韓国の宇宙予算規模が主要国に比べて非常に小さく、衛星体および発射体関連の核心技術水準も大きく遅れているという指摘が出た。
韓国経済人協会(以下、韓経協)は、宇宙航空産業の専門家である郭信雄(クァク・シンウン)国民大学教授に依頼して進めた報告書「宇宙航空産業発展方案」を通じて、このように明らかにした。
22年基準の米国宇宙予算は695億ドル、中国は161億ドル、ロシアは37億ドル、日本は31億ドルだった。 しかし、韓国の宇宙予算は6億ドルで、米国の0.86%水準に過ぎなかった。 GDP対比宇宙予算の比重も韓国は0.033%で、主要国(米国0.278%、ロシア0.147%、日本0.095%、中国0.088%)との格差が大きいことが分かった。
宇宙観測センシング技術の水準は米国(100%)に比べて65%水準に過ぎず、EU(92.5%)、日本(81.0%)、中国(80%)より低いことが分かった。 宇宙発射体の核心技術である大型多段燃焼サイクルエンジンの技術水準も米国(100%)に比べて55.0%水準だった。 中国(86.0%)、日本(82.5%)、EU(80%)などに比べても低かった。 (中略)
先立ってユン・ソンニョル大統領は5月、慶南泗川宇宙航空庁臨時庁舎で開かれた開庁記念式に参加し「2032年月に私たちの探査船を着陸させ、2045年に火星に太極旗を差し込むための『スペース広開土プロジェクト』を推進する」と明らかにした経緯がある。
(引用ここまで)
韓国の宇宙開発予算がだいぶ少ない、とのこと。
んー、韓国くらいの経済規模でロケット打ち上げまでやっているところってほとんどないんですよね。
ロケットの打ち上げまで考えているところとしては以下の国々があります。
これらの国とロシアの経済規模も似たようなもんですが、ロシアはこれまでの基盤があるのでまた別。
・韓国(成功済)
・インドネシア
・ブラジル
・イラン(成功済)
おや、どれも「我、地域大国ぞ?」って思っている国ばかりですね。
ブラジルはそこそこやっていたのですが、事故で技術者の多くが亡くなって全面中止が続いていました。
基本、どの国も「ICBM開発とセット」なので、アメリカあたりはブラジルの宇宙開発についてかなり神経を尖らせていたりしましたね。
あとインドネシアについては日本のカッパロケットが輸出されていますが、軍事転用が目的だったのではないかとも。
ただ、韓国の宇宙開発をその視点から見るとちょっと熱心さに欠けている部分があるのです。
なんかこう……「え、本気で軍事転用する気ある?」くらいのイメージ。
国威発揚には使っていますが、そこまでくらい。
パク・クネが大統領選挙中に「2020年に月に太極旗を翻させるだろう」って選挙公約を掲げて、計画が5年ほど前倒しになったのですが。
ムン・ジェイン政権で「積弊である」としてほぼ全面的に取りやめ。
で、今度はユン・ソンニョルが「2032年に韓国製の月探査船を月面着陸させて、2045年には火星探査を行う」って言い出したのですが。
まあ、言うだけならただですからね。
軍事転用もするつもりはあるんでしょうが、そこまで本気じゃない……って感じです。
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