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カテゴリ:宇宙開発の記事一覧

韓国メディア「ヌリ号の打ち上げ成功で韓国はもうなんでも打ち上げられる国になったのだ!」

2022年、韓国は宇宙に何でも送れる国になった(ハンギョレ・朝鮮語)
ヌリ号発射成功は、1990年代初頭に始まった韓国の30年宇宙発射体研究開発の総決算という意味がある。また、今後30年の跳躍を準備しなければならないマイルストーンでもある。9年前に発射に成功したナロ号が本格的な宇宙開発時代の新章を開いたとすれば、21日ヌリ号の成功的発射は韓国が発射体核心技術を自主的に確保したことはもちろん、宇宙開発競争に本格的に対応できるようになったことを意味する。

ヌリ号発射成功が光る理由は、設計、製作、試験、発射、運用などすべての過程を独自技術で行ったからだ。2013年1月30日発射に成功したナロ号の場合、1段ロケットをロシアで購入したものだ。またナロ号は100㎏の小型衛星を搭載するのにとどまった。ヌリ号は国内技術でナロ号搭載衛星より15倍重い1.5トンの衛星を700キロ上空に載せた。今回ヌリ号発射成功で韓国は宇宙戦略技術を独自に確保した10番目の発射国になった。特に75トン液体エンジンを開発し、中大型の液体ロケットエンジンを保有した世界7番目の国に成長した。

宇宙技術は国際的に技術移転や情報共有が制限される。発射体技術は国家安全保障レベルで見ると、ミサイル開発にも使えるからだ。ヌリ号発射が成功することで、韓国は発射体という安保資産だけでなく、また他の安保資産である衛星の発射・運用能力も確保することになった。チョン・ファンファン韓国航空宇宙研究院(ハン・ウヨン)発射体開発本部長は、ヌリホ発射成功を置いて「何よりも宇宙発射体をひとつ確保したということは、何でも宇宙に乗せることができる輸送手段を確保したという意味がある」と話した。

韓国は1993年に1段型固体推進科学ロケットを初めて開発して以来、着実に技術力を育ててきた。2013年、推力(押し上げる力)140t級のナロ号発射に成功し、9年ぶりに300t級ヌリホ発射を成し遂げたのだ。宇宙先進国が300t級発射体を開発するのに平均7年ほどかかったことに比べれば、韓国の技術競争力が決して遅れないわけだ。主要国以外にパキスタンなどいくつかの国家が宇宙発射体の開発に挑戦したが、成功した国家は韓国が唯一だ。 (中略)

ヌリ号を通じて私たちの発射体の競争力を対外的に知らせて発射体市場に進出し、世界的傾向である小型衛星発射のための小型発射体開発も民間宇宙企業を中心にもう少し活性化できる宇宙産業エコシステムを構築することもヌリ号の後に模索すべき課題に挙げられる。
(引用ここまで・太字引用者)


 ヌリ号の打ち上げ実験が成功した、とのこと。
 ダミー衛星を低軌道に投入することができたので、もう韓国はえらい騒ぎになってます。
 SBS、MBC、KBSの地上波はYouTubeチャンネルですべて生中継。
 テレビでも中継していたようですが、こちらはチェック忘れた。
 関連ニュースを報じている記事にはコメントが100〜500くらい分散してついているという状況。

 舞い上がってますわ。
 低軌道に1トンクラスの投入能力ってことはN-Iロケットの頃ですから、日本では50年くらい前の出来事か。1975年。
 さすがに当時の日本の反応がどうだったかはわからんなぁ。
 国会図書館にマイクロフィルム見にいかないとダメなレベル。ニュース映像とかどこにもないんじゃないかな。


 で、「もう韓国はなんでも打ち上げられる国になった」のですって。
 ヌリ号はエンジンのクラスタ数を増やすことで、比較的容易に推力を上げることはできる設計になっているのですけども。
 設計上はそうできる、ということと実際にやるとじゃ大違いですからね。

 あと個人的にはこの記事にある太字部分の「推力(押し上げる力)」がとてもお気に入り。
 押し上げる力……かぁ。
 こうした科学用語になるともはやハングル同士での翻訳が必要なのですね。

 肩甲骨を「かたのほね」と翻訳しないと理解できないという記事が以前にありましたが。
 まあ、そういうことになっているのでしょう。

 あ、それと商用打ち上げもするつもりらしいですよ?
 うん、まあなんだ……がんばってね。

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韓国独自のロケット「ヌリ号」、21日に午後に打ち上げ……韓国メディアは「無理に打ち上げようとしていないか」と指摘するも

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(112)
韓国型ロケット「ヌリ号」 21日午後に打ち上げ再挑戦…「できる限りのことをした」(中央日報)
打ち上げが2度延期された韓国型ロケット「ヌリ号」(KSLV-II)が21日にまた打ち上げに挑戦する。科学技術情報通信部は17日、オンラインで行ったヌリ号点検現況および今後の計画に関するブリーフィングで、21日午後4時に決定したヌリ号の2回目の打ち上げ日程を発表した。 (中略)

しかし航宇研側はこの日のブリーフィングで「レベルセンサーの問題ではあるが、1段目・2段目の分離までは必要なく、部分品を取り替えることができた」と説明した。 (中略)

当初、再打ち上げ日は予備期間の23日を過ぎるという見方が多かった。21日の打ち上げ日程をめぐり「科学技術情報通信部と航宇研が打ち上げ予備日に合わせるために日程を無理に進めているのではないか」という疑問が提起された背景だ。 (中略)

科学技術情報通信部の権ヒョン準(クォン・ヒョンジュン)巨大公共研究政策官も「決して予備日に合わせようと急いだのではない」とし「ヌリ号に火薬類が装着された状態であり、分離は利益よりリスクが大きいと判断し、できる限りの点検をした」と伝えた。
(引用ここまで)


 ロケット打ち上げの際には国際機関に向けて「この期間に打ち上げをします」といったアナウンスをします。
 その期間が過ぎると再取得しなければならないのでけっこう面倒なことになります。
 なんとあの北朝鮮ですら遵守する(こともある)ほどです。

 今回のヌリ号については15日が打ち上げ予定日で16〜23日までが予備日として登録されています。
 で、今回は15日が悪天候で取りやめ。
 16日にずらしていたのですが、そちらもセンサーの不具合が見つかって中止。23日までの打ち上げは難しいのではないか……とされていたのですが。


 唐突に21日に打ち上げる、と言い出したと。
 充填されているケロシン/液酸の燃料、酸化剤を抜くのも面倒だし、けっこうな費用がかかる。
 10年以上かけているのにたったの1兆ウォン半ばで開発している現場には燃料費もそうとうな負担になっているでしょうしね。

 かなり無理をしている感があります。
 韓国がなんのために宇宙開発をしているのか不明だ、ということを何度か書いていますが。
 その際にも「国威発揚だけにリソースが割り振られている」という話をしています。
 韓国メディアも「日本のロケットは液水液酸で失敗ロケット。韓国のやっているケロシン・液酸が正解で市場はすべて我々のものになる」みたいなバカ記事を書いて煽りまくっていたのです。

 国威発揚が目的なら失敗は許されないわけです。
 それは打ち上げ期間についても同様です。まあ……21日を楽しみにしておきましょうか。

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韓国人科学者「韓国版NASAが必要だ」とするものの、ロケット打ち上げの予定は無期延期に……

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(105)
「日本は月探査するのに…」科学者たち「韓国版NASA・宇宙庁切実」(マネートゥデイ・朝鮮語)
ヌリ号(KSLV-II)が来る15日、宇宙に再び飛び上がる。ヌリ号は国内研究陣と300社余り企業が生み出した合作品だ。宇宙技術独立を起こすというこだわりの結果物でもある。ヌリ号開発には12年間で1兆9572億ウォンという時間と費用が投入された。これまでヌリ号が残した現場の遺産とその裏面に見えなかった韓国の宇宙分野の宿題を見てみる。 (中略)

宇宙コントロールタワー不在は最近、米国と首脳会談を持つ韓日両国の成果物でも差を示した。韓国は米国と「宇宙探査共同研究」協力だけを公式化したが、日本は月探査と月着陸、月軌道有人宇宙ステーション(ゲートウェイ)協力、小惑星標本分析など具体的な空調に乗り出すことにした。日本は首相が宇宙開発を指揮し、日本航空宇宙開発機構(JAXA)などがこれを裏付けている。 (中略)

ある KAIST宇宙分野教授は「現在、宇宙コントロールタワー議論は政治的問題に漂流している」とし「既存の宇宙分野を担当する公務員は循環保全システムで専門性さえ欠けており、国際協力に限界を示している」と指摘した。 。 (中略)

宇宙コントロールタワーが存在しないという指摘が、ユン・ソクヨル政府は米国航空宇宙局(NASA)をモデルに「韓国版NASA」設立を進めている。しかし、国家的な宇宙ビジョンや哲学なしに地域均衡発展の一環として航空宇宙庁の新設が推進され、懸念が高まっている。現在、過期政府省傘下航空宇宙庁新設が検討されているが、公務員数だけ増やす形態という批判もある。
(引用ここまで)


 ヌリ号の打ち上げがあたかも成功するという前提で書かれていて笑ってしまったのですが。
 当初、15日に発車を予定していたヌリ号の第2回打ち上げは16日に延期され、さらに延期になりました。

韓国初の国産ロケット センサーに異常発生し打ち上げ延期(聯合ニュース)

 センサー異常で原因が分からないということで、発射台から降ろして組み立て棟に戻してばらしてから原因究明。
 まあ、1日やそこらで組み立てて発射台に持ってって……というのは無理なので期日不明の延期。

 前回の衛星の軌道投入が失敗でも、ムン・ジェインは「素晴らしい成果だ」「優れた成果だ」って強弁していましたが、今回はどのくらいの成功なんでしょうかね?
 ま、それはともかく。


 以前から書いていますが、韓国の宇宙事業がなんのためなのかがまったく不明。
 自国で打ち上げ能力を持つことで、他国の影響を受けることなく衛星を打ち上げられるという話をしていたことがあるのですが。
 韓国が年間に打ち上げる衛星なんてふたつくらいがいいところで、そんな頻繁に打ち上げる必要があるわけでもない。

 韓国版GPS(実際には韓国版みちびき)を……とか言ってるのもありますが、それもまあ3つあれば朝鮮半島全部が範疇に入るはず。
 いうほど衛星打ち上げ需要なんてないのですよ。
 信頼性ゼロのロケットに国外から打ち上げ依頼があるわけもなく。

 「月探査を」とかもやってますが、月探査してどうするのという疑問には答えられない。
 変な空回りするローバーとか作っちゃう。
 たとえば日本の小惑星探査については「生命の起源を探る」というような大上段に構えたコンセプトがあります。実際にアミノ酸を見つけ出すことができましたね。
 まあ、アミノ酸と生命はイコールではないけど。

 安くない事業費を必要とするのですから、そうした説明は必要になると思うのですが。
 どこかこう「宇宙強国になる」とかいうぬるい目標だけでここまで来てしまっている。
 韓国の宇宙開発はどうあるべきなのか。
 どうありたいのか。
 どういった方向性で進もうとしているのか。
 それを示すことがいっさいできないままロケット打ち上げだけしてもなぁ……という感じですかね。

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韓国人「ヌリ号打ち上げ成功で韓国は7大宇宙強国になる」「純国産ロケットだ」……そのロケットエンジン、ロシアからパクったアレだよね?

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(84)
【韓国宇宙時代本格開幕】「純国産技術のヌリ号は完全な宇宙開発の始まり」(中央日報)
「ヌリ号の打ち上げは国家宇宙力の完成を意味し、もう新しいガバナンス(管理体系)を準備すべき」。航空宇宙システム工学が専門の建国(コングク)大学の李昌鎮(イ・チャンジン)教授は「ニュースペース時代に宇宙開発を活用する民間産業の生態系をどのように作るかが今後の課題」としながらこのように話した。 (中略)

Q:ヌリ号は韓国にどのような意味なのか。

A:「純韓国技術で作ったロケットの成功は完全な宇宙開発の始まりを意味する。これまでは韓国の技術で人工衛星を作ったとかロケットを作ったとかいうことに意味があった。しかしこれからはこの技術で何をするのかを考える段階だ。韓国が強みを持っている製造業でも似た経験をした。例えば自動車にしても爆発しないで走れるということを目標にしない。問題なく作ることができてもこの自動車をどのように活用するのかを提示できなければ市場を作ることができない。こうした悩みなしで今後さらにロケットを打ち上げるのは意味がない」。

(中略)

Q:参考になるような事例を挙げるならば。

A:「韓国と情緒的に似ている日本を見ると、首相直属で宇宙開発戦略本部を置いている。韓国でいえば大統領直属の宇宙開発戦略本部という形だ。主管官庁は文部省だが、各省庁が参加しながら国家的宇宙開発需要をまとめて計画を立てる。各官庁で重複する計画は調整し限定的な予算を効率的に活用することだ。日本が小惑星探査船を送って成果を出したのにはこうした背景があった。日本の事例が正解とはいえないが韓国も新たなガバナンスを準備しなくてはならない」。
(引用ここまで)


 純国産って……。
 ロシアがナロ号の展示用にって持ってきたエンジンがあって、それがなぜかガワだけじゃなくて中身のあるアンガラロケット(RD-151、RD-191のモンキーモデル)の本物だったっていうことから参考にしまくったって言ってたのに。

「ロシア、羅老号のとき韓国に先端ロケットを残していった」(中央日報)

   この記事は半年前のもので、ロシアがこれを残していったのは10年前のこと。
 推力を減じたモンキーモデルとはいえ、最新のアンガラロケットのRD-151をそのまま研究材料とできたわけです。
 ロシアの管理能力が低下しているのはこんなところからも伺えていたわけですね。

 産業スパイまで使ってアメリカからRD-180を盗もうとしていたのに、こんなところから技術が流出していようとは……って感じです。
 まあ、本当に「模型として持ち込まれたのか」「偶然に置いていかれた」のかにはいろいろと疑問がありますけどね。
 韓国はソ連崩壊のどさくさに紛れて潜水艦用原子炉の設計図まで入手しているとされているほどですから。


 まあ、入手経路はともあれ。
 こうして「韓国産ロケット」を作り上げたのですが。
 問題はそれをどうやって運用するのか、ですね。

 一応、スペック上は1.5トンのペイロードを持ち、低軌道に乗せられる……ということになっています。いわく「7大宇宙強国」になるのだそうですよ。

韓国初の国産ロケット 2回目打ち上げ成功なら高度化事業推進(聯合ニュース)
ロケット開発技術は国家間の技術移転が禁じられている分野で、現在、独自の打ち上げ能力を備えた国はロシア、米国、中国など9カ国。このうち1トン以上の衛星の打ち上げが可能な国は6カ国にすぎず、ヌリの打ち上げが成功すれば韓国は「7大宇宙強国」の仲間入りを果たすことになる。
(引用ここまで)

 まあ……「7大宇宙強国」とやらになったとして。
 で、どうするのって話なんですが。
 韓国による人工衛星の打ち上げは年2回あれば多いほう。
 完全に新規参入なんで商用とするのも難しい。
 外国からの依頼はありえない。韓国での打ち上げをするにもそこまで需要があるのかどうなのか。

 ま、軍事転用するなら需要は充分にあるでしょうけどね。

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韓国人「ロケット技術を得るためにロシア人が捨てた資料を盗み、廃棄された油も回収して分析した。これが韓国の独自ロケットエンジンの秘訣だ」……ええ

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(214)
露エンジニアが捨てた資料も漁って部品37万個を国産化、ヌリ号打ち上げを率いた3人の主役(朝鮮日報)
 韓国航空宇宙研究院のコ・ジョンファン韓国型発射体開発事業本部長は2010年からヌリ号の開発研究を率いてきた。コ氏は米テキサスA&M大学で衛星研究によって博士号を取得し、2000年に研究院でのロケット研究に参加した。コ氏は「米国では外国人にはロケットのようなデリケートな研究は任せなかった」と話した。

 コ氏は韓国のロケット開発の生き証人だ。2000年に韓国初の液体燃料ロケットである「科学ロケット(KSR)3号」を開発したのをはじめ、ロシアとの羅老(ナロ)号の共同開発、今回のヌリ号まで20年以上にわたり発射体研究に没頭した。コ氏は羅老号開発当時、ロシアのエンジニアが落としていった紙を拾い、徹夜で翻訳したり、捨てられた油を分析したりした。 (中略)

独自技術でロケットエンジンを開発するには海外では平均で10年かかるが、韓国は7年半で打ち上げまで成功した。
(引用ここまで)


 ナロ号打ち上げの際に韓国人研究者は「1段目には触れることも許さない」ってロシア側からやられてたのですが。
 それでも捨てられた資料を拡げ、捨てられた油も回収して分析した……っていう。
 なんだろな、これがまるで英雄譚のようにして語られているのおかしくない?

 いつだったか、韓国の醤油会社の社長が日本の醤油工場に見学にやってきて、酵母を盗もうとして深呼吸して帰国してから鼻毛を調べた……なんてのもありました。
 ……いや、ホントよ?
 宇宙関連でいうとロシア製のRD-180をアメリカから不正輸出しようとしたり、宇宙旅行の席を買った宇宙飛行関係者がロシアで資料を持ち帰ろうとするなど傍若無人の振る舞いをしてたなんてこともありますが。


 そもそもロケットエンジンもウクライナから供与された30トンエンジンを元としているとの話でした。
 「技術開発」になにか元があっても全然よいのですけども。
 それを「ゼロから作り上げた韓国の独自技術」ってするの、ホントに頭おかしい。

 技術を盗んできたことをまるで「愛国心の発露」みたいにしていることと並んで「韓国って違うよなぁ」ってなりますわ。

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韓国初の国産ロケット、打ち上げは失敗……なぜかムン・ジェイン大統領が自ら「成功できなかったが大きな成果」とアナウンス

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(132)
韓国初の国産ロケット打ち上げ 衛星軌道投入は失敗(聯合ニュース)
 ヌリの飛行は全過程が正常に行われたが、ダミー衛星が目標の速度に至らず、地球低軌道に乗ることができなかったという。

 ヌリは南部の全羅南道・高興の羅老宇宙センターから打ち上げられた。1段目の分離やダミー衛星を保護するフェアリングの分離、2段目の分離、第3段エンジンの点火と停止を経て、高度700キロでダミー衛星を分離した。

 ダミー衛星が目標の速度に達しなかったのは、第3段のエンジンが予定より早く停止したためという。
(引用ここまで・太字引用者)


 「全過程が正常に行われたが、3段目が予定より早く停止したために失敗」……えっと?
 ま……まあ、今回のヌリ号の打ち上げ名目はあくまでも試験ですから、軌道への衛星投入が失敗したところでどうということもない。どうせ1.5トンのダミーですし。
 これまで自力での打ち上げを経験したことがないので、新たな知見を得られればそれで成功という言いかたもできると思います。
 いや、実際問題ね。

 ただなぁ……。
 ナロ号の1号機でも「2段目」という名称の韓国製キックモータに搭載されたフェアリングの展開がうまく作動せずに衛星軌道への投入に失敗しています。
 今回の3段目相当なわけで。
 ちょっといやな感じはしますね。


 一方で75トンエンジンを4基クラスターさせた1段目、75トンエンジン1基の2段目については燃焼もうまくいったようでおめでとうございます。
 まあ、テレメータからの詳細データではどうなのかは分かりませんが、とりあえず。

 あと面白かったのが、メディアがえらい勢いで報じていたことですかね。
 それこそ3分おきに速報を出す勢いでした。
 まあ、そこまで感動できるのはどこか羨ましくもありますかね。日本はすでに50年以上前に通った道だからなぁ。

 もうひとつの面白ポイントはなぜかムン・ジェイン大統領がわざわざ現地におもむいて、さらに自ら成功しただの失敗だっただのアナウンスしているっていうこと。

文大統領 韓国初の独自開発ロケット打ち上げ「素晴らしい成果」(聯合ニュース)

 この日本語版の記事は抄録ですが、実際にはえらい長い演説をしています。

[全文]ムン大統領ヌリ号発射見学、国民メッセージ(聯合ニュース・朝鮮語)

・目標を達成はできなかったものの、最初の打ち上げで優れた成果を収めた。
・2027年までにさらに5回、ヌリ号を発射する。
・3兆7000億ウォンを投じて韓国型衛星航法システムKPSを本格推進する。
・民間に技術移転をして低コストの固定ロケットを民間に打ち上げさせる。
・30年までに(ローバーを)月面着陸させる。

 KPSはみちびき的なローカル衛星航法システムですね。以前から話は出ていたものです
 なるほど、いろいろとネタは継続する……というわけです。

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韓国メディア「日本は小惑星から、中国は月からサンプルリターン……韓国の宇宙開発はなにをしているのか?」

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(114)
タグ: 宇宙開発 KSLV-2
2018年→2020年→2022年…韓国の宇宙探査は「延期、また延期」(朝鮮日報)
もともとの計画通りなら、今ごろ韓国も月探査機を運用しているはずだった。しかし、宇宙開発は政治的論理に左右され、延期され続けてきた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府は2007年、「月の軌道船を2020年、着陸船は2025年に打ち上げる」という計画を立てた。朴槿恵(パク・クネ)政権は2013年、大統領選挙公約に合わせるとして、「軌道船は2018年まで、着陸船は2020年」と日程を早めた。

 ところが、文在寅(ムン・ジェイン)政権は2017年、軌道船打ち上げを2020年、着陸船は2030年に遅らせた。前政権の事業であるため優先順位が下がった、という話がささやかれた。政府の支援どころか、監督もろくにしてもらえない間に、軌道船打ち上げは再び2022年に延期された。開発主体である航空宇宙研究院では月探査責任者の交代が相次ぎ、院長が酒の席での研究員に暴力を振るって任期を2カ月残して解任される事態も起こった。

 宇宙ロケットも状況はほぼ同じだ。韓国は2010年から1兆9572億ウォン(約1880億円)をかけて3段型で初の国産宇宙ロケット「ヌリ号」を開発している。2009年に打ち上げられた2段型ロケット「羅老号」は中核となる1段をロシアが製作した。当初の計画は、来年2月と10月に試験打ち上げをするというものだったが、燃料タンクなどの部品製作に問題があり、当初予定されていた来年2月から6カ月後に延期される可能性が高くなった。ヌリ号が成功しても、ようやく地球の周りを回る人工衛星を独自で打ち上げるレベルだ。米国やロシア、ヨーロッパ、中国、日本、インドのように月や小惑星に行く探査機を打ち上げるには、より強力なロケットが必要だ。しかし、月を超えて宇宙に行く次世代宇宙ロケットはまだ協議すらまともに行われていない。
(引用ここまで)


 韓国の宇宙開発って「どうなりたいのか」がまるで見えないのです。
 極端に国威発揚だけにリソースが割り振られている。
 ノ・ムヒョンが「ロケットぶち上げたるわ」って言ったんで、技術開発をスキップするしかなかった。
 結果としてロシアからアンガラロケット1段目をまるまる輸入して、運び込んで「韓国独自のロケットだ」とか報じてしまう。

 宇宙飛行士もロシアからソユーズの席を買ってきて「宇宙飛行関係者」になったら、「韓国人宇宙飛行士」のいっちょあがり。
 実際にはJAXAからも「宇宙旅行者」として扱われている。
 ま、旅行者ていどのことしかやっていないのだからしかたない。

 月探査もそこそこ地味なロードマップが敷かれていたものが、パク・クネが大統領選の公約で「2020年には月に太極旗をはためかせる」とか言い出して2017年に月軌道周回探査、2020年月面探査とかいうスケジュールで5年以上繰り上げられたのです。
 その後、ムン・ジェイン政権になって「パク・クネの政策はすべて積弊」となって、宇宙開発もほぼ白紙に。
 あとついでにいうと韓国独自のAI開発も白紙

 世界で一番は無理。どう考えたって。
 アメリカもいるし、中国もいる。最近はかなり衰えたとはいえロシアだっている。
 じゃあ、そんな中でどう存在感を見せるのか、とか。
 独自の打ち上げロケットを所有してどうするのか、とか。
 そういうデザインがミリほども見えてこない。

 「衛星打ち上げが他国のスケジュールに影響されずに可能だ」みたいなことを言うこともあるのですが、現状で衛星打ち上げなんて年2回あるかどうか。
 独自ロケットがあったってそれが3倍とか4倍にはならんでしょ。
 独自のロケットを開発したり、月探査をしてどうなりたいのか。
 そういえば、韓国メディアからは「日本の液酸液水はダメロケット、韓国のケロシンロケットがすべて市場を奪い取るのだ」みたいな記事が出てたことがありましたっけ。
 そのあたりが「目的」なのかもしれませんね。


アメリカを中心に日本やカナダ、UAEまでが月探査に参加するアルテミス計画、韓国が参加できなかったのはなぜか……技術力も資金力もないからじゃない?

【現場から】韓国から衛星技術を学んだUAEも加入した「アルテミス」…韓国はなぜ入れなかったのか(中央日報)
米国航空宇宙局(NASA)は13日、月面基地の平和的な運営と月資源の開発協力などを盛り込んだアルテミス協定の署名を完了したと明らかにした。アルテミス計画は1969~72年の米国有人探査以降、半世紀ぶりに人類が再び月を探査するという計画だ。今回の協定には米国・日本・英国・オーストラリア・カナダ・イタリア・ルクセンブルク・アラブ首長国連邦(UAE)など8カ国が署名した。 (中略)

アルテミス協定に参加した8カ国はこれまで宇宙探査に関連して米国政府・企業と積極的に協力した国々だ。日本の安倍晋三氏は首相だった昨年、「日本の宇宙開発戦略本部はNASAが推進する月回帰事業に参加することに決めた」と明らかにした。カナダ宇宙局は今年6月、アルテミス計画のための次世代ロボットの腕「カナダーム3(Canadarm3)」の開発のために関連企業と契約を交わしたと発表した。 (中略)

これまで韓国が何もせずに見物だけしていたわけではない。2018年末、韓国政府は関連プログラムに参加するという意思を明らかにする書簡をNASAに送った。だが、それだけだった。韓国の無人月探査日程はゴムひものように伸びて延期になるということを繰り返した。第2段階である月着陸計画はますます霧の中だ。「今後の動向を見守って決める」というのが当局の立場だ。

世界主要国はすでに月と宇宙を戦略的資産とみている。好奇心と研究・開発(R&D)の領域を越えて未来の新成長産業を育成する次元に持っていこうとしている。ドナルド・トランプ米国大統領は2017年就任以降、宇宙開発への意志を公然と表明した。トランプ氏は「宇宙開発は国家安全保障の課題であり、他の国が米国より優位を占めることを容認できない」と話した。翌月の米大統領選でどちらの候補が当選しても宇宙開発に対する米国の意志は変わらないだろう。UAEの宇宙開発への意志も米国に負けない。数年後、UAEを含めた8カ国が月に宇宙飛行士を派遣する時、大韓民国は相変らず無人月探査計画だけに鉢巻きをしていなければならないのだろうか。
(引用ここまで)


 月面探査といえばヘリウム3。
 ヘリウム3といえば核融合炉、Iフィールド、ミノフスキー粒子……おっと、そっちじゃない。
 月面探査のひとつの要因として地球上にはほとんどないものの、月面には豊富にあるヘリウム3等の資源探査も大きな理由。UAEが将来技術として見据えているのも間違いないでしょうね。
 ですが、さすがにアポロ計画のような遠大な計画をアメリカだけで賄える時代ではない。
 というわけでアルテミス協定は8カ国によって署名され、半世紀ぶりの有人月面探査計画がスタートしたというわけです。
 まあ、各国の思惑はそれぞれにあるので順風満帆で進むかというとそうでもないのでしょうが。

 で、韓国はなぜ参加していないのか、という話ですが。
 いや、なんででしょうね?
 韓国独自の無人月探査計画がある、というのも原因のひとつでしょうけども。
 以前から語られているように韓国には独自技術による(技術供与元はNASA)月探査計画があります。
 まずは月軌道上からの探査。ついで月面探査をローバーで行うという2段計画になっています。
 当初はパク・クネが「2020年までに、月面に太極旗を翻らせる」と公約してしまったのですね。そのために月軌道からの探査も2018年に前倒しされるなどえらい騒ぎだったのですが。
 月インターネットなるものを世界ではじめて実現させるとか意味不明なことを言ってましたね。
 ですが、パク・クネ政権が弾劾されると同時に月探査計画も元のスケジュール……というか、むしろ「月面探査はパク・クネによる積弊計画」という認定を受けて実現されるかどうか怪しいものとなっています。

 韓国メディア曰く、ルナインパクター計画は韓国の衛星技術に恐れをなしたNASAが技術提携を申し込んできたものらしく?
 いくら検索してもさっぱりルナインパクター計画がどのようなものかの全貌が見えてこなかったのですが。
 NASAが提携を申し込むほどのの技術を持つ韓国をアルテミス計画から外すというのはどういうことなのでしょうか。
 NASAには韓国への愛はないのか。ないな。
 資金も提供できなければ技術も供与できない。そんな国が加わる意味がない、ということでしょう。
 それ以外に理由とか見当たりませんわな。

月はすごい 資源・開発・移住 (中公新書)
佐伯和人
中央公論新社
2020-01-17