回顧録の中身として、米朝首脳会談をめぐる日本の否定的な態度や、米朝間の終戦宣言を安倍晋三首相が引き止めたという内容があると報じられたことで、韓国の与党やメディアは連日、ボルトン氏はもちろん、日本に対する激しい糾弾が続いているのだ。
「ネオコン・ボルトンの手管や日本の妨害によって、70年間の分断を終え、韓半島統一への歴史的転換となる千載一遇の機会が消えたという、実に嘆かわしい真実が残念だ」
「米国のネオコンと日本の主張は一致する。ネオコンや日本と手を組む(韓国内の)土着分断勢力が、韓半島の平和と繁栄を妨害する『三大分断勢力』であることが明らかになった」
朝鮮戦争70周年を翌日に控えた24日、韓国与党の共に民主党の最高委員会議で、金泰年(キム・テニョン)院内代表はボルトン氏と日本をこのように非難した。
さらに国会の外交統一委員長を務める宋永吉(ソン・ヨンギル)議員も21日、自身のフェイスブックで、こう怒りを爆発させた。
「日本は、韓半島の平和よりは政治的・軍事的対立と緊張が、韓国と北朝鮮の統一よりは分断が自分たちの利益と合致し、それのために初志一貫行動していることを、ボルトン元国家安全保障担当補佐官が書いた回顧録で改めて確認した」
「第2次世界大戦の敗戦国である日本が、韓国戦争(朝鮮戦争)で国家再建の基礎を築いたことからも、韓半島の平和が日本の利益と衝突することがわかる」
「ハノイでの北朝鮮と米国の会談の決裂を聞いて欣喜雀躍した日本、やはり韓半島の平和が不満なボルトンらの米国強硬派の画策が、ハノイ会談を破局に導いた」
日本批判の声はまだある。韓国外交通商部(外交部)付属の国策研究機関である「国立外交院」の金俊亨(キム・ジュンヒョン)院長は23日、あるラジオに出演し、「ボルトンもボルトンだが、(回顧録で)日本の実態がそのまま露呈された」と語った。
彼は「これだけではない。私は過去2年間ずっと話を聞いてきた。文在寅大統領が欧州を訪問したらすぐに日本がついてきては『親北朝鮮左派の話に気をつけよ』と言いまわるなど、(韓国に)付きまといながら仲違いしたほどだった」と、日本が文大統領の朝鮮半島平和外交に対して執拗な妨害活動をしてきたと指摘した。 (中略)
多くの韓国人、特に文在寅政権支持勢力は、朝鮮半島の平和に最も邪魔になる存在が日本と考えている。南北が統一を果たし、経済力や国際的地位の面で日本を超えることを日本が恐れ、南北の和解を妨害しているというのが彼らの主張だ。
今回のボルトンの回顧録の内容は、彼らに「自分たちの見解が決して間違っていない」という確信を与えただろう。韓国の保守系マスコミからは、ボルトンの回顧録によって米韓同盟が揺さぶられることを憂慮する見解が多いが、悪化の一途をたどっている日韓関係も、ボルトンの回顧録に少なからぬ影響を受けるものと見られる。
(引用ここまで)
韓国人には「日本は南北統一を阻止しようとしている。南北統一朝鮮の国力を恐れているからだ」という認識がありまして。どのくらい前からか、というのはまた要検証ですが。
少なくともソウルオリンピックの頃、すでにこんな話を耳にしていたと思います。
なんでだ、と言われましても。
韓国人はそう堅く信じているのですよ。「優秀な我々を分断させることで日本が上に居続けようとするためだ」……というような話を信じているのです。
例のマンガでもこんな描写がありますね。
逆にいうと、南北統一さえしてしまえば世界の一流国家になれるのだ、という妄想を抱いているのです。
で、その彼らの妄想をボルトンの回顧録が裏付けている、ということで「北朝鮮との交渉がうまくいっていないのは日本のせいだ」と大騒ぎになっているわけですね。
っていうか、北朝鮮の非核化が最大の目的であって、南北の交渉なんて二の次三の次。
非核化交渉のおまけでしかない。
これは日本だけでなくアメリカも同様。だからこそハノイは決裂したわけですよ。
そしてひとつ前のエントリで書いたように、国際社会も「非核化が先決」という認識で共通している。
独裁国家に大量破壊兵器を持たせたらろくなことにならないというのはシリアでもイラクでも証明されている。
いわんや北朝鮮をや。
実際にムン・ジェイン大統領が訪問したヨーロッパでも、ASEANでも同様に非核化が先決であると言われている。
その後、そんなムン・ジェインのヨーロッパでの扱いに憤激した韓国の国会議員がドイツの外交官に詰め寄ったら「北朝鮮を信じるとかバカじゃねえの」くらいの扱いを受けてましたっけね。
外交メンターのムン・ジョンイン曰く「ヨーロッパでのあの扱いは日本のロビー活動のせいだ」とのことですが。
まあ、このようにして韓国では「日本は南北統一を阻止しようとしているのだ」という妄想が今日も捗っているのです。
やれやれ。

