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韓国仁川市長「仁川市に市街地サーキットで韓国GPを復活させる!」→1年後、まったくもって進捗ゼロ……でしょうね

進展のない「F1グランプリ誘致」(仁川日報・朝鮮語)
F1(フォーミュラワン)グランプリの誘致を推進する仁川市が、大会開催に対する事前妥当性調査用役業者を公募したが、1社だけが参加して失敗に終わった。 早速、市は再公募に乗り出した。

市は7日、F1グランプリの基本構想および事前妥当性調査用役の再公告に入ったと8日明らかにした。

用役費は3億5000万ウォン余りで用役期間は5ヶ月だ。 課業内容を含め、すべて最初の公告の時と同じだ。

市は今年2月、入札公告を上げたが、1社だけが参加し、業者選定手続きに移ることができなかった。

ただ、今回の再公告でも参加業者が1ヵ所に止まる場合、市は随意契約を実施することができる。 (中略)

用役結果を土台に文化体育観光部に国費支援も要請する。 市はサーキット(競走用トラック)造成費と大会運営費などに最大30%まで国費の支援を受けることを目標にしている。 過去、全羅南道で行われたF1大会も国費30%の支援を受けた。

しかし、基本構想や事前妥当性調査の用役が遅れ、政府協議などが当初の予想より延ばされかねないという懸念も出ている。

市関係者は「F1大会申請に締め切り期限はないが、仁川は2027年大会開催を目標に準備しており、今年中に具体的内容が行き来しなければならない」として「用役が遅れるだけに最大限急いで協議を進行するだろう」と話した。
(引用ここまで)




 再来年、2027年に韓国GPの復活を目論む仁川市ですが、いまだに事前調査を行うオーガナイザーすら選定できていない始末。
 というか当初予定では2026年にもとか言っていたんですよね。
 市街地サーキットでささっと用意できるので、みたいな話で。
 去年の日本GPが終わった直後くらいだったのでちょうど1年前になりますか。



 まあ、市街地サーキットとはいえどもそんな簡単なわけもなく。
 去年10月に最初のオーガナイザー探しがあったのですが、成立せず。
 そもそも韓国国内にオーガナイザーが存在しない。
 といったわけで1年経ってもまだ進捗ゼロ。 



 なのに2027年には開催できるつもりでいるそうですよ。
 このあたり、「韓国はなにごともパルリパルリだ」ってヤツなんでしょうね。
 その結果が韓国インターナショナルサーキットでの韓国GPと韓国脱出GPだったわけですが。

 あ、そうそう。
 日本のトップフォーミュラであるスーパーフォーミュラが韓国で開催かって話、ありましたね。



 去年の夏頃に25年のカレンダーが発表されて6月に韓国のどこかで開催っていうあやふやな情報でした。
 もちろん、断念されています。

JRP、2025年のスーパーフォーミュラ韓国大会開催断念を発表。来季は7大会12レースのシーズンに(auto sport web)

 スーパーフォーミュラのアジア開催は念願といってもいいのですが。
 根本的にレース文化がアジアに根付いていないんだよなぁ……。

 一応、まだ仁川での韓国GP復活は「火のない所に煙は立たぬ」レベルでは継続していますよ、ってところで。
 あとついでに故今宮純氏の韓国GPレポートのエントリにリンクしておこう。2010 / 2011 / 2012 / 2013

 もひとつついでに楽韓さんによる韓国インターナショナルサーキットのレポートもどうぞ。





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 中味は長編記事。最新の記事は「草津の冤罪など生ぬるい! これが韓国のセクハラ二次加害だ! 」となっています。


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仁川F1、誘致発表以降にミリほども計画が進まず。なぜか今度は仁川空港公社が独自にサーキット建設して誘致に……え、これどうするの?

スタートから「ギクシャク」F1誘致… 仁川空港公社とともに行く案も(京幾日報・朝鮮語)
今年4月、ユ・ジョンボク仁川市長が日本三重県のF1グランプリ競技場を訪れた。 F1最高経営者に会って仁川開催意向書を渡した。 F1側の反応も良かった。 まもなく仁川に来て後続協議をする」と話した。 仁川市は2026年、遅くとも2027年ごろ、仁川F1グランプリ初大会を開催できると発表した。

しかし、半年が過ぎても仁川F1は一歩も進んでいない。 妥当性調査はもちろん、国費支援も可能か不透明だ。 今年、F1グループ側と了解覚書(MOU)でも終えようとしたが、実現しなかった。 事業の妥当性や基本構想などもないためだ。 さらに、仁川空港公社までF1グランプリの誘致に乗り出したという。 どのように動くのか。

仁川市は5億ウォンをかけてF1誘致の事前妥当性調査のまとめ役を雇用しようとした。 最適のF1開催地を探し、観覧席など各種施設計画や事業費を検討するためだ。 しかし、オーガナイザーを見つけられず、発注さえできずにいる。 国際自動車連盟(FIA)のグレード1認証を受け、F1サーキットデザインが可能なメーカーから多くなかった。 いくつかの業者と接触したが、用役の範囲や費用などの問題も越えられなかった。 8月には発注しようとした日程が引き続き延ばされている。

このため、国費支援を引き出すための作業もストップだ。 F1大会の仁川開催を説得するだけの基本構想や妥当性調査の結果もないからだ。 F1大会は五輪、W杯と共に世界3大スポーツイベントに挙げられる。 しかし、国際競技大会支援法の支援対象からは外されている。 現在はオリンピックとパラリンピック、ワールドカップ、ユニバーシアード、アジア大会、世界陸上選手権大会などのみ可能だ。

こうした中、仁川空港公社も今年6月からF1大会の誘致に乗り出しているという。 仁川空港近くの五聖山の絶土敷地にF1大会用常設サーキットを含むモータースポーツテーマの観光レジャークラストを造成する事業だ。 (中略)

このままだと、松島国際都市には市街地サーキットが、永宗島には常設サーキットが別に建設されることになる。 狭い仁川でF1サーキット競争でもしようとしているのか。 F1誘致、大げさな発表に仕事ぶりは未熟だった。
(引用ここまで)


 仁川市がF1開催候補地に立候補してまして。

韓国でF1開催復活か? 仁川市が市街地コースによる開催を希望するものの……(楽韓Web過去エントリ)

 いまひとつ背景が分からないなぁ……と思ってウォッチングを続けていたのですけども。
 どうやら見えてきた部分があります。

 去年からラスベガスでF1GPが開催されたのです。
 去年はまあ初年度ってこともあって成功もあり、ミスもありって感じでした。マンホール事件とはひどかったね……。
 ただ、経済的な成功は間違いなくありました。

 NetflixのF1ドラマが成功したこともあって、アメリカでは空前のF1ブーム。
 マイアミGP、アメリカGP、そしてラスベガスGPとアメリカで3回のグランプリが開催されています。
 まあ、昔と違って年24回開催ですしね。
 GM/キャデラック26年から参入して、28年からは独自のパワーユニットを搭載するなんて話にもなっているほどです。


 さて、ラスベガスGPの要件をさらっと見てみると──

・市街地サーキット
・カジノあり
・新規参入グランプリ

 これで仁川が「F1に参入したい」って言い出した理由が見えてくるんじゃないでしょうか。
 「小さいラスベガス」になりたいのですよ。

 で、その一方でなぜか仁川空港公社が独自にF1誘致に乗り出しはじめたってニュース。
 こちらは仁川国際空港のある永宗島にパーマネントサーキットを作って開催しようとの構想。
 かつての韓国インターナショナルサーキットのようなアホほどのアクセスの悪さは解消されるわけです。
 韓国について30分でサーキット、みたいな話にしたいと。

 なんというかまあ。
 「F1が儲かる」って勘違いをしはじめちゃっているのかな、といったところ。
 アメリカはもともとインディカーの歴史もあるし、レース文化があるんですよね。しかりとしたものが。

 韓国のレース文化……ないことはないですが。
 欧米、日本に比べたらゼロも同然なんですよね。そもそもフォーミュラカーによるレースが現状ゼロなんですから。
 それをいうならUAEとかカタールとかどうなんだよって話でもありますけどね。
 まあ、内紛ありきで続けるのがよいとは思います。

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韓国・仁川市長「我が仁川市でF1韓国GPを復活させる。市街地サーキットなら維持費も必要ない!」→半年が過ぎてもいまだにオーガナイザーとの契約すらできず……そもそも韓国国内にレースオーガナイザーなんて存在していなかった

漂流する仁川F1誘致事業、用役公告もできず「議論」だけ(中央新聞・朝鮮語)
仁川市は今年4月、ユ・ジョンボク市長の海外出張後、F1大会の誘致を宣言し、行政力を注ぎ込み、大会誘致に拍車をかけている。 (中略)



市はオーガナイザーを通じてF1大会を誘致した最適の空間を探し、主な観覧席と自動車整備空間など大会に必要な各種施設の設置計画などを立てる計画だ。 また、分野別に必要な事業予算を検討し、都心サーキットデザインなど大会誘致に必要な全般的な計画を樹立する方針だ。

問題は予算確保4ヶ月余りが過ぎてもまだ関連オーガナイズを始めることさえできずにいるという点だ。 オーガナイザーを通じて大会誘致の大きな絵が出てこず、仁川市が計画した国費確保構想を含め、大会誘致の全過程が事実上オールストップされた状態だ。

これはF1大会の誘致過程を構想するオーガナイズ業者を探すのが容易ではないためだという分析だ。 F1サーキットデザインが可能な国際自動車連盟(FIA)の認証を受けたメーカーが世界的に多くないからだ。 市はいくつかの業者と接触したが、範囲や費用などの問題を解決できず、オーガナイズ発注が延ばされている。

このように、市が対外的にF1大会の誘致を宣言したにもかかわらず、実質的に必要な行政手続きを終えることができず、時間を浪費し、大会誘致に対する地域社会の憂慮が次第に高まっている。 (中略)

F1大会の開催に対する市民の反応は交錯する。 大会開催の有力地として取り上げられている松島・永宗・青羅国際都市の住民たちは肯定的な反応を送っているが、他の地域の市民たちは地域社会の発展に大きな役に立たないと否定的な反応を送っている。
(引用ここまで)


 今年、春に開催されたF1日本GP終了時あたりで仁川市の市長が高らかに韓国GPの復活を宣言しました
 曰く──

「市街地サーキットで行うので、パーマネントサーキットを建設しないで済む」
「開催経費も維持費も最低限で済むだろう」
「仁川は霊岩とは異なり、大都市なので様々なインフラはすでにある」

 ……といった感じですっかり誘致が成功する前提で語っていたものでした。
 さて、それから半年。
 進捗具合どんなもんですかね、とチェックしてみたところ。


 市庁内部にタスクフォースを作って、オーガナイザーを募集したものの応募ゼロ。
 まだ一切の絵が描けていない状況でしたとさ。
 そりゃまあ……韓国国内にレースオーガナイザーとかゼロですし。
 そもそも韓国インターナショナルサーキットをデザインしたのもヘルマン・ティルケ。

 その韓国インターナショナルサーキットに設置されていたF1大会組織委員会も解散済。

韓国インターナショナルサーキット.jpg

 国外のオーガナイザーと契約するしかないのでしょうが、交渉しても成立せず。
 相当に予算をケチっていると思われます。
 ……尻すぼみで終わりかなぁ。

 さすがに仁川には5つ星ホテルがあるのでドライバーやピットクルーに不評だった「毎日朝食ビュッフェの内容が同じ」とか「部屋に蜘蛛が卵を産み付けている」なんて事態はないと思うのですけどね。
 あとモータージャーナリストがモーテルという名のラブリーホテル(3泊4日で10万円)に泊まらなければならないような事態には陥らないと思いますが。

 ……そもそも開催されなきゃレース運営がどうなるかなんて分かりませんしね。
 マーシャルもろくなのいなかったのは粉消火器をF1マシンにぶっかけていたのを見ても理解できるところ。
 予算を浪費する前に撤退がいいと思いますが……ごり押しするんだろうなぁ。

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スーパーフォーミュラ、来年に韓国でレースを開催とカレンダーを発表……ただし、具体的なサーキットは発表されず……そんなことある?

全日本スーパーフォーミュラ選手権の2025年は全8大会をスケジュール。韓国での開催も(auto sport web)
 8月1日、JAF日本自動車連盟は2025年のFIA国際スポーツカレンダー登録申請をJAFホームページ(https://motorsports.jaf.or.jp)に掲載した。この中で2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権も一覧のなかに記されたが、6月6〜8日に、参考として韓国でのレースが記載された。 (中略)

 第3大会は例年同様5月のオートポリスで、そこから海を渡り、韓国でのレースがスケジュールされた。ただし、コースについてはまだアナウンスされていない。国内トップフォーミュラの海外戦としては、スーパーフォーミュラの前身のフォーミュラ・ニッポン時代の2004年にマレーシアでレースを行ったことがある。また2013年には韓国のインジェ・スピーディウムでレースが計画されたが、こちらは実現しなかった。
(引用ここまで)


 スーパーフォーミュラはかつての全日本F3000を発展させたフォーミュラニッポンを受け継ぐ形で設立された、日本独自のトップフォーミュラとなっています。
 設立当初は「アジア全域でのトップフォーミュラを目指す」という謳い文句ではあったのですが。
 当初から何度かアジア進出をしようとはしていたのですけども、アジアには日本以外に国内レース文化がなくてぽしゃっています。

 インジェサーキットで開催しようとしたのだけど、FIAからのグレード2認可を得ることができずにダメだった……って経緯だったような。
 その後、スーパーフォーミュラは国内主要サーキットを月イチでラウンドする方式が根付いています。
 たしかスーパー耐久は韓国でやったことがあったはずです。10年くらい前。スーパーGTもやろうとしたのですが、開催取消になっていたはず。


 で、今回のスーパーフォーミュラのカレンダー発表では「韓国開催」とはされているものの、サーキットまでは発表されていません。
 そんなことあるんだ……。
 まあ、スーパーフォーミュラやるんだったらインジェサーキットか韓国インターナショナルサーキットくらいしかないとは思うのですが。
 具体的に発表していないっていうのは、またぞろインジェでやろうとしてるんだけども実際にできるかどうか五分五分って感じなのかもしれないですね。

 韓国インターナショナルサーキットは……どうなんですかね。
 かなり寂れているとの話ですが。まあ、寂れているのは最初からといわれれば反論のしようもない場所ではあります。なにしろ、レース後に打ち上げをしようとしても、まず近隣都市に車を30分ほど走らせないとなにもないって土地ですから。

 輸送とかできるかぎり日本人スタッフオンリーでやったほうがいいですよ。
 心からのアドバイスとして。

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F1韓国GP、市街地コースで復活へ……主導する地方自治体はFIAとの交渉の完全非公開を決定

カテゴリ:モータースポーツ コメント:(81)
タグ: 韓国GP 仁川市
数千億ウォンの予算浪費、悪夢を繰り返す? 仁川市、F1誘致戦に飛び込んだが「だんまり」(ハンギョレ・朝鮮語)
仁川市が国際自動車競走大会「フォーミュラ1」(F1)誘致戦に飛び込むことになった過程と検討資料などを明らかにせよという市民団体の情報公開請求に対し、大部分非公開決定を下したことが確認された。 市民団体は、数千億ウォンの税金が投入される行事であるだけに、意思決定過程を透明に公開し、市民の意見を取りまとめなければならないと指摘する。

24日、ハンギョレが仁川平和福祉連帯を通じて確保した仁川市のフォーミュラ1誘致推進関連情報(公開)決定通知書を見ると、仁川市は仁川平和福祉連帯が要求したフォーミュラ1誘致計画と関連した議論資料の相当数を非公開処理した。 これに先立ち仁川平和福祉連帯は先月から11日まで3回にわたり仁川市にフォーミュラ1誘致と関連して情報公開請求をした。 この団体が情報公開を請求したのは仁川市が日本・モナコ出張の時にフォーミュラ1側に提出した意向書と協約書、フォーミュラ1と韓国パートナーであるテファホールディングスが仁川市に送ったフォーミュラ1開催提案書と協議内容、大会を主管するフォーミュラ1グループ関係者の松島・青羅現場踏査資料、フォーミュラ1誘致のための政府および民間関係者との面談資料、サーキットデザイン業者との実務協議資料、仁川経済自由区域庁とフォーミュラ1グループが結んだ秘密維持協約関連資料などだ。

しかし、仁川市はモナコ訪問時にフォーミュラ1グループに提示した協力意向書、サーキットデザイン業者との実務協議資料だけを公開しただけで、残りの資料は非公開・情報不存在通知をしたり、すでに公開された報道資料などに代替した。 特に非公開処分された日本訪問当時、フォーミュラ1グループに提出した意向書・協約書、仁川経済庁とフォーミュラ1グループ間の秘密維持協約締結関連資料などは仁川市のフォーミュラ1誘致計画がどんな過程を経て出てくることになったのかを確認できる核心資料に挙げられるという点で必ず公開されなければならないというのが市民団体の立場だ。 (中略)

市民団体は、フォーミュラ1の誘致と後続事業の進行に数千億ウォンの予算が投入されるという点で、情報を透明に公開することが必須だと指摘する。 仁川平和福祉連帯のイ・グァンホ事務処長は「全羅南道霊岩でも検証過程なしにフォーミュラ1を誘致し、4300億ウォンの予算を浪費した前例があるのではないか。 同じ轍を踏まないためには仁川市のフォーミュラ1誘致計画がどのように始まり、どのような手続きを経たのか透明に公開し、公開された資料を根拠にフォーミュラ1誘致が仁川に役立つのかを冷静に確かめてみなければならない」と話した。
(引用ここまで)


 仁川市がF1招致で村おこしすると表明してから3ヶ月ちょい。
 どうやら一時の気の迷いとかではなく、本当の本気でF1招致をしようとしているとのこと。

 市民団体は赤字体質の仁川市がF1招致をすることに悲観的で「予算をどのように捻出しているのか、どのように使用されているのか」を把握するために情報公開を求めているのですが、完全に黒塗りの書類が出てきたとのこと。
 ……まあ、しょうがないというか。
 FIAとの交渉についてはNDAが結ばれているでしょうから、出せるわけがない。


 FIAは新規参入のGPにはかなり高額な参加費を要求することで知られています。
 韓国だけでなく、マレーシアやインドで開催されては中止されていますが、なかなか新規参入国が根付かないのには、そうした背景があるのです。

 ちなみに現在、韓国で唯一の国際格式のパーマネントサーキットであるはずの韓国インターナショナルサーキットがどうなっているか。
 一応は週末ごとにレースが行われてはいます。
 ただ、ほとんどがアマチュアレースばかり。
 食事するところすら周囲にゼロで、車で20分以上走らないと打ち上げすらできないっていう隔絶した土地です。

 冠レースはスーパーレース・チャンピオンシップくらいなもんですかね。ツーリングカーレース。
 フォーミュラカーによるレースは一切なし。
 まあ、国外で活動している韓国人レーサーがほとんどいないことでお察しください。

 そんな状況でF1開催して、韓国人の興味を惹けるのか。
 交通の便は市街地コースなのでかなりよいでしょうけども。難しいんじゃないかなぁ……と感じます。

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韓国の仁川市でF1GP誘致が進行中……もう市街地サーキットはいらなくない?

仁川F1誘致「賛否対立」…「財政悪化」vs「都市発展·広報」(韓国経済新聞・朝鮮語)
仁川市が推進中のF1(フォーミュラ1)グランプリ大会の誘致に対する地域住民団体と市民団体の賛否の葛藤が深まっている。

仁川YMCA、仁川平和福祉連帯など52の市民団体は3日、仁川市庁前で「F1開催反対仁川対策委員会(以下、対策委)」発足記者会見を開き、市に向かって「F1大会誘致を中断せよ」と促した。

対策委は大会誘致のためのインフラ構築と開催料などに数千億ウォンの莫大な予算が投入され、財政悪化が憂慮されるという立場だ。 彼らは「収益をまともに創出できない場合、仁川市財政は大きく悪化するほかはない」とし、「F1を開催するための莫大な予算を市民に実質的な助けを与える政策を作るのに利用せよ」と声を高めた。

環境被害についても触れた。 対策委は「F1は二酸化炭素発生など全世界の人々から反環境的スポーツとして批判を受けている。 F1側もこれを意識して気候危機時代に合わせて電気自動車レースを運営しているとし、「F1は騒音はもちろん、大気質を悪くし、地域住民の健康と安全に悪い影響を及ぼすだろう」と主張した。

一方、地域住民団体は、世界3大スポーツ行事に数えられるF1大会の誘致が、地域経済の活性化に寄与するものと見ている。 都市イメージの向上を越え、韓国の対外的地位を高め、経済的にも肯定的な効果を得ることができるという主張だ。 (中略)

仁川市は2026年または2027年に初のF1仁川グランプリを開催した後、それから少なくとも5年以上毎年大会を開催する案を構想中だ。 また、専用競技場ではなく、市街地で行われる都心レースを検討している。

先月、仁川市議会の第1次補正予算案審査では、市が編成したF1関連予算5億5000万ウォンが原案通り可決された。 市は今月からF1大会誘致のための事前妥当性調査用役を本格推進する方針だ。
(引用ここまで)


 仁川で韓国F1GPを開催しようとする計画がじわりと進んでいます。
 いまのところまで公開されているデータはほぼないのですが、常設コースではなくストリートサーキットでの開催になるとの話。

韓国でF1開催復活か? 仁川市が市街地コースによる開催を希望するものの……(楽韓Web過去エントリ)

 ストリートサーキットはもう充分だろって話が、スペインGPがマドリードに移転するってニュースの際に出ています。

F1にはストリートサーキット多すぎる? スペインGPのマドリード移転に対する懸念は”妥当”なのか(motortsport)

 というかストリートサーキットはフォーミュラEでもうお腹いっぱいって気もする。

 で、その再開されるかもしれない韓国GPに対して韓国の環境保護団体が「開催反対」を唱えた、とのニュースが冒頭記事。  


 ただ、仁川であればアクセスはそれなり。ソウル駅から1時間前後で到着できます。
 韓国インターナショナルサーキットはもう本当に地の果て。
 ソウルからだとKTXの終点である木浦まで行って、そこから車で30分ほど。
 逆にいうと仁川でやるメリットはそれくらいしかないんですが。

 それでもソウルから通えるのは観客にとっては利点かな。
 あとドライバーにとっても4日間、ホテルに隔離されたままでまったく同じモーニングビュッフェを食べさせられるなんてみじめさを味わわずに済むか。

 ただ、韓国ウォッチャーにはおなじみのあの仁川市ですからね?
 もし開催されるとしたらいろいろと起きるんでしょうね。
 というか、半分くらいはサーキット自体の問題でないもの、マーシャルの質や地方のラブリーホテルの問題でしたから。
 そこにさらに「仁川」が加わるので、まあ見てみたい気はしています。

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韓国でF1開催復活か? 仁川市が市街地コースによる開催を希望するものの……

韓国でのF1開催復活に向け、仁川が名乗りをあげる。市長はドメニカリCEOとともに日本GPを視察(auto sport web)
 韓国で再びF1を開催するための取り組みが始まっており、F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、実現に向けて協力していきたいと語った。

 仁川は、韓国GPの復活に向けたF1のお気に入りの開催地のようであり、仁川市長のユ・ジョンボク氏はドメニカリの主賓として日本GPを訪問していた。ふたりは、F1の韓国のパートナーであるテファ・ホールディングスのカン・ナヨン会長も出席した会議において、仁川がF1のストリートレースを開催するための5年間の契約に向けた基本合意書を締結したとされている。

 最初の韓国GPは、首都ソウルから車で約4時間かかる霊岩郡で開催された。その最寄りの都市である木浦では、訪れたファンたちは言うまでもなく、F1コミュニティにとっても宿泊施設が大幅に不足していたが、一方の仁川は首都から目と鼻の先にあり、韓国最大の国際空港がある地域だ。
(引用ここまで)


 あの夢のような時間だった韓国GPがリブート……と思いきや、今回立候補したのは仁川市。
 ちょっと韓国GPを  故今宮純氏が4回に渡ってレポートされていましたが、すべての韓国GPでラブリーなホテルに泊まらされたってぼやいていましたね。「バスタオルを追加でくれと言ってももらえない」「10万円払ってこれ?」って。
 最終的には「このGPに女性が来ることはおすすめできない」とまでばっさり斬ってました。

今宮純氏「日本からこのグランプリに女性が行くことはお勧めできない」とF1韓国GPを評価(楽韓Web過去エントリ)

 すべての今宮氏のレポートへのリンクがあるエントリはこちらからどうぞ。

 韓国インターナショナルサーキットは、もともと何もないところに作ったこともあって周囲にはまともな宿泊施設……というか、そもそも街自体がない。
 本来ならサーキット周辺を不動産開発することを目指していたプロジェクトなのですが、頓挫して終わっています。


 無理矢理な擁護レポートを書いていたのもいましたが、総ツッコミを受けてましたっけ。
 楽韓WebではGP開催が終了した後のサーキットをレポートしています。

つはものどもが夢の跡……韓国インターナショナルサーキット訪問記(楽韓Web過去エントリ)

 で、同じような末路を辿らないためか、仁川市ではパーマネントサーキットではなく市街地コースを設置してレースウィークだけ走らせようとしているそうです。
 仁川のどこにコース設置するのかにもよりますが、ソウルからは1時間なのでソウルに泊まってレースだけ見るなんてこともできるでしょう。
 さすがに霊岩のような悲惨なレポートはもう見れないかな。
 F1関係者が日本GP後に仁川市を訪問したとのこと。

F1関係者らが仁川訪問…都心サーキット先を見回す(THE FACT・朝鮮語)

 ただ、去年のジャンボリー大会を見ても分かるように「韓国のイベントオーガナイズ力」はとてつもないので。
 もし、本当に仁川市でF1GPが開催されたらとてつもないものが見れると思いますよ。
 いや、ホントに。

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韓国で行き当たりばったりで作られたのはジャンボリー大会会場だけではない、かつてF1グランプリを開催した韓国インターナショナルサーキットを見よ!

放置された「レーシング聖地」霊岩……自動車レースの代わりにヨット観光のみ(毎日経済・朝鮮語)
「4兆3000億ウォンの生産と4万人余りの雇用効果」(2010年·霊岩サーキット設立·都市開発計画)。「800億ウォンの生産誘発と300億ウォンの付加価値効果」(2017年·世界ジャンボリー大会)。政府·地方自治体は大型事業を展開したり国際行事を誘致する度に経済効果を強調する。しかし、この巨大なハードウェアを満たすソフトウェアに対する悩みがなければ、空虚なレトリックに過ぎない。霊岩サーキットもジャンボリーもそれで失敗した。世界的なサーキットを保有している小都市、全羅南道霊岩(チョルラナムド·ヨンアム)とフランスのル·マンの違いは何だっただろうか。毎日経済が両都市の運命が分かれた理由を現場を訪れて取材した。 (中略)

ル·マン24時間が都市ル·マンに与えた影響は甚大だ。人口基準で見ると、ル·マンはフランス280都市のうち22番目に大きい。サーキットから歩いて行ける距離に空港があり、高速鉄道のテゼベ(TGV)駅もある。ここに高速道路のインフラストラクチャまで発達し、英国·ドイツ·スペインを行き来する観光客が訪れるのに便利だ。ル·マンで自動車は農食品業の次に大きい産業だ。

今年6月、全羅南道霊岩にある「コリアインターナショナルサーキット(KIC·霊岩国際自動車競走場)」で2015年以来初めて「ポルシェカレラカップアジア」が開かれた。タイヤ会社のミシュランはもちろん、ヒューゴボス、タグホイヤーのようなラグジュアリーブランドが後援するこのイベントにはアジアトップクラスのドライバーが参加した。年間収入が数百億ウォンに達するドライバーたちが大会期間に使ったお金は、1日数十万ウォン水準のヨット停泊費が全てだった。

これまでカレラカップやF1大会に参加するために霊岩を訪れたドライバーの大半は、霊岩競走場から20分離れた三鶴島周辺のヨット船着場に超豪華ヨットを設置し、そこにだけ滞在した。食事も直接持ってくるという。霊岩市民たちは苦々しい表情で珍風景を眺めるだけだ。選手たちがヨットで宿泊を解決する理由は簡単だ。お金を使いたくても使い道がないからだ。

2010年、「観光レジャー型企業都市」「韓国のモナコ」「国力向上のきっかけ」のような美辞麗句の中で誕生したKICと都市霊岩にこれまで何があったのか。最近、競走場がある全羅南道霊岩の三湖邑(サムホウプ)を訪れた。周辺にはコーヒーどころか、食事の場を探すのが難しかった。そのため、慶州場を訪れる人の大部分が車に乗って15〜20分距離の木浦ハダン新都市で宿泊と食事を解決する。

直接霊岩競走場の中に入ってみた。ちょうどアマチュア二輪車(オートバイ)競技が開かれるという話を聞いて、大勢の人出と歓声を描き期待感に膨らんだが、疾走するバイク轟音だけが荒涼としたサーキットを埋め尽くすだけで、観覧客は数十人に過ぎなかった。レース場のあちこちを歩き回ったが、メンテナンスされていない古さを感じた。

モータースポーツに対する理解が足りない状況で、政治行政による血税の浪費という批判から抜け出せない理由だ。観覧客12万人を抱くことができる競走場で昨年、観覧客1万人以上を誘致した行事はたった2つ。7月に開かれたアジアモータースポーツカーニバル(約1万6000人)と10月のCJスーパーレース(1万人)だ。
(引用ここまで)


 ジャンボリー大会の悲惨さを見て韓国人は思い出したのだ。
 「これと同じような『韓国の悲惨さ』を世界に晒したことがある」と。
 それが4回開催されたF1韓国GP。

 モータージャーナリストの故今宮純さんが「4回行って4回ともラブリーなホテルに泊まらされた」とぼやいていましたね。
 2010年2011年2012年2013年のレポートをピックアップした過去エントリを置いておきましょう。

 ホームストレートでF1マシンのノーズが上下するレベルの舗装をはじめとした、サーキットそのものひどさもそうなのですが。

 周囲に本当になにもない。
 楽韓Webではレースウィークにあたる週末に行ったことがあるのですが。

つはものどもが夢の跡……韓国インターナショナルサーキット訪問記(楽韓Web過去エントリ)

 本当になにもない。びっくりするくらいになにもないのです。
 タクシーに乗ってきて、そのタクシーをそのまま待たせておいて、そのタクシーで帰るってやらないと帰る手段がなくなるレベル。
 公共交通機関だとKTXの終着駅の木浦からバスで2時間(笑)。


 記事中に「レース参加者は地元にお金を落とさない」とありますが。
 その理由も「お金を落とせる場所がないから」なのですね。

 車で数分の距離に4つ星ホテルであるらしいヒュンダイホテル木浦はあるのだけども、それ以外にはなにもない。
 このホテルでも毎日毎日、同じメニューのビュッフェだけが出るからF1ドライバーらは一刻も早く次の目的である日本にプライベートジェットを無理矢理に飛ばして行こうとする。
 なにもかもが失敗しているんですよね。

 僻地である霊岩にインフラを持ってきて、不動産開発の目玉にしようとしたのですよ。
 「世界中のスターが集まるF1グランプリが開催されるサーキットのすぐそばに住みませんか」みたいなうたい文句で。
 ですが、不動産開発はとん挫。
 残されたのは国家予算を投入してサーキットを造成するというまるで罰ゲーム。

 開催したら開催したで「ラブリーGP」「女性はここにきてはいけない」とまで言われる始末。
 どうせモータースポーツなんてろくに根付きやしないんですから。
 あ、木浦からレンタカーで行くのでしたら途中にセウォル号が置いてある埠頭があるので見てから行くといいかもしれませんね。

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