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カテゴリ:米韓関係の記事一覧

韓国メディア「米韓通貨スワップ協定は可能なのか、アメリカの連邦準備制度理事会に聞いてみた」→FED「」

通貨スワップ可能か……米連邦準備制度理事会に聞いてみました(SBS・朝鮮語)
今回も米国と通貨スワップを締結が可能なのでしょうか。 米国で通貨スワップを担当する機関は米国の中央銀行の連邦準備制度です。 連邦準備制度に韓国内で提起されている韓米通貨スワップ締結の可能性について尋ねました。 (中略)

Q1)米国が準機軸通貨国ではない他国と常時通貨スワップを締結したことがあるか
-ない。
Q2)韓国と同じ規模の国が為替レート不安を理由に、米国と常時通貨スワップを締結しようとするなら考慮できるのか?
-ない。
Q3)一時的な通貨スワップの場合、特定国家と締結が可能か?
-そんなことはない
Q4)米ドルの価値の上昇により、世界通貨市場が不安だ。 米国がこれらの国に提供できる流動性供給オプションは何か?
-ノーコメント
(中略)

整理すると、為替政策を担当する米財務部も、通貨スワップを担当する米連邦準備制度理事会も韓国の為替レート安定を助けるため、通貨スワップに乗り出す可能性はないと思われます。 また、実際に通貨スワップ契約を交わしても、その余力ですぐに為替市場に介入できることもありません。
(引用ここまで)


 韓国の民放であるSBSが連邦準備制度理事会(FED)に直接、「韓国と通貨スワップ協定を結ぶにはどうすればいいのか」(大意)との質問を投げかける暴挙に出ました。
 で、けんもほろろに「現在はありえない」との回答を得た、というニュース。
 記事中の太字部分はSBSが整理したもので、実際にはもうちょっと紳士的な回答をしていますけどね。

 韓国メディアは「日本と同じレベルの常時通貨スワップ協定を結ぶことができる」とか、「常設通貨スワップ協定に準じる協定を結ぶことはできる」とか言いまくっていたのですよ。
 「強くなった韓国にはそれなりの待遇が必要だ」みたいな勢いで。

 その理由は「バイデンが日本よりも先に韓国に訪問するから」「共同声明で為替市場での米韓協力に言及したから」とかいうものだったのですが。
 実際にはバイデン大統領の訪韓は露払いで、訪日後にIPEFのを発表するわ、日本の安保理常任理事国入りに理解を示すわで「え、訪韓ってなんだったの……」ってなっていたのには苦笑いが隠せませんでしたね。


 実際、アメリカは日本をはじめとしたイギリス、カナダ、EU、スイスの中央銀行とは常設、かつ無制限・無期限の通貨スワップ協定を結んでいます。
 最近だとスイス国立銀行が同制度を利用してけっこうな額のドルを引き出したことが知られています。

スイス中銀、FRBの通貨スワップ枠から多額の引き出し 2週連続(ロイター)

 クレディ・スイス関連でけっこう危ういのかなー。

 韓国メディアは「韓国もこれらの国に加わるべき存在となっている」と主張しているのですよ。
 ……いや、本気で。
 だって、韓国大統領府高官が冗談抜きで「我々は実質的なG8になった」とか言っているんですよ?

 気分はもう大国、なのです。
 まあ、その実質的にG8の国は今年のG7にも来年のG7にも招待されることはないのですけどね。

 で、その大国気分で「FEDも韓国の存在を大きく見てるだろ」と期待していたら、実際にはこの有様だったというオチなのですけどね。

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韓国メディア「日本は在日米軍の国外派遣に裁量権を持っている。台湾有事が迫っているので在韓米軍も同じようにして中国からの圧力を回避しよう」

カテゴリ:米韓関係 コメント:(60)
【コラム】米国、台湾危機に在韓米軍の一方的派遣可能(中央日報)
いかなる原因であれ台湾海峡で武力衝突が生じる場合、韓国としては対岸の火事にはならない。すぐに韓国が直面すると予想される状況は二つある。一つはいかなる形であれ台湾事態に韓国が介入してほしいという米国の圧力であり、もう一つは在韓米軍が動員される可能性だ。 (中略)

先月29日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とハリス米副大統領の会談後に発表された韓国大統領室と米ホワイトハウスの報道資料には意味深長な差があった。ホワイトハウス側は「双方は中国と台湾、そして台湾海峡での平和と安定を維持するための努力について議論し、これは自由で開かれたインド太平洋地域の核心要素だとハリス副大統領は強調した」と明らかにした。半面、大統領室側の資料からは台湾関連の部分が完全に抜けている。台湾事態に対する両国の立場を端的に見せるエピソードだ。要するに韓国側は台湾事態に巻き込まれるのを避けようとするが、米国は積極的に介入することを望む状況だ。 (中略)

韓国政府側は台湾事態への介入を避けようとしているのが明白だ。最大貿易パートナーであり北東アジア最強国の中国との関係悪化を望まないからだ。 (中略)

では、米国が台湾防御のために一方的に在韓米軍を派遣することは可能だろうか。 (中略)

元高官らは明確な意見を出している。エイブラムス元在韓米軍司令官は先月27日、「中国の台湾侵攻時に在韓米軍の投入は可能なのか」というラジオ・フリー・アジア(RFA)の質問に「そうだ」と答えた。そして「いかなる兵力を活用するか決めるのは米国」とし「在韓米軍の一部が投入されても、韓米同盟は対北朝鮮抑止力を維持するオプションがある」と語った。 (中略)

イラク紛争時にも在韓米軍の派遣問題をめぐり国内で賛否論争が激しかった。しかし米国は2004年5月、在韓米軍4000人をイラクに派遣すると事実上一方的に通知し、これを実行した。これを阻止する手段がない韓国政府としては対応できなかった。 (中略)

今後どんなことが発生するか分からない状況で、韓国も日本のように駐留米軍の派遣を防げる裁量権を確保するのが望ましい。
(引用ここまで)


 台湾有事に対して、アメリカは必要があれば韓国との協議なしで在韓米軍を使うことができるのだ、という話はあまり韓国でされていません。
 実際、記事中にあるようにイラクへの派兵をさくっと行ったこともあります。

 その一方で日本では在日米軍からの派兵については日本政府と協議の上で行わなければならないとなっています。
 これ、朝鮮半島有事関連でも2014年頃にさんざん語られていたことです。
 安倍総理が国会で発言していましたね。
 「有事の際、在日米軍は自動的に朝鮮半島に派遣される」という解釈をしていた韓国側が「あれ、もしかしてやばい?」ってなったのをよく覚えています。

 まあ、台湾有事であれば1も2もなく了承するでしょうが。
 朝鮮半島有事であればその際の政権の態度によるかなぁ……。


 ま、この記事を見ても分かるように。
 韓国は台湾有事に関与したくないのですよ。根本的に関与したくない。
 インド太平洋戦略からも距離を置きたいというのが本音。
 そして在韓米軍も台湾有事で出動しないでほしい、というのも本音。
 なぜなら韓国が攻撃の対象になるし、中国からの覚えが悪くなるから。

 まあ、すでにそれはアメリカ側も理解している。
 理解しているからといってそれを許すかどうかは別ですが。
 ペロシ議長が訪韓した際の冷遇具合で国際情勢専門家からは「わかった、中国に楯突くつもりは一切ないんだな、この国は」って扱いになりましたからね。
 いまはそれでもいいのかもしれないけどね。

 本当に台湾有事が勃発した際に、それでいいのかと。
 戦後の韓国の地位を考えた時に、それで問題ないと本当に思っているのかという話なのですが。
 要するに韓国の態度って「台湾有事で中国が勝って覇権を進める時に韓国の得点が低くなるのがいやだ」って話をしているのですからね?
 そりゃまあ、アメリカ側も気分を害しますわな。なんのための軍事同盟なのか、と。

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北朝鮮の弾道ミサイル発射に対して日米首脳が即座に電話会談……しかし、米韓首脳は接触すらせずに……

日米首脳、北朝鮮ミサイル発射を非難 安保理対応で連携(日経新聞)
岸田文雄首相は4日夜、バイデン米大統領と電話で25分間協議した。同日の北朝鮮による弾道ミサイル発射について「日本や地域、国際社会の平和と安定に対する明白で重大な挑戦だ」との認識を共有し、非難した。首相が協議後、記者団に明らかにした。

北朝鮮の完全な非核化に向け国連安全保障理事会でのさらなる対応について日米や日米韓3カ国で緊密に連携していくと確認した。首相は日本の防衛力の抜本的な強化に取り組む決意を伝えた。日米同盟の抑止力や対処力の強化、日米韓3カ国の協力促進を申し合わせた。
(引用ここまで)


 昨日、北朝鮮が中距離弾道ミサイル、IRBMを太平洋に向けて打ったことで一気に西側諸国の顔色が変わりました。
 あと中国、ロシアあたりは見て見ぬふりをしてますね。
 なんでこのタイミングなんだ、という感じです。

 さて、国連決議違反となる北朝鮮のミサイル発射に対して、日本、アメリカ、韓国はそれぞれ非難声明を出しています。

北朝鮮ミサイル 過去最長の飛行距離 岸田首相「暴挙で強く非難」(NHK)
北の中距離ミサイル発射 「無謀な挑発は決然とした対応に直面」=尹大統領(聯合ニュース)
Biden, Kishida Condemn North Korean Missile Launch Over Japan(ブルームバーグ・英語)

 最後の記事にあるようにバイデン大統領は岸田総理と即座に電話会談を行い、北朝鮮を強く非難しています。
 ふむ。


 ホワイトハウスからのリードアウトこちら。

Readout of President Biden’s call with Prime Minister Kishida of Japan(ホワイトハウス・英語)

 このリリースや、岸田総理の会見では「日米、日米韓、日韓で対応する」と述べられています。
 ふむ。

 日米は即座に共同で戦闘機を飛ばしていますし、米韓は対抗するために地対地ミサイルを飛ばしています。なお、韓国からはミスもあったとのこと。

韓米両軍 北への対抗措置で地対地ミサイル4発=弾道1発は失敗(聯合ニュース)

 さらにブリンケン国務長官、オースティン国防長官、サリバン特別補佐官はそれぞれのカウンターパートに対して日米、米韓で電話会談を行ったそうです。

 ただ、ユン大統領はバイデン大統領との対話をここまでしていません。
 うーん?
 アメリカからの不信は少なからずある、というのは間違いないところかな。

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韓国の左派議員、「独島の近くで韓国軍が日米と軍事演習など許せない!」と場所・日時をリーク。あまり効果はなかった模様

韓米日の対潜水艦戦訓練、共に民主議員が日時と位置を公開…韓国国防部「極めて遺憾」(朝鮮日報)
 韓国国防部(省に相当)は29日、韓国・米国・日本による海上訓練の日程とその内容が野党議員に流出し、事前に公開されたことについて「極めて遺憾」とコメントした。国防部はこの日声明を出し「韓米日による対潜水艦戦訓練は多くの部分が機密とするよう求められ、発表の時期についてはメディアの協力を得て調整していたが、訓練内容の一部が個人のSNS(交流サイト)を通じて公表された」とした上で上記のようにコメントした。

 国防部は韓米日当局で合意した訓練の日程とその内容の一部を担当記者団に伝えたが、訓練開始の日時についてはエンバーゴ(特定時点まで報道を猶予する取り決め)を求めた。記者団も問題の特殊性を考慮しエンバーゴを受け入れることにした。ところが野党・共に民主党の安圭佰(アン・ギュベク)議員が訓練開始を翌日に控えた28日、突然フェイスブックに「懸念が現実となった。今月30日に韓米日の海軍が訓練を実施する」としてその日程や位置などを公開したのだ。訓練が行われる海域が韓国の作戦区域ではなく東海の公海上であったとしても、独島から150キロほどしか離れておらず、日本との訓練は認められないという趣旨だった。 (中略)

 与野党に関係なく国会国防委員が事前に入手した軍事・外交協議の内容を一方的に公開し、これを無力化するケースはほぼ前例がない。韓国軍とその周辺では「安議員は反日感情を刺激して人気を得るために、国防委員の本分から外れた行動をしたのでは」との指摘も出ている。与党・国民の力のシン・ウォンシク議員は「国家間の合意を破れば国への信頼が落ち、国益にもマイナスになる」「何よりも訓練海域が公開されれば対潜水艦戦訓練に致命的な問題が生じる恐れもある」と指摘した。その上で申議員は「外交・安全保障まで事実を歪曲(わいきょく)して親日をあおり、反日扇動の材料にする行動は中止すべきだ」と求めた。
(引用ここまで)


 野党である共に民主党に所属する国会議員が、日米韓の合同軍事演習について「独島の近くで行われるとは許しがたい!」と場所、日時をリークするという暴挙に出てまして。
 韓国では「親日扇動だ」というような声が出ています。
 要は「現政権は親日だ」とレッテルを貼ることで政権攻撃しようとしている、というわけです。
 それに加えて「独島から150kmの地点だ」と領土紛争を思い起こさせようとしていると。

 実際、150kmって東京からだったら軽井沢あたりですからね。ちいとも近くない。
 東京−静岡間って聞くと「あれ、近いのでは」って錯覚しますが、これは静岡が広すぎるからですね(笑)。新幹線とか車で移動すると「いつまで経っても静岡だな、おい」ってなるのです。東海の民あるある。


 ただまあ、これは親日認定の政権攻撃でもあり、かつアメリカとの合同軍事演習に反対する一挙両得の手段なのですよ。
 韓国左派は基本、アメリカ嫌いです。
 ムン・ジェイン政権下では北朝鮮の機嫌を取るために(かつ、トランプ大統領の演習嫌いもあって)延々と合同軍事演習を中止し続けてきました。
 ムン政権下において左派の目標であった「自主国防」に向かって着々と進んでいたのですが。

 アメリカとの合同軍演習も含めてなんとか潰そうと画策している、というのがこの行動の理由のひとつでもあるのですよ。
 確かに韓国左派への不信感を深める、という意味では成功しているかもしれない。
 でもま、日米韓の合同軍事演習として3ショット撮影もしちゃってます。



 ユン・ソンニョル政権の米韓間の安保体制を再構築する、という意思自体は確かなんですよ。
 どこまでの強度でそれが継続できるのか、という疑問点は常につきまとってはいますけどね。

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韓国大統領府「アメリカのハリス副大統領と通貨スワップ協定の実質履行の意思を確認した!」→ホワイトハウス「……」

大統領室「アメリカ行政部の通貨スワップ実質履行の意思を確認」(ファイナンシャルニュース・朝鮮語)
韓国と米国間のグローバル景気低迷を克服する案の一つである「韓米通貨スワップ」措置を含む金融強力案が徐々に具体化されている。

ユン・ソクヨル大統領とカマラ・ハリス米副大統領が29日午前、ソウル龍山庁舎で会い、米国インフレ削減法(IRA)規制緩和と通貨スワップを含む金融流動性供給装置協力を再確認した。

この中で通貨スワップと関連して、大統領室は韓国銀行と米国連邦準備制度が積極的に情報を交換しているということまで言及しながら最近の高為替レート基調に対する対応を示唆した。

ユン大統領とハリス米副大統領がこの日、ソウル龍山大統領室庁舎で接見をした後、大統領室関係者はブリーフィングで「政府と韓国銀行は金融市場安定のために米国との流動性供給装置発動に対する協議が必要だという認識を共にしている」とし「このような認識のもと市場状況に応じて流動性供給装置を稼動できるように韓銀と米連邦の間で積極的に情報を交換していると承知している」と話した。

大統領室の高位関係者も記者たちに「通貨スワップとして認識できる流動性協力に関連して水面下で調整後、ニューヨークで韓米首脳間協議する過程があった」とし「今日(29日)ハリス副大統領を通じて実質的に(通貨スワップを含む流動性供給を)履行するという米政府の意志を再確認した」と説明した。
(引用ここまで)


 えーっと、ハリス副大統領が訪韓しまして。
 予告通りに日帰りしたのですが。
 韓国大統領室は「実質的に通貨スワップ協定と呼べる金融流動性供給装置を実行する意思を確認した」とアナウンスしているそうです。
 大統領府のこのリリースによると……

ユン・ソンニョル大統領、ハリス米副大統領の接見結果(韓国大統領府・朝鮮語)
また、ハリス副大統領は、必要に応じて金融安定のための流動性供給装置を実行するために緊密に協力することにした両国正常次元の合意事項も再確認しました。
(引用ここまで)

 7月にイエレン財務長官が訪韓した時に言っていた「金融安定のための流動性供給装置」云々の話ですね。
 あと5月にバイデン大統領が訪韓した際の「為替市場での協力」というアレ。
 最初のバイデン大統領訪韓時からすでに4ヶ月が経過しているのに、なんら動きなし。


 まあ、これまでも水面下で交渉はしてきた、という設定になっているそうですわ。
 で、先日の48秒の米韓首脳会談で通貨スワップ協定に言及した、ということで。
 今回のハリス副大統領の訪韓で「実行履行の意思を確認」に至ったそうですよ。

 さて、ここでいつものようにホワイトハウスのリードアウトを見てみましょうか。

Readout of Vice President Harris’s Meeting with President Yoon of the Republic of Korea(ホワイトハウス・英語)

 ……まあ、いつものようになのですが。
 前回と同様、為替のかの字にすら言及がないってオチ。
 毎度毎度同じオチで申し訳ない(笑)。

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アメリカから韓国へ「台湾有事の際、彼らは協力しないのではないか」との疑いの視線……韓国は有事に在韓米軍の使用を許すのか?

台湾有事の際、在韓米軍を投入?…韓・中が戦う可能性排除できず(ハンギョレ)
 米中対立の激化で両岸(中国と台湾)の緊張が高まる中、米国の元将軍と官僚がこの地域での武力衝突発生の場合は韓国に駐留する米軍を投入する可能性があると相次いで発言している。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と国防部は、在韓米軍の最優先任務は北朝鮮の侵略抑制だとして可能性を一蹴しているが、望まない紛争に巻き込まれないためには、韓米間で在韓米軍の活動範囲を論議する制度的枠組みを設けるべきだという指摘が出ている。

パトリック・ライダー米国防総省報道官は27日(現地時間)、定例ブリーフィングで、台湾有事の際の在韓米軍または韓国の介入に関する質問に対し「一般的に在韓米軍は依然として韓米同盟と韓国の主権を守り、域内の米国の国益を支援するための高レベルの準備態勢と強力な連合防衛態勢を維持することに専念している」とし、原則的な回答をした。

 しかし、元官僚の展望は、米政府の公式な立場とは異なる。昨年7月まで在韓米軍司令官を務めたロバート・エイブラムス氏は26日(現地時間)、米「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)で、中国が台湾に侵攻した場合、在韓米軍の投入が「可能だ」と述べた。同氏は「在韓米軍所属兵力を含め、どのような兵力を活用するかを決めるのは米国だ」と説明した。韓米連合軍司令部作戦参謀出身のデビッド・マクスウェル氏(米民主主義守護財団シニア研究員)も今月1日、「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)で、台湾海峡で武力衝突が起きれば「米軍再配置の権限は米国にある」と強調し、イラク戦争、アフガニスタンのテロとの戦争などで一部の在韓米軍兵力が再配置された事例があったと述べた。

 米国の専門家らは、具体的に京畿道平沢(ピョンテク)と全羅北道群山(クンサン)にある米空軍が台湾に投入される可能性を予想している。この場合、在韓米軍基地は中国を牽制・攻撃する発進基地の役割を果たすことになる。中国が在韓米軍基地を報復攻撃すれば、韓米連合軍司令部に属する韓国軍が中国軍と戦う状況になりかねない。
(引用ここまで)


 いわゆる「台湾有事」の際に韓国がどのように振る舞うのか、というのはけっこうホットな話題のひとつ。
 韓国政府がペロシ議長を冷遇した後、特に語られるようになっていますね。
 アメリカの公営放送であるVoAでも「韓国がアメリカの手助けをするとは思えない」とする専門家の意見を放送しています。



 Twitterでそのあたりの放送内容を楽韓さんが翻訳していますので、興味があればごらんください。
 たまにこんなことをしていたり、韓国に関係ない時事問題を語っていたりしますのでよろしければフォローしておいてください。

 さて、実際問題として在韓米軍が台湾有事に使用されるかどうか。
 というよりも、それ以前におそらく中国がミサイルを撃ちこんでくるんじゃないかと思われますけどね。
 中国は当然のように「使われる前提」に立って行動するわけで。


 というか、中国が台湾有事に至っても在韓米軍に手を出してこないのだったら、韓国との間でなんらかの密約が疑われて然るべきです。
 まあ、実際には第7空軍の装備はF-16とA-10なのでどう使うんだって問題はあります。
 これがF-35あたりに交換されればまただいぶ別の話になるのですけどね。

 ただ、アメリカの専門家の視線はかなり冷ややかです。
 前述したVoAの放送でも同様でしたが。
 長年、韓国を扱ってきた専門家も「台湾有事では韓国はあてにならない」としているほどです。

 ただ、在韓米軍の使用について韓国が反対したところで、実効力を伴うのかというとまたそれは別の話。
 アメリカとしては韓国と同意の上で使用するのが理想でしょうけども。
 最終的には韓国が台湾有事に際してアメリカに協力する、しないを問わずに在韓米軍を使うことになる、というのが結論かな。

 協力しないのであればなんのための同盟国なのか、という議論が巻き起こることは間違いないでしょうが。
 まあ、そこまで遠くはない未来なのかな、とも感じています。

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韓国大統領府「48秒の会談で電気自動車補助金問題、通貨スワップ協定、北朝鮮核問題について話し合った」→韓国メディア「通訳をはさめば20秒ちょっとなのに?」

尹大統領、IRA・通貨スワップ・対北朝鮮抑制の成果? 「通訳を抜けば22秒の面会」(Wow! Korea)
韓国大統領室が、ユン・ソギョル(尹錫悦)が米国のバイデン大統領が会談し、インフレ削減法(IRA)、通貨スワップ、対北朝鮮拡張抑制について両国NSCに集中的に検討を指示したと明らかにすると、「(両首脳が会った時間が)48秒なら通訳を除けば22秒ではないか」という批判が出た。

 保守性向評論家のチャン・ソンチョル公論センター所長は22日、MBCラジオ「ピョ・チャンウォンのニュースハイキック」に出演し、「22秒間でIRAなど話すことはできない状況」とし、このように話した。

 チャン所長は「会談としてほとんど無意味だと見るしかない。外交は失敗」とし「英国、フランス、フィリピンとは2国間会談をしたが、韓国とはしなかった。外交ラインに大々的に手を加えなければ、米韓、日米外交だけでなく、国際舞台で地位と国格を今後担保することはできない」と苦言を呈した。

 これに対して大統領室の高官は、ニューヨーク現地プレスセンターのブリーフィングで、「2人(米韓首脳)が会った時間の長さが重要ではない」と述べた。
(引用ここまで・太字引用者)


 ユン・ソンニョル大統領の「48秒の米韓首脳会談」が外交惨事だと話題ですが。
 韓国大統領府は「この48秒でIRA(アメリカの電気自動車補助金問題)、通貨スワップ協定、北朝鮮核問題について両国のNSCに検討指示をした」と表明しているのですよ。
 48秒で。

 さすがに韓国メディア、野党等から「通訳はさんだら半分以下だろうが」ってツッコミが入ってきています。
 ただまあ、動画を見るかぎりではすぐ横でパク・ジン外交部長官が同時通訳してたっぽいので48秒をかなりフルにまで使えていたんじゃないですかね。
 以前の米韓外相会談後の共同記者会見(GSOMIAを正常化する発言のあったアレ)でもかなり流暢に話してましたから。


 まあ、それにしたって48秒では意思疎通とか会話は無理だわなぁ。
 その結果が例のホワイトハウスから出されたなにも内容のないプレスリリースだったわけです。
 内容・中味のないリリースは米韓だけじゃなくて日韓も同様でしたけども。

 ムン・ジェイン大統領がトランプ大統領とのテタテ(1対1)会談を2分で切り上げられたというのは伝説の部類でしたが。
 そうなると、「48秒の会談」は神話かな。ドラマのタイトルとかになりそうですね。

 韓国って「そこそこの国力のそれなりの国」っていう前提を守れば、それなりの外交はできると思うのですよ。
 無理して「我こそは実質G8!」とかやらないかぎりは。
 自尊心(実際には虚栄心)がそれを許さないのでしょうね……。

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韓国大統領府「米韓首脳会談で話し合った中には通貨スワップ協定についての話題もあった」→ホワイトハウス「……」

大統領室「流動性供給装置に通貨スワップを含む…韓米NSC書レビュー」(聯合ニュース・朝鮮語)
大統領室は22日(現地時間)ニューヨークで会ったユン・ソクヨル大統領とジョーバイデン米国大統領が両側NSC (韓国国家安全保障会議・米国国家安全保障会議)に韓米通貨スワップ問題を集中検討するよう指示したと明らかにした。

大統領室の上級関係者はこの日の深夜頃、現地のプレスセンターのブリーフィングでこのように語った。NSC検討指示事項には米国インフレ削減法(IRA)・対北拡大抑制も含まれた。

大統領室は先に報道資料で両国首脳が去る19日から21日までロンドンとニューヨークで3回会った結果、必要なときに韓米両国が金融安定のための流動性供給装置( Liquidity facilities )を実行するために緊密に協力していくことにしたと伝えた。

これをめぐって韓米通貨スワップも迂回的に議論されたという解釈が出た。

これに対しチェ・サンモク経済首席はブリーフィングで「流動性供給装置には様々なものがある」とし「両国金融当局間協議を通じて具体化すると考えるが、通貨スワップも両国当局間協議の対象となる流動性供給装置に含まれる」と言った。
(引用ここまで)


 「48秒の米韓首脳会談」以外にもロンドンとニューヨークで2回ほど立ち話をしたらしいのですよ。
 で、その中で電気自動車の補助金問題と、為替安定について話し合った、とされています。
 ただどちらも立ち話ていどのもので、そこまで突っこんだ話はできたとも思えないのですが。

 それでも大統領府の経済主席は「その為替安定には通貨スワップ協定も含まれる」と宣言してしまったのですが。
 ……まあ、いつものアレなんですけどね。
 現状の米韓関係で通貨スワップ協定が結べるかどうか。どう考えてもないだけどなぁ。


 「金融安定のための流動性供給装置」がそのままイコールで通貨スワップではないですからね。
 あくまでも「通貨スワップ協定も含まれる」というだけで。

 前にもピックアップしましたがバイデン大統領が訪韓した後の5月の時点で、韓国の大統領府から「米韓で通貨スワップに準ずる協力を推進する」とか言ってましたからね?

韓国大統領室幹部「米韓は通貨スワップに準ずる協力推進」(韓国経済新聞)

 それから4ヶ月以上経過していますが、なにかあったのか……ということです。
 もちろん、アメリカからのリリースはなにもなし。

Readout of President Joe Biden’s Meeting with President Yoon Suk Yeol of the Republic of Korea(ホワイトハウス・英語)

 見事なくらいに為替のかの時もないんだよなぁ。
 これ狙ってやっていないわけがないですからね。
 つまり、そういうことです。

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