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カテゴリ:少子高齢化の記事一覧

韓国、24年の出生数は9年ぶりに増加。社会問題の出生数減少に底打ちか……識者からは「一時的なものに過ぎない」との声も

カテゴリ:少子高齢化 コメント:(56)
20-30代の認識に変化? 韓国で9年ぶり出生数増加(朝鮮日報)
 韓国で昨年の出生数が9年ぶりに増加したことが分かった。このため、「毎年減る一方だった出生数が底を打った」という見方が出ている。

 行政安全部(省に相当)が3日に発表した「2024年住民登録人口統計分析結果」によると、韓国で昨年生まれた子どもは24万2334人で、2023年(23万5039人)に比べ7295人(3.1%)増加したとのことだ。韓国の出生数は2015年に44万4098人と最多を記録して以降、8年連続で減少していた。 (中略)

 だが、そうした中、「『一時的な上昇』なので、もう少し見守るべきだ」という声もある。漢陽大学高齢社会研究院のイ・サムシク院長は「深刻な少子化傾向が完全に解消されたと見なすのは難しい。新型コロナウイルス感染症の流行で結婚・出産を先送りしていたカップルが子どもを産むようになり、一時的に出生数が増加したとみるべきだ」と話す。
(引用ここまで)


 韓国で日本関連のニュースとして「出生数が70万人を割りこんだ」ことが取り上げられています。

日本出生児数史上初めて70万人下回るように…韓国は9年ぶりに反騰(中央日報・朝鮮語)

 10年前の2015年には100万人だった出生数が30%も少なくなった惨劇だ、との話。
 けっこうな紙幅で語られています。

 その一方で韓国は9年ぶりに出生数が増えた。どうやら若者の意識が変化してきたようだとするニュースが冒頭記事。
 一昨年に比べて出生数は7295人増えた24万2334人。
 3%増。月あたり600人増。
 まあ、それでも減る一方だった増えたとのことで「慶事」扱いになってはいます。


 なお、韓国における10年前の出生数は44万4098人。
 今年は10年前に比べて約45%減です。
 30%減の日本が惨劇なら、45%減の韓国はなんですかね。
 ちなみに中国の出生数も若干ですが回復していて、縁起のいい辰年だったからではないかともされています。
 こちらは10年前と比べると約44%減。仲いいな、キミら。

 韓国は去年、人口の20%以上が65歳以上となる超高齢社会に突入。
 コロナ禍でキャンセルされていた結婚式が行えるようになって、婚姻数が増えてどうにかこうにか出生数も底打ち感は出たもののそこ止まり。
 根本的には「世界最悪の少子化」は止まっていない。
 どっちにしても合計特殊出生率は0.7台でしょうしね。
 でも、政治は立法も行政もあの状況。
 誰がどう見ても火急の要件は少子高齢化対策だと思うのですけどね。

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韓国政府「少子高齢化対策で新たに『人口省』を作りたい……」→戒厳令前後で国政は完全に停滞、さらに予定よりも早く超高齢社会に突入……どうすんのこれ

超高齢社会に対応する人口部の発足はいつ…戒厳令の余波に「暗雲」(聯合ニュース・朝鮮語)
韓国が65歳以上の人口比率が20%を超える超高齢社会に進入した中で、少子高齢化など人口問題総括部署である「人口戦略企画部」(以下人口部)の発足はなかなか速度を出せずにいる。

「12・3非常戒厳」と「大統領弾劾訴追」事態で政治的状況が激化したうえに、政府組織改編を担当する行政安全部は戒厳事態の余波で首長の空白が生じ、当初計画していた来年上半期スタートが容易ではないという観測も出ている。

25日、行政安全部によると、23日基準で65歳以上の住民登録人口は1千24万4千550人で、全体住民登録人口(5122万1千286人)の20%を突破した。

来年中に韓国が超高齢社会に入るという従来の予想より早く老人人口が増えたのだ。

国連(UN)は65歳以上の人口比率が7%以上であれば高齢化社会、14%以上は高齢社会、20%以上は超高齢社会に区分している。 (中略)

政府組織法改正案は低出生および人口高齢化に備える専門担当部署として人口部を新設する内容を、少子高齢社会基本法改正案は現少子高齢社会委員会を「人口危機対応委員会」に変更し人口部長官所管に改編する内容を骨子とする。

政府組織法は9月、国会行政安全委員会法案審査小委員会に、少子高齢社会基本法は先月保健福祉委員会法案審査小委員会にそれぞれ上程されたが、特に進展がない状態だ。

法案議決のためには野党の協力が必須だが、非常戒厳事態以後、政府·与党と野党間の葛藤の溝はより一層深まり未来が不透明な状況だ。
(引用ここまで)


 国政が停滞しているって話は戒厳令以降だけの話ではなく、4月の総選挙からこっち延々と停滞しています。
 与党側、政府側の提案する法案等はいっさい顧みず、自分たちの求めるキム夫人への特検法だの、農家の米を買い取らせようとする糧穀管理法だのを通そうとばかりしているのですね。
 ユン・ソンニョル大統領が戒厳令を発令したのも、そうした政局を打破するためだった部分もあるはずです。

 ……まあ、そこで堪え性なしに戒厳令発令とかやっちゃうのが韓国の限界って感じですけどね。
 で、ユン大統領が少子高齢化対策を女性家族部(省に相当)から取り上げて、「人口部」を新設しようとしていたのですが。


 9月に新設案が出てから完全放置。
 そんなことをしているうちに65歳以上の人口が20%に達して、現在の人口論で多数派になっている「超高齢社会=65歳以上が20%以上」を達成してしまったと。

 超高齢社会の定義には21%派と20%派があって、21%以上は「高齢化社会が7%、高齢社会が14%なのだから超高齢社会は21%だろう」ってしています。
 一方で20%以上派は「別に倍数にこだわらなくてよくね?」「20%で切りいいからこっちにしよう」って主張。
 まあ、高齢者人口が全体の20%に達した社会が、そこで止まるわけないですしね。
 余談。

 韓国でいま最初にやるべき政策は少子高齢化対策だと思うのですけども。
 政局争いでそんなこた知ったこっちゃないとばかりに無視。
 とても韓国らしい話ではありますね。

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韓国の合計特殊出生率が8年ぶりに上昇へ……ただし、近い将来の予測値を見てみると、地獄は継続している模様

出産率底打ちしたか…今年0.74人で9年ぶりに反騰展望(聯合ニュース・朝鮮語)
今年の出産率が2015年以後9年ぶりに反騰するという展望にますます重きが置かれている。

26日、政府などによると、国会予算政策処に続き、少子高齢社会委員会でも今年の合計出生率が昨年より上がった0.74人になると予想した。 この場合、合計出生率は15年以後初めて上がることになる。

これは統計庁が将来人口推計を通じて推算した今年の出生率予測値0.68人や昨年の出生率0.72人より高い数値だ。

国内の出生率は2015年の1.24人以後、持続的に下落してきたが、低出産委の予測通りなら9年ぶりに反騰することになる。

先立って国会予算政策処も先月発刊した報告書で「今年の合計出生率は2015年以後9年ぶりに反騰が予想される」として低出産委と同じ予測値を出した経緯がある。

予算政策処は「最近遅れた出産の回復などの影響で今年は前年(0.72人)比0.2人上昇し、2028年まで緩やかに上がるだろう」と見通した。 ただし「死亡者数が出生児数を超過し、内国人人口は持続的に減少する見通し」と予測した。
(引用ここまで)


 今年の合計特殊出生率の予想値が0.74になったことで韓国メディアが沸いています。
 まあ、分からないでもない。
 韓国の出生数はムン・ジェイン政権になってからこっち、完全に右肩下がりでかつ急激な下落をしてきました。
 ついに去年は前人未踏の0.72。今年は0.7を割るかもしれないとの恐れにガクブルものだったのですよ。

 それが下げ止まり、あまつさえ0.02とはいえども上昇した。
 もうこれは国を挙げての慶事……くらいのノリになるのでしょう。
 なにしろ、アメリカ人研究者が2022年の合計特殊出生率である0.78って数字を聞いて「韓国は終わった」(Korea is so screwed!)と言ってしまったほど。
 これは一時期、ちょっとしたネットミームになったほどでした。



 この画像はその数字を聞かされた瞬間のもの。


 ですが、前年の0.72から0.74はほとんど誤差のレベル。
 とはいえ、2015年から──

1.24→1.17→1.05→0.98→0.92→0.84→0.81→0.78→0.72

 ……と減り続けてきたのですから、上昇は嬉しいところでしょうね。
 ただまあ、コロナ禍で0.84になったことで下がりすぎていた数字が、婚姻数の増加で調整されただけ……って感じもしますね。
 まだ来年以降の数字を見ないとなんともいえませんが、平均線は下げ続ける気がします。

 というか、そもそも冒頭記事に添付されている「婚姻数が増加した」ことを含めての予測値グラフがこれなんですが。

合計特殊出生率予測値2024.jpg
(画像引用元・冒頭記事)

 下げ止まったあと、L字になってるだけだこれ。
 2026年に0.77になって2028年には0.76にまた下がっているっていうね。
 前述のアメリカ人研究者が「終わった」って言った数字よりもまだ低いんですよ。

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韓国メディア「もしかして、もしかするならば……出産数が底打ちしたかも」……すでに少子化自体が構造化しているから覆せないのでは?

9年ぶりに「子供の泣き声」がプラスになるのか。「0.7人の沼」出産率底打ち論(聯合ニュース・朝鮮語)
「歴代級少子化」が底をつく様相だ。
出生児数が第2四半期に続き7~8月にも2ヶ月連続で増加し、年間0.7人台まで墜落した合計出生率の反騰も可能ではないかという観測が出ている。
世界で唯一1.0人を下回る我が国の出産率がこれ以上落ちにくい水準まで座り込んだために技術的に反騰した側面もあるだけに、もう少し推移を見守らなければならないというのが専門家たちの見解だ。

統計庁の人口動向資料によると、8月の出生児数は2万98人で、昨年同月より1124人(5.9%)増え、2カ月連続の増加となった。
7月の2万601人(7.9%増)に続き、2カ月連続で2万人を上回った。
月別に見ると、4~5月連続で増えた出生児数が6月に減少したが、再び増加傾向に転じた流れだ。 (中略)

統計上では低出生の流れが底を打ったという雰囲気だ。

嘉泉大学のユ·ジェオン社会福祉学教授は「慎重だが、数ヶ月間の傾向を見れば底を打ったと見られる」とし、「ずっと墜落していた流れで止まったり反騰する流れ」と話した。 (中略)

韓国の合計出生率は15年(1.24人)をピークに、昨年0.72人まで8年連続で墜落した。 今年に入っては第1四半期0.76人、第2四半期0.71人で、0.7人台で騰落中だ。
2030年の政策目標である「合計出産率1.0人」を期待するほど反騰の速度がついたわけではないが、少なくとも0.6人台にさらに墜落することはない雰囲気だ。
最近の出生児増加には結婚増加傾向が主要に作用したものと分析される。
新型コロナウイルス感染症による社会的距離の確保のために先送りされていた結婚需要が、エンデミック(風土病で固まった感染症)と相まって、遅れて集中したというのだ。
(引用ここまで)


 今年になって月別で出生数が前年同月比で増えている月がいくつかある。
 どうやら出生数で見ると、最悪期を脱したのではないか……とするニュース。
 その大きな原因は「コロナ禍で結婚していなかったカップルが結婚して、その子供が生まれはじめたから」とされています。
 ……ん?

 つまり、その「コロナ禍で結婚を待っていた人々」の成婚があるていど終わったら、前のようになる……ということでは。
 コロナ禍でのひどさまでにはならないにしても、0.7台から脱するには相当無理があるような。

 そもそも合計特殊出生率は「率」ですからね。
 打率と同じように下がっていったらなかなか下がりにくくなる。どこかで数字上は下げ止まるものです。
 それが韓国の場合は下げ止まらずに0.72になってしまったこと自体が問題なわけです。


 そしてなによりの問題がすでに「人口減の再生産プロセス」に入ってしまっている部分。

 この画像が2023年末時点での韓国の人口ピラミッドなのですが。

韓国人口ピラミッド.png
(引用元・Wikimedia

 現在の30歳前後が盛り上がっているのが分かるでしょうか。
 ここ、ベビーブーマーの孫世代で最後に韓国で人口が増えた部分です。まあ、極端な男あまりになっている(濃い色の部分はそれぞれ男性、女性よりも人口が多いことを意味している)ので、実質的にはそこまでの人口増ではないのですが。
 このあたりが子供を産んでいるので、ぱっと見の数が増えている部分も少なくないでしょうね。
 ここを過ぎたらあとはもう一直線に人口減エリアに突入して、率がどうであろうと急減のターンでしかない。

 2022年の合計特殊出生率が0.78だったと聞いたアメリカの学者が「韓国は完全に終わった……」(Korea is so screwed!)と発言したことが知られていますが。
 ここから2.1以上に戻す道はないですからね。
 世界にも類を見ない少子高齢化社会に向かうわけです。

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世界最速の高齢化国家、韓国の平均年齢が45歳を突破……この15年で2割強の急上昇具合。ちなみに同時期の日本は1割ちょっと

カテゴリ:少子高齢化 コメント:(64)
世界最速高齢化、大韓民国の平均年齢がいつのまにか45歳(朝鮮日報・朝鮮語)
韓国国民の平均年齢が史上初めて満45歳を超えた。 通貨危機直後の1990年代末と2000年代初めまでは「サオジョン(45歳なら定年)」という言葉が出回るほど、45歳は中高年の象徴的な年齢だった。 しかし、少子高齢化が続き、軍旅団長級の初任大佐や大企業次長・部長級に当たる45歳が、全体人口の中間年齢帯である青年隊列に合流したのだ。 すでに昨年から全羅南道とソウル道峰区など一部の地方自治体は予算を支援する青年基準を39歳から45歳に拡大した。

4日、行政安全部の住民登録人口統計によると、昨年末44.8歳だった住民登録人口の平均年齢は今年末45歳を超えるものとみられる。 月別に見ると、2月末に44.9歳だった平均年齢は3月末に45歳になり、先月末には45.2歳に増えた。 平均年齢が2014年末に40歳を超えてから10年ぶりに5歳増えたのだ。 統計庁は2022年「将来人口推計」を発表し、平均年齢が来年45歳を超えると推定したが、その時期が1年繰り上げられた。 (中略)

住民登録人口の平均年齢が集計され始めた2008年の平均年齢は37歳だった。 年平均0.5歳ずつ増える傾向だ。 統計庁は、平均年齢が11年後の2035年に50歳、2049年には55歳を超えるものと見ている。 世界で類例を見ないほど高齢化が速い速度で進展しているためだ。 国連によると、韓国の中位年齢(全人口を一列に並べたときに真ん中にいる人の年齢)は45.1歳で日本(49.4歳)より低いが、英国(40歳)・米国(38.3歳)など主要先進国より高い。
(引用ここまで)


 韓国人の平均年齢が45歳を突破したってニュース。
 記事によると2008年に37歳だったものが、今年に45歳になったとのこと。
 いや、早いね。

 2008年には日本は44歳、今年49歳くらい。1割ちょっとしか上がっていない。
 韓国は37歳→45歳なので2割強の上がり具合。
 上になったら割合の上がりにくさは出るにしても、韓国の2割強の上がりかたはちょっとひどい。
 高齢化、っていうよりは下が生まれなさすぎて平均値ががんがん上がっているところですね。


 下の年代の数字が増えない上に、平均余命が日本に次いで世界で2位。
 そりゃ平均の数字も急激に上がりますわな。

 ちなみに今年の合計特殊出生率の予測値は0.68。
 今月の終わりくらいに第2四半期の数字が出ると思いますが、なにひとつとしてよくなる要素もないしなぁ。
 第2四半期の数字は去年の半ばくらいの景況感を反映している部分もあるのですが。
 いまだろうが去年だろうが、どっちにしても不況下。
 どうにもならんだろうなぁ。0.7にとどまれるかどうかがひとつのハードルかな。

 韓国の人口動態については、どこを向いても悪夢以外ないんですよね。
 30年くらい遡って「どこで間違ったのか」を認識しないとダメなんじゃないかなー。

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2072年の韓国、世界でもっとも老いた国に……最後の望みは「北朝鮮と人口をあわせること」だけども……そんな大技、使っちゃって大丈夫なの?

48年後の韓国、世界で2番目に老いた国に…人口は3600万人に減少(中央日報)
48年後に韓国は世界で2番目に老いた国になる見通しだ。人口は3600万人まで縮小すると予想される。韓国統計庁は23日、「2022年基準将来人口推計を反映した世界と韓国の人口現況と見通し」を発表した。昨年12月に発表した「将来人口推計:2022~2072年」と7月に国連が出した「世界人口見通し2024」を総合分析して出した報告書だ。

これによると、韓国の全人口のうち65歳以上の高齢人口の割合は今年の19.2%から2072年には47.7%に上がる見通しだ。これに対し15~64歳の生産年齢人口は70.2%から45.8%に縮小するというのが統計庁の観測だ。 (中略)

2072年の韓国の高齢人口の割合は236カ国・地域のうち香港の58.5%、プエルトリコの50.8%に次いで3番目に高くなるとみられる。国基準で香港を除くと韓国は2位に上がる。世界で2番目に老いた国になるという話だ。

また、統計庁は韓国の人口が今年の5200万人から2072年には3600万人に減少すると予想した。同じ期間に世界の人口が81億6000万人から102億2000万人に増加する点を考慮すれば、韓国の人口縮小傾向が目立つ。韓国の人口は2020年をピークに減少傾向を示している。2072年の韓国の人口成長率はマイナス1.31%となる見通しだ。結局世界で韓国の人口が占める割合は0.6%から0.4%に3分の2に落ち込む見通しだ。韓国の人口の世界順位は29位から59位に落ちると統計庁はみている。 (中略)

韓国と北朝鮮の人口を合わせれば事情は多少改善される。南北の総人口は今年の7800万人から2072年には5900万人で25%ほど低くなると統計庁は分析した。韓国だけの変化率より緩やかな減少傾向となる。同じ期間に南北の高齢人口の割合は16.9%から39.3%に、生産年齢人口の割合は69.7%から51.3%に変化するのにとどまる見通しだ。北朝鮮の出生率が韓国より良好なためだ。昨年の北朝鮮の合計特殊出生率は1.78人で韓国の0.72人より高い。
(引用ここまで)


 韓国統計庁が出した将来予測で「2072年には韓国は香港、プエルト・リコに次いで3番目に高齢化が進んだ社会となる」との報告を出したとのこと。
 で、それを受けて韓国メディアの中央日報が「香港は自治区で国ではないから、韓国は2番目に高齢化が進んだ国となる」としているのですが。
 ……プエルト・リコもアメリカの自治領なので国ではないですね。

 実質的に韓国が2072年までには日本も大きく飛び越して世界でもっとも高齢化が進んだ国となるわけです。
 以前の予測では2050年頃にはすでに日本を超えている、とされていましたっけ。
 実際問題、早いというか早すぎるのですよね。
 社会的整備がまったくもって間に合っていない。


 先日の「80代になってもまだリアカーを引いて炎天下1日中段ボールを回収して5000ウォンを得る高齢者」なんかも典型なんですが。

韓国でよく見かける「段ボールをリアカーで集める高齢者」(80代男性)が横断歩道で苦労→警察が手伝う……これは美談、なのか?(楽韓Web過去エントリ)

 あまりにも一気に高齢化社会から高齢社会、超高齢社会にまで来てしまったことで、しわ寄せがきているんですよ。
 激しい少子化もその一因ですね。支える人口が一気に減少していて、もはや

 んで、対策として「北朝鮮との人口を合わせれば……」って部分に一縷の望みを賭けているっぽいのですが。
 現状の北朝鮮の状況がアレなのに合計特殊出生率はすでに2を切って1.78。アレだからこそというべきか。

 統一したら、韓国側が目も当てられない状況になるんじゃないですかね。まあ、それでも背に腹は代えられないってならチャレンジする価値はあるかもしれないけど。
 ほとんどの若者が「北朝鮮と韓国は別国家」って認識の中で、そんな最後の大技使って大丈夫なんですかね。

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韓国メディア「第2四半期の出生数が下げ止まって微増した! このまま増えてくれれば出生率も反転するかも!」……第2四半期は増えてても上半期全体だと減少している上、現状で下げ止まったところで……ね

韓国、少子化に一筋の光?…今年の出生数、8年ぶり増加へ(KOREA WAVE)
韓国で2024年の年間出生数が前年を上回り、反転する可能性があると予測されている。これは新型コロナウイルス禍の影響で結婚が遅れたことに起因する一時的な現象である可能性が高い。出生数増加の要因を詳細に分析し、適切な対応策を講じる必要があると指摘されている。

韓国国会予算政策処が24日発行した報告書によると、最近の出生および結婚動向を踏まえると、今年の年間出生数は昨年を上回る見通しだ。2024年5月時点での出生数は1万9549人で、前年同月比514人(2.7%)増加。4月も増加しており、出生数が2カ月連続で増加したのは2015年11月以来8年6カ月ぶりとなる。

報告書によると、2024年に出産予定で韓国政府が実施する「妊娠バウチャー」事業を申請した妊婦の数は28万7000人。前年の27万9000人から8000人(3.0%)増加しており、2024年12月までの出産予定者数も前年同期を上回ると見込まれている。 (中略)

さらに報告書は「今年の出生数が増加しても、少子化傾向の急激な改善を意味するものではない」と強調。最近の結婚および出生の増加が一時的な現象か、持続的な変化なのかを分析する必要があると指摘している。
(引用ここまで)


 韓国で婚姻数が増えて、かつ出生数も増えたとのことで「下げ止まった!」とちょっとしたニュースになっています。
 第2四半期の出生数がプラスになったのは8年ぶりのことだそうです。

4~6月期の出生数が8年半ぶり増加 出生率は0.71=韓国(聯合ニュース)

 4、5月がプラス。ただし、6月は減少に転じたとのことでまだなんともいえないと冒頭記事の報告書でも注意をしていますが。
 4月は521人のプラス2.8%。
 5月は514人のプラス2.7%。
 6月は343人のマイナス1.8%。

 微妙。なんとも傾向が取れない感じですね。


 コロナ禍で延期されていた結婚が去年増えて、それに伴って出生が増えた、というのは事実なのでしょう。
 ただ、0.72の合計特殊出生率が下げ止まったところで……っていうのもまた事実。
 増えたっていっても3%前後じゃもはやどうにもならない。

 しかも、第2四半期は増えたといっても上半期で見てみると去年より減っていたりします。
 第1四半期で4000人近く減っていたので。
 学年区切りの問題で韓国では1〜3月がもっとも出生が増える時期なんですが、そこでけっこう減っていたのはかなり致命的に感じられます。
 月毎に「増えた!」「減った!」ってやっててもなんの意味もないような気がしますね。特に韓国の場合。

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韓国で「古紙回収の老人にはラーメンを無料で提供します」との食堂に市民の心が温まる……でも、本当に必要とされているのは「無料のラーメン1杯」ではないような……

カテゴリ:少子高齢化 コメント:(69)
「古紙収集のお年寄り、ラーメン無料」…韓国の食堂、市民の心も温め(KOREA WAVE)
古紙回収の高齢者にラーメンを振る舞う食堂の話が韓国のオンラインコミュニティにアップされ、ネットユーザーの心を温めている。

投稿者は食堂の入り口に貼られた「古紙を収集するおばあさん、おじいさんにラーメンを無料で差し上げます」という掲示の写真を載せた。

この食堂は慶尚北道亀尾市(キョンサンブクド・クミシ)にあるといい、投稿者は「今日、前を通っていて気付いた。分かち合いの精神がほほ笑ましい」と話した。

ネットユーザーたちは「経営者は以前から奉仕活動に取り組んでいる人です」「福を受けるでしょう」「本当に素敵です」といった反応を示した。

保健福祉省の調査によると、韓国で古紙回収をしている高齢者は約4万2000人。1日平均5.4時間働き月15万9000ウォン(約1万8000円)の収入を得ているという。
(引用ここまで)


 韓国のラーメン屋(おそらくはインスタントラーメン屋)が「古紙回収をしている人にはラーメン1杯サービスします」って貼り紙を出して、「韓国に感動が拡がってます」ってニュース。
 古紙回収については先日も言及してますので、そちらもご覧ください。

ソウルでよく見る「リアカーで段ボールを回収する老人」、半分が80代だった……あれ以外に現金を得る手段がないのか(楽韓Web過去エントリ)

 いや、分かるけどさ。
 感動に値するニュースなんでしょうよ。
 「月収が16万ウォンに満たない人々にラーメンが施している」って美談。

 でもまあ、実際に「幸せ手押し車」をやっている人々に必要な物は、施しのラーメン1杯じゃないんじゃないかなっていう。
 善意も間違いなくそこにはあるのでしょうけどね。


 これとまったく同じ構造なのが「韓国では老人を敬っているので電車で率先して席を譲るのだ」って話。
 まあ、同調圧力であろうとなんだろうと「席を譲る」行為自体はいいとは思うのだけども。
 世界でもっとも(相対的に)貧しいとされている韓国の高齢者層に必要なのはそれじゃないだろうなぁ……っていう。

 韓国ではこの50年間、延々と低負担低福祉でやってきたのですね。
 年金も同様でまともな整備をしてこなかった。教師、軍人、公務員くらいしかまともな年金制度がなかったのですよ。
 その結果、高齢者層に無条件で30万ウォンの基礎年金を支払うって状況になって、国庫を圧迫している。

 ちなみに2055年に年金は枯渇が予測されています。
 この予測は少子化があるていどの時点で反発することを前提にされているので、実際はそれよりも早いのではないかともされていますね。
 あと韓国関係ないのですが、中国は2035年に年金が枯渇します。

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