この展示は百済で始まり、百済で終わる。高さ210センチメートルに達する、すらりとした「百済観音」が入り口で入場者を迎え、百済王が倭王に贈った「七支刀」が最後を飾っている。
7世紀の飛鳥時代を代表する傑作だが、その「名前」のためにこれまで百済から渡った作品だと考えられていた。なぜ日本の仏像に「百済」という名前がついたのだろうか。実は、「百済観音」と呼ばれるようになってからは100年しかたっていないという。もともとの名前は「虚空蔵菩薩」だ。1919年に日本の哲学者・和辻哲郎(1889-1960年)が書いた『古寺巡礼』に「わが百済観音像」という表現があり、有名になった。日本で製作されたが、百済からの渡来人が作った仏像かもしれないし、百済の影響を受けて作った日本の仏像かもしれない。仏教彫刻研究者の閔丙賛(ミン・ビョンチャン)元韓国国立中央博物館長は「日本では昔から、すばらしくて美しいものは『百済(くだら)』のものだという認識があった。当時、韓日両国が緊密に文化的なつながりを築いていたことを意味する」と話す。奈良国立博物館の井上館長も「韓国と日本の近い関係を示す象徴的な作品なので、韓国から大勢の方々に来ていただき、ご覧になってほしい」と言った。
(引用ここまで)
奈良国立博物館でやっている超国宝展に行ってきました。

朝鮮日報では最初にあるのが百済観音であり、最後には七支刀があった。百済ではじまり、百済で終わる……としていますが。
最初のほうに観音菩薩立像があるのは間違いないかな。入ってすぐに目に入るって意味では。
ただ、楽韓Webでも何度か語っているのですが「百済観音」って別に百済に関係ないですからね。
江戸時代くらいには法隆寺に「なんかよく出自の分からない仏像がある」とされていて。
「天竺のもので百済を通じてきたらしい」と書かれていた仏像が、この虚空蔵菩薩とされていたもの。
記事中にあるように和辻哲郎が「百済観音」と呼び出してそれが定着したって話。
通称があったほうが受け入れられやすいってことでしょうね。
記事に「日本では昔から、すばらしくて美しいものは『百済(くだら)』のものだという認識があった」って益体もない話が出ていますが。
これ、韓国国内でまことしやかに言われている「日本では百済のものが上等とされていて、しょうもないものには『くだらない』と呼ばれていた」って嘘です。
気になるかたは水野俊平(野平俊水)教授の「日本人はビックリ! 韓国人の日本偽史」に解説もろとも掲載されていますので、ごらんください。
百済観音と百済の間になにか縁があるのか、というと「100%まったくないとは言い切れないけど、まあないよね」くらいのもの。
名称で「百済」がついているってだけです。
そして超国宝展会場の最後にあるのは七支刀ではなく、宝菩提院願徳寺の菩薩半跏像。
金属製かと見紛うほどの質感。見たかった仏像のひとつです。
開催後期になると中宮寺の菩薩半跏像が最後の展示になるようですね。これも見にいきたいところ。
七支刀はその前に置かれているもの。
まあ、目玉のひとつではある。
けどまぁ、「展覧会最後に置かれているもの」ではないわな。
というわけで朝鮮日報のこの記事、全体が嘘っていうしょうもないものでした。
なんかこういうしょうもない嘘を書きますよね、韓国メディア。
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中味は長編記事。最新の記事は「イ・ジェミョン大統領の韓国が台湾有事を誘発する 」となっています。
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