SRT(水西高速鉄道)が通過する韓国国内最長のユルヒョントンネル(50.3キロ)の一部の区間で線路が上下左右にゆがむ現象が発生し、1カ月前から深夜の補修工事が行われていることが明らかになった。線路のゆがみは脱線や転覆事故につながるおそれがある。
韓国鉄道施設公団とSRT運営会社SRによると、線路のゆがみが発生した区間は水西(スソ)駅から18キロほど離れた地点の地下、城南(ソンナム)-龍仁(ヨンイン)の間にある。問題の区間は約300メートルほどで、先月初めに欠陥が見つかった。
線路がゆがみば列車の揺れが大きくなり、ひどい場合は事故が発生することもある。このため工事を担当した鉄道施設公団とメンテナンス担当のKORAIL(韓国鉄道公社)、施工者が緊急補修工事をしている。工事はSRTの運行がすべて終わった深夜に一日平均3時間ずつ行われている。
このためSRTは先月6日から該当区間を通過する際、普段は時速170キロだった速度を半分近い時速90キロに落として走行している。
線路のゆがみが発生した原因にはまず不良施工が挙げられる。公団関係者は「該当区間はコンクリート路盤の上にまたコンクリートを注いで道床を造り、その上に線路を敷設する方式で工事が行われた」とし「路盤と道床の造成工事に問題があったようだ」と述べた。
トンネル内のコンクリート打ちは湿度などいくつかの条件を適切に合わせる必要があるが、これが不十分でコンクリート路盤と道床がきちんとつかず、列車運行による振動でその隙間がさらに広がって線路がゆがむという説明だ。 (中略)
しかし不良施工よりもユルヒョントンネルが通過する区間に存在する「新葛(シンガル)断層」などの影響のために線路のゆがみが発生するという見方もある。実際に断層の影響である場合、補修工事は一時しのぎにしかならないということだ。 (中略)
匿名を求めた鉄道業界の関係者も「ユルヒョントンネルの状態が不安定だという話が業界の内外から出ている」とし「全面的な安全診断が必要だという意見が少なくない」と伝えた。
(引用ここまで)
韓国の高速鉄道として知られているKTX以外にも高速鉄道がありまして。
SRTがそれで、韓国鉄道公社であるKORAILの子会社が運用しているというものです。
ソウル駅の発着が多すぎて増便ができないことから、ソウルからちょっと外れた水西駅から発車して途中までは自社所有の線路を走り、混雑がなくなった場所以降は韓国鉄道公社の線路を使用するという方式を用いて最大需要のあるソウルー釜山間を増便するために作られた路線ですね。
運行開始直後から超振動高速列車として名を馳せていました。
ちなみにKTX2をそのまま流用しての運用なので、いくら揺れるにしてもここまで揺れるのはおかしいという話は出ていたのですね。
YouTubeの動画もあるので見てもらったほうが早いか。
当時から「この揺れだと線路に歪みがあったりするのかなー」とも思っていたのですが、案の定でした。
原因はトンネルの施工不良か、あるいは地盤自体に動きがあるのか。
これは前者のほうがまだ救われるパターンだな……。
ちなみにSRTは水西駅からの独自路線は50kmほど。ほぼ全線トンネルを行くのですが(今回の歪んだトンネルというのがそれ)、事故があった際には非常口からエレベーターで消防士が向かったり、乗客が脱出することになっています。
この50kmのトンネル区間中に17ヶ所の非常口があって、そのうちの14ヶ所でエレベーターが故障中だったというニュースもありました。それ以外にもいろいろとひどいので後でこのニュースもピックアップしましょうか。