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カテゴリ:北朝鮮関連の記事一覧

ボルトン回顧録:韓国人「ボルトンと日本政府が組んで南北統一を阻んだ! 日本のせいだったんだ!!」と妄想を捗らせる

ボルトン回顧録で韓国民の怒りが日本に向かう理由(JBPress)
回顧録の中身として、米朝首脳会談をめぐる日本の否定的な態度や、米朝間の終戦宣言を安倍晋三首相が引き止めたという内容があると報じられたことで、韓国の与党やメディアは連日、ボルトン氏はもちろん、日本に対する激しい糾弾が続いているのだ。

「ネオコン・ボルトンの手管や日本の妨害によって、70年間の分断を終え、韓半島統一への歴史的転換となる千載一遇の機会が消えたという、実に嘆かわしい真実が残念だ」

「米国のネオコンと日本の主張は一致する。ネオコンや日本と手を組む(韓国内の)土着分断勢力が、韓半島の平和と繁栄を妨害する『三大分断勢力』であることが明らかになった」

 朝鮮戦争70周年を翌日に控えた24日、韓国与党の共に民主党の最高委員会議で、金泰年(キム・テニョン)院内代表はボルトン氏と日本をこのように非難した。

 さらに国会の外交統一委員長を務める宋永吉(ソン・ヨンギル)議員も21日、自身のフェイスブックで、こう怒りを爆発させた。

「日本は、韓半島の平和よりは政治的・軍事的対立と緊張が、韓国と北朝鮮の統一よりは分断が自分たちの利益と合致し、それのために初志一貫行動していることを、ボルトン元国家安全保障担当補佐官が書いた回顧録で改めて確認した」

「第2次世界大戦の敗戦国である日本が、韓国戦争(朝鮮戦争)で国家再建の基礎を築いたことからも、韓半島の平和が日本の利益と衝突することがわかる」

「ハノイでの北朝鮮と米国の会談の決裂を聞いて欣喜雀躍した日本、やはり韓半島の平和が不満なボルトンらの米国強硬派の画策が、ハノイ会談を破局に導いた」

 日本批判の声はまだある。韓国外交通商部(外交部)付属の国策研究機関である「国立外交院」の金俊亨(キム・ジュンヒョン)院長は23日、あるラジオに出演し、「ボルトンもボルトンだが、(回顧録で)日本の実態がそのまま露呈された」と語った。

 彼は「これだけではない。私は過去2年間ずっと話を聞いてきた。文在寅大統領が欧州を訪問したらすぐに日本がついてきては『親北朝鮮左派の話に気をつけよ』と言いまわるなど、(韓国に)付きまといながら仲違いしたほどだった」と、日本が文大統領の朝鮮半島平和外交に対して執拗な妨害活動をしてきたと指摘した。 (中略)

 多くの韓国人、特に文在寅政権支持勢力は、朝鮮半島の平和に最も邪魔になる存在が日本と考えている。南北が統一を果たし、経済力や国際的地位の面で日本を超えることを日本が恐れ、南北の和解を妨害しているというのが彼らの主張だ。

 今回のボルトンの回顧録の内容は、彼らに「自分たちの見解が決して間違っていない」という確信を与えただろう。韓国の保守系マスコミからは、ボルトンの回顧録によって米韓同盟が揺さぶられることを憂慮する見解が多いが、悪化の一途をたどっている日韓関係も、ボルトンの回顧録に少なからぬ影響を受けるものと見られる。
(引用ここまで)


 韓国人には「日本は南北統一を阻止しようとしている。南北統一朝鮮の国力を恐れているからだ」という認識がありまして。どのくらい前からか、というのはまた要検証ですが。
 少なくともソウルオリンピックの頃、すでにこんな話を耳にしていたと思います。

 なんでだ、と言われましても。
 韓国人はそう堅く信じているのですよ。「優秀な我々を分断させることで日本が上に居続けようとするためだ」……というような話を信じているのです。



 例のマンガでもこんな描写がありますね。
 逆にいうと、南北統一さえしてしまえば世界の一流国家になれるのだ、という妄想を抱いているのです。
 で、その彼らの妄想をボルトンの回顧録が裏付けている、ということで「北朝鮮との交渉がうまくいっていないのは日本のせいだ」と大騒ぎになっているわけですね。

 っていうか、北朝鮮の非核化が最大の目的であって、南北の交渉なんて二の次三の次。
 非核化交渉のおまけでしかない。
 これは日本だけでなくアメリカも同様。だからこそハノイは決裂したわけですよ。
 そしてひとつ前のエントリで書いたように、国際社会も「非核化が先決」という認識で共通している。
 独裁国家に大量破壊兵器を持たせたらろくなことにならないというのはシリアでもイラクでも証明されている。
 いわんや北朝鮮をや。

 実際にムン・ジェイン大統領が訪問したヨーロッパでも、ASEANでも同様に非核化が先決であると言われている。
 その後、そんなムン・ジェインのヨーロッパでの扱いに憤激した韓国の国会議員がドイツの外交官に詰め寄ったら「北朝鮮を信じるとかバカじゃねえの」くらいの扱いを受けてましたっけね。
 外交メンターのムン・ジョンイン曰く「ヨーロッパでのあの扱いは日本のロビー活動のせいだ」とのことですが。

 まあ、このようにして韓国では「日本は南北統一を阻止しようとしているのだ」という妄想が今日も捗っているのです。
 やれやれ。

韓国与党議員「我が国が北朝鮮に支援できないのは国連安保理による制裁のためだ。解除を要請するぞ!」……どうやって?

国連に対北制裁の一部緩和要請へ 韓国国会外交委員長(聯合ニュース)
 韓国国会の外交統一委員会委員長を務める与党「共に民主党」の宋永吉(ソン・ヨンギル)議員は25日、国連安全保障理事会に対北朝鮮制裁の緩和を要請する考えを示した。ラジオ番組に出演し、明らかにした。

 宋氏は、外交統一委員長として安保理北朝鮮制裁委員会の専門家パネル委員に会い、人道的支援などにおける対北朝鮮制裁の一部緩和を強く要請する考えがあると述べた。

 北朝鮮を巡る問題を調整する韓米の作業部会(ワーキンググループ)については「どのように活用するかによってもろ刃の剣になる」との見解を示した。対北朝鮮政策が米国の同意なしには何もできない形になってはならないが、南北交流事業で米国の制裁免除をワンストップで解決できるという長所もあると説明した。
(引用ここまで)

 先日、訪米して「アメリカが制裁解除しないなら、韓国は独自支援を検討する」と述べたとされるイ・ドフン朝鮮半島平和交渉本部長は帰国した際に、黙して語らず。
 成果があればペラペラと語っていたでしょうから、なにもなかったということでしょう。

「南北関係打開策を協議」平和交渉本部長、黙して語らず…立場の違い確認しただけか(ハンギョレ)

 北朝鮮への制裁緩和に向かおうとしない国際社会が悪いのだ、という方向性に韓国側が向かいそうですね。
 というか以前からその方向性だったのですけども。
 ムン・ジェインが必死になってヨーロッパで(当初の予定にはなかったにも関わらず)制裁緩和を語っていたのは「北朝鮮も話せばわかる相手なのだ」「だから1段階の非核化に対して、1段階の制裁緩和が必要になる」という話だったのです。

 で、そうやって自信満々で大統領自ら働きかけたところ、フランスイギリス、ドイツ、イタリア、EU首脳と会談を行ったすべての国に「いや、非核化が先だから」とか「CVIDって言葉、知っている?」って煽り気味に断られまして。
 挙句の果てに「あいつちょっとおかしいわ」と某国首脳から指差されるというね。

 「国連安保理に制裁解除を働きかける」といいますが、中露以外のどの国が賛同するのでしょうね?
 韓国以外に制裁緩和を望んでいるのは直接貿易を行っている中国・ロシアくらいなもの。
 ボルトンの回顧録への解釈でも「日本が朝鮮半島の平和を邪魔していた!」みたいな話が韓国側、特に共に民主党の国会議員から出てきているのですが(次のエントリで掲載予定)。
 日本にかぎらず多くの国々が「非核化がまず優先である」という認識に変化がない中、どうやるつもりなのやら。

韓国大統領府「ボルトンは著書で自らが朝鮮半島平和の妨害者と認めた」……そりゃ妨害されて当たり前だわな

青瓦台「ボルトンは韓半島平和の妨害者であることを自ら認めた」(朝鮮日報)
 青瓦台(韓国大統領府)のある幹部は23日、ジョン・ボルトン元米ホワイトハウス国家安保補佐官の回顧録について「ボルトンは韓半島平和の妨害者であることを自ら認めた」と主張した。2018年5月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が訪米する直前、ボルトン氏はトランプ大統領に「シンガポールでの米朝首脳会談キャンセル」をツイッターにアップするよう提案したが、トランプ大統領は「文大統領の話を聞いてみる」としていったん保留したという。青瓦台はこれをその事例として取り上げた。

 青瓦台は「結局はボルトンの妨害にもかかわらず、文大統領は対話の実現に向け孤軍奮闘したということだ」と主張した。青瓦台の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は22日、ボルトン氏の回顧録について「事実の歪曲(わいきょく)」と指摘したが、具体的な反論はしていない。それがこの日は具体的な箇所を挙げてボルトン氏を批判した。回顧録に正面から対応することで、文大統領の役割を改めて強調する狙いがあるものとみられる。

 米朝首脳会談と韓米間の協議についても、ボルトン氏と青瓦台の主張は多くの部分で食い違っている。(中略)

 文大統領とトランプ大統領との首脳会談の内容についても、ボルトン氏と青瓦台の主張は大きく異なる。ボルトン氏は「『ハノイ・ノーディール(米朝首脳会談決裂)』後の昨年4月に行われた韓米首脳会談の際、文大統領が3回目の米朝首脳会談を執拗(しつよう)に要求したが、トランプ大統領は『非核化合意が先』として何度も断った」と主張している。これに対して鄭室長は当時、メディアに対し「韓米首脳は3回目の朝米首脳会談開催に向けた方策について具体的に意見を交換した」と説明していた。「トランプ大統領は『非核化合意に至る前に米朝首脳会談はやらない』と強調した」とするボルトン氏の主張とは完全に食い違っている。

 シンガポールでの米朝首脳会談直前の2018年5月22日に行われた韓米首脳会談について、青瓦台は「両首脳は北朝鮮が『完全な非核化』を履行したときに、明るい未来を提供するための具体的な方策について密度の濃い話し合いを行った」と説明していた。北朝鮮への支援策について韓米両国が話し合ったという意味だった。これに対してボルトン氏は「トランプ大統領はシンガポール会談をキャンセルする可能性に言及したが、文大統領は楽観的な話ばかりした」と主張している。シンガポール会談はその時点で暫定的にキャンセルされる可能性があったが、文大統領はこれに全く気付かなかったということだ。
(引用ここまで)


 韓国大統領府が「ボルトンは朝鮮半島宥和の妨害者である」というフレームで自分たちの正統性を担保する方向性に出たようですね。
 アメリカ、韓国、北朝鮮の三ヵ国はそれぞれ見ている方向性が違っていた。
 である以上は「妨害者」であるのはアメリカの大統領補佐官として当然なのですが。

 トランプ大統領は「かつての大統領が誰もなし得なかった北朝鮮の非核化を達成した」というレガシーを欲していた。
 キム・ジョンウンは開国しないままで、経済特区のみの開放で一定の経済成長だけを欲していた。
 ムン・ジェインは無関係に北朝鮮との関係を保つことだけを求めていた。

 ボルトン氏にしろ、ポンペオ国務長官にしろ、恐れていたのは「非核化を達成できずに北朝鮮が果実を手にすること」だったわけです。
 それに成功することができたら世界各国が同じやりかたをするに決まっている。核兵器を開発して周辺国に脅威を及ぼしつつ、アメリカと交渉して経済援助を受けるなんて手法が広まったら目も当てられない。

 「朝鮮半島の平和」なんていう益体もつかないものはアメリカ側の誰も求めていなかったというだけの話。
 「ボルトンは妨害者だ」なんていうお手軽なフレームで根本的な反論ができると思ったら大間違い。
 むしろ妨害者であって然るべき。

 ムン・ジェイン政権の対北朝鮮での主張は──
 「北朝鮮の段階的な非核化に報酬を与えるべき
 「豊渓里の破壊は不可逆な非核化の第一歩である
 「アメリカは一度終戦宣言を出すべき。誤っていたなら撤回すればいい」

 こんなものに付きあいきれないからこそ、アメリカは韓国とワーキンググループを結成して「これで韓国は勝手な物言いができなくなるようになる」という話までするようになったのですよ。
 この発言はポンペオ国務長官のものですから、韓国に言わせればポンペオ国務長官も「朝鮮半島の平和を妨害する者」になりますわな。
 ムン・ジェインの求める「朝鮮半島の平和」なんて、彼ら以外の国際社会は誰も求めていないのですから。

南北軍事境界線にある海岸砲の砲門がいつでも撃てる状態に→韓国軍「湿気を除去するための開放かもしれない」

カテゴリ:北朝鮮関連 コメント:(75)
北朝鮮の海岸砲門「開放」状態 韓国軍は注視=対岸住民に緊張(聯合ニュース)
黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)に近い北朝鮮・黄海道のケモリ地域にある海岸砲の砲門が開いたままになっている状態が何度も確認され、韓国軍当局が北朝鮮軍の動向を注視している。

 北朝鮮に近い韓国・仁川の延坪島で22日午前、対岸のケモリ地域の砲門が開いているのが確認された。

 同砲門は今月19日に開いているのが確認され、その後、霧などにより視界不良となり確認できず、この日、砲門が開放されているのが再度確認された。

 前日にはケモリ地域以外の砲門が開放されているのも確認された。

 軍当局は今月19日、砲門が開いている理由について、湿気を除去するため開放している可能性もあると説明していた。

 軍は現在も砲門が開いている状態なのか、砲門の向こう側に砲が置かれているかどうかについては、明らかにしていない。

 ただ、北朝鮮軍の特異動向と見なしていないという。 

 軍の関係者は「軍事的な特異動向ではないと判断するが(開放された砲門に対し)綿密に動向を観察している」とし、「24時間の警戒態勢を維持し、北側を注視している」と話した。
(引用ここまで)


 北朝鮮の海岸砲が開門されて、いつでも砲撃できるような状況になっているとの報道。
 で、それに対して韓国軍は「湿気の除去をしているからではないか」と説明。
 ……あー、梅雨の時期ですしね。
 湿気の除去は大事ですから。そりゃ北朝鮮軍もやるでしょうねー(棒読み)。

 なお、韓国軍は1年前にもまったく同じことを言ってました。
 「空気の入れ換えだ」って。
 でも、目的が空気の入れ換えだったり湿気の除去だったりするのであれば、全門を一気に開かなくてもいい気がしますけどね。
 南北軍事同意で「実質的に終戦宣言」が行われて平和になったのですから、誤解を避けるためにも1門ずつ開いていけばいいんじゃないですか?
 空気の入れ換えであれば。

 どう考えても南北共同連絡事務所爆破から連なる「軍事的行動」の一環ですよね。
 開城、金剛山に軍を展開することで、かつての南北の行き来は完全に終わったことを宣言するためのもの。
 そのひとつの天開として「韓国側から見えている海岸砲」を開門したと考えるほうが理に適っている。

 あ、そうそう。その南北共同連絡事務所ですが、38ノースからは「爆破は制御されたものではなく、南北共同連絡事務所は倒壊には至っていない」との見解が発表されています。

The Inter-Korean Liaison Office at Kaesong: Still Standing, Although Clearly Damaged(38north・英語)
北朝鮮の爆破、米分析サイト「制御されたものではない」(TBS)

 曰く、「隣接する建物のガラスが落ちるなど被害が出たのは意図したものではない」「完全に破壊するつもりだったのだろうが、まだ倒壊していないことが衛星画像から見てとれる」とのことです。
 ただ、KBSがヘリから超望遠で撮影した画像では「倒壊していない」だけなのもよく分かります。



 爆破が制御されていない、というのは先日公開された妙な動画のカット割りを見ても想像がつきます。思ったようには爆破できなかったのだろうな、と。
 だとしても破壊する意図というのは確かだったのは間違いないところ。
 北朝鮮による韓国への敵対心というのは、その後の行動から見ても確かなものだと感じます。

まあ、除湿が大事なのは否定せんが……特にこの季節は。


ボルトン回顧録:「ムン・ジェイン大統領は『北朝鮮が1年以内に非核化を合意した』と語ったが、安倍総理は『北朝鮮を信じるな』と助言した」

文大統領、トランプ大統領に「金正恩、1年以内に非核化」…安倍首相「信じてはいけない」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領がシンガポールでの最初の米朝首脳会談の直前、トランプ大統領に対し「金正恩(キム・ジョンウン)委員長が1年以内に非核化することで合意した」と伝えたと、ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が回顧録で主張した。一方、安倍晋三首相は「金正恩委員長を信じてはいけない」と助言したという。ボルトン氏が23日出版予定の『それが起きた部屋:ホワイトハウス回顧録』で明らかにした内容だ。

20日に中央日報が入手した回顧録の内容によると、文大統領は4・27板門店(パンムンジョム)南北首脳会談の翌日の4月28日、トランプ大統領との電話で「金委員長が豊渓里(プンゲリ)核実験場の閉鎖を含めて完全な非核化を約束した」と伝えた。また「金委員長に1年以内に非核化することを要請し、金委員長が同意した」とも話した。文大統領が電話でトランプ大統領のリーダーシップを称賛すると、トランプ大統領は「私が(対北朝鮮外交で)どれほど多く責任を負っているか明らかにしてほしい」と要求したと紹介した。

ボルトン氏は板門店会談を「オリーブの枝をくわえたハトが飛び回るが、実質的な内容はほとんどないDMZ祭り」と酷評した。北朝鮮の「豊渓里閉鎖は(2008年の)寧辺(ヨンビョン)冷却塔爆破のようなもう一つのフェイク譲歩」とも書いた。

その後の日米首脳の電話会談で、安倍首相は文大統領の「過度に楽観的な観点」とは対照的に「金正恩委員長を信じてはいけない」と助言した、と紹介した。「日本は非核化と日本人拉致問題の双方で具体的な約束、あいまいでない約束を望む」と要求した。そして「トランプ大統領はオバマ大統領より強い人」とも話したという。 (中略)

続いて文大統領は5月22日のホワイトハウス韓米首脳会談で韓米朝会談のためにシンガポールに行くことを希望し、さらに6月11日の会談の前日まで出席を望んだと紹介した。ボルトン氏は「文大統領は2019年6月末のトランプ-金正恩板門店会談当時のように、写真行事に加わることを望んだ」とも話した。

こうした構想を断ったは北朝鮮だった。北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長が6月1日にホワイトハウスを訪問し、「これは米朝会談だ。韓国は必要ない」と述べたという。北朝鮮が文大統領の出席を望まず3者会談に関心はないと話したというのがトランプ-金英哲会談の「唯一の良い便り」だったと、ボルトン氏は評価した。
(引用ここまで)


 明日発売予定のボルトン元補佐官の「The Room Where It Happened」を韓国メディアはフラゲしてかたっぱしから米朝交渉、米韓首脳会談周辺の話を翻訳して紹介しています。
 板門店での米朝首脳会談にムン・ジェイン大統領がついてこようとしてトランプ大統領とキム・ジョンウンの双方に拒絶されたとか
 韓国がでしゃばってきた(韓国の創造物)から米朝交渉は暗礁に乗り上げた……というような話がバンバン出てきてます。

 もちろん、証拠のない「回顧録」に過ぎないもので、ボルトンの主観によるものですが。
 それでもちょっと前まで米朝交渉の最前線にいた人物がその実情を書いているというのは注目に値するでしょう。
 なにしろアメリカ政府が「機密漏洩にあたる」として出版差し止めを提訴している、のですから。少なくともなんらかの機密が書かれているというのはアメリカ政府の保証つき、ということなのですよ。

 ここまで沈黙を保ち続けてきた韓国政府も、事前リークでここまで内容が出てしまっていて黙っていられなくなった模様。

ボルトン氏の回顧録 「事実を大きく歪曲」と批判=韓国国家安保室長(聯合ニュース)
 鄭氏は3度の南北首脳会談と2度の米朝首脳会談でボルトン氏のカウンターパートを務めた。

 鄭氏は「政府間の相互信頼に基づいて協議した内容を一方的に公開することは外交の基本原則に反する」として、「今後、交渉の信義が深刻に傷つけられる」と主張した。

 また、「米政府がこうした危険な事例を防止するための適切な措置を講じることを期待する」とし、「こうした不適切な行為は今後の韓米同盟関係で共同の戦略を維持・発展させ、両国の安保と利益を強化する努力を著しく損ないかねない」と述べた。

 鄭氏の声明は前日、米国家安全保障会議(NSC)側に伝達したという。 (中略)

青瓦台の高官はボルトン氏が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の朝鮮半島非核化構想について「統合失調症のような考え」と非難したことについて、「本人がそうではないか」と応酬した。
(引用ここまで)

 「事実を大きく歪曲されたもの」なのだそうですよ。
 で、ムン・ジェインの朝鮮半島非核化構想について、統合失調症のような考えと書かれていることに対して「本人がそうなのではないか」とかホント馬鹿だよなぁ……。
 「北朝鮮が非核化する代償として、アメリカも朝鮮半島での非核化を行うべし」という考えかたが統合失調症のような考えだ、とされたことに対して「本人が統合失調症だ」ってなんの反論にもなってないし。

 米朝交渉についての話はもうほとんど発売前に消費されている感じですねー。
 まあ、買ってみて面白いエピソードあったらピックアップしてみましょう。


アメリカからも「連絡事務所が爆破されて驚き。朝鮮半島は南北融和路線じゃなかったんだ?」という生温い記事が出る……既定路線だけどなぁ……

なぜ、文在寅大統領は「南北融和」に失敗したのか?─米紙が分析(クーリエジャポン)
「南北融和ムード」に包まれていたはずの朝鮮半島が揺れている。 (中略)

ソウルにある国民大学校の北朝鮮研究者アンドレイ・ランコフ氏は、米紙「ワシントン・ポスト」の取材に対し、現在の南北米関係を次のように説明する。

「文大統領は米朝の板挟みになっているんです。彼は、トランプをイラつかせてたことで生じる損失なんて、北朝鮮との関係改善によって得られる利益と比べればたいしたことはないと考えているようですが、もっとうまくバランスをとる必要があります」

経済制裁の緩和をアメリカに止められた韓国は、代わりに人的・文化的交流をおこなうことを北朝鮮に提案した。だが、ランコフ氏によれば、それは北朝鮮が真に求めていたものではなかった。

「北朝鮮がほっしているのは財政支援です。しかしながら、文大統領はそれを彼らに与えることができませんでした」

翌2019年2月にハノイでおこなわれた米朝首脳会談で、3国の溝はさらに深まったと「ワシントン・ポスト」は指摘する。

この会談で米朝は北朝鮮の非核化の条件に関して合意できなかった。距離が縮まるどころか、両者の目指すところがいかにかけ離れているかが露呈する結果となり、トランプと金正恩の心に「仲介者」である文在寅への不信感が芽生えたという。
(引用ここまで)


 アメリカでも日本と同じように「南北融和ムード」であるかのように認識されていたものが、いきなり南北共同連絡事務所が爆破されてびっくり ── みたいな報道があるのですが。
 ちょっと驚くのは多くのメディアが「南北融和の方向じゃなかったのか」と思い込んでいた、ということ。
 多くの認識は「平昌冬季オリンピックからの3回に及ぶ南北首脳会談で朝鮮半島は安定に向かっていたのでは?」くらいなもので米朝首脳会談のハノイの決裂も決定的なものではない……って感じなのでしょうね。

 むしろ、2018年の蜜月状態が異常だっただけ。
 北朝鮮は決して核を手放そうとしないし、アメリカは核を手放さない北朝鮮を許さない。
 ハノイではその認識が決定的になったというだけで、2018年は互いに様子見をしていた期間に過ぎない。
 その「お互いに様子見」の期間を作り上げたのがムン・ジェイン。
 ボルトン元補佐官がいうところの「韓国の創造物」にしか過ぎなかった、ということです。
 全力で1年間の見(ケン)を買ったのですよ。

 その間になんとかして国連制裁を解き、韓国からの援助を合法的にできるような路線を作り上げようとしていた。
 少なくとも開城工業団地の再操業と金剛山観光事業再開はできるもの、と考えていたのでしょうね。できるようなら南北鉄道接続も。
 開城工業団地のような経済特区を作る、というていどが目標だとは北朝鮮の元駐英公使で現在は国会議員になったテ・ヨンホ氏の談。

 北朝鮮は「非核化せずに、そこそこの経済成長」を求めていたのですが、ムン・ジェインはそれを見誤ってアメリカにつないでしまった。
 もう最初から決裂せざるを得ない組み合わせだったのですよ。

 南北共同連絡事務所が爆破されたのは、当然といえば当然に過ぎない帰結。
 見ている方向が米北韓の三者三様で異なっていたのですから。

ボルトン元大統領補佐官「米朝交渉は『韓国の創造物』だった」と回顧録で記述……ハノイで失敗に終わったのも韓国の問題、だそうです

ボルトン氏「米朝会談は韓国の創造物」…青瓦台は沈黙(朝鮮日報)
 最も注目を集めているのは、ボルトン氏が米朝非核化外交の全てのプロセスを「韓国の創造物」と表現した部分だ。「韓半島運転者・仲裁者論」を前面に掲げた文在寅政権が、史上初の米朝首脳会談実現に大きな役割を果たした点についてはボルトン氏も認めている。ただそれと同時に、そのような形で始まった非核化外交が昨年の「ハノイ・ノーディール」と「ストックホルム・ノーディール」を経て座礁した責任も、やはり文在寅政権にあるとしたのだ。

 ボルトン氏は、韓国が「創造」した米朝非核化外交を情熱的なスペインの踊り「ファンタンゴ」に当てつけ、「金正恩(キム・ジョンウン)やわれわれ(米国)に関する真摯な戦略よりも、韓国の統一アジェンダの方により多くの関連がある」と指摘した。文在寅政権が「米朝仲介外交」を駆使し、本質である非核化よりも南北関係改善への意欲が先走った点を指摘したのだ。

 専門家は、文在寅政権が仲介外交に乗り出した2018年3月の時点から、すでに同じような問題意識を共有してきた。その最大の問題は、北朝鮮への特使として金正恩・国務委員長に会って戻ってきた鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が説明した「北朝鮮の非核化の意志」だった。当時、鄭室長は「北側は、軍事的な脅威が解消され、体制の安全が保障されるのであれば、核を保有する理由がないとの点を明確にした」「非核化は先代の遺訓であり、この遺訓に変化はない」とする金正恩氏の発言も紹介した。北朝鮮が核・ミサイル暴走を続け、際限なく繰り返してきた宣伝用のレトリックをそっくりそのまま「非核化の真正性」と解釈したのだ。鄭室長はこのような見方を持って米国を訪問し、トランプ大統領から米朝首脳会談の約束を取り付けた。 (中略)

 青瓦台は第1次米朝首脳会談以降、非核化交渉が空回りすると、その折衷案として「早期収穫論」と「グッド・イナフ・ディール」を言い出し始めた。ある外交筋は「早期収穫といった言葉そのものは、通常の外交交渉でも使われる用語だ」としながらも「非核化外交に対する青瓦台の理解不足を示す端的な事例だった」と指摘した。グッド・イナフ・ディールは米朝のどちらからも共感が得られず、結局はハノイ・ノーディールと共に「死亡」した。

 米戦略国際問題研究所(CSIS)のスミ・テリー上級研究員はツイッターで「ボルトン回顧録」の内容を紹介し、「ボルトン氏は、文大統領が米朝双方に非現実的な期待を掛けていたことを批判した」と指摘した。米国はもちろん、北朝鮮も文在寅政権による「ずさんな仲介」に強い不満を持っているということだ。ハノイ・ノーディール後、北朝鮮が南北対話を完全に閉ざしたのは、このような分析の妥当性を裏付けている。北朝鮮が文大統領に対し「差し出がましい仲裁者のふりをするな」などと罵詈雑言を浴びせたのもその時からだ。
(引用ここまで)


 前大統領国家安保補佐官のジョン・ボルトン氏の回顧録が米韓で話題になってます。
 トランプ政権から「機密を含んでいる」として、出版差し止め提訴を起こされているものでして。

「ボルトン回顧録」出版差し止め提訴 米政府「機密含む」と主張(時事通信)

 まあ、政権が終わってから回顧録が書かれるというのが普通で、ゲーツ元国防長官は自著の中で「ノ・ムヒョンは少し頭がおかしい人物だった」と描写したものでした。
 現役大統領の閣僚級が暴露本を書くようにして回顧録を出版するっていうのは、あまり記憶にないですかね。

 で、韓国で話題になっているのは米朝交渉、南北会談について。
 まあ、これまで「こういうことなんだろうなぁ」と語られてきたことがまんま正解だったという話に過ぎないのですが。
 アメリカには「北朝鮮の非核化の意思は本物だ」って報告して。
 北朝鮮には「アメリカに『非核化する』って言葉だけでも言えばなんとかなる」というような話をする。
 で、米朝首脳会談をやらせてしまえば勝ち、というようなものだったのでしょうが。

 楽韓Webでも「まるで朝鮮通信使を派遣してほしい対馬藩が幕府と李氏朝鮮それぞれの書状を偽造したかのような所業ですね」という話を何度かしています。
 ソンウ・ジョンも秀吉に侵攻の意思があるかどうかを見極めるために派遣された朝鮮通信使が党派争いをしていた話をしていました。
 その1年後にハノイで「ノーディール」を迎えた際にも、ソンウ・ジョンは朝鮮通信使絡みで自分への返信コラムを書いてます。

 キム・ジョンウンとトランプ大統領を会わせてしまえばなんらかの結論が出るはずだ、という期待をしていたのですが。
 さすがにアメリカ側はそこまで愚かではなかった、というオチでしたね。
 韓国側の目論見としてはあそこで制裁解除が行われて、金剛山観光事業や開城工業団地の操業再開ができるというものだったのでしょうが。

 ちょうどそんな記事が日経新聞に掲載されてましたね。

崖っぷちの南北融和 文政権、深まるジレンマ(日経新聞)

 「北朝鮮の怒りの本質はムン・ジェインに『空手形』をつかまされた屈辱感だ」と。
 ボルトンがいうところの「米朝交渉は韓国の創造物」であったわけですが、その想像の魔法は現実の前に消え失せた……ということですね。
 んー、読んでみたい。電子書籍になったら買うんだけどなー。

韓国政府「南北共同連絡事務所は爆破された……爆破されたが、その機能は維持すべきだ」……どうやって?

北が爆破した南北連絡事務所 「機能は維持すべき」=韓国統一部(聯合ニュース)
 韓国統一部のチョ・ヘシル副報道官は19日の定例会見で、北朝鮮が16日に開城の南北共同連絡事務所を一方的に爆破したことを巡り、同連絡事務所の「機能」は維持すべきとの立場を示した。

 連絡事務所は2018年4月の南北首脳会談での「板門店宣言」に基づき同年9月に開設され、韓国と北朝鮮がそれぞれ人員を派遣したが、昨年2月の米朝首脳会談が物別れに終わってからは南北の所長会議が途絶えるなどしていた。

 チョ氏は連絡事務所の韓国側人員に対する人事を計画しているかどうかについて、機能を維持する必要性などを考慮し、総合的に検討していく考えを示した。
(引用ここまで)


 南北共同連絡事務所が跡形残らないほどに爆破された後になっても、韓国側の対応は弱腰一辺倒。
 ムン・ジェインは「対北朝鮮のビラ散布を禁止できなかった……」って話をしている。
 安保関連の専門家すら「ビラ散布を禁止すれば光明が見える」とか話している。
 で、統一部からは「事務所は爆破されたがその機能は維持すべきだ」との意見が表明される。

 これはあれか?
 「僕はこの子に逆らうことが出来ない」「弱みを握られている……」ってヤツなの?
 そもそも、韓国側の人員が常駐できていたのは南北共同連絡事務所だけ。
 そこを破壊されてどうやって「機能を維持」するのやら。ホットラインが遮断されたのは首脳間のものだけで、他の南北間ホットラインは生きているとの話ですが。
 ホットラインだけあってもなぁ。

 開城は軍事境界線を隔てた向こう側。歩いてですら行ける距離。
 韓国からの行き来もしやすかったから、韓国側資本で工業団地が作られたり、連絡事務所が作られたりしていたわけです。
 キム・ヨジョンは開城にと指定こそしていませんが「南北軍事同意で撤退させた場所に朝鮮人民軍を駐屯させる」と宣言しています。まあ、おそらくは開城に駐屯させるのでしょう。
 韓国メディアからもそういった予測が出ています。100人規模の部隊が開城に入ったとの情報も出てますね。

「非武装地帯への再進出」予告した北朝鮮…開城・板門店の再武装進めるか(ハンギョレ)

 そして、開城工業団地からソウルの中心地や大統領府まではわずか50km。

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 北朝鮮で主力だった自走ロケット砲のBM-21やBM-14ではソウルを射程内に収めることはできませんでしたが、去年からさかんに発射実験を行っている大型、超大型多連装ロケットであればソウルはおろか、釜山ですら射程内。
 「ソウルを火の海に」というおなじみのフレーズがフェイクではなくなっている状態。
 ……そりゃまあ「韓国単独でも支援するからな!」ってくらいには弱腰にもなるか。