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カテゴリ:文化財盗難の記事一覧

対馬から盗まれた仏像の所有権を争っていた韓国での裁判、ついに日本の観音寺の所有権を認める

「盗んだ高麗仏像、日本に返さなければ」1審反転して原告敗訴判決(東亞日報・朝鮮語)
韓国文化財窃盗団が日本から盗み、国内に持ち込んだ高麗時代の金銅観音菩薩座像(仏像)に対して、2審裁判所が日本に返さなければならないと判断した。

1日、大田高法民事1部(パク・ソンジュン部長判事)は忠南西山浮石寺が韓国を相手に出した流体動産(仏像)引渡請求控訴審で1審を覆して原告の請求を棄却した。

裁判部は「原告である浮石寺が提出した証拠によれば、1330年高麗時代、徐州浮石寺で該当仏像が製作されたという事実関係は認められ、仏像は製作とともに原初的に徐州浮石寺に帰属されたとするのが妥当だ」とし「原告の提出した証拠だけでは、現在存在する浮石寺が、過去に存在していた徐州浮石寺と同じ宗教団体で連続性を持って維持されたと十分に立証できず、同一性を認めにくい」と明らかにした。

続いて「被告補助参加者である(日本)観音寺も、当該仏像の所有権を譲受されて取得したと主張するが、観音寺を建てた終官がいつ、どこで、誰から仏像を譲受して取得したのか、何の証明がなされず、むしろこの事件記録に現れた資料を照らしてみれば、原告の主張のように略奪して不法搬出した情況が存在し、補助参加者が譲受して所有権を取得したという主張は正当な理由ではない」とした。

ただし「観音寺が法人を取得した1953年1月26日から仏像を盗まれた2012年まで仏像を継続して占有していた事実が認められる」とし、「準拠法で適用された日本民法によると、法人が設立され所有してから20年になった1973年1月26日、取得時効が完成したため、違法に搬出された仏像であっても、占有取得原因となった事実関係の性質上、自主占有の見積もりが回復せず、取得時効の完成に影響を及ぼすことができない」と判断した。
(引用ここまで)


 韓国の高裁で対馬の観音寺から盗まれた観世音菩薩坐像の所有権を争っている裁判の判決が出ました。
 判決は日本の観音寺に所有権を認めるというもの。
 理由は主として以下のふたつ──

・韓国の浮石寺と14世紀の浮石寺との間で同じ宗教団体であるという連続性が認められない。
・日本の観音寺はどのような経緯で入手したにせよ取得時効が完成している。

 実に「フツーの法的判断」が行われたように感じます。
 正直、一審判決が出た時は韓国の法曹界も「いや、嘘だろ」ってなってたのですよ。
 こんなんまともな判決じゃないよと。
 今回はどうにか普通の判決になったな、といったところ。

 韓国でもトンデモ判事によるトンデモ判決というものはありまして。
 時としてそれが「国民情緒にふさわしいもの」になってしまって大騒ぎになることもあるのが困りもの。


 ただ、ひとつチェックしておきたいのは「その時々の政権によって判決の方向性が異なる」と、この判決に言及するものですが。
 少なくともこの件に関しては当てはまりません。
 「浮石寺の所有権を認める」としていた一審の判決は2017年1月、つまりパク・クネ政権下でのものでした。

 いや、韓国における司法判断は大きく政権の意向に左右されるのは間違いありません。それは否定できない事実。
 でも、今回の判決はそういったものではないと認識しておくべきです。

 さらにいえば、今回の被告は韓国政府。
 韓国政府が観音寺の前住職を補助参加人として法廷に出席させるなどしていた。つまり、韓国政府自体には返還の意思があったということです。
 ただ、この高裁判決が延び延びになっていたのはムン・ジェイン政権の意向が反映されていたと見て間違いないと思われますけどね。

 この判決の速報や詳報に300件ほどのコメントがついていて、けっこうな注目度がありますね。
 こちらのニューシスの速報記事には370件、JTBCの詳報にも320件、KBSのYouTubeニュース動画にも370件ほどのコメントがついています。
 その多くが「泥棒が長く所有していたから泥棒のものになるのか」「裁判官は日本人か?」「この裁判は日本でやったのか?」みたいなもの。

[速報]裁判所「金銅観音菩薩座賞所有権は日本」…観音社取得時効認定(ニューシス・朝鮮語)
裁判所「金銅観音菩薩座像の所有権は日本」… 観音寺取得時効認定(JTBC・朝鮮語)
「高麗仏像日本所有認定」… 判決を覆した理由は?(KBS・朝鮮語)

 今回の判決が国民情緒にハマらないものである、ということがよく理解できるのではないでしょうか。
 まあ、知ったこっちゃないんだが。
 ただ、ここから上告もあるから返還されるのは当分先、ということでしょうね。

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対馬から盗まれた仏像に見る「約束の守れない国、韓国」というありかた

対馬の盗難仏像巡る控訴審 判決控え韓国寺側が引き渡し求める(聯合ニュース)
長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた仏像「観世音菩薩坐像」(同県指定有形文化財)の所有権を主張する韓国の浮石寺(忠清南道瑞山市)が仏像を保管する韓国政府に引き渡しを求めた訴訟の控訴審判決公判が2月1日に開かれることを受け、浮石寺側は25日に出した報道資料で、仏像を同寺に引き渡すよう命じた一審判決を支持して検察の控訴を棄却するよう裁判所に要請した。 (中略)

観音寺が1953年に法人化した時点から盗難事件が発生した2012年10月までの約60年間仏像を占有していたため、一定期間が経過すれば占有者の所有が認められる「取得時効」が成立するとの主張に対しては「奪取など悪意による占有は日本の民法でも取得時効が認められない」と反論した。
(引用ここまで)


 対馬観音寺から盗まれた観世音菩薩坐像の所有権を巡る控訴審で、原告である浮石寺から「控訴棄却を」と求める声明があったそうですわ。
 これも、なのですが。
 要するに韓国には国際的な取り決め、約束、同意、条約を守る気があるのか、という話なのですよ。
 いつものように、というべきか。

 現金化阻止のために韓国政府が動いたとの話が出ていますが。
 あれも実は約束を守っていない。
 韓国が守るべきは日韓請求権協定にあるように、まず外交交渉、それが決裂すれば仲裁委員会の設置、それでもダメなら第三国によって指名される仲裁委の構成をすべき。
 あたかもボールは日本に投げられたとされていますが、日本はそんなボール受け取ってないからね?


 今回の観世音菩薩坐像についていうのであれば、韓国政府は「ユネスコ条約に従って引き渡す」というアナウンスをすべきだったのです。
 まあ……ムン・ジェイン政権にそんな話を期待しても無駄でしかないのは分かっていますけどね。
 国際的規範になれるような人物ではありませんでしたし、外交ブレーンもろくなのがいませんでしたから。
 ムン・ジェインに理性的になれとか無理な話であるのは理解しているのですが。

 ちょっと前に韓国の自治体に属しているゆるキャラが「日本語を話した罪」で糾弾され、吊されました
 あれも同様なのです。
 「日本」をただの外国として扱えない。

 あれが英語だったら吊されているか。
 中国語だったら? あるいはフランス語だったら?
 絶対にそんなことはないのですよ。
 日本を「特別扱い」し続けないことには、彼らのレゾンデートルが損なわれるのです。
 そんな国と約束するなんてことは、本当はバカバカしい話ではあるのですけどね。

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対馬から盗まれた仏像の所有権裁判、ようやく来年2月に韓国の高裁判決……ただし、間違いなく最高裁に上告される模様

対馬の盗難仏像巡る控訴審 来年2月1日に判決(聯合ニュース)
 長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた仏像「観世音菩薩坐像」(同県指定有形文化財)の所有権を主張する韓国の浮石寺(忠清南道瑞山市)が仏像を保管する韓国政府に引き渡しを求めた訴訟の控訴審が14日、大田高裁で結審した。原告の浮石寺側は最終弁論で、長きにわたる裁判で日本側も同仏像を「瑞山浮石寺金銅観音菩薩坐像」と呼ぶことを認めたとし、所有権がどこにあるかは「名称の中にすでに答えがある」と主張した。

 また、原告側は1352年から82年にかけ浮石寺のある地域で日本の倭寇(わこう)が5回の略奪を行い、その際にこの仏像が奪われたのは学会でも認められた歴史的な事実と主張した。
(引用ここまで)


 対馬の観音寺から盗まれた仏像の所有権を争う控訴審が結審。
 判決は来年2月1日に言い渡される予定。

 韓国というもののありようを日本に身を以て示していただけている。
 ユネスコ条約を批准していても盗難された文化財を返還しない。
 約束を守ろうとしない姿をありありと見せてくれている。

 日韓関係が悪化した原因は複数に渡りますが、そのひとつとして仏像盗難事件は挙げられるでしょうね。
 「ああ、韓国人は約束を守らないし条約も守らないのだ」との認識に至ったわけで。


 読売新聞の記事によると、浮石寺の代理人は「どちらにせよ大法院(最高裁に相当)にまで行くだろう」と発言したとのこと。

対馬で盗まれた仏像、韓国の寺が「倭寇が略奪」と所有権主張の訴訟が結審…来年2月1日判決(読売新聞)

 ちなみにこの裁判の原告は浮石寺で、被告は韓国政府。観音寺側はあくまでも参考人として出廷しているに過ぎません。
 韓国政府側はあくまでも「日本への返還を基本方針」にしているのですけどね。

 でもまあ……楽韓Webでは10年前から「あえてよかったことを挙げるとするなら、ものすごく簡単な例で『韓国人のやりよう』というものを示せた」としていました。
 地裁判決は韓国政府にとっても驚きだった、という話もあるほどですが。
 まあ、保守政権になっているので高裁もそのあたりに忖度しそうではあります。

 高裁判決当日は速報予定でスケジュール入れておきますね。

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対馬から盗まれた仏像の返還訴訟で日韓の寺が論戦「占有取得したものだ」「略奪された物に占有権はない」

カテゴリ:文化財盗難 コメント:(103)
仏像訴訟で激しい韓日攻防…「日本法に従うべき」vs「略奪文化財に占有権ない」(中央日報)
10年前、韓国の窃盗団が日本対馬の観音寺から盗んだ高麗金銅観音菩薩坐像の所有権を巡り、控訴審で韓日間が激しい攻防が繰り広げられている。

大田(テジョン)高裁民事第1部(部長パク・ソンジュン)が17日に開いた裁判で、観音寺側は書面を通じて「日本民法によって所有権を決めるべきだ。これに伴い、仏像の権利は我々にある」と主張した。1527年、観音寺を創立した僧侶が韓国から合法的に仏像を持ち込み、500年近く平穏かつ公然と所有権を「占有取得」したということだ。

反面、忠清南道瑞山(チュンチョンナムド・ソサン)の浮石寺(プソクサ)側は「韓国民法により所有主を決めるべきだ。特に略奪された文化財に対しては占有取得が認められない」と反論した。浮石寺側弁護士は裁判後、「この仏像は14世紀に倭寇が略奪して持ち去ったことが明らかだ」とし「文化財保護法は特別法で他の法に優先する。国が文化財を積極的に保護しなければならない」とした。

紛争はK(当時69)ら韓国文化財窃盗団が2012年10月に日本に渡って観音寺から仏像を盗んできたことが発端となり、韓日間の外交摩擦に飛び火した。 (中略)

控訴審は6年間行われており、仏像は国立文化財研究所遺物所蔵庫に保管されている。次の裁判は10月26日に開かれる。
(引用ここまで)


 対馬から盗難された高麗金銅観音菩薩坐像の所有権を争う控訴審がいまだに続いています。
 観音寺側は「朝鮮からどのようにして持ちこまれたものであったとしても、すでに占有取得されたもの」と所有権を主張。
 一方で韓国の浮石寺側は「略奪文化財に占有取得は認められない」と反論。

 ……正直、この話はもっと単純で。
、  「火事場泥棒を認めるかどうか」なんですよね。
 対馬から盗まれて韓国に入った物に対して韓国政府が返還できるかどうかが問われているのです。
 というか、韓国政府自体は返還する気満々で、この裁判の原告は韓国政府です。
 浮石寺の所有権主張を認めてしまったことに対して、韓国政府が異議を申し立てているという状況なのです。


 この裁判の結果によっては、韓国政府はかなり辛い立場に追いやられます。
 すなわち、日本からだけでなくフランスや台湾がやっているように多くの国が韓国に文化財を貸与しなくなってしまうのです。
 すでにフランスは「日本の仏像が返還されない事態を知っている」と韓国側に通達しているそうですよ。
 韓国的には「こんなことは日本としか争わない」と言うでしょうけども。
 諸外国にしてみたら日本も自分たちとの立場の差なんてないも同然。
 「一度貸与したら戻ってこない」「盗まれたらそれっきり」「ユネスコ条約すら守らない野蛮国」という扱いになるわけです。
 「国民情緒法」を説明するのに非常に分かりやすい事例となったといえます。

 こういう部分を見ても、国同士の外交や交渉というのは1対1で行われているように見えても、背後には多数の国がそれを見つめているのだという話が理解してもらえるのではないでしょうかね。

 日本が徴用工の問題において日韓請求権協定に明記されている外交手段を丁寧になぞっているのはそういう面もある……というか、それがほとんどです。
 対韓国ではなく、対世界・対国際社会を見ていて「我々は約束したことを守る国だ」という主張をしていることにもつながるわけですね。
 露中のような側ではなく、「我々は秩序の側にいる」ということを常にアピールする必要があるのです。

 法理的には当然、戻ってきて然るべきだとは思いますが。
 この事件がきっかけになって対馬の文化財は盗難を警戒して博物館に預けられるようになり。
 韓国の野蛮さを日本だけでなく世界に知らしめる結果となったのですから。
 仏様もその役割を果たしていただけたのかもしれませんね。

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韓国人「なんだ、この仏像は韓国のものなのか」「窃盗犯は愛国者だ」……対馬仏像盗難事件を韓国公共放送が詳報

略奪と盗難……仏よ、この仏像はどこに行くべきですか?(KBS・朝鮮語)
温和な笑顔で結跏趺坐した国宝級の仏像があります。 高麗末 1330年瑞山浮石寺で制作されたこの金銅観音菩薩座像はかつて大韓海峡を越え、日本に渡ったが、 2012年再び韓国の地を踏みました。

ところが帰った仏像は所有権をめぐって訴訟が起きました。 (中略)

2012年、韓国の文化財専門の窃盗犯が対馬で仏像2点などを盗み出して国内に搬入する事件がありました。 この過程で、観音寺の金銅観音菩薩座像をはじめ、海神神社に保管していた統一新羅同調如来立像が税関によって摘発されて警察手に流れ込むことになります。

以後、2つの仏像の真ん中に座っている姿の坐像に対する所有権をめぐって瑞山浮石寺と大韓民国政府、そして対馬観音寺と日本政府の長い紛争が開始されました。
(引用ここまで)


 先日、日本の対馬観音寺から住職が参考人扱いで裁判に出席したことから再度注目を受けている対馬仏像盗難事件。
 韓国の公共放送であるKBSが大きく扱っています。
 ちなみに2012年に盗まれて、2017年には地裁で「この仏像は浮石寺のものである」とする判決が出ています。
 もう10年も盗まれたまま、ということですね。それでもまだ高裁。

 この地裁判決については韓国でも「さすがにそれは無理筋だろ」とする意見が多く出ています。
 こちらの文春オンラインの記事でもそうした指摘がされているとされていますね。

韓国人記者も「耳を疑った」…日本人住職が渡韓で再加熱、対馬“仏像盗難”裁判の奇妙すぎるゆくえ(文春オンライン)

 韓国では「仏像盗難事件」ではなく「文化財還収案件」として扱われているのですよ。


 というか、盗難事件であることは知られているのですが。
 犯人らを「愛国者」として扱っている面すらあります。
 KBSの記事コメントですら「窃盗犯は愛国者だ」「検察はチンイルパだ」とするものがあり、よくて「事件の概要がよく分かった。これは浮石寺のものだ」っていうレベル。
 たまーに「いや、日本のものだろ」ってコメントもなくはない、かな。

 窃盗事件であっても、相手が日本なら韓国が正義という態度だというわけです。
 これ、靖国神社を爆破しようとしたチョン・チャンハンに対しても同様の言説が見受けられます。
 日本で懲役4年の実刑判決を受けていたのですが、彼が「日本の看守からいじめられている」とする主張をしていたニュースに「彼は愛国者なのだから駐日大使館は仕事をしろ」みたいなコメントが多数ありました。

 まあ、ネットニュースのコメントがイコールで国民感情であるとするのは危険であるとも感じますが。
 その一方で確実にそうした意見があることも無視できない事実です。
 これを見ても「話し合えばわかりあえる」なんてことはないのが理解できるんじゃないでしょうかね。
 話し合い自体が無駄だとは思いませんが。
 相手がなにを言うのか話してみなければ分かりませんし、話し合いなしではなにを言うのかを広報できないですからね。

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韓国に盗まれた仏像の所有権を争う裁判に日本の住職が出席「所有権は我が寺にある」と主張……この事件が日韓に及ぼした影響とは?

日本観音寺「盗んだ仏像は我が所有…略奪ではなく譲渡されたもの」(韓国日報・朝鮮語)
「高麗仏像」所有権裁判に日本側初出席…証拠なしに「適法取得」主張(YTN・朝鮮語)
この日の裁判には観音寺側の田中節竜住職が裁判補助参加者として出席した。この訴訟に日本側の人物が出席したのは初めてだ。観音寺側は「原告(浮石寺)は現在、法的意味で所有権成立がなされていない」とし、「観音寺を創設した宗館が1527年、朝鮮から日本に戻ったとき仏像を譲り受けて持ち込んだ」と主張した。 (中略)

観音寺側は「該当仏像は観音寺宗教法人設立後、明確に所有意思を持って公共に所有してきており、日本と韓国の民法上取得時効が認められ、所有権が成立している」と主張した。取得時効は長期間他人物を占有すれば所有権を認めるものである。

観音寺側は「該当仏像は観音寺だけでなく対馬、日本全体の財産だが2012年に盗まれて不法に韓国に流出した」とし「盗難団によって不法に韓国に持ち込まれただけに仏像所有権は観音寺にある」と強調した。取得してもこれを喪失したという旨の準備書面を既に裁判部に提出した。
(引用ここまで)


 対馬の観音寺から盗まれた仏像 ── 観世音菩薩坐像についての裁判で、観音寺の住職が証言者として訪韓して参加。
 その場で浮石寺は「これは韓国から盗まれたもので譲渡されたものだというのならその証拠を見せてみろ」と言い出した、と。
 で、韓国メディアはそれを受けて「証拠もないのに所有権がある、などと言っている」と煽り立てている状況。

 もうね、バカかと。
 1970年にユネスコで発行された「文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約」、いわゆるユネスコ条約というものがあります。
 要するに「盗まれて持ちこまれた文化財については返還義務がある」という条約。
 条約の発効・批准以前のことには関与せず、条約の批准後のみに効力を発するものです。

 日本では遅ればせながら2002年に国会で承認を受け、批准しています。
 かなり慌てて批准したのですが、それは韓国人による文化財盗難が相次いだことも影響していますね。


 韓国も批准しているのですから、当該の仏像について返還義務があるのですが。
 そのような努力をしているようには見えません。
 この仏像についてもそうですし、慰安婦合意も同様。
 そして徴用工裁判の問題でも日韓基本条約を守らない。

 約束を守らない。
 日本人にとっては信じられないような相手である、ということが確定しているのです。
 すでにこの件を調べていたフランスから文化財の貸与を断られているように、そして日本の所有者からも貸与を断られているように弊害が出ているのですが。
 それと台湾からも断られてましたね。

フランスに続いて日本・台湾も「文化財の貸し出しはできない」(東亞日報・朝鮮語)

 去年、フランスから「差し押さえの恐れがないのなら貸し出してもいい」と言われた、とされていましたが。
 実現していないので当局からNGが出た、ということでしょうね。

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韓国「フランスから高麗時代の文化財を借りるぞ!」→フランス「差し押さえ免除法を作れって」

フランス「直指の韓国展示、差し押さえの恐れがなければ積極的に検討」(東亞日報)
フランス政府が、自国の国立図書館が保有している「直指心体要節(直指)」の韓国展示について、「差し押えの恐れがなければ、積極的に検討する」と明らかにした。最近、欧州各国の文化財返還が活発な中、このような空気を追い風に直指の韓国内展示が開催される可能性に注目が集まっている。

文化体育観光部(文化部)の黃熙(ファン・ヒ)長官は17日(現地時間)、フランス・パリで記者懇談会を開き、2日前、フランスのロズリン・バシュロナルケン文化長官との会談でこのような意見を交わしたと明らかにした。当時、黄長官が直指の韓国展示を要請すると、バシュロナルケン長官は「韓国に送れば、差し押えされることが懸念される」と答えた。これに対し黄長官が「そんなことがないよう、韓国政府が保証する」と言うと、バシュロナルケン長官も、「それなら(直指の韓国展示が)できないことがあるのか。前向きに検討する。直指を保有するフランス国立図書館にも実務協議を要請せよ」と述べたという。 (中略)

フランス側はこれまで、「直指は略奪または盗難文化財ではないため、韓国に返還される名分が少ない」と主張してきた。2018年も国内展示が推進されたが、フランス側が韓国に海外文化財を国内に持ち込んで展示する際、差し押え・没収を禁じる法案の立法を要求し、実現しなかった。
(引用ここまで)


 一ヶ月ほど前の記事ですがピックアップをすっかり忘れてたのを思い出しました(笑)。
 記事最後らへんにある「2018年にも推進されたものの失敗した」との経緯は楽韓Webでも報じています。
 預かった文化財について、法的に拘束されずに持ち帰ることができることを保障する法律 ── 差し押さえ免除法を作れとフランスからいわれて国会で失敗し、貸し出しもされなかったのですね。
 今回は言及してきていませんが、2018年当時には対馬から盗まれた仏像について韓国が返却していないことを挙げて「韓国に渡ったが最後、帰ってこないだろう」とまで言われたとされています。

 今回もなにも状況は変わっていません。
 そこまでして差し押さえ免除法を成立させたくないのは、なんらかの形で日本から文化財が入ってきた時に返還したくないという意見が市民団体にあるためです。
 で、国会議員もそこからの意見を無視できないと。
 フランスが貸し出しに合意するかなぁ?

 フランスだけでなく、日本からも百済関連の文物を貸し出したくないと言われて「百済展」なるイベント自体が頓挫に追いこまれたりもしていましたね。
 台湾からも拒否されたそうです。

 フランスが貸し出しを拒否した大高麗展においても、日本からの貸し出し拒否がありました。
 韓国からは「日本は器が小さい」だの「アンクール」だのとかいう罵詈雑言が飛んできましたが、実際に帰ってきていないものがあるのだからしかたない。

 通商関連ではないですが、このあたりも日本が韓国を信じられない理由のひとつですね。
 文化財不法輸出入等禁止条約、いわゆるユネスコ条約で盗難された文化財の返還が定められているにも関わらず、対応しようとしていない。
 CPTPPで日本が韓国を拒絶するという話も出ていますが、当然といえば当然。

・対馬盗難仏像返還無視
・徴用工裁判による日韓請求権協定無視
・水産物の輸入規制
・慰安婦合意の実質的破棄

 この辺が「日本が韓国を信じられないセット」として働いている。他にもいろいろとありますけども。
 「ルールを守れ」「約束を守れ」としか言いようがないんだよな。

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対馬から盗難された仏像、返還裁判がようやく進行……犯人グループは「我々は仏像を奪還した愛国者だ」と主張

対馬の盗難仏像が偽物だと主張し続けた韓国検察、本物と認める=韓国の窃盗団は「我々は愛国者だ」(Wow! Korea)
テジョン(大田)高裁の民事第1部(部長:バク・ソンジュン)は15日、チュンチョンナムド(忠清南道)ソサン(瑞山)市のプソク(浮石)寺が韓国政府を相手取って起こした「有体動産の引渡し控訴審」を開いた。 (中略)

検察は「日本の観音寺が昨年末、『明確な所有権を主張するため(韓国での)裁判に参加する』と言っていただけに、観音寺側が参加するまで裁判を延ばすべきだ」と主張した。一方、浮石寺側の弁護人は「観音寺の参加意思がはっきりしていない。進行を続けて結論を出すべきだ」と反論した。

結局、裁判所は「次の公判までに観音寺の参加意思がはっきりしなければ、裁判を終結する」と明らかにした。次の裁判は11月24日午後3時に開かれる。 (中略)

韓国外の文化財が韓国で訴訟となった裁判はこれが初めて。窃盗団は陳述で「日本が略奪した文化財を持ってきたのだから、我々は愛国者だ」と主張した。
(引用ここまで)


 対馬の観音寺から盗まれた金銅観世音菩薩坐像の所有権についての裁判が進行してまして。
 これまで韓国検察は「仏像は偽物である」という主張をする鑑定人を連れてきて、延々と偽物説を開陳し続けてきたのですよ。
 この鑑定人は空港で「これ偽物だから通関OK」ってやっちゃった人物なのですけどね。
 いまさらになって検察側は真贋論争はもうやめた、といまになって言いはじめました。

 んで、対馬の観音寺が裁判に参加しなければ、次回で結審するとの話なのですが。
 対馬観音寺側は裁判に参加する意向なので結審はまだ先なのでしょう。
 ちなみに韓国政府は仏像を日本側に返還したいという意向だったりします。
 検察が偽物説にこだわったのも返還を主眼に置いているからこそなのですね、実は。


 んで、この記事にある犯人が「我々は愛国者だ」というのは、刑事裁判の途中で出てきた主張。
 愛国者なのだから国民が参加する裁判で裁いてくれ、とかいう話だったのですね。
 いまだにこの仏像返還裁判のニュースには「犯人らは愛国者だ」とかいうコメントがついたりするのもその影響ですかね。

 でもま、この仏像盗難でよかったことは「韓国人の対日本観」というものがきっちり報道されたということですかね。
 泥棒であってですら日本からの犯行であれば、少なくとも一部からはこうして褒めたたえられるっていう。
 まともな関係を結ぶのは非常に難しい相手である、ということを理解することができた大きな出来事だったと思いますよ。
 そしてこうした管理が雑だった文化財で、博物館への預かりが進んだというのもよかった面のひとつか。  仏像が身代わりになってくれた、ということでもあるのかな。

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