国民の力である金ミンス報道官は20日、「祖国大韓民国、広島原爆同胞の方々に心強い垣根になってG8国家に進む」と題した論評を出し、尹大統領が初めて日本広島で韓国人原爆被害同胞に会ったことなどを強調し、「国家が国民生命と安全を守れなかった民族史的悲劇はこれ以上繰り返されてはならない。大韓民国が今からでも原爆被害同胞の方々の心強い垣根にならなければならない」と話した。
金報道官は続いて「今、G7首脳会議、韓米日首脳会談など外交スーパーウィークに突入した。大韓民国は心理的G8国家に仲間入りした」と尹大統領の今回の首脳外交を評価した。 (中略)
政府の一部では今回の首脳会談で韓国がG7に含まれ「G8」に拡大する議論がなされると期待したが、特別な議論はなかったと知られた。
これに先立って国民の力はユン・ソンニョル大統領の米国国賓訪問当時「ワシントン宣言」について「事実上核共有」と主張したが、ホワイトハウス側は「事実上核共有とは見ない」と反論している。
(引用ここまで)
「韓国は心理的G8国家に仲間入りした」発言、けっこう韓国人が赤面しているようで。
事実上G8も恥ずかしいし、心理的G8も恥ずかしいわな。
さすがに今回のG7を見て「日本よりも韓国!」とは言えないってところもあるか。
主要なシーンに韓国、ほとんど出てきませんでしたからね。
冒頭記事は「ちょっと前は『事実上の核共有』で、今回は『心理的G8』かよ……」って感じの呆れているもの。
まあ……事実上の核共有→米高官即座に否定のコンボも相当にアレでしたが。
今回の「心理的G8」はムン政権の「事実上G8」に張り合ったものなのでしょうね。
ただまあ、メディアの中には「これでG8への道が整った」としているようなところもありまして。
たとえばこの記事。
G8への道を築いたユン大統領のG7成果[韓国の窓](韓国日報・朝鮮語)
新冷戦時代を迎えた状況で、韓国が名実共にG8国家に飛躍する機会がきた。韓国は世界10大経済大国だ。核兵器だけがないだけで、軍事力も世界10位圏だ。グローバル半導体供給の中心にあり、Kカルチャーを前面に出したソフトパワーとしても文化世界をリードしている。さらに韓国は価値と法治に基づく国際秩序構築をG7国家と一緒にしている。
資格は十分ですが、G7に参加するには、既存の加盟国のすべての同意が必要です。今回の広島G7会議でユン大統領が見せた親和力はそれで意味が大きいのだ。
既存の国際秩序解体を図る露中北連帯に直面しているG7も外縁拡張の必要性を実感していたことから、2024年イタリアで開催されるG7首脳会議の時は、大韓民国が必ずG8加盟国に跳躍して先進国立地を固めることになるできることを期待する。
(引用ここまで)
この「資格は十分だ」という認識は韓国人に共通しているものといえます。
……いや、なんでかは知らないけどそう思っているんですよ。
虚偽のランキングを使ってまでそう主張している経済団体まであるくらいですから。
そして「G7がメンバー拡大を目論んでいるに違いない」というのも共通見解。
中止になったアメリカG7前にトランプ大統領がそういったことがあるくらい。
あるいは「D10を別途設立しよう」と言い出したイギリスくらいか。
中途半端になるって批判されてすぐ引っこめたのですけどね。
ここ最近ではG7はG7のままって考えでいるように見えます。その時々のサミットにオブザーバー国を足していこうと。
それ以外ではクアッド、AUKUSのように目的別でそれぞれが枠を作ればいい、といった方向性ですね。
つまり、先日紹介した朝日新聞によるこの図が活きてきてしまうのです。
(画像引用元・朝日新聞記事より画面キャプチャ)
すでに韓国は広島G7コミュニケにある「対中国のサプライチェーン構築協議体」に加わらないとの判断をしていますので。
この図のような方向性で行くのではないでしょうかね。
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