医師の集団行動について反対が85.6%に上り、賛成(12%)より圧倒的に多かった。
増員に関連して公共福利の重要性を強調したソウル高裁の判決については「良い判決」という回答が70.4%。こうした判決が出たにも関わらず、医学部増員の全面的再検討を求めている医師団体の立場については「反対」が65.3%で「賛成」29.1%を大きく上回った。
医学部増員と並ぶ医療改革のもう一つの柱である地域医師制の導入には85.3%が賛成。公共医大の設立に対しても81.7%が賛成だった。
(引用ここまで)
先日、ソウル大学病院が17日から全面無期限休診を発表したことに対し、多くの場合で労働争議を擁護する左派紙ハンギョレまで「医師はこれを正しいことであるのかどうか、考え直せ」とする社説を出していることを紹介しました。
つまり、一般的な韓国人は完全に医療ストライキに対してそっぽを向いているのですね。
今回の世論調査で、それを裏付ける数字が出てきました。
集団行動(ストライキ)に対して「反対」が85.6%。
医学部増員の白紙撤回を求める行動については「反対」が65.3%、「賛成」29.1%。
地域医師制の導入では85.3%が「賛成」
公共医大の設立には81.7%が「賛成」
要するに今回の医療ストライキは、一般国民からほぼ支持されていないわけですね。
なお、それに対する医師側の返答はこちら。
大韓医師協会「18日集団休診」ゼネスト宣言… 町の病院も閉鎖へ(東亞日報・朝鮮語)
大韓医師協会(医協)が18日、全国の開業医まで参加する集団休診(ゼネスト)を行うことを決議した。 全体の医師集団の休診は2000年、2014年、2020年に続き4回目だ。 (中略)
今回の投票に参加した医協会員7万800人中90.6%(6万4139人)が「医協の強硬闘争を支持する」と答えた。 「6月中に休診を含む団体行動に参加する」という応答は73.5%(5万2015人)に達した。 チェ・アンナ医協報道官は「70%を超える(休診)参加意志は類例を見ないほどだ。 会員の意志が堅固だという意味だ」と強調した。 医協は団体行動の中断条件として増員手続きの中断とともに政府責任者の問責を掲げた。
(引用ここまで)
医師協会として、18日に全面休診を行うことを決定。
70%を超える医師が参加する、とのこと。
いやぁ、乖離しているなぁ。
こちらの記事にあるように医師協会は2000年、2014年、2020年とストライキをやってきたのですね。
で、常に完全勝利を遂げてきました。
金大中政権、パク・クネ政権、ムン・ジェイン政権、すべてが医師協会に膝をつき、医療改革を阻んできたのですね。
ところがユン・ソンニョル政権は完全に無視して医学部増員を決めてしまった。大学側も1500人規模の増員を決定済。
もうここから勝利に転じる目はないように思うのですが、退くに退けない状況になりつつあるのかな。
ちょっと前にも話しましたが、韓国の大学はまず成績順にソウル大学医学部から埋まり、以降それ以外の大学の医学部定員が埋まっていきます。
さらに歯学部、薬学部、韓医部が埋まり、そこからそれ以外の学部が決まっていくのです。
そうした「スーパーエリート」である彼らは世間からも隔絶されているのでしょうね。
なんなら「こんな一般人に世論調査をするほうが間違っている」くらいに思っている可能性が。
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