米国防総省の在韓米軍縮小論が再点火している。
AP通信は29日(現地時間)、米国防総省の当局者を引用し、「中国を抑止してインド太平洋戦略を最適化するための兵力再配置を検討中であり、その過程で韓国に駐留中の米軍兵力の縮小の可能性も排除していない」と報じた。この発言は、31日からシンガポールで開催されるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)を控えてヘグセス米国防長官に同行する国防総省関係者の間で出てきた。
ある当局者は、在韓米軍の数はまだ決まっていないが、今後の兵力配置規模は北朝鮮から韓国を防御するだけでなく中国を抑止するのにも最適化されるだろう、と説明した。
在韓米軍縮小論が初めて公開的に言及されたのは22日だ。ウォールストリートジャーナル(WSJ)は米国防総省が在韓米軍兵力約4500人をグアムや他の域内地域に移す案を検討していると報じた。これに対し米国防総省と在韓米軍は「事実でない」という公式立場を発表して一蹴した。
しかし前日に米当局者が在韓米軍の「態勢調整(calibrate)」に言及したのに続き、さらに直接的な表現で現状変更の可能性を示唆し、縮小論に関する声は続いている。在韓米軍の戦略が「北朝鮮防御」から「域内戦略的柔軟性拡大」に移動し、韓半島(朝鮮半島)安保地形の変化の兆しが明確になっていると、海外メディアは伝えた。
(引用ここまで)
アメリカの政府高官からまたも「在韓米軍縮小の可能性は残しておくべき」とする話が出ています。
シンガポールで行われているアジア安全保障会議、シャングリラ会合に向けての機内で発言があったとのことなので。
アメリカの国防関係者、それも次官補以上の立場にある人物ではないかと思われます。
まあ、現状の在韓米軍は人数で2万8000人ほど。
うち2万人が陸軍で、偏重しすぎているってのは事実。
あくまで対北朝鮮を前提とした編成になっています。
ですが、アメリカとして対中国包囲網戦略の一端として在韓米軍を使いたい。
であれば、再編して在韓米軍から陸軍を縮小するってのも当然の意向でしょう。
これについてCSISのビクター・チャあたりは「北朝鮮に誤解を生ませる要因となる」として非難しているのですが。
ビクター・チャ「米政府、在韓米軍削減を深刻に検討」 北朝鮮の誤った判断を導く可能性もある(朝鮮日報・朝鮮語)
たしかに戦争勃発原因として「いける」と思わせないことは大事なのですが。
どうなんでしょうねぇ?
北朝鮮が韓国に対して通常戦力(核兵器でない戦力)で戦争を仕掛けるかといったらふたつの理由で難しいと思います。
まず、通常戦力ではどう考えても韓国側にかなわない。
なんなら在韓米軍抜きでもかなわないんじゃないかってくらいには韓国と北朝鮮の差は開いています。
だからこそ核開発に躍起になってきたって部分も大きい。
もうひとつは「たとえ戦争であっても南北の交流につながることを避けたい」と思われるのです。
兵士が南側に向かうってことは、「現在の韓国の文化」を浴びてくるってことですから。
「韓国の文化」を持ち帰られるのは困るわけです。
それでなくても現状、アイドルを見て脱北とかしているわけで。
「なぜ自分はアイドルになれないのだろう」 MZ世代脱北者が語る北朝鮮体制への疑問(TBS)
そうした面でも戦争はないだろうなぁ……とは思うのですが。
ただし、台湾有事で中国から「韓国を牽制しろ」って言われたときには別。
ただまあ、どちらにせよ削減でないにしても、近い将来に向けて再編成は間違いないでしょ。
そしてそれを韓国が妨げることはほぼ不可能ってことです。
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