1980年代のこと、時事通信社のソウル特派員だった私は、女子支局員の採用試験をした。みんな大学の日本語学科の卒業予定者だ。当時はまだ、ほとんどの新聞が簡単な漢字を使っていた。それで、簡単な漢字の書き取りも試験の中に入れた。
「女」という字を「くのいち」の順で書ける受験者はまれだった。「水田」の「水」を「フ」から書き始めるぐらいは当たり前、ビックリしたのは「田」の字を「横三本→縦三本」でスラスラと書いた受験者がいたことだ。
それから間もなく、韓国の新聞は「原則として漢字を使わず」になった。きっと、韓国人の漢字力はもっと落ちているだろうと思っていたら、すごい写真付きの記事を見た。韓国・済州(チェジュ)島の地元メディア「済州の音」が報じた「済州道議会の看板表記の間違えに、あぁ恥ずかしや」(2015年11月13日)だ。
済州島の道議会が、道路に面した石柱に付けていた看板を取り換えた。新しい看板は上段にハングル、中段に英語、下段に漢字の表記があるのだが、「議会」が「義会」になっていたのだ。「議」も「義」もハングル表記では同じなのだが、「義会」とは…。
「済州の音」は正直に書いている。「情報提供を受けて13日に道議会の正門に掛けられている表札を確認した結果…」と。
地元紙の記者なら、道議会前をしょっちゅう通るだろう。だが、記者たちも「情報提供」を受けるまで、間違った表記とは気が付かなかったのだ。道議会議員も、道議会の事務局員も。(中略)
大統領だった盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏の没後、名だたる高僧が揮毫(きごう)した「大統領盧武鉉」の文字を、そのまま墓の盤石(フタになる部分)に彫り込んだ。ところが、それは「盧武鉉」の「盧」の字が、部首とそれ以外が微妙に違う「廬」になっていた(=その後どうしたかは不明)。
「ケンチャナヨ」も、漢字の誤りぐらいなら笑い話で済むが、大型プラントの運転にも「ケンチャナヨ」が出てくるから恐ろしい。
(引用ここまで)
以前に韓流スターのなんとやらが高麗神社にきて記帳していったときに、明白に漢字を記号としてブロック化した書きかたをしていましたね。
韓国人にとっては漢字っていうのは完璧に預かり知らない記号なのですよ。
自分の名前であってですら。
なので、こういう事故が起こってもなんの不思議もないのですよね。
そもそもがなんで漢字を使おうって考えるのか。
その時点で間違っているのです。
ハングルでしか暮らしていない人間が漢字を使おうと考えるからこうなるのです。
日本で英語のスペルミスや単語の取り違いが起こるのと同じことです。
ソウル駅でも「ソウルヨク」って朝鮮語をそのままカタカナで書かいた道案内がありましたね。
そこに「確かめない」、「考えない」っていう特性が加わっているから、セウォル号沈没事故のようなものが起きるわけです。
韓国社会はそうやって構築されているので、もう戻りようがないですよね。