今年もノーベル賞発表のシーズンが韓国の人たちには虚しく過ぎていった。この数年間は受賞候補者に挙がった韓国人がいて興味を引いたが、今年はそれさえもなく終わった。韓国は経済力では世界10位圏であり、最近はKカルチャーを通じて文化的にも認められる国になったが、どうして世界30カ国以上が輩出しているノーベル科学賞をまだ受賞できないのか国民は疑問を抱くかもしれない。(中略)結局、適当な候補がまだいないということだった。 (中略)rb
韓国は科学技術への投資にも積極的だが、なぜ基礎科学分野でノーベル賞を受けるほどの業績を出した人がいないのか。筆者が見るに、最も大きな要因は韓国が基礎科学を支援した歴史が浅い点と考えられる。(中略)例えば日本の代表的な基礎科学研究所でノーベル科学賞受賞者を多数輩出した理化学研究所(RIKEN)は1917年に設立されたが、韓国の基礎科学研究院(IBS)は2011年に設立され、1世紀近く遅れた。 (中略)
科学先進国は基礎科学研究に「支援するが干渉しない」という原則を徹底的に守っていて、こうした政策がノーベル科学賞受賞という業績を生み出す。果たして韓国政府と国会がこうしたレベルに達するまで何年かかるだろうか。また今の政府が研究課題管理を追撃型から先導型に変える真の研究・開発(R&D)革新のためにどれほどの努力しているのかが気になる。
(引用ここまで)
さて、ノーベルウィークも終了しまして、韓国では後夜祭ともいえる反省会が繰り広げられています。
「なぜ韓国ではノーベル科学賞が取れないのだ」
「基礎科学を重視してこなかったからだ」
「ノーベル賞は30年前の業績に与えられている。韓国はまだ基礎研究をしていなかったので取れないのだ」
いつもの3段オチを書いているわけですが。
その基礎科学の礎とされている韓国の基礎科学研究院(IBS)はムン・ジェイン政権でずたずたにされています。
韓国で順調に成果を出していた基礎科学研究院が政権が変わっただけで日陰者扱いに……その背景とは?(楽韓Web過去エントリ)
なぜかというと、IBSはイ・ミョンバク政権の公約だったから。
ムン・ジェインは親の敵とばかりにイ・ミョンバクを敵視しています。
イ・ミョンバクがムン政権時代に逮捕、収監されたのは偶然でもなんでもなく、師匠筋であるノ・ムヒョンが亡くなる原因となったイ・ミョンバクへの復讐です。
IBSの重イオン加速器も2017年には稼働予定だったものが、こうしてぐだぐだになった結果、いまだに部分稼働しかしていないわけです。
韓国の重イオン加速器、ようやく一部が稼働へ……新元素「コリアニウム」を見つけるために(楽韓Web過去エントリ)
ある政権が「基礎科学を重視しよう」という政策を打ち出しても、その後の政権が「あの大統領がやった政策は全部ちゃぶ台返しな」って覆しちゃう。
易姓革命で「不正の総合セット」よばわりされて、なにもかも「はい、最初からやり直し」になってしまう。
もちろん、研究成果がすべてゼロになるというわけではないですから、賽の河原よりはなんぼかマシでしょうけどね。
でもまあ、国からの支援があったり、ゼロになったりは相当に厳しいといえるんじゃないでしょうか。
あと「ノーベル科学賞」なんてものはない。自然科学部門って言いたいんでしょうけどね。
あまりにもなじみがなさ過ぎて言葉も間違ってしまうわけです。
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