論調査会社を設立」するのですから、かなり楽しみですわ。
 しかも、その理由が「(大統領選挙の期間に)世論調査でガスライティング(誤情報を信じさせるなどして被害者を追い詰める行為)があった」から、なんですって。


 偏向した調査で大統領選挙の結果がねじ曲げられたから自分が立たなければならない、のだそうですよ。
 簡単にいえば就職活動なのですけどね。

 これまで彼はソウル市が運営する交通放送局で「キム・オジュンのニュース工場」なる冠番組を持っているのですよ。
 ところがパク・ウォンスンがセクハラ暴露されて亡くなり、補選では保守候補がソウル市長に当選
 今年6月にあった統一地方選挙でも国民の力からの候補がソウル市議会の過半数を確保して、この交通放送局の粛清に出ようとしているのです。

 なにせ正義連が糾弾されはじめたときに雲隠れしていたユン・ミヒャンが唯一、釈明のために出演した番組ですから。
 どれだけ偏向しているか分かってもらえるかと思います。

 さて。
 先日、福島民報が「福島の18〜19歳は安倍元総理の国葬に100%が反対している」との世論調査を発表しました。

安倍氏国葬「反対」66% 政府対応 疑念浮き彫り 福島県民世論調査(福島民報)

 ところが、どんな調査でもある項目について100%の回答になるということは滅多にないのですよ。
 「統計学上、ほぼない」といっても過言ではないです。
 一定の数を調べると、あるいはこうした世論調査だからこそ一般的な方向性とは逆の答えをいいたがるあまのじゃくが存在するので。

 しかも、調査方法はRDDによるランダムな固定電話への質問。
 この調査方法で「18〜19歳」の回答数はどれほどのものになるのか。母数を見ないかぎり、100%なんて数字には信憑性はないのですが。

 福島民報は取材に対して「母数は公開しない」と回答した、とのこと。

「18〜19歳は国葬に100%反対」!? 福島民報の世論調査記事に統計上の“疑念”噴出(SAKISIRU)

 「数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使う」のですよ。

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韓国の観光ランキングが世界15位にジャンプアップ……なお1位は……

K防疫唱えたのに…。韓国観光の成績表、順位が?(毎日経済・朝鮮語)
コロナ19衝撃にも大韓民国の観光発展指数が世界15位に跳ね上がった。隔年単位で集計される世界経済フォーラムの観光指数発表以来、歴代最高順位だ。

文化体育観光部は2021年世界経済フォーラム( World Economic Forum )の観光発展指数評価結果、大韓民国の総合順位が117の評価対象国のうち15位を記録したと先月31日明らかにした。

隣国日本が1位に上がり、米国、スペイン、フランス、ドイツなどが上位圏をさらった。アジア地域では日本(1位)、シンガポール(9位)、中国(12位)に続く4位の成績だ。

今回の総合15位の成績は直前発表である2019年と比べると4階段上がったのだ。順位変化が大きくない上位30位圏内の国の中では最大幅の上昇だ。
(引用ここまで)


 ポストコロナ時代で再興が期待される産業として観光業がありますが。
 その世界ランキングともいえる世界経済フォーラムの観光発展指数なる数字が発表され、韓国は15位という歴代最高の数字となったそうです。
 文化的資源で8位、ノンレジャー資源(買い物等)で9位などの成績で総合15位とのこと。
 世界経済フォーラムのサイトでは詳しい順位等を見ることができます。

Travel & Tourism Development Index 2021: Rebuilding for a Sustainable and Resilient Future(世界経済フォーラム・英語)

 毎日経済の記事では「K防疫を唱えたのに15位だなんて?」という感じで若干の煽り気味になってはいますが。
 まあ、妥当な順位かなというところ。


 ちなみにこのランキングでの1位は日本になっていまして。
 まあ、こちらも妥当というか。そりゃそうよね、といった感じ。

韓国世界経済フォーラム観光発展指数15位… 1位は日本(聯合ニュース・朝鮮語)

 たぶん、シンガポール以外でこんなに清潔な国はないでしょうし、歴史的な観光資産、天然的な観光資産、ショッピングの魅力等々すべてが高いランクにある。
 あと現在の円安も外国から見たら魅力的でしょうよ。

 ランキングを見ると日本と韓国のポイントは5.2と4.8でたった0.4ポイント差のように見えますが、ランキングに掲載されている中で最下位のチャドだって2.5ポイントなのでけっこうな差なのではないかと思われます。
 117もの指標に渡って評価を行われていますから。

 そういえばブラジル代表が韓国に来ているのですが、エバーランドとかで観光したそうですよ。
 エバーランド、ちらと行ったかぎりではしょぼい印象でしたが。

ブラジルサッカースターの熱い韓国観光…江南のクラブで最高級シャンパンも(中央日報)

 ちなみに日本では隔離が予定されています。

<サッカー>韓国でシャンパン開けたブラジル代表…日本では隔離予定(中央日報)

 いまだに韓国での新型コロナの新規感染者は1万5000人以上いるのでさほど安心だとも思えないのですけども、まあ韓国政府とブラジル代表の判断がそうならしかたない。
 なお、韓国代表戦は2日、日本代表戦は6日。そこそこ楽しみにしています。

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韓国政府「入院待機中に重症化して亡くなった人は6人ではなく、1人だった……いいね?」

カテゴリ:韓国人と数字 コメント:(100)
病床待機死亡相次ぐために...死亡統計の基準縮小に論議(YTN・朝鮮語)
去る1月のコロナ19流行以来、自宅で入院を待って死亡した患者が3人療養病院で隔離病床電源を待って死亡した患者が5人です。
このうち、今年2〜3月に大邱・慶北1次大流行当時亡くなった2人を除く6人が今月に入って死亡したというのが、中央防疫対策本部の説明でした。
今月に入って新規感染者が爆発的に増加し、病床大乱が現実化しているという傍証です。

論議が大きくなると中央防疫対策本部は再び説明資料を出しました。 「待機中に死亡」という基準は自宅や入院前に救急室で死亡した場合を指すため、死亡者として明らかになった8人のうち療養病院で死亡した5人を除くということです。
さらに3人のうち2人は1次大流行時に死亡した事例であるだけに、今月に入ってから1人だけが病床を待機して死亡したというのが中央防疫対策本部の立場です。

「待機中死亡」の統計基準をわずか数時間で自ら変えてしまったのです。
(引用ここまで)


 元ネタはシンシアリーさんのところから。
 最初にこの記事のタイトルを見た時は「死亡統計の基準変更に論議」とあったので「ああ、基準変更をしようとしていて非難を受けているのか」と思ったのですが。
 さに非ず。
 もうすでに変更済みで、それが論議を呼んでいる……ということでした。
 というわけで、今月になってから「入院を待機している最中に亡くなった」のは6人ではなく、ひとりになりました。

 ……もう18年ほど楽韓Webやってて、かつ韓国ウォッチャーのキャリアはそれ以上ありますが、なんというか。
 慣れないなぁ。
 こういうのホントに飄々とやってくれるのです。
 イ・ミョンバク政権でも消費者物価指数が前年同月比で上がりっぱなしになっていたので、基準を入れ替えたなんてことをやってましたね。

 政権の左右を問わず、まずい事態になったらさらっと基準を変更して見なかったことにする。
 「今月、集中治療室に入れずに死んだ人はひとりしかいなかった、いいね?」ってことです。
 ムン・ジェイン政権は病床増強を適切にやっているし、それは効果を出している。
 つまり、医療崩壊なんてしていない。
 その証拠として、適切な処置を受けられずに亡くなったかたはひとりしかいない。
 K防疫の成果ですね。