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カテゴリ:米韓関係の記事一覧

韓国メディア「トランプ勝利でユン政権のアメリカ一辺倒外交は窮地に陥った! 前政権の全方位外交を見習え!」……ってあの無惨なムン・ジェイン外交を?

【社説】トランプ再選、韓国も国益のため「柔軟な外交」に方向転換を(ハンギョレ)
 最後まで接戦と言われていた5日(現地時間)の米大統領選挙で、ドナルド・トランプ前大統領(78)がやすやすと勝利を収めた。米国の国民は、「米国第一主義」を掲げ、物価と移民問題の解決を積極的に主張したトランプ氏を選択した。これにより、米国の対外政策も、価値観を共有する同盟国を糾合して中国とロシアに対抗するという「価値観外交」から、自国の利益を排他的に掲げる「一方主義外交」へと修正される可能性が高まった。韓国政府も「トランプリスク」を最小化するために、コミュニケーションを強化しつつも、「価値観」より「国益」を前面に掲げる柔軟な外交への方向転換を模索すべきだ。 (中略)

 韓国は今、バイデン政権と歩調を合わせて推進してきた「価値観外交」で大きな外交的苦境に陥っている。南北関係は事実上「敵対的な二つの国家」へと変質し、冷戦終結から30数年ぶりに朝ロの戦略的接近を許した。 (中略)

 このような危機の中、来年1月20日に任期がはじまる第2期トランプ政権までもが自国の国益ばかりを前面に押し出し、度を越した圧力を加えてきたら、韓国は「四面楚歌」の危機に陥ることになる。考えたくもないが、先月初めに合意された韓米防衛費分担特別協定(SMA)の無効化を要求しつつ、「在韓米軍撤退」や、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が最大の外交的成果だとする「ワシントン宣言」を紙切れにすると脅してくる恐れがある。このような状況において、ウクライナに殺傷兵器を提供しうるとしてロシアと対決し、中国との対立を続けることは、何の国益にもならない。
(引用ここまで)


 トランプの圧倒的な勝利に戸惑っているのは日本のマスコミもですが、それ以上に戸惑いを見せているのが韓国メディアといえます。
 だいぶカマラ・ハリス勝利にベットしていた感じで、最終盤になってから「あれ、トランプの可能性もあるの?」「日本はトランプとのコネクションを保とうとしているけど、韓国政府はやばくね?」ってなってましたね。

「日本は早くからトランプ氏再執権に対応…韓国は何をしたのか」 日本教授の反問(中央日報)

 そうした韓国メディアの中でもトランプ当選に逆の意味で喜んでいるのが左派紙のハンギョレ。
 ユン・ソンニョル政権の基本方針はいわゆる価値観外交のそれに近いもの。
 あくまでもムン・ジェイン政権と比べたら、ってことではありますが。
 それでも自由主義陣営の国家元首としての行動であると考えればかなりまとも。
 日米韓の軍事演習にNOを叩きつけたりしていませんしね。


 そうした「アメリカ頼り」が左派紙であるハンギョレ、あるいは野党支持者の目には「ムン・ジェイン政権の否定」に映るのですよ。
 そういった背景事情があって、トランプ勝利が「アメリカ一辺倒外交」を終わらせる契機になるのではないかと一気に期待が広がっているわけです。

 っていうかムン・ジェインが全方位外交をやって、それを成功させていたなんてのはただの神話でしかないのですからね。
 中国からは国賓なのに徹底的にバカにされる
 ヨーロッパ各国からは「北朝鮮擁護って本気か?」くらいに扱われて。
 そのうちのひとつの国家首脳からは「あの人は少しおかしいのではないか」といわれたと報道される。
 トランプ大統領(当時)からは「キムがあいつは嘘つきだって言ってたぜ!」ってG7の場で暴露されるっていうね。
 あと肝心の北朝鮮からは南北連絡事務所を爆発されるってオチでした。

 ハンギョレの主張はあれを成功ケースとして見習えって話なんですが……さすがにねぇ?

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アメリカ、先端半導体製造機器や量子コンピュータについて対中輸出統制を行う……日本、イギリスなどはホワイトリストに掲載されて輸出は自由にできるものの、韓国は一切掲載されず……あー、つまりそういうこと、ですね

アメリカ、量子・次世代半導体の輸出統制を推進……韓国、「許可免除」から除外(聯合ニュース・朝鮮語)
米政府が量子コンピューティングや次世代半導体など、国家安保に重要な最先端技術に対する新たな輸出統制に乗り出した。

この過程で米国は、自国に準ずる水準の輸出統制体制を備えた国には、このような技術を米国政府の許可なしに輸出できる制度を新設した。 しかし、その対象に韓国はすぐには含まれなかった。

ただ、米国は韓国への輸出は許可を申請すれば承認するという方針を立てたとされ、韓国企業に及ぼす影響は限定的になるものと予想される。 (中略)

今回の措置は、米国が戦略的競争者と規定した中国をはじめ、ロシアやイランなどの敵性国を狙ったもので、米国は今回の輸出統制を導入する過程で、類似の立場国と協力を強化したと明らかにした。 (中略)

BISは同日、新たに指定した24の統制品目別に輸出許可が必要ない国家リストを公開したが、韓国は含まれなかった。

例えば、輸出統制品目の中で金属部品生産に必要な3Dプリンティング装備(2B910)の場合、イタリア、英国、米国にこれを輸出する時は政府許可が必要ない。

GAAに必要な乾式エッチング(isotropic dry etching)用装備(3B001.c.1.a)の場合、オーストラリア、ドイツ、カナダ、フランス、イタリア、日本、スペイン、英国、米国に許可なく輸出できる。

韓国がIEC許可免除対象に含まれないことによって、韓国企業はこれに含まれた国家企業に比べて相対的に不利だったり、不利益を受けるだろうという憂慮を生んでいる。
(引用ここまで)


 韓国がまーたアメリカからホワイトリストに掲載されなかった、とのニュース。
 量子コンピュータ関連や半導体最先端プロセスにまつわる製造機器など24品目について対中包囲網をさらにせばめています。
 金属3Dプリンタなども含まれています。

 ただし、日本やイギリスについてはホワイトリストに掲載し、輸出について問題はなしとしています。
 アメリカと同等の輸出統制制度があると認定されているわけですね。

 免除国一覧もチェックしてみましょうか。

LICENSE EXCEPTION IMPLEMENTED EXPORT CONTROLS (IEC) ELIGIBLE ITEMS AND DESTINATIONS(商務省産業安全保障局・英語・PDF)

 コードで示されていてどの国にどの品目が許可されているのかいまひとつ分かりにくい……。
 日本は4品目についてホワイトリストに掲載されているようです。


 さて(笑)。
 その一方で韓国はどの品目についてもホワイトリストに掲載されることはありませんでした。
 ただし、「アメリカに申請すれば原則として輸出を許可する」となっていることから、輸出について大きな問題はない……としていますが。

 たしかに「輸出」という観点からはそういえるでしょう。
 ただ、「安全保障」の視点からはちょっと異なりますかね。

 アメリカは韓国の動向について「なにをどう輸出しているのか」を事細かに把握しておきたいと考えている、ってことですから。
 申請して文章に残しておきたいってことですよ、これ。
 韓国に対するアメリカの視線ってものがよく分かるニュースであると思われます。

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元アメリカ大統領補佐官、回顧録で「トランプ前大統領は『韓国は我々を嫌っているのになぜ守る必要があるのか』と米韓同盟に疑問を呈していた」……ムン・ジェイン、やっぱりすごい政治家だったわ

元米大統領補佐官「トランプ大統領、米国を嫌う韓国を守る理由について疑問を呈した」(ハンギョレ)
 ドナルド・トランプ前米国大統領が在任時に韓国に対して「なぜ我々を嫌う人たちを守らなければならないのか」と語っていたという証言が出てきた。

 トランプ大統領時代、国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたハーバート・マクマスター氏は、27日に発刊した著書『我々自身との闘い:トランプ時代のホワイトハウスでの服務』で、トランプ前大統領が韓国に対する米国の貿易赤字に不満を表しながら、このように話したことがあったと述べた。マクマスター氏は、トランプ前大統領は韓米自由貿易協定(FTA)で米国が損害を被ると考えており、ピーター・ナバロ元大統領補佐官(通商担当)などはトランプ前大統領に協定の破棄宣言をしつこく薦め、発表文案を渡したこともあったと明らかにした。ところが、自分をはじめとする他の側近たちは、破棄は行き過ぎだと判断し、引き止めたと綴った。

 同書にはトランプ前大統領が「防衛費分担」に関して韓国などに対してどのような認識を示したかが具体的に綴られている。マクマスター氏は、就任初年度の2017年に訪韓したトランプ前大統領が、京畿道平沢(ピョンテク)のキャンプ・ハンフリーズ米軍基地からヘリコプターでソウルに移動する際、同乗したビンセント・ブルックス在韓米軍司令官(当時)が基地建設費108億ドル(約14兆ウォン)のうち98億ドルを韓国が負担したことを話した時のエピソードも公開した。トランプ前大統領は当時「なぜ韓国が100%を負担しなかったのか」と聞き、ブルックス司令官は当惑したことだろうとマクマスター氏は語った。

 また、就任当初から北朝鮮の核・ミサイル問題に頭を悩ませていたトランプ前大統領がマクマスター氏に「われわれは韓国から撤退し、ロシアと中国に北朝鮮を相手するようにさせてはどうか」と何度も質問したと明らかにした。トランプ前大統領は就任当初から「彼らがわれわれと同盟を威嚇すれば、圧倒的な対応に直面するだろう」という基調のもと、北朝鮮に対する「最大の圧迫」を指示したと伝えた。 (中略)

 同書には、自身をはじめとする人々は北朝鮮船舶の拿捕など軍事的解決策も考えたが、当時のレックス・ティラーソン国務長官とジェームズ・マティス国防長官が、戦争を誘発する恐れがあるとして反対したとも書かれている。ある時は、2人が含まれた電話会議の途中、北朝鮮がミサイルを発射したという知らせを受けて席を離れたが、自分の部下たちが会議に引き続き参加している事実を知らなかったようで、ティラーソン国務長官が北朝鮮強硬策を主導する自分を批判した。これに対しマティス国防長官は「情緒不安定な奴」と相槌を打ったという。マクマスター氏はトランプ前大統領が北朝鮮対応策の議論中に「軍事パレードの時に北朝鮮軍をすべて撲滅しよう」と話したが、それは参加者を笑わせるための冗談だったと述べた。
(引用ここまで)


 トランプ政権時代の大統領特別補佐官であったハーバート・マクマスター氏が回顧録を出版。
 2017年当時の北朝鮮危機やその前後の韓国政府の対応について語られているようです。
 彼が大統領特別補佐官だったのは2017年からの約1年間。

 北朝鮮との危機が最大に膨れ上がったのは17年9月から10月にかけたあたり。
 9月には爆撃機のB-1Bが朝鮮半島の沿岸を延々と飛行し、北朝鮮の対応を探るなどしていました。
 10月にはアメリカの空母ロナルド・レーガン、セオドア・ルーズベルト、カール・ビンソンの3隻が集結していました。

 マクマスター氏は後に「その当時、方向性は戦争に向かっていた」と明言しています。
 その後の2018年に対話ムードになったことから回避されたに過ぎません。


 そんな渦中にあった大統領補佐官の回顧録なのでかなり興味深い。
 あとで買って読んでおきます。
 ハンギョレは「韓国は我々のことを嫌っているのに、なぜ守らなければならないのか」とするトランプ前大統領の発言を報じています。
 当時の韓国大統領はムン・ジェイン。
 アメリカの気分としてはそうなるでしょうよ。

 ここから「5年ごとに反米政権がやってくるのに、韓国を後押しすることはできない」って半導体について語られるようになったのだなぁ。
 次にイ・ジェミョンが大統領になるようなことがあったら、確実にあの時と同じかそれ以上にひどいことになるのは目に見えていますからね。
 アメリカもそれを認識したってことでしょう。

 ポンペオ元国務長官の回顧録、あるいはジョン・ボルトン元大統領特別補佐官の回顧録でも当時のムン・ジェイン政権のひどさというものは語られています。
 今回のマクマスター氏の回顧録でもムン・ジェイン自身がなんとかして「北朝鮮のアレはICBMではない」だとか「核兵器は防衛用のものだ」とか言って北朝鮮擁護をしていたことが語られているようです。
 全員のムン・ジェインに対する証言が一致しちゃってるんだよなぁ。
 すごい政治家でしたわ。

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韓国メディア「米韓関係、日米韓関係も良好な中、なぜスー・ミ・テリーはスパイとして逮捕されたのか……韓国政府への警告メッセージか?」

カテゴリ:米韓関係 コメント:(78)
米国のスー・ミ・テリー起訴で波紋韓米間の「薫風」の中でなぜ?(YTN・朝鮮語)
韓国系がアメリカで国防機密などを渡した疑いで収監された事例は、1996年に海軍情報局の分析官だったロバート・キム事件が代表的です。 (中略)

ただ、当時の事件は相対的に韓米関係が比較的ギクシャクしていた時期に発生しました。

韓米同盟、韓米日安保協力強化ムードの中、韓米両国間の薫風が吹く時期ということで、今回のス・ミ・テリー起訴をかなり予想外とする見方が少なくありません。

特にブランド品など金品を受け取って米国非公開情報を韓国政府に渡した疑惑で起訴されたス・ミ・テリー控訴事実には、私たちの情報機関の活動内訳が詳細に含まれました。

一部では、韓国政府に対する警告メッセージという解釈とともに、韓米間の円滑な情報交流に悪影響を及ぼしかねないという懸念も出ています。

キム・ジェチョン(西江大学国際大学院教授)「韓国政府に警告を発した側面があることはあるのです。 いくら同盟国だとしても。 アメリカの大統領選挙の動向とかそういうことも把握して……」

ただ、ロビイスト登録をせずに金品を受け取ったことを問題視したものであるだけに、韓米関係とは別に単純な法執行事案とみるべきだとする見方もあります。 (中略)

国情院もやはり韓米情報当局は依然として緊密に疎通しているという立場ですが、情報機関のアマチュア的な過去の情報収集活動を批判する視線も存在します。

すでに大統領室は、ス・ミ・テリー控訴状に含まれている写真は、文在寅政府当時に起きたことだとして、当時の国情院に対する監察や問責を検討すると明らかにしています。
(引用ここまで)


 東アジアの国際政治専門家として、メディアに出演したり、コラム執筆などもこなしていたス・ミ・テリーがロビースト登録をせずに韓国政府のエージェントとして働いていたことで逮捕、起訴された件。
 ちょっとだけ事件を深掘りしておきましょうかね。
 ロビースト登録していれば「韓国のエージェントとして働いています」って色がつくので使いにくくなる。
 大っぴらに「韓国の味方ですよ」って喧伝している人物はメディアにも出しにくいし、コラム執筆なども依頼しにくい。
 というわけでロビースト登録をしていなかった、ス・ミ・テリーは使い勝手がよかったのでしょうね。
 韓国の国情院は自分たちの主張をそのままス・ミ・テリーに言わせる。
 ス・ミ・テリーはブランドバッグやコートを入手できる上に、数万ドルの資金を韓国のシンクタンク経由で得ることができる。
 Win-Winってヤツですね。違法であることを除けば。


 韓国政府は「国情院がス・ミ・テリーを使っていた(かつ、起訴状に書かれている接触期間)のはムン・ジェイン政権下のことなので我々の知る話ではない」との態度。
 とはいえ、ス・ミ・テリーは米朝会談に「事前折衝なしで本当にトップ会談だけで物事を決めるのは危険だ」と反対していたりもするので、ムン・ジェイン政権の推進していたすべての外交方針を鵜呑みにしていたわけでもない。
 ムン・ジェインは「米朝会談を演出したのはなにを隠そうこの私だ」みたいに言ってましたからね。
 でもま、使いやすい駒として使われたってことなんでしょう。

 韓国内でも「なんで日米韓関係もうまくいっているいま、こんな米韓間に楔を打つかのような逮捕劇をするのか」って疑問がありますが。
 んー、次期政権への警鐘って感じもあるかな。

 ……そこまでの問題でもない、ただのマイルドなスパイ事件で終わりって線もなくはないですけどね。
 なにしろ、受け取っているものがハイブランドとはいえども数千ドルのバッグとかでしょぼいしょぼい。
 「そのていどの事件」として扱われて終わりだとは思います。

 あったとしても、「アメリカから国情院に向けてのメッセージ」くらい、かな。

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米海軍が旭日旗を掲げた写真を掲載したことに、例の教授が「真珠湾攻撃を忘れるな!」と文句……韓国人の世界観がよく分かる話ですね

カテゴリ:米韓関係 コメント:(111)
「真珠湾空襲を想起せよ」徐坰徳教授、米海軍の旭日旗掲載に抗議(中央日報)
米海軍の公式ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に最近、日本の旭日旗(戦犯旗)の写真が掲載されたことに関連し、誠信(ソンシン)女子大学の徐坰徳(ソ・ギョンドク)教授が抗議の意を伝えた。

​米国海軍の公式SNSには「兵士が海軍基地を離れる航空母艦『ジョージ・ワシントン(USS George Washington)』に向かって旭日旗を持っている」という説明とともに2人の兵士が旭日旗を広げて見せる写真が4月27日付で掲載された。

​これを受け、徐教授は「ネットユーザーから情報提供を受けた後、米国海軍SNSを確認したところ、問題の写真を発見することができ、多くのネットユーザーが指摘している」と説明した。

​また、米軍海軍側に送った電子メールを通じて「1941年ハワイ・オアフ島の真珠湾にあった米国海軍基地に対する日本の奇襲攻撃を忘れたのではないか」と指摘し「旭日旗は日本人の豊漁、出産などの意味でも使われてきたが、過去日本がアジア各国を侵略する時に前面に掲げた旗で日本の軍国主義と帝国主義を象徴する」と説明した。
(引用ここまで)


 楽韓Webでは1年に1回も取り上げることのない珍しいソ・ギョンドク教授の話題。
 アメリカ海軍がSNSに旭日旗を掲げた写真をアップしたとのことで、また激昂したように見せかけています。
 さて、その中でちょっと面白い部分があったのでご紹介。

 「真珠湾攻撃を忘れたのか」ってのがそれ。
 韓国人の世界観を見事に表している言葉だと思います。
 ソ・ギョンドク教授は2015年の安倍総理(当時)によるアメリカ議会演説を阻止しようと、ニューヨークタイムズに広告を出したことがあるのですね。

「韓国広報専門家」、ニューヨークタイムズに真珠湾攻撃の広告を出して「日本はアメリカの敵国だ!」と必死のアピール(楽韓Web過去エントリ)

 その際にも「真珠湾攻撃を忘れるな」との文言を出していました。
 ま、こんな必死のアピールがあっても結果としてはフツーに議会演説して絶賛されてましたけどね。


 この文言には韓国人の世界観、すなわち「全世界は日本を悪の国家として糾弾している」との考えが根本にあるのです。
 日米韓での関係性は「米韓同盟は本当の同盟。朝鮮戦争でアメリカは血を流してまで韓国を守った。血盟なのだ」と考える一方で「日米同盟はアメリカが日本に首輪をつないで、監視するためのもの」と考えているわけです。
 アメリカ政府が「米韓関係はリンチピン」と表現し、「日米関係はコーナーストーン」と表現した際、「リンチピンのほうがより親密さを表している言葉だ」とかやっているのはその世界観に基づいた分析なわけです。

 でもまあ、こうした表現もだいぶ少なくなってきましたね。
 韓国人の世界観は変わることはないのですが、現実は圧倒的に「日米関係を中心に防衛体制が構築される」状況にあるわけです。
 現実世界と、韓国人の世界観がどんどん乖離していくんだよなぁ……。

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韓国メディア「アメリカは日本を軍事大国に育てようとしている。韓国も日本に負けずに対米関係を深化させなければならない」……いや、3年後を考えたら絶対無理でしょ

カテゴリ:米韓関係 コメント:(100)
[キム·ギョンミンの強大国大韓民国] 日本を軍事大国に育てる米国(ソウル新聞)
先月10日、ワシントンで開かれた日米首脳会談を一言でまとめると、日本を軍事大国にして米国を支援し、中国と北朝鮮の牽制に乗り出すということだ。 日本は、50年近く国内総生産(GDP)の1%にとどまっていた国防費を2%引き上げることで応えた。 新しい時代を開く歴史的会談だった。

日米関係をこれまでとは違って新しい関係に強化させ、さらにはミサイルも共同開発することで合意するほど、新しい歴史が書かれている。 (中略)

米航空宇宙局(NASA)の有人月探査プロジェクトに、日本人宇宙飛行士2人が参加することになっている。 アメリカ人を除いて、日本人宇宙飛行士が月に着陸するのは史上初めてのこととなるだろう。 日本はこのために有人月面探査車「ルナクルーザー」を開発し提供することにしたが、2028年頃に月着陸が可能になると予想される。

日米軍事協力は、これまでとは違って動いている。 防衛産業協力・獲得・支援に関するフォーラム(DICAS)を新設し、米軍艦と空母を日本で修理し、第4世代戦闘機を日本で生産することで合意した。 これまで規制が厳しかった武器輸出規定も緩和し、輸出も可能になった。 (中略)

日本は2つの空母軍団を作る計画だが、韓国はまだ何も決まっていない。 潜水艦も4000トン級のそうりゅう級を主軸に、日本は22隻を保有することになるが、韓国では3000トン級の1番艦である島山安昌浩艦が作られただけだ。

米国が韓国と日本を相手にする基準が一変したことを、我々はよく知らなければならない。 日本は将来、軍事、安保、経済の面で真の強国として接しようとし、韓国は準強国として接する可能性が高くなると評価される。 経済力で日本より弱いため、高価な米国の兵器を天文学的な金で買い入れる日本のようにはできないとしても、相対的に優勢な兵器体系を整えることが望ましい。

日本にはない原子力潜水艦で3面の海を囲めば、自主防衛にもなり、韓米日3国間の安保協力も可能になる。 韓米同盟をさらに強化させ、日米同盟に劣らない同盟関係を創出し、日米同盟に押されない韓米同盟で国家安保を守っていかなければならない。
(引用ここまで)


 先月、日米首脳会談で「これまでとは次元の異なる日米協力関係」が結ばれました。
 専門家筋も「方向性は見えていたけども、ここまで強く踏みこんでくるとは思わなかった」との評価で一致しています。
 ざっと目についたものだけでこんな感じ。

・日本のAUKUSピラー2への参加
・ミサイルの共同開発
・次期訓練機の共同開発
・日本での米軍艦艇の修理、メンテナンスの実施
・自衛隊と在日米軍の相互運用
・レアメタルなどのサプライチェーン強化
・AI、量子、脱炭素でも協力
・有人月面探査で協力。日本人宇宙飛行士も月面着陸へ

 外務省が配布したファクトシートを見ると70項目に渡って協力が謳われています。

ファクトシート:岸田総理大臣の国賓待遇での米国公式訪問(外務省)

 で、韓国メディアはそれに対して「日本が軍事大国への野望を露わにした」と言い出しているのですね。


韓国メディア「日本はアメリカを盾にして軍事大国への野望を叶えようとしている」……あの日米首脳会談を見た感想がそれかぁ(楽韓Web過去エントリ)

 韓国では「中国の拡大志向を言い訳にして、日本が軍事大国の道をひた走ろうとしている」って話をさかんにしています。
 今回の日米首脳会談を見てそう受け取れるのだから、独自路線よな。

 今回のコラムもほとんど同じ話なのですが、どうにかこうにか「それもアメリカが望んだことだ」ってちょっと進歩してますね。
 で、それに対して「韓国も日米同盟に押されないよう、深化させていくべきだ」って提案もしているのですが。

 んー、無理じゃない?
 次期政権、たぶんムン・ジェインの時と同じかそれ以下の米韓関係になりますよ。
 反日反米でどうしようもなくなる。
 アメリカがパートナーとして韓国を選ばなかったのは、「いつでもムン・ジェイン政権レベルに戻る可能性がある」ことを考慮した部分も確実あるはず。
 そして遅くとも3年後にはそれはかなりの確率で起きるんだよね……。

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韓国「オーストラリアにAUKUSに勧誘された」……じゃあ、対ロシアの態度をどうにかしなよ

カテゴリ:米韓関係 コメント:(54)
タグ: 米韓関係 AUKUS
【時論】オーストラリアのAUKUS参加提案は韓国に機会だ(中央日報)
米ワシントンで開催された米日首脳会談で米国は日本がAUKUSのPillar2に加わることを勧告し、日本はこれに前向きな反応を示した。AUKUSのPillar2は量子コンピューティング、サイバー安全保障、極超音速など先端技術分野の協力に焦点が置かれている。 (中略)

米国のこうした意図に中国は反発し、特に日本がAUKUSのPillar2に加わろうとする動きを批判した。最近オーストラリアのメルボルンで開催された韓豪2プラス2(外交・国防長官)会議で、オーストラリアが韓国にもAUKUSのPillar2に加わるよう勧誘したという報道があった。これに韓国側が前向きに反応しただけに、この際、AUKUS加盟の得失を問いただしてみる必要が生じた。 (中略)

現行の韓米同盟構造をみると、中心軸の米国に向かって韓国がスポークの端に付いている形の1対1同盟だ。このような同盟は韓米2国間同盟の条件が変わればスポークが損傷したり、他の外部要因によってスポークが断絶したりする弱点がある。韓米同盟が他の3、4カ国の同盟国や安保協力国と格子状に構成されれば、米国との2国間関係が順調でない場合にも同盟構造自体は安全といえる。
(引用ここまで)


 豪韓間で2+2会議が行われて、オーストラリアからAUKUSのピラー2に勧誘された……とのニュースが出ているそうです。

South Korea Considers Joining AUKUS Pillar II(THE DIPLOMAT・英語)

 THE DIPLOMATでも書かれているってことはまあ提案自体はあったのかもしれません。
 ただ、「AUKUSについて協議した」って言葉はシン・ウォンシク国防部長官(防衛相に相当)からしか出ていない模様。
 オーストラリア側からは表明されていないって感じかな。
 2+2会談後の共同声明では「(両国の)戦略的連携の強化が、韓半島だけでなく、インド太平洋地域の平和と安定を維持するための防衛協力の強化に貢献するとの認識で一致した」って文章があってそれっぽい……か、といったところ。


 ただですね、韓国はユン政権であってですら「バランス外交」を標榜している部分があります。
 その証拠がありまして。
 ロシアのプーチン大統領の就任式に大使を出席させているのです。

プーチン大統領就任式に駐ロ韓国大使が出席 欧米諸国の多くは欠席(聯合ニュース)

 G7で出席しているのはフランスだけ。
 ま、あそこはNATOとのつきあいも最小限、独自路線が大好きなのでしかたない。
 それ以外のEU加盟国では東欧がぽつぽつと出ているくらいですかね。

 いまだに両天秤が基本ってわけです。
 まあ、それくらいならまだマシで。
 ムン・ジェイン政権はアメリカから二次制裁が来かねない状況になるまで、ロシアへの制裁に参加しようとしていなかったくらいですから。

 ユン政権になってからもロシア産原油の上限キャップに参加していません
 どこまでも両天秤なのです。
 「自由主義陣営としての自覚」とかゼロだからね……。

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韓国メディア「日本は自国の価値を高め、アメリカとの関係をさらに強化した。韓国はどのような戦略を立てて実利を得るのか」「韓国のF-35Aが日本で整備されているなど、我々はアメリカから実利を得られていない」……韓国のF-35Aが日本で整備されている?

[ニュース分析]アジア情勢の分水嶺となる米日同盟の強化…試される韓国外交(ハンギョレ)
 これまで東アジアが韓米、米日、米比などの二国間同盟を結ぶ米国を中心とした車輪型構造(ハブ・アンド・スポーク)だったとすれば、今や米国と日本を中心に複数の少数国で構成するミニラテラル同盟構造を拡大し、細かく織り込んでいく「格子」の網で中国を牽制する方向へと切り替わりつつある。AUKUS(オーカス・米英豪の安全保障協力枠組み)やQUAD(クアッド・米日豪印による安全保障協力枠組み)、米日比など、このような網に韓国の参加を求める米国の要求または招待が増えるだろう。南シナ海と台湾に隣接した東シナ海で、韓国の軍事的役割に対する要求も高まっている。 (中略)

 問題は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権がどのような原則と戦略を持って参加するかにある。日本は平和憲法から事実上抜け出し、再武装と軍備強化へと進んでおり、アジアで中国けん制の中心的役割を果たす見返りに、米国から先端技術をはじめ軍事、経済分野で非常に具体的な利益を確保する方向で戦略を練っている。 (中略)

 韓国がきちんと戦略を立てて交渉しなければ、中国とさらに関係が悪化するだけで実益のない状況に追い込まれる可能性が高い。これまで尹錫悦政権の外交は、「自由の価値を守る同盟の一員」というリップサービスの他には、米国と日本から韓国の戦略と経済的利益を具体的に確保できなかった。米国の戦略的変化の中で、オーストラリアはAUKUSに参加して原子力潜水艦を確保し、日本は米国と武器共同開発をはじめ半導体、AI、量子物理学、核融合、宇宙まで未来の中心的産業で重要な利益を米国から得ているのとは対照的だ。韓国は空軍が保有するF35戦闘機を日本の在日米軍基地に送って整備をしている。米国の先端技術に対する韓国のアプローチは、日本に比べて非常に限られている。

 このような外交が続けば、韓国は米日同盟の下位同盟に固着化し、中国との対立だけが大きくなり、未来の中心的産業で日本に比べて大きく不利になる状況に追い込まれる可能性がある。元外交当局者は「世界的に情勢の大きな流れが変わりつつあるため、韓国が米日同盟を中心としたアジアの新しい同盟構造を元に戻すことも、そこから離脱することもできない状況」だとしながらも、「韓国がこの変化の中で明確な目標と戦略を立てて、韓国の議題を解決する空間を作らなければならない。韓国の原則と現実に沿って新しい構造に参加する一方、朝鮮半島の非核化と平和統一に向けて中国やロシアとの関係も管理する空間を作る総合的外交戦略が重要だ」と指摘した。
(引用ここまで・太字引用者)


 日米首脳会談、日米比首脳会談を受けてこれまでは「レキシニンシキガー」とか、「アジアへの野望ガー」といった記事しか出してこなかった韓国メディアですが。
 ぽつぽつと「それを受けて韓国はどうすべきか」といった記事も出てきました。
 ようやくというべきか。

 ハンギョレは反保守なのでユン政権のやることに文句をつけるのが基本。
 なので「日本に対抗する歴史認識という武器を納めてしまったので韓国の立場が弱くなっているのだ」って話になっているのですが。
 え、もっと気になる部分がある? まあ、それは後ほど。

 ムン・ジェイン政権も散々、日本に対して「歴史問題を!」って言い続けてきましたが、それが日本に対して効果的な武器になったとは思えませんけどね。
 どっちにしても日本が韓国を重要視しなくなったのはアメリカからの圧力が薄らいだのが主因。
 で、なぜアメリカからの圧力が和らいだかといえば、ムン・ジェイン政権下で韓国が自身の価値をアメリカにアピールしなくなったことが最大の原因ですよ。


 特にGSOMIA破棄宣言(後に撤回)でアメリカは本当に韓国に失望して、「外交的にあてにならない国だ」と認識したと感じられます。
 あれは本当に唖然としたというか。
 驚愕しましたよ。
 ユン政権になって大きく対米外交政策は変わったのですが、政権交代によってまた元の木阿弥になる可能性を考慮しているのでしょうね。

 結果、アメリカは日本との強い関係性を望まざるを得なかったのです。
 ここ10年ちょっとの出来事ですから、ざっくり安倍政権後の変遷。
 つまり、安倍元総理が「日本の価値を高く売りつける」戦略をはじめてからってことですね。
 一部の人々が安倍晋三を蛇蝎のように嫌っている理由がここにあるわけです。

 あと韓国空軍のF-35Aを日本で整備している云々についてはちょっと時間をかけます。
 現状ではあり得ない話だと思うけどなぁ。

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