「381人目、ソメイ。 382番目、ソメイ。 383番目、ソメイ。 384番目、ソメイ… 済州王桜を一本でも見たいですね」。
今月21日の新型コロナウイルス感染症の拡散以来、4年ぶりの軍港祭を控えた慶尚南道昌原市鎮海区の桜の名所、余佐川のど真ん中。 黄色いジャンパーを着た人々が衛星航法装置(GPS)機械、カメラなどを分けて持ち、桜の木を一つ一つ見ては調査紙に几帳面に表記した。 彼らは桜の種類の調査に乗り出した「王桜プロジェクト2050」の調査隊員だった。
彼らは桜の花の受け皿が長いのか、丸いのか、小花茎(花の柄、一つの花をつけている茎)や花柱に毛が多いのか少ないのか、木の柱に花や新芽が生えているのかを調べたが、時間が経つにつれて足が速くなった。 数百本の桜の木がほとんど日本から渡ってきたソメイヨシノ(Prunus x yedoensis Matsum.)だったからだ。 韓国だけで育つ王桜「済州王桜(Prunus x nudiflora Koidz.)」は冬の雪の毛が比較的まばらなのが特徴だが、調査隊員が目に火をつけて探してみたにも関わらず一本も発見できなかった。
26日、王桜プロジェクト2050によると、団体が21、22日に呂佐川、京華駅、中原西路など鎮海で有名な桜並木の桜並木を全数調査した結果、96%がソメイヨシノと把握された。 場所別の割合は△余佐川99.7%△鏡花駅91.1%△中原西路100%などだった。 881本のうちソメイヨシノ(846株)の他に枝が柳の木のように垂れ下がった桜(日本原産·28株)があり、韓国自生種である桜の産毛桜などはわずか7株だった。 一方、韓国の特産種である済州王桜は1本もなかった。 自生種と特産種は全て自然に育った野生種だが、特産種は特定地域だけで育つ特徴がある。
ソメイヨシノは韓国で「王桜」と呼ばれる桜の一種で、エドヒガン(母系)と大島桜(父系)の間で生まれた雑種として知られている。 韓国には1900年代初めに一度流入した後、解放後に大々的な伐採で姿を消したが、1960年代に再び流入し、全国的に広がった。 鎮海区庁によると、鎮海の桜も樹齢が平均35〜40年で、この時期に植えたものが多い。 (中略)
プロジェクトを率いているシン・ジュンファン元国立樹木園長は「ソメイヨシノは日本で一つの種のように複製生産され韓国にも流入したものであるだけに日本産と見るのが正しい」とし「花には国籍がないという指摘もあるが、日本がソメイヨシノを自国代表の花だと線を引くだけに、私たちも特産種である済州王桜を訪ねて広く植えて保存する必要がある」と強調した。
(引用ここまで)
去年3月の記事。
王桜プロジェクト2050なる団体がありまして。
わりとまともな活動をしている人々。
当初は「ソメイヨシノを抜いて王桜を植えろ」みたいなことを言っていると報道されていましたが、実際にはこうして韓国国内の桜についての調査を地道に行っている団体のようです。
以前には国会周辺の桜についても調査を行っていました。
韓国の国会がある汝矣島はソウルでも有数の桜の名所として知られています。
汝矣島の桜は96%までがソメイヨシノであった、との調査結果でした。
こういう地道な調査、重要なんですよね。
むしろ尊敬できる活動をしている人たちでした。
さて、記事中に「ソメイヨシノは戦前に日本によって植えられたが、戦後に伐採された。その後、1960年代にふたたび流入したとあります。
これは当時、朝鮮戦争で荒廃した韓国に植樹しようとして在日韓国人が中心になって樹木を寄贈するという運動があったのですが。
その際にソメイヨシノも6万株に渡って寄贈されたとのことです。
韓国が桜の「起源」に固執する理由(Wedge Online)
そして、寄贈されたソメイヨシノがもっとも多く植えられたのが鎮海軍港で、韓国国内でも最大の桜の名所となっています。
鎮海軍港祭は韓国において最大の桜祭りなのですが、その鎮海で王桜プロジェクト2050が881本の桜を調査したところ846本がソメイヨシノだったと。
それ以外もシダレザクラなどが多数で、韓国独自の桜は7本だけだったとの結果だそうです。
こうして春が巡る度にソメイヨシノが韓国では咲き誇り、その度に「この桜は日本のもので〜」云々とか考えるわけですね。
そりゃ、「ソメイヨシノは韓国起源」くらいのことは言い出すか。
哀れみを感じなくもないかな……。
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