相互RSS募集中です

カテゴリ:日韓関係の記事一覧

韓国人「日本人は『戒厳令騒ぎは日本でありえない』と言う。しかし、その思想の源流は日本にあるのだから日本に関係ない話ではない」……戦後も80年なんでもうそろそろ独り立ちしてもらえないかな?

カテゴリ:日韓関係 コメント:(127)
タグ: 日韓関係
戒厳に連なる韓国の権威主義 思想支えた哲学者の源流は日本にあった(朝日新聞)
 昨年12月3日夜、韓国第20代大統領・尹錫悦(ユンソンニョル)が緊急談話で45年ぶりに非常戒厳を宣布した。市民たちは直ちに立ち上がった。私が教えている学生や同僚研究者たちは、何が起きているのかにわかに理解できない様子だった。説明をすると必ず次のような反応が返ってきた。「日本ではあり得ないことですね……」 (中略)

韓国の権威主義を象徴している朴正熙(パクチョンヒ)元大統領(1917~79)が帝国日本の体制下で満州国陸軍軍官学校を首席で卒業し、関東軍の将校として務めた歴史的な事実を想起すると、ただのひとごとではなくなる。しかも朴正熙が独裁色を強めた政権後期の「維新体制」を思想面から支えようとした哲学者朴鍾鴻(パクチョンホン)(1903~76)が、戦前日本哲学の有力な潮流だった京都学派にその根をもっていたとすればどうか。 (中略)

 ハプニングで終わったとはいえ、再び戒厳が現実となり、市民たちは直ちに立ち上がった。否定をめぐる闘争は絶え間なく続く。日本では「あり得ない」ことかもしれないが、日本と関係のない話ではない。歴史がそれを物語っている。
(引用ここまで)


 朝日新聞に奇妙なコラムが掲載されていました。
 要旨はこんな感じかな。

・「日本で今回の韓国における戒厳令騒ぎを解説することがある」
・「多くの日本人が『日本ではあり得ない』と反応する」
・「だが、今回の戒厳令騒ぎの源流には日本の京都学派があるのだ」
・「戒厳令騒ぎが日本と関係のない話ではない。歴史が物語っている」

 ふむ。
 もういい加減、独り立ちしてもらえませんかね?

 今年、戦後80年です。
 韓国の建国から77年になります。
 もうそろそろ、なんでも「日本のせい」って言い出すのやめたら?


 今回の記事でも同様なんですが、源流が京都学派にあろうとなかろうと。
 それを選択したのは韓国人であり、主体が韓国人であることを認めなさいよ。

 もう「日帝36年」とかいう便利なツールに頼るのやめて、自分のことは自分の責任でやったほうがいいと思うよ?
 なんかっていえば「日本が悪い」で思考停止してきたからこうした事態にもまともに対応できていない。
 国民は男女、老若、地域、学歴、貧富といったあらゆるパラメータで分断されているのに、その統合に「反日」を便利に使ってきた。
 そのツケを払っているのが現状ですからね?

 今回の戒厳令騒ぎの源流が日本にあるとする指摘が実際であっても、もう日本関係ないんだよ。
 その思想を選択したのが韓国人で、引き継いできたのも韓国人なんだから。
 自分たちが一人前の国民国家じゃないのは日本のせいだ、みたいな言い様はもう卒業して独り歩きしてもらえませんかね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国野党「北朝鮮へのビラ散布、拡声器使用は外患誘致罪」……こうした世界観で今年以降の外交は繰り広げられるわけです

対北ビラ散布・拡声器使用は外患罪…韓国野党6党が提出した特別検察官任命法案に米専門家「戒厳令並みに危険」(朝鮮日報)
韓国野党・共に民主党など野党6党が今月9日に国会に提出した内乱特別検事法の波紋が広がっている。捜査範囲に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の「外患容疑」を追加し、「海外紛争地域への派兵」「北朝鮮への拡声器使用」「北朝鮮へのビラ散布拡大」「無人機の平壌浸透」「北朝鮮の汚物風船遠隔撃墜の試み」などを理由に「戦争あるいは武力衝突を誘導した容疑がある」と明記されているためだ。例えば「海外紛争地域への派兵」とはウクライナを意味するようだが、実際には派兵の事実はなく、また人道支援まで問題としたことが疑問視されているのだ。さらに大きな問題は北朝鮮の挑発を抑止する韓国軍の通常の活動を外患罪としたことだ。韓国野党のこのような発想に対し、米国でも強い懸念の声が出ている。

 本紙が11日に取材した米国の複数の韓半島専門家は「北朝鮮への拡声器使用を問題とし、これを外患罪とするのは戒厳令と同じくらい民主主義の脅威となる発想だ」「これが外患罪とされれば国際社会の笑いものになるだろう」と口をそろえた。また「韓日関係改善」や「韓米日協力」を弾劾理由とした尹大統領の弾劾訴追案も問題視されており、共に民主党の外交安全保障政策の方針と米国の一般的な認識の食い違いがあらためて明確になった。

(中略)

 米戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ上級副所長は「尹大統領に対する特別検事法は戒厳令宣布をめぐる法的問題に焦点を合わせるべきだ」「(特別検事法は)外交や南北関係に関する政策を扱うべきではない。これらの政策は政党の支持を受けるかどうかに関係なく、法律違反や弾劾の理由にはならない」と指摘した。その上でチャ副所長は「政党の目的のために法体系をゲリマンダリング(特定政党に有利な形で選挙区を定めること)する行為は、尹大統領の戒厳令宣布と同じくらい民主主義と法治主義の脅威になる発想だ」批判した。特別検事法が法律を過度に恣意(しい)的に適用する恐れがあるからだ。
(引用ここまで)


 特別検察官法は国会が弁護士などを指名して「特別検察官」の身分を与え、独自の捜査権を駆使できるようになる、といった主旨の法律です。
 特別検察官が起訴まで行った事例としては、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長(当時)を起訴し、最終的には収監したことが挙げられます。
 当時のパク・クネ大統領を弾劾に追いこんだ捜査の一環として行われました。

 韓国の場合、警察、検察、高位公職者捜査処、そして国会が捜査権を持つ場合があるのですね。
 なので主導権争いがえらいことになったりもします。
 現在のところ、大統領やその権力代行によって拒否権を発動されていますが、文面を変えて何度も提出されています。
 で、今回のユン大統領に対する「内乱特別検察官法」はなかなかに奮っている内容となっている、との記事。

 共に民主党はユン大統領に対する最初の弾劾決議案でその外交姿勢に問題がある、との内容を国会に提出しています。

韓国野党が最初に書いた弾劾決議案がひどいとアメリカで話題に……「日本中心の奇異な外交に固執」「国際的に孤立」したことが弾劾理由?(楽韓Web過去エントリ)

 この弾劾決議案の中味、かなり彼らの持つ世界観を如実に現していることが話題になりましたね。
 「日本中心の奇異な外交に固執」すると弾劾理由になるのだそうですよ。


 で、今回の「内乱特別検察官法」の中味もなかなかの世界観を提示しています。
 特別検察官を立てなければいけない理由として──

・「海外紛争地域への派兵」
・「北朝鮮への拡声器使用」
・「北朝鮮へのビラ散布拡大」
・「無人機の平壌浸透」
・「北朝鮮の汚物風船遠隔撃墜の試み」

 これらが挙げられています。
 無人機の平壌浸透はまあ、事実ですが。
 それ以外の「紛争地域への派兵」はもはやなにを言っているのか不明。
 ウクライナへの派兵はしてないしなぁ。むしろイラクに派兵を決めたのは当時のノ・ムヒョンだったりしますけどね。

 北朝鮮への拡声器使用、ビラ散布拡大も「北朝鮮を刺激することは許されない」って共に民主党の世界観を表現しています。
 北朝鮮に対するビラ散布は脱北者団体が行っていたものなのですが、これに対してキム・ヨジョンが怒りのコメントを出したことがあるのですね。

北朝鮮「韓国は北朝鮮へのビラ撒きを中止しろ。法でも作れ!」→韓国政府「いま! すぐに!! 作ります!!!」(楽韓Web過去エントリ)

 当時のムン・ジェイン政権下でビラ散布禁止の法律を作ってしまったっていう。
 まあ、それ以前から警察が阻止したりもしていたのですけどね。
 3年後には憲法裁判所から「表現の自由の抑制である」として違憲判断されました。さすがにね。

 今年前半にも共に民主党が政権を奪取することになりますが。
 「日本と親しく外交をすれば弾劾レベル」
 「北朝鮮を刺激することは外患誘致」
 こんな感じの世界観での外交が繰り広げられるわけです。……楽しみですね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国メディア「日本の若者が韓国で働いている姿をよく見る。日本人が韓国に『出稼ぎ』に来るようになったのだ!!!」……えーっと、それワーキングホリデーじゃなくて?

韓国に出稼ぎに来る日本の若者たち【萬物相】(朝鮮日報)
 日本経済の「失われた30年」を通じて、韓日の経済力格差が縮まった。日本の国民所得は2012年に5万ドル(約790万円)をマークして以来、引き続き下降線をたどっている。一方、韓国は1995年に1万ドル(約160万円)、2007年に2万ドル(約320万円)、14年に3万ドル(約470万円)を超え、昨年は3万6194ドル(約570万円)と、日本(3万5793ドル=約560万円)を上回った。最低賃金も日本を追い越した。今や日本は深刻な低賃金国だ。今は日本の青年たちが金を稼ぐために韓国にやって来るのが普通になった。韓流ブームは韓国での就職の魅力を高める要素となっている。最近、飲食店やアパレル業界などでアルバイトをしている日本人の若者をよく見掛ける。お年寄りが見れば、時代の移り変わりをしみじみと実感することだろう。
(引用ここまで)


 おっ、これはけっこう香ばしい記事が出てきましたね。
 「日本の若者は韓国で働くことを目指している!」ってものなんですが。
 なんというか……香ばしいなぁ。
 一応、こちらの記事を受けてのものなんですけどね。

海外出稼ぎを考える最近の日本の若者「最有力候補は韓国」(朝鮮日報)

 この記事によると2014年にはワーキングホリデー、就労ビザを含めて1人だったものが、現在は2196人になっているとのこと。
 ワーキングホリデーは年間1万人の枠があるのでまあ最大でもこのあたり。
 でも、冒頭記事はそうした数字を一切書いていない。印象だけ。
 「日本人が韓国に出稼ぎにくるようになった!」って言い出しちゃっている。

 ……ワーキングホリデーが「出稼ぎ」ねえ。
 基本、18歳以上25歳以下が1年間限定で働けるって制度が「出稼ぎ」かぁ。


 まず、冒頭記事が面白いのはですね。
 「かつてはイギリスに二級国扱いされていたアイルランドだったが、いまではそのアイルランドに高給を求めて英国人が働きに来るようになった」って話をしながら、日韓にその構造を当てはめようとしているのですが。
 そもそも公用語が英語であるこの二カ国と日韓が同じわけないんですよね。

 まあ、以前に比べて経営者レベルでなくても韓国で「働けるようになった」のは確かでしょう。
 賃金格差はそれほどでもない。であれば、「韓国語を話せるスキルのある人間」が韓国での職を求めるのは不自然なことでもないのです。
 選択肢のひとつ、としてですね。
 フランス語が話せるのならフランス語圏や関連の仕事を求めるでしょうし、スペイン語が話せるならスペイン語圏の仕事を求めるのと同じこと。

 でも、それを「出稼ぎ」って言うのはどうなんでしょうね?
 なんかこう「出稼ぎ」って言葉のイメージが日韓で根本的に違うのか。
 それとも「日韓の立場が逆転した」と言いたいだけなのか。

 というか、そもそも自国民への「賃金未払い額が1年で2兆ウォン」(6月までで1兆ウォンを突破していた)になるような社会構造をどうにかしたほうがいいんじゃないかな、とは思います。
 次のエントリではそのあたりを扱う予定。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国ヒョンデ自動車、土屋圭市氏とコラボしたスポーツモデルを発表するものの……

翼のついたアイオニックが登場…日本の「ドリフトキング」も「親指を立てる」(イーデイリー・朝鮮語)
現代自動車が、日本の完成車市場を狙った特別電気自動車エディションを披露した。

現代自動車は10日(現地時間)、日本東京の幕張メッセコンベンションセンターで開かれた日本最大の自動車チューニング博覧会「2025東京オートサロン」で「アイオニック5NDKエディション」を初公開した。 (中略)

現代自動車は日本の有名レーサー「土屋圭市」と協業し、アイオニック5NDKエディションの初期開発段階からモータースポーツドライバーの情熱と専門性を盛り込んだ。 「DK」は土屋圭市のニックネームである「ドリフトキング(Drift King)」から取った名前だ。
(引用ここまで)


 2022年に日本市場への再参入を果たして、電気自動車と燃料電池車のみで戦っているヒョンデ。
 ヒュンダイから企業名すら変更して勢いよく参入してきたものの。なんというかですね。
 まったくもって企業色がないのが特徴となっています。

 オートバックスと協業してショールーム的なものも構築しつつあるのですが、基本はオンライン販売。
 で、結果はというと──

・2022年 526台(再参入は2月から)
・2023年 492台

 再参入1年で輸入台数減少していたんですよね。
 で、ちょっと前に去年の総輸入台数(販売台数ではない)が出まして。


輸入車新規登録台数(速報) 発表資料(日本自動車輸入組合)

 618台。
 前年比で+25%ってとこですか。


 ただまあ、2023年末に小型EVのKONA、今年半ばにはIONIQ Nが新規販売開始されたのでプロモーション用の車両も輸入しているため、25%増って数字になったんじゃないかとも思われます。
 あと前述のオートバックスの何店舗かの一画がショールームになったのが今年の5月からなのでそれ用の車両もあるかな。

 ちなみに618台って数字、前後とかを見るとこんな感じ。

・シボレー 587台
・ジャガー 578台
・フェラーリ 1445台
・ポルシェ 9292台

 そんなわけでドリキンこと土屋圭市氏とコラボしたスポーツモデルを発表したとのことです。



 なんとかして完全無色から脱却しようとして、攻殻機動隊とコラボとかもしれましたけれども。
 まあ、月50台から大きく離れることはないでしょうね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

混迷を極める韓国に日米の外相が訪問……相次ぐ訪問が意味していることとは?

日米外相、相次いで訪韓…「外交の空白」払拭を強調(KOREA WAVE)
岩屋毅外相とブリンケン米国務長官が、1月初旬から中旬にかけて相次いで韓国を訪問し、チョ・テヨル(趙兌烈)外相とそれぞれ会談する。昨年の「非常戒厳」宣布や弾劾政局を受けた今回の訪韓は、「外交の空白」という懸念を払拭し、日米韓の強固な連携をアピールする狙いがあるとみられる。

外交関係者によると、ブリンケン長官は5日に訪韓し、6日にチョ外相と会談する。岩屋外相は13日から2日間滞在し、外相会談を予定している。

具体的な議題は明らかにされていないが、ブリンケン長官は米韓同盟が韓国情勢の不安定さを克服できることを再確認するとみられる。また、1月20日に発足の第二次トランプ政権への引き継ぎの一環として、米韓同盟の堅固さを維持・発展させる意義が強調される可能性がある。 (中略)

外交・安全保障の専門家は、韓国情勢が不安定な中での日米両国の外相の相次ぐ訪韓は、韓国の不安定性が朝鮮半島や北東アジア全体の不安定につながる可能性を懸念したものと分析している。
(引用ここまで)


 日米の外相が相次いで訪韓して、チョ・テヨル外交部長官と会談するとのニュース。
 これまで韓国の状況を「内政の問題だから」として静観していた日米ですが、あるていど能動的に動いて支えないと無理だってところまで来たと判断したと。
 アメリカは「大統領の権限が憲法に従って移行するのであれば、その代行者を支持する」って話をハン・ドクス国務総理にも、チェ・サンモク経済副首相兼企画財政部長官に対してもしています。
 それ以上は韓国の内政に踏みこんでしまうのでコメントはしづらい。

 逆にいうとムン・ジェイン政権がGSOMIA破棄宣言をした際に、あそこまで「遺憾だ」「失望した」って駐韓大使から次官、国務長官、国防長官が言い続けたのは異例であるってことなんですけどね。

アメリカ、韓国のGSOMIA破棄に激オコ。ポンペオ国務長官「失望した」→ 国防総省報道官「強い懸念と失望を表明する」……まあそれもそのはずで……(楽韓Web過去エントリ)

韓国政府、アメリカに対して「もうGSOMIA破棄に対して失望って言わないで!」と懇願 → 結果……(楽韓Web過去エントリ)

 それでも今回はさすがに「支持していることを行動で示さないとダメ」なターンにきたってことか。


 戒厳令を発令した大統領を弾劾した。まあ、ここまでは理解の範疇だけども。
 「自分たちの言い分を聞き入れないから」として大統領代行の国務総理を弾劾。
 現在の国家元首は代理の代理。
 それ以外にも併せて延べ29回の弾劾決議を成立させている。検事、大統領、閣僚、放送委員長に至るまで無限弾劾。

 外から見たら「あれ、あの国ぼろぼろなんじゃね?」ってなりますわな。
 北朝鮮が沈黙を保っているのが不思議なほど。これが20世紀だったら好機とばかりに攻めこんできた可能性すらあります。

 そうした「誤解」を引き起こさないためにも「日本もアメリカも韓国の現体制を支持している」と現地に言って語る必要がある。
 逆説的にいうとそこまで韓国の政治情勢は混乱を極めているってことでもあるのですね。
 アメリカは同盟国として、日本は隣にある大国として「韓国の現体制を我々は支持している」と見せなければならない。
 そうした他の国の威光を使わないと、国としてのかたちを保てない状況と日米から判断されたってことです。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国次期政権の外交ブレーン、「我々は反日ではない」「韓米日関係を強化する」と口では言うものの……過去の事例を見てみるとそれが実行されるとはとてもとても

韓国「非常戒厳」直後の国会で何が起きていたのか―「ルポ」内部に入った記者が見て、感じたこと 尹大統領が信じたものは?議事堂を巡る攻防戦の経過(共同通信)
 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が2024年12月3日午後10時半(日本時間も同じ)ごろ、突然、「非常戒厳」を宣言した。(中略)緊迫したあの日とその後、韓国の国会や周辺では何が起きたのか。

 「尹大統領、非常戒厳宣言」。会食からの帰りのタクシーに乗っていた時、スマートフォンで韓国メディアの速報が鳴った。運転手に伝えると、「訳が分からない」と思考が停止したような表情になった。
 パソコンで速報記事を作る。「国会など一切の政治活動を禁じる」「全ての言論と出版は戒厳司令部の統制を受ける」といった戒厳司令部の布告令に、これは現実なのかという感覚になった。
(引用ここまで)


 共同通信のソウル特派員から見た戒厳令発令から弾劾訴追案までの記録。
 共同通信は長く記事が残るので備忘録的にもリンクしておきましょう。
 まあ、新しい情報等はなにもないのですが、とにかく時系列としてまとまっているのがありがたい。

 といったわけで、単体ではエントリにならないような弾劾関連項目をいくつか集めておきましょう。
 まず「次政権でも徴○×問題の解決策(第三者財団からの支払い)は維持される」と言明。

野党、徴○×問題の解決策維持 韓国、対日協力を強調(共同通信)

 「仕組み自体はいい、ユン政権が国内の説得をしなかったことが問題」とのことですが。
 ……まあ、実際の政権ができてからですかね。彼はイ・ジェミョンの外交安保ブレーンなのだそうですが。
 言うだけならタダだしね。

 もうひとつ注目しておきたいのが「共に民主党の中心的な考えは日本との関係改善、韓米日協力の強化」と述べている部分。
 外交安保のブレーンであれば、こういう話はするでしょうよ。
 概念的にはね。


 ただ、それが実行されるかどうかは別。

 ムン・ジェイン政権時代の外交ブレーンだったムン・ジョンインですら、「米韓関係は大事だ」とは言ってましたからね。
 その上で2018年には「南北平和協定が結ばれたので、在韓米軍が韓国に駐留し続けるのは難しい」とか言い出していたわけですから。
 けっきょく、彼も最終的には「欧州でムン・ジェインが恥をかいたのは日本のせい」とか言い出すレベルではあったのですが。

ムン・ジェイン政権の外交メンター「ヨーロッパ歴訪でムン・ジェインが支持されなかったのは日本のロビー活動のせいだ」と激白……日本の実力はそこまでだったのか……(楽韓Web過去エントリ)

 ムン・ジョンインは「日本は自らが宇宙の中心のように思ったまま変化していない」「自分の望むことばかり要求してはいけない」とか言い出してまして。
 欧州歴訪での外交が失敗していたこと自体は認識できていたんですね(笑)。
 そして「日本を宇宙の中心のように考えている」のはいったい誰なのか、って話でもありますけども。

 さて、その一方で弾劾可決で身動きがとれない現政権でも外務次官が日本、アメリカを訪問するとのことですが。

韓国高官、日米訪問へ 代行体制でも関係重視(共同通信)

 国家元首代行が大統領弾劾から10日と空かずに弾劾されようとしている今、こうした外交にどれだけの意味があるのやら。
 半年後には新政権なので空手形を出すわけにもいかないでしょうから、「現状の確認」だけでしょうね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国で「世界最大級と期待される海洋ガス田」に探査ボーリングが開始、成功率20%とされるものの……次政権ではおそらく完全に無視される運命に?

カテゴリ:日韓関係 コメント:(47)
東海深海のガス田事業ボーリング船、きょう未明から探査ボーリング開始…40~50日間実施=韓国(中央日報)
東海(トンへ、日本名・日本海)深海のガス・石油前開発事業「シロナガスクジラ」(プロジェクト名)のボーリング船「ウェストカペラ号」が20日未明から探査ボーリングの作業に本格的に着手した。

韓国石油公社はこの日報道資料を通じて「20日未明、浦項(ポハン)沖から約40キロメートル離れたシロナガスクジラ(有望)構造で探査ボーリングに突入した」と明らかにした。

シロナガスクジラ有望構造は東海第8鉱区と第6-1鉱区北部にかけて東西方向に長く形成されている。直線距離で最も近い都市である浦項から東に50キロメートル以内にあると言われている。

ボーリング船「ウェストカペラ号」(シードリル社)は今月9日釜山(プサン)に入港した後、機資材を船に積み込んだ後、16日夜に出発し、17日午前第1次ボーリング場所に到着した。その後、近隣海底面の試験掘削など準備作業を行った後、20日から本格的なボーリング作業に着手した。
(引用ここまで)


 今年の6月にユン大統領が自ら「韓国の排他的経済水域に莫大な量のガス・原油が埋まっている可能性が高い」との記者会見をしていました。
 「世界最大級のガス田だ!」って大騒ぎしてましたね。
韓国で見つかった「大規模海洋油田」、ユン大統領が発表記者会見までしたものの、本当にそこに油田はあるのか?(楽韓Web過去エントリ)

 あそこからわずか半年でこんな事態を迎えようとは(笑)。
 それはそれとして、その迎日湾ガス田の試掘がはじまったとのニュース。
 とはいえ、成功率は20%とそこまで高くない模様。

成功率20%…東海深海ガス田事業のボーリング本格化=韓国(中央日報)

 事前調査で本当に有望とされる場所の成功確率は30%に達するとのことで。
 それでもまあ、有望といえる場所ではあるようです。


 来年以降の政権交代後には「ユン大統領の功績である」としてなかったことにされるでしょうから、それに先んじてスケジュール通りのボーリング調査を行っている、といったところかな。
 実際の成果が出るのはイ・ジェミョン政権の次の頃になるでしょうから、そこまで関わってこない可能性も……いや、どうだろうな。

 たとえばムン・ジェイン政権時代にはイ・ミョンバクが提案した科学ベルト・基礎技術研究院などまでほとんど崩壊したレベルでした。
 か個円取りにある重イオン加速器もなんとか完成したのはユン政権になってからでしたしね。

10年前に設立された韓国の基礎技術研究院、空中分解寸前。目玉プロジェクトの重イオン加速器も完成の目処は立たず(楽韓Web過去エントリ)

 どんな思想で作られたとかあまり関係なく、韓国の将来に役立つか否かもそれほど関係なく、以前の政権で形作られたものは潰されるのが易姓革命の定め。
 イ・ジェミョン政権発足までにあるていどの形ができていればそのまま「我々の業績だ」として掲げる。
 そうでなければすべてお取り潰し、ってところかな。
 ちなみに該当海域は先だってオーストラリアの開発企業が採掘権50%を保有していたのですが、「望みなし」として権利破棄した場所でもあります。

韓国政府「見つかった海洋ガス田は世界最大規模だ」→オーストラリア著名開発企業が「採算性ないから撤退」を決定していた場所だった(楽韓Web過去エントリ)

 まあ……がんばってボーリング調査続ければよいのではないでしょうか。
 よくあるパターンが「ガス田はあるが採算が取れない」とか「あるけども規模が小さくて継続性がない」とかですが。
 実際にガス田あったら世界的にも助かりますしね。
 がんばれー。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国人識者「日本メディアが『韓国は反日に転じるのではないか』としている。均衡外交ではなく、日韓関係を重視すべきだ」……イ・ジェミョンにそれができるとでも?

カテゴリ:日韓関係 コメント:(67)
【グローバルフォーカス】日本、弾劾政局で韓国外交政策「反日急変」の可能性を注視(中央日報)
日本現地では、今後の韓国政府の対日外交基調がまた「反日」に向かうかもしれないという日本メディアの懸念が杞憂として終わらないという見方も出ている。日本側は4日に野党6党が共同発議した1次弾劾案に盛り込んだ弾劾事由を懸念の目で見ている。野党6党は尹錫悦政権の価値外交追求、北朝鮮・中国・ロシア敵対視、日本中心の奇異な外交政策と日本に傾倒した人物の起用により韓国が北東アジアで孤立し、戦争の危機がもたらされたと主張した。米国と日本の政策当局者が聞けば驚く内容だ。

こうした内容が弾劾事由なら、今後、野党が執権した場合、韓国政府がどんな外交を進めるかを類推できる。価値外交をやめて北朝鮮・中国・ロシアに近づき、日本とは距離を置いて知日派を政府から追い出すということではないのか。堅固な韓米同盟と友好的な韓日関係を軸に韓米日の連携は円滑であり、韓国が孤立しているという主張も事実とは異なる。韓日関係改善と韓米日の連携のため戦争危機という主張は誰か見ても歪曲だ。

野党も1次弾劾案のこうした文言に無理があると認識したのか、2次弾劾案ではすべて削除した。しかし日本では1次弾劾案に入った外交分野の文言が野党の外交安保観をそのまま表すものと考える雰囲気がある。 (中略)

均衡外交は良い響きで聞こえるかもしれないが、国際社会の葛藤が深まる局面で均衡者を自負すれば全体に捨てられる「コウモリ外交」に転落しかねない。節制された反応の裏で日本指導者が懸念している部分は実際、韓国の対日外交路線転換の可能性だ。韓国の内政不安定が高まる現局面で同盟と友邦の懸念を払拭しなければいけない。外交的一貫性を向上させる努力がいつよりも必要とみられる。
(引用ここまで)


 日本メディアから「韓国が反日に舵を切るのではないか」との観測が出ています。
 観測というか。
 イ・ジェミョンが大統領になるのであれば、反日になる……というか、史上最悪の反日国家が立ち上がろうとしているまで言ってもいいくらいです。
 ムン・ジェイン政権時代の2倍づけくらいになるんだったらまだ御の字。

 ワタクシ、22年ほどこうして韓国について毎日毎日語ってきて、どんなことが起こるかはあるていど把握しているつもりなのですが。
 イ・ジェミョンが大統領になったらどんなことをしてくるのか、ちょっと想像がつきません。
 ムン・ジェイン政権での「GSOMIA破棄宣言」くらいが日常になっても全然おかしくないんですよ。
 ……いや、冗談抜きで。


 それで、ですね。
 来年のAPECの議長国が韓国なんですよ。
 ……どうなることやら。

 あとG7もちょっと見物ではありますかね。
 「なぜ韓国を招待しないんだ」くらいのことは普通に言うでしょう。
 なにしろムン・ジェインもユン・ソンニョルも参加してますからね。
 韓国人は「椅子が低い」とかのレベルで格を異常なまでに気にするので、招待しろって迫ってくる。

 ってちょっと話を逸らすくらいにはなにをしてくるか分かりません。
 唯一言えることはユン・ソンニョル大統領が「日韓関係を改善する」って言ってきても、そこまですり寄らなかったのは大きかったですね。
 近い将来(といってもここまで近いとは思っていなかった)、反日になるであろうことを想定していたのでしょう。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→