日本は違った。 トランプ氏は今月7日、ホワイトハウスで日本の石破茂首相と日米首脳会談を開催した。 石破氏は、トランプ氏がネタニヤフ・イスラエル首相に続き、就任後2度目に会った海外首脳だ。 米国現地言論は石破がいわゆる「お世辞の芸術」を展開し、トランプを鼓舞したとの観戦評を出した。 石破はトランプに「神があなたを救った」、「テレビでは恐ろしく強い性格に見えたが、会ってみると真剣でパワフルだった」等、称賛を吐き出した。 貿易・安保財務諸表を重視するトランプ氏の前で米国産液化天然ガス(LNG)輸入拡大、国防費増額、対米投資1兆ドルに拡大など贈り物の包みもいっぱい解いた。
日本がトランプ発の関税爆弾などを最終的に避けることができるかは未知数だが、今回の首脳会談はひとまず成功的だったという評価だ。 (中略)
日本の首脳がいち早くトランプリスクの予防に乗り出す間、韓国の対米外交空白は続いている。 その間、韓国企業の不確実性もやはりますます大きくなる状況だ。 サムスン電子、SKハイニックスは米国に半導体工場を建設する見返りに政府補助金を約束されたが、支給されなかったり大幅に減額されたりする恐れがあるという懸念が出ている。 現代自動車·起亜自動車、LG電子など米国市場攻略のためにメキシコに生産基地を建設した韓国企業は関税リスクに直面した。 対米貿易収支の黒字も韓国企業を相手にしたトランプの関税ブーメランとして飛んでくる公算が大きい。 昨年、米国の対韓国貿易赤字は660億ドルで、韓国は米国の貿易赤字が最も大きい国9位に上がった。 このような対米貿易黒字達成の裏には、韓国企業が米国現地投資を増やし、アメリカファースト基調に積極的に対応したことも複合的に位置しているが、トランプがこのような事情を見てくれるはずがない。
政府は米国産エネルギー輸入を増やし造船業協力·防衛費分担金拡大方案などを含むパッケージディールを検討中だ。 しかし、弾劾政局と早期大統領選挙の可能性で、官僚の積極的な対応には限界が大きい。 「大韓民国1号営業社員」を自任した尹錫悦大統領は現在職務停止状態だ。 トップダウン方式の交渉と個人的な親交を重視するトランプを相手にする首脳が私たちにはいない。 トランプ時代の開幕直前、大統領が自ら足を縛ってしまった韓国と「お世辞の芸術」という評価まで入りながらも、首相が素早く動いた日本。 韓国は決して期待できない日本の対米首脳外交を見守る国民の心は焦がれている。
(引用ここまで)
日米首脳会談から幾ばくか時間が過ぎまして、どうにかこうにか「日本が手に入れたものは大きいのではないか」とか「あれ、もしかして成功してるのでは……」って論調がポツポツと韓国メディアにも見られるようになってきました。
いまだにLNG確保については「トランプの顔色を伺って資源購入をした」ってくらいの扱いになっていますけどね。
……日本のメディアもそうなんですが、なんでこの天然ガス確保の重要性が分からないんだろうなぁ。
情勢的に中東からのシーレーンを使わずに太平洋を横断するだけで入手できる天然ガスがどれだけ貴重なのかって話です。
まあ、実際の輸入量とかも見てみないと分かりませんが。
それでもだいぶ過小評価されている感がありますね。
ただまあ、冒頭記事のように「お世辞の芸術を駆使してまで国益を確保した」って評価も出てきてはいます。
で、韓国人が自身を省みたときに、トランプ大統領と会談できる人物がいないのだと。いまさらながらに「これはやばい」と思い出した模様。
官僚側が交渉の前段階をどれだけ整えたとしても、カウンターパートになる大統領が存在していない。
大統領代行の代行しかいないわけで。
少なくとも憲法裁判所が弾劾の判断をしてから、大統領選挙を経てようやく首脳会談ができるようになる。
半年遅れ、下手をしたらそれ以上の遅れをとって外交交渉を開始しなければならない。
ユン・ソンニョル大統領の立場を追いこむだけ追いこんだ結果、暴発して戒厳令→弾劾→政局大混乱、とまでなっている。
そんな状況に置かれているのに「石破はお世辞で〜」とか「1兆ドルの贈り物が〜」とか言っている場合じゃないと思うんですけどね?
ま、成熟した民主主義のためならしかたないか。
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