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カテゴリ:漢字関連の記事一覧

外国人学者「韓国ではハングルカルトが跋扈しすぎて漢字を排斥してしまった」「漢字を敵対視するような傾向はあまりにも問題がある」と指摘

「これは完全に消えた」韓国を訪れたハーバード大学の言語学博士が怒った理由(ヘラルド経済・朝鮮語)
「この20年間で漢字教育が韓国語教育場から完全に消えた。」

米国韓国語村設立者ブリティッシュコロンビア大学のロス·キング教授は先月30日ユーチューブチャンネル「オーサムコリア」でこのように話し、最近韓国でハングルを偏愛し漢字を排斥する文化ができたことに対して遺憾を表わした。

キング教授はブリティッシュコロンビア大学アジア学科韓国語文学教授で、1983年イェール大学で日本語、韓国語で言語学と政治科学を学んだ。 1986年と1991年にはハーバード大学で言語学の修士と博士号を取得した。

キング教授は米国ミネソタ州に韓国語村「森の中の湖」を1999年に設立して以来、2014年まで15年間村長を務め、韓国語とハングルの歴史研究、韓国文化の教育と普及などの分野で活発に活動した。

キング教授は「韓国の最も目立った特徴は何かというと言語民族主義が非常に強い国だが、その言語民族主義が実は言語民族主義ではなく文字民族主義」と話した。

彼は「すなわち、ハングルに対する崇拝、『ハングルカルト』があると見られる」として「ハングルが立派ではないということは絶対にないが、ハングルを強調するのが良くない現象のようだ」と意見を明らかにした。

キング教授は特に、韓国で漢字を敵対視する傾向が現れたと分析した。 彼は「この100年間、漢字という文字体系と漢文という言語をあまりにも他者化し、これが私たちのものではないというように敵対視するそのような傾向もあまりにも良くない」として「この20年間に漢字教育が韓国語教育場から完全に消えてしまった」と話した。

キング教授は続けて「ある外国人が韓国語を勉強することになれば漢字を学ぶ機会がほとんどない」として「これがあまりにも誤ったことだと思う。 本当に韓国語が上手になるためには漢字を勉強しなければならない。 もっと教養のある韓国語使用者になるためには漢字を勉強しなければならない」と強調した。
(引用ここまで)


 ブリティッシュコロンビア大学の教授が「韓国で漢字教育が亡くなってしまったのは残念だ」と述べている、とのニュース。
 動画を見ると「韓国から漢字が失われている」って話はメインの話ではないのですけどね。



 「韓国語を学ぶ」ことの意味について言及している動画なのですが、その中で「この20年で韓国は漢字を排斥しすぎている」と述べているパートがある、って感じですかね。
 13分30秒くらいからがそのパート。
 それにしてもこの人、めちゃくちゃ韓国語うまいな。


 このかた、日本語を学んでから韓国語に取り組んだとのことですが、結果として漢字の重要性を思い知ったのでしょうね。
 言ってみれば漢字は西欧におけるラテン語のようなもので、東アジアでは各国の言語をベースにして漢字を取り込むことで言語が形成されている。
 あと実は仏教関連用語が日常にどれだけ潜んでいるかってことを知ると驚愕したりもしますね。

 だけども韓国でも北朝鮮でもそれを完全に排除してしまっている。
 北朝鮮では漢字を「外国語」として教えているようですけどね。
 韓国でも私教育(塾)では漢字を教えていたりもしますが、それによって私教育を受けられない子供との「言語への理解度」の差がつくわけです。

 たぶん、まだ1世代とか2世代くらいでしょうが、さらにこれが進んだら「漢字語をあるていど知る人々」と「漢字語が分からない人々」っていう分断を産むのでしょうね。

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韓国人漢字復活派「保護者が『雨天時』を『雨天市』と間違えるほどに読解力が落ちた」→ハングル派「純韓国語で解きほぐせ! 『雨が降ったときには』で問題ないだろう!」

カテゴリ:漢字関連 コメント:(165)
「漢字読解のような識字力が低下すれば、対中貿易に支障…」 「根本的な対策が必要」(デジタルタイムズ・朝鮮語)
「屈指の企業で、中国から契約内容がEメールで送信されたのですが、韓国側の担当者が文書の最も基礎的な数字の6と7、9にあたる漢字の六、七、九の違いがきちんと分からず、勝手に解釈することがあったといいます。 あいにく持分に関する内容なので、少なくない損失を被ったという話をある役員から聞きました」

「名駅古典」で「洛陽の地価」を上げた檀国大学漢文教育科の金ウォンジュン教授(60)は、「文を読んで理解する能力が落ちて起きた極端なエピソードを聞かせながら、文解力を引き上げるための対策作りが切実だ」と話した。 キム教授は「学ぶほど学んだ会社員が識字力によって打撃を受けたほどなので、小・中・高等教育現場の現実はどうか」とし、「根本的な対策が必要だ」と話した。 (中略)

金教授は、解決策の一つとして漢字教育を挙げた。 彼は「3日という純韓国語を4日と理解したり、今日と金曜日を混同して年中無休の意味が何なのか分からない学生たちが珍しくない」として「国語国文学科でも漢文科目をほとんど学ばないので文解力が落ちないはずがない」と明らかにした。 キム教授は「法と関連した用語の90%が漢字語だ。 不動産取引をするのに買い手と売り手。 賃借人と賃貸人、残金、債務不履行、売買契約のような概念を知らないから、どうやって契約書を理解できるだろうか」とし、「結局、自分に被害として戻ってくる」と話した。
(引用ここまで)


 ここのところ、ちょっと多めにピックアップしている漢字ネタ。
 今回は「ハングル派」と「漢字復活派」の違いが面白いので双方の言い分を出してみましょう。
 冒頭記事には「漢数字が分からなかったので、中国企業との持ち分の解釈が異なってしまい、大きな被害を受けた」というもの。
 記事では「極端なエピソード」としていますが、現在の韓国では完全に「外国語」であることが分かると思います。

 というか、もはや自分の名前を漢字で書くこともできない人が大多数ですからね。
 2011年の時点で「崔、鄭、柳など比較的難しい姓」を持つ韓国人は自分の姓すら書けないとされていました。

崔、柳は「難しい漢字」なので自分の姓すら書けない韓国人が多い(楽韓Web過去エントリ)

 この過去エントリによると子供の名前も書けない。
 ちなみに漢字の名前付けは占い師的な、「名前屋」みたいな職業の人がつけることも少なくありません。
 漢字の意味から名付けとかそもそもあまりしませんしね。


 そのくらいに韓国では漢字が失われてしまい、漢字由来の熟語も「意味の分からないもの」になりつつあるのです。
 冒頭記事は「それでは不動産契約時にわけの分からないままサインするなどしてしまうので、防衛のためにも漢字語を理解すべきだ」としています。

 その一方でハングル派も当然のようにいまして。
 「難しい言い回しをするのが悪い」「純韓国語を使うべき」としています。

ハングル都市蔚山とソル・チェ・ヒョンベ(慶尚日報・朝鮮語)
「雨天時に〜」との表現を理解できずに『雨天市はどこにありますか?』と尋ねるという保護者の識字力の水準を教師たちが嘆くという。 ところが「雨が降る時」と言えば簡単に解決されることをあえて漢字語に固執する教師が問題だ。
(引用ここまで)

 ここでも「肩甲骨ではなく、『かたのほね』と書くべき」式の解決方法が提唱されています。
 漢字をまったく使っていない世代がほぼすべての現役世代になりつつあるので、こうした「漢字語を解きほぐす解決方法」が増えていくのでしょうね。
 ますます本が分厚くなって、韓国人がより本を読まなくなっていく未来しか見えないなぁ。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国の占い屋「あなたの『武運』を祈ります」→韓国の子供「……なんで運がなくなる(無運)ことを祈っているの?」……韓国は漢字なしで同音異義語に対応することはできるのか?

カテゴリ:漢字関連 コメント:(118)
「武運? 運がないことをどうして祈るの?」…教育現場の話題として浮上した「識字力」(TV朝鮮・朝鮮語)
「あなたの武運を祈ります」というフレーズがついたソウルのあるタロットの店の前。 初等学校5年生が首をかしげて横にいた30代の叔母に聞いた。 「この店はどうしてお客さんが運がないことを祈るの? 運は多くてこそいいものじゃないか」

戦場での運を意味する「武運」を、運がないという「無運」と誤って理解したのだ。 (中略)

最近の子供たちのこのような明るい質問事例は相次いでいる。野球場の中継板に「雨天時取り消し」を見て「雨天市? 始興市や光明市のようなところかな?」──「退屈な謝罪」に「りんご(apple)が退屈することがあるのか……」 哲学的な悩みに陥ったり、「始発点」という言葉に「先生が悪口を言いました!」と衝撃を訴えるようなものだ。

これ以上笑えないことになってしまうと、ソウル市教育庁が真顔で実態調査に乗り出した。 識字率などの診断検査を今日から4日間実施するが、申請学校が1年間で2倍以上増えた。 (中略)

ソン校長の懸念は、すでに統計にも表れている。 統計庁が実施した2023年国民読書実態調査によると、小学生の読書量は5年前に比べて20%以上減少した。 2021年のOECD統計はさらに衝撃的だ。 与えられた文章で事実と意見を区分できる韓国の青少年は25.6%に過ぎなかった。 同じ調査でOECD平均は47.4%だった。
(引用ここまで)


 最近、ちょっと多めに取り上げている漢字のお話。
 先日は「首都」も「風力」も理解できない子供が増えている、とするものでした。
 こうした漢字由来語を「韓国語での言い回しにする」という運動がハングル推進派から行われています。

 たとえば「肩甲骨」を「かたのほね」と記述する。「胸椎」なら「むねのほね」ですね。
 あるいは「食事代」を「ごはんのねだん」とするなどです。
 これらは「正しい韓国語運動」として推進されているものです。

 まあ、実際には漢字語が理解できない世代が増えてきたから、なのでしょうね。


 このようにして一部からは「若者の識字力が低いわけではない。分かりにくい漢字由来語が悪いのだ。韓国語で言い換えてしまえばなんの問題もない」との意見が出ています。

韓国人「ほったん(発端)ってどんな意味? 族譜……は豚肉サラダ定食?」……ハングル世代と漢字世代で完全なる分断が発生している模様(楽韓Web過去エントリ)

 こちらのエントリで扱ったニュースは「若者言葉を老人が理解できないように、古い言葉を若者が理解できなくても当たり前」みたいな擁護をしていましたね。

 ハングル推進派最大の論拠は「ハングルだけになっても韓国人の読解能力は世界一なのだから」としていました。
 ……まあ、その「韓国人の読解能力は世界一」って嘘なんですけどね。
 小学生とかそのくらいの読解能力は確かに高いのですが、成年以降も含めたテストではだいぶ低いことが判明しています(なお1位は日本)。

韓国人の読解能力は世界1位! → 嘘でした(楽韓Web過去エントリ)

 過去エントリで扱ったPIAACは第2回が行われて今年にも発表される予定。

 このPIAACの結果を見ても、現在の韓国はちょうど境にいるところ。
 いや、もう社会として漢字を失ったので境から向こう側にいったところと見るべきかな。

 今回の記事は「子供世代の読解力の低下は親世代が漢字に慣れ親しんでこなかったから」としています。
 教師も同様に漢字を学んでこなかったので、子供に教えることができない。
 韓国語の理解度を深めるためには私塾等で漢字語を理解するために、あるていどの漢字を教わるしかないって状況。
 ……いやぁ、詰んでるなぁ。

 でも、初等教育にはハングルは効果的だと思いますよ。覚えやすいので。
 それでいいんじゃないですかね?

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ピュアハングル世代の韓国の中学3年生、「首都」を理解できず。高校3年生は「風力」を理解できない……韓国語の70%を構成する漢字由来の言葉が消えていくしかない状況に

カテゴリ:漢字関連 コメント:(165)
韓国人の読解力低下、根本的な問題は漢字力?【萬物相】(朝鮮日報)
韓国の気候の特性について教える中学校のある教師(地理)が、黒板に「セマウル運動前までは多くの田んぼが『チョンスダプ』であり、雨が降らなければ農作業ができなかった」と書いた。生徒たちは文章を理解できなかった。「チョンスダプ」という聞き慣れない単語のためだ。そこで教師が「天水畓」と漢字で書き、「空から雨が降ってこそ農作業ができる田んぼという意味」と説明すると、ようやく生徒たちがうなずいた。教師は「漢字で教えることで理解が深まる」と口をそろえる。

 韓国教員団体総連合会が今年、ハングルの日を迎えて実施した調査でも、漢字能力と読解力の相関関係が改めて指摘された。高校3年生が「風力」の意味を、中学3年生が「首都」の意味をそれぞれ分からず、教科書を理解できないという。「本気で言っているの?」と問い返したくなるような質問もたびたび飛んでくる。「カロドゥン(街路灯、カロは『横』の意)はセロ(縦)に立っているのに、なぜカロドゥンと言うのか」、「デチュンドル(大衝突、デチュンは『適当に』の意、ドルは『石』の意)は『適当に作った石』ではないのか」と聞いてくる。「マギョク(莫逆、『きわめて親密な間柄』の意)の仲」と言うと「漠然とした間柄」を書き間違えたものと勘違いする。 (中略)

今回のアンケートで一線の教師の92%が「生徒たちの読解力が以前よりも劣っている」と回答した。生徒の5人に1人は、他人の助けなしに教科書を理解できないほどだという。教師は試験問題を出しながら、「子どもたちに解ける問題かどうかを心配する前に、質問の内容が理解できるかどうかを心配しなければならない」と内情に触れた。

ただ、青年世代の読解力そのものが低いと断言するのは早すぎるといった見方もある。今の青少年と20-30代は幼い頃から外国語に、母国語に負けずとも劣らないくらいに接して育った国際化世代だ。聖書を読みながら漢字語に出くわすと、親の世代は辞書を引いたものだが、最近の若者はインターネットで英語の文章を検索し、正確な意味を把握する。「異性との交際」と言うと聞き取れず「デート」と言うと理解する。文章を読んでも理解できないのは、韓国語の70%が「漢字語」で構成されているためだ。結局、読解力の根本的な原因は漢字に対する理解力にある。 (中略)

高次元の思考と関連した抽象的な概念語は、漢字を知らずに理解することはできない。英語圏の国々が学生たちにラテン語を教えるのも同じ脈略からだ。
(引用ここまで)


 漢字語彙を忘れつつある韓国人、というアレ。
 ただし、朝鮮日報は漢字復刻派なので「漢字を学んでしっかりとした語彙を身につけるべきだ」とする基調のコラムになっています。

 あと個人的に漫然と考えていた「韓国における漢字=英語圏のラテン語」説が書かれてて「やられた!」ってなってます。
 英語圏……というか欧米の知識のベースにラテン語があるのは間違いない。
 元素記号で鉄がFe、金がAuであるように、ですね。
 それと同じように東アジアでは知識のベースに漢字、漢語があるのです。


 ですが、人為的に漢字を社会から抹消してしまった韓国では漢語を知っている世代と、そうでない世代で分断が起きてしまっているのです。
 高校3年生が「風力」を理解できず、中学3年生が「首都」を理解できない。
 つまり、テストで「韓国の首都はどこか?」って問題が出ても、そもそも問題の意味が理解できない。

 教師の世代は漢字を使っていなくとも、まだ漢字由来の言葉を日常的に使っていたので意味が通用する。
 でも、現在の子供世代は漢字を完全になくした、いわばピュアハングル世代なわけです。
 これから韓国語は漢字由来の単語、言葉を次々と失っていくことになるのでしょう。
 医師が「肩甲骨は難解な暗号のようだ」として、「かたのほね」としてしまったように、ソウル市が「食事代は分かりにくい言葉」として、「ごはんのねだん」としたようにです。

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韓国人「ほったん(発端)ってどんな意味? 族譜……は豚肉サラダ定食?」……ハングル世代と漢字世代で完全なる分断が発生している模様

カテゴリ:漢字関連 コメント:(169)
「発端」が罵倒語? 教科書も理解できない「MZリテラシー」(アジア経済・朝鮮語)
韓国教員団体総連合会が全国の教員5848人を対象に実施したアンケート調査によると、何と90%以上の教員が学生たちの識字力が過去に比べて顕著に低下したと答えた。 過去には該当学年水準に合わせた教科書を理解するのが一般的だったが、最近の学生たちの相当数が基本的な教科書内容さえ理解できない場合が多いということだ。 アンケートに回答した教員の半分以上が、自分のクラスで20%以上の生徒が教科内容を理解できないと答えた。 (中略)

例えば、教師たちは生徒たちが日常でよく使われる用語や文章を理解できず混乱する事例をたびたび目撃する。 「今日」を「金曜日」と誤解したり、「族譜」を「豚足ポッサムセット」と理解するなど、漢字語に対する理解が足りないのが代表的だ。 このような事例は、学生たちが語彙力自体は不足していなくても、漢字語のような特定の語彙群に対する理解力が顕著に落ちているという事実を示している。 (中略)

識字率の低下は学生に限ったことではない. 大人たちも識字能力の不足による様々な問題を抱えている。 国家生涯教育振興院が発表した成人文解力調査によれば、約3.3%の成人が初等学校1~2学年水準の文解力を持っていることが明らかになり、中学校1~3学年水準の文解力が必要な成人は8.1%に達する。 このように基本的な識字力を備えていない成人の数は決して少なくなく、これはすなわち職場でのコミュニケーション問題、金融および法律文書を理解する上で困難を招く恐れがある。 (中略)

例えば、「事件の始発点」という表現は過去にはよく使われたが、今日の学生たちにはほとんど見慣れない表現になった。 このような単語が教科書や新聞で使われる時、学生たちは該当単語の意味を推論できず、全体の文脈を理解するのに困難をきたす。 したがって、漢字教育を通じて学生たちがこのような単語を自然に理解できるように助けることが必要だ。 (中略)

特に、私たちはハングルの美しさと価値をより一層大切にしなければならず、外来語と漢字語の乱用を減らし純韓国語を使う努力が必要だ。 ハングルの日を迎え、このような努力がより活発に行われなければならず、識字力低下問題を解決するための社会的関心と努力が持続的に続かなければならないだろう。
(引用ここまで)


 いつもの漢字のアレ。
 「族譜」を「豚足ポッサムセット」のことかと思い違いする。
 ポッサムってのはサラダ菜みたいなもので豚肉をまいて食べる料理。
 ……韓国の若者にとっては「族譜」(家系図のようなもの)も遠いものになりつつある、っていうのがむしろ印象的ではありますかね。

 で、今回の論調はハングル擁護の視点。

・「若者は若者で新しい言葉を作り出していく。古い言葉が分からなくてもしかたない」
・「たとえば『発端』という言葉が分からなくてもしかたない」
・「識字力の低さを意味するものではない」
・「外来語と漢字語の濫用を減らし、純韓国語を使う努力が必要だ」

 ──なのだそうですが。


 「若者言葉をおっさんが理解できない」と「発端の意味が分からない」ことを等価には扱えないでしょ。
 語彙力の問題ではなく。

 もう漢字世代が駆逐されるしかないでしょうね。
 で、漢字由来後を知っている上層と、まったく知らない一般層とで分断されるのです。
 中学レベルならともかく、大学入試レベルだとテストの点数とかも大きく変わってきそう。

 「肩甲骨」が難解すぎてまったく理解できなくて、「かたのほね」と書くようになる。
 すべての韓国語がそうなっていくのでしょうね。
 ま、それはそれで幸せなのではないでしょうか。

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「漢字は韓国人の祖先が創った」とする「韓国漢字起源説」はどこから生まれ、なぜ広まったのか。その謎のすべては解明された!

「漢字は韓国のもの」キム・ジンミョンの主張がSBSビズで放送…中国「でたらめ」(ハンギョレ・朝鮮語)
中国官営メディアが「漢字は韓国のもの」というキム·ジンミョン作家の主張を紹介し、事実と違うと反論した。

官営環球時報は12日、キム氏が先月1日、韓国のあるテレビ番組に出演し「韓国人が歴史的誤解を持っていて漢字は韓国人が作ったものではないと信じている」という荒唐無稽な発言をしたと伝えた。

実際、キム氏はSBSビズの「ビッグクエスチョン」という番組に出演し、漢字は中国東側のウンホ地域の甲骨門から始まり、これは東夷族が作ったもので、東夷族の中で残った人々が韓国人という点を根拠に挙げ、漢字は中国人ではなく韓国人が作ったものだと主張した。 ユーチューブにも掲載されている該当映像は、90万回を超える再生数を記録している。

キム氏は2015年に出版した「文字戦争」という小説でも、漢字は韓国人が作ったものだと主張した。
(引用ここまで)


 今日の最後のエントリはちょっとすごいですよ。
 漢字韓国起源説の謎を解きます。

 さてさて、8月の頭頃に「月刊朝鮮(朝鮮日報の発行する月刊誌)で『韓国国立博物館では漢字を中国の文字と表記している』と騒いでいる」ってニュースをピックアップしました。

【これはひどい】韓国メディアが「国立博物館が『漢字は中国の文字』と解説文に書いている」とクレーム……ああ、そこまで「漢字」の意味が分からなくなっているんですね(楽韓Web過去エントリ)

 この時、別途に楽韓さんは──

「韓国では漢字は東夷族が作ったものである、との説が存在があり、当該記事でも述べられている」
「そして韓国では東夷族=韓国人とされている」
「つまり、この記事ではうっすらと漢字韓国起源説が述べられている」

 ……といった話を紹介しました。
 漢字韓国起源説が「韓国人=東夷族」って論拠で行われているのですね。

 そして、8月の終わり頃には韓国語学科の大学教授が「漢字は我々が作った文字であることは確実な事実だ」と述べている記事を紹介しています。

韓国人大学教授「漢字は我々が作った文字であることは確かだ」と漢字韓国起源説を堂々と述べる(楽韓Web過去エントリ)

 こちらでは「韓国人に『漢字が韓国起源である』との話はそれなりに受け入れられている説」であることを語りました。
 大学教授が語るほどにかなり一般的な話、説であるってことですね。
 ですが、まだ疑問が、それも根本的な疑問が残るはずです。

 「なぜ、そのような漢字韓国起源説が語られているのだろうか」って話です。


 あ、冒頭記事は小説家が「漢字韓国起源説」に言及して、中国の英字紙である環球時報に突っこまれたって記事です。
 まあ、斯様に漢字韓国起源説はあちこちで語られているって記事でそれ以上の話ではありません。一種のダミー記事です(笑)。

 この漢字韓国起源説3部作の最後ですから、なぜ韓国では「韓国漢字起源説」がこれほどまでに浸透しているのかを解き明かしたいところです。
 「最大の謎解き」が必要となるでしょう。
 これはまず、1970年に朴正熙によって漢字が禁止されたことが原因、遠因になります。

 その後、韓国ではハングルオンリーになって、現在では自分の名前すらも漢字で書けない韓国人が圧倒的多数となっています。
 幾度か漢字復活をしようとの運動が出たりするのですが、もうすでに教師からして漢字を知らない世代になってしまったので尻すぼみに終わっています。
 北朝鮮も完全に漢字を排斥しているので、朝鮮半島から漢字はほぼ消滅しました。

 さて、なぜ漢字禁止、ハングル全面採用が韓国漢字起源説につながるのか。
 それは漢字復興派が「漢字は我々の祖先が作った文字だから、使い続けなければならない」と言い出しているからなのです。

 こちらの記事をごらんください。

[ハングルの日特集③] 「漢字は我が民族の東夷族が創製した」(時事ジャーナル)
漢字教育の重要性を強調する学者たちは、漢字が中国だけの文字ではないと主張する。 漢字の原型となった甲骨文字を韓国民族の東夷族が作ったという主張だ。 全国漢字教育総連合会の故チン・テハ理事長が最も代表的な学者だ。

漢字は漢族の文字という意味だ。 「東夷族漢字創成説」を主張してきた学者たちは、漢字の名称から改めるべきだと指摘している。 チン理事長は「漢字という名称は漢代に漢族によって作られた文字だという錯覚に陥らせる。 しかし、漢字は漢代はおろか秦と周の代を遡及し、漢の建国から約1400年以前、殷の代にすでに文字が非常に発達して書かれたことが分かる」とし、「今後、漢字という名称は対内的に古ハングル、対外的には東方文字としなければならない」と強調した。
(引用ここまで・太字引用者)

 チン・テハ氏は韓国で代表的な漢字教育復興派。「全国漢字教育総連合会」の理事長でした。
 なぜか日本のWikipediaにページあったりしますね。
 あと太字部分で第1部の月刊朝鮮の記者が「国立博物館で『漢字は中国の文字』などと書くな!」としたのかも理解できることでしょう。

 このチン・テハ氏こそが「韓国人=東夷族であり、我々の祖先こそが漢字を創ったのだ」って主張を行い、「だからこそ我々は漢字を使わなければならないのだ」との主張をはじめた人物なのです。
 ついでに「韓国人は当時遼東半島から東アジア全域に拡がってその領土を持っていた」って例の「輝かしい韓国史観」の持ち主でもあります。

 彼がこの主張をする以前の2000年前後よりも前には「漢字韓国起源説」はなかったように思われます。
 まあ、結果としては漢字教育は復活せずに「漢字韓国起源説」だけが独り歩きする結果になったわけですけどね。

 韓国では早期にブロードバンドが普及したこともあって、この説がネットユーザーの目に触れることが少なくなったのでしょう。
 そして、韓国人の自尊心、琴線に触れたのです。
 その結果、こうして「どこから生まれたものかは知らないが、韓国人の多くがなんとなく『漢字韓国起源説』を知っている」ものとなったのですね。

 いかがでしたでしょうか、漢字韓国起源説3部作。
 けっこうな大作だったといえると思います。最初はnote用に書いていたものなのですが、さすがにこれを本誌にあたるこちらで書かないわけにはいかないよなってことで仕上げてみました。
 なかなかの仕事をやってのけたのではないですかね。

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韓国人大学教授「漢字は我々が作った文字であることは確かだ」と漢字韓国起源説を堂々と述べる

カテゴリ:漢字関連 コメント:(151)
[チェ・テホの韓国語を正しく知る] 漢字は東夷族が作った文字(プレシアン・朝鮮語)
一学期が終わると、いつも教授たちは講義の評価を受ける。 これまで講義評価を気にしたことはないが、前学期にも中国の学生から良くない評価を受けた。 漢字語を作った民族が東夷族だと言ったためだ。

漢字語の起源である甲骨門が最初に出土したのが、殷の首都だった隠虚というところだ。 殷は東夷族が建てた国であることは、中国でもすでにかなり前から認めてきた事実だ。 中国を漢族が治めたことはあまりない。 近くでは、清は満州族が、元はモンゴル族が支配していたのではないだろうか。 同様に、殷は東夷族によって建国され、治められた。 我が国は殷の暦法を書いたと色々な文献に記録されたことから見て、我が民族であることが確実だ。結論的に、漢字語は東夷族(韓民族)が作った文字であることは確かだ。
(引用ここまで・太字引用者)


 先日、月刊朝鮮(朝鮮日報の発行する月刊誌)が「漢字は中国の文字(Chinese Character)ではない」「東アジアの文字だ」「そもそも漢字を発明したのは東夷族だ」といったコラムを掲載していました。
 あまりにもバカなコラムなのでつい晒し上げるようにピックアップしてしまったのですが。

【これはひどい】韓国メディアが「国立博物館が『漢字は中国の文字』と解説文に書いている」とクレーム……ああ、そこまで「漢字」の意味が分からなくなっているんですね(楽韓Web過去エントリ)

 その中で「漢字を発明したのは中国人ではない、東夷族だ」とする記述がありました。
 これ、当該コラムの中では直接的には語っていなかったのですが、「漢字は東夷族と呼ばれていた韓国人が作ったものである」って主張なのです。

 ……いや、韓国人の中で「漢字は韓国人が作ったもの」ってのはあるていどの説得力を持って受け入れられている説なんですよ。


 日本だとどんな話に相当するかな。源義経=チンギスハーン説みたいな感じでしょうかね。
 「どこで語られはじめたのかは知らないけども、そういう話を聞いたことがある」ってフォークロア、都市伝説の類いでかなり有名ってところ。

 んで、韓国内でどのくらい浸透しているかというと、この中部大学の韓国語学部教授が「授業で『漢字は東夷族が作った』って言ったら、中国人学生から低い評価を受けた」「漢字は東夷族(韓国人)が作った文字であることは確実だ」って普通に紙面で語れるくらいには浸透しているわけです。

 ……いや、言いたいことは分かりますよ。
 「東夷」の意味も分からないのか、とか。
 「おまえら漢字使ってないじゃん」とか。
 「出た出た、韓国起源説」とか。

 もはや漢字を使わず(使えず)、「漢字(Chinese Characrer)」そのものの意味すらあやふやで理解できない人々が、そうしたもの悲しく哀れな「漢字韓国起源説」にすがっている様子はなかなか面白いと思います。
 自分の漢字の名前も、国名である「大韓民国」も書けないのだけども、「漢字は我々が生み出したのだ」って声高に言い続けるってのは、なかなかの哀れさですよ。

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【これはひどい】韓国メディアが「国立博物館が『漢字は中国の文字』と解説文に書いている」とクレーム……ああ、そこまで「漢字」の意味が分からなくなっているんですね

龍山国立中央博物館は中国文化を広報する博物館なのか?(月刊朝鮮・朝鮮語)
韓国語の説明の横に書かれた英語の説明を見てみよう。

'Calligraphy has an especially long and illustrious history in East Asia, where Chinese characters have been widely used since ancient times. The greatest calligraphers of China cultivated innovative styles that exemplified the aesthetics of their era.'

このような意味だ。 書道は東アジアで特に長い歴史と名声を誇る。 古代から中国文字が広く使われてきた。 中国の偉大な書道家たちはその時代の美学を具現化した独創的なスタイルを発展させた。

この英語の説明には二つの問題がある。

まず、漢字を「中国の文字(Chinese characters)」と書いた。 漢字の創製を誰がしたかをめぐって、これまで論議がある。 ここに一言一言言及はしないが、漢字の初期形態である甲骨文字に「東夷族」と呼ばれた民族の影響が大きいという事実はよく知られている。 国境がどこにあったのか、東夷族がどこに住んでいたのかは、今も正確に画定することは難しい。 これに加えて、漢字は今の韓国、中国、日本の地域で広く使われていた、今でも使われている文字である。 「東アジア文字」といえる。 日本のどの博物館でも漢字を指して中国の文字(Chinese character)と書いてあるのを見たことがない。 いったい国博が漢字について自信を持って「中国の文字」とあえて書いた理由が理解し難い理由だ。

第二に、韓国語では「歴代名筆家」と書き、英語ではこのように書いてある。 「中国の偉大な書道家たち(greatest calligraphers of China)」。書道文化を築いた名筆家はすべて中国人だけか? 秋史体を作った金正喜や安平大君は、国博の分類によると、名筆家ではなかったのか。 一体、国博はなぜ大韓民国の税金を使いながら、あえて外国人に中国の偉大な書道家を広報しているのか。 それも英語の説明は韓国語の説明と違うように書いているのだ。 (中略)

国博で英語ガイドの説明を聞いてきた記者の知人がこのような話をした。

「韓国文化が中国、インド、中東の影響を受けたという説明を一度や二度ではなく、何度もしたので恥ずかしかった。 影響というのはやりとりすることなのに、特に韓国が外国の影響を受けたという話を何度も繰り返して疑問に思った。 韓国の伝統遺物に刻まれた漢字を「中国の文字」と説明した。 韓国をよく知らない英語圏の外国人がその説明を聞くと、思わず韓国文化や国立中央博物館を低評価することになりそうだ」 (中略)

数千億ウォンをかけて中国文化の優秀性を広報する必要があるだろうか。
(引用ここまで・太字引用者)


 あー。
 国立中央博物館で書道の英語解説に文句をつけている記事なのですが。
 ここまで「漢字」が分からなくなっているのか、と感慨深いものになっています。

 韓国では漢字のことを「ハンチャ」と呼びます。「漢字」の朝鮮語読み。
 ハンチャ、ハンチャとだけ言っているので、その大元の意味を理解していないのでしょうね。
 「英語解説で漢字をChinese Characterと書いた」と文句をつけています。

 これ、日本人からしてみると意味が分からないでしょうから、こう書けばいいのかな。
 「英語解説でハンチャをChinese Characterと書いた」と。
 「漢字」自体に「中国の文字」という意味があるのに、それを理解していないのですよ。

 いや、言いたいことは分かります。
 「そんなことある? あったとしても、大手新聞社の出している月刊誌の記者がそのていどのこと理解できていないってことでしょ?」と。
 ……あるんですよ。
 というか、この文章からそれ以外の理解はできませんよね。


 あと「漢字の成り立ちに『東夷族』が関わっていた」って表記が記事内にありますね。
 これ、はっきりとは書いていないのですが、「東夷族は韓国人だ」って言いたいのですよ。
 こうした「東夷族=韓国人」って説、韓国人の中にけっこう浸透しているもので。
 このコラムもその漢字韓国起源説を受けてのものなのですね。

 で、それらをもって「いやしくも国立中央博物館たるものが、漢字を『中国の文字』と書くとは何事だ!」って書いているのです。
 それと「日本の博物館で『Chinese Character』と書いているところなどない」としていますが……どこの日本の博物館なのやら。

 韓国の漢字に対しての知識がここまで劣化しているのです。いや、もう笑えないレベルになってますね。

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