今回も米国と通貨スワップを締結が可能なのでしょうか。 米国で通貨スワップを担当する機関は米国の中央銀行の連邦準備制度です。 連邦準備制度に韓国内で提起されている韓米通貨スワップ締結の可能性について尋ねました。 (中略)
Q1)米国が準機軸通貨国ではない他国と常時通貨スワップを締結したことがあるか(中略)
-ない。
Q2)韓国と同じ規模の国が為替レート不安を理由に、米国と常時通貨スワップを締結しようとするなら考慮できるのか?
-ない。
Q3)一時的な通貨スワップの場合、特定国家と締結が可能か?
-そんなことはない
Q4)米ドルの価値の上昇により、世界通貨市場が不安だ。 米国がこれらの国に提供できる流動性供給オプションは何か?
-ノーコメント
整理すると、為替政策を担当する米財務部も、通貨スワップを担当する米連邦準備制度理事会も韓国の為替レート安定を助けるため、通貨スワップに乗り出す可能性はないと思われます。 また、実際に通貨スワップ契約を交わしても、その余力ですぐに為替市場に介入できることもありません。
(引用ここまで)
韓国の民放であるSBSが連邦準備制度理事会(FED)に直接、「韓国と通貨スワップ協定を結ぶにはどうすればいいのか」(大意)との質問を投げかける暴挙に出ました。
で、けんもほろろに「現在はありえない」との回答を得た、というニュース。
記事中の太字部分はSBSが整理したもので、実際にはもうちょっと紳士的な回答をしていますけどね。
韓国メディアは「日本と同じレベルの常時通貨スワップ協定を結ぶことができる」とか、「常設通貨スワップ協定に準じる協定を結ぶことはできる」とか言いまくっていたのですよ。
「強くなった韓国にはそれなりの待遇が必要だ」みたいな勢いで。
その理由は「バイデンが日本よりも先に韓国に訪問するから」「共同声明で為替市場での米韓協力に言及したから」とかいうものだったのですが。
実際にはバイデン大統領の訪韓は露払いで、訪日後にIPEFのを発表するわ、日本の安保理常任理事国入りに理解を示すわで「え、訪韓ってなんだったの……」ってなっていたのには苦笑いが隠せませんでしたね。
実際、アメリカは日本をはじめとしたイギリス、カナダ、EU、スイスの中央銀行とは常設、かつ無制限・無期限の通貨スワップ協定を結んでいます。
最近だとスイス国立銀行が同制度を利用してけっこうな額のドルを引き出したことが知られています。
スイス中銀、FRBの通貨スワップ枠から多額の引き出し 2週連続(ロイター)
クレディ・スイス関連でけっこう危ういのかなー。
韓国メディアは「韓国もこれらの国に加わるべき存在となっている」と主張しているのですよ。
……いや、本気で。
だって、韓国大統領府高官が冗談抜きで「我々は実質的なG8になった」とか言っているんですよ?
気分はもう大国、なのです。
まあ、その実質的にG8の国は今年のG7にも来年のG7にも招待されることはないのですけどね。
で、その大国気分で「FEDも韓国の存在を大きく見てるだろ」と期待していたら、実際にはこの有様だったというオチなのですけどね。
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