【噴水台】危機の韓国映画(中央日報)
今回は新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)やNetflix(ネットフリックス)をはじめとするグローバルOTTの躍進で再び韓国映画危機論が大きくなっている。映画振興委員会によると今年韓国映画劇場占有率は31.4%にとどまっている。2004年集計を始めて以来、新型コロナの直撃弾を受けた2021年30.1%を除くと最も低い数値だ。
今年1ー3月期の公開映画のうち観客が100万人を超えたのは『交渉』と『ドリーム』だけだった。今年ヒットしたのは『すずめの戸締まり』(551万人)、『THE FIRST SLAM DUNK』(467万人)など日本映画など海外映画だった。チケット価格は上昇したが観たいと思う映画がないという観客の不満も高かった。
先月31日に公開された『犯罪都市3』が公開初日に最多観客動員記録を立てて、6日で500万人を集めてスパートをかけている。『犯罪都市3』の損益分岐点は180万観客だ。韓国映画が損益分岐点を越えたのは昨年11月に公開された『フクロウ』以降初めてだ。4日基準で計2566個のスクリーンを確保して座席占有率76%を占めて「公正信号灯」には赤信号が点った。それでも俳優マ・ドンソクの「ワンパンチ」アクションが危機の韓国映画に反転の契機になることを思わず応援してしまうのはこのためだ。
(引用ここまで)
明日からも使い道のない韓国豆知識。
「映画ランキングの指標は興行収入ではなく入場者数」
一応、興行収入もチェックされてはいますが、ポピュラーな指標は入場者数です。
さて、
THE FIRST SLAM DUNKが韓国で大ヒットした、とのニュースを以前にお伝えしましたが。
その後、すずめの戸締まりも公開されてこちらも大ヒット。
ちょっと前まで韓国で今年の劇場入場者数ランキング1位がすずめの戸締まり、2位がTHE FIRST SLAM DUNKでした。
その後、5月末に封切りされた記事中にある犯罪都市3が1位になっています。
それでも日本のアニメ映画が韓国の年間ランキングの上に入りそうだ、という事実は韓国映画の勢いのなさを感じられるストーリーと言えるのではないでしょうか。
「韓国映画(ドラマ)は社会批判や政治風刺を取り入れていてすごい」みたいな言説をよく聞きます。
たとえばアカデミー賞作品賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」は韓国社会が内包する貧富の差を描いている、としていますし。
「イカゲーム」は「一攫千金のためになんでもする」韓国社会の闇を描いたとされています。
で、国際的な評価も高いのだ、と。
その一方で韓国人自身はそうした映画に辟易している、という事実が見えるのですね。
韓国映画におけるバイオレンス描写とか復讐劇とかは、韓国社会に横たわる恨を晴らす装置と化してしまっているのですよ。
いや、そういうのどうでもいいからってなってスラムダンクなり、すずめの戸締まりなりのエンタメに振った映画がヒットするわけです。
パラサイトを見た人なら分かってもらえるかと思うのですが、最後の親父の行動が唐突に感じませんでしたか?
けっこう勢いでごまかされてしまうのですが、個人的には「そこまでそうなってしまう伏線、あったっけ?」ってなりました。
あれが「恨を晴らす装置」としての描写ならば、構造的に納得できる感触があるのです。
2020年以降に劇場公開されて、歴代劇場入場者数でトップ50に入った韓国映画は前述の犯罪都市3の前作である犯罪都市2の1本だけ。外国映画はアバターやトップガンマーヴェリック等、何本か入っています。
つまり、2020年以降で大ヒットしている韓国映画は犯罪都市シリーズだけだって話なのですよ。
コロナ禍があったとはいえ、だいぶひどい成績といえます。
映画って「何本かのヒット作の恩恵で、圧倒的多数の当たらない映画の赤字を補填する」ビジネスモデルとなっています。
ヒット作がないと、特に国内で製作されるヒット作がないと産業として死ぬのですね。
記事によると、韓国映画で損益分岐点を超えられたものは去年11月のフクロウって映画以来はじめてだそうで。半年に1本じゃさすがにビジネスとして終わりかけてますわ。
そりゃまあ、メディアも焦ってこんな記事を書かざるを得ないでしょう。
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