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カテゴリ:北朝鮮関連の記事一覧

「世界最悪の労組」とされる韓国の民主労総幹部、北朝鮮工作員と東南アジアで接触して地下組織結成のための工作資金を受け取っていた……ユン政権成立後に諜報機関が復活したために立件へ

民主労総幹部、カンボジアやベトナムで北の工作員から工作資金受領か(朝鮮日報)
 民主労総の局長級幹部A氏をはじめとする4人は、いずれも国家保安法違反の疑いが持たれています。

 捜索令状にはA氏が2017年にカンボジア、19年にベトナムで北朝鮮文化交流局の工作員に会い、工作資金を受け取ったこと、地下組織結成などに関する指令を受けたことが記載されていたもようです。国家情報院はA氏が韓国に戻り、保健医療労組、光州市の起亜自動車に所属する労組員を抱き込んで下部組織をつくり、反政府活動に始めたと判断しています。 (中略)

 当局は民主労総による反政府活動の一部が北朝鮮の指令に従ったものとみています。
(引用ここまで)


 2017年、2019年とベトナム、カンボジアで北朝鮮工作員と民主労総の幹部が面会していた、というニュース。
 この件について民主労総は国家情報院(旧CIA)による家宅捜索を受け、大騒ぎになっています。



 北朝鮮工作員との接触は昨今はよく東南アジアが使われています。
 国交があり、北朝鮮の在外公館が存在していることから工作員の送り出しがしやすいのでしょうね。
 韓国からも観光パスポートで渡れて、比較的安価に行けるという部分も大きいと思われます。

 今回の事件以外にも正義連の元理事長であったユン・ミヒャンの議員補佐官がベトナムで工作員と接触していたとのニュースがありました。
 常套手段というわけです。


 さて、この接触が行われたのは2017年、2019年だったのですが。
 ここまで明らかになっていなかった。
 なぜかというと、前政権であるムン・ジェイン政権下では国情院の対北朝鮮捜査権限に圧力が加えられていたから。

民主労総幹部と北工作員の接触、文政権時代の国家情報院が捜査を握りつぶしていた(朝鮮日報)

 ムン・ジェイン政権では北朝鮮へ5億ドルを送金した主犯とされているパク・チウォンを国情院長官として送り込み、対北朝鮮スパイへの捜査権限を弱体化させようと圧力を加えていました。
 就任からの4年間で北朝鮮のスパイ、工作活動に対して摘発がゼロだったことが報じられていましたね。
 その一方で国情院側も「ムン政権の5年は耐えよう」と認識していたのでしょう。

 ムン・ジェイン政権が終わったと同時に活動を再開させた、といったところです。
 そうして、ユン・ミヒャンの議員補佐官の件や、今回の民主労総の件が立件されようとしている、と。
 時として「韓国の政権交代は易姓革命だ」として揶揄されますが。
 易姓革命なら少なくとも王朝が滅びるまでは持つのですが、韓国では5年ごとになにもかもが変わってしまうわけで。

 こんな国を相手に約束をするという空しさよ。

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今年にも「第2の延坪島砲撃、天安艦撃沈」が起きるかもしれないと予測……北朝鮮の挑発は保守政権時代に増していた

カテゴリ:北朝鮮関連 コメント:(37)
日本の専門家の警告「今年は第2の天安・延坪島砲撃の可能性」(中央日報)
北朝鮮が韓国を「明白な敵」と規定して核武力強化の正当性と必要性を浮き彫りにした中、今年は韓国哨戒艦「天安」襲撃事件や延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件のような北朝鮮の武力挑発を警戒する必要があるという専門家の分析があった。

4日(現地時間)のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、朝鮮半島専門家の牧野愛博広島大客員教授兼朝日新聞外交専門記者はインタビューで、北朝鮮が放射砲(ロケット砲)を利用して挑発の程度を高めているとし、「今年は北朝鮮も韓国に敏感に対応するとみられ、天安爆沈事件や延坪島砲撃事件のように韓国に対する北朝鮮の武力挑発を警戒しなければいけない年になりそうだ」と述べた。

続いて「北朝鮮は2019年から600ミリ放射砲の試験を始め、いろいろと試してきた。(放射砲に)誘導装置を付けて正確性の向上、エンジン燃焼力の向上などを確認しただけに、今回、実戦配備したと考える」とし「北朝鮮が韓国を攻撃できる放射砲の性能を高めたのは、昨年5月に発足した韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の対北朝鮮政策が北朝鮮に大きな打撃になったことを表してる」と評価した。

牧野氏は「北朝鮮は2023年にも軍事的な挑発を続けるようだ」とし「2月8日の朝鮮人民軍創建75周年を迎えて閲兵式(軍事パレード)を進めるとみられる。その時、韓国を攻撃できるミサイルや無人機、すなわちドローンなどさまざまな武器を公開すると考える」と述べた。

7月27日の朝鮮戦争戦勝節70周年、9月9日の建国75周年にも閲兵式をし、4月15日の金日成(キム・イルソン)誕生記念日には衛星運搬ミサイル発射も試すという予想もした。北朝鮮が今年、新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射に成功するかどうかもカギになると指摘した。 (中略)

北朝鮮の核武力増強と挑発を阻止するための韓日米の対応案については「韓国政府が1月中に徴○権問題解決策を発表し、日本政府がこれを受け入れる見通しというが、その後、日韓協力に時間を浪費せず規制も撤廃しながら日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が正常化すると聞いている」とし「今年春ごろ日米韓の交渉環境が形成されるとみている。その後、北朝鮮抑止力の強化に関する協力が進むだろう」と述べた。
(引用ここまで・伏せ字引用者)


 朝日新聞の牧野愛博氏がラジオフリーアジアのインタビューで今年にも北朝鮮からさらなる挑発行為があり、第2の延坪島砲撃、第2の天安艦撃沈事件のような武力挑発が起きるだろうと予想。
 ふむ。

 延坪島砲撃、天安艦撃沈のどちらも2010年の金正日からキム・ジョンウンへの権力移行時期に起きています。
 かつ、北朝鮮の挑発行為はムン・ジェイン、ノ・ムヒョンといった左派政権時よりも保守政権時期に多く起きるのはよく知られた事実。
 上記の2件もイ・ミョンバク政権時代に起きたものですね。
 2015年(パク・クネ政権時代)には北朝鮮による地雷敷設で韓国軍兵士が重傷を負っています。

 北朝鮮にとっては韓国の左派政権は「利用しやすい」のです。

 金大中は数億ドル単位で北朝鮮に献金を行っていました。
 ノ・ムヒョンは金大中の太陽政策を継承し、「核開発には一理ある」と北朝鮮に対して理解を示していました。
 ムン・ジェインは北朝鮮の狗であったのは語る必要がないほど。


 韓国政府は度重なるミサイル発射や無人機侵入に対して「もはや南北軍事合意は無効だ」として、対北朝鮮の宣伝政策再開を検討しています。

韓国政府、北が最も嫌うカード取り出す…金与正は「汚物」と表現(中央日報)

 具体的にはビラの散布と拡声器による宣伝。
 どちらもムン・ジェイン政権時代に、北朝鮮のキム・ヨジョンから「法律でもなんでも作って取り締まれ!」と命令されて、実際に法律を作ってしまったために「違法」とされています。

 記事では「今回の『韓国政府が対北朝鮮の宣伝行為再開を検討』だけでも効果はあるはず」と専門家は述べていますが……。
 「検討」が抑止力につながるかどうかは微妙なところかな。

 ただ、北朝鮮は韓国の文物が入ることに対して、神経を尖らせているのは間違いないところで。
 韓国ドラマを広めたとして高校生3人が処刑された、とのニュースもありました。

  「北朝鮮、韓国ドラマを見て摘発…10代生徒たちも公開処刑」(中央日報)

 北朝鮮では極刑に処されるべき「革命を揺るがす」行為であると認定されているわけです。
 ま、どちらにせよ北朝鮮の挑発行為は変わることはないでしょう。
 ムン・ジェイン政権によって爪も牙も失わされた韓国政府はどこまで対応できるのか、見ものとはいえますかね。

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北朝鮮のミサイル乱発に対して米韓は空軍合同訓練を延長へ……北朝鮮はさらにエスカレーションを望み、行き着く先は「7回目の核実験」?

韓米空軍 大規模訓練の期間延長=北朝鮮の相次ぐ挑発で(聯合ニュース)
北朝鮮が韓米合同訓練の延長を非難 「取り返しのつかない過ち」(聯合ニュース)
韓国と米国の空軍は3日、10月31日から実施している大規模な合同空中訓練「ビジラント・ストーム」の期間を延長することを決めた。訓練は当初4日まで実施する予定だった。延長期間など詳細は両国が協議している。 (中略)

 訓練には韓国空軍の最新鋭ステルス戦闘機F35AやF15K、KF16、空中給油機KC330など約140機と、米軍のF35Bや電子戦機EA18、高高度偵察機U2、空中給油機KC135など約100機の計約240機が参加。米海兵隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Bは初めて韓国に展開され、訓練に参加した。オーストラリア空軍は空中給油機KC30Aを1機派遣して韓米の合同訓練に初参加した。
(引用ここまで)

 北朝鮮の朴正天(パク・ジョンチョン)党書記(軍事担当)は3日、韓米が先月31日から実施している大規模な空軍合同訓練「ビジラント・ストーム」の期間延長を決めたことについて、「取り返しのつかない重大な過ちを犯したことを思い知るだろう」と威嚇する談話を発表した。 (中略)

 北朝鮮の軍事部門を統括する朴氏は2日午前0時すぎに発表した談話でもビジラント・ストームを非難。「最も恐ろしい代償を払うことになる」と威嚇していた。
(引用ここまで)


 ここ何日か、北朝鮮は激しくミサイル発射や砲撃を繰り返しています。
 ミサイル発射だけを見てもこんな感じ。

・10月28日 SRBMx2
・11月02日 SRBMx23
・11月03日 ICBM×1(失敗)、SRBM×5

 2日の発射は23発以上、おそらくすべて短距離弾道ミサイル。
 3日の失敗したICBMは火星17ではないかとされています。

 おそらくこのすべてが米韓空軍の合同訓練「ビジラントストーム」とその延長に対しての抗議行動。
 その背景にはもうひとつの目的がありまして。

 「米韓側が挑発をやめないので、我々は核実験を行ったのだ」という口実を得たいがためです。


 すでに豊渓里(プンゲリ)の核実験施設では7回目の核実験準備が整っているとされています。
 「6月の時点で準備が完了していた」とのレポートがあったと報道されていました。

北朝鮮の核実験準備が「最終段階」 安保理パネル(日経新聞)

 3月あたりから豊渓里で建設作業が行われていると38Northは警告を出していましたね。
 ただ、アメリカの反応を恐れていて実行できていないという状況。

 アメリカもウクライナ戦争への協力体制を敷いているために対応が難しいところではありますが。
 ビジラントストームにはF-35Bを参加させるなどかなり「対北朝鮮」を念頭に置いて本格的な訓練が行われている模様ですね。
 ひとつの節目はアメリカの中間選挙前に行うかどうかでしょう。

 そして北朝鮮がそうしたとして、国連はなんらかのアクションを起こせるのかどうか。
 まあ、無理なんですけども。

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北朝鮮による南北軍事合意破棄同然の行為に韓国の左派メディアが断末魔、「ご、合意を守ってください……」との社説まで

カテゴリ:北朝鮮関連 コメント:(63)
北朝鮮、昼夜問わず数百発の海上砲撃…岐路に立たされた南北軍事合意(ハンギョレ)
 9・19南北軍事合意が岐路に立たされている。武力示威を繰り返している北朝鮮が発射した砲弾が14日未明と午後、9・19南北軍事合意で射撃と訓練を禁止した東海と西海の緩衝区域に落ちたためだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は「(9・19南北軍事合意)違反であることは事実だ。詳しく検討している」と述べた。

 北朝鮮は13日夜から14日未明にかけて4時間37分間にわたり、空軍機の威嚇飛行→西海上に放射砲射撃→東海上に短距離ミサイル1発発射→東海上に放射砲射撃の順で、立て続けに武力示威を繰り広げた。北朝鮮の軍用機約10機は、朝鮮半島の東西内陸と西海の北方限界線(NLL)に設定された飛行禁止区域を基準に、5キロメートル(西部内陸)、7キロメートル(東部内陸)、12キロメートル(西海NLL)の手前まで接近した。短距離弾道ミサイルは平壌順安(ピョンヤン・スナン)一帯から発射され、約50キロメートルの高度で東海上を700キロメートル飛行した。北朝鮮は14日午後5時ごろにも東海と西海方面に砲撃を行った。

 特に北朝鮮が同日未明と午後に発射した砲弾は、東海と西海の海上緩衝区域内に落ちた。 南北は9・19南北軍事合意の際、東海と西海の北方限界線の南北(束草~通川、徳積島~草島)を武力衝突防止のための海上緩衝区域に設定し、砲射撃および海上機動訓練を中止することにした。合同参謀本部(合参)は、「同日午前1時20分から黄海道馬場洞(マジャンドン)一帯から西海上に約130発、午前2時57分から江原道旧邑里(クウプリ)一帯から東海上に約40発の砲兵射撃があった」と発表した。
(引用ここまで)


 北朝鮮がばんばん南北軍事合意に反する行為をやってまして。
 大意で「緩衝区域では軍事的行動をしない」って合意なのですが、もう山ほど砲弾ぶちこんできてるっていう。

 んで、左派紙であり、親北の立場を取っているハンギョレが断末魔の叫びを上げてますね。
 これが保守政権であるユン政権から違反した、というのであれば意気軒昂に「ユン政権は合意を守れ!」とか言い出すのでしょうけどね。

 ハンギョレは社説まで出して「北朝鮮は合意守ってくだちぃ」と言い出す始末。

[社説]9・19合意を無視した北朝鮮の挑発、安全弁の破壊を望むのか(ハンギョレ)

 ムン・ジェイン政権時代はハンギョレも含めて、左派のほとんどはこの世の春を味わっていたのですけどね。


 まあ、そもそも論からしてしまえば、北朝鮮はこんなもの守るつもりもなかったのですから。
 合意もくそもない。
 ただ、日本としてはちょっと面白いですけどね。

 慰安婦合意について合意を実質的に破棄した韓国が、この合意をどう扱うのか。
 できたらムン・ジェイン政権時代にやってほしかったのだけどなぁ。
 まあ、日米韓の合同軍事訓練に反発したという部分も大きいのでそうはならなかったとも思いますけども。

 ユン政権は5年ぶりに独自制裁を発動することを発表しました。

韓国、5年ぶり対北朝鮮「独自制裁」…「資金源遮断」作戦本格化(中央日報)

 北朝鮮に甘い時代は終わった、ということを象徴するような話です。
 噂に出ている7回目の核実験があったら左派メディアとかどうするんでしょうね。
 ムン政権時代には「あと一歩で統一の道が見えてくる」みたいに言っていたものですが。

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北朝鮮、ユン大統領に対して尊称もつけずに「ユンという人間自体が嫌いだ」「こっち見んな」と大反撃。巡航ミサイルも2発おまけにつけた模様

金与正氏「尹錫悦という人間そのものが嫌い」…「大胆な構想」提案を拒否(中央日報)
韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の非核化ロードマップをまとめた「大胆な構想」に対して、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹である金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長が「愚かさの極地」と非難して拒否意思を明らかにした。

金与正氏は尹大統領を実名で非難し、韓米が事前演習を進めている後半期の合同軍事演習「乙支(ウルチ)自由の盾(UFS・乙支フリーダムシールド)」に対する拒否感も表わした。尹錫悦政府の対朝政策に対する批判的認識を表わすと同時に韓米合同軍事演習に対して強く反発する姿だ。

北朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は19日、「空しい夢を見るな」と題する金与正氏名義の談話を1面に掲載した。この中で尹大統領の「大胆な構想」に対して「尹錫悦の大胆な構想というのは黒い大洋を干して桑畑を作るというように実現とかけ離れた愚かさの極致」とし「(南側が)今後どのような騒がしい構想を作って扉を叩くかわ分からないが、われわれは絶対に相手にしないということをはっきりと明らかにする」とした。 (中略)

金与正氏は「南朝鮮当局の対朝政策を評すのに先立ち、我々は尹錫悦その人間自体が嫌いだ」とし「どうか互いに意識せずにいてほしいというのが切実な願い」と話した。また「南北問題を持ち出して口出ししないで、時間があれば自分の国ことでも世話して心配したほうがよいのでは」としながら「それでなくても経済と民生がめちゃくちゃで、ある時期に追い出されるかもしれない不安の中にいるはずだが(…)」とも述べた。

尹大統領を非難する過程で文在寅(ムン・ジェイン)政府の「韓半島(朝鮮半島)運転者論」にも言及した。金与正氏は「一時『運転者』を自任して多くの人々を訝しがらせた人が消えてしまい、今後はもうそれに絶対に合わせない自分勝手な人間がまた一人現れて権力の座に座った」としながら「大統領として当選させる人物があの尹なんとかしかいなかったのだろうか」とした。
(引用ここまで)


 北朝鮮に対してユン・ソンニョル大統領は「非核化するのであればさまざまな援助を行う」と就任100日演説で述べたのですね。

尹大統領 北朝鮮が核開発中断なら「米朝関係の正常化支援」(聯合ニュース)

 それに対して北朝鮮側は巡航ミサイル2発とキム・ヨジョン副部長の「そもそもユン・ソンニョルという人間が嫌いだ」とのコメントで返答。

 いや、しかし北朝鮮のこうした悪口雑言がすらすらと流れるように出てくる様はホントに感心しますね。
 そもそもの朝鮮半島にはこうした悪口のバリエーションが無数にあったのでしょうけども、韓国側では経済成長とともにバリエーションが乏しくなっていたのだと感じられます。
 いや、英語や日本語に比べたら韓国の言葉だって悪口のバリエーションはかなりのものですけどね。
 北朝鮮のそれはなんというか、それ以上。
 そういった言葉のやりとりが必要となる社会なのだろうな、ということが透けて見えて面白い部分です。


 ムン・ジェインに浴びせていた「茹でた牛の頭ですら笑うだろう」なんて論評もとても美しいものでしたが。
   今回の「絶対に相手にしない」「ユン・ソンニョルその人間自体が嫌いだ」「お互いに意識せずにいてほしいというのが切実な願い」の3コンボもなかなか。
 ついでにムン・ジェイン前大統領が退任したことについて「運転者気取りが消えてせいせいした」くらいの言いよう。

 まあ、彼らの中では北朝鮮王朝が崩壊に至るような外交手段はいっさい取り合わないというのが既定路線ですから。
 こうなって当然でしょう。
 北朝鮮全体が富むことなんて、貴族階級である彼らは誰も願っていないのですから。

 そんな話を持ってくるくらいならおまえらの頭の上の蠅でも追っていろ、ということでしょう。
 それでも米韓の合同軍事訓練が再開されることにはだいぶ神経を尖らせているようですけどね。
 ま、訓練からそのままなだれ込むというのは古今、さまざまな国がやってきたことなので意識して当然ではありますが。

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日本、アメリカと共に(韓国抜きで)「北朝鮮の核兵器に完全かつ検証可能、不可逆的な解体を求める」と声明……まあ、韓国を入れるとアレですから……

カテゴリ:北朝鮮関連 コメント:(55)
北の核に「CVID原則」、米・日が韓国抜きで共同声明(朝鮮日報)
 米国のバイデン大統領と日本の岸田文雄首相がテレビを通じた首脳会談を行った21日、米日両国は「核兵器不拡散条約(NPT)に関する米日共同声明」を発表し、その中で北朝鮮に対し核兵器と全ての弾道ミサイル廃棄を要求した。米日両国はこの声明で「我々は国連安全保障理事会の決議に基づき、北朝鮮の全ての核兵器、それ以外の大量破壊兵器、全射程距離の弾道ミサイルとそれと関連したプログラムおよび設備の完全かつ検証可能、不可逆的な解体(CVID)を強く決意する」と伝えた。北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射再開の検討を発表した翌日から即座に共同で対応に乗り出したのだ。

 これまで「韓半島の完全な非核化」というあいまいな表現を使ってきたバイデン政権が今回CVIDという強い表現を公式に使い始めたのは大きな変化だ。CVIDは2006年に北朝鮮が1回目の核実験を行った直後から国連安保理決議に北朝鮮非核化の原則として明記されてきた。しかし北朝鮮は「敗戦国に適用される原則だ」としてこれに反発し、トランプ前政権はあまり使用しなかった。
(引用ここまで)


 昨日、日米首脳会談がオンライン形式で行われまして。
 当初は岸田総理が訪米を希望していたものの、コロナ禍がひどくなってきたこともあってこの形式になったものとされています。

日米首脳テレビ会談(外務省)
Readout of President Biden’s Meeting with Prime Minister Kishida of Japan(ホワイトハウス・英語)

 会談に合わせる形で核兵器不拡散条約(NPT)に関する日米共同声明が出されています。

「核兵器不拡散条約(NPT)に関する日米共同声明」の発出(外務省)

 この中で北朝鮮に対して「我々は(略)北朝鮮の全ての核兵器、その他の大量破壊兵器 及びあらゆる射程の弾道ミサイル並びにその関連計画及び施設の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄に強くコミットする」との一文があります。
 いわゆるCVID、Complete, Verifiable and Irreversible Denuclearizationを強く求めています。英文声明では正確にはCVIDではないのですが、ほぼ同じ意味合いで表記されています。

 これまでバイデン政権では北朝鮮問題についての優先度は明白に低く、なんの手当もしてこなかったのが実情。


 韓国側はさかんに「シンガポール会談の精神を堅持して、対話を優先すべきだ」とアピールしてきましたが、そもそも対話もなにもといった状況でした。
 ムン・ジェイン政権はその交換条件として「日韓関係をどうにかしろ」とアメリカ側から厳命されていたとの報道があったように、日韓関係を改善させるテコくらいにしか思っていなかったのでしょう。

 ところがミサイル発射4連発に加えて、北朝鮮からのモラトリアム破棄宣言で様相が変化してきました。
 そして、その際に対北朝鮮へのコミットメントを表明するパートナーとして選ばれたのは韓国ではなく日本であった、ということです。

 朝鮮日報の記事タイトルには「韓国抜きで」とありますが。
 日米に韓国を加えてしまうと、決められるものも決められなくなるという判断が働いたのでしょうね。
 それでなくても安保理での制裁を提案した際に中国・ロシアの反対で保留されたのですから。
 身内にレッドチームがいるとなにもできなくなる。できるところから声明を出す、という判断だったということかと。

 ま、賢明な判断だとは思います。

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アメリカ「北朝鮮のミサイル発射は安保理決議違反だ」→韓国「……」→北朝鮮「核実験・ICBM試射の中断を破棄する」……さて、アメリカの反応は……?

カテゴリ:北朝鮮関連 コメント:(60)
ICBM発射・核実験の再開を検討…金正恩総書記、3年9カ月ぶりの脅迫(朝鮮日報)
北朝鮮が3年9カ月ぶりに核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射再開を検討すると明らかにした。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が出席した会議で出た結論だ。北朝鮮が来月、故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の誕生80年などに合わせ非常に強い挑発に乗り出す可能性があるとみられる。これまで「レッドライン」とされてきた核実験とICBMのカードを北朝鮮が使った場合、米朝関係は2018年のシンガポール首脳会談以前に戻り、文在寅(ムン・ジェイン)政権がこれまで力を入れてきた韓半島平和プロセス構想も事実上の死亡宣告を受けることになる。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は20日、労働党の会議で「先決的・主導的に行ってきた信頼構築の措置を全面的に再考し、暫定中止していた全ての活動を再稼働する問題を迅速に検討せよとの指示を該当する部門に下達した」と報じた。北朝鮮はシンガポールで行われた米朝首脳会談前の2018年4月、豊渓里の核実験場閉鎖と核実験およびICBM試験発射の中断を意味する「モラトリアム」を宣言したが、今回はこれらの破棄を予告した形だ。
(引用ここまで)


 北朝鮮による4回に渡るミサイル発射を受けて、米韓間では大臣級、次官級の協議が相次いで行われています。もちろん、オンラインで。
 19日にはチェ・ジョンゴン外交部第1時間とウェンディ・シャーマン国務副長官の次官級協議が行われまして。
 アメリカの発表によるとシャーマン副長官は弾道ミサイル発射について「安保理決議に違反している」と糾弾したそうです。
 ですが、韓国側のリリースではそうした話は表記にありません。

韓米同盟、最近北ミサイル挑発にすれ違い…北朝鮮、隙を狙って「割り打ち」(中央日報) Deputy Secretary Sherman’s Call with Republic of Korea First Vice Foreign Minister Choi(国務省・英語)
韓米外交次官通話結果(外交部・朝鮮語)

 あくまでも「アメリカ側が糾弾した」ということですね。
 いつものようにというべきか、韓国側からは北朝鮮についての言及すらほぼありません。
 外交部のプレスリリースには「両次官は最近、北朝鮮のミサイル連続発射状況を共有する一方、朝鮮半島情勢の安定的管理と北朝鮮との早急な対話再開のためのすべての案に開かれた立場であることを再確認した」とだけ書かれています。
 ま、韓国のこの行動はいつものこと。


 ただ、アメリカ側の対応は変わりつつあることが確実です。
 トランプ政権時代、北朝鮮が弾道ミサイルを発射しても「短距離だから」という理由で取り合いませんでした。業を煮やした欧州側が国連安保理に「決議違反だ」と言い出すほどでしたね。
 今回、シャーマン国務副長官は「安保理決議違反である」と明白に述べています。
 そしてアメリカからは「北朝鮮からの『攻撃』が行われた」との発言がありました。

米国、北のミサイル発射を「攻撃」と規定(朝鮮日報)

 すでに1回目の警告は行われた、ということです。

 そして北朝鮮は大陸間弾道弾、核実験へ向けての言及をしています。
 まあ、挑発云々を抜きにして、定期的に核実験をしたいというのは本音でしょう。技術として確立しているのかと言われたらまだまだですし、潜水艦からのSLBMに搭載できるほどの小型化もできていない。

 ただ、特に核実験をやったらおそらくアメリカは怒髪天を衝くでしょうね。
 さらっと空爆を行うと思われます。地上戦はともかく。

 今回の北朝鮮による声明は、バイデン政権の本気度を探っている部分があるでしょう。
 「モラトリアムを破棄し、核実験・大陸間弾道弾試射を行う」と言った時にどのようにリアクションするか、という。
 アメリカにロシア・ウクライナ問題、中国問題がある中、自らの利益をどれだけ伸ばせるのか試しているわけです。

 さて、「外交下手」がすっかりばれてしまっているバイデン政権ですが、どのように対応するか。
 「本気度」をロシア、中国に見せるためのテストパターンとして、北朝鮮が使われる可能性もあるかなぁ……。

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1年前にDMZを抜けてきた脱北者、今度は悠々と北朝鮮に帰る……韓国メディア「DMZを自分の庭のように歩かせるとは!」

カテゴリ:北朝鮮関連 コメント:(39)
監視カメラに5回も映った越北者を見逃し、脱北者と間違えた韓国軍(ハンギョレ)
1年前に脱北した人物が同じルートで越北、今回もしてやられた韓国軍(朝鮮日報)
 合同参謀本部が明らかにした「第22師団越北」の中間調査結果によると、陸軍第22師団の一般監視所(GOP)の監視カメラ(CCTV)に越北者がGOPの鉄条網を越えた場面が5回も映ったにもかかわらず、監視兵がこれを見逃したことが確認された。特に、越北者が午後6時36分頃に鉄条網を越える際、鉄条網のセンサーに圧力がかかり、警告灯がついて警報音が鳴ったことを受け、小隊長ら兵力6人が出動したが、これといった特異事項は発見できなかったことが確認された。鉄条網周辺の雪に越北者の足跡があり、鉄条網上段の鉄条網に越北者のコートが破れて出てきたと思われる白い羽毛が付いていたが、いずれも発見できなかった。
(引用ここまで)

今月1日、東部戦線に位置する韓国陸軍第22師団の最前方フェンスを越えて北朝鮮入りした人物は、およそ1年前に同部隊のフェンスを越えて韓国に亡命した、いわゆる「ジャンプ帰順」の脱北者と同じ人物であることが明らかになった。同一人物が同じルートで脱北・越北するというのは前例がない。脱北者がまるで自宅へ出入りするかのように非武装地帯(DMZ)を行き来するほど、韓国軍当局の警戒態勢はおろそかで、韓国警察の脱北者管理にも盲点があった、という批判が持ち上がっている。 (中略)

 韓国国防部(省に相当)の関係者は3日、「民間人統制線一帯の監視カメラを確認し、人相・着衣を識別した結果、2020年11月に江原道の高城地域で脱北帰順した人物と同一だと判断した」と明かした。脱北者のキム氏(30)は2020年11月上旬、第22師団の最前方フェンスを越えて韓国に亡命した。キム氏は亡命後、韓国情報当局の調査で「器械体操」の経歴があると供述しており、小柄な体で高さ3メートルほどのフェンスを比較的容易に乗り越えることができたものと推定された。
(引用ここまで)


 軍事境界線を越えて北朝鮮に向かうことを越北というのですが。
 基本的に韓国から北朝鮮に向かうことは違法です。
 北朝鮮に情報をもたらすことになりますから。

 その一方で北朝鮮側から侵入されるのも大事です。
 侵入を見逃すということはスパイが韓国に入ったかもしれないというわけで。
 北朝鮮から入られることも、向かうこともしっかりと監視が必要になるのですね。

 ですが、1年前には悠々と北朝鮮からの侵入を許し、監視小屋に「脱北希望なんだけど」って来させてしまうという体たらく。
 そして今回はその脱北してきた同一人物に越北を許してしまう。
 ……だらけまくってますね。


 まあ、実際問題として監視のあるDMZ付近からの攻撃はないでしょうし、万が一朝鮮戦争が再開したとしても即座に南進があるかといったら微妙なところ。
 そりゃまあ、緩みもしますわな。

 そもそも、軍のトップでもある国家元首が北朝鮮大好きで、北朝鮮が極超音速滑空ミサイルを試射しても「だからこそ対話をするべきだ」とかいうアレなのですから。

北朝鮮がミサイル発射した日…文大統領、南北鉄道訪れ「50分あれば金剛山に行ける」(中央日報)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が5日、東海(トンヘ)線の江陵(カンヌン)-猪津(チェジン)鉄道建設事業着工現場を訪れ、韓半島(朝鮮半島)の平和と繁栄に対する意志を確認した。この日の北朝鮮の短距離発射体の発射については「このような状況を根源的に克服するために対話の手綱を放してはいけない」と話した。

文大統領はこの日、韓国最北端の駅である猪津駅で開かれた行事で「江陵-猪津区間の鉄道建設着工を心より祝う」とし「東海岸鉄道網を完成させて韓半島を南北につなぐ東海北部線の復元で、江原道は新たな姿へと飛躍し、南北経済協力の基盤も備えることになるだろう」と述べた。
(引用ここまで)

 頭の中は北朝鮮のことしかない、というのは元駐韓大使であった武藤正敏氏の言葉ですが。
 最後の最後までそのままでしたね。

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