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カテゴリ:北朝鮮関連の記事一覧

北朝鮮の「汚物風船」が北風に乗ってまた韓国に……韓国側も巨大メガホンでの嫌がらせ作戦の再開を検討へ

北朝鮮の「汚物風船」再び飛来 ソウルなどで約600個発見(聯合ニュース)
北朝鮮が再び汚物などが入った袋をぶら下げた風船を韓国に向け大量に飛ばしている。韓国軍合同参謀本部が2日、発表した。

 軍によると、北朝鮮は1日午後8時から風船を飛ばした。2日午前現在、ソウルや近郊の京畿道地域で約600個の風船が見つかったという。

 北朝鮮は先月28~29日に「汚物風船」約260個を韓国に飛ばしている。

 今回飛来した袋の中身は前回と同様にたばこの吸い殻や紙くずなどという。

 北朝鮮の風船に危険物がぶら下がっている可能性を排除できないだけに、韓国軍は撃墜などの措置は取らず落下した後に回収している。

 軍は落下物に注意するとともに、風船を発見した場合には触らず軍部隊や警察に通報するよう、国民に呼びかけている。
(引用ここまで)


 北朝鮮が汚物を吊らせた風船を韓国に向けて飛ばしています。
 5月末に約260個。今回は約600個が確認されています。
 旧日本軍が戦時中に行った風船爆弾との比較がされていたりしますが、どちらかというとイギリスがドイツに向けてやってたアウトワード作戦を彷彿とさせますね。

 アウトワード作戦は風船ではなく気球で、より近距離(ドイツとその占領地域)に飛ばすためのもので安価。
 目的も爆撃ではなく、森林火災のための焼夷弾を搭載したり、ワイヤーで送電線のショートを狙ったもの。
 戦略・戦術云々よりも、とにかく嫌がらせのために使われたのです。
 現在の価格でひとつ2万円そこそこの風船が約10万個も飛ばされ、ドイツはその対策に追われていたといいます。


 作戦目的も、その手法もアウトワード作戦を参考にしたのではないかと思われます。
 ちなみに中味は紙くずやら家畜のし尿やらだそうで。
 まだ「北朝鮮なにやってんの……」って笑ってみてられますが、これが中味が細菌や病原菌だったらもうどうすることもできないですからね。
 撃ち落とせば中味はぶちまけられるわけで。

 韓国側もなんの対策も立てられないので、こちらも嫌がらせ作戦である対北メガホンの再開を検討しているとのこと。

政府、対北メガホン再開議論する…北の汚物風船散布対応(聯合ニュース・朝鮮語)

 巨大なメガホン(思ってる数倍はでかい)で北朝鮮との軍事境界線に向けて「北朝鮮の実態はこうで、それに比べたら韓国は天国みたいな場所だ」みたいな内容の宣伝を1日中垂れ流すってもの。
 実際に「メガホンでの宣伝内容を聞いた」として北朝鮮から兵士が脱北したなんてこともありました。
 ま、こうやっていがみ合うのが本来の南北関係ってもんです。
 よきかなよきかな。

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北朝鮮の「祖国統一」からの方針転換はキム・ジョンウン個人の威厳を増すためか……統一関連組織は廃止、統一記念塔も爆破

金正恩氏、南北統一放棄にロシアの影 軍事力に自信(日経新聞)
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が韓国との統一政策の放棄を宣言した。南北の統一事業は進展と停滞を繰り返しつつ50年以上続き、北朝鮮は対米交渉に利用してきた。統一放棄の宣言からは、米韓に対抗する軍事力の整備が順調に進んでいるという自信が透ける。

韓国メディアが最近、話題にする北朝鮮の「変化」がある。域内放送の朝鮮中央テレビが映す天気予報の地図だ。以前は朝鮮半島全体が塗りつぶされていたが、最近は北朝鮮側の陸地だけを目立たせた地図に差し替わった。

「『統一』『同族』という概念を除去する」。金正恩氏は15日の最高人民会議(国会に相当)で表明した。南北対話を担う祖国平和統一委員会など3組織を廃止。「同族の南北朝鮮」は過去の遺物だと断じ、北朝鮮の主権が及ぶ領域を明記する憲法改正を提案した。
(引用ここまで)


 キム・ジョンウンが北朝鮮の国是であった「南北統一」から明白に足抜けをする方向性になっている、とは何度か伝えています。
 楽韓Webではこれを「キム王朝の存続のための方針転換」として解説してきました。
 「存続のため」がほとんどではあるのだけども、そこに加えてキム・ジョンウンが個人の威厳を強めるための施策かな……という感じもしてきましたね。

 北朝鮮は国父である金日成による言葉、「祖国統一」を国是としてきたわけです。
 朝鮮戦争もそのための手段でした。
 キム・ジョンウンは建国の祖である国父の言葉を超えて「第二の建国を果たす」っていう部分が大きいのではないかと感じます。

 「偵察衛星」を打ち上げるなどしている「宇宙開発」は実効的なものと考えるよりも、キム・ジョンウンの威厳としての打ち上げであるとすればだいぶしっくりきます。
 そもそも宇宙開発には国威発揚の部分が少なからずありますしね。


 一月末には祖国統一記念塔を爆破したとの話です。

北朝鮮、南北統一象徴の「祖国統一3大憲章記念塔」を撤去…金正恩氏「見苦しく立っている」(読売新聞)

 金大中と金正日による南北首脳会談を記念して建てられた塔だったのですが、あっさりと爆破。
 南北連絡事務所を爆破したように、あるいは金剛山観光用に現代峨山が建てたホテルを撤去したようにですね。

 金剛山のホテルについても「みすぼらしい建物は撤去しなければならない」と述べたとされています。
 統一記念塔の撤去とまったく同じコメントといえます。
 統一に関わるもの、南北関係に関わるものはすべて破壊。
 自国の「北朝鮮」としてのアイデンティティを高める方向性に向かったということでしょう。
 自分の考えをまとめるエントリになった感じですかね。

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アメリカの識者、当局者が「北朝鮮が数ヶ月以内に相当レベルの攻撃を韓国に加える可能性がある」と警告

カテゴリ:北朝鮮関連 コメント:(79)
[社説]米当局者「北朝鮮が数カ月以内に攻撃」…韓国政府はどう備えているのか(ハンギョレ)
 米国の専門家らの「朝鮮半島戦争説」に続き、米政府当局者も北朝鮮が数カ月以内に韓国を狙った攻撃に出る可能性があると警告している。北朝鮮が韓国を「敵対的交戦国」と規定し、新兵器の試験を続けて脅威のレベルを高めている中、これまで「強対強の対抗」を叫んできた韓国政府は情勢を慎重に管理すべき責任がいつにも増して大きくなった。

 米紙ニューヨークタイムズは25日、匿名の米政府関係者らが、北朝鮮が数カ月以内に韓国に致命的な攻撃を加える可能性があるという見方を示したと報じた。国務省東アジア太平洋次官補を務めたアジア・ソサエティーのダニエル・ラッセル副会長も、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が2010年の延坪島(ヨンピョンド)砲撃をはるかに上回るレベルの攻撃を目指しているようだとし、「衝撃的な軍事行動の可能性に備えなければならない」と述べた。先日、米国内最高の北朝鮮専門家とされるミドルベリー国際問題研究所のロバート・カーリン研究員とジークフリード・ヘッカー博士が「金正恩(委員長)が戦争を行う戦略的決定を下した」とし、「朝鮮半島の状況は1950年6月初め以来、いつにも増して危険だ」と警告したことを機に、北朝鮮の脅威を真剣に捉えなければならないというムードが広がっている。

 多くの専門家は、北朝鮮が朝鮮半島で意図的に全面戦争を起こす可能性は低いとしながらも、北朝鮮が今年、危険な局地的挑発に出る可能性は非常に高いとみている。金正恩委員長はここのところロシアとの武器取引を通じてロシアから外交・経済・軍事支援を受けていることから、以前よりはるかに果敢に行動できると判断しているものとみられる。
(引用ここまで)


 んー、北朝鮮専門サイトである38ノースに続いてニューヨークタイムズでも「北朝鮮は数ヶ月以内にでも韓国に向けて攻撃を用意している」との報道。

U.S. Is Watching North Korea for Signs of Lethal Military Action (ニューヨークタイムズ・英語)

 一応、「当局者からは本格的な戦争の準備ではない」との発言もあります。
 それでも狙っているのは「エスカレーションに至らないまでも、韓国に充分な打撃を与えること」となっているので、それなりの規模の攻撃なのでしょう。
 NYTの記事中では「2010年の延坪島砲撃ではエスカレーションがなかったことを考慮している」とありますが、その一方で「延坪島砲撃を超える攻撃を意図しているようだ」とのコメントも。


 アメリカ当局の情報収集能力については、信頼たり得るものだと思うのですよ。
 ロシアによるウクライナ侵攻についても、当局者の話はすべて正解でした。
 あれは「おまえらの行動はすべて筒抜けだから戦争なんてやめたほうがいい」というものだったのでしょうけどね。
 ロシアにおけるものと同じレベルでの情報網を北朝鮮で構築できているとも思えないのですが。

 戦争に至らないまでも、大きな打撃を伴う攻撃の可能性、か。
 2019年のベトナムでの米朝首脳会談決裂をいまだに屈辱であると考えているのであれば、その埋め合わせとして名誉回復のために攻撃はありうるか。
 少なくともアメリカからの視線ではそのように見えていると。

 戦争まではともかく、エスカレーションを伴わない(と北朝鮮、キム・ジョンウンが考えている)規模の攻撃はあり得る……のかなぁ。
 実際にはなんのきっかけでエスカレーションが起きるかなんて分かったもんじゃないのですが。
 そういう意味においては北朝鮮は「韓国とアメリカが抑制的であることを信頼している」ってことでもあるのか。
 ポプラ事件みたいなことにはならないといいですけどね。

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韓国左派紙「北朝鮮が韓国に敵意を向けている。このままでは3月は『危機の春』になる。演習がエスカレーションして戦争になるぞ!」……せやろうか?

カテゴリ:北朝鮮関連 コメント:(44)
3月、朝鮮半島に「危機の春」が来る(ハンギョレ)
 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長は、昨年末に労働党中央委第8期第9回全員会議(12月26~30日)で「有事の際の南朝鮮の全領土の平定に向けた大事変の準備」に言及したのに続き、15日の最高人民会議では「大韓民国を共和国の領域に編入する問題を(憲法に)反映することも重要だ」と述べるなど、韓国に対する敵対的発言の水位を高めている。軍事的緩衝材の役割を果たしてきた9・19南北軍事合意すらも消え去った状況にあって、韓国も「金正恩政権の終末」のような発言で対抗していることで、境界地域での武力衝突の危険性はいっそう高まりつつある。韓米合同演習に、4月には総選挙まで行われる今春、朝鮮半島の危機はいつもの春より高まるとの観測が示されている。

 3月の中旬から下旬にかけて約半月にわたって予定されている上半期の韓米連合演習「フリーダムシールド(自由の盾)」がピークと目される。コンピュータシミュレーション訓練が中心だったこの演習には、昨年から大規模な兵力や装備が動く野外実機動訓練が追加された。米国の原子力空母や戦略爆撃機なども朝鮮半島にやって来るはずだ。

 北朝鮮はこれまでの韓米合同演習を「北侵戦争演習」と激しく非難してきており、対抗演習、ミサイル発射で対応してきた。北朝鮮軍は12月から翌年3月まで冬季訓練を行うが、9・19軍事合意が消えた今年は軍事境界線(休戦ライン)一帯で砲射撃訓練、連隊級戦術訓練などを実施する可能性がある。南北の軍事当局をつなぐ意思疎通チャンネルがすべて途絶えた中では、誤認や誤った判断による武力衝突が起きる可能性がある。

 休戦ライン付近での一部の民間団体による北朝鮮に対するビラ散布も変数だ。冬は偏西風が強いため北朝鮮に向けてビラを飛ばすのは難しいが、3月に風の方向が変わればビラ散布が始まる。北朝鮮軍が休戦ラインを越えて飛んでくる対北朝鮮ビラのくくりつけられた大型風船に向かって対空射撃を実施すれば、銃弾が休戦ラインの南に落ち、交戦が発生する恐れがある。

 氷が溶けた3月末からは、西海(ソヘ)上の北方限界線一帯において北朝鮮海軍による機動訓練、砲射撃訓練が本格化するだろう。西海の延坪島(ヨンピョンド)付近のワタリガニの漁場は5、6月に操業が活発になるが、ワタリガニが南北の漁船を呼び寄せ、漁船は南北の海軍を呼び寄せる。二度の延坪海戦(1999年、2002年)はいずれも6月に起きている。

 今年は北方限界線の近辺での衝突の可能性がいっそう高まっている。金正恩総書記は15日の最高人民会議での施政演説で、「不法無法の『北方限界線』をはじめとするいかなる境界線も許されず、大韓民国が我々の領土、領空、領海を0.001ミリでも侵犯するなら、それはすなわち戦争挑発とみなされるだろう」と述べている。これに対し国防部のチョン・ハギュ報道官は「NLL(北方限界線)は韓国の将兵が数多くの犠牲を払って死守してきた実質的な海上の境界線であり、いかなる場合であってもこのNLLを守り、守護するということは、韓国軍の確固たる立場」だと表明している。
(引用ここまで)


 世界に「きな臭さ」が漂っています。
 ロシア・ウクライナ戦争、イスラエルによるパレスチナ掃討作戦は言うまでもなく。
 台湾有事の時計は明白に進んでいますし、紅海ではフーシ派がタンカーを攻撃しています。
 おまけにパキスタンとイランの間で領空侵犯があったとされて、一触即発の雰囲気。
 当然、インドはイランについている。中国は仲介を失敗している。
 誰かがパンドラの箱を開けてしまったのかってくらいの騒ぎ。

 同様に北朝鮮関連もじわりと火がつきつつあります。


 左派紙であるハンギョレは「9・18軍事合意がなくなってしまった」としていますが。
 元からそんなもん、遵守するつもりが北朝鮮にはないですよね。
 ホットラインも現在のユン・ソンニョル政権になってから途絶したわけではなく、2020年に1年間ほど途絶しています。
 それ以外にもムン・ジェイン政権期に南北連絡事務所の爆破や、金剛山のホテルなんかを撤去するに至っています。
 「韓国の香りがするもの」を徹底的に排除しているのです。

 それくらいハノイでの米朝会談の失敗がキム・ジョンウンのカリスマ的にはきつかったのだろうな、と感じられますね。
 北朝鮮のトップは失敗が許されない立場であるにも関わらず、なにも持ち帰ることができなかったわけで。
 当時のムン・ジェイン大統領へのあたりの強さといったらなかったからなぁ。

 ただ、その延長線上で戦争が起きるかというと、それはちょっと想像しにくい部分ではあります。
 通常戦力で北朝鮮が韓国に対抗できる部分は少ない。
 軍事境界線の向こうからロケット、ミサイルでの飽和攻撃で「ソウルを火の海に」することはできるかもしれませんが。
 それをやったところで……という部分は少なからずある。

 まあ、それでも「相互に演習を誤解」したり、そこからのエスカレーションが止まらずに戦闘に入ってしまう、なんて事態がありがちなのも確かではあります。
 少なくともホットラインだけは確立しておいてほしいのですが。
 ユン政権のうちは無理ですかね。

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北朝鮮分析サイトの38ノース、「北朝鮮は戦争への準備に踏み切った」とする記事を掲載……「武力使用についての言及はブラフではない」

カテゴリ:北朝鮮関連 コメント:(58)
米専門家「金正恩委員長、戦争決めたようだ…朝鮮戦争直前以来最も危険」(ハンギョレ)
 北朝鮮が南北関係に対して荒々しい言葉を次々と並べている中、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が戦争を決心したものとみられると、米国の専門家が主張した。

 北朝鮮問題の権威であるミドルベリー国際問題研究所のロバート・カーリン研究員とジークフリード・ヘッカー博士は11日、北朝鮮専門メディア「38ノース」への共同寄稿で、「朝鮮半島の状況は1950年6月初め以来、最も危険だ」とし、現在は朝鮮戦争直前の状況に近いと述べた。

 カーリン研究員とヘッカー博士は「あまりにも衝撃的に聞こえるかもしれない」としつつも、「私たちは、彼の祖父が1950年にそうしたように、金正恩が戦争をするという戦略的決断を下したとみている」と明らかにした。さらに「金正恩がいつ、どのように引き金を引くかは分からない」としながらも、戦争の危険性は、米国と韓国などが日常的に行ってきた警告をはるかに越えるレベルだと診断した。

 彼らは、北朝鮮政権がこの30年間追求してきた米国との関係正常化に対する期待を捨て、昨年初めから武力使用について直接言及し始めたことを、このような判断の根拠としてあげた。

 北朝鮮は金日成(キム・イルソン)主席以来、3代にわたり最高指導者が中国とロシアに対する緩衝手段として米国との関係正常化を進め、1994年にジュネーブ合意を成功させ、合意破棄後もその目標を捨てていなかったが、2018年と2019年に当時のドナルド・トランプ大統領と金委員長の首脳会談が物別れに終わった後、これまでの路線を捨てたということだ。また、金委員長は、祖父と父親が果たせなかった目標を、威信をかけて推進し、史上初の朝米首脳会談にまで漕ぎつけたが、米国に大きく無視されたと指摘した。

 彼らは、朝米関係正常化に向けた努力が失敗に終わった責任が誰にあるのかではなく、「北朝鮮がそのような目標を完全に放棄したことで、朝鮮半島をめぐる戦略的状況がどれほど大きく変わったのか」が極めて重要だと述べた。 (中略)

 2人の専門家はこのような状況の中で、北朝鮮の高官たちが2023年初めから戦争準備について発言するようになったと指摘した。金委員長が昨年8月に「祖国統一を成し遂げるための革命戦争準備」を語り、先月には南北関係を「敵対的な二国間関係」と表現したのがその例だ。彼らは、北朝鮮メディアに登場する「戦争準備」というテーマは、従来の虚勢とは思えないと述べた。

 彼らは、北朝鮮政権が戦争を開始すれば、韓国と米国が自分たちを完全に破壊できるのに、果たして危険を冒すだろうかという反論もあり得るとした。だが、北朝鮮政権は他の選択肢がもう使えないと判断しているとみられるとし、「歴史は、他に良い選択肢がないと確信した人々が、最も危険なゲームを試みても良いかもしれないという考えを抱く場合もあることを示している」と述べた。
(引用ここまで)


 38northに「キム・ジョンウンは戦争の準備を行っているのか」との記事が掲載されています。
 挑発の度合いが上がっている、との判断のようですね。

Is Kim Jong Un Preparing for War?(38north・英語)

 曰く──
 「朝鮮半島は1950年6月以降、最大の危機に見舞われている。キム・ジョンウンが戦争をはじめることを決断したと我々は考えている」
 「戦争を起こせば北朝鮮の体制が破壊されるので、彼らは自重するだろうとの反論が出るだろうが、それはキム氏の考えを誤読しているものであり、大惨事に招きかねない」  「アメリカと韓国の抑止力が働くと考えている人も多いだろう。しかし、平壌が『他の選択肢が残っていない』と判断すれば、たとえもっとも危険なゲームであってもろうそくを灯す価値がある(割に合う)と考えることだろう」

 ──との話。
 まあ、分からないでもない。
 戦争以外の選択肢が取れなくなったのなら、破れかぶれでも戦争に入る可能性がある。

 国連による北朝鮮制裁が追い詰めすぎていないのは、そのあたりを考慮しているからですね。
 第一次大戦でドイツを追い詰めすぎた結果、あの画家のちょびひげが台頭してしまったことの反省が活かされている。  同様に「客観的に見た合理的な判断」では戦争に入ることは無意味であっても、追い詰められた人々は戦争に入るとの選択肢を取る場合がある。


 新しいところではロシアもそうですね。
 「常識的に考えればウクライナ侵攻はない」のですが、国境付近での演習から実際の侵攻にまで至っている。
 これはロシア……というか、プーチンの立場からしたら「これがもっとも合理的な判断」であった可能性もあるわけです。
 客観的な判断と、主観的な判断は異なっているのです。

 中国についても同様で「侵攻がもっとも合理的な手段」とか「投入資本よりも得られる資本が大きい」と判断すれば台湾に侵攻するだろうと。
 それを封じるのが抑止力、拒否戦略というわけですね。
 「行けると思わせない」戦略。

 これが現在の対北朝鮮には欠けているのではないか、といった論調となっています。
 かつ、ハノイでの米朝会談が失敗した以降のアメリカの衰退を見積もっているのではないか、とも。

 ……個人的には北朝鮮は王朝存続のためだけに汲々とする方向性に転じたと感じているので、この見解が正しいとも思えないのですが。
 まあ、とりあえずご紹介までに。

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北朝鮮、完全に「韓国は別国家」との大転換で「国父・金日成」の言葉すら否定してしまう……黄海での大規模砲撃演習はその一環か

西海実弾砲撃で挑発した北朝鮮「民族の概念、我々の認識から消した」(中央日報)
北朝鮮が5日、西海(ソヘ、黄海)上で実弾射撃訓練をしたことに関連し、「大規模な砲射撃と機動訓練を実施した大韓民国の軍事行動への当然の対応」とし「民族、同族という概念はすでに我々の認識から削除された」という立場を明らかにした。

朝鮮中央通信によると、北朝鮮人民軍総参謀部はこの日、「西海の海上緩衝区域という白翎島(ペクリョンド)と延坪島(ヨンピョンド)北側水域で海岸砲射撃をしたという大韓民国軍部の主張は世論を誤導する完全に無理のある主張」とし「退避と対応射撃をしたのも、わが軍隊の訓練に情勢激化の責任を負わせようという常套手法」と主張した。続いて「海上実弾射撃方向は白翎島と延坪島に間接的な影響も与えない」とした。

また「新年早々から全国境線付近で大規模な砲射撃および機動訓練をした大韓民国軍部の軍事行動に対するわが軍隊の当然の対応行動措置」とし「敵がいわゆる対応という口実の下で挑発する行動を敢行する場合、わが軍隊は前例のない水準の強力な対応を見せる」と強調した。
(引用ここまで)


 北朝鮮が韓国に対して「南朝鮮」ではなく「大韓民国」と呼びはじめたのが去年の7月頃でした。
 このあたりから対韓国の外交政策について大転換があったのではないかとされていましたね。

「大韓民国」異例の呼称 統一政策を転換?―北朝鮮(時事通信)

 去年末には「統一は成し遂げられず」と声明して、対韓国の政策転換が決定づけられました。
 それに付随して北朝鮮のサイトからは南北統一についてのコーナーが消去されました。
 さらに韓国について外務省が管轄になる組織改編が行われたとされています。

偵察衛星、24年に3基打ち上げ 韓国と統一「成し遂げられず」―北朝鮮(時事通信)
北朝鮮「統一」サイト削除 対韓HP、政策転換一環か(産経新聞)
焦点:北朝鮮の対韓政策に変化、「敵対国」として外務省管轄へ組織改編(ロイター)

 かつ、その上で海岸砲を200発打つという挑発行為を行ったと。


 追撃するように海岸砲発射についての論評で「民族、同族の概念は我々の認識から削除された」と宣言。

 これ、北朝鮮の国家的アイデンティティのレベルで変化があったと見るべきです。
 北朝鮮の憲法序文にこんな一節があります。
 偉大なる指導者金日成同志は、民族の太陽であり祖国統一の救星である。金日成同志は、国の統一を民族至上の課業に掲げ、その実現のためあらゆる労苦と心血を注がれた。金日成同志は、共和国を祖国統一の最も強固な墨塁にする一方、祖国統一の根本原則と方法を提示し、祖国統一運動を全民族的な運動に発展させ全民族の団結した力で祖国統一の偉業を成就するための途を開いた。
(引用ここまで)

 「朝鮮民主主義人民共和国」の国父である金日成は「統一の偉業を成就するための途を開いた」のですね。
 つまり、「統一は北朝鮮の最優先課題である」との宣言なのです。
 金日成の言葉は絶対である北朝鮮において、その言葉の否定はあり得ざる罪……なのですが。

 実際にキム・ジョンウンはその方向に動いている。現実を受け入れた、といえば簡単な話ではありますが。
 場合によっては糾弾されかねない行動ですらあるのです。

 国家として韓国を扱う、というのは北朝鮮にとってそれくらい大きな政策転換なのです。
 ……それでなにか起きるのかといったら「現実の追認なのでなにも起きない」とすべきでしょうけども。
 でもまあ、「同じ民族だから北朝鮮の核は韓国に向かわない」とする認識はもはや通用しないと思ったほうがいいでしょうね。

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「世界最悪の労組」とされる韓国の民主労総幹部、北朝鮮工作員と東南アジアで接触して地下組織結成のための工作資金を受け取っていた……ユン政権成立後に諜報機関が復活したために立件へ

民主労総幹部、カンボジアやベトナムで北の工作員から工作資金受領か(朝鮮日報)
 民主労総の局長級幹部A氏をはじめとする4人は、いずれも国家保安法違反の疑いが持たれています。

 捜索令状にはA氏が2017年にカンボジア、19年にベトナムで北朝鮮文化交流局の工作員に会い、工作資金を受け取ったこと、地下組織結成などに関する指令を受けたことが記載されていたもようです。国家情報院はA氏が韓国に戻り、保健医療労組、光州市の起亜自動車に所属する労組員を抱き込んで下部組織をつくり、反政府活動に始めたと判断しています。 (中略)

 当局は民主労総による反政府活動の一部が北朝鮮の指令に従ったものとみています。
(引用ここまで)


 2017年、2019年とベトナム、カンボジアで北朝鮮工作員と民主労総の幹部が面会していた、というニュース。
 この件について民主労総は国家情報院(旧CIA)による家宅捜索を受け、大騒ぎになっています。



 北朝鮮工作員との接触は昨今はよく東南アジアが使われています。
 国交があり、北朝鮮の在外公館が存在していることから工作員の送り出しがしやすいのでしょうね。
 韓国からも観光パスポートで渡れて、比較的安価に行けるという部分も大きいと思われます。

 今回の事件以外にも正義連の元理事長であったユン・ミヒャンの議員補佐官がベトナムで工作員と接触していたとのニュースがありました。
 常套手段というわけです。


 さて、この接触が行われたのは2017年、2019年だったのですが。
 ここまで明らかになっていなかった。
 なぜかというと、前政権であるムン・ジェイン政権下では国情院の対北朝鮮捜査権限に圧力が加えられていたから。

民主労総幹部と北工作員の接触、文政権時代の国家情報院が捜査を握りつぶしていた(朝鮮日報)

 ムン・ジェイン政権では北朝鮮へ5億ドルを送金した主犯とされているパク・チウォンを国情院長官として送り込み、対北朝鮮スパイへの捜査権限を弱体化させようと圧力を加えていました。
 就任からの4年間で北朝鮮のスパイ、工作活動に対して摘発がゼロだったことが報じられていましたね。
 その一方で国情院側も「ムン政権の5年は耐えよう」と認識していたのでしょう。

 ムン・ジェイン政権が終わったと同時に活動を再開させた、といったところです。
 そうして、ユン・ミヒャンの議員補佐官の件や、今回の民主労総の件が立件されようとしている、と。
 時として「韓国の政権交代は易姓革命だ」として揶揄されますが。
 易姓革命なら少なくとも王朝が滅びるまでは持つのですが、韓国では5年ごとになにもかもが変わってしまうわけで。

 こんな国を相手に約束をするという空しさよ。

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今年にも「第2の延坪島砲撃、天安艦撃沈」が起きるかもしれないと予測……北朝鮮の挑発は保守政権時代に増していた

カテゴリ:北朝鮮関連 コメント:(37)
日本の専門家の警告「今年は第2の天安・延坪島砲撃の可能性」(中央日報)
北朝鮮が韓国を「明白な敵」と規定して核武力強化の正当性と必要性を浮き彫りにした中、今年は韓国哨戒艦「天安」襲撃事件や延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件のような北朝鮮の武力挑発を警戒する必要があるという専門家の分析があった。

4日(現地時間)のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、朝鮮半島専門家の牧野愛博広島大客員教授兼朝日新聞外交専門記者はインタビューで、北朝鮮が放射砲(ロケット砲)を利用して挑発の程度を高めているとし、「今年は北朝鮮も韓国に敏感に対応するとみられ、天安爆沈事件や延坪島砲撃事件のように韓国に対する北朝鮮の武力挑発を警戒しなければいけない年になりそうだ」と述べた。

続いて「北朝鮮は2019年から600ミリ放射砲の試験を始め、いろいろと試してきた。(放射砲に)誘導装置を付けて正確性の向上、エンジン燃焼力の向上などを確認しただけに、今回、実戦配備したと考える」とし「北朝鮮が韓国を攻撃できる放射砲の性能を高めたのは、昨年5月に発足した韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の対北朝鮮政策が北朝鮮に大きな打撃になったことを表してる」と評価した。

牧野氏は「北朝鮮は2023年にも軍事的な挑発を続けるようだ」とし「2月8日の朝鮮人民軍創建75周年を迎えて閲兵式(軍事パレード)を進めるとみられる。その時、韓国を攻撃できるミサイルや無人機、すなわちドローンなどさまざまな武器を公開すると考える」と述べた。

7月27日の朝鮮戦争戦勝節70周年、9月9日の建国75周年にも閲兵式をし、4月15日の金日成(キム・イルソン)誕生記念日には衛星運搬ミサイル発射も試すという予想もした。北朝鮮が今年、新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射に成功するかどうかもカギになると指摘した。 (中略)

北朝鮮の核武力増強と挑発を阻止するための韓日米の対応案については「韓国政府が1月中に徴○権問題解決策を発表し、日本政府がこれを受け入れる見通しというが、その後、日韓協力に時間を浪費せず規制も撤廃しながら日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が正常化すると聞いている」とし「今年春ごろ日米韓の交渉環境が形成されるとみている。その後、北朝鮮抑止力の強化に関する協力が進むだろう」と述べた。
(引用ここまで・伏せ字引用者)


 朝日新聞の牧野愛博氏がラジオフリーアジアのインタビューで今年にも北朝鮮からさらなる挑発行為があり、第2の延坪島砲撃、第2の天安艦撃沈事件のような武力挑発が起きるだろうと予想。
 ふむ。

 延坪島砲撃、天安艦撃沈のどちらも2010年の金正日からキム・ジョンウンへの権力移行時期に起きています。
 かつ、北朝鮮の挑発行為はムン・ジェイン、ノ・ムヒョンといった左派政権時よりも保守政権時期に多く起きるのはよく知られた事実。
 上記の2件もイ・ミョンバク政権時代に起きたものですね。
 2015年(パク・クネ政権時代)には北朝鮮による地雷敷設で韓国軍兵士が重傷を負っています。

 北朝鮮にとっては韓国の左派政権は「利用しやすい」のです。

 金大中は数億ドル単位で北朝鮮に献金を行っていました。
 ノ・ムヒョンは金大中の太陽政策を継承し、「核開発には一理ある」と北朝鮮に対して理解を示していました。
 ムン・ジェインは北朝鮮の狗であったのは語る必要がないほど。


 韓国政府は度重なるミサイル発射や無人機侵入に対して「もはや南北軍事合意は無効だ」として、対北朝鮮の宣伝政策再開を検討しています。

韓国政府、北が最も嫌うカード取り出す…金与正は「汚物」と表現(中央日報)

 具体的にはビラの散布と拡声器による宣伝。
 どちらもムン・ジェイン政権時代に、北朝鮮のキム・ヨジョンから「法律でもなんでも作って取り締まれ!」と命令されて、実際に法律を作ってしまったために「違法」とされています。

 記事では「今回の『韓国政府が対北朝鮮の宣伝行為再開を検討』だけでも効果はあるはず」と専門家は述べていますが……。
 「検討」が抑止力につながるかどうかは微妙なところかな。

 ただ、北朝鮮は韓国の文物が入ることに対して、神経を尖らせているのは間違いないところで。
 韓国ドラマを広めたとして高校生3人が処刑された、とのニュースもありました。

  「北朝鮮、韓国ドラマを見て摘発…10代生徒たちも公開処刑」(中央日報)

 北朝鮮では極刑に処されるべき「革命を揺るがす」行為であると認定されているわけです。
 ま、どちらにせよ北朝鮮の挑発行為は変わることはないでしょう。
 ムン・ジェイン政権によって爪も牙も失わされた韓国政府はどこまで対応できるのか、見ものとはいえますかね。

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