16日わたり続いた全国民主労働組合総連盟(民労総)貨物連帯による集団運送拒否が組合員による投票の結果9日に終了し、民労総は大きな打撃を受けた。民労総は韓国政府が提示した「安全運賃制の3年延長」という妥協案を受け入れず運送拒否を強行したが、最後は何も得られず終わった形だ。簡単に手に入るはずだった「3年延長」も韓国政府が最初から再検討を行う方針を示しているため予断を許さない状況だ。
「法と原則」を強調する韓国政府の強硬な姿勢に加え、世論の悪化にも直面した貨物連帯執行部はスト撤回を組合員投票で決めることにしたが、これにも雑音が聞こえてくる。民労総内部の論理では重要な決定を下す際には最初に内部の承認手続きを経るはずだが、今回は「スト撤回を決めるので組合員が承認してほしい」ではなく、「スト撤回かどうか組合員が投票で決めてほしい」となったからだ。貨物連帯組合員の間からは「責任を下に押しつけた」などの批判も相次いでいる。9日に行われたスト撤回投票の投票率は13.67%と伸び悩んだ。そのため「組合員たちは貨物連帯の現執行部を事実上ボイコットした」とまで言われている。
労働団体などからは「1995年11月に民労総が発足して以来、今回のように政府に完敗するのは前例を見いだしがたい」などの声も出ている。民労総が政府の原則対応に押され、自らストを撤回するケースはこれまでほぼなかったからだ。
(引用ここまで)
韓国での物流ストが終了。
今回は珍しく「なんの成果も!! 得られれませんでした!!」で尻すぼみ的に終わりました。
20年以上に渡って韓国のストライキ風景を見てきましたが、これくらいしょんぼりと終わったストって記憶にないですね。
朝鮮日報の記事でも投票率は13.7%。
内訳は61.8%がスト終了、37.6%がスト継続だったとのこと。
もうほとんどスト自体へのやる気が削がれていたのが実情なのでしょう。
ユン政権によって職場復帰命令が出されたことでストから離脱する運転手が三々五々と出てきて、最終的にはあの民主労総が尻をまくったっていう。
今回のストライキがこうして寂しい終焉を迎えた最大の要因は韓国経済が疲弊している中、それを加速させるような物流を滞らせたことで、国民からの軽蔑のまなざしにスト参加者が耐えかねたことが挙げられると思います。
「世界最悪の労組」として恐れられている民主労総としては大変な失点です。
これ、もしかしたら新しい社会的潮流になるかもしれませんね。
日本でもかつての国鉄ストが国民から乖離していたことで一気に労働組合が脆弱化していったように。
今回、ユン政権は「法と原則」を主張して、国に被害を与えようとするストに断固として対抗しました。
これが続くようであれば、民主労総の立つ瀬はなくなってしまうのですよ。
……まあ、政権が変われば一夜にして立場は再逆転することになるので、民主労総としては共に民主党との距離をさらに縮めていくことになるのでしょうが。
もし次の大統領選でも保守政権が続くのであれば、民主労総の力をかなり削ぐことになるのかもしれません。
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