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カテゴリ:イ・ミョンバクの記事一覧

今年の韓国製「抹茶ラテ」は一味違う、もはや生物の生存すら許さない!

「緑茶ラテ」よりも緑化された洛東江(KBS/朝鮮語)
35度を超える猛暑が一ヶ月近く続いて慶南と釜山地域の水源である洛東江のアオコがますますひどくなり飲料水に赤信号が灯った。

アオコを取り除くと言って先週水門放流までしたが、むしろ下流区間では、アオコがより濃くなって実効性に疑問が大きくなっている。
毎年繰り返される現象であるが、今年はさらに深刻だ。洛東江の水を農業用水として使用している農民はもちろん、工業用水として使う企業も騒いでいる。

4大河川事業の後、川の流れと一緒に生命活動の流れも止まってしまい、魚も見えなくなっている。
猛暑が続き、洛東江一円を緑藻の猛威が襲っている。韓国水資源公社は16日、洛東江に設置された堰のうち、漆谷梁とカンジョン堰、達成堰、陜川堰、咸安堰など5ヶ所の堰を開いて水を放流した。
毎秒900tの水を13時間流して、総水量は3400万tであった。

これに加え、陜川(ハプチョン)ダムも水門を開いて、14日から5日間、こちらは合計900万tを放流した。
ダムと堰の水門を同時に開放してアオコを一気に下流に押し流すという計画だった。
しかし、放流翌日の17日に達成堰では、アオコの数が1万8000個とむしろ放流前に比べて3倍以上急増して水質予報「関心」段階が発令された。

陜川昌寧堰の場合、状況はより深刻で、8日にはアオコの数が1万5000個だったが、放流翌17日には16万4000個と約10倍以上に増加した。
この期間、猛暑が続いたうえ、上流地域の藍藻が放流とともに下流地域に流入したためと推定される。

水量が豊富であれば自浄作用でアオコが減りますが、水量が減少すれば、流速が遅くなり、これにより、停滞した水の中で、アオコが急増するからだ。
最終的にはアオコ現象が激しい洛東江の中上流地域でアオコを解消するために水を一度に流す、いわゆる「パルス放流」を実施して、状況を悪化させたということが環境団体や専門家の見解だ。

アオコが激しくなり、洛東江を生活の場として生きていく漁師たちは、緑の川で空の漁網をたくし上げることが日常になった。
洛東江の投網を投げ、漁網を収めて子供の学費と生活費をすべて払ってきた漁師たちの生活は、4大河川事業が終了した2012年から変わったという。
漁網や投網をいっぱいに満たした魚もますます減って今では一日に10匹捕らえることすら珍しい。これさえ河ヒラやブルーギルなどがほとんどで、病気にかかったようなものばかりで売ることもできないということである。

過去2013年の初めの4大河川事業が完了した3年後にはアオコが猛威をふるったために、生態全般に対する根本的な対策が用意されなければならないという声が高まっている。
洛東江のアオコ発生日数は、2013年に100日、2014年143日を記録したのに続き、昨年は一年の半分に近い171日ほど発生した。
先月末には大韓河川学会、マチャンジン環境運動連合など11の市民団体が参加した4大河川調査委員会が発表した洛東江の水質調査の結果を見ると、洛東江が重篤な病状であることが分かった。

表層は、生物化学的酸素要求量(BOD)2等級を維持していたが、水深が深いほど、4等級、5等級に落ちた。水深が6~7mになると、酸素がない無酸素状態に変わっていた。
調査委員会は、洛東江の8つの堰により流速が10~40倍ほど遅くなったことを理由に挙げた。流速が遅いために沈積物がたまり、汚染の原因が増えてアオコが急成長する環境が作られたのだ。
問題は、気候変動によって夏の異常高温がさらに激しくなることが予想されるという点である。このように、日常されて悪化の一途であるアオコを堰の一時放流や単純な浄水処理するだけでは解決できないということだ。

この際水門を全面開放するか長期的には限りなく水質議論を引き起こす4大河川事業が適切か否かの再議論をする先制的対応も切実に求められている。
(引用ここまで)

 リンク先には画像もありますが、いやこれはすごい。
 確かに「抹茶ラテを超えた」っていっても過言ではない。

 イ・ミョンバクの遺産のひとつとして、4大河川事業がたびたび挙げられますが。
 総投資額22兆ウォン。毎年の堰の管理費が4500億ウォン。公共事業としてはかなりの巨額。
 韓国の経済規模であればGDPを引き上げるのに充分な規模ですね。

 で、その余波で水資源公社はとんでもない負債を引き受けることになって、韓国でのユニバーサルスタジオ事業が頓挫したり、再協議したり、やっぱり頓挫したり。
 毎年毎年、アオコが大発生して「イ・ミョンバク謹製抹茶ラテ」といわれることになったり。ちなみにこちらが去年の様子

 まあ、「公共事業でGDPを押し上げる」というやりかたとしてはそれほど間違っていないとは思うのですが、後遺症が面白すぎましたね。
 韓国の春の訪れは道路陥没とともにはじまり、「ソメイヨシノは韓国起源!」でピークを迎えます。
 そして、夏の訪れは抹茶ラテの出現で、そのピークは生物絶滅ってところですか。

夏への扉
ロバート A ハインライン
早川書房
2013-05-24

 

あの「イ・ミョンバクの魚ロボット」を作った研究員に実刑、なんと殺人よりも重い量刑が……

韓国の「泳げない魚ロボット」の研究員に懲役刑=韓国ネット「希代の詐欺」「すべての元凶、李明博前大統領はどうなる?」(レコードチャイナ)
2016年8月5日、韓国・聯合ニュースなどによると、韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権下で進められた河川の水質検査用魚ロボットの開発に際し、業者らから莫大(ばくだい)な金額の賄賂を受け取っていた容疑で起訴された研究員に実刑が言い渡された。

韓国水原地裁は5日、収賄などの容疑で起訴された韓国生産技術研究院所属のユ研究員(54)に対し、懲役7年と罰金1億6000万ウォン(約1460万円)、追徴金1億ウォン(約910万円)の支払いを命じる有罪判決を言い渡した。
地裁は量刑理由として、ユ研究員が捜査の過程で虚偽の証拠をつくるなどし、誠実に業務に当たっている科学分野の研究員らの名誉を傷つけたと説明した。

ユ研究員は13年3月、魚ロボットを開発した2つの業者から1億ウォンの賄賂を受け取り、試作品を検収したように見せ掛け物品の代金9000万ウォン(約820万円)余りを受け取っていたとして起訴された。
(引用ここまで)

 イ・ミョンバク政権における、四大河川事業の中でも目玉だった水質検査のために投入される予定だった魚ロボット。
 当初のスペックでは巨大になりすぎて周囲の魚のストレスになるということで、1.5メートル級の魚ロボットを3機1チームで遊泳させる。
 相互に通信を行い、さまざまな検査の結果をリアルタイムで伝える。
 泳ぐ速度は時速9kmほどで、必要に応じて川を遡り検査地点に自律的に向かうことができる。
 いわばIT強国である韓国ならではこその水質検査ロボットだったのです。

 まあ、すべて達成できなかったのですが。

 最大通信距離は50m。川の中央にいたら川岸に届かない。
 相互に通信できるかどうか、稼働できたロボットが1機だけだったので不明。
 要求スペックは時速9kmだったのだけども、実際には時速0.8kmで川流れする。

 魚ロボットを開発できなかった研究員に懲役7年の実刑。
 全体的に刑罰の軽い韓国において、かなりの重い量刑です。

 以前、「日本統治時代はよい時代だった」と語った95歳の老人が撲殺されるという事件がありましたが。
 酒を飲んでいて心神耗弱が認められたので懲役5年の実刑でした。

 人を殺すよりも重い刑罰が科せられた、というわけですね。
 大統領のメンツを潰す、ということに対してこういった判決が出る……という一例でした。


 

韓国に夏の訪れ:イ・ミョンバクの4大河川が抹茶ラテと化す

[フォト]夏が来るとアオコで覆われる洛東江(ハンギョレ)
[フォト] アオコで覆われた漢江…悪臭に魚も斃死(ハンギョレ)
大邱(テグ)広域市達城(タルソン)郡の船着き場前の洛東江(ナクトンガン)に18日午前、アオコが広がっている。韓国水資源公社のモーターボートがアオコをかき乱すために水面を旋回している。いくら見ていても川の水は死んだように止まっている。心配な目つきで船着き場に現れた住民のキム・ソクトンさん(60)は「4大河川工事が始まる前はこんな光景を見たことがない。水門を少し開けたところでどうにもならない。流れてこそ川であって、あれはいったいなんのマネだ」と不愉快な表情をした。
(引用ここまで)

macchalatte

 画像もハンギョレから。
 ソウルでもテグでも同様にアオコの爆発的繁殖で抹茶ラテが作られます。

 韓国の春の訪れは道路陥没と一緒にはじまって、夏の訪れは河川が抹茶ラテと化すことからはじまるのです。
 ちなみにこの抹茶ラテを作るのに2兆円ほどかかっています。
 イ・ミョンバクワールドに飾られるべき遺産のひとつとして挙げられているアレです。

 韓国では季語として抹茶ラテを採用してもいいんじゃないでしょうかね。俳句ないけど。



資源外交:韓国国会による国政調査、いつものように政争の具となって終了。それでも捜査は……

李明博政権の海外資源開発、聴聞会ないまま国政調査終了(朝鮮日報)
【社説】予想通りの結末に終わった資源外交国政調査(朝鮮日報)

 李明博政権などで行われたずさんな海外資源開発について調べる国政調査特別委員会が、聴聞会などを一度も開催することなく事実上終了する見通しとなった。委員長を務める野党・新政治民主連合のノ・ヨンミン議員と与野党の幹事は1日午前、国会議員会館で会合を持ち、委員会の活動期間を25日間延長する問題について協議を行ったが、合意には至らなかった。聴聞会に証人を立てるには、最低でも聴聞会が開かれる7日前に出席を求める文書を送付しなければならないが、委員会の活動期限は今月7日までとなっているため、この期限が延長されない限り、聴聞会の開催は事実上不可能だ。

 会合で新政治民主連合幹事の洪容杓(ホン・ヨンピョ)議員は、李明博(イ・ミョンバク)元大統領、李相得(イ・サンドゥク)元議員、チェ・ギョンファン元経済副総理、朴永俊(パク・ヨンジュン)元知識経済部(省に相当、以下同じ)次官、尹相直(ユン・サンジク)元産業通商資源部長官の5人を聴聞会の証人として採択するよう強く要求した。これに対して与党セヌリ党幹事の権性東(クォン・ソンドン)議員は「元閣僚たちはすでに常任委員会などに出席して答弁を行っており、また李明博前大統領らにあらためて尋ねることもない。(野党の要求は)ただ恥をかかせるためだけの政治攻勢だ」などとして拒否した。洪議員はまた国政調査の期間を25日間延長することも提案したが、これに対しても権議員は「無意味」として拒否した。与野党は当初、先月31日と今月1日、3日、7日に聴聞会を開催することでいったんは合意したが、証人の採択では合意に至らなかったため、聴聞会は一度も開催できなかった。
(引用ここまで)

 与野党が国政調査を行うことで合意したのは昨年末。これは李明博政権で行われた30兆ウォン(現在のレートで約3兆3000億円)規模の海外資源開発投資の多くが、非常にずさんなものだったとの指摘が相次いだことによるものだった。野党は「資源開発の失敗は前政権による不正が原因」との理由で、国政調査の実施を強く求め合意にこぎ着けた。ただ合意に至った時点で、国政調査を行う時期やその実効性、あるいは妥当性などについて政界などからさまざまな疑問の声が上がったのも事実だ。「世界の資源産業は原油など資源価格の下落で多くが難しくなっている」「資源開発への投資は数十年先を見越して行うべきものだが、(短期間の国政調査で)その是非を判断してよいのか」「資源価格が下落している今、世界各国が新たな鉱区の確保に乗り出しているが、韓国は(国政調査を行うことで)これに逆行している」など、ありとあらゆる指摘が相次いだ。

 資源開発の分野で後発国である韓国が軽々しく世界的な競争に参入し、結局は失敗に終わったとされている。だとすれば、国会が前政権による資源外交政策の立案、決定、推進のプロセスを一度じっくりと点検し、無理に推し進められた部分や、あるいは今後教訓とすべき点などがないか見極めることは非常に有意義だ。銀行口座を追跡する権限を持つ検察が実際に捜査を行っているため、もし実際に何らかの不正があったのであれば、近いうちに間違いなく解明されることだろう。ところが野党は3カ月以上にわたる国政調査の期間中、政府機関による虚偽の報告や不当な海外視察など、前政権の不正疑惑ばかりを追及しようとした。しかし野党はこれらの疑惑に対する明確な証拠は何一つ提示できなかった。

 次に野党は李明博(イ・ミョンバク)元大統領やチェ・ギョンファン経済副総理らの聴聞会出席を求めたが、これに対抗するため与党も「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権による資源外交についても調査を行うべきだ」と主張し、当時の大統領府秘書室長だった新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表や、閣僚を歴任した丁世均(チョン・セギュン)議員らの証人採択を求めて野党に反撃した。このような泥仕合の結果、今回の国政調査も最終的にはこれまで国民が何度も繰り返し目の当たりにしてきたのと同じ結末を迎えたわけだ。要するに今回も最初から真相解明など口だけで、相手に対する攻撃やイメージダウンが目的の国政調査だったと言わざるを得ない結果となったのだ。

 国政調査制度が復活した1988年から昨年まで、国会が行った87件の国政調査のうち、85%に当たる74件は今回のように1枚の報告書も提出されないまま終わっている。
(引用ここまで)

 まあ、与野党紛争の種として扱われていたのは最初から分かっていたことですね。
 「資源外交」について調査をするのであればイ・ミョンバク時代のものだけではなく、ノ・ムヒョン時代のものにも手を出せって話は当然ですが。
 それだと民主党側にもダメージが行くので拒絶。
 なんだかんだで、成果ゼロ。

 っていうか、ノ・ムヒョン時代の資源外交も調査しろっていう話自体は最初から出てたことなのですが。
 でもまぁ、これで資源外交が根本として持っていた怪しさがクローズアップされたというのは確かなことなのですよね。
 ハンギョレが中心になって「これおかしいだろ」って話はずいぶん出ましたし。詳しくはカテゴリの資源外交をごらんください。

 韓国の国会ていどでなにかができるとはあまり期待していませんでしたが、まあ案の定。
 政争の具とされただけで、実際の成果はゼロでした。
 ただし、すでに警察による捜査も着手済み
 なので、国政調査自体はグダグダで終わってもよいのかなーと個人的には思います。


イ・ミョンバクの回顧録「大統領の時間」が機密漏洩の疑い、出るか伝家の宝刀?

【社説】国政乱脈これほど深刻なのに、前・現職大統領が争う時か=韓国(中央日報)
李明博前大統領回顧録に公務上秘密漏洩の疑い(ハンギョレ)
チョン所長は「李前大統領は秘密記録物をすべて指定記録物に指定しているが、大統領指定記録物には秘密記録物と秘密でない記録物が混ざっているため、指定記録物を閲覧する人も秘密取り扱い認可権者でなければならない」と付け加えた。また「退任して2年しかならない前職大統領が秘密に該当すると見られる懸案をあちこちで直接引用して書いたのは非常に不適切だ」とした。敏感な事案を素材にした首脳間の非公開対話などは合意の下で公開したり、秘密にして30年後に公開する場合が多いためだ。

 こうした内容は当時公開の場で確認され広く知られた内容でもないため、公務上秘密漏洩に当たるという指摘もある。ある検察関係者は「事案が発生した当時の議事録や談話などを通して公開された事実を除き知らされなかった内容は、当時も退任した今も公務上秘密に該当する。これを回顧録に書いた行為は公務上秘密漏洩」と話した。参与政府(盧武鉉政権)で大統領府記録管理を担当したイ・ヨンナム韓神大学教授も「大統領の職務上で得た秘密を本に書けば刑法の公務上秘密漏洩罪の他、大統領記録物管理法違反や公共記録物管理法の秘密漏洩に該当することもある」とした。

 今回の事案が捜査対象になる場合、回顧録内容に大統領記録物が具体的にどう反映されたのか、そうした内容が別途の秘密記録物と指定されたり事実上の秘密とみなすことができるのかが争点になるものと思われる。キム・ドゥウ元首席はこの重大な課題に対し「法違反事項がないよう執筆作業をしたと考える」と話した。
(引用ここまで)

 イ・ミョンバクとパク・クネは一応、同じ与党であるセヌリ党所属。なのでこれは党内での諍いのはずなのですけどね。
 3年目になろうとするところですでにスーパーレイムダックとなったパク・クネを「水に落ちた犬」と認定したからこそ、こういった回顧録を書いて逆転しようと考えているのでしょう。
 すでに党内の主なポストは反パク・クネ派は掌握しているということも影響しているようです。

 このままパク・クネがスーパーレイムダックからスーパーレイムダック2に進化したら、来年の春に予定されている総選挙でも大敗は見えていますから。
 それまでに「大統領はああだけども、国会議員は違いますからね」という実績を作っておきたいのでしょう。

 そのあたりのパワーゲームの結果として生まれたのが、この『大統領の時間』ということですかね。
 今月からはイ・ミョンバクの資源外交に関して国政調査が入ることも決定しているので、それに対しての予防線もあるのではないかと思われます。

 で、その回顧録で暴露されている中味が機密漏洩罪に当たるのではないかという話題が出てると。
 まあ、「北朝鮮の使者が4人来て、南北会談を断ったら全員帰国後に殺された」とか、「アメリカに『通貨スワップ協定してくれなかったら米国債売ったるで』って言ったった」だのバンバン書いてたらそりゃ機密漏洩にもなりますわ。

 以前に「パク・クネがなにも分かっちゃいないから必要なんだ」って元大統領府広報主席秘書官が言っていましたが。
 そんな風に強気に出ていた広報主席が「法令違反がないと思う」みたいな弱気なのも面白いところ。
 もしかしたら伝家の宝刀が出るかもしれませんね。
 「行為は法律違反かもしれないが、その思想は正しい」っていう、遵法意識の欠片もないアレ。
 しかも自己申告式の。 



イ・ミョンバクが回顧録『大統領の時間』をこの時期に出版した理由とは?

[社説]自画自賛と責任転嫁満載の李明博回顧録(ハンギョレ)
李明博前大統領、南北秘事を公開…「回顧録政治」という批判も(中央日報)

 李明博前大統領の回顧録は予想通り自画自賛と詭弁を貫き、自己弁明と強引な屁理屈、責任転嫁でぎっしり埋まっている。在任期間についての謙虚な反省や心残りの表現はかけらほどもなく「私は全てうまく行った」という高慢ぶりで一貫している。自叙伝が結局は一人の人間の全体像を表すとすれば、今回の回顧録ははったりと偽善を生涯の武器として出世街道を駆け抜けてきた彼の人生を皮肉にもよく表しているわけだ。

 李前大統領が4大河川事業について「金融危機を他の国よりはやく克服するのに重要な役割をした」と主張しているくだりからして失笑を禁じえない。4大河川事業が無分別な財政浪費事業の典型で、22兆ウォン(約2兆4000億円)にも及ぶ額を他のものに使ったら市民経済にとってはるかに役立ったろうというのは、国会予算政策処や各種研究機関の共通した判断である。金融危機の後われわれ(韓国)の経済の成長潜在力をそいで、景気に対する適応力を弱めた主犯が4大河川事業であることを考えると李前大統領の主張は典型的な強引な屁理屈である。

 税金を浪費しただけで失敗に終わった資源外交に対する弁明も国民の忍耐心を刺激する話である。李前大統領は「退任から2年もならないときに資源外交を評価して問題提起するのは、井戸の周囲でこげ湯を探す(重箱の隅をつつく)ようなもの」と話したが、天文学的な金額を注ぎ込んだ数多くの事業のうち相当数がすでに「井戸閉鎖」の整理段階になっている。

 公共企業が抱えることになった途方もない借金を国民の税金で処理せねばならないなか李前大統領の資源外交の自慢は実に厚顔無恥である。海外資源開発の総括を国務総理室が担ったと主張しているのも典型的な「人のせい」にする歪曲である。李政権の5年間で大統領が締結した資源外交了解の覚書が24件、実兄のイ・サンドク議員が11件にもなる反面で、総理はわずか4件に過ぎなかった。在任中も同様だったが、手柄話は自分のおかげでミスはひとのせいにする彼の性分は相変わらずである。
(引用ここまで)

大統領の時間
 ハンギョレはイ・ミョンバクと政治的立場を異にしているので、かなりきつい口調で吊し上げていますが、その他の韓国マスコミも、イ・ミョンバクの自伝出版をけっこう困惑気味に受け止めています。
 まあ、実際にこの『大統領の時間』はイ・ミョンバク政権時代の資源外交に対して国政調査を行おうとしているパク・クネ政権への圧力として出版されたものでしょう。

 けっこう上を下への大騒ぎになっていて、現在の大統領府が遺憾の意を公式にアナウンスするくらいのものになっています。
 で、それを受けて我が意を得たりとばかりに当時の側近が「パク・クネ政権はなにも分かっちゃいないんだからしょうがない」みたいなコメントを出すのも当初の予定通りといったところでしょうかね。

 で、さらに2年後にこの『大統領の時間』の続編を出すことを決めているそうですよ。
 韓国での関連ニュースをざっと読んでいたときなので、そのニュースのURLが見つからないのですが。
 2年後といったらパク・クネ政権の最後の年。
 すなわち、スーパーレイムダックと化している頃ですね。 

 今回の第1弾だけでもこれだけの大騒ぎになっているのに、スーパーレイムダックと化しているであろうパク・クネに対して「弾はもう一発あるんやでー」と圧力をかけているという見方もできるでしょう。ちなみに大阪出身なので関西弁にしておきました。
 駆け引きとしては面白いですかね。

 さらにさらに。
 アメリカと台湾と中国ですでに翻訳版の出版が決まっているとのこと。
 ……やっぱり日本は無理か。 ま、英語版が出ればそっちを読みますか。


 

イ・ミョンバクが回顧録出版、「慰安婦問題は野田政権で解決寸前だった……」と述懐、それは本当かな?

韓国:李前大統領回顧録「慰安婦問題解決は9合目越え…」(毎日新聞)
慰安婦問題 日本首相の謝罪で合意していた=韓国前大統領(聯合ニュース)
 韓国の李明博(イ・ミョンバク)前大統領が2月に出版する予定の回顧録で、従軍慰安婦問題について、2012年11月の日韓首脳会談で最終的に解決することで合意していたが、会談数日前に野田佳彦首相(当時)が衆院を解散したため合意できなかったと明らかにしていることが分かった。水面下の協議は李前大統領の側近と、斎藤勁官房副長官(同)が行い、「慰安婦問題の解決は9合目を越えていた」という。合意事項は、(1)野田首相が元慰安婦に謝罪の手紙を送る(2)日本政府の予算で元慰安婦に補償をする--との内容だったとしている。

 野田前首相は昨年1月、毎日新聞のインタビューで、斎藤氏の韓国側への提案について「僕が認めて、これでやれといった話ではない」と述べ、合意直前だったとの報道を否定している。

 李前大統領は回顧録で、12年8月の竹島(韓国名・独島)上陸について、上陸の4日前に青瓦台(大統領府)で開いた会議で、「上陸すれば竹島が紛争地域との印象を与えてマイナスだ」との意見も出たが、「静かな外交はこれ以上意味がない」と考え、決行したと記述。就任前から大統領任期中に行くべきだと考えており、11年8月にも上陸を検討したが悪天候で延期したという。

 天皇陛下への謝罪要求発言に関しては、日韓のメディアが李前大統領の意図を曲解して報道したと批判。天皇陛下が12年12月、別所浩郎駐韓大使を通じ、「日韓相互の友好関係が深まることを望む」との立場を李前大統領に伝達してきており、天皇陛下との間では誤解はない、と受け止めたという。
(引用ここまで)
大統領の時間


 韓国では「野田政権では慰安婦問題が解決寸前まで行っていた」という話がまことしやかに語られていまして。
 それが2012年の11月で解決される予定であったという話が出ています。
 正直、ありえない話だと思いますね。

 イ・ミョンバクによる「天皇謝罪要求」があった後。
 日本人から韓国への容赦が一切なくなったあとのことです。
 もし、本当にこの「解決案」が政府から出されていたら、民主党本部が焼き討ちされていても不思議がないレベル。下手をしたら野田が刺されるくらいの事件があったかもしれません。
 鳩山や菅であればともかく、民主党の中では現実派だった野田がこれを推進していたとはちょっと思えませんね。

 実際、日経新聞のインタビューで野田はこの話を否定しています
 官僚レベルでは提案があったのかもしれませんが、そんなもんは知ったこっちゃない。 

 で、なんでそんな話が行き交っているのかという話ですが。
 韓国では安倍政権を悪であると認定しているので、その前の政権である野田政権は無条件に善なのです。
 ……いや、ホント。
 イ・ミョンバクの竹島上陸と天皇謝罪要求、そしてそれに続く親書突っ返しで日韓関係は修復不可能なレベルに瓦解しましたが、それが野田政権相手に行われたことを忘れているのですよ。
 彼らは記憶の上書きならお手の物なので。

 その善である野田政権は慰安婦問題を解決しようとしたのだけども、悪である安倍政権によって追われてしまったというのが韓国にある図式。
  韓国の中では理解されやすい図式なのですよね。

 それと「天皇陛下との間では誤解はない」って受け止めているそうですわ。誤解……ねぇ。
 ま、イ・ミョンバクと日本国民の間には誤解はまったくないと思いますよ。日韓関係を一気に30年は進めてくれた功労者ですからね。 
 楽韓Web的に勲章を差し上げたいほどです。

 この回顧録は読んでみたいけどなー。


 

韓国経済:4兆円をばらまいた資源外交、成果もないままさらに3兆円以上の追加投資が必要に

李明博政権がばらまいた約4兆円の資源開発、採算ないまま巨額の追加投資(ハンギョレ)
 新政治民主連合の「MB(李明博)政権国富流出資源外交真相調査委員会」(真相調査委)委員であるホン・ヨンピョ議員は11日、韓国石油公社・韓国ガス公社・鉱物資源公社から提出させた資料を基に「MB政権時期に決定された海外資源開発事業に、2018年までに31兆ウォン以上の追加投資が必要なことが分かった」と明らかにした。 真相調査委は2008~2012年に李明博政権で石油公社など3社の公企業と民間企業(政府支援)が388事業に5年間で40兆8000億ウォンを投資し、ここから回収された金額は5兆3900億ウォン(2014年6月基準)水準であると把握した。通常、公企業が海外資源開発を検討する時に内部利益率(IRR)が10%以上になるという展望が出てきてこそ投資を決めるが、種々の変数を考慮しても当初予想に大幅に至らない数値という評価が出ている。

 李明博政権が断行した海外投資の資金は、すでに投入された41兆ウォンに追加投資分31兆ウォンを合わせて72兆ウォンに達するという計算が出ている。 追加投資が必要な事業は、最近不良論議が起こっているカナダの油田開発企業であるハーベスト(2兆8000余億ウォン)やイラクのチュバイル油田開発事業(3兆ウォン)などだ。 企業別に見れば、石油公社が今後5年間に15兆ウォンの追加投資が必要で、ガス公社(14兆ウォン)・鉱物公社(1兆5000億ウォン)も追加投資が必要なことが分かった。 追加投資は開発施設の建設費や運営費、持分保有にともなう義務納付にかかる資金だ。

 野党が李明博政権の海外資源開発事業を問題視するのは、短期的政治功績に汲々として“問答無用の投資”をした疑いがあり、これに伴う莫大な損失が予想されるという判断のためだ。 李明博政権時期に資源に投資された金額は、1977年から韓国が推進した海外資源開発の総投資額(57兆ウォン)の70%を越える。 政府自らの評価でも、李明博政権が自主開発率(海外で直接開発した資源生産量を国内消費量で割った比率。 エネルギー自立度を示す指標)の引き上げだけに集中し、問答無用の投資をしたのではないかとの指摘が出ている。
(引用ここまで)

 定期的なウォッチ対象としている資源外交ネタ。
 これも野党側にシンパシーのあるハンギョレが多く報じていますね。

 これまでに使われた予算が41兆ウォン。
 回収できた金額が5兆3900億ウォン。
 これから採掘等に必要になるとも言われているのが31兆ウォン。
 72兆ウォン。日本円で7兆6000億円。

 韓国の国家予算が約355兆ウォン。その1/5にあたる金額を費やして、見返りがいまのところ5000億円ほど。
 ふむ。

 記事中にあるイラクのチュバイル油田は北部のクルド人自治区にあるものとは異なり、そこそこ原油が出ているらしいのですが。
 いつだったか見たかぎりでは1億ドルほどの原油を買い入れることができた……くらいのものだったような。記事中には現状でどれくらいのバックがあったのかは書かれていないのですが。
 その100億円規模の原油を出したにすぎない油井に3兆ウォンの追加投資が必要。

 すでに使われた資源外交予算が 41兆ウォン。
 追加費用で必要とされるのが31兆ウォン。
 4大河川整備事業で22兆ウォン
 資源外交と4大河川整備事業で94兆ウォン。
 どこまで行ったら満足なんですかねぇ。

 これらの事業で「お腹いっぱい」になった人間も多いのでしょうね。
 カメルーンのダイヤモンド鉱山でインサイダー取引してい人物だけじゃなく。ちなみにこの人物は別件で勲章をもらうほどの人物だったりします。

 イ・ミョンバクの負の遺産のひとつですが、果たしてまともな遺産はあったのかどうか。
 いやだからって相続放棄ができるようなもんでもないですしねー。