相互RSS募集中です

カテゴリ:軍事の記事一覧

韓国、自国の軽戦闘機FA-50を「F-16Vやグリペンよりも安いので併用してはいかが?」とタイ空軍にセールス……すき間家具商法か

カテゴリ:軍事 コメント:(55)
韓国、1機400億ウォンの「コストパフォーマンス」戦闘機でタイの「隙間」狙う(韓国経済新聞・朝鮮語)
タイの「タイガー」(Thaiger)など現地メディアによると、KAIはタイ空軍(RTAF)に自社の軽戦闘機「FA-50」の購入を提案した。 すでにタイは2015年にKAIからT-50訓練機4機、2017年に8機を導入した。 2021年にも2台の追加導入契約を締結した。 しかし、RTAFが自国空軍の旧型F-16戦闘機を大挙退去させ、新型戦闘機導入計画を進めており、再びKAIが受注競争に飛び込んだものと分析される。

今年のタイ軍国防白書を見ると、RTAFはタイ軍の現代化プロジェクトにより2025~2034年までにタイ1戦闘飛行団102飛行大隊の老朽化したF-16A/Bに代わる12~14機の戦闘機を調達する計画を立てた状態だ。 このうち、一部の航空機を優先的に調達するために2025会計年度に190億バーツ(約7035億ウォン)の予算が策定された。 タイ軍は来る5~6月頃に最終的に次期機種を選択すると観測されている。

現在、タイ軍の次期戦闘機受注はスウェーデンサーブの「グリペンE/F」と米ロッキードマーティンの「F-16」最新改良型(ブロック70/72)が競っている。 さらに、KAIも数週間前に参入するものと予想される。 だが、国内防衛産業界では「三つ巴」の様相ではないと見ている。

タイは次期戦闘機をグリペンかF16のどちらかに選択するが、「12機のうち一部の物量に対してFA50を入れる」というのが韓国の戦略だと伝えられた。 F-16の性能をFA-50が全て追いつくには限界があるが、代わりにより安く多数の戦闘機を配置できるという「コストパフォーマンス」がある。 KAIのカン·グヨン社長は先月、韓国を訪問したタイのスーティン·クランシェン国防部長官に会い、「FA-50が米国のF-16に匹敵する多目的戦闘機だが、費用は(F-16の)半分水準、維持費はさらに安い」とタイメディアを通じて明らかにしたのもこのような脈絡だ。

防衛産業業界ではFA-50の1機当たりの導入単価を3000万ドル(約400億ウォン)程度と見ている。 これに比べ、F-16ブロック70/72の単価は7300万ドル、グリペンE/Fの単価は6500万ドル程度と推定される。 FA-50がライバル機種に比べて相対的に新型機体なので、修理がより容易だという長所もある。 (中略)

KAIは長期的に韓国軍が年内に量産を始める韓国型戦闘機「KF21」をタイに輸出する目標を立てたものと見られる。 タイガーは「(姜社長が)KF21は飛行時間当たり1万4000ドルの維持費、1台当たり8000万ドル(約1099億ウォン)の購入費用がかかると言及した」と報道した。
(引用ここまで)


 タイ空軍が2031年までに退役を迎える33機のF-5E/F、25機のF-16A/Bの後継機を選定中とされています。
 主として提案されているのはアメリカのF-16V、スウェーデンのグリペンE/F。
 本来であればF-35Aの取得を望んでいたとのことですが、どうやらアメリカが難色を示したとの話。
 まあ、タイは中国と合同訓練をすることもある「あちら側」なのでさすがにF-35は渡せないってことですね。

 で、韓国はそこに割りこむのではなく「ハイローミックスのロー側としてFA-50はどうでしょうか」って方針で取得させたがっている模様。
 機体単価は冒頭記事によると──

F-16V 7300万ドル
グリペンE/F 6500万ドル
FA-50 3000万ドル

 とのことで、FA-50は主力機にはなり得なくともタイ空軍をコスパ的にフォローできる機種として導入できるのではないかとしていると。
 練習機でT-50を十数機導入しているので整備等の負担も低いことも利点とされています。


 ただ、F-16Vは機体単価はあるていどのまとまった注文なら5500万ドルほどではないかともされています。
 グリペンE/Fが6500万ドルってのもどうなんでしょうね。いろいろ盛り込んで機体も大型化した結果、8500万ドルくらいじゃないのって話。
 グリペンC/Dなら6000万ドルしないようですが。

 F-35Aはすでに量産効果で8000万ドルを割りこんでいるとの話なので機体単価で見た場合、ここが分水嶺になっている感じですね。
 スイスやスウェーデンがF-35Aを導入したのは価格性能比が高かったからでしょう。
 FA-50は東南アジアや東欧の選択肢としてはなくはないでしょうが主力としては難しいかな。

 その一方でKF-21の機体単価は8000万ドル(1000億ウォン台)ほどとタイで明かされたとの報道がありまして。

タイメディア「KAI社長 『KF-21台当たり1千億ウォン』と述べる」(聯合ニュース・朝鮮語)

 タイにはKF-21の営業もかけていたようですが、この機体単価ではだいぶセールスは難しいように感じます。
 F-16Vはもちろん、グリペンC/Dとも価格的には戦えない。F-16Vは納品まで5〜6年ほどかかるとの話なので鬼納期をクリアできれば別でしょうけどもね。
 タイ以外にはフィリピンが顧客になるのではないかと営業をかけていたとの話ですが、こちらはグリペンC/Dでほぼ決まりとの話。

Philippines hints at fresh fighter fleet amid negotiations with Sweden(DefenseNews・英語)

 あとハンガリーでもグリペンC/Dの導入が決まりそうとの話です。
 FA-50はそれなりに売れても、KF-21は帯に短し、たすきに長し……ってところですか。
 当初から指摘されていた部分ではありますね。
 ちなみに初期生産分は1機につき2000億ウォン(約1億5000万ドル)ほどになる予定だとのこと。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国との潜水艦建造契約を一方的に破棄したインドネシア、フランスから技術移転を受けて自国でスコルペヌ改型潜水艦を建造へ

Naval Group and PT PAL have signed a contract with Indonesia for 2 locally built Scorpène Evolved Full LiB submarines(NAVAL GROUP・英語)
2024年3月28日、インドネシアはナバルグループとPT PALを選び、ナバルグループからの技術移転により、インドネシアでPT PAL造船所で建造される2隻のScorpène® Evolved フルリチウムイオンバッテリー(LiB)潜水艦でインドネシア海軍の能力を強化する。

この契約には、Scorpène® Evolved Full LiB潜水艦2隻の引き渡しが含まれており、Naval Groupからのノウハウと技術の移転が実証され、PT PALの資産を100%再利用することにより、PT PAL造船所内でインドネシアで建造される。
(引用ここまで)


 インドネシアとフランスが2隻のスコルペヌ改型潜水艦をインドネシア国内の造船所で建造する契約にサイン。
 スコルペヌ改はフランスのスコルペヌ型潜水艦にリチウムイオン蓄電池を搭載したもの。
 もともとはそうりゅう型と同じくAIP(非大気依存推進)を搭載していたタイプからAIPを廃止し、リチウムイオン蓄電池を搭載したものとなっています。
 後期そうりゅう型〜たいげい型と同様ですね。

 スコルペヌ級の排水量は1800トンと中型ですが、これまで14隻の輸出実績があります。チリ、インド、ブラジルなどが採用。
 あとスペインもS-80型として4隻を導入予定ですでに旗艦は就役済。

 さて、なぜこんな話題を楽韓Webでお伝えするかというと……。


 以前、インドネシア海軍は韓国から209型潜水艦、ナーガパーシャ級を導入しています。
 旗艦、2隻目は大宇造船海洋で建造され、3隻目にあたるアルゴロは韓国から技術移転を受けてインドネシア国営造船企業であるPT PALで建造されました。
 で、それら3隻に続けてさらに3隻の209型が新規受注で導入されるはずだったのですが。
 インドネシアは手付金を支払わずにドロン。
 大宇造船海洋には資材だけが残されたとさ。

韓国の大宇造船、インドネシアと潜水艦建造の契約を済ませる前に資材を購入→インドネシア「やっぱ買わね」→資材がすべて鉄くずに……(楽韓Web過去エントリ)

 実は旗艦であるナーガパーシャが就役すると同時に「水中での活動期間が短い」とのクレームがインドネシア側から出てたのです。
 ナーガパーシャ級にはAIPもリチウムイオン蓄電池も搭載していないので「仕様です」案件だったのですが、それ以外にも不満は少なくなかったのでしょう。
 最終的にスコルペヌ改型を導入することに決定したのでした。

 同様に水上艦船でもポハン級コルベットを導入するとの話も出ていたのですが、なんか立ち消えしています。
 インドネシアはKF-21(IFX)でも開発分担金を1兆ウォンほど支払っていません。
 その間にフランスからラファールF4を42機、アメリカからF-15EX(F-15ID)を24機導入することが決まっています。
 ……どうも韓国をうまいことダシに使うことに味を占めている気がしますね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国で前政権の大臣の息子、軍から脱走の罪を握りつぶしたものの、政権交代後に再捜査対象となって国外に逃走してしまう

軍の特恵休暇疑惑:チュ・ミエ氏、検察の召喚に応じないまま出国(中央日報・朝鮮語)
検察がチュ・ミエ元法務部長官の息子、ソ某氏の軍服務時代の特恵休暇疑惑を再捜査している中、ソ氏が昨年末、海外に出国したことが確認された。 検察はソ氏に対して入国時に通知措置を下した。

15日、法曹界によると、ソ容疑者関連疑惑を再捜査中の検察は、ソ容疑者が昨年末、トルコに出国し、現在まで入国していない事実を確認し、ソ容疑者が入国する際に通報してほしいと法務部出入国当局に要請した。 検察はソ氏が入国する場合、直ちに出席を要求して関連内容を捜査する方針だ。

先立って2019年自由韓国党(国民の力の前身)はソ氏が軍服務中だった2017年に休暇に出て復帰しなかったことに対して、チュ前長官が外圧を行使して事件を揉み消したとし、チュ前長官を位階による公務執行妨害・軍務離脱幇助などの疑惑で検察に告発した。

事件を捜査したソウル東部地検は2020年9月、チュ元長官とソ氏、元補佐官、部隊地域隊長など4人を嫌疑なしで不起訴処分した。 (中略)

これに対して国民の力は抗告状を出し、ソウル高等検察庁はこれを棄却した。 国民の力は再抗告し、2022年最高検察庁は当時捜査が不十分だったと見て東部地検に事件を再捜査せよと指示した。

再捜査を担当した東部地検は当時、休暇担当将校など事件関係者たちを召喚調査した後、ソ氏にも軍刑法違反の被疑者として出席調査を受けるよう通知したが、ソ氏はこれに応じないまま出国した。
(引用ここまで)


 個人的にはかなり面白い、というか楽しめているニュース。
 ムン・ジェイン政権時代にチョ・グクのあとを引き継いで法務部長官(法務大臣に相当)となっていたチュ・ミエという人物がいるのですが。
 これがまあ、当時の検察総長であったユン・ソンニョルとばっちばちにやりあっていたのですよ。
 政権(チョ・グク)に捜査の手を伸ばしたことが気に入らなかったために、なんとかしてその地位を剥奪しようと躍起になっていたのですね。
 まず手始めにハン・ドンフンをはじめとしたユン総長の側近をごっそりと左遷させました。

 その後も「伝家の宝刀」扱いでめったに抜くものではないとされている法務部長官の捜査指揮権を1年という短い任期の間に3度も発動するなどして、ユン総長に「多数の不正が確認された」として2ヶ月の職務停止を命じ、自身は辞職を表明したのです。
 ただし、ユン総長から執行停止申請を受けた裁判所が執行停止を申し渡してわずか1週間ほどで復職

 本来ならムン・ジェイン政権としては「ユン総長に辞職してもらい、チュ・ミエにも辞職してもらうことで痛み分けを演出しよう」との意図だったようですが。
 実はチュ・ミエが辞任を拒絶したので、ムン・ジェインはチュに更迭を言い渡し、そのまま法務部に戻ることなく大統領府から自宅に帰ってしまったとされています。

 結果、ユン・ソンニョルは翌年3月に堂々と辞任し、ムン・ジェイン政権と戦い続けたことで次期大統領候補に躍り出ることになったのです。
 現在のユン大統領を作り上げたのは誰かといえば、チュ・ミエが最初に思い浮かびますね。


 さて、そのチュ・ミエですが。
 息子が徴兵期間中に休暇が終わっても隊に復帰せず、脱営したのではないかとの疑惑があります。
 そして、そのチュ・ミエが脱走を国会議員として隠蔽したのではないかとされていました。

「タマネギ女」と化した韓国法相、「息子は本来なら兵役に就けないほどに膝が悪かった」……という設定だったはずなのに、本人は兵役直前まで留学先でサッカーしてた(楽韓Web過去エントリ)

 「膝が悪くて徴兵に応じなくてもいいのに、母親が国会議員だからと特別扱いされるのはダメだ」として徴兵に応じた、いわば愛国者なのだとの設定だったようです。
 この疑惑についてはチュ・ミエが法務部長官でいる間に「不正は見つからなかった」として親子共々不起訴処分になっていたのです。

 しかし、政権交代後の2022年11月に再捜査が決定されています。
 いわばユン政権による政治報復といえる部分もありますが……そもそもが犯罪を見逃されてきたわけで。
 息子のソ某は検察からの出頭要請を無視してトルコに出国してしまったまま戻っていないと。
 完全なる黒ムーブですね。逃げるヤツはどこまででも逃げるんだなぁ。

 一時は母親が法務部長官であるとの威光で軍からの脱走を無罪放免とされていたのですが、政権交代してしまったためにそれを含めて糾弾されているっていうね。
 とても韓国的な出来事といえるのではないでしょうか。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国がポーランドへの販売を決定した「K2戦車1000輛、FA-50軽戦闘機48機、K9自走砲650両」が霧散してしまうかも……韓国輸出入銀行の支援枠拡大に失敗

カテゴリ:軍事 コメント:(48)
「ポーランド行きK2戦車が飛ばされる」…輸出入銀行法改正、またも不発(韓国経済TV・朝鮮語)
輸出入銀行法改正案の処理が1月の臨時国会で再び不発に終わりました。 与野党の対立で常任委の企画財政委員会で一度も取り上げられませんでした。 輸出入銀行法改正案は輸出金融支援限度を増やすためのもので、同法が可決されてこそ、ポーランドの防衛産業輸出に対し、最大17兆ウォンまで金融支援ができます。

現在はポーランドの防衛産業輸出1次契約の際、金融支援限度7兆ウォンを満たしている状態です。
ポーランドは2次契約締結のために韓国政府に25兆ウォン近い金融支援を要求しています。
残りの2次契約物量30兆ウォンのうち、20兆ウォンは現代ロテムK2戦車820台です。
防衛産業業界は企業の立場でできることがないとし、もどかしさを訴えました。 (中略)

2次契約の期限である6月までに金融支援が行われなければ、残りの輸出は水の泡となります。
4月の総選挙を考慮すれば、2月の臨時国会が輸出入銀行法改正の最後の処理期限です。

国防部の関係者は「2月中に処理されなければ契約期間の延長交渉をしなければならないが、ポーランド政府の国防基調を勘案すれば難しいだろう」とし、「その場合、契約撤回の可能性が高い」と説明しました。
(引用ここまで)


 ポーランドに大規模な武器輸出を行った、として「K防産が大ヒット」とはしゃぎまくっていましたが。
 K-2戦車を1000輛(1次契約180輛、2次契約820輛)、FA-50軽戦闘機を48機、K-9自走榴弾砲が650輛。
 そりゃもう大騒ぎでした。

 韓国の装備が採用された最大の理由は、アメリカやドイツからは「2年後に○○輛」とかの供給だったものが、韓国は「今年中に(韓国軍の)10輛、23年には18両、2024年には56輛」って即時引き渡しができることから選ばれたとされていました。

ポーランドがK-2戦車1000輌など韓国製兵器を爆買い、その背景にある理由とは?(楽韓Web過去エントリ)

 ところがポーランドの政権交代があり、「ポーランドは自国の国防産業を育成しなければならない」として自国への投資へ方針を変更したのですね。


 その一方で韓国側でもポーランドに借款を行う輸出入銀行の金融支援枠がもういっぱいで、これ以上お金の貸出ができない。
 韓国の金融機関はどこも規模がなくて、大規模なプロジェクトをこなせないのですよね。

 具体的にいうと世界の資産規模順のランキング(2023年)で見ると、韓国国内の最大の銀行はKB国民銀行で59位。5575億ドル。
 日本での1位は三菱UFJの2兆9679億ドル(7位)。
 世界一は中国の中国工商銀行で5兆7428億ドル。以下、4位まで中国の銀行が続きます。5位、6位はJPモルガン、バンカメ。
 このランキングは2023年のものなので、今年の末までにはいろいろ変化があるかもしれません。

 ま、そんなわけで規模が足りないから大規模借款とかできないのですよ。
 一応、民間銀行が合同でポーランドに対しての借款をフォローするなんて話も出てはいるのですが。
 2月までの臨時国会で輸出支援枠拡大ができなければ、「K防産で大成功!」ってあれは霧散します。
 ま、それはそれでポーランドの現政権の意向に沿った展開なのでポーランド的にも問題なし、ですかね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

北朝鮮が200発以上の砲撃を行い、韓国は住民に避難命令を出して射撃演習を実施……このやりとりが意味するものとは?

北朝鮮、200余発の海岸砲射撃で挑発…西海延坪島の住民に避難令(中央日報)
北朝鮮が5日午前9時から11時まで白翎島(ペクリョンド)北方の長山串(チャンサンゴッ)一帯と北朝鮮登山串(トゥンサンゴッ)一帯で200余発の射撃を実施した。

韓国合同参謀本部は5日、砲弾が北方限界線(NLL)の北方一帯に落下したと明らかにし、今回の射撃による韓国国民および軍への被害はないと伝えた。

合同参謀本部は「これは昨年11月23日に北朝鮮が一方的に9・19軍事合意破棄を主張してから西海(ソヘ、黄海)緩衝区域内での砲兵射撃を再開したもので、韓半島(朝鮮半島)の平和を脅かし、緊張を高めることを狙った挑発行為」と警告した。

海上緩衝区域は2018年に締結された9・19南北軍事合意により、海上武力衝突防止のために西海および東海(トンへ、日本名・日本海)NLL一帯に設定された。海上緩衝区域で砲射撃と海上機動訓練を行う場合、軍事合意違反となる。 (中略)

海兵隊隷下の延坪部隊と白翎部隊は北朝鮮の今回の海上射撃に対応した射撃訓練を実施する予定だと伝えられた。

今回の射撃で西海北端の延坪島(ヨンピョンド)には住民避難令が下された。
(引用ここまで)


 午後になってから唐突に「延坪島の住民に対して避難命令が出された」との速報が入ってきて、北朝鮮からの砲撃ふたたびかともされたのですが。
 その詳細が出てきました。

 北朝鮮が海岸砲を200発ほど射撃。
 弾着点はNLL(北方限界線、海上の軍事境界線。ただし、南北でラインの認識が異なる)よりも北側。
 つまり、演習の一環であると思われます。

 ただ、延坪島砲撃事件が170発ていどの砲撃であったとされているので量的にはかなりのものであったと言ってもいいでしょう。
 これに対して韓国政府は島の住民に対して避難命令を出し、対抗射撃を15時過ぎにK-9自走砲や戦車などを用いて行った……と。


 これらの行動がなにを意味しているか、というと。
 まず2018年にムン・ジェインとキム・ジョンウンとの間で結ばれた9・19南北軍事合意は完全に破棄されたとの北朝鮮による意思表示です。
 その中味はざっと──

・DMZ付近の軍事施設を縮小し、偵察等をなくしていく。
・JSA(板門店共同警備区域)の自由往来を推進していく。
・NLL(北方限界線=海上の軍事境界線)での敵対行為も全面中止。

 ──といったもの。
 去年11月に偵察衛星(中には日本のデジカメが入っているとの話)を打ち上げたこともそうですし、2022年に偵察機を韓国国内に侵入させたことも同様に合意破棄を意味していたものですが。

北朝鮮の無人機がソウルまで飛来……韓国軍は軽攻撃機、攻撃ヘリを出撃させるものの撃墜できず……なお、韓国軍の軽攻撃機は墜落した模様(楽韓Web過去エントリ)

 今回はNLLでの敵対行為についても破棄。もはや韓国との約束に縛られることはない、との宣言です。
 ただ、挑発に留めていてそれ以上の行為には走らないとの意思表示でもありますね。
 少なくとも現段階では。

 それはNLL以北に全弾が着弾したことでも理解できます。
 韓国側の対応も抑制されたものとなっています。互いに砲撃の応酬をし、とりあえずそこで矛を収める。
 互いにそれ以上のエスカレーションを避けたい、との意思を表明しているわけです。

 まあ、本来なら2018年の合意時点で韓国側は監視所を閉鎖し、海岸砲は閉じられるはずだったのです。
 当時、ムン・ジェイン政権高官からは「これは実質的な終戦宣言だ」「南北が手を取って共同繁栄に向かう」なんて言葉があふれてましたね。
 ただ、1年経過しても海岸砲は開いたままでした。
 これに対してムン・ジェイン政権は「あれは換気のために一時的に開けているだけ」なんて言い訳をしてましたっけ。

 北朝鮮側に合意を守るつもりなんて最初からなかったのですよ。
 それが表面化しただけではあります。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

台湾独自の潜水艦、海鯤には韓国から流出したナーガパーシャ級の設計図が用いられている、他に多くの韓国人技術者も雇用済?

カテゴリ:軍事 コメント:(67)
「潜水艦図面」台湾に丸々流出···会社も知らなかった(韓国経済新聞・朝鮮語)
大宇造船海洋(現ハンファオーシャン)が開発した潜水艦の設計図面が台湾に丸ごと流出し、警察が捜査に乗り出した。 この図面は台湾政府初の独自潜水艦「海鯤」の開発に使われたという。

3日、警察庁によると、警察は大宇造船海洋の全職員A氏など2人を技術流出の疑いで立件し、捜査している。 彼らは大宇造船海洋勤務当時、図面を流出した後、潜水艦開発コンサルティング会社であるS社に転職した。 その後、図面を台湾側に渡したという。 警察は技術流出を防げなかったS社も立件した。

台湾に渡った2000ページ分量の潜水艦設計図面は大宇造船海洋が2019年インドネシアに1兆1600億ウォンで3隻を販売した「DSME1400」モデルだ。

「台湾政府が数兆ウォンを投入した国家事業だ。 少なくとも6ヵ月から数年間、台湾で働く条件として、韓国の専門家に巨額を提示している」

台湾政府の潜水艦開発事業に深く関与しているある関係者は3日、「台湾国営台湾国際造船公社(CSBC)で大宇造船海洋の潜水艦設計図面が出回っているというのは専門家の間でかなり知られている事実」とし、このように伝えた。 彼は「潜水艦コンサルティング業者S社が台湾政府と共に工程ごとに韓国人専門家を推薦し採用している」として「数年前から多くの韓国専門家が仕事をしている」と耳打ちした。

韓国を世界5番目の潜水艦輸出国にした大宇造船海洋(現ハンファオーシャン)の輸出型潜水艦「DSME1400」技術が丸ごと台湾に流出した事件が両国間に波紋を広げている。 警察は海軍と大宇造船海洋出身などが設立したS社がCSBCと手を組んで潜水艦を作る過程で技術が流出したと見ている。

この日、警察庁·慶南警察庁によると、台湾は2016年から初の自国製防御型潜水艦「IDS」事業を推進した。 事業規模は最大160億ドル(約19兆128億ウォン)と推算される。 結果も続々と出ている。 台湾は昨年9月、IDS「海鯤」1番艦を公開した。 長さ70m、直径8m、排水量2500〜2800トン、米国ロッキードマーティン社が製作した戦闘システムなどを適用した。 設計・製作に計7年がかかったが、韓国の潜水艦技術が相当部分活用されたと伝えられた。 ある関係者は「海鯤2番艦などにも韓国専門家たちが台湾で直接技術を伝授している」と伝えた。

警察は潜水艦技術の大半が台湾政府とコンサルティング契約を結んだS社を通じて流出したものと見ている。 S社は昨年、海鯤潜水艦の生産過程に使われる各種部品などを政府の許可なしに海外に搬出した疑いで裁判を受けている。 1審裁判部は昨年8月、対外貿易法違反の疑いでS社の役員に対して懲役1年6ヵ月、執行猶予2年を、S社に対して罰金10億ウォンを言い渡した。 (中略)

現在、韓国は対中関係を考慮し、台湾に対する潜水艦技術の輸出許可を出していない。 大宇造船海洋は、韓国型潜水艦の張保皐(チャンボゴ)艦を建造した経験をもとに、DSME1400を作り、16年インドネシアに輸出した。 この潜水艦は40人の乗組員を乗せて寄港なしで1万海里(1万8520キロ)を航海できる。

図面流出の事実は台湾内の親中性向の国会議員が情報提供して知られた。 大宇造船海洋の設計図面がCSBCなど主要関係者の間で出回ると、これを韓国の台湾代表部に知らせたのだ。 (中略)

警察はS社の職員の相当数が台湾にいて捜査が難航している。 直接捜査が容易ではないうえ、台湾政府の協力もうまく行われていないためだ。 海軍幹部出身のS社代表も台湾に滞在し、捜査当局の捜査協力を拒否している。

しかし、S社などの関係者らは、台湾に大宇造船海洋の潜水艦図面を渡していないとし、容疑を否認している。
(引用ここまで)


 台湾で新造潜水艦、海鯤級旗艦の海鯤が去年の9月に進水式を迎えました。
 その海鯤について韓国国内で騒動が起きています。

 具体的には韓国の大宇造船海洋(現ハンファオーシャン)が製造し、インドネシア海軍に納入したナーガパーシャ級が海鯤の大元になっている、との話。
 このナーガパーシャ級はドイツが海外向けに設計した209型潜水艦がベースとなっているものです。
 船体の大きさで区分があり、ナーガパーシャ級は209/1400と呼ばれています。
 ここから設計図が流出して海鯤に転用されたのではないか……と。

 いまひとつ眉唾だなぁ……と思えるのが、まず艦の大きさです。
 海鯤(ハイクン)級潜水艦は推定2500〜3000トンとされています。

台湾初の自主建造潜水艦が進水=中国抑止へ、「海鯤」と命名(時事通信)

 ナーガパーシャ級のベースとなっている209/1400はその名の通り、1400トン前後。
 水圧に耐える必要がある潜水艦は小さなものをそのままスケールアップすればいいなんてものではなく。

 日本の場合は昭和半ばのあさしお型で1650トン、うずしお型の1850トン 〜3代略〜 そうりゅう型の2900〜2950トン、たいげい型の3000トンときています。
 ノウハウを得て運用してを繰り返して、設計にフィードバックすることを繰り返してここまできているわけです。

 海鯤のサイズははるしお型、あるいはおやしお型と同クラスの2500〜3000トン。
 少なくともナーガパーシャよりは1000トンほど大きい。
 いきなりここにたどり着くのは無理じゃないかなぁ、と。


 もうひとつの理由が潜舵。
 台湾の海鯤は比較的新しい技術とされているX字潜舵を装備しているのですが、韓国で採用されていた209、214型ともに一般的な十字型潜舵。
 ベースが209/1400であるナーガパーシャ級ももちろん十字型潜舵。
 韓国の最新型潜水艦である島山安昌浩級も十字型潜舵。

 日本はそうりゅう型以降はX型潜舵を採用しています。
 最初、海鯤を見た時に「はぁ? X型潜舵?」ってなって日本からの関与もあったんじゃないかって思ったのですが、どうやらヨーロッパからの技術供与があった模様。

 2021年にはロイターが台湾の潜水艦建造プロジェクトについて「少なくともオーストラリア、韓国、インド、スペイン、カナダからエンジニア、技術者等を台湾が雇用している」ともしていました。
 政府からの正式な技術供与ではなく、半ば以上流出目的の人材確保であったとの論調。

T-DAY Battle for TAIWAN(ロイター・英語)

 この記事では日本企業は技術供与をためらった、とされています。
 ま、本当かどうかは分かりませんが。

 韓国の関与……というよりは韓国人の関与は多少なりともあったのではないか、とも思われます。
 ナーガパーシャ級の設計図が流出したのも本当かも知れませんね。
 でもまあ、「要素のひとつ」にはなっているかも……くらいじゃないかな。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

少子化で確実に数の減る韓国軍、「韓国とは敵対関係」「統一の相手ではない」と宣言した北朝鮮とどのように対応するのか

「韓国は時間があまりない」···米CNNが警告した理由は(韓国経済新聞・朝鮮語)
少子化にともなう韓国軍の兵力削減が「新しい敵」に浮上したという外信報道が出てきた。 韓国には時間が多くないが、現在の出生率では兵力を維持することは難しいという指摘だ。

CNNは29日(現地時間)、「韓国軍の新しい敵:人口推計」と題した記事で、「韓国は現在、約50万人の兵力を維持しているが、女性1人が一生産む子供数(合計出産率)が0.78人に過ぎず、これは韓国にとって最大の敵になり得る」とし、「韓国軍は変化のための日程が決まっていない。 韓国には時間が多くない」と報道した。

報道によると、韓国は北韓の核·ミサイル脅威を警戒するために約50万人の兵力を維持しているが、0.78人の合計出生率を記録する状況で、「人口算法」が韓国の最大の敵になり得るという指摘だ。 北朝鮮の脅威が減るという「誤った仮定」を前提にしているというのがCNNの評価だ。

CNNは「韓国は2000年代初めに『北朝鮮の脅威が次第に減少する』という前提をもとに、2006年67万4000人だった現役軍人数を2020年までに50万人に減らすことを決め、実際に目標を達成した」とし「しかし、その前提は偽りであることが判明した」と伝えた。 それと共に「韓国が軍技術先端化を通じた国防力維持·強化を図っているが、兵力は国防力維持のために必須不可欠な要素という点を見逃してはならない」という専門家の意見を引用した。
(引用ここまで)


 CNNが「韓国には残された時間は少ない」として、韓国軍に致命的な変化が訪れようとしているとの記事を出しています。

South Korea’s military has a new enemy: Population math(CNN・英語)

 50万人の陸軍兵力を保つためには、1年につき20万人の徴兵を行うことが必要となります。韓国の陸軍の徴兵期間は18ヶ月なので。
 ですが、去年の出生数は25万人弱。男子は12万5000人なので充当できません。

 というわけで女性の徴兵をはじめるか、テクノロジーで減数を補うかしなければならない……といった論調。
 つい先日もニューヨークタイムズが韓国の少子化が北朝鮮からの侵攻を招く可能性がある、との記事を書いていましたっけ。


 さすがに「合計特殊出生率0.78」って数字は海外からも注目されているってことですかね。
 この空前絶後の数字が国家、社会に対してどのような影響を与えるか。
 空前ではあるけど絶後ではないのか。今年も更新すること間違いないし。

 特に北朝鮮との関係性がどのように変化するか。
 あとで扱うと思うのですが、北朝鮮はこれまでの「韓国との統一を念頭においた国家体制」から、二国二制度とでも呼ぶべき「北朝鮮と韓国」の関係を新たに構築しようとしています。

 大きくは変わらないにしても、韓国側の対応体制は変わらざるを得ない。
 たとえ2027年に左派政権になったとしても、2019年以降のムン・ジェイン政権に対応していたような態度になるでしょう。
 もはや南北融和なんてあり得ない状況になった、というわけです。

 それに対して、韓国軍がどのように対応するのかを世界が注視しているのですね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国で広がる「4万トン中型空母+艦載型KF-21N」の夢……なお、事業予算は完全にゼロ

カテゴリ:軍事 コメント:(78)
来年度予算「0ウォン」……ユン・ソンニョル政権から消えていく「軽空母」事業(ソウル経済・朝鮮語)
ムン・ジェイン政権下で国防部は2020年8月、軽空母(3万トン)の導入を電撃宣言した。 当時、国防部は「2021〜2025年国防中期計画」を発表し、軽空母確保事業の推進を初めて公開した。 2033年までに約2兆6000億ウォンを投入し、3万トン級の軽空母を国内研究開発で設計・建造する計画だった。 (中略)

3年が経ってユン・ソンニョル政府である2023年12月。国防部が発表した「2024〜2028年国防中期計画」に軽空母事業予算案は「0ウォン」だ。 国防中期計画に予算を1銭たりとも反映しないのだ。 ただ、現在進行中の研究用役結果を土台に追加議論を通じて事業方向について決めるという但し書き条項を付けた。

来年初めに結果が出る研究用役核心は国内技術で開発中の「KF-21」を艦載機型に改造した「KF-21N」を軽空母に搭載することが可能なのかなど事業妥当性を点検するということだ。 (中略)

事業方向と妥当性に対する研究用役が進行中だ。 2020年に議論を始めた軽空母事業は、事業妥当性と莫大な費用を巡る議論だけを起こし、座礁している様子だ。 これに対して主管省庁である防衛事業庁は、事業が終了したわけではなく、関連研究が続いているという立場を明らかにしている。 明らかなことは、現政権で軽空母事業が廃棄されたわけではなくても、当初計画されていた期間内に導入されるのは容易ではない状況になった。 (中略)

国防部が依頼した研究用役は、国内技術で開発中のKF21を艦載機型に改造したKF21Nを軽空母に搭載することが可能かどうかだ。 また、艦載機として活用する場合、その費用はどの程度なのか、事業妥当性はあるのかを調べることだ。

海軍は当初の計画として米海兵隊が運用する「F35B」を搭載することを考慮した。 そうするうちに状況が変わり、KF21を艦載機型に改造する意見が出た。 これに対し、KF21を艦載機型改造に対する研究用役結果を実施し、事業推進が中断された。 何よりもKF21はまだ生産と戦力化が始まる前なので、F35B搭載より費用と時間が多く必要にならざるを得ないという点だ。 (中略)

軽空母の建造費用は、艦載機やヘリコプター、空母を護衛する駆逐艦など、少なくとも2兆5000億ウォンと推算される。 さらに、早期警報機、軍需支援艦などまで考慮すれば、数十兆ウォンをはるかに超える。 国策事業級の予算が入る。 (中略)

現在、軍指揮部は原子力推進潜水艦の導入に賛成派が多い様子だ。
(引用ここまで)


 ムン・ジェイン政権下で発動した「韓国型軽空母計画」でしたが。
 そのムン政権下ですら要求された予算101億ウォンのうち、認められたのは1億ウォンだけ。

韓国型軽空母、来年から設計開始予定のはずが予算は要求の1%しか通らなかった……どうするの、これ……(楽韓Web過去エントリ)

 要は「茶菓子とお茶は用意してやるから会議してちゃんと必要かどうかを考えろ」っていわれたって感じですかね。
 翌年は72億ウォンを要求して認められたのは5億ウォン
 その後、国防族議員ががんばって72億ウォンまで盛り返したのですが、22年予算としては執行されていない模様。
 政権交代があってから関連予算は要求すらされずにゼロになりました。

 そんな中、「韓国独自技術で製造される戦闘機」KF-21が試験飛行を繰り返したことで、韓国人の中にある夢が芽生えたきたのです。
 それが「艦載型KF-21(KF-21N)と中型空母を組み合わせればいいのでは?」との「独自空母+独自艦載機」構想。
 KF-Xネイビーとして語られてきた夢がにわかに現実味(?)を帯びてきたのです。


 というわけで現在は「中型空母+KF-21N」、もしくは「軽空母のままでKF-21Nを運用できるか」との事業妥当性を検討中とのこと。
 現代重工あたりが「韓国型空母計画」の模型を展示していたりするのですが、それを見るかぎりでは「中型空母+KF-21N」の計画を本命と考えているようです。

韓国型空母からKF-21N飛ぶか(ヘラルド経済・朝鮮語)

 模型の映像もありました。



 4万トンクラスでKF-21Nが艦載機として搭載されているCVX3。
 現代重工は「まだ机上のデザインで、実際の海軍からの計画はない。技術展示に過ぎない」としています。

 ただ、実際のところは韓国の国土防衛についていうなら、空母なんてどう考えても必要ありません。
 必要な海域のすべてにF-35Aで対応できるし、日本のように島嶼防衛の必要もない。

 ムン・ジェインが「空母に載せるからF-35Bを導入する」って言い出した時はなにを言っているんだと思ったものでした。
 ちなみにユン・ソンニョル政権になってからF-35Bは実質的にキャンセルされて、その代わりにF-35Aを20機追加導入するという現実的なプランになっています。

 なんでムン・ジェインがそんなことを言い出したかというと、空母(+艦載機)、原子力潜水艦、独自の核配備の3点セットは韓国左派の念願である自主国防に直結するからです。
 韓国の左派は「アメリカとの軍事同盟を破棄し、駐韓米軍を追い出し、自主国防を行う」ことを理想としています。
 駐韓米軍の代替戦力としてそれらの装備が必要であると夢見ているのです。
 実際、韓国の国防費は左派政権の時に上昇するという統計もあります。

韓国、左派政権で軍事費増額傾向 26年までに日本超え(産経新聞)

 ただ、「本当に韓国に空母、原潜は必要なのか。維持費が高騰して、他の装備調達を圧迫しないか」との危惧は左派メディアであるハンギョレからも出ているほどで。
 実際、空母を持つということはシーレーン防衛に参加する、という意味でもあります。
 アメリカと軍事同盟を結んでいる韓国が「対中国同盟」に積極的に参加するとの意思表明に受け取られるのですよ。

 韓国にそんな意図がなくて「いや、自主国防のために……」とか言い訳したところで、「一定の意図が透けている行動」をするのであれば、そのように他国には受け取られるって話です。
 アメリカで警官に車を止められた時にダッシュボードに手を伸ばすな、あるいはすももの木の下で冠を直そうとするなってことですね。
 それを左派政権が推し進めたってのがお笑いポイントではあるのですけどね。

 なので、ユン政権になってからは「事業妥当性を検討」に後戻りしたのも当然というべき判断。保守政権はアメリカを頼りにしてその補佐に廻ろうとする傾向があるためです。
 これで次期政権が左派であれば「さあ、ムン・ジェインが提唱した空母建造を実行しよう!」ってなるでしょうね。
 個人的には建造してしまってから「やっぱ無用の長物だったわ」ってなるオチを期待してはいます。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→