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カテゴリ:軍事の記事一覧

韓国による北朝鮮へのドローン騒ぎは「軍事挑発で戦争を起こす」ためのステップだった? 北朝鮮が挑発に乗らなかったために一方的な戒厳令発令になった模様

大統領職を代行する韓悳洙首相、米国が事実上後押ししているのに弾劾されたら「国際社会の信頼は完全崩壊」(朝鮮日報)
韓悳洙(ハン・ドクス)権限代行に対する追加弾劾の動きについて、米国をはじめとする友好国もこの問題を鋭意注視していることが分かりました。とりわけ米国は韓悳洙・代行体制を後押しし、外交安全保障日程の正常化をすでに進めているため、追加の弾劾が行われれば国際社会の信頼を失うなどとさまざまな形で懸念を伝えているようです。 (中略)

 きのう(23日)野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表と会談したフィリップ・ゴールドバーグ駐韓米国大使が「韓悳洙・権限代行」に言及しました。

 ゴールドバーグ/駐韓米国大使「(両国が共有する目標を韓悳洙)権限代行、そして韓国政府と共に今後も優先して推進するでしょう」 (中略)

 ところがやっと落ち着きを取り戻すかに見えた韓米協力体制が追加弾劾で再び混乱に陥るとの懸念が浮上しています。

 韓国政府関係者は「権限代行体制が揺らいでしまえば、韓国経済に対する国際社会の信頼は完全に崩壊しかねない」と懸念を示しました。
(引用ここまで)


 大統領代理を務めているハン・ドクス国務総理(首相)への弾劾訴追案について、野党・共に民主党は発議を26日まで遅らせると発表しました。
 なんだかんだで弾劾連発に非難が出ていることに気がついた模様ですね。
 戒厳令発令は国政を混乱させたのですが、弾劾を連発しようとしているお前らも国政を混乱させてるよな、って声が出ているのですね。さすがに。

 で、記事によるとアメリカ側も発言自体はマイルドなのですが、「内政混乱させるのも大概にしておけよ」ってコメントが出ています。
 GSOMIA破棄宣言の頃を思い出しますね。
 あの時は「外交的に許されるかぎり」の制約はありましたが、あらんばかりの罵詈雑言の羅列で驚かされたものですが。
 まあ、さすがに内政干渉になるので今回はだいぶマイルド。


 でも駐留基地を持っている立場からしたら、本当にいい加減にしてくれってのは紛うことなき本音でしょうね。
 実際、中国では「北朝鮮の挑発ではなく、韓国側から戦争を起こすのではないか」との懸念が11月頃からあったそうですし、ロッテリアで戒厳令の打ち合わせをしていた元情報司令官は「北朝鮮を挑発していた」との自白をしていたようです。

中国は「尹錫悦の戦争」を懸念していた(ハンギョレ)
戒厳令出すため北朝鮮を挑発か 韓国野党、尹大統領らを追及(共同通信)

 思い返してみれば、10月には韓国製ドローンによるビラ撒き作戦とかもありました。

北朝鮮当局が「これが我々の領土に侵入してきた韓国軍の無人機だ」と画像を公開……これはさすがに韓国も言い訳できないレベル(楽韓Web過去エントリ)

 当時、「北朝鮮の欺瞞かと思ったのだけども、ドローン自体は完全に韓国製のそれだなぁ……」と韓国側の目的がいまひとつ理解できずにいました。
 楽韓さんも首をひねっていたことが過去エントリを見てもらえれば分かると思います。
 当該エントリのコメント(一番後ろ)に「ユンが戒厳令発令を狙ったのでは」って書きこみがあってちょっとぞっとした次第。
 当時見てたら「なにを寝言を……陰謀論ですか?」くらいに扱いそうだなぁ。

 あれが今回の戒厳令発令までのステップであったと考えると、物事に一貫性が出てきてしまうのですね。
 「政局打破のために北朝鮮との戦争の可能性を模索していた」とすると、北朝鮮への嫌がらせで挑発行為のエスカレーションを狙っていたわけですから。
 ただ、北朝鮮が挑発に乗らずに砲撃等はせず、静観していたために誤算が生じて戒厳令発令に至った……と。

 事実は小説より奇なり、とはよく言ったもんです。
 ロッテリアで現職と前職の軍高官が戒厳令発令の打ち合わせしていたとか、事前のドローンによる挑発はエスカレーションを狙っていたものだとか、小説で書いたら「いや、もうちょっとプロットの段階で情報の秘匿とかをもっと考えろよ」ってなりますわ。

 全貌が出てきたらまた驚くような話がいくつもあるんでしょうね。
 どちらかというと「呆れたわ……」ってなるような方向で。

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ユン政権下で凍結されいた韓国独自の空母、原潜計画はイ・ジェミョン政権で復活するのか。KF-21の艦載機化計画は?

軍の大型輸送艦を「軽空母」に改造してはどうか(ソウル経済・朝鮮語)
韓国は2020年8月、文在寅(政府)で軽空母(3万トン級)の導入を電撃宣言し、スピードを出し始めた。 当時、国防部は「2021〜2025年国防中期計画」を発表し、軽空母確保事業推進を初めて公開し、2033年までに約2兆6000億ウォンを投入して3万トン級軽空母を国内研究開発で設計·建造するという計画を明らかにした。

軽空母推進の背景として莫大な建造と運用費用を節減できるよう、一般的な正規空母より大きさと排水量は減らすものの、最先端の戦闘能力を備え、効率的な空母導入を通じて海軍戦力を増強するという目標を提示した。

しかし、2023年12月に国防部が発表した「2024〜2028年国防中期計画」によると、軽空母事業予算案は「0ウォン」だ。 国防中期計画に予算を一銭も反映していないのだ。 これに対して国防部は現在進行中の研究用役結果を土台に追加議論を通じて事業方向を決めるという立場を出した。

研究用役の結果は年末に出る。 核心は国内技術で開発中の「KF21」を艦載機型に改造した「KF21N」の軽空母搭載可否と莫大な運用費用など事業妥当性を点検するということだ。 このため、現在の状況から見れば、日本の海上自衛隊より韓国海軍の空母導入速度は遅れているという分析が出ている。

海軍が構想する軽空母の満載排水量(Full Load Displacement)は、およそ4万トン級前後だ。 空母だが、米海軍の主力「ニミッツ級」航空母艦の満載排水量がおよそ11万トン級前後であることと比べると、階級が非常に小さく「軽空母」と呼ばれる。

軽空母に搭載する戦闘機は既存空母の搭載機収容能力より少ない16~20台程度と予想される。 ニミッツ級航空母艦が艦載機を最大90台まで搭載できるのと比べると、非常に少ない数の艦載機を搭載する。 (中略)


(引用ここまで)


 こちらは今年8月の記事。
 日本は着々といずも、かがを軽空母へと改造している。それに比べて韓国の空母計画は進んでいない。現在の予算はゼロだとのこと。


韓国で広がる「4万トン中型空母+艦載型KF-21N」の夢……なお、事業予算は完全にゼロ(楽韓Web過去エントリ)

 で、一部からはゼロから作り上げるより独島級揚陸艦を空母に改造してはどうか、との声も上がっているのですが。
 それに対して「エレベーター総取っ替え等々で現実的ではない。イチから建造したほうがマシ」と答えている記事となっています。
 まあ、まっとうな回答でしょう。

 というか、軽空母クラスにKF-21の艦載機型となるKF-21Nを搭載しようってのはなんともまあ……野心的な計画ですね(オブラート五重包み)。
 カタパルトとアレスティングワイヤを装備しにくい軽空母クラスではスキージャンプを搭載するSTOBAR式にするか、いずも型のようにSTOVL型の固定翼機を搭載するかのどちらかですが。


 KF-21をF-35BのようなSTOVLに改造するのはだいぶ難易度が高い。
 足回りを強化して主翼を大きくして、スキージャンプのSTOBAR式にするほうがまあまだ現実的かなぁ。
 ムン・ジェイン政権で構想された当初は小型空母+F-35Bだったのですが、なぜか「F-35Bは性能不足だ」との話になり、KF-21を艦載機に改造する方針がメインのものとなりつつあるのです。

韓国軍「F-35Bは高価で性能が低い。これよりもKF-Xを艦載型にして正規空母を建造しよう。勝算はある」……マジ?(楽韓Web過去エントリ)

 そもそも「なぜ韓国が空母を持つ必要があるのか」が語られていないのですが。
 空母を持つ以上は、シーレーン防衛に協力するって意向があるって見られて当然ってことをあまり理解しないまま「空母保有国になるぞ!」って盛り上がっている気がしますね。

 で、上記のようにユン政権では冷遇されてきた韓国国産空母計画。
 それには理由がありまして。
 韓国で保守系が大統領を務める時代には「アメリカとの協力」を優先するために、空海の戦力では在韓米軍をサポートすることを大きな役割とするからです。
 なので独自装備等には意識が薄くなるわけですね。

 その一方で左派政権になると「自国防衛は独自装備で」「在韓米軍なんていらない」って意識が強くなって、防衛費用が高騰するなんてのがパターン化しているのです。
 といったわけで、イ・ジェミョン政権になったら空母計画がふたたび日の目を見ることになるでしょう。原子力潜水艦も推進するんじゃないでしょうかね。
 原潜についてもムン・ジェイン政権時代に推進されていましたが、現在はほぼ凍結中。
 米韓原子力協定の軛から逃れることはできるんでしょうかね?

 イ・ジェミョン政権についてはこのあたりも注目点となっています。

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韓国メディア「韓国航空企業は日本のT-4後継機にT-50を採用できないか虎視眈々と狙っている」……韓国かましてもろくなことにならんだろ

カテゴリ:軍事 コメント:(49)
[KAIの組織再編]チョ・ウレ専務、新設の輸出本部長に指名へ「輸出ドライブ」(BLOTER・朝鮮語)
既存の3部門に分けていた組織を5部門に再編し、「輸出マーケティング部門」を新設したのだ。 新しい組織の首長に任命された人物はチョ·ウレ専務だ。 KAI航空·宇宙製品輸出の権限を任せ、維持·補修、教育、現地生産など多様なパッケージ型輸出商品を作れる拡張性も付与した。 今やKAIは攻撃的な海外マーケティングに乗り出す準備を整えた。 (中略)

輸出業務を担当する間、KAIは高等訓練機T-50、軽攻撃機FA-50など、大規模な事業を受注し、規模を拡大した。 タイ、フィリピンとインドネシア、ポーランドの輸出がチョ専務の手を経た。 (中略)

固定翼航空機の追加受注も狙わなければならない。 老朽化した米海軍訓練機(約220機)や空軍訓練機(約280機)、日本航空自衛隊T-4高等訓練機(約200機)の交替など、大規模な事業が進められているためだ。
(引用ここまで・太字引用者)


 韓国の防衛産業がウクライナ戦争の影でだいぶ潤っているのは既報。
 戦車や迫撃砲の製造ラインを動かせているのが韓国くらいしかないっていうのも大きな理由のひとつでしょう。即納体制があるところはやっぱり強いわけです。
 K2戦車の場合、ポーランドでの採用は1度失敗したものの(M1A2を採用)、2022年7月には契約に成功してその年のうちに10輛を輸出。
 翌年にも18輛の引き渡し、今年は56輛の引き渡し予定というのでそのスピード感は半端じゃない。

 その一方で訓練機兼軽戦闘攻撃機であるT-50(FA-50)の輸出にも積極的に乗り出しています。
 直近ではポーランド、フィリピンなどと契約に成功しています。「ミニF-16」である利点を活かした成功例といえるんじゃないですかね。
 ただ、それだけでは飽き足らないらしく。


 アメリカ空軍のATT(Advanced Tactical Trainer、先進技術訓練機)や米海軍の訓練機(T-45?)の後継機などにT-50を採用できないかと考えているとのこと。
 そしてさらに日本のT-4後継機にも食指を伸ばしている模様。
 けっこう前から韓国は「T-4後継機にはT-50が最適!」みたいなことを言い続けてきたのです。

韓国「日本の自衛隊が訓練機としてT-50を導入するのはどうだろう。なんなら次期戦闘機の開発で協力してもいいし!」……お前はなにを言っているんだ(楽韓Web過去エントリ)

韓国の航空機メーカーKAI、日本の国際航空宇宙展に出展、「T-50をT-4の後継機に採用してはどうか」との希望を持ってるとのことですが……(楽韓Web過去エントリ)

 「日韓関係修復の象徴となるだろう」とか言っているんですが。
 少なくともT-4とATTについては日米共同開発の方向でまとまりつつあります。
 なんとかして「ロッキードマーティン製のT-50です!」って顔をして入りたい、とのことっぽいですね。

 ただ問題は日韓関係が悪化した際に「じゃあ、韓国担当分は輸出許可しない」とか言い出す可能性があること。
 いや、それでなにかできるかといったら、実際にはなにもできないんでしょうけども。
 そういって駄々をこねる子供を相手にするような時間を取られたくないってのが日米の共通認識でしょうね。
 ムン・ジェイン政権時代のGSOMIA破棄宣言に言及すればトランプとそのスタッフも「ああ……」ってなるでしょうよ。

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韓国メディア「台湾の潜水艦建造に関わった韓国人を『技術を奪ったらサイチェン』とばかりに解雇した!」……そんなの、韓国企業がよくやってきたことじゃん

カテゴリ:軍事 コメント:(37)
[単独]韓国技術を奪っておいて「再見」…「1号潜水艦」を浮上させた台湾の急変(韓国経済新聞・朝鮮語)
19日、防衛産業業界などによると、大宇造船海洋が産業銀行の管理下にあった時、核心防衛産業人材とノウハウが大挙台湾に渡ったものと把握される。 1・2次下請け業者も台湾の潜水艦建造作業に参加した。 この過程で人材流出を防ぐための政府レベルの対策はなかった。 造船業界の関係者は「A社などの技術者の相当数は張保皐など事業に参加した高級人材」と伝えた。

1号潜水艦を完成した台湾政府は2038年までに約11兆ウォンを投入し、2〜8号を建造する計画だ。 第1号建造に参加した韓国企業との契約を解除した点から、技術ノウハウの大半を伝授されたものと把握される。 台湾に派遣された防衛産業関係者の一部は、技術流出の疑いで国内で裁判を受けている。 亜洲大学政治外交学科のイ・ワンフィ教授は「構造調整で管理が不十分な状況で潜水艦人材と技術の同時流出は痛恨だ」とし、「元請けと下請け業者の防衛産業技術を共に管理する体系が至急必要だ」と話した。

2017年頃、台湾が自国産潜水艦を建造するための技術移転と協力事業を公開打診した時点で、大多数の国家は参加を躊躇した。 中国の報復を恐れているからだ。 潜水艦技術を保有している国は、韓国を含め全世界10ヵ所前後に過ぎない。

ハイクン潜水艦の設計図草案を米国と英国から受け取った台湾は、現場建造に参加する専門人材を確保するのに苦労した。 この時、大宇造船海洋の退職者と海軍佐官出身の潜水艦専門家で構成された国内企業A社がコンサルタントとして事業に参加した。 防衛産業の下請け会社B社など、さまざまなところが台湾事業に参加したという。 台湾事業に参加したある技術者は18日、本紙に「台湾政府関係者から帰化提案まで受けた」と証言した。

A社は2020年から最近まで、国内技術者を現地に供給する役割を果たした。 旺盛に活動していた時期は大宇造船が経営難に陥って新しい主人を探していた時点(2020〜2023年)とかみ合う。 産業銀行の管理下にあった状況なので、政府レベルの人材および技術流出に対する点検措置はなかったという。

台湾政府は現時点でも「潜水艦事業と関連して韓国の技術を持ってこなかった」と主張する。 しかし、現地で働いた複数の国内技術者は「台湾で働く時、技術移転の要求を広範囲に受けた」と話した。 仕事がまともにできなければ契約を解約し、途中で韓国に送り返した事例も少なくなかった。

防衛産業業界では、A社のエンジニアの合流で製作された海鯤は在来式潜水艦で、最新式潜水艦と距離があると見ている。 現地でも「缶潜水艦」論議が起こった。 しかし、台湾が非対称戦力の核心である潜水艦を独自に建造する能力を確保し、次期後続艦の開発ノウハウを積んだというのが、防衛産業専門家たちの説明だ。 台湾政府は、11兆ウォン規模の次期潜水艦建造事業から韓国企業と技術者を排除したという。

特殊船業界関係者は「建造経験がなかった台湾が試行錯誤を減らし、たった5年余りで開発に成功したのは韓国技術者とノウハウのおかげ」と主張した。
(引用ここまで)


 台湾で建造された「台湾独自の通常型潜水艦」である海鯤(ハイクン)級潜水艦。
 一般的にはそれまで建造実績がない台湾が潜水艦をゼロから作るのは相当な無理がある、との認識でしたが。
 計画発表から進水式までわずか数年で旗艦ハイクンの建造を成功させました。

 その背景には「中国に対抗できる戦力を台湾に持たせよう」とする西側各国の目論見があったとされています。
 設計は英米から、センサー類はアメリカからの供与があったとされています。
 一部メディアでは日本は参加を打診されたが断った……とされているのですが、進水式に日台交流協会代表が招かれていたことからなんらかの協力関係にあったのではないか、ともされています(ちなみに韓台間の同様の機関代表も招かれている)。

 ハイクンは操作性に優れるX舵を搭載し、電源をリチウムイオン充電池にしていることからもそれなりに新しいものとなっています。
 まあ、本当にこの短期間でよく建造できたものですわ。危機感が違っていたかな。


 で、韓国メディアは「ハイクン級は韓国が設計したナーガパーシャ級が元になっている!」って主張したことがあります。

台湾独自の潜水艦、海鯤には韓国から流出したナーガパーシャ級の設計図が用いられている、他に多くの韓国人技術者も雇用済?(楽韓Web過去エントリ)

 ただ、ナーガパーシャ級はもともとはドイツで設計された209/1400型潜水艦。
 X舵もなければリチウムイオン充電池も搭載していない。
 大きさもだいぶ違う。
 実際に当該の設計図が流出していても、「参考にした」部分はあったかもしれません、くらいのものかな。

 で、今回は「ハイクン級建造に携わった韓国人技術者を解雇した」と文句をつけているっていう。
 それが本当であったとしても、そんなこた日本の半導体技術者やらディスプレイ技術者を雇った際に韓国でもさんざんやってきたことじゃん。
 こんなところでもネロナムブル。
 それまで無給で働いていたってわけでもなし。
 使えるものならなんでも使うってのが台湾の本音でしょ。

 まあ、このあたりの裏事情については「実はあの時は……」って何十年か後に種明かしがされるかもしれませんね。

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オーストラリアの次期フリゲート艦選定事業、本命視されていた韓国が脱落した理由がこちら……えーっと本気で?

[単独]「韓国だけがゴールデンタイムを逃した」…「10兆事業」を失った理由は(韓国経済新聞・朝鮮語)
17日、防衛産業業界によると、最近脱落した豪州政府の110億ドル規模の護衛艦入札過程で、国内の防衛産業会社が豪州側が要求した提出期限を逃し、了解を求めた後、期限を過ぎてリストを提出したことが分かった。 オーストラリア側が最大1万枚に達する艦艇情報を要求したが、国内企業が適時に提出できなかったのが、優れたコストパフォーマンスと建造力量にも脱落した原因として作用したという話だ。 政府レベルで防衛産業の輸出に乗り出したドイツ、日本と違って、韓国企業は部品別に防衛事業庁、産業通商資源部、国防科学研究所(ADD)などの海外搬出承認を受けるのに相当時間を浪費した。 匿名の防衛産業界高位関係者は「海外競争会社とは異なり、韓国側は品目別に許可を受ける過程で資料を適時に提供できなかったと理解している」と伝えた。

8日、オーストラリア国家安保委員会(NSC)は新型護衛艦11隻を建設する「SEA3000」事業候補をドイツのティッセンクルップマリンシステムズのMEKO、日本三菱重工業の最上に圧縮した。 HD現代重工業とハンファオーシャンはリストから外された。
(引用ここまで)


 オーストラリアで導入される次期フリゲート艦を選定しています。
 選考に参加しているのが韓国・日本・ドイツ・スペインの4カ国。
 日本からはもがみ型護衛艦が候補として出ています。

豪、海自「もがみ」型に関心 新艦建造で日韓独西から選定(時事通信)

 うち、韓国とスペインが脱落しています。


オーストラリア新型艦 三菱重工「もがみ型」が候補に残る(日経新聞)

 正直、韓国の脱落はかなり意外な結果として受け取られてまして。  軍事クラスタからは「え、マジで?」といったリアクションが主でしたね。
 日本のもがみ型護衛艦は旗艦もがみの就役が2022年。まだ最新型といってもいいもの。逆にまだ不具合があっても出ていないだけでは、との恐れがあります。


 その一方で韓国の大邱級フリゲートは、前級の仁川級の改良型。こちらは2012年に就役しています。
 大邱級は仁川級Batch2って扱い。
 だいぶこなれているわけです。
 そうしたこともあって韓国がかなり有利なのではないか、とされていたのですね。

 ですが、韓国の大邱級はスペインのALFA3000と共に脱落。
 その理由が訝しまれていたのですよ。

 今回の記事によると、「オーストラリア側から要求されていた艦船の情報、資料を提供できなかった」「これが大きな脱落原因となった」とされています。
 造船企業側で一括で資料の搬出許可を得ることができず、部品メーカーが個別に資料の海外搬出許可を得るしか手立てがなかったと。
 で、結果として資料提出が遅れたとのことですが。

 記事によると以前に同様のケースで急いで資料提出した際に、「海外に無許可で技術流出させた」とされて裁判にかけられて企業そのものが倒産したことがあるので「時間がかかっても確実に許可を取らなければ破滅」との認識になっているそうです。
 ……妙なところで官僚的なんだよなぁ、韓国。
 まあ、もがみ型護衛艦にとってはいい機会になったので、採用目指してほしいものです(無難なまとめかた)。

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韓国の航空機メーカーKAI、日本の国際航空宇宙展に出展、「T-50をT-4の後継機に採用してはどうか」との希望を持ってるとのことですが……

カテゴリ:軍事 コメント:(56)
KAI、日本航空宇宙展示会に初参加…「防衛産業·民需の技術力を紹介」(ニュース1・朝鮮語)
韓国航空宇宙産業(KAI)(047810)は16日から19日まで東京で開かれる「日本航空宇宙展示会(JA2024)」に初めて参加したと17日、明らかにした。 (中略)

KAIは無人戦闘機と多目的無人機が適用された超音速戦闘機KF-21と小型全天候映像レーダー(SAR)など新概念の次世代空中戦闘体系を披露する。 海外市場で注目されている軽戦闘機T-50、スリオン派生型として開発され、国内で活躍している警察ヘリなども紹介する。
(引用ここまで)


 戦闘機であるKF-21、練習機T-50、軍用ヘリ スリオンなどの開発元であるKAIが日本の国際航空宇宙展に出展した、とのニュース。
 画像を見るとT-50、KF-21が展示されていますね。

 で、なんでKAIが日本の防衛関連の展示会に出展しているのか、ですが。
 どうも韓国国内ではT-50が次期練習機として採用されるのではないかとの期待があるようです。

[単独]KAI、来月の日本国際航空宇宙産業展に初参加する理由は? …航空自衛隊の次期訓練機導入事業を狙う(文化日報・朝鮮語)

 老朽化しているT-4、およびT-7の後継機としてKAIのT-50、KT-1を推しているのではないかとされています……が。
 うーん。以前から、T-50を使ってほしいみたいな要望は韓国側から出てはいるんですけどね。

韓国「日本の自衛隊が訓練機としてT-50を導入するのはどうだろう。なんなら次期戦闘機の開発で協力してもいいし!」……お前はなにを言っているんだ(楽韓Web過去エントリ)

 韓国の装備品については、政権が変わったら「やっぱり輸出取りやめ」とかになる可能性が高いですしね。無理無理。


 すでにT-4については日米で共同開発の意向が確認されています。
 今年4月の日米首脳会談で発表されています。

T-4練習機の後継機が日米共同開発の方向……韓国の「T-50が日米で採用される」野望を打ち砕くことに?(楽韓Web過去エントリ)

 アメリカのATT、先進戦術訓練機と共同開発予定。100〜400機ほどの製造が見込まれているATTと共同開発することでコストを下げられるだろうとの想定でしょうね。

 とにかくT-50は高いんですよ。
 2018年にT-7Aの採用が決まったアメリカの練習機T-Xでも、T-50Aの想定価格はボーイング/サーブのT-7Aに比べて1.3倍ていど。
 軽攻撃機としての使用用途があるのならともかく、練習機としては使わんわな……。

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韓国からポーランドへ「ジャックポット」だったはずの軽攻撃機輸出、アメリカからレーダーが届かないため納品できず……違約金支払いの可能性も

カテゴリ:軍事 コメント:(64)
FA-50PL 納品遅延は避けられない…米国産のレーダーが足首?(MBC・朝鮮語)
昨年末に交代したポーランド現政権が、最近のFA-50の引き渡し遅延を問題視し、前政権の契約内容を監査するという意思を明らかにしました。

取材の結果、実際に一部の完成機に搭載が決定しているアメリカ産のレーダーがまだ国内に搬入されておらず、完成機の納品に支障が避けられないことが明らかになっています。 (中略)

韓国航空宇宙産業KAIとポーランドがFA-50軽攻撃機48機の輸出契約を締結したのは2022年9月。 (中略)

しかしKAIがFA-50PLに搭載するレーダーの試作品さえまだ確保できていないことが確認されました。

レーダー製作会社である米国RTX社が送ってないから地上装備の点検などテストさえできずにいるということです。 (中略)

レーダーを搭載できず、引渡しの時期が遅れると、契約条件によってKAIはポーランドに違約金を払わなければなりません。
(引用ここまで)


 元ネタはシンシアリーさんのところから。

 ロシアのウクライナ侵攻によってヨーロッパ諸国、特に東ヨーロッパでは軍拡が基本基調となっています。
 特にウクライナと国境を接しているポーランドは、ウクライナへの軍事支援も半端でないものがあります。
 戦車のT-72やPT-91(ポーランドによるT-72の発展型)は数百両単位で送っていますし、ウクライナへの送電支援すら行っています。

 その一方で軍事支援で空白になった戦車や、増強したい航空戦力を韓国の軍事産業が埋めることが決定し、韓国メディアは「ジャックポットだ!」と大騒ぎしていましたね。
 K9自走砲が672両、K2戦車は1000両、軽攻撃機のFA-50が36機等々。

 で、まずはK9は48両が引き渡され、K2は2022年に10両、23年には18両が引き渡されています。K2については韓国軍向けのものをポーランド輸出に振り替えた模様。
 で、FA-50についても12機を先行引き渡ししています。


 ですが、追加の36機について「レイセオンからレーダーが納入されていないために輸出ができる状態でない」とのこと。
 んー、アメリカがポーランドへの輸出についていい顔をしていないとかあるのかなー。
 インドネシアへの輸出ではアメリカからの承認が得られずにレーダーが稼働しない状況であったとされていますし。
 ウズベキスタン向けの輸出についてもアメリカからNGが出て潰れました。なお、その後、インドネシアはラファールとF-15EXが採用され、ウズベクにはフランスがラファールの営業をかけている模様。

 さらにすでに納入済の12機についても一部(もしくは11機)が稼働状態にない、契約されていたはずのミサイルがついてこない等々の問題がポーランド側で出ているとの話。

ポーランド輸出FA-50軽戦闘機12機のうち一部飛行不能…「整備・部品需給問題」(YTN・朝鮮語)
「米国産武装の約束を守れ」ポーランドに輸出した「FA-50」再び雑音(JTBC・朝鮮語)

 それでなくても韓国側の金融機関が与信枠に余裕がなくて、すべての契約が霧散するかも……みたいな綱渡りの状況が続いている状況です。
 ポーランド側の政権交代もありましたしね。

韓国がポーランドへの販売を決定した「K2戦車1000輛、FA-50軽戦闘機48機、K9自走砲650両」が霧散してしまうかも……韓国輸出入銀行の支援枠拡大に失敗(楽韓Web過去エントリ) 韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も……(楽韓Web過去エントリ)

 韓国の金融機関はメガバンクからはほど遠く、余裕がないところばかりなのでこんなことが起きてしまうのですね。
 それに加えてこんな細々としたクレームがつきつつある。

 まあ、融資についてはUAEの原発輸出時のように逆さやだろうと他から引っ張ってくることはできるでしょうが。
 飛ばない、とかミサイルがない、挙げ句の果てには「アメリカからレーダーが届かないので機体のデリバリができません」じゃどうにもならんのだよな……。

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大火災を起こした韓国のバッテリー企業、陸軍に納入したバッテリーの品質数値捏造もしていた……あー、よくあることですね

アリセル、軍納バッテリーデータ操作(アジア経済・朝鮮語)
26日、チョ・ヨンジン防衛事業庁報道官は国防部定例ブリーフィングで「アリセル生産電池が軍が要求した持続時間など規格に不足している点を確認した」としてこのように話した。

防衛事業庁によると、アリセルは軍納を始めた2021年から現在まで約10万個の電池を軍に納品した。 ところがこの会社は品質検査用電池を別に作った後、試験用とすり替える手法でデータを操作し国防技術品質院をだまして軍納をしてきたことが把握されたと捜査当局が23日明らかにした。技品院は今年4月になって、これを摘発したという。 (中略)

チョスポークスマンは「2021年に契約し2023年までに納品した物量に対しても性能や安全性について全数調査し検証する計画」とし「契約者(アリセル)に対しては行政的措置を検討している」と話した。 6月、京畿道華城市にあるアリセルバッテリー工場で火災が起き、勤労者23人が亡くなった。
(引用ここまで)


 華城アリセルのバッテリー工場でリチウム一次電池が爆発し、大規模な火災が発生した事件。
 昨日も「亡くなった派遣社員のIDでは『開けない非常口』があった」「っていうかそもそも非常口がどこかなども知らされていなかった」ってニュースをピックアップしましたね。

大火災を引き起こした韓国企業のリチウム電池、納入先の韓国陸軍でも爆発していた(楽韓Web過去エントリ)

 X(Twitter)でちょいバズしてますが。
 この件をピックアップすると「日本でも煎餅工場がぁ」って言ってくる人がいるんですが、日本の煎餅屋とコスダック上場企業の子会社の安全意識が同じだって時点でもう絶望的だと思うんですけどね。むしろ。

 それはともかく。
 このリチウム一次電池(使い切り電池)の主たる納入先は韓国陸軍。
 無線機などで利用されているとのこと。


 ところが納入先の陸軍でも爆発事故を繰り返していたことが報じられています。

大火災を引き起こした韓国企業のリチウム電池、納入先の韓国陸軍でも爆発していた(楽韓Web過去エントリ)

 この巨大なサイズのバッテリーが爆発する……のだそうです。こっわ。



 で、火災になって242億ウォンだの3億4000万ウォンだのの被害を出していたのですが。
 その納入されていたバッテリーのデータが捏造されたもので、「品質検査用電池」は別途に製造して、納入するバッテリー10万個は性能の劣ったものにしていたと。
 ……まあ、韓国軍的にはよくあること。

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