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カテゴリ:日韓関係の記事一覧

日経「韓国からのちゃぶ台返しはない。ユン大統領の『関係改善』の熱量に応えるべきだ。次政権については……ゴニョゴニョ」……問題は4年後じゃないですかね

元徴○工問題で韓国の「ちゃぶ台返し」はあるのか(日経新聞)
漫画「巨人の星」に登場する星一徹が、激高して目の前のちゃぶ台をひっくり返すように、尹氏が2027年5月までの大統領の任期中に自ら合意をほごにするとはまず考えられない。同氏の信念・性格からみても、政権の戦略上も対日改善路線を突き進んでいくとの見立ては、政権発足当初から、筆者のニュースレター「支持率急落で『反日』に転じるか」(22年8月22日号)などで詳しく解説してきた。尹氏は岸田文雄首相との共同記者会見で日本企業の判決金を肩代わりする財団による求償権の行使も否定した。21日の閣議発言で、筆者はその思いを一段と強くした。 (中略)

韓国の次期政権下で懸念される要素は、同国の司法だ。仮に次が、現在の保守政権と対立する革新政権となれば裁判も影響を受ける。
(引用ここまで・伏せ字引用者)


 日経の元ソウル支局長であった峯岸博論説委員による「韓国側の熱量に日本も応えるべきだ」とするコラム。
 「ユン・ソンニョル大統領はそれなりの覚悟をもって対日外交改善に努力している。その努力にふさわしい態度を示すべきではないか」とする声は少なからずあります。
 ただ、そういう声が大きいのはムン・ジェイン政権を非難、批判してきた人たちに大きい。

 峯岸氏もそうですし、武藤正敏氏なんかもその傾向にあるといっていいのではないでしょうか。
 なにやら「ほら、韓国は変わったんだ。あの5年間はムン・ジェインという個人に帰属するものなんだ」とでも言いたげ。

 であれば、いまの「対日外交改善」もユン・ソンニョルという個人に帰属してしまうと思うのですけどね。
 もし、次政権が共に民主党であったのなら。
 特にイ・ジェミョンであったのならどうであったか。
 そもそも、ユン・ソンニョルとイ・ジェミョンの大統領選は0.73%差でしかなかったわけで。


 残り任期の4年ちょっとそれなりの「関係改善」があることにそれほど文句があるというわけでもない。
 個人の志向性に依拠しているといえども、少なくともムン・ジェイン政権下みたいな騒がしい関係が現在の国際情勢上、好ましくないのは確かなので。

 ただ、そんな「関係改善」で踏みこみすぎるわけにもいかないというのが現実じゃないですかね。
 ちゃぶ台返しされても構わないレベルでの改善しかあり得ない。
 実際、火器管制レーダー照射についてはまだ「日本側から威嚇された」という態度を変えていませんし、レーダー照射もなかったとしています。

海自哨戒機へ「レーダー照射なかった」 日本側が威嚇飛行=韓国国防相(聯合ニュース)

 「照射がなかった」のであれば再発防止策もないわけで。
 韓国のやりようがそのレベルなら、日本の対応もそれなりにするしかない。
 「ユン大統領の熱量に対応せよ」っていうのもおかしな話なんですよ。

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韓国人「日韓関係改善で20兆ウォンの経済効果が!」……そうすんなり行くとも思えないけどね

「全方位経済交流…」失われた20兆回復を」(毎日経済・朝鮮語)
韓日首脳会談を契機に両国の経済協力復元に対する期待が高まっている。関係が梗塞したこの3年余りの間に「失われた」経済効果が20兆ウォンに達するという分析だ。17日、韓国経済研究院のイ·サンホ経済調査チーム長は「韓日関係が梗塞した3年間、13兆5000億ウォンの生産誘発効果と7兆6000億ウォンの付加価値誘発効果が蒸発した」として「これだけでなく青年失業など雇用創出の機会も逃した。就職誘発人員8万5000人水準の雇用損失が発生したと推算される」と話した。 (中略)

これと共に韓日通貨スワップ再開の可否も関心事だ。
(引用ここまで)


 「日韓関係が改善した」とのことで。
 韓国経済界からは「これで日本との経済関係がまた大きくできる」と期待が出ています。
 あと日韓通貨スワップ協定も云々としていますね。

 実際、韓国政府からは財務相会談をしたいと言い出しています。
 通貨スワップ協定につながるハイレベル通商協議を再開したいのでしょう。

韓日財務相会談 7年ぶり開催なるか=韓国当局が再開検討(聯合ニュース)

 ちなみにハイレベル通商協議は2016年の年末に釜山の日本総領事館横に「例の像」が設置されたことで、対抗措置として取りやめになりました。
 同時に通貨スワップ協定もぽしゃりました。


 あとWTOへの提訴取り下げと、韓国側が対抗措置としてやっていた日本のホワイト国復帰への手続きも行うそうです。
 とはいえ、ムン政権がやっていた対抗措置がなくなったところでどうというわけでもないですけどね。

日本の対韓輸出規制解除と韓国のWTO提訴取り下げ 今週中に手続き終了(聯合ニュース)

 さらにシリコンバレーバンク破綻からはじまっている危機に対応するために日本、アメリカ、欧州、スイス、カナダ、イギリスの各中央銀行はスワップ協定を利用して、流動性確保のためのドル供給に同意しています。

主要6中銀、ドルスワップ協定通じた流動性供給で協調=FRB(ロイター)

 韓国もそうなりたい、のでしょうけどね。
 まあ、信用度が足りないわな。

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ユン大統領、「日本はすでに数十回もシャザ○している」と対日外交改善への糾弾に反論……国内の政局に対応しているだけですね

カテゴリ:日韓関係 コメント:(115)
ユン大統領「日本はすでに数十回謝▼…」これからは日本と堂々と自信を持って接するべきだ」(京郷新聞・朝鮮語)
ユン・ソンニョル大統領は21日、強●動員(徴○)被×者問題に日本が謝▼しなかったことについて、「日本はすでに数十回にわたって韓国に過去史問題に対して反▽と謝▼を表明している」と述べた。

ユン大統領は同日、龍山(ヨンサン)大統領室庁舎で開かれた閣議の冒頭発言で、「韓国社会には排他的民族主義と反日を叫びながら政治的利益を得ようとする勢力が厳然と存在する」とし、このように述べた。

ユン大統領は続いて「今回の韓日首脳会談で日本政府は『金大中-小渕宣言』をはじめ歴史認識に関する歴代政府の立場を全体的に継承するという立場を明確にした」と述べた。

ユン大統領と岸田文雄日本首相の16日の首脳会談で岸田首相は過去の歴史問題について明示的に謝▼しなかった。ただ、前政権の認識を全体的に継承する考えを明らかにした。これに対して日本の明示的謝▼が抜けたことを巡り論難が続いてきた。 (中略)

ユン大統領は「今は日本に堂々と自信を持って接しなければならない」とし「世界に広がって最高の技術と経済力を発散し、私たちのデジタル力量と文化ソフトパワーを誇り、日本とも協力して善意の競争を繰り広げなければならない」と話した。彼はそれと共に「今や韓日両国政府は各自自分自身を振り返り韓日関係の正常化と発展を妨げる障害物を各自自ら除去していく努力を傾けなければならない」とし「韓国が先制的に障害物を除去していけばきっと日本も呼応してくるだろう」と話した。 (中略)

同日の閣議での冒頭発言は異例の生中継で行われた。尹大統領は6500人余りの発言を通じて対日外交方向の正当性を強調した。
(引用ここまで)


 ユン大統領が「日本はすでに何度も謝▼している」とかなり踏みこんだ発言。
 さらに「日本と堂々と自信を持って接しなければならない」とも発言。
 意外ですね。
 ここまで踏みこんで「日韓関係を改善する」と言うことができるとは。

 まあ、もちろん「自分の判断、決断が間違っていた」なんていうことはできないのですけどね。
 なので、ここから一点突破で「わたしは間違っていない」と言い張るしかない。
 日本からの呼応が少なかったとして糾弾されれば「将来的には日本も呼応するだろう」と言うし。
 謝▼も反▽も表明されなかったと糾弾されたら「もうすでに謝▼は何度もしている」と言うしかない。


 ちなみに冒頭記事には4000を超えるコメントがついています。
 大半は「おまえは日本の大統領か」とか「謝▼したっていつのことだよ」といったものにあふれています。
 韓国国内では「日本は謝▼などしたことはない」ってことになってますからね。

 まあ、これを含めても韓国国内での争い、政局なので。
 日本からなにかリアクションをする必要はないですかね。多少は援護射撃をしてもいいとは思いますが。
 G7へのオブザーバー招待とかくらいであれば。

岸田首相 G7広島サミットに韓国ユン大統領ら8か国の首脳招待(NHK)

 インド、オーストラリア、韓国、およびASEANから5カ国。
 クアッド首脳会合のおまけっぽいなぁ。

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「日の丸に敬礼したユン大統領」というだけで大騒ぎになる韓国……これが星条旗だったらなんの反応もなかったはずでは?

「自衛隊の韓半島進駐」「日本が軍事大国化」…反日集会で叫ばれる韓国野党の主張、どこまで本当なのか(朝鮮日報)
韓国野党・共に民主党は先日の韓日首脳会談について、韓国政府に対し「日本の下僕」「尹錫悦(ユン・ソンニョル)退陣」などと批判し攻勢を強めている。また同党の李在明(イ・ジェミョン)代表は18日にソウル広場で開催された大規模集会で「韓日GSOMIA(軍事情報包括保護協定)」の正常化などについて「日本の軍事大国化に同調」「自衛隊の韓半島進駐」など、事実とは異なる非常に過激な主張を行った。李代表は韓国政府が掲げる「第三者弁済方式」による強●徴○問題解決策についても「日本の意向に沿っただけの屈辱的な態度」と批判した。 (中略)

 李代表は集会でGSOMIA正常化を「日本の軍事大国化」「日本の平和憲法無力化」などと連結させた。
(引用ここまで)


 共に民主党がユン政権に対して「対日外交が弱腰だ」として攻勢をかけています。
 いわく「GSOMIA正常化で自衛隊が韓国に上陸する」だの「日本にへりくだった」だのと。
 ここでチェックしておきたいのが「対日外交が政権を揺るがすような要因」である、ということですね。

 近年、「韓国における日本の地位は下落した」とする言説があります。
 「韓国人は成熟した」とか「経済的に充実したので日本にコンプレックスを抱くことはない」といったものです。
 でもまあ、実際はこう。
 「日本」に対して国際法(日韓請求権協定)を遵守しただけでこんな騒ぎ。


 もちろん、政局化することで対抗軸としている部分はありますが。
 少なくとも「対日外交が対抗軸になる」くらいの話ではあるわけです。

 ユン・ソンニョル大統領が訪日した際に儀仗隊が掲げた日の丸(だけ)に敬礼した、しないで大騒ぎにもなっています。

韓国テレビ「大統領が日の丸だけに敬礼」誤報…訂正されているのに「政権攻撃」用に一人歩き(KOREA WAVE)

 中継されている映像の角度で日の丸しか見えてなかったので、KBSのアナウンサーが「ユン大統領が日の丸に敬礼した」と言ってしまったことで、韓国国内で「屈辱だ」といったニュースになり、ムン政権で儀典秘書官だった人物が自分のFacebookで「相手国の国旗に頭を下げる大統領など容認できない」って書いてしまって、Facebookからフェイクニュース認定される始末。

「尹大統領が日の丸に礼」…卓賢民氏の投稿にFBがフェイク警告(朝鮮日報)

 これ、アメリカ訪問時に星条旗だったらここまでの話になっていたかって話なんですよ。
 韓国の地方自治体のゆるキャラが日本語を話したことで吊られるのと同じ構造ですよね。

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元ジャニーズのタレント「韓国の首都はパク」「知ってる韓国語? ウォーアイニー、シェイシェイ」→韓国メディア「妄言だ!!!」

カテゴリ:日韓関係 コメント:(145)
タグ: 日韓関係
日本有名アイドル「韓国の首都はパク」…知っている韓国語「ウォーアイニー」揶揄論争(中央日報)
公開された動画の中の平野紫耀は「I SEOUL U」と書かれた大きな造形物の前でインタビューを行っている。平野紫耀は最初の挨拶から中国語で「シェイシェイ(中国語のありがとうございます)」と挨拶をし、「見てみると意外と高い建物がある」と周辺を見回し荒唐無稽な発言をした。

平野紫耀は「知っている韓国語があるか」という質問に「韓国語は全く分からない」とし、中国語で「シェイシェイ(ありがとうございます)」、「ウォーアイニー(愛しています)」と答えた。また、韓国の首都を問う質問には「パク」と答えた。

これは韓国の代表的な姓の朴(パク)氏を意味する日本語だ。これについて「偽物」を意味するパクリを発音したものかもしれないという解釈も出ている。

また、韓国の貨幣単位を問う質問には「ベリー」と答えた。特に、自身の韓国訪問を訪韓と表現せず、「来日」と表現した。韓国が日本の植民地だったことを示すために、このような表現を使ったのではないかという指摘が出ている。
(引用ここまで)


 ジャニーズ事務所のKing&Princeというグループに所属していた平野紫耀がなんか韓国で「妄言騒ぎ」を起こしたそうで。
 しゃべれる韓国語は「ウォーアイニー」「シェーシェー」「北京ダック」と答え、韓国の通貨単位はって聞かれて「ベリー」と答えたとのことで。
 ……バカキャラってヤツでしょうね。
 素なのか、キャラでやっているのかは不明ですが。

 話を聞くと「天然物」なのだそうで。
 別に興味がない人にとっては韓国なんてそんなもんでしょう。
 少なくとも楽韓Webをはじめた20年前には「日本人はアメリカの都市ならいくつも挙げられるのに、韓国の都市はせいぜいふたつ。これが日本人が韓国を差ベつしている証拠だ」とか噴き上がってた学者がいたほどですよ。
 中塚明という人物が書いた「これだけは知っておきたい日本と韓国・朝鮮の歴史」って本の中味ですけどね。


 でもまあ、それから韓国に対する情報の解像度は上がっている(前述の中塚某の望むような形ではないにしても)ので、現在ではそんなこともなくなったのでしょうが。
 知識がない人間の面白回答になにかを求めるほうがおかしいんだけどね。
 テレビのバラエティ番組なんてそんなもんでしょ。

 そのレベルで知識がない人間がどう暮らすんだって疑問もあるでしょうが、それで金を稼ぐことができるのなら周りの人間がフォローしてくれるのですよ。
 2人分以上のお金を稼ぐことができればいいのですから。
 まあ、そうした人はだまされがちではありますが。

 そういう日本人がいても許容しろって話ですよ。
 どうでもいいことでしょ、こんなの。

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日本人「日韓首脳会談自体はよかったけど、こんなんじゃ日韓関係は変わらないよね」と醒めた見方……韓国への解像度が上がりすぎでしょ

日韓首脳会談「評価する」65%、両国の関係「良くなる」32%…読売世論調査(読売新聞)
韓国の徴用工問題解決策「評価」55% 首脳会談も63% 世論調査(朝日新聞)
 読売新聞社は17~19日、全国世論調査を実施し、岸田首相と韓国の 尹錫悦大統領との首脳会談を「評価する」は65%に上り、「評価しない」は24%だった。 (中略)

韓国政府の解決策を「評価する」は58%となり、「評価しない」31%を上回った。今後の日韓関係は「良くなる」32%、「悪くなる」4%、「変わらない」61%だった。
(引用ここまで)


 なかなか興味深い数字が出てきました。
 読売新聞、朝日新聞が世論調査を行い、内閣支持率と共に今回の日韓首脳会談関連についての調査も行っています。
 まずは数字を見てみましょうか。

●内閣支持率(前回→今回)
・読売 41%→42%
・朝日 35%→40%

●日韓首脳会談を評価する、評価しない
・読売
  評価する 65%
  評価しない 24%
・朝日
  評価する 63%
  評価しない 21%

●韓国の解決策を評価する、評価しない
・読売
  評価する 58%
  評価しない 31%
・朝日
  評価する 55%
  評価しない 28%

●今後の日韓関係はよくなるか悪くなるか
・読売
  よくなる 32%
  悪くなる 4%
  変わらない 61%
・朝日
  よくなる 37%
  悪くなる 3%
  変わらない 57%


 内閣支持率は微増の範囲。
 それよりなにより注目したいのは、今後の日韓関係についてですね。
 日韓関係がよくなる、と答えたのは読売で32%、朝日で37%に過ぎない。
 変わらないと答えたのが読売で61%、朝日で57%。

 今回の日韓首脳会談があり、かつ韓国側から譲歩ともいえる「解決策」が提示されたにもかかわらず。
 下手をしたらダブルスコアくらいで「変わらない」が多数。
 こんなん言ってるけど、韓国のやることなんて変わりはしないよなとの認識を示しているわけです。

 大変に、大変によろしい。
 ディ・モールト ベネ!
 「戦後最悪の関係となった」とされている日韓関係。
 それが今回の日韓首脳会談、韓国からの解決策では変わらないと考えている人が多数。
 いやぁ……20年間、やってきた甲斐があったというものです。

 韓国側が2015年の日韓合意を裏切ったことが効いてますね。
 「とかなんとか言ってるけど、政権交代したらご破算なんでしょ?」っていう意識が日本人に根付いている。
 日本人の韓国に対する解像度が激上がりしていることを再認識できました。

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韓国大統領の外交ブレーン(対日専門家)、今回の解決策に「物足りない」「日本は誠意を見せろ」「日本は言葉を慎め」とブチブチ言うものの……

カテゴリ:日韓関係 コメント:(93)
専門家が見た韓日首脳会談…糸口開いた韓日関係正常化(中央日報)
韓日首脳会談で残念な部分がないわけではない。岸田首相は多くの韓国国民の望みにもかかわらず植民地支配に対する反▲と謝△に直接言及しなかった。韓日外交当局は最後までも激しい神経戦を行ったという。共同声明を出せなかった理由だろう。岸田内閣は4月に統一地方選挙と補欠選挙を控えている。彼の政治的去就に影響を及ぼしかねない重要な選挙なので右派の内部批判を避けようとしたとみられる。今後岸田首相がシャトル外交の一環で韓国を訪問することになるならばより前向きな立場表明があることを期待する。日本企業の参加は直接言及しないまま曖昧に残した。尹大統領は求償権行使を想定しないと言及することにより日本企業に安心感を与え、岸田首相は今後の呼応措置に対して「具体的にひとつひとつ応じていく」と答えることにより可能性の扉を閉めなかった。3月6日の韓国の対策発表で始まった韓日関係正常化プロセスは首脳会談で本格軌道に上った。4月末の韓米首脳会談、5月のG7サミット招待が実現する場合に予想される韓日米首脳会談、そして岸田首相の答礼訪問などにつながる一連の過程の中でひとつずつ結実していくのを期待してみる。

(中略)

日本の言葉と行動は韓日関係の去就を決める重要な変数だ。まず日本で軽挙妄動や問題発言が飛び出さないよう細心なメッセージ管理がなければならない。右翼の配慮なく無責任な一言が心を込めた塔を押し倒すケースが多かったという厳然として歴史の教訓を再確認する必要がある。また「一言で千両の負債を返す」という韓国のことわざに耳を傾けることを望む。韓国にお金がなくて日本に金銭的補償を要求するのではなく、不幸な過去に対し申し訳ないという真正性があるのかと尋ねているためだ。

韓日関係はいま正常化の糸口を開いた。これからの関係深化と拡大に向けた大きな一歩を踏み出せるかは両国政府と国民の努力にかかっている。過去に埋没しない未来志向的関係、侵略者と被▼者の二分法を超える対等なパートナーシップ、韓半島に限定しない広い世界の共同開拓に韓日が積極的にともに出ることを期待する。
(引用ここまで)


 ソウル大学のパク・チョルヒ教授が今回の「解決策」について評価をしてますね。
 ユン政権の対日外交ブレーンなのです。
 韓国で指折りの「日本の専門家」であり、日本でも本を出すほどの人物。
 ちなみにユン・ソンニョルの当選後のインタビューで「韓国が答えを書いてくれば日本が採点するというアプローチ方式は通用しない」って言っていました。

 ただ今回、ユン政権が発表した「解決策」はまんま、「韓国が答えを書いて、日本が採点する」ものでしたけどね。
 まあ、パク教授的にはそういう方向性にはならないと思っていたのでしょう。
 ならないというべきか、そうなるつもりはなかったというべきか。


 で、しおしおになって「日本は韓国に誠意を見せろ」「日本は言葉を慎め」って言っていると。
 ここまで日本側がなにも対応しないとは思わなかったのでしょうね。
 あとユン政権がそれを許容する(許容せざるを得ない状況になる)とも。

 まあ、何度も書いていますが日本としてはこうする以外に手はなかったわけです。
 日本政府が動いてしまうと、自ら日韓請求権協定を否定することになりますからね。
 実際にはそれを理解していたのでしょうが、日本政府が本当にその原則に沿ったままで動かないとは思っていなかったのだろうなぁ。
 「我、敗れたり」って宣言ですね。

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韓国政府「過去の政権の立場を継承するだけではなく、文言そのものまで読んでほしい」→日本政府「お断りします」

カテゴリ:日韓関係 コメント:(145)
タグ: 日韓関係
「金大中-小渕の文言を読んでほしい」…韓国が要求も最後まで閉口した日本(中央日報)
16日の韓日首脳会談の記者会見で、岸田文雄首相は「歴代内閣の歴史認識を継承する」という従来の立場を繰り返し、徴○問題をはじめとする過去の問題に対する追加の言及は全くしなかった。

韓国政府の主導的な徴○賠×解決策発表後にも日本が最小限の呼応をしない場合、長期的には解決策の完結性と持続可能性が落ち、むしろ日本に「逆風」となるかもしれないという指摘が出ている。

この日の会見の冒頭発言で、岸田首相は過去の問題に関し「1998年10月の日韓共同宣言(金大中ー小渕宣言)を含め、歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」と述べた。6日の韓国政府の徴○賠×解決策発表直後に岸田首相と林芳正外相がすでに明らかにした立場と同じだ。

続いて韓国記者団から「日本の呼応が不足しているという韓国内の世論を好転させるためにどんな措置を取るのか」という質問が出ると、「本日もいくつかの具体的な成果がみられたと思っている。今後も両国で頻繁に連携し、一つひとつ具体的な結果を出していきたい」と答えた。この日、両国が発表したシャトル外交の復元、輸出規制解除などの事案を呼応措置の一環として言及したとみられるが、韓国側が要求してきた「過去の問題に対する進展した立場表明」など核心の措置とは距離があるという指摘が出ている。

実際、韓国外交当局は6日、政府の徴○解決策を発表した後、首脳会談の準備過程で日本側に「金大中(キム・デジュン)-小渕宣言に明示された『痛切な反●と心からのおわび』を岸田首相の口から直接話してほしい」と繰り返し要求した。金大中-小渕宣言継承の立場をすでに再確認しただけに、宣言の中の文言をもう一度言及すれば国内の世論をなだめ、解決策の完結性を追求するうえで役に立つという論理で説得したという。ただ、日本側は会談直前までこれに確答を出さず、結局、岸田首相はこの日の会見でも従来の立場を繰り返すにとどまった。

この日の記者会見で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が岸田首相に公開的に誠意のある呼応を促さなかった点も指摘された。政府が6日の朴振(パク・ジン)外交部長官の発言ですでに明らかにした「日本が政府の包括的謝□、企業の自発的寄与に呼応することを期待する。コップの残り半分を満たしてほしい」という立場を尹大統領が繰り返すだけでも、日本に対するより明確なメッセージになったはずということだ。
(引用ここまで)


 6日の韓国政府による「解決策」提示後、日本政府は「過去の談話の再確認」をしました。
 それでこちらの腹が痛むというわけでもない。
 韓国メディアがいうところの「最低限の呼応に過ぎない」ものではありましたね。

 で、その後のユン・ソンニョル大統領の訪日、日韓首脳会談の場では「過去の談話を確認するだけではなく、実際の文面を表明してほしい」と韓国側から要求があったとのことですよ。
 ですが、知っての通り日本側はそれを拒絶し、「歴代内閣の歴史認識を継承する」というだけに留めた。



 パク・ジン外交部長官(外相に相当)は繰り返し「日本の誠意ある呼応が大事」としていましたが。
 財団への寄付や、日本政府による過去の談話の継承だけではなく踏みこんだ表現が必要だとしていました。


 でもまあ、結果はご覧通りになった……と。
 韓国側、というかユン・ソンニョル大統領が旗を振って一気に「ムン・ジェイン政権以前」に戻そうと努力している、といったところですかね。
 日本側もあるていど呼応はするものの、「政権交代によってなにもかもなかったことになる」韓国に相当の不信感を抱いている。
 それは昨日のエントリにあったようにアメリカも同様であるように感じます。  結果として出てきたのがこのような「最低限の対応」であり、首脳会談はやっても共同声明を出さないというありようにつながったのでしょう。

 「ムン・ジェイン政権以前に戻す」ための措置は多少なりとも呼応する。
 半導体材料輸出管理をわずかに緩和する、あるいは「過去の政権の歴任式を継承すると述べる」くらいはする。
 でも、「解決策」はそもそもが韓国が行うべきことであって、日本がどうこうするような話ではないという原則を貫いたとの評価はできると思います。
 安倍総理(当時)が「おわびの手紙を書いてほしい」との韓国側からの要請があった際に「合意にないことはできない」と突っぱねたのと同じことですね。

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