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カテゴリ:自動車関連の記事一覧

韓国メディア「新型肺炎の影響でヒュンダイ、キアは操業停止に追いこまれたのに、日本のトヨタ、ホンダはフル操業している……なぜだ?」

武漢肺炎で現代自は稼働中断、トヨタはフル稼働…明暗分かれた韓日自動車産業(朝鮮日報)
 最近中国の「武漢肺炎」の影響で韓国と日本の自動車業界の明暗が分かれている。韓国の自動車メーカーは中国からの部品供給が途絶え、稼働を中断しているのに対し、部品の供給先を多角化した日本メーカーは今のところ特に打撃を受けていない。

 自動車業界関係者によると、現代自動車は4日から段階的に韓国での工場稼働を中断している。4日からジェネシスG70、G80、G90を生産する蔚山第5工場第1生産ライン、ポーターを生産する蔚山第4工場第2生産ラインが止まり、蔚山第1工場も5日に生産を中断した。

 ツーソンとネクソを生産する蔚山第5工場第2生産ライン、商用車を生産する全州工場のトラック生産ラインは6日から、GV80、パリセード、ツーソンを生産する蔚山第2工場、アバンテ、アイオニックなどを生産する蔚山第3工場、ソナタ、グレンジャーを生産する牙山工場は7日から稼働を中断する。

 双竜自動車も4日から稼働中断に入った。起亜自動車も所下里工場(京畿道光明市)と光州工場で生産量を削減した。 (中略)

 韓国の自動車メーカーが部品一つの供給トラブルで対応に苦慮しているのに対し、トヨタなど日本メーカーはこれまで特に打撃を受けていないという。トヨタ関係者は「本社に尋ねた結果、部品供給には全く問題がないという回答があった」と答えた。ホンダ、日産なども武漢肺炎による生産への影響は特にないという。

 日本メーカーもデンソー、古河電工、矢崎総業、住友電気工業など主に自国の部品メーカーからワイヤーハーネスの供給を受けている。しかし、現代・起亜自の中国進出と共に中国に生産ラインの大半を置いた韓国の部品メーカーとは異なり、日本メーカーは東南アジアでもかなりの量を生産している。

 日本の部品メーカーが東南アジアに生産を多角化したのはメーカーの海外進出と密接な関係がある。現代自が中国に5工場を集中させたのに対し、トヨタ、ホンダなど日本企業は早くから東南アジア市場への進出に力を入れた。その上、東南アジア市場は中国よりも相対的に人件費が安く、複数の工場を稼働できた。
(引用ここまで)


 中国の武漢での部品工場で生産がストップした影響で、韓国のヒュンダイ・キア自動車は韓国国内の生産工場をすべてストップさせざるを得なくなりました。
 ところが日本の自動車企業はなんの問題もなく操業を継続している。そこには部品供給の多角化が秘密だった……というような記事。

 ただ、供給元を多角化するかどうかは微妙なところ。
 前回の「ヒュンダイ自動車の韓国国内工場がすべて生産停止」のときもちらっと書きましたけどね。
 日本企業の多くは東日本大震災、タイの大洪水を経て部品を多くの場所で作るという手段をとったというだけですよ。
 大量生産での「金額の有利さ」や、工場がひとつの国でまとまっていることによる資材分配の容易さといった部分を重視するのか。
 こういった場合での「生産を継続させることができる」という部分を重要視するのか。
 どっちが正解ともいえません。
 でもまあ、中国はこういった伝染病だけじゃなくて社会的なリスクも抱えているのは間違いないところ。
 そういったリスクをどう評価するか、企業によっても異なっていて当然だとは思います。

 ですが、ヒュンダイ・キア自動車は中国で100万台弱ていどのシェアしか保てなくなっています。
 ヒュンダイ自動車が68万6000台、キア自動車が28万4000台ほど。

現代自の中国販売13%減、目標85万台届かず(NNA)

 両者の中国工場での年間生産能力は、去年の時点で254万台
 これはもはや覆しようがないくらいに脆弱化しています。かつてヒュンダイ・キアが担っていたシェアを中国国内の自動車メーカーが奪いきってしまっている。
 サムスン電子のスマホのシェアが0%台になっているのに等しいですね。
 東南アジアへの輸出でフォローしようとしていますが、年間150万台も売れるわけもなく。
 もはや中国にここまで集中している意味というものはなくなっているのです。

 であれば、部品工場ともども東南アジアなり、次の重要拠点としているインドに向かうべきじゃないかなぁ……とも感じますけどね?
 中国はもう充分に人件費が高くなってしまっていますから。

韓国GM、非正規労働者を一斉解雇。双竜自動車、10年ぶりの復職者を即座にレイオフ……もう韓国人を雇う余裕はない、ってことか

解雇された韓国GM非正規職労組員、新年初日から工場で無期限座り込み(朝鮮日報・朝鮮語)
喜ぶべき日なのに... 双竜車解雇者46人、11年ぶりに「涙の出勤」(ハンギョレ・朝鮮語)
昨年12月31日付で契約解除された韓国GM昌原工場の非正規職労働者が二日目の工場内で無期限座り込みを行っている。これ使用者側は「契約が終了した請負業者の従業員の一部が生産ラインを占拠して生産に支障をきたして正規労働者の安全を脅かす場合、生産中止を検討し、民・刑事上の責任を問う」と2日明らかにした。 (中略)

主に軽自動車を生産している韓国GM昌原工場は、生産量の減少に、昨年10月7請負業者に、12月31日付で請負契約を終了すると通知した。請負業者に所属する非正規労働者はすべて585人である。

続いて、使用者側は先月23日、生産工程を既存の昼夜2交代で1交互に切り替えた。ただし勤務形態の切り替えは、正規職労組との合意が必要な事案では、使用者側は1週正規職週間組、1週夜間組が交互に働くように、労使合意案に署名せずに調整した状態だ。この日の作業は3時30分から「夜間組」がすることになっている。 (中略)

韓国 GMは年間23万台規模の新型 CUV(クロスオーバー・ユーティリティ・ビークル)の生産を昌原工場に誘致したが、本格的な量産は2022年からだ。使用者側の関係者は、「 CUVの本格生産に入るまでベルトを締めている状況だ」とした。
(引用ここまで)

この日、最後に残った双竜車解雇労働者46人の初出勤を祝う花束伝達式が行われた双龍車本社正門前に冬の雨がしとしと降っていた。

これらの46人は2009年6月8日に解雇された。この日の出勤は解雇から3865日ぶりだ。歓迎されるべき一歩だが、これらは再び「闘争」を叫ぶしかなかった。双竜車が経営悪化を理由に先月、クリスマスイブに復職延期を一方的に通告したためである。 (中略)

しかし、先月末までにすべての解雇者を復職させるという約束は守られなかった。双竜車は先月24日、経営悪化を理由に残った解雇労働者46人にテキストメッセージで「無期限休職」を通知した。双竜車の方は、「これらの休職者46人、7月に復職が決定され、今年から賃金の70%が支給される。循環休職を実施中の事務職労働者と同じ条件だ」と説明した。
(引用ここまで)


 韓国GMで非正規労働者を一挙に解雇。
 双竜自動車は10年ぶりに職場復帰する予定だった解雇者をいきなりレイオフ。
 ちなみにルノーサムスンでは賃上げ要求のストがあったのですが、半分以上の労働者がスト破りをして出勤したとのこと。
 外資系3社はぼっろぼろですね。

 ちなみにムン・ジェイン政権の鶴の一声で「大企業は非正規労働者を正規労働者に!」ということで、特に大企業は非正規労働者を正規雇用するように言われているのですが。
 まあ、守るわけないよねっていう。
 ちなみに公的企業は正規雇用率を増やす努力義務があるのですが、ほとんどのところで非正規をアウトソーシングするという形で達成しています。
 まあなぁ……非正規で雇用するっていうのは、こうして口減らしが必要になった時の安全弁として扱うためですから。
 しょうがないといえばしょうがない。

 んで、双竜自動車の雇用についてはムン・ジェインのインド訪問時にモディ首相に対して「復職問題に対応してほしい」と言っていたほどだったのですが。
 あ、双竜自動車はインド企業になっていて、韓国でも工場操業しているというレベルになっています。
 復職させるまでは行ったのだけども、その場でレイオフ。
 嫌がらせか。
 嫌がらせなんだろうな。

 残ったヒュンダイ・キアも2020年の目標販売台数自体が前年割れの753万6000台。
 生産能力は世界トップに迫る900万台クラスなんですけどね。
 韓国国内の生産をゼロにしてもいいくらい……それが狙いなのか。

 労働争議のやりすぎ……だわな。

なんと本当にヒュンダイ自動車が日本市場に再参入。水素自動車5台をG20に展示……この再参入、どこに勝ち筋が見えているの?

現代車、撤退した日本市場で10年ぶりに「ネクソ」を輸出する理由(マネートゥデイ・朝鮮語)
現代自動車が2009年に日本の乗用車市場から撤退してから10年ぶりに再び日本の地を踏む。10年ぶりに日本に向かう現代車の偵察兵は、将来の技術の集合体と呼ばれる水素電気自動車「ネクソ」だ。

4日、自動車業界によると、現代自動車はネクソを5台、日本政府による規格認証を終えて日本現地で出荷した。最終目的地は「水素競争国」日本のリゾート地軽井沢。

「2019大阪G20(主要20カ国)首脳会議」に先立ち、15〜16日にはG20のエネルギー大臣会合と世界CEO(最高経営責任者)による協議体「水素委員会」(Hydrogen Council)の投資家ミーティングが開かれる場所だ。

現代車は水素経済に関するグローバル政府・企業のリーダーが一点に集まるこの場所でネクソを展示し、世界に技術力を誇る予定だ。水素委員会55メンバーの共同会長であるチョン・ウィソン現代自動車グループのシニア副会長が参加しVIPに直接ネクソを紹介すると伝えられた。

これまでネクソは北米、ヨーロッパ、オセアニア地域に主に輸出された。先月にはマレーシアにネクソ2台を提供し、東南アジア水素電気自動車市場に第一歩を踏み出した。

今回、日本の認証を受けたネクソは10月の東京モーターショーと来年2月に東京FC(水素燃料電池)エキスポでも公開される可能性がある。現代車は「水素オリンピック」を標榜した「2020東京オリンピック」を控えて大々的に開催される来年、東京FCエキスポに初めて参加することを決めた。

今回、日本に出荷されたネクソの一般市販予定はないが、水素競争国の本陣に水素電気自動車を披露したという象徴性は高いものと評価される。まだトヨタ「未来」やホンダ「クラリティ」など、日本の水素電気自動車は韓国国内には披露されていなかった。
(引用ここまで)

 ヒュンダイ自動車の日本市場再参入が囁かれていましたが、どうやら本気で参入するとのこと。
 しかも、水素自動車のネクソをひっさげて。
 とはいっても、ネクソは「ヒュンダイは環境に優しい企業である」というブランド展開のトロフィー的な存在として掲示するのみ。一般販売はするかどうかも分からない模様です。メインになるのは電気自動車であるとの話もありますが、詳細はさすがにまだ不明。
 で、10月の東京モーターショーにかなり大きなブースを確保しており、日本市場への復帰を華々しくアナウンスする……とのことです。

 2001年の日韓ワールドカップ前年に、これ以上ないというタイミングで華々しく日本市場に参入。
 日本市場に一切通用することなく、屈辱の日本市場撤退から10年。
 そして何度かの噂が浮かんでは消えを繰り返して、ついに再参入。

 こうして再参入するからには、なんらかの勝算があるんでしょうね。
 惨敗と言う言葉では語りきれないほどの惨めな撤退を経て、わざわざエコカーだけに参入品目を絞るというマーケティングの上に参入するのでしょうからなんかあるんだろうなぁ……。
 前回の参入と同様にどのような目もないようにしか見えないのですが。
 まあ……がんばってくださいな。

ヒュンダイ自動車、販売低迷の続く中国市場で第1工場の稼働を中断へ……部品メーカーもドミノ倒しになるか

現代自動車、北京第1工場の稼働を全面中断(朝鮮日報)
韓経:中国に進出した韓国車部品会社145社「崖っぷちへ」…連鎖構造調整が不可避(韓国経済新聞)
 韓国の現代自動車が早ければ来月にも北京第1工場の稼働を全面的に中断する。2017年の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備をめぐる報復の影響で中国市場での販売が2年連続で悪化し、平均工場稼働率が50%以下に低下したことから、本格的なリストラに入った格好だ。

 現代自の中国合弁会社、北京現代汽車は最近、人員削減のため、北京第1-3工場の従業員2000人を希望退職させたことが分かった。第1工場の残る従業員は第2、3工場に配置転換する予定だ。現代自関係者は「時期ははっきりと決まっていないが、過剰生産能力を調整するため、最も老朽化した第1工場の稼働を中断する手続きを進めている。工場閉鎖は決まったわけではなく、工場を今後どのように効率的に活用するかを検討していく」と説明した。
(引用ここまで)
現代自動車の後を追って中国に進出した韓国の部品会社が瀕死の状況に追い込まれている。2017年、中国の「THAAD(高高度ミサイル防衛体系)報復」以降、販売台数が急減したことに続き、現代車の現地合作会社である北京現代が第1工場の稼働を中断することを決めたことによるものだ。中国現地に工場を置く中堅部品メーカー(1次協力会社基準)の連鎖構造調整が避けられないとの見通しが出ている。

7日、業界によると中国に工場を置く韓国自動車部品業者数は145社(韓国自動車産業協同組合所属基準)に達する。これらの大部分は現代・起亜自動車の中国現地法人である北京現代と東風悦達起亜に納品する1次協力会社だ。これら協力会社が北京をはじめ常州、重慶、塩城などに作った工場だけで390カ所余りに達する。 (中略)

中国に進出した部品会社の経営難はすでに深刻なレベルだ。THAAD報復の余波で現代・起亜車の販売台数が落ち込んだ後、2年間工場稼動率が50~60%台を上下している。在庫が増えて売り上げまで大きく落ちた。半数以上の企業が赤字に苦しめられている。車両共助システム関連部品を生産するA社代表は「2017年初めに90%以上だった中国内の工場稼動率が最近2年間で50%以下に落ちた」とし「工場稼動率が80%以下に落ちれば収益を上げることができない」と吐露した。 brbr 中国の地元完成車メーカーと取り引きせず、現代・起亜車だけに依存している部品会社の事情はさらに深刻だ。エンジン関連の部品を生産して物量の大部分を現代・起亜車に納品しているB社の財務担当役員は「中国進出以来、最大の危機」とため息をついた。
(引用ここまで)

 ヒュンダイ自動車はだいぶ前から中国工場の整理をしなければならないだろうとされていました。
 現在のところ、ヒュンダイ・キアで9つの工場を持ち、生産能力は年間254万台(乗用車のみ)。
 ですが、去年の中国における販売実績はわずかに116万台ちょい。
 THAAD問題で売れなくなっているのだということになっていましたが、中国の自動車メーカーがそこそこ力をつけてきたことでヒュンダイ自動車のシェアが奪われているというのが実際。
 構造的に問題なので復活はほぼ不可能。  こんな状況でも韓国に生産車両を逆輸入することは労組との協定で禁じられているので不可能。いくらかを東南アジアに輸出するようになっているようですが、東南アジアでも市場開拓できているのかというとそういうわけでもない。
 八方塞がりでできることは工場の閉鎖くらいなものだろうとされていたのですよ。

 で、それにつれて問題になるのが中国に引き連れていった部品メーカー。
 韓国国内でもヒュンダイのTier1(1次下請け)の部品メーカーが倒産しつつある中、中国で持つわけがない。
 韓経の記事では「中国自動車メーカーにも部品を供給できるようにするなどしなければいけない」とか書いていますが。
 中国の部品メーカーは充分なクオリティを獲得しているのですよ。中国政府が「技術供与しなければ工場建設は認めない」という政策を執り続けてきた結果ですね。
 本当に韓国にできて中国にできないのは半導体製造くらいなものになっている。
 その半導体製造もNANDフラッシュでは追いつきつつあるのですねぇ……。

 ここまでヒュンダイ自動車は追いこまれているにも関わらず、貴族労組と呼ばれている連中はのんびりと53人いれば充分なラインで100人が遊んでいるわけです。
 ま、過去最高益を叩き出したときと比べれば営業利益は1/4ほどになっているのですが、まだまだ2000億円レベルの営業利益は出しているのできっと大丈夫。

ヒュンダイ自動車、毎日1台のペースで車両火災を起こしていた車種をリコールへ。中国工場ではリストラ開始……踏んだり蹴ったりですね

現代・起亜自 アメリカで16万8千台をリコールへ(KBS WORLD)
中国で販売不振の後遺症... 北京現代、リストラに着手(韓国経済新聞)
現代・起亜(キア)自動車グループは、燃料パイプにエンジン出火の原因にもつながる欠陥があったとして、アメリカで16万8千台のリコールを実施すると報じられました。 ロイター通信が伝えたところによりますと、現代・起亜自動車は2017年にエンジン火災に関連してリコールを行いましたが、このときに高圧燃料パイプが不適切に設置されたか損傷したおそれがあり、これが火災のリスクを高める可能性があるとしてリコールを実施したということです。 (中略)

ロイター通信によりますと、カナダと韓国でも実施された今回のリコールによって現代・起亜自動車はおよそ3600億ウォンの損失を負いました。
(引用ここまで)
現代自動車の中国の合弁会社である北京現代が人材調整に入った。現地1~3工場の従業員を対象に転職を勧めたり、工場の稼働率に応じて人員を配置転換する案を推進中だ。中国の自動車販売台数の減少で苦戦している北京現代が工場稼働率が50%台に落ちる事実上削減に突入したという観測が出ている。 (中略)

北京現代が人材調整に乗り出した理由は現地販売量急減のせいだ。販売量が減り、工場の稼働率が50%台に落ち、人材があふれ始めた。

現代自動車は2002年に中国の北京自動車と持分50対50の合弁会社である北京現代を立てた。北京現代は、中国北京1~3工場、常州4工場、重慶5工場などを運営している。年間乗用車生産能力は165万台に達する。商用車を生産する四川工場まで合わせると年間181万台の生産体制を整えている。

北京現代は、2013年から4年連続で100万台以上を販売して常勝疾走した。しかし、2017年サド(高高度ミサイル防衛システム)報復の影響で販売台数が78万5000台水準に低下した。昨年も79万台を売るにとどまった。2014年4位だった北京現代の現地乗用車販売台数の順位も昨年9位に後退した。起亜自動車の合弁会社である東風悦達起亜も塩城工場(年間89万台)を稼動中なのに、昨年の販売台数が2016年(65万台)の半分の水準である37万台にとどまった。
(引用ここまで)

 現在、ヒュンダイ自動車は中国に第5工場+商用車工場までありまして、キア自動車は第3工場までで第4工場を建設中だったか計画中はず。
 つまり、ヒュンダイ・キアグループの合弁会社で9つの工場を持っており、キアの第4工場が完成したら10もの工場を持つことになるのですね。
 生産能力は両方をあわせて乗用車だけで254万台。
 ですが、販売台数は116万台ちょっと。半分もいかない。生産車両を東南アジアに輸出しはじめているなんて話もありましたっけ。

 というわけで工員が余りはじめたということでリストラ開始。うむ、どこかで見た風景。
 中国工場の生産性は高いということなので、韓国工場の労組がアレじゃなければ韓国側から手をつけていたのでしょうけどね……。

 で、北米でここ何ヶ月か話題になっていたヒュンダイ自動車とキア自動車の車両発火についてリコールが決定。
 閉じ込められて亡くなったかたもいるようで。
 リコールの台数は16万台。
 リコール費用は3600億ウォン。
 とりあえずこれでこの件は一段落とのことですが、2015年と2017年に行われたリコールが適正なものであったか。
 すなわち、今回のリコールにつながるエンジン火災を引き起こしたのは2015年と2017年のリコールに問題があったのではないのかという調査は引き続き行われるとのことです。

 中国でダメ、北米でダメ。
 両方の国で好まれるSUVで勝負できる車種がひとつもないというのも大きな原因とされています。
 その一方でヨーロッパで新規カスタマー獲得のためにWRCに参戦したところ、けっこういいところまで行けているのです。
 昨シーズンの結果は2位。ただし、昨シーズンのチャンピオンはトヨタでした。
 ついでにいうと2017年も2位。2016年も2位。立派なものだと個人的には思いますが。
 まあ、現在のヒュンダイを象徴しているような話ですね。

韓国のヒュンダイ・キア自動車に車体炎上で大規模な集団訴訟へ、「1日1台が衝突もなしに炎上している計算」とのこと……

アメリカでヒュンダイ・キア自動車に対して集団訴訟... 「エンジンの欠陥で車火災の危険性」(聯合ニュース・朝鮮語)
米国でヒュンダイ・キア自動車のオーナーが複数車種のエンジン故障で深刻な火災の危険にさらされたと集団訴訟を出した。dpa通信が14日(現地時間)法律事務所ヘイガンズバーマンを引用して報道した。

これらの訴状の中で「現代と起亜は、カスタマーに対してエンジンの欠陥を積極的に知らせなかっただけではなく、その欠陥が重大な安全上のリスクを持っているという点を明らかにしなかった」と主張した。

ヒュンダイ自動車の広報担当者は、コメントの前にまずこのような疑惑を調べてみると述べており、キア自動車側は dpaのコメント要求にすぐに応答しなかった。

去る10月、米国の非営利消費者団体である自動車安全センター( CAS・ Center for Auto Safety)は、過去4ヶ月間に渡ってほぼ一日一件の割合でヒュンダイ・キア自動車が衝突していない状態からの火災報告があったとし、車両290万台への即時リコールが必要であると促していた。

これに関連車種は2011~2014年式起亜ソレントとオプティマ、現代自動車のソナタとサンタフェ、2010~2015年式起亜ソウルだ。
(引用ここまで)

 今年の10月にヒュンダイ・キア自動車のアメリカ支社におけるCEOが上院委員会の査問に召喚されている、というニュースがありました。
 なぜかこれはキャンセルになっています。
 予定は11月14日だったのですが、行われた形跡がないのでキャンセルになったのでしょう。
 車体炎上の件について上院で問い詰められると思っていたのですが拍子抜け。
 なにしろ確認されているだけで車体炎上は220件、電装系から煙が出る事故が200件以上起きているとのことでしたからね。

 その後、先月後半には連邦地検が「適切なリコールが行われたか否かの調査中である」というニュースがちらっと出ました。

米連邦地検、現代・起亜のリコールを調査=関係筋(ロイター)

 それ以降、まったく動きはありませんでした。
 で、昨日になっていきなり「じゃあ、集団訴訟な」ということで訴えられたとのこと。
 そもそも、上院の査問調査も記事中にある消費者団体からの訴えがあったために行われるというものでした。
 それをキャンセルしたので一足飛びに集団訴訟ということになったのでしょう。
 290万台規模のリコール+続出する車両火災、か。
 日本にはヒュンダイ自動車はほとんど入っていないので状況は把握できませんが、ちょっとアメリカ「hyundai catch fire」というくらいのフレーズで検索するとけっこうな量のニュース等を見ることができます。
 とりあえずABCニュースでもどうぞ。英語が聞き取れなくても映像だけでどうなっているのかが分かると思います。



 毎日1台がこうして燃えているとのこと。
 ……まあ、集団訴訟出るわな。

炎上上等 (扶桑社BOOKS新書)
高須克弥
扶桑社
2018/2/28

韓国メディア「GMが韓国から撤退準備を進めている……憎しみを感じる」……その憎しみってGMが受けるべきもの?

【時視各角】GMは憎いが…=韓国(中央日報)
「答えがない」。研究開発法人の分割でまた騒がしくなった韓国GM問題に対する専門家らの反応は同じだった。年初の韓国GM資金支援交渉に直接的または間接的に関与したある国策研究所の研究員の声には力がなかった。

「GMは結局、離れていくだろう。法人分割はそのための『減量』であることを否定できない。GMは離れるまで構造調整という名目で人員を減らし、政府には支援を要求する可能性が高い。雇用を担保にした駆け引きは選挙のたびに浮上するだろう」。

行き過ぎた不信感と見ることはできない。10年前の金融危機で死んで復活したGMの第1目標は過去のような規模ではなく生存と収益だ。投資会議でメアリー・バーラGM最高経営責任者(CEO)の質問はいつも同じだ。「私たちが収益を出せるか。ここがこの資本を投資する最高の場所か」。GMが株主の76%を占めるウォール街機関投資家の収益追求圧力に耐える手段はない。

現在の韓国GMを見ると、まだ研究開発能力を高く評価されるているだけ幸いという気がする。生産はますます減り、赤字は1年に1兆ウォン(約1000億円)近く増える。クォン・スンウォン淑明女子大経営学部教授は「それでもGMが韓国を離れないのは政府の支援金のためだけではない」と話す。韓国の安くて良い部品供給能力と研究開発能力のためということだ。まだ、こうした長所が強硬な労働組合と低い自動車生産性という短所を相殺している。 (中略)

GMの法人分割は実際、防ぐ方法がない。産業銀行があいまいな立場を見せるのもそのためだ。むしろ発想の転換が必要となる。韓国GMの研究開発能力をさらに最大化し、これを韓国内の生産と結びつけるようGMに圧力を加えるのが現実的かもしれない。 (中略)

韓国政府と地域社会、労働組合のような利害関係者が眼中にないGMの経営には憎しみを感じる。しかし感情だけで問題を解決することはできない。税金を投入して雇用を要請するようなことをやめるには、状況を冷静に把握して方法を探さなければいけない。その方法が今の国民感情とは合わなくてもだ。政府や政治家にそのような勇気があるかは分からない。
(引用ここまで)

 研究開発部門と生産部門を分社化しようとしている韓国GMについての記事。
 半年前に8000億ウォンを資本注入して正常化させた韓国政府、および大株主であるはずの産業銀行も合法である分社化になんら文句が言えない状態。
 労組もストライキで対抗しようとしたのだけども「抗議すべき問題ではない」と中労委から言われてストライキ不許可。
 なんの問題もなく分社化が進んでしまっている状況。

 生産部門から撤退へのステップであるのは間違いないでしょう。
 そうするつもりがなければ、そもそも分社化なんて必要ないわけですし。いつでも切り捨てられるようにしているわけです。
 資本注入した際に「今後10年は撤退しない」という契約になったとのことですが、分社化した生産部門は撤退しても契約は違えていないとはいえるわけですよ。
 ちなみに群山工場は閉鎖されましたが、韓国GMは他に韓国内に3つの工場を持っていまして、1万1700人ほどを生産職として雇用しています
 うまいことこれらの工場を使って韓国政府からさらなる援助を引き出そうとするのでしょう。
 2000人規模の群山工場が閉められただけで周囲は火が消えたような状況になっているそうですからね。
 5月から6月にかけて雇用が低迷したのは群山工場の閉鎖で周辺地域の雇用が脅かされたから、という分析もあったほどです。

 で、そういった経営方針を掲げているGMに対して中央日報が「地域社会、労組のような利害関係者が眼中にないGMの経営には憎しみを感じる」ですって。
 その憎しみを向ける対象って本当にGMが適当なんでしょうかね?
 雇用を人質にして政府支援を引き出しているというのは批判としてありでしょうが、そこまで韓国GMを追いこんだのは労組でしょうに。
 アメリカの工場よりも賃金が高いくせに、生産性は世界最悪レベル。
 それを是認してきた韓国社会の問題であり、韓国GMがやっているのは自衛に過ぎないとしか思えませんわ。自分が経営者ならとっととアメリカに逃げ帰ってます。
 むしろよくやってくれてるレベル。

韓国で炎上を続けるBMW、リコールでの部品交換は2ヶ月後から開始とのアナウンス。そして「安全確認」された車両もまた炎上……

カテゴリ:自動車関連 コメント:(142)
来年までこのまま走れ?... BMW「部品交換」さえ支障(MBC・朝鮮語)
[ニュースデスク]◀アンカー▶ 一昨日(16日)は、ソウル、今日は釜山でBMW車がまた引火しました。
すべて安全診断を受けて運行許可が出た車両です。
安全診断の結果を信じて運行をしてもいいものなのか疑うしかない状況です。
ところが、BMW側が火災の原因として指摘された部品の交換スケジュールを当初の予定より二ヶ月以上遅延させると通知していることが確認されました。イ・ギジュ記者です。

◀レポート▶ 信号待ちのBMW車の隣に白い煙が上がってきます。
今日の午後3時頃、釜山で運行していたBMW 420dの車両から臭いと一緒に煙が発生し、警察と消防車が出動しました。
去る3日、安全診断で異常なしとの判定を受け、来年2月に排気ガス循環装置EGR交換時まで運行してもよいとされた車両でした。

パク某さん/火災発生BMW車主 「(EGR)交換日程も来年2月から始まるという話……」

安全診断を受けた車両であっても相次いで出火している状況で、EGR交換までこのまま車を運行すべきか車主は不安です。
さらに、BMWはEGRモジュールの交換日程も一方的に遅らせています。
BMWが当初約束した交換時期は8月20日からでした。

キム・ヒョジュン/ BMWコリア社長(13日)「8月20日からは改善された部品と交換を通じて迅速にリコール措置を...」

が、BMW車主が集まった掲示板には、BMW側が最近部品供給の遅れを理由に予定されていた部品の交換スケジュールを10月以降に2ヶ月程度延期すると通知してきた情報提供が相次いでいます。
特にBMW火災の大部分を占める520dと420dなど、いわゆるN47型エンジンを搭載した車種の交換日程が遅れています。
一歩遅れて部品交換を申請した車両は、最初から12月か来年2月にでも交換が可能である通知を受けています。

ソン・スンファン/弁護士(BMW集団訴訟代理人) 「(韓国の消費者より)ヨーロッパの消費者を優先的に部品交換するのならば、ドイツ本社に私たちの消費者のための積極的な取り組みを...」

BMW側は「エンジンの種類に応じ部品供給に差が発生して遅れている」と説明したが、「どのような部品がどのように遅延するかなどは公開することができない」と明らかにした。
一日最大1万台行われた安全診断とは異なり、部品交換は一日で1400台前後が可能であり、実際のリコール完了時期は、より遅れる可能性があります。
約束した安全診断とリコールまで次々と遅れており、BMWは不安な車との汚名に続き、不信まで抱えています。
(引用ここまで)
 そもそもBMWに「出火対策のために改良した部品」は存在するんでしょうかね?
 韓国でだけ出火事故が頻発し、その原因もよく分かっていない。エンジンルームから出火したのは排ガス循環装置(EGR)が高温になるからとのことですが、なぜEGRが高温になるのかが分かっていない。
 BMW本社から何人ものエンジニアが投入されているとのことですが、原因特定には至っていない。
 原因特定されたらなんらかの形でアナウンスしそうなものですが、少なくとも現在までそれはない。

 その一方で同じ部品を搭載しているEUでもリコールははじまったとのことで、こちらは32万台規模。
 韓国でのリコールは10万台規模。まあ、どちらも小さくはない。計40万台以上のリコールですから、手間も時間もかかることでしょう。
 「リコールするから」というだけで部品の製造速度が上がるわけでもなし、いきなり工場のラインが増えるわけでもない。可能なかぎりの増産はするでしょうけども。

 で、リコールに伴う部品交換が遅れているのは韓国市場を後回しにしているせいだ、という話が出ているのですね。
 こういう場合、自分たちは常に被害者であり後回しにされるというのが韓国人の自覚というか被害妄想なのですが。
 「○○に比べて対応が云々」ってアレですね。
 たとえば「アメリカは日本に対してロケット開発で技術移転を認めたのに、韓国には認めなかった~」というようなパターン。
 そりゃまあ、商売でも技術移転でも相手によって態度を変えるというのは当然でしょうが。

 ただ、少なくともBMWの場合は韓国を優先するんじゃないでしょうかね。
 また燃えた、また燃えたとYouTubeに動画アップが続くようであれば企業イメージにも傷がつくというものでしょう。

徹底カラー図解 自動車のしくみ
野崎 博路
マイナビ出版
2017/6/21