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カテゴリ:労働争議の記事一覧

韓国政府「医学部定員を65%増しにする」→医師ら「患者を見捨ててでも阻止する!」→韓国国民「いや、それはやりすぎなんじゃ……」

カテゴリ:労働争議 コメント:(65)
街に出てきた医者たち…「政府を脅しても国民のための闘争は防げない」(イーデイリー・朝鮮語)
診療拒否に乗り出した専攻医をはじめとする医師たちが、政府の医学部増員と必須医療パッケージに反対して集会を開いた。 医療界のストが本格化して以来、2度目だ。

ソウル市医師会所属の医師300人余りは22日、ソウル龍山区(ヨンサング)の大統領室前で、政府の医学部入学定員拡大に反対する集会を行った。 彼らは「準備ができていない医学部定員の医学教育が毀損される」、「非科学的需要調査を直ちに廃棄せよ」と書かれたプラカードを振りながら政府に医学部増員撤回を要求した。 (中略)

一方、大韓医師協会の非常対策委員会は、来月10日に予定されていた全国医師総決起大会を1週間繰り上げて3日に行うことにした。
(引用ここまで)


 いま、韓国でもっとも賑わっているのがこの医師ストライキ。
 先日もちらっと書きましたが、その時点では専攻医ら6000人が辞表を出している、とされていましたが。
 今日の時点で9000人以上にまで膨れ上がったそうです。

辞表出した専攻医、1万人に肉迫。うち8000人がすでに病院を去った(電子新聞・朝鮮語)

 さらには医大生、医学部生の休学も3000人以上。
 病院への受け入れや手術もだいぶ滞っているそうです。

 彼らの主張は「医学部定員の2000人増加に反対!」とするもの。
 一部の医者は街頭デモを行っています。

スクリーンショット 2024-02-22 23.14.30.png

 掲げているプラカードは「準備のできていない医大増員は医学教育を損なう」かな。


 なんだかんだ言ってますが、要するに自分たちの医師としての立場を希釈するような政策に反対といって患者を投げ出しているわけですよ。
 多くのコメントは「患者を見捨てて自分たちのお金のためにデモをするようなヤツらからは医師免許を取り上げろ!」とするもの。
 実際、世論調査を見ても増員案については7〜8割が賛成しています。

大学医学部の入学定員増 有権者の7割超「肯定的」=韓国(聯合ニュース)

 来年から医学部、医大への入学者をこれまでの3000人ちょっとから5000人ほどにするとのことなので、かなりの増員であるのは間違いない。
 ただ、これまで医学部を諦めていた学生にはかなりの福音となるのではないでしょうか。

 ユン政権は一歩も退かず、辞職届を出している専攻医に対して出国禁止処分まで出しています。

「日本に行こうとしたら出国禁止」「違憲では?」 韓国研修医の書き込みが話題に(朝鮮日報)

 ま、これは兵役を済ませていない現役医には当然のように課される義務ではあるのですが。
 「辞職届を出しただけ」で受理されていない医師はまだ「現役医」であると判断されているわけですから。
 韓国は国民番号でプライベートをかなりのところまで監理できているので、こういったことも簡単にできるのですね。

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韓国野党「不法ストを合法化する『黄色い封筒法』案」を強行採決へ……可決されると韓国から工場撤退の嵐が起こる可能性も?

カテゴリ:労働争議 コメント:(52)
「黄色い封筒法」になぜ立ち向かうのか···「損害賠償爆弾防止」vs「不法スト助長」(聯合ニュース・朝鮮語)
国会本会議に上程される「黄色い封筒法」(労働組合および労働関係法改正案)は労使関係で使用者と争議行為の範囲を広げ、労働組合に対する損害賠償請求を制限することが核心内容だ。

労働界と野党は労組に対する無分別な損害賠償を防ぎ労働権を保障するための法だと主張するが、経営界と政府·与党は不法ストライキを助長し産業現場に混乱が引き起こされるとし反対する。

事実上、妥協の余地がないほど双方の立場が克明に交錯する状況であり、本会議を通過したとしても大統領が拒否権を行使することができる。この過程で労政、労使葛藤も激しくなるものと見られる。

野党が発議した黄色い封筒法は具体的に労組法第2条と第3条改正案だ。

2014年、裁判所が双龍車ストライキ労働者に対して47億ウォンの損害賠償判決を下すと、市民が寄付金を集めて黄色い封筒に入れて伝達したことから「黄色い封筒法」という名前が由来した。 (中略)

黄色い封筒法を巡る労使政と与野党の葛藤は克明に交錯する。

労働界は黄色い封筒法を「損害爆弾防止法」と呼び、過度で無分別な損害賠償訴訟で労組活動が萎縮することを防ぎ、下請け労働者の労働3権を保障するためのものだと主張する。

韓国労総と民主労総は黄色い封筒法が「利潤は独占し社会的責任を放棄する『本物の社長』の貪欲を制御するための最小限の制度的装置であり、無権利状態に放置された非正規職労働者の権利を保障するための至急な民生懸案」とし、早急な処理を促す。
(引用ここまで)


 今年の2月、および8月に話題になった黄色い封筒法が通常国会で再度審議されています。
 この黄色い封筒法、けっこうとんでもないものでして。
 いくつか注目されている項目があるのでピックアップしていきましょうか。

労組への損害賠償請求禁止
 これまでは「ストによって企業が被った損害賠償を労働組合に請求できる」ものが、原則禁止。
 双竜自動車の労組がストライキした際に47億ウォンの損害賠償が双竜自動車に認められたのですが、その賠償金を市民らが黄色い封筒に入れて渡すことで肩代わりしようとしたことがこの「黄色い封筒法」の由来になっています。

下請業者が元請けとの団体交渉を可能とする
 下請業者等の間接雇用者も下請企業ではなく、元請け企業に直接交渉ができるようになります。
 場合によっては100社を超える企業と団体交渉をする必要があるのではないかともされています。


 要するに韓国を(労働組合に所属している)労働者の天国にしようとする法案です。
 ユン政権は「不法ストには厳しく対応する」として、去年11月に起きた物流ストに対して厳しく取り締まりました。
 韓国では珍しいことにスト側の完全敗北となったのですね。

韓国の物流スト、前例のない「完敗」で終了……不況の中で国民の軽蔑のまなざしに耐えられなかった模様(楽韓Web過去エントリ)

 「不法ストには厳しく対応する」、とされたことで国民からは喝采を浴び、低迷していた支持率もちょっと上がりました。

 というわけで労働組合と近しい共に民主党はごり押しで「じゃあ、不法だったものを合法にしてやんよ」として提出されたのが「黄色い封筒法」なのです。
 これが通ればストし放題、団体交渉やりたい放題。
 ……これやったら収支が微妙な工場は韓国国外に脱出するでしょうね。
 大手の工場であれば安泰でしょうが。

 韓国最古の繊維企業とされる京紡や全紡はムン・ジェイン政権下で最低賃金が上昇した際に工場すべてをベトナムに移転させました。

韓国企業「最低賃金1万ウォン? もう韓国国内に工場維持は無理!」 → ベトナムに最新設備ごと大脱出!(楽韓Web過去エントリ)

 それと同じことが起きるでしょうね。
 ただまあ、成立しても大統領拒否権を行使して差し戻しになるとは思われますが。

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韓国企業「労組協定の『雇用が世襲できる』条項を取り消します」→労組「雇用世襲よりも経営世襲をどうにかしろ! 給料増やせ、週休3日にしろ! ストライキするぞ!」

カテゴリ:労働争議 コメント:(54)
「雇用世襲」vs「経営世襲」···起亜労使「葛藤の高まり」(ニューシス・朝鮮語)
国内完成車メーカーの中で唯一、今年の賃金および団体協約交渉を終えられなかった起亜労使の葛藤が高まっている。労組ストライキにともなう生産支障の憂慮も大きくなった。

5日、業界によると、起亜労使は同日午後2時、京畿道光明市のオートランド工場で第13回本交渉を行う。7月、今年の賃金団体交渉を始めて3ヶ月が過ぎてもまだ妥結されていない。 (中略)

起亜労使交渉の争点は団体協約27条1項の削除可否だ。該当条項は「在職中に病気で死亡した組合員の直系家族1人、定年退職者および25年以上長期勤続者の子供を優先採用する」という内容でいわゆる「雇用世襲」条項と呼ばれる。

先立って雇用労働部は2月、該当条項が均等な就職機会を保障した憲法と雇用政策基本法に違反すると判断し、該当条項を廃止しろと是正命令を下したが労組が拒否している。労組は特に「労働者雇用世襲を語る前にチョン・モング会長からチョン・ウィソン会長に降りてくる財閥経営世襲に対して先に答えろ」として対抗している。

労組は成果基盤賃金制度の改編を要求する会社側の提案も拒否している。また、会社側は労組の定年延長と週4日勤務制導入、営業利益の30%成果給などを受け入れることはできないという立場だ。

起亜労組は今年の賃金および別途要求案を通じて▲基本給18万4900ウォン引き上げ▲営業利益の30%成果給支給▲定年延長▲週4日制導入▲解雇者復職などを要求している。反面、会社側は▲基本給11万1000ウォン引き上げ▲成果金400%+1050万ウォン▲在来市場商品券25万ウォンなどを提示した状態だ。
(引用ここまで)


 韓国のさまざまな企業で行われている「雇用世襲」。
 2016年の時点では30大企業のうち、現代・起亜自、大宇造船海洋、現代オイルバンク、LGユープラス、現代製鉄、韓国GM、大韓航空などに雇用世襲条項があることが知られていました。

韓国労働組合「優良企業に就職したのだから、子供にもその地位を相続させろ!」 → 結果……(楽韓Web過去エントリ)

 労働者側からしてみたら当然の要求。
 ヒュンダイ、キア自動車の工場なんて適当にスマホ見ながら和気藹々とおしゃべりしながら、ラインにシャシーが流れてきたら部品をつけて終わりっていう気軽な労働で、年俸1億ウォンですからね。
 売れている車種にラインを変更したいって申し出たら、労組が「そんな労働負担の大きなことをさせるならストライキだ」とか言い出す。
 こんなおいしい仕事、引退したら身内に引き継ぎさせたいって思うのは当然でしょう。


 ムン政権はこれらを見て見ぬ振りしてやり過ごしてきたのですが、ユン政権になってから「雇用世襲条項は違法だ」として是正命令を出しています。

韓国で続いてきた悪弊「雇用の世襲制度」がついに終焉を迎えるか……ユン政権が是正命令へ(楽韓Web過去エントリ)

 とはいえ、労組から見たらこんなおいしい条項を外すなんてとんでもない。
 といったわけでストライキに突入しかけていると。

 で、その主張として「雇用世襲を語る前に経営世襲はどうなっているのだ」と。
 あと週休3日にしろ、それでいて給料は据え置き。むしろ増やせと。

 ……ま、そんなこんなやっていることから、韓国国内には企業直営の工場は30年ほどひとつも増えていないのです。
 海外工場のほうがよほど生産効率がいいですからね。
 ちなみに韓国国内の労組はそれら海外工場への労働争議輸出を目論んでいたこともありました。  

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韓国労組「政権が我々を弾圧するから手抜き工事が増えたのだ、ユン政権は労組弾圧をやめろ!」……どんな状況でも手抜き工事すんなって話なのでは……

「GS·ウミ建設、鉄筋を抜いて…今年から施工するマンション買わないで」(オーマイニュース・朝鮮語)
「先日GS建設が施工していた仁川黔丹アパートで地下駐車場が崩れました。なんで崩れたんですか? 不法多段階の中で自分の利益を得るために鉄筋を抜いて手抜き工事をして崩れたじゃないですか。議政府にもウミ建設で行われている工事現場がありますが、床に鉄筋を全部抜いて手抜き工事をするんです。そこにいた私たちの建設労組組合員が問題提起し再施工を要求したら、一夜にして80人を携帯メールで解雇させてしまいました。今年施工されたアパートからは多分ずっとそうだと思います。建設労組弾圧すれば安全が危険になり、結局市民にも被害が出ます」

1日、ソウル汝矣島の国会で開かれた討論会場で、ある建設労働者が話した。彼は「労組に公安弾圧を行っているユン政権が入ってきて、建設現場にはこういう不安な施工が多くなされている」とし、「施工が終われば労組弾圧の先頭に立ったウォン・ヒリョン(国土交通部)長官のような方から入って一度暮らしてみてほしい」と話した。

政府の建設労組弾圧で建設現場で監視者の役割をしていた労働者が消えれば、直ちに市民の安全が脅かされるという指摘だ。「雇用交渉など建設労組団体協約の正当性と政府建設労組弾圧の問題点」という題名で開かれたこの日の討論会に参加したナレ韓国労働安全保健研究所常任活動家は「2021年光州鶴洞HDC現代産業開発惨事が代表的事例」とし、「当時撤去中の建物が崩壊して通っていた市内バスを襲い乗客17人中9人が死亡し8人が負傷したのではないか」と想起した。 (中略)

政府の建設労組弾圧で建設現場で監視者の役割をしていた労働者が消えれば、直ちに市民の安全が脅かされるという指摘だ。
(引用ここまで)


 地下駐車場が崩壊した事件があった。原因は手抜き工事だった←わかる
 多段階で利益を得るためだ←まあ、わかる
 労組がいないからだ←は?
 ユン・ソンニョル政権は労組弾圧をやめろ←なんで?

 ユン政権はこれまでの韓国におけるどの政権よりも「法の支配」を重要視しています。
 「世界最悪の労組」ともされる民主労総が企んでいた物流ストに対して「法と原則」で対応して、一般国民から喝采を浴びたなんてこともありました。
 このようにユン政権下において労組はかなり追い詰められているというのも実際なのです。


 最近、抗議の自○を図ったなんて事件もあったほどです。

焼身自○図った建設労組幹部が重体…「長期の圧迫捜査で苦しんでいた」=韓国(ハンギョレ)

 この行動についてもだいぶいろいろ怪しい部分があるのですが……。
 ま、それはともかく。

 今回の「労組弾圧があったから監視の目がなくなって手抜き工事が起きるのだ」っていうのもなんだかな、という感じ。
 例として挙げられている2021年のビル崩壊事故なんて、ばりばりの労組擁護をしていたムン・ジェイン政権下の事故だし。
 というか労組がいようといまいと手抜き工事すんなって話なんですが。

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韓国の物流スト、前例のない「完敗」で終了……不況の中で国民の軽蔑のまなざしに耐えられなかった模様

カテゴリ:労働争議 コメント:(60)
韓国の物流スト、異例の自主的終了…前例なき「政府への完敗」(朝鮮日報)
16日わたり続いた全国民主労働組合総連盟(民労総)貨物連帯による集団運送拒否が組合員による投票の結果9日に終了し、民労総は大きな打撃を受けた。民労総は韓国政府が提示した「安全運賃制の3年延長」という妥協案を受け入れず運送拒否を強行したが、最後は何も得られず終わった形だ。簡単に手に入るはずだった「3年延長」も韓国政府が最初から再検討を行う方針を示しているため予断を許さない状況だ。

 「法と原則」を強調する韓国政府の強硬な姿勢に加え、世論の悪化にも直面した貨物連帯執行部はスト撤回を組合員投票で決めることにしたが、これにも雑音が聞こえてくる。民労総内部の論理では重要な決定を下す際には最初に内部の承認手続きを経るはずだが、今回は「スト撤回を決めるので組合員が承認してほしい」ではなく、「スト撤回かどうか組合員が投票で決めてほしい」となったからだ。貨物連帯組合員の間からは「責任を下に押しつけた」などの批判も相次いでいる。9日に行われたスト撤回投票の投票率は13.67%と伸び悩んだ。そのため「組合員たちは貨物連帯の現執行部を事実上ボイコットした」とまで言われている。

 労働団体などからは「1995年11月に民労総が発足して以来、今回のように政府に完敗するのは前例を見いだしがたい」などの声も出ている。民労総が政府の原則対応に押され、自らストを撤回するケースはこれまでほぼなかったからだ。
(引用ここまで)


 韓国での物流ストが終了。
 今回は珍しく「なんの成果も!! 得られれませんでした!!」で尻すぼみ的に終わりました。
 20年以上に渡って韓国のストライキ風景を見てきましたが、これくらいしょんぼりと終わったストって記憶にないですね。

 朝鮮日報の記事でも投票率は13.7%。
 内訳は61.8%がスト終了、37.6%がスト継続だったとのこと。
 もうほとんどスト自体へのやる気が削がれていたのが実情なのでしょう。
 ユン政権によって職場復帰命令が出されたことでストから離脱する運転手が三々五々と出てきて、最終的にはあの民主労総が尻をまくったっていう。


 今回のストライキがこうして寂しい終焉を迎えた最大の要因は韓国経済が疲弊している中、それを加速させるような物流を滞らせたことで、国民からの軽蔑のまなざしにスト参加者が耐えかねたことが挙げられると思います。

 「世界最悪の労組」として恐れられている民主労総としては大変な失点です。
 これ、もしかしたら新しい社会的潮流になるかもしれませんね。
 日本でもかつての国鉄ストが国民から乖離していたことで一気に労働組合が脆弱化していったように。

 今回、ユン政権は「法と原則」を主張して、国に被害を与えようとするストに断固として対抗しました。
 これが続くようであれば、民主労総の立つ瀬はなくなってしまうのですよ。
 ……まあ、政権が変われば一夜にして立場は再逆転することになるので、民主労総としては共に民主党との距離をさらに縮めていくことになるのでしょうが。
 もし次の大統領選でも保守政権が続くのであれば、民主労総の力をかなり削ぐことになるのかもしれません。

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韓国で続く物流スト、ついにガソリンスタンドの在庫が尽きはじめる……経済にも影響が大きいと韓国政府は対抗措置を命令するものの……

カテゴリ:労働争議 コメント:(92)
韓国首都圏のガソリンスタンドで品切れ相次ぐ…「第2の尿素水事態」に広がるか懸念(中央日報)
貨物連帯によるストの余波でガソリンスタンドの在庫が底をついている。首都圏では「ガソリン品切れ」を掲げたガソリンスタンドが相次いで登場している。石油業界では「第2の尿素水事態」に広がらないか神経を尖らせている。

韓国政府と関連業界によると、29日で貨物連帯のストから6日目となり石油精製所の在庫不足が可視化している。石油精製業界関係者は「首都圏だけでガソリンが品切れになったガソリンスタンドが20カ所以上」と伝えた。これを受け各企業は在庫が不足するガソリンスタンドに優先的に製品を供給している。この日在庫切れとなったガソリンスタンドは首都圏に集中した。 (中略)

今回のガソリン不足は、石油精製工場からガソリンスタンドにガソリンを運ぶタンクローリーのドライバーがストに大挙参加しており当初から懸念されていた。貨物連帯は石油精製4社の運送事業者を対象に集中的に組合員を募集した。6月に石油精製4社のタンクローリーの貨物連帯組合員は全体の10%にとどまったが最近では70%水準に増えた。貨物連帯は安全運賃制適用対象をコンテナとセメントから危険物と鉄鋼など5品目に拡大することを政府に要求している。危険物に分類されるタンクローリーは安全運賃制適用対象ではなかった。石油精製に加えてセメントの出荷が中断し、首都圏のレミコン工場もほとんどがストップした。セメント工場の出荷が止まりレミコン工場も連鎖的に稼動が中断している。ソウルと首都圏の建設現場ではコンクリート打設が中断された。
(引用ここまで)


 韓国の物流ストライキで経済の動脈がぶった切られてから今日で5日目。
 首都圏でガソリンスタンドのタンクが空になるところが出てきたそうです。

 それ以外にもセメントの流通がなくなって建築現場が作業停止。
 現代自動車やキア自動車でもトレーラーが調達できずに「港まで完成自動車を運転してくれる人募集してます」って求人広告を出して一般人に日給支払う形でドライバーをやらせているとのこと。

 どこも過大な在庫を積まず、物流の太さに依存する方式になっているのでこれはきつい。  まあ、そういう状況であるからこそ民主労総も物流ストが狙い目だと思ってやっているんでしょうけども。


 で、韓国政府はそれに対して業務開始命令を発動しました。
 ストライキ等が国家経済に対して深刻な危機を招いた際に発動できるとする法律。
 ノ・ムヒョン政権時代に作られた法律ですが20年近く発動されることはありませんでした。今回が初の発動となるはず。

韓国政府、貨物連帯ストに「業務開始命令」…連帯側「戒厳令宣布」だとして拒否を表明(ハンギョレ)

 ただし、民主労総傘下の貨物連帯は拒否。
 命令に反する場合、3年以下の懲役ともなりますが。さて。

 なお、韓国国内の産業生産はここ30ヶ月で最大の減少幅を記録したそうです。

韓国10月の国内産業生産、30か月で最も大幅に減少(韓国経済新聞)

 新型コロナが流行しはじめた2020年初頭以来の減少幅、ということでどれだけひどいかが理解できるのではないでしょうか。
 ちなみに続く11月は梨泰院の事故があって国内消費が萎縮していたりします。
 で、さらにこのストライキで踏んだり蹴ったり。

 加えて交通公社(ソウルメトロ)の労組もストライキを開始していて運行状況が低くなっている模様。
 帰宅ラッシュに駅構内に人があふれてどうにもならなくなっていたりします。
 混沌が広がるなぁ……。

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韓国の大規模ストで流通がほぼストップ……セメント業界からは「もう生産ができなくなる」との悲鳴も……

カテゴリ:労働争議 コメント:(76)
水素バスがストップ、セメント業界は464億ウォンの損失…韓国貨物連帯ストの被害「雪だるま式」(中央日報)
民主労総貨物連帯のストにより全国の産業現場ではストの余波による影響が雪だるま式に増えている。

国土交通部の集計によると、前日午後5時からこの日午前10時まで全国12港湾のコンテナ搬出入量は6208TEUで、通常の3万6824TEUの17%水準まで大きく落ち込んだ。石油化学業界では工場稼動中断の懸念が出ており、一部地域では水素ステーションの運営に支障が出て水素バスの運行が一部中断された。

LG化学とGSカルテックスなど石油化学企業が密集する全羅南道(チョンラナムド)の麗水(ヨス)国家産業団地ではストの余波により石油化学製品が4日にわたり搬出できなかった。現場関係者は「いくら長く持ちこたえるとしても2週間を超えれば設備稼動中断の検討をするほかない」と話した。核心施設であるナフサ分解施設(NCC)の稼動が中断する瞬間に天文学的な損害が発生する。設備を順番に止めるだけで数日かかり、再稼動するにしても1週間ほどかかるためだ。業界ではこの場合1日3000億ウォン以上の損失が発生すると推定する。

忠清南道唐津(チュンチョンナムド・タンジン)の現代製鉄でもスト後1日平均5万トン規模の鉄鋼材が内部に積み上がっている。ポスコ光陽(クァンヤン)製鉄所では野積場用地と工場内の製品保管倉庫を最大限活用して持ちこたえている。 (中略)

特にセメント業界で影響が雪だるま式に増えている。韓国セメント協会によると、前日セメント10万3000トンの出荷が計画されたが今回のストにより実際の出荷量は計画の9%水準である9000トンにとどまった。被害金額はこの日の94億ウォンを含め累積464億ウォンに達する。セメント協会関係者は「セメント運送の支障でレミコンの品切れが発生し、今週から工事が中断する現場が続出するだろう。こうなれば建設日雇い労働者の仕事もなくなる」と話した。
(引用ここまで)


 「世界最悪の労組」として悪名を轟かせている民主労総が主導している貨物連帯のストライキが今日で5日目。
 各所に影響を及ぼしはじめています。
 流通は経済の動脈なので当然といえば当然。

 水素バスが停止し、ナフサ分解施設は停止寸前の状況に置かれている。
 そしてセメントが搬出されないために工事が止まりかけている、と。

 まあ、韓国ではよくあること。
 ただ、他ではあまり見ないのはストに参加しない人々に暴力を振る等の行為に出ることですかね。


 フリーのトラック運転手が暴行されるなんてことは普通にあります。
 他にもそうしたトラックが高速の休憩所に入ったときに細工するなんてこともやってますね。
 今回もスリングショットで鉄球を打ちこむなどしているとのこと。

韓国貨物連帯のスト不参加の貨物車に鉄球撃ち込まれる(中央日報)

 韓国では普通のこと。
 いわゆる「ウリとナム」=「仲間と他人」の間柄で見たときにストライキに参加しない運転手は徹底してナム、他人です。
 ナムに対しては何をしてもいいというのが韓国の流儀。
 というわけでこうした事件が続発するわけです。

 韓国政府はセメント業界などに対して業務開始命令を出し、対応しないのであれば法的措置を執るとしています。

政府「不寛容原則で強力に対応…深刻な危機に際し業務開始命令」(聯合ニュース・朝鮮語)

 かつてのムン・ジェイン政権では労組が最大の支持団体であったために、どのような狼藉を働いても無罪放免でしたがユン政権ではどのように取り組むつもりなのか。
 そうした部分が問われている、という感じかな。

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韓国でチキン配達がワールドカップで盛り上がる……配達人がストライキを仕掛けるものの?

「ワールドカップ韓国初戦の日、チキン必須なのに「歴代級『配達大乱』の予告?」 いったいなにが?(ヘラルド経済・朝鮮語)
来る24日に開かれるワールドカップ「韓国対ウルグアイ戦」当日、配達ライダー労組がクーパンイーツへのストライキを予告した中で、自営業者たちの懸念が高まっている。 配達注文が2倍ぐらい急増するものと予想され「チキン大乱」が行われるのではないかという声だ。 反面、一部では低いストへの参加度で「コップの中の戦争」に止まったという意見もある。

20日、業界によると、ライダーユニオンと民主労総のサービス連盟、配達プラットフォームの労組で行われた「クーパンイーツ共同交渉団」は来る24日から集中ストに突入する計画だ。 この日はワールドカップ韓国代表のウルグアイ戦試合当日だ。 交渉団は配達マンだけでなく、自営業者と消費者にも「クーパンイーツログアウト」を訴えるという方針だ。

共同交渉団はこの14日、争議行為賛否投票の結果ライダーユニオン95.22%、配達プラットフォーム労組95.4%の圧倒的賛成で可決されたと発表した。 交渉団は「自営業者から配達料名目で6000ウォンをかけながらライダーに2500ウォンだけを支給することを納得できない」、「基本配達料2500ウォンに労働者たちがクーパンイーツを離れることが繰り広げられ、ピーク時間にだけライダーたちが追い込まれたが、漏洩することが発生する」と主張した。 (中略)

通常ワールドカップなどスポーツイベントが繰り広げられる日には配信アプリの注文量が2倍ほど増加する。2018年の平昌オリンピックではオンライン食品配達額は前年比70%暴増した。2019年国際サッカー連盟U-20ワールドカップ決勝戦の時は、配民の注文件数が150万件と集計された。 (中略)

しかし、多くの配達員は「チキン大乱」はないと口をそろえている。 最近、配達マンの収益が激減することによって「対象」にスト参加するライダーが多くないだろうという声だ。
(引用ここまで)


 ワールドカップが今日開幕、というわけで韓国では食料のデリバリーが盛況になるのではないかと期待されています。
 チキン屋はメインが店舗営業ではなくて、こうした配達営業なので誰もが家に引きこもる時期は商機なのですね。

 逆にいえば配達人側にとっても稼ぎ時。
 というわけで配達人側が韓国名物のストライキをしかけてきた、と。
 「待遇改善を要求する」と。


 ただまあ、そうしたチキンの配達なんてチキン屋以上に誰でもできることですから。
 「クーパンイーツで働きたい」ってあるでしょうしね。
 ワールドカップに興味がある人ばかりというわけでもないでしょうし。

 誰でもできることについてはストライキとか有効な手段じゃないんだよな……。
 チキン屋も配達人も一緒だわ。

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