漫画「巨人の星」に登場する星一徹が、激高して目の前のちゃぶ台をひっくり返すように、尹氏が2027年5月までの大統領の任期中に自ら合意をほごにするとはまず考えられない。同氏の信念・性格からみても、政権の戦略上も対日改善路線を突き進んでいくとの見立ては、政権発足当初から、筆者のニュースレター「支持率急落で『反日』に転じるか」(22年8月22日号)などで詳しく解説してきた。尹氏は岸田文雄首相との共同記者会見で日本企業の判決金を肩代わりする財団による求償権の行使も否定した。21日の閣議発言で、筆者はその思いを一段と強くした。 (中略)
韓国の次期政権下で懸念される要素は、同国の司法だ。仮に次が、現在の保守政権と対立する革新政権となれば裁判も影響を受ける。
(引用ここまで・伏せ字引用者)
日経の元ソウル支局長であった峯岸博論説委員による「韓国側の熱量に日本も応えるべきだ」とするコラム。
「ユン・ソンニョル大統領はそれなりの覚悟をもって対日外交改善に努力している。その努力にふさわしい態度を示すべきではないか」とする声は少なからずあります。
ただ、そういう声が大きいのはムン・ジェイン政権を非難、批判してきた人たちに大きい。
峯岸氏もそうですし、武藤正敏氏なんかもその傾向にあるといっていいのではないでしょうか。
なにやら「ほら、韓国は変わったんだ。あの5年間はムン・ジェインという個人に帰属するものなんだ」とでも言いたげ。
であれば、いまの「対日外交改善」もユン・ソンニョルという個人に帰属してしまうと思うのですけどね。
もし、次政権が共に民主党であったのなら。
特にイ・ジェミョンであったのならどうであったか。
そもそも、ユン・ソンニョルとイ・ジェミョンの大統領選は0.73%差でしかなかったわけで。
残り任期の4年ちょっとそれなりの「関係改善」があることにそれほど文句があるというわけでもない。
個人の志向性に依拠しているといえども、少なくともムン・ジェイン政権下みたいな騒がしい関係が現在の国際情勢上、好ましくないのは確かなので。
ただ、そんな「関係改善」で踏みこみすぎるわけにもいかないというのが現実じゃないですかね。
ちゃぶ台返しされても構わないレベルでの改善しかあり得ない。
実際、火器管制レーダー照射についてはまだ「日本側から威嚇された」という態度を変えていませんし、レーダー照射もなかったとしています。
海自哨戒機へ「レーダー照射なかった」 日本側が威嚇飛行=韓国国防相(聯合ニュース)
「照射がなかった」のであれば再発防止策もないわけで。
韓国のやりようがそのレベルなら、日本の対応もそれなりにするしかない。
「ユン大統領の熱量に対応せよ」っていうのもおかしな話なんですよ。
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