「現在の中国東北地方を中心に、東アジア東北部に広がっていた国である。 自国の史書を残さなかったため、その歴史には不明な点が多く、20世紀初頭以降、原田叔人をはじめ、本学の研究者らが考古学的調査を実施してきた。 都城の構造や瓦などの物質文化は、平城京や平安京と同様、唐の長安城と類似が指摘されている」。
東京大学総合研究博物館(東京大学博物館)の展示品説明の一部だ。 位置の説明だけを見ると、中国王朝を紹介したようだ。 関連遺跡、遺物をめぐっては日本の首都だった京都、奈良に触れ、日本の古代国家なのかもしれない。 実際には渤海についての説明だ。 3つの文章に過ぎない短い文だが、韓国に対する言及はない。
不愉快極まりないこのキャプションは、「日本による植◎地時代植◎史学」の成立、韓半島統治のための基礎調査を主導した日本最高の同大学が、韓国と絡んだ良くない縁を想起させる。
日本の考古学の先駆であることを自負する東京大学博物館は、展示を通じて世界各地で実施した発掘調査を誇る。 渤海調査は、北東アジア発掘調査のひとつの成果として挙げられる。 注目されるのは渤海史を韓国史と考えていないような態度だ。
瓦、仏像、金属装飾物など展示された7点(先月26日基準)の渤海遺物キャプションにも韓国はない。 遺物の名前、形態、意味を盛り込んだキャプションは「中国黒竜江省、渤海」で始まり、渤海史を知らない人なら中国王朝と連想するのにちょうど良い。 展示会のキャプションは、大体が短いいくつかの文章で構成されるが、該当機関がその遺物に対して持つ最も基本的な認識を盛り込むものだ。 また、観覧客に伝えようとする基礎知識だ。 したがって、このようなキャプションは、東京大学博物館が渤海史が韓国史の一部だという点を認めない、あるいは無視してもいいと考えるのではないかという考えを想起させる。 渤海に対する調査をさらに詳しく説明したホームページ資料も同じだ。 「北東アジア、渤海調査」というタイトルの文書だ。 渤海建国については「俗末葛(粟末靺鞨)や668年に滅亡した高句麗の末裔が関連していると知られている」とか、渤海都城の様相については「高句麗文化との連続性」などを言及している。
しかし、「1990年代末以降、主に中国と韓国の間で高句麗、渤海の歴史認識をめぐって論争が起こっている」とし、渤海史を韓国史と断定しない。 「(博物館が所蔵していた渤海の遺物である)石仏や三彩陶磁器などの正品(精品)を含む一部が中華民国(台湾)政府と中華人民共和国(中国)政府に返還された」という点を当然のことのように紹介したのも目につく。
(引用ここまで。◎は民)
韓国メディアが「日本の東京大学が渤海を中国史であるかのようにして紹介している!」として激昂しています。
……いや、渤海を韓国史の一部として紹介するのはだいぶ無理がなくない?
まあ、韓国メディアがこう言うのには理由がありまして。
主として高句麗を中国史に組み込もうとしている中国の「東北工程」に対抗するために、高句麗の後継国家である渤海についても韓国史であると言い張る必要があるのですね。
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渤海は高句麗が滅ぼされた後に大氏が建てた国で、高句麗と最大版図を比較してみるとこんな感じ。
まず高句麗。
5世紀半ばに広開土王を継いだ長寿王の頃のもの。
(ソース・Wikimedia Commons)
まあ、これなら「高句麗が韓国史の一部」というのもまあ分かる。ただ、主たる領土は中国側にあったんだろうなとは思われます。
んで、渤海。
(ソース・Wikimedia Commons)
だいぶ……というか西と南が削れていますかね。
朝鮮半島はわずかに現在の北朝鮮のさらに北半分まできているかどうか。
平壌すら含まれていないのです。
領土の大半は中国東北部。あといまのロシア。
これ見ても「渤海は韓国の一部!」って解説はされないよ、そりゃ。
何度か遷都されていますが、首都はいずれも中国北東部。
あと日本との関わりも大きくて、日本に朝貢していたのはよく知られている事実です。
まあ、中国(唐)からの圧力を避けるために「後ろには日本がいるんだ」ってやるためと、純粋に朝貢貿易がおいしかったからですけどね。
途中、日本側から「そんなに頻繁に来るな」って言われるくらいには日本に来てたようです。
あと遭難した遣唐使が渤海経由で日本に帰国するなんてことも幾度かありました。
「渤海は韓国史の一部」って言われても「いや、それはどうだろう」ってなるのが正直なところかなぁ。
韓国の主張としては理解できなくもないけど、日本からしてみたらちょっと間抜けな主張として受け取られて当然かな、といったところです。
なお、記事後半(引用外)は「略奪された韓国文化財を東大が『返還』ではなく『寄贈』にこだわった」ってぷんすかしてますが。
まあ、「そういうとこだぞ」としか言えません。
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