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カテゴリ:伝染病の記事一覧

韓国で新型コロナウイルスが再流行の兆し、日曜発表の数字で感染者1万人超えは5週間ぶり

カテゴリ:伝染病 コメント:(47)
韓国、コロナ新規感染1万59人…2日連続1万人台(中央日報)
韓国疾病管理庁中央防疫対策本部によると、累積感染者は1838万9611人になった。2日連続1万人台の感染者が発生した。重症は53人、死亡は8人だ。

前日の2日の1万715人と比較すると新規感染者は656人減少した。1週間前の6月26日の6246人よりは3813人増加した。
(引用ここまで)


 韓国の新型コロナウイルスの新規感染者数が激増している、とのニュース。
 先週、先々週の月曜日発表の数字が3500人ほどだったので「このレベルで推移していくのかなー」とも思っていたのですが。
 いきなり1万人オーバー。
 これ、週末の数字ですからね。日曜日発表の数字としては5週間ぶりに1万人を超えたそうです。

 ただ、感染者数増加は世界のほとんどで起きている模様。
 日本も2万5000人前後なのでほぼ韓国と同数。
 フランス、ドイツ、イギリスなども同傾向。

 ただ、韓国の場合はグラフで見ると3月の感染者数が多すぎて、ほかの期間が凪に見えるという錯視効果が出てます(笑)。

スクリーンショット 2022-07-03 12.06.42.png

 よーく見るとグラフの最後のほうが上がっているかな、どうかなというところ。


 日本でも自治体によっては4回目接種のお知らせが届きつつあるようですね。
 うちが3回目接種したのは2月だから、接種券がくればもういつでも受けられるといえば受けられる。

 んー。
 ノババックス、4回目にも適用してくれんかなぁ……。
 副反応がだいぶおだやかという話なので。

 あ、韓国の話題でしたね。
 現状、重症・重篤者は53人。昨日の死者数は8人とまだまだ対応はできている範囲内。
 日本と同様にBA.4、BA.5が流行に拍車をかけているようです。
 日本よりもはやくに防疫の手仕舞いをしてしまっている中、さてどれほどの流行になるのやら。
 まだ3回目を受けていない人はノババックスで受けてもよいかもしれませんね。

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韓国、新型コロナの感染者数で世界トップクラスに躍り出てしまう

 韓国が新型コロナウイルスで感染数で主要国の中でもトップクラスになったということで。
 これといってニュースサイトのソースはないのですが、データはあるので独自解説していきましょう。


 まず、この画像は主要国の人口あたりの人口あたりの新型コロナウイルス陽性例。
 フランスが突出していますが、韓国はその次。イギリスとドイツがデッドヒートですが、早晩にドイツが抜くかな。
 ここでピックアップした以外だとスイス、オーストリア、イスラエルあたりがフランスよりも上ですね。

症例covid-19世界.png
Cumulative confirmed COVID-19 cases per million people(Our World in Data・英語)
(チリ、フランス、ドイツ、インド、日本、ニュージーランド、韓国、スペイン、台湾、英国、アメリカ・アルファベット順)

 その一方で人口あたりの死亡例はそこまでの多さではない。まあ、多いのですが。
 チリとアメリカが突出していて、イギリス、スペイン、フランスがそれを追い、ドイツが第2グループとの中間。
 第2グループでは韓国がトップ。

  死亡例covid-19世界.png
Cumulative confirmed COVID-19 deaths per million people(Our World in Data・英語)


 こちらがアジアの国々と比べたもの。人口あたりの症例。アジアでは突出してますね。

症例covid-19.png
Cumulative confirmed COVID-19 cases per million people(Our World in Data・英語)
(香港・インド・インドネシア・日本・マレーシア・韓国・タイ・ベトナム)

 人口あたりの死亡例のアジア版。こちらでも韓国は少なめ。

死亡例covid-19.png
Cumulative confirmed COVID-19 deaths per million people(Our World in Data・英語)

 先日、台湾の人口あたりの死亡者数が日本を追い抜きました。中国はさらに少ないのですが、中国は……ねえ。
 日本は死亡数、感染者数を見るかぎり、主要国中でもっとも防疫の優れている国となったといっても過言ではないでしょう。
 マスクに拒否感が少ないこと、平均的な科学的リテラシーの高さ、ワクチン接種率の高さといった要素がうまく噛みあった結果かな。

 韓国の症例数が世界でも突出して高いのは、検査が多いこともあると思われますが。
 オミクロン変異体がメインになったことでそれまでのK防疫が破綻したことが最大の要因でしょう。
 デルタ変異体までは抑えこむことができていたのだけども、感染力が圧倒的に高いオミクロン変異体が多数を占めるに連れて対応できなくなった。
 データを見ても2月(旧正月)以降に爆発的に増え、対応ができなくなったことが明白に分かります。
 抑えこみを続けられたら大統領選も与党が勝てたかもしれませんね。

 「ワクチン接種率が高いから平気だろ!」くらいの勢いで放置した感が強いなぁ。
 実際、死亡数はアジアの中では多めとはいえ、世界で見たらだいぶマシ。
 ただ、「K防疫で戦い抜いた」とか絶賛するほどではない、といったくらいの成績表でしょうか。

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韓国、結核の罹患率でOECD1位……というかワースト

カテゴリ:伝染病 コメント:(63)
タグ: 伝染病 結核 OECD
韓国の結核患者、昨年2万2904人…依然としてOECD1位(中央日報)
昨年保健当局の結核疫学調査を通じて確認された新規結核患者が250人近くに達した。彼らの中で3分の2は既存結核患者の家族で一般人より16倍も発病率が高いことが分かった。反面、学校や職場などで患者と接触して結核に感染する事例は新型コロナの影響にさらに減った。

疾病管理庁(疾病庁)が26日まとめた「2021年結核疫学調査統計集」によると、昨年累積結核患者は2万2904人となった。患者の中で学校、職場など集団施設に所属した事例は31%にあたる7161件で、残りの1万5743件は個人患者事例だった。国内結核患者数は2020年(2万5350人)と2019年(3万34人)に比べて大幅に減ったが、依然として経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では最も多く発生している。

昨年結核患者の家族や同僚、友達など接触者を対象に実施した疫学調査では243人の追加結核患者が発見された。結核は結核菌により発生する呼吸器感染病で、せき・くしゃみ、会話などを通して感染する。
(引用ここまで)


 韓国の2021年の結核罹患者数は2万2094人。
 10万人あたりの罹患数は約45人。
 だいぶ減ったものの、まだまだOECDではトップの数字。
 2020年の世界統計(194カ国・地域)では90位。イエメンと同率。パラグアイ、ニウエ、エクアドルと同等。
 ロシア(98位)より悪い。ブラジル(101位)より悪い。ちなみに北朝鮮は6位と世界有数の結核保有率。

 日本は2020年の数字で1万2739人。世界統計では141位。
 ヨーロッパ、北米では低く、東アジアでは多めになっている印象です。
 10万人あたりだと10人ちょいか。
 10人を切りたいところなんですけどね。21年の統計は10ポイント切っているといいなぁ。

 2012年とか、2017年とかだと10万人あたりの罹患数は80人を超えていたので、減ってはきているものの韓国ではかなり結核の罹患者が多いのは間違いないですね。
 日本も韓国も患者数が減ったのは、新型コロナ対策で人と人の接触自体が減ったことが原因でしょうけども。


 以前、ナヌムの家で「結核検診すらされていない」というニュースがあった時に「これは虐待だわ」って書きましたが。
 結核は韓国ではまだまだ身近な病気で、特に集団生活を送る場では定期的な検診が必要なのです。

 実は日本の10万人あたり10.1人という数字も先進国としてはほぼ最悪の数字だったりします。
 ヨーロッパではおおよそ5〜7人台。
 アメリカは2人台で長らく推移していて、2020年はついに2.2人。しかも70%以上がアメリカ以外の出生者。
 韓国の45人という数字が恐ろしいものであることが理解できるかと思います。

 「韓国はひとりあたりのGDPが日本を超え……」なんてことが言われてますが。
 まあ、結核の罹患率は実態はこうなっているのだという側面のひとつですね。

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韓国人「WHO統計の超過死亡数で韓国は10万人あたり6人で、日本はマイナス8人? WHOなんて信用できるか!」

WHO「韓国で6288人コロナ19で超過死亡」(KBS・朝鮮語)
2020年と2021年2年間、コロナ19ウイルスの大流行によって、韓国でコロナ19が発生しなかった場合より6288人がさらに死亡したと推定される、という分析が出ました。

世界保健機関(WHO)は現地時間5日「コロナ19関連の世界超過死亡」報告書を発表しました。 超過死亡とは、コロナ19大流行が発生しなかった場合の予想死亡者数と実際に発生した死亡者数の差を比較したものです。 報告書によると、韓国の超過死亡者は6288人と推定されて、少なくとも1440人から最高1万1254人と推算されました。

超過死亡には各国がWHOに報告したコロナ19の死亡者数とともに、各国が公式死亡者数に含まれていないが、コロナ19と直接関連した死亡者数が反映されます。 さらに、コロナ19による医療体系と社会変化の影響によって死亡した、他の疾病死亡者も該当します。 (中略)

人口10万人当たりの超過死亡者数が最も多い国はペルーに、437人と推算されました。 さらに、ブルガリア、ボリビア、北マケドニア、ロシアの順で多かったです。 主要国家の超過死亡者を見ると、米国が10万人当たり140人と推算されており、ドイツ116人、英国109人、フランス63人と分析されました。 韓国の10万人当たりの超過死亡者数は6人と推定されました。

コロナ19が発生する前より死亡者が減少したと推定されている国も把握されました。 オーストラリアやニュージーランドは10万人当たりの超過死亡者が-28人と推定され、日本は-8人、中国は-2人と分析されました。 共通的に厳しい防疫対策を施行した国々です。
(引用ここまで)


 誰も非難することのできない輝かしいK防疫を世界に轟かせ、「我々こそが標準だ」とムン・ジェインが演説し、先進国として屹立した立場を確定させた韓国。
 ですが、WHOの統計によると2020〜2021年の2年間で超過死亡は少なからずありました、というオチ。
 WHOの統計はこちら。

Global excess deaths associated with COVID-19, January 2020 - December 2021(WHO・英語)

 韓国の2年間での超過死亡は6288人。
 同じ期間での新型コロナウイルスによる死亡は5563人。つまり700人少しが医療崩壊等の理由で亡くなったということになるわけです。
 ちなみに2020年の数字はプラスマイナスゼロで、2021年の数字が10万人あたり12人。ならして10万人あたりで6人となるとされています。
 ほとんどが2021年後半のデルタ変異体蔓延下で亡くなられた方々のようですね。

 さて、このWHOによるレポートの関連ニュースにあるコメントを見ると、どれも「キレギ(ゴミ記者≒マスゴミ)がこんなものをニュースにしやがって」だの「WHOなんて信じられるものじゃない」というものばかり。


 というのも、同時期の超過死亡数(人口10万人あたり)で中国はマイナス2人、日本はマイナス8人(2020年でマイナス24人、2021年はプラス8人)とされているため。
 特に2020年は防疫意識が行き渡って、むしろ超過死亡がマイナスになったというのは既報でしたね。
 まあ、そもそも日本の数字を取り上げている韓国メディアの記事も少なめなのですが。
 韓国の数字も欧米や東南アジアと比べれば相当に優秀なんですけどね?

 アメリカ、ドイツ、イギリスはそれぞれ140人、116人、109人。
 それらに比べたら二桁異なるのは充分に優秀。
 まあ、韓国でもっとも悲惨な状況になったのは明らかに2月以降なのでこの数字はまだ「K防疫」がオミクロン変異体に通用すると思い違いをしていた頃の話ではあります。

 しかし、こうして見ると「諸外国と比較して韓国の防疫は通用していた」だのという言いかたはできると思うけど。
 それを政府が誇らしげに、かつ高らかに「K防疫を否定するな」って言い出したり、国外への広報で1200億ウォンも浪費するのは違うよなって思いますね。
 オミクロンについてはほぼ放置でしたから。

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ムン・ジェイン「韓国独自のmRNAワクチンを開発し、ワクチンハブになる!」→K-mRNAワクチンの開発に失敗……

政府主導K-mRNAワクチンコンソーシアム、上半期発売の目標に失敗した理由(イーデイリー・朝鮮語)
政府がmRNAワクチン開発のために発足させた「K-mRNAコンソーシアム」の発売日程が結局変更されたことが確認された。K-mRNAコンソーシアムは2022年上半期の許可を目指したが、まだ臨床1相初期段階しか進入していない。業界は1年でのmRNAワクチンの商業化が当初から不可能な計画だったと指摘した。

7日のイデイリー確認の結果、K-mRNAコンソーシアムはコロナ19ワクチンの上半期の許可が不可能だという立場を明らかにした。先立ってK-mRNAコンソーシアム側は去る1月イデイリー取材当時、臨床進入すらできなかったにも関わらず「mRNAワクチンの上半期発売計画は変わらない」という立場に固執した。結局3ヶ月ぶりに当初計画が不可能だと認めた。

K-mRNAコンソーシアム関係者は「今、臨床1相が始まる状況で年内条件付許可申請は事実上難しいと見なければならないようだ」とし「ワクチンを救えなかった昨年とは状況が大きく変わった」と話した。続いて「臨床1相でmRNAワクチンプラットフォームを構築し、安全性を立証すれば臨床2相と3相では、該当臨床時点で最も主力であるコロナ変異(オミクロンなど)の塩基配列を交互に最適なブースターショットを開発することを検討中だ」と付け加えた。

コロナ19ファンデミック以来、世界的に最も関心が集中しているワクチンプラットフォームはmRNAだ。mRNAプラットフォームの確保が事実上、真のワクチン主権確立という評価が出るほどだ。新しいウイルスや変異に迅速に対応することができ、抗体生成率と累積感染率減少効能の面でも他のプラットフォームと比べて優れているからだ。 (中略)

業界は、複数の企業が集まったコンソーシアムがむしろ毒になったと批判した。(中略)「内部的に3社のコミュニケーションが全くできていない。ある会社は生産を担当するとし、開発に関心を置き、また他の会社は開発担当なのに工場づくりに集中するなどみんな自社のことだけに関心がある。責任を負う求心点がないので、船が山に行ってしまったのと同じだ」と話した。 (中略)

あるバイオ会社の代表は「モデルナとバイオエンテック(ファイザー)は数十年間、mRNAプラットフォーム研究を通じてがんワクチンを作っていた状態で、カセットのようにコロナ19抗原をすぐに入れ替えて作ることができた」としながら「私たちには何もない状態から1年間で商用化するという時から、すでに非現実的という見方だった」と説明した。「DS(原液)の大量生産施設の構築も現実的に不可能だ。モデナから技術移転を受けても最低1年かかりますが、自社能力で0から始めて構築するにはあまりにも時間がなかった」と述べた。
(引用ここまで)


 韓国政府はことあるごとに「技術力のある韓国製薬企業がmRNAワクチンを製造するだろう」「我々がワクチンハブになる」とか言い続けてきました。
 一切の根拠もなく、とにかく「ワクチンハブになる」と。

 何度か「韓国企業がmRNAワクチンを製造する」という話もなくはなかったのですが。
 ファイザーから委託製造を受ける→嘘でした
 モデルナから委託されて製造する→容器充填とパッケージングだけでした
 で、いまになるまで充填以外のmRNAワクチンの製造は、委託も含めてできずにいるのですが。

 かつて政府主導でSTファーム、韓美薬品、GC緑十字の3社合同で韓国独自のmRNAワクチンを開発しようという動きがあったのです。
 「1年間でK-mRNAワクチンを開発しよう」とかいう野心的な開発計画だったのですね。


 ムン・ジェイン大統領も「Kワールドワクチンハブ化ビジョン」とかいうものを提唱して、韓国国内で独自のmRNAワクチンを開発製造し、ワクチン生産5大強国とやらになると言い続けてきたのですよ。
 「K防疫で先進国に」という意気込みの一環ですね。


 文大統領は(中略)来年上半期までに国産第1号ワクチンの商用化が期待されていると伝えた。

 また、次世代ワクチンである遺伝物質メッセンジャーRNA(mRNA)技術を使ったワクチンの開発について、生産技術の国産化が進み今年中の臨床試験実施も視野に入ったとしながら、資金支援、原材料の国産化、特許分析支援など全方位的な支援システムを稼働させるとした。

 この日発足した「グローバルワクチンハブ化推進委員会」には、「この機会にmRNAワクチンを必ず開発して(感染拡大を)終わらせるという覚悟を持ってほしい」と呼び掛けた。
(引用ここまで)

 これが去年の8月。今年の上半期までに国産のワクチンを商用化までする、という意気込みだったのです。
 で、Kグローバルワクチンハブ化が失敗した、というオチだったのさ。

 まあ、技術力ゼロだったら容器充填もできないとは思いますが。
 なんであんなに自信満々でワクチンハブだのなんだの言えていたんだか。
 当時から「なに言ってんだ、こいつ」くらいには感じていましたが、本当になんの根拠もなかったんだなぁ。

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韓国当局「我々は集団免疫を獲得した」「もう大規模感染は起きない」と宣言→翌日「でも小規模感染は起きる」「共存しかない」と軌道修正

韓国政府「集団免疫力ほぼ達成」…専門家「根拠のない虚像」(朝鮮日報)
中央事故収拾本部の孫映レ(ソン・ヨンレ)社会戦略班長は12日、ラジオ番組で「韓国の18歳以上の新型コロナワクチン3回目接種人口は74%近いが、オミクロン株によって免疫を獲得した人数まで考えると、相当程度の集団免疫に達したとみてもいいのか」という質問に、「その通りだ。今回の(オミクロン株)流行がうまく安定化すれば、おそらく再び大きな流行になるなどの危険性はかなり低くなっているとみている」と答えた。その上で、「非常に強い変異株が発生する前は、もうこのようなレベルの大規模感染はないと判断しているのか」という質問にも、「そうだ」と答えた。

 集団免疫とは、大多数の国民がワクチン接種や自然感染などで特定のウイルスに対して免疫が形成され、これ以上大流行が起こらない状況をいう。これにより、結果としてワクチンを接種しなかったり、感染したりしたことのない人も、間接的に守られることになる。防疫当局では昨年前半も「ワクチン接種率70%を達成すれば集団免疫獲得を達成できるだろう」と言っていたが、後半に感染力や死亡率が強いデルタ株が出現したため、ワクチンに対する不信感ばかりを広めたと批判されている。ところが、オミクロン株流行が今やピークを過ぎて下降傾向に入るや、再び政府内から「集団免疫」という表現が飛び出したものだ。

専門家らは「新型コロナ変異株が変異を続けながら流行を主導しており、再感染が相次いで出ている状況で『集団免疫』に言及するのは根拠が不十分だ」と批判している。ステルスオミクロンの国内検出率は85.2%で、従来のオミクロン株にほぼ完全に置き換わっている状況だ。 (中略)

依然として一日20万人台の感染者が出るなど、韓国は世界1位の感染国であるだけでなく、今年3月以降の新型コロナによる死亡者だけ1万1000人以上に出ている状況で、こうした犠牲を「勝利」と呼ぶのは現実にそぐわないという指摘もある。高麗大学九老病院感染内科の金宇柱(キム・ウジュ)教授は「流行は減少傾向にあるが、累計死亡者数が2万人に近く、高齢者の死亡率が高い状況で、このような政治的宣言をするのは不適切だ」と語った。
(引用ここまで)


 韓国政府が「我々は集団免疫を獲得した」「もう大規模感染は起きない」と宣言したそうです。
 ラジオ番組っていうことはいつもの「キム・オジュンのニュース工場」かな。
 ちなみに今日発表の新規感染者数は19万5419人。

韓国の新規コロナ感染者 水曜で7週ぶり20万人以下=死者累計2万人超(聯合ニュース)

 水曜日発表の数字としては7週間ぶりに20万人を下回ったそうですよ。
 それもあって「収束した」みたいな扱いになっているのですが。
 ……韓国の人口規模で約20万人ってかなり「大規模感染」だと思いますけどね。
 日本でいえば50万人の感染に相当する数字ですから。


 というか、オミクロン変異体は免疫回避能力に長けているので「社会的免疫」がどこまで通用するのかって話になるのですが。
 日本もステルスオミクロンことBA.2の蔓延でまた7日平均曲線が5万人に届きそうですし、実行再生産数も1をわずかですが上回っています。
 オミクロン変異体の侵入が1ヶ月ほど遅かった韓国もどうなるかわかったもんじゃないですけどね。

 記事で専門家からふるぼっこになったソン・ヨンレ班長は翌日になって「集団免疫でコロナは終息しない」って言い出したそうですよ。

「集団免疫でコロナ終息」は困難 今後も小規模な流行=韓国政府(聯合ニュース)

 北朝鮮問題でなにも爪痕を残すことができないまま、5年の任期が終わるムン・ジェイン政権としては、なんらかの形での「K防疫」によるレガシーがどうしても欲しかったのでしょうね。
 ラジオ出演とかだとのぼせ上がってついつい言ってしまった、というところか。

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韓国メディア「CNNがK防疫を賞賛!」「日本はK防疫が崩壊したとしている」……そりゃ、視点の違いだよね

カテゴリ:伝染病 コメント:(83)
日本「文大統領の自慢、K防疫が崩壊」…米メディアの評価は180度違った(中央日報)
4日を基準として韓国の累積感染者が1400万人を突破しているなかで、海外の主要メディアが韓国の防疫、いわゆる「K-防疫」に対して同時に相反した評価を出した。

米メディアのCNNは2日の報道で「最近、韓国の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の一日感染者が急増しているが致命率は低い。これは世界最高水準のワクチン接種のため」と分析した。韓国は成人の96%が2回以上の接種を受けた。特に全人口の約63%が3回目の接種まで受けている。米国の接種率は29%にとどまる。

現在、韓国の累積致命率は0.12%で、最近死亡者が急激に増えた点を考慮しても米国(1.22%)や英国(0.79%)、日本(0.44%)よりも著しく低い。

あわせてCNNは韓国の感染者数が多いのは高い検査率のためだという分析も出した。CNNは国際赤十字連盟(IFRC)緊急保健対応調整官のAbhishek Rimal氏の言葉を引用して「韓国とベトナムは新型コロナ検査を非常に多く行っているので他国よりも感染事例が多く見つかっている」とした。
(引用ここまで)


 韓国メディアが「CNNにK防疫がほめられた!」と興奮気味に語っています。
 日本で「K防疫は敗北した」という記事と比べて悦に入ってますね。
 この中央日報のものだけでなく、複数のメディアが日本とアメリカの報じられかたの違いを記事にしています。
日「文の誇りK防疫崩れた」… 米言論評価は180度違った(中央日報・朝鮮語)
誰が正しいのか? アメリカメディア「賞賛リレー」・日本の朝日新聞「崩れたK防疫」(ニュース1・朝鮮語)
「K防崩壊した」vs「K防疫成功」… 日本とアメリカが見る「K防疫」(ソウル新聞・朝鮮語)

 ま、世界に冠たる感染国であるアメリカからの視点と、日本からの視点じゃ当然評価は異なるでしょ。
 ちなみにCNNの記事はこちら。

They were Covid-19 success stories -- then they saw massive outbreaks. These charts show what's really going on(CNN・英語)

 デルタ変異体までは抑えられていたアジア全体感染状況が変わってきた、という文脈の中で書かれている記事ですね。
 CNNの韓国人記者であるYoonjung Seo氏が協力した記事であると最後に書かれています。ふむふむ。


 日本から見たら人口あたりの死亡数で日本を追い抜いていった韓国は防疫に失敗したと判断されざるを得ないでしょう。
 アジアの9カ国と2地域の人口あたりの死者数はこんな感じ。

deathperpopulation_asia.png
(出典元・Our World in Data

 香港ほどじゃないですが、韓国も急激に増えていることが分かります。
 アジアの中では「失敗した側」にぐっと近づきつつある。
 そこにアメリカを加えるとこうなるので、アメリカからの視点なら「成功した」部類に入るのでしょうよ。アジアならどこでも。

deathsperpopulation_asia_withus.png
(引用元・Our World in Data

 個人的には冒頭の中央日報でこの部分が面白かったので引用しておきましょうか。

中道志向の日本メディア、朝日新聞は2日、「崩れた『K防疫』 世界最多の感染水準でも、規制緩和を続ける韓国」と題する記事で「(韓国は)1日あたりの新規感染者は3月17日に62万人で過去最多を記録し、その後も高止まりしている」にもかかわらず「防疫措置を緩める方針を崩していない」と報じた。
(引用ここまで・太字引用者)

 「中道志向の朝日新聞」……なるほど。

 どこからの視点で描かれているのか、といったことが重要であることがこんな一言からも理解できるのではないでしょうか。

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韓国メディア「政府はK防疫がすごいなどというな、それはただの『精神勝利』だ」

カテゴリ:伝染病 コメント:(51)
【コラム】「K防疫」という名の精神勝利(朝鮮日報)
 金富謙(キム・ブギョム)首相は30日「オミクロン株によるパンデミックはまさに戦争だ」とした上で「戦争中は国内の一致団結が何よりも重要だ」と呼び掛けた。ここまでは良かった。しかしその後に「防疫の成果そのものはおとしめてはならない。われわれ自らが国民の士気を下げることがないようにしたい」と付け加えた。外部からの批判に対する不満を遠回しに語ったようだ。

 しかし韓国政府がこんな不満を口にする資格があるか疑問だ。今年1月にオミクロン株への感染が最初に確認され、それから1カ月が過ぎた後に光州や全羅南道など四つの地域を中心にオミクロン株の防疫対策が発表された。その際には専門家の間から「1カ月前に対策を求めたときは何もせず、戦争が起こったので急きょ民防衛訓練をするのか」といった批判の声が相次いだ。「専門家の反対を押し切って導入したソーシャルディスタンス緩和はオミクロン株の感染拡大に火を付けた」というのが大方の見方だ。最近は「オミクロン株は季節性インフルエンザだ」などの発言が力を得ている。コロナ事態以降、最多の死亡者と感染者の記録が次々と更新されているが、それでも今の状況をいかに安易に考えているかはこんな言葉からも分かる。恥ずかしい限りだ。

 今や韓国国内のコロナによる死亡者数と感染者数は世界最悪のレベルに転落してしまった。国民の苦痛はもはや説明するまでもない。言葉だけでも政府が防疫の混乱と失敗を率直に謝罪すべきだ。ところが文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今月12日にコロナによる累計の死亡者数が1万人を超えた際「遺族の悲しみと困難な状況を共に分かち合うことを希望する」とSNS(会員制交流サイト)に書き込んだだけだ。
(引用ここまで)


 キム・ブギョム国務総理は1月末にも同様に「K防疫を失敗したというな、国民を愚弄するつもりか」というようなコメントをしたことがありましたね。
 去年の12月に大統領府のパク・スヒョン国民疎通首席も同じようなことをいっていました。
 で、今回もまったく同じような話をしたのですが。

「国民侮辱、許せない」… キム総理、「K防疫失敗」批判に決心宣言(聯合ニュース・朝鮮語)

 この「K防疫の否定は国民を蔑ろにすることだ」という論理はムン・ジェイン政権で貫かれているものなのでしょう。
 まあ、成功したのか失敗したのかって聞かれたら「欧米よりはまともだけども防疫に成功したとはとても言えない」くらいが答えですかね。
 すでに人口あたりの死者数は日本をも超えています。

coronavirus-data-explorer.png
(引用元・Our World in Data


 アジアの国だとタイとかインドに近づいているのが韓国の現状。

coronavirus-data-explorer_asia.png (引用元・Our World in Data


 ムン・ジェインが演説で高らかに「我々が世界となった」と言えるほどの実績かというと、そういうわけでもない……というのが実際かな。


 ちなみにキム総理はその翌日にもK防疫はすごいのだ、とする擁護発言も行ったそうですわ。

キム・ブギョム、「K防疫」擁護… 「防疫政策はすごい」(SBS・朝鮮語)

 そういえば人口あたりの死亡数で日本を追い抜いたことはまったく報道されていませんね。
 ワクチンの接種率で日本を超えた時は大騒ぎだったのですが。

 社会的には「感染したのだけども会社に出勤しなければならない」というようなレベルで追い詰められている模様。

「働き手が足りず止むを得ず出勤」 韓国コロナ感染40代会社員が立件(中央日報)

 先日も療養院(韓国での特養ホーム的な存在)で集団感染が起きて介護側が感染しても休めないなんてニュースがあって、まさに地獄の様相を呈していましたが。

 まあ、致死率は低いって言い続けてればいいんじゃないでしょうかね?
 感染の母数が多すぎて低くなっているだけなのが現状ですが。

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