ナヌムの家の国際室長を務める矢嶋はこの2年間、同施設で働く6人の韓国人職員とともに、施設の運営団体を告発する運動に関わってきた。彼らは、運営側が現在90代に達した元慰安婦女性らを水準以下の施設に収容し、しかも数百万ドルの寄付を集めながら、韓国最大で最も影響力のある仏教宗派の曹渓宗へと横流ししたと訴えている。
内部告発をした矢嶋を含む同施設の職員らは、「寄付金は入所している女性たちの福利厚生のために集められたのに、ほとんどがその目的に充てられていない」と話す。
「その代わりに運営側は、集めた寄付金をプールしていました。最後の入所者が死亡して無人になったときに、彼らの親団体である曹渓宗が富裕層向けの豪華な老人ホームに改装できるようにするためです。 (中略)
怒った寄付者らはナヌムの家を訴え、寄付金の返還を要求している。2019年に190万ドル(約2億6000万円)だった同施設への寄付金も、今年前半の6ヵ月は3万5300ドル(約480万円)に急減した。 (中略)
矢嶋らは、ナヌムの家の前所長と新任の所長および彼らに近い者から、デマを言いふらしたと訴えられ、名誉毀損を含む複数の訴訟を起こされているのだ。 (中略)
「日本軍慰安婦被害者がいる場所に日本人職員とは何事か」という横断幕が、矢嶋が働くナヌムの家の外壁に掲げられた。人権センターの調査によると、矢嶋は経営者に近い者から、民族差別的な発言を浴びせられたという。 (中略)
ある女性が壊れたベッドから転落したとき、運営側は彼女を病院に連れて行くことも、ベッドを新調することも拒絶したという。女性らの居住区画が改装された際は、雨季に入ったというのに個人の所有物はすべて戸外に積み上げられて雨にさらされた。 (中略)
ナヌムの家側は、入所女性が個人で外出することを認めない一方、資金集めイベントには「動員」していた。さらに施設職員は女性らに精神的な虐待を加えて、「路上に放り出すぞ」と脅した。
(引用ここまで)
大元はニューヨークタイムズの記事で、クーリエジャポンはそれを翻訳したというものだそうで。
ざくっと見比べましたがおそらくまともな翻訳になっています。
Japanese Photographer Blows Whistle on Treatment of ‘Comfort Women’(NewYorkTimes・英語)
生活に困窮することも多い元慰安婦らに対して終の住まいを提供する、としていたナヌムの家についてのコラム。
日本人職員がいて、内部告発を行っていたという話は出ていたのですがそのかたのインタビュー記事という体裁かな。
とにかくナヌムの家は本当にひどい。
本一冊書けるのではないかくらいのひどさ。
まだ韓国では結核感染が十分にありえます。特に高齢者にとっては脅威になっています。
日本はようやく人口10万人あたりの罹患率が9.2になって「低まん延国」認定となりましたが、韓国のそれは49。2010年頃から比べれば半減してはいるものの、現実的な脅威です。
どちらもコロナ禍での減少があったとされています。
そんな状況なのにナヌムの家では入居者に対して結核検査すらしていなかったのですよ。
1年で数億円という巨額の寄付金を手にしてながら、です。
それ以外にも病院にかかるのであれば自費。
月々の小遣いは10万ウォン。それをもらうために「私は寄付金には関与いたしません」という誓約書にサインしなければならず、その10万ウォンすら近年はもらえていなかった。
でもイベントがあれば客寄せパンダとして引っ張り出され、時として「がたがた言ってると放り出すぞ」と脅されていたっていう。
記事中に「内部告発を行った日本人職員は訴訟されている」とありますが。
これもナヌムの家ではよくやること。
「帝国の慰安婦」という本を書いたパク・ユハ教授は取材を通してナヌムの家で過ごしていた元慰安婦と懇意になったそうで。
そのかたから「お世話になった方がいるので遺産をすべてその方にお渡ししたい」と言われて、希望を実現すべく奔走されたのですが。
それがナヌムの家のかんに障ったらしく、2014年に著書内容で名誉を傷つけられたとして名誉毀損で訴えられて、いまだに裁判中です。
なお、当該の元慰安婦の遺産はすべてナヌムの家が「遺書がある」として「合法的に相続」しました。
その遺書にもだいぶいろいろ疑惑がある代物。
まあ……異常なまでのひどさですよ。完全に弱者ビジネスの糧となってますから。
今年、これまでの話を本にまとめたいという話をしたことがありますが、そのメインの項目がナヌムの家の所業と孤児輸出の話になってしまって暗澹たる気分になってしまい、停滞しているほどです。
ユン・ミヒャンと正義連の詐欺事件については裁判が進んでいないために続報が出ていませんが、ナヌムの家については情報が出尽くしたかな、といったところ。
ま、似たり寄ったりでしょう。
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