韓悳洙(ハン・ドクス)権限代行に対する追加弾劾の動きについて、米国をはじめとする友好国もこの問題を鋭意注視していることが分かりました。とりわけ米国は韓悳洙・代行体制を後押しし、外交安全保障日程の正常化をすでに進めているため、追加の弾劾が行われれば国際社会の信頼を失うなどとさまざまな形で懸念を伝えているようです。 (中略)
きのう(23日)野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表と会談したフィリップ・ゴールドバーグ駐韓米国大使が「韓悳洙・権限代行」に言及しました。
ゴールドバーグ/駐韓米国大使「(両国が共有する目標を韓悳洙)権限代行、そして韓国政府と共に今後も優先して推進するでしょう」 (中略)
ところがやっと落ち着きを取り戻すかに見えた韓米協力体制が追加弾劾で再び混乱に陥るとの懸念が浮上しています。
韓国政府関係者は「権限代行体制が揺らいでしまえば、韓国経済に対する国際社会の信頼は完全に崩壊しかねない」と懸念を示しました。
(引用ここまで)
大統領代理を務めているハン・ドクス国務総理(首相)への弾劾訴追案について、野党・共に民主党は発議を26日まで遅らせると発表しました。
なんだかんだで弾劾連発に非難が出ていることに気がついた模様ですね。
戒厳令発令は国政を混乱させたのですが、弾劾を連発しようとしているお前らも国政を混乱させてるよな、って声が出ているのですね。さすがに。
で、記事によるとアメリカ側も発言自体はマイルドなのですが、「内政混乱させるのも大概にしておけよ」ってコメントが出ています。
GSOMIA破棄宣言の頃を思い出しますね。
あの時は「外交的に許されるかぎり」の制約はありましたが、あらんばかりの罵詈雑言の羅列で驚かされたものですが。
まあ、さすがに内政干渉になるので今回はだいぶマイルド。
でも駐留基地を持っている立場からしたら、本当にいい加減にしてくれってのは紛うことなき本音でしょうね。
実際、中国では「北朝鮮の挑発ではなく、韓国側から戦争を起こすのではないか」との懸念が11月頃からあったそうですし、ロッテリアで戒厳令の打ち合わせをしていた元情報司令官は「北朝鮮を挑発していた」との自白をしていたようです。
中国は「尹錫悦の戦争」を懸念していた(ハンギョレ)
戒厳令出すため北朝鮮を挑発か 韓国野党、尹大統領らを追及(共同通信)
思い返してみれば、10月には韓国製ドローンによるビラ撒き作戦とかもありました。
北朝鮮当局が「これが我々の領土に侵入してきた韓国軍の無人機だ」と画像を公開……これはさすがに韓国も言い訳できないレベル(楽韓Web過去エントリ)
当時、「北朝鮮の欺瞞かと思ったのだけども、ドローン自体は完全に韓国製のそれだなぁ……」と韓国側の目的がいまひとつ理解できずにいました。
楽韓さんも首をひねっていたことが過去エントリを見てもらえれば分かると思います。
当該エントリのコメント(一番後ろ)に「ユンが戒厳令発令を狙ったのでは」って書きこみがあってちょっとぞっとした次第。
当時見てたら「なにを寝言を……陰謀論ですか?」くらいに扱いそうだなぁ。
あれが今回の戒厳令発令までのステップであったと考えると、物事に一貫性が出てきてしまうのですね。
「政局打破のために北朝鮮との戦争の可能性を模索していた」とすると、北朝鮮への嫌がらせで挑発行為のエスカレーションを狙っていたわけですから。
ただ、北朝鮮が挑発に乗らずに砲撃等はせず、静観していたために誤算が生じて戒厳令発令に至った……と。
事実は小説より奇なり、とはよく言ったもんです。
ロッテリアで現職と前職の軍高官が戒厳令発令の打ち合わせしていたとか、事前のドローンによる挑発はエスカレーションを狙っていたものだとか、小説で書いたら「いや、もうちょっとプロットの段階で情報の秘匿とかをもっと考えろよ」ってなりますわ。
全貌が出てきたらまた驚くような話がいくつもあるんでしょうね。
どちらかというと「呆れたわ……」ってなるような方向で。
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