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カテゴリ:文化財盗難の記事一覧

対馬から盗まれた仏像の所有権を争う裁判で韓国側鑑定人が「これは偽物」と主張……なにがなにやら

日韓紛争高麗時代の金銅仏像の所有権裁判「偽物」との主張が提起される(聯合ニュース・朝鮮語)
日本の「百済微笑菩薩150億ウォン」……予算42億ウォンの文化財庁、返還作業を放棄へ(朝鮮日報・朝鮮語)
大田高裁民事第1部(グォンヒョクジュン部長判事)は21日午後、315号法廷で忠南瑞山の曹渓宗浮石寺が国(大韓民国)を相手に出した流体動産、引き渡し控訴審公判を開いた。

この日の裁判では、2012年金銅仏像釜山港を通関する際に「贋作」との所見を出した鑑定委員が証人として出席した。

彼は「仏像の真偽を確認するには、周辺の歴史的な状況ではなく、遺物そのものだけを見なければならない」とし「仏像の錆の色は、現代的な金属物質を人為的に塗った時出てくるタイプ」と主張した。

合金の検査で、金成分が検出されていないと思われる点、土と砂などの異物付着現象、胸の部分に自然でない水平線柄錆なども自分の主張を裏付ける証拠と彼強調した。
(引用ここまで)

7世紀百済美術の最高傑作とされる「百済金銅観音菩薩立像(別名百済微笑菩薩)」の返還が日本所蔵者の無理な価格要求に事実上霧散したという指摘が11日提起された。

国会文化体育観光委員会所属共に民主党イ・ビョンフン(光州広域市東区ナムグウル)議員が文化財庁から提出を受けた資料によると、文化財庁は買取価格の問題で交渉が決裂した2018年以降、百済笑顔菩薩の返還手続きを中断していることが分かった。

百済笑顔菩薩は1907年忠南扶余ギュアム洞の寺で二点が発見された。一点は国宝第293号に指定され、現在は国立扶余博物館に所蔵している。文化財庁の返還を推進していたもう一点は、当時の日本憲兵隊によって押収された。以後、日本人コレクター市田次郎がオークションに買い入れて、日本に搬出した。

学界では日本に搬出された百済の笑顔菩薩が国宝第293号より繊細で洗練されが高いと評価している。国立中央博物館と文化財庁では、目利きを反映した百済笑顔菩薩の返還額に42億ウォンを提示したが、日本所蔵者側は約150億ウォンを希望したことが分かった。

これに対して、文化財庁は鑑定額の42億ウォン以上は執行することができないという立場を見せており、返還交渉が事実上中断された状態とイ・ビョンフン議員は指摘した。この議員は「忠清南道では「百済微小菩薩」など国外文化財還収のための支援条例制定を通じて、今年の予算10億ウォンを編成し、来年から3年間60億ウォンの基金を造成する計画」とし「扶余郡でも、国民の寄付などを介して38億ウォンを募金することにした」とした。
(引用ここまで)


 仏像関連の話題をふたつ。
 ひとつ目は対馬から盗まれた観世音菩薩坐像について、裁判で「これは偽物だ」とする鑑定人が出てきたというニュース。これは今年7月のニュースで、以降の裁判の話題はないので高裁での審理は進んでいないようですね。
 というか、この鑑定人は泥棒がこの仏像を韓国に持ち込んだ際に、税関が鑑定を依頼した人物なのですよ。
 で、その際に「これはレプリカ」という判断をして、韓国への持ち込みを許したという。

 以前にも同様に「この仏像は偽物だ」とする話はあったのですけどね。
 偽物であれば尚のこと、とっとと返還してくれればいいのですが。
 この面でも韓国は国際条約を守れない国であるという認識が世界に広がっているのはよいことですね。
 フランスからは「差し押さえ免除法が立法されないかぎり、韓国への文化財の貸し出しはあり得ない」という扱いを受けています。その際に「対馬の事例もよく知っている」と例に挙げられたそうですよ。

 で、もうひとつは日本人コレクターが購入した百済微笑菩薩について、韓国の文化財庁は買取を諦めたようだ……というニュース。
 韓国側は42億ウォンで売ってほしいとし、所有者側は「最低でも150億ウォン」としているとのこと。
 42億ウォンという金額は文化財庁が予算から出せるギリギリのものだった、という話もありました。
 この交渉が破断となったのが2年前。当時から、オークションで売り払えば200〜300億ウォンになるともされていました。

 文化財庁は2年前の交渉が終わった以降、なんらアクションを起こさなかったということが国会での国政監査の場で暴露されたとのこと。
 ホント、国政監査はいろいろな事実が暴露されて見逃せませんわ。
 地元の扶余市では「寄付金で買取金額を賄おう」とする運動も展開されているのですが、文化財庁は「我々の予算から出す予定だった42億ウォンはその寄付金には足されない」としています。
 所有権があやふやになるから、という話でこれはしょうがないかなぁ……とも思われますが。
 ま、韓国に売却するのであれば日本の所有者もドライに交渉してほしいものです。
 というか、2年前の時点でそうして「決裂も辞さない」という形で交渉ができるようになったのはよいことですよね。

韓国メディア「仏像を略奪した日本が『返還せよ』と言ってきた」……対馬から盗まれた観音菩薩坐像の高裁公判が再開へ

略奪した日本が「返してほしい」…日本から盗んできた金銅仏像の所有権で紛争(中央日報)
窃盗犯が日本の対馬から盗んできた高麗時代の仏像の所有権をめぐる控訴審裁判が再開された。1審で裁判所はもともと仏像があった韓国の寺の所有を認めたが、国に代わり検察が控訴し2審裁判が進行中だ。

大田(テジョン)高裁民事1部は忠清南道瑞山(チュンチョンナムド・ソサン)の浮石寺(プソクサ)が国(韓国)を相手に提起した有体動産(金銅観音菩薩坐像)引き渡しをめぐる控訴審公判を先月28日に開いた。公判が再開されたのは昨年6月25日に弁論準備手続きを終えてから10カ月ぶりだ。

裁判は2016年6月に浮石寺が対馬の寺で盗難に遭った後韓国に持ち込まれた観音菩薩坐像の所有権を主張して始まった。浮石寺は「仏像を持ち主に返してほしい」として裁判所に民事訴訟を提起した。

1審を担当した大田地裁が2017年1月に「これまで進めた弁論と仏像に対する現場検証を通じ仏像は浮石寺所有と推定される。歴史的・宗教的価値を考慮すると仏像を原告である浮石寺に引き渡す義務がある」と判決した。

当時裁判所は「贈与と売買など正常な方法ではなく盗難・略奪などの方法で対馬に移された後に安置されたと推定される。高麗史にも仏像が製作された1330年以降に倭寇が瑞山地域に侵入した記録が残っている点も略奪の根拠とみることができる」と明らかにした。

浮石寺と信徒は歓迎したが、国に代わって訴訟を引き受けた検察は判決に不服として控訴した。「仏像が浮石寺所有なのかを明確にしなければならない」という名分を掲げたが、本音は日本との外交的摩擦を懸念した措置だった。

観音菩薩坐像が窃盗犯によって韓国に持ち込まれた事実が明らかになると日本政府は多様な外交チャンネルを通じ仏像返還を要求した。1審判決直後には日本の菅義偉官房長官が「こうした判決が下されたことはきわめて遺憾」として抗議することもした。

現在仏像は大田にある文化財庁国立文化財研究所に保管中だ。(以下略)
(引用ここまで)


 韓国人によって盗難され、韓国に持ちこまれ、かつ一時は偽物扱いされていた対馬の金剛観音菩薩坐像。
 浮石寺から「返還要求」の裁判が起こされた経緯がまとまっています。ちゃんとしたいい記事なので気になるかたは中央日報で読んでみてくださいな。
 タイトルこそ煽ってきていますが、中身はけっこうまとも。

 っていうか、地裁では「倭寇の略奪によって日本に持ちこまれた」ということが確定事項として判決で語られていたのですが。
 裁判官の「感想」でしかない。っていうか、14世紀に略奪されたから返還せよとかもう近代法からどれだけ逸脱しているのか不明なくらい。

 徴用工判決が日韓基本条約、すなわち国際法に違反している状況を作り出しているという話は幾度もされていますが。
 韓国では条約よりも国内法が優先されるという宣言なのですよ。
 このことは韓国国内でも指摘されつつあって「これやばくない?」っていわれることがあるのですが。ほとんどの場合、問題視はされていません。
 この仏像の所有権帰属裁判もそのひとつといえるでしょう。

 日韓両国が「盗難された文化財は返還する」というユネスコ条約に加盟しているにも関わらず、所有権云々を裁判しているということが異常事態なのですよ。
 この裁判が行われる以前から「所蔵の論拠は薄いけど、国民感情的に返還は難しい」っていわれてましたけどね。  それが世界各国に知られて文化財貸し出しを拒否されている、なんてのは自業自得もいいところ。
 こういうことを韓国がやってきている、ということをもっとアピールしていきたいのですけどね。

対馬から盗まれた仏像の所有権を巡る控訴審が再開、「制作年が争点に」……いや、そうじゃなくてな

カテゴリ:文化財盗難 コメント:(91)
対馬の盗難仏像巡る控訴審 韓国高裁で再開=制作年など争点か(聯合ニュース)
長崎県対馬市の観音寺から盗まれ韓国に持ち込まれた仏像「観世音菩薩坐像」(同県指定有形文化財)について、大田高裁は28日、所有権を主張する韓国の浮石寺(忠清南道瑞山市)が仏像を保管する韓国政府に引き渡しを求めた訴訟の控訴審弁論を開いた。

 昨年6月25日に弁論準備手続きを終えてから約10カ月ぶりの控訴審再開となる。

 原告の浮石寺は、韓国人の窃盗団が2012年に観音寺から盗んで韓国に持ち込んだこの仏像について、数百年前に日本の倭寇(わこう)に略奪されたものだと主張している。17年1月の一審判決では、仏像の中から見つかった記録などを根拠に「浮石寺の所有と十分に推定できる」として同寺への引き渡しが命じられた。

 1951年に仏像から見つかった像内納入品の中には、1330年ごろに瑞州(瑞山の高麗時代の名称)にある寺に奉安するため制作されたと読み取れる内容が記録されていたが、韓国政府側の検察は、記録が実際に高麗時代末期に作成されたことを立証する資料がなく、記録の信ぴょう性は高いとはみなせないなどと主張し、控訴した。

 控訴審は一審判決後、すぐに始まったが、日本側からの文書の返信が遅れて進展がなく、昨年は1月8日と6月25日の2回、書類の検討が行われただけだった。

 控訴審で、高裁は仏像と像内の記録が本物かどうかを見極めるため、原告側と被告側が推薦する専門家を呼び、法理的争点を整理することを決めた。また、仏像から試料を採取し、正確な制作年度を調べる計画だ。
(引用ここまで)


 対馬から盗まれて韓国に持ちこまれた仏像「観世音菩薩坐像」の所属について、ようやく控訴審が開始されることが決まったそうです。
 そもそもが韓国の浮石寺なる寺が仏像の所有権を主張して、引き渡しを求めたというところからスタートしていること自体がおかしいのですよ。
 今回は「胎内に納められた書物の信憑性を調査する」ということに主眼が置かれているとのことですが。
 「正確な制作年度を調べる計画だ」じゃないんだよなぁ。

 まず、ユネスコ条約に従って仏像を返還しろ、っていう話なのですよ。
 で、浮石寺とやらが「所有権は我々にある」って韓国で裁判するのは勝手にしろと。
 前回の地裁では「所有権は浮石寺にある」っていう判決だけでなく、「管理能力は十分に認められる」とか言い出して即時引き渡しをしようと目論んでいたのですが。
 ギリギリのところで阻止されたという経緯があります。

 それに比べると高裁は「日本に返還して浮石寺にはレプリカを置いてはどうか」という打診からスタートしていたりするので、多少はまともな判決が期待できるのかな……とは感じられるのですが。
 「韓国に所有権がある」という判決がそのまま確定したら日韓関係の終焉フラグのひとつとして後世に語られるものになるとは思います。
 徴用工判決に比べればインパクトは小さいですが「韓国は条約を守るつもりがない」という確証のひとつとして使われることになるでしょうね。

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ソニー・インタラクティブエンタテインメント
2020/6/26

韓国人が対馬から盗んだ仏像の控訴審、3年ぶりに再開へ……返還拒否が決定すればまたも日韓関係の悪化要因に……

対馬盗難仏像 控訴審今春再開か=韓国寺院への返還命じる一審判決から3年(聯合ニュース)
 長崎県対馬市の観音寺から盗まれ韓国に持ち込まれた仏像「観世音菩薩坐像」(同県指定有形文化財)について、所有権を主張する韓国の浮石寺(忠清南道瑞山市)が仏像を保管する韓国政府に引き渡しを求めた訴訟の控訴審が再開されないまま3年目を迎えた。 (中略)

 しかし、特別な理由なく控訴審公判が進んでいないことが確認された。昨年は1月と6月の2回、弁論準備を理由に書類の検討が行われただけだった。

 瑞山市長や忠清南道議会は公判の迅速な進行を求める嘆願書を提出したが、その後も進展はなかった。原告側関係者は「観音像の手や膝の部分にさびが出るなど、損傷が懸念される」と主張する。

 原告の代理人弁護士は「(控訴審が)今春には再開されると予想される」と話している。
(引用ここまで)


 政府間で日韓関係を史上最悪に追いこんだのが徴用工問題であるとすれば、民間の問題で最悪になったのはこの裁判といえるかな。
 それでもまだ確定していないので徴用工問題を10とすれば、対馬観音寺の仏像問題は1くらいなものでしょうが。
 これで確定した日にはもうとんでもないことになるでしょうね。
 上の例でいえば4~5くらいの反響になるかな。

 3年ほど止まっていた控訴審がようやく動き出すとのこと。
 韓国での地裁の判決が噴飯物で。「判決が確定する以前に浮石寺に引き渡せ」なんてものだったのですよ。さすがに強制執行停止の申立が行われて認められたのですが。
 あれひとつ見ても、韓国の司法ってものが無茶苦茶であるということが理解できると思います。
 その後、まともに保存されていないために劣化が進んでいることが確認されていましたね。

 ムン・ジェイン政権はパク・クネ政権が徴用工裁判を止めていたことを「積弊清算」と称して再開させ、日韓関係を破壊するための判決を(おそらくそうとは気がつかずに)出させましたが。
 パク・クネ政権と同じことを観音寺の仏像ではやっているという不思議さよ。
 ユネスコ条約(文化財不法輸出入等禁止条約)を通じて返還を求める……くらいしかないですかね。
 ユネスコ条約ができたのは1970年。
 日本がユネスコ条約を批准したのは2002年と遅いのですが、これは高麗仏画盗難がその時期に相次いだため。

 こういう犯罪を犯しておきながら知らぬ存ぜぬを繰り返しているのだから、そりゃ関係も悪くなるでしょ。
 ちなみにこの記事の韓国版では「日本が盗んだのだからなにが悪い」というコメントがほとんど。とはいっても全体で30コメントほどですが。
 ま、韓国人の意識というものが見えてきますかね。

韓国窃盗ビジネスを追え―狙われる日本の「国宝」―
菅野朋子
新潮社
2012/10/18

韓国メディア「日本に収奪された百済の貴重な仏像がすでに展示のために中国に渡っている」→ 上海博物館「そんな事実は一切ない」 → 嘘でした

中国「我々も強奪の被害国、百済金銅観音像の所有者と接触したことがない」(イーデイリー・朝鮮語)
中国上海博物館が百済金銅観音像と関連し、日本側の所蔵者と接触したことがなく、展示する計画もないと明らかにした。

8日文化財庁と国立中央博物館、国外所在文化財財団などによると、上海博物館は「(百済金銅観音像について)日本の所蔵者に連絡するか、連絡業務を委託していなかった」とし「その遺物(百済金銅観音像)を収集や買収してもいないし、展示室で展示することもないだろう」と報じた。

これは去る5日に報道された百済金銅観音像の中国の搬出説と関連し、国外所在文化財財団が上海博物館に問い合わせたによる回答である。

上海博物館は「中国も文化遺産の強奪や盗難の被害者」と強調し、百済金銅観音像の展示や購入について強く反論した。続いて「上海博物館は(韓国の)国立中央博物館と非常に親密な関係であり、多くの韓国人観光客が訪れている」と百済金銅観音像の展示や購入自体がイメージの破損と強調した。

上海大韓民国総領事館韓国文化院長も百済金銅観音像の中国の搬出説が伝わった後、上海博物館を直接訪問して館長を接見したことが分かった。
(引用ここまで)

 先日、日本にあるという百済金剛観音菩薩立像が「来年、中国のシルクロード関連展から1年間、中国で展示されてその翌年の2021年には日本で1年間巡回展示される」というニュースについて、主役とされている中国の上海博物館から否定的な見解が出されています。

 中国の博物館事情はよく分かりませんが、あまり日本で文化財の巡回展示ってやらないのですよね。
 それも1年かけてとか余計にない。
 まれに東京→大阪くらいはありますが、そもそも展示品へのダメージも考えられるし、貸し出しの金額も大きくなるために極力やらない。
 比較的安定的な近代の絵画では、そこそこの頻度でやりますかね。
 なので2014年の故宮博物院展が東博→九州で巡回展だったときはちょっと驚いたほどでした。

 ということもあって、「へー、中国ではそんな風にして展示するんだねぇ……国土が広いから?」とか思っていたのですけども。
 どうもそういうわけでもなさそうな話。
 最初の「中国全土を展示して云々」という記事はハンギョレに掲載されたものですが、どういう意図からそうしたフェイクニュースを出してきたのか……というのが気になります。
 ハンギョレの記事によると「すでに上海博物館の所蔵庫にある」まで書いていますからね。
 で、以前の「中国に収蔵された」という記事に対して韓国では「日本に収奪された仏像を取り替えせ!」という運動が起こりつつあります。

日本に持ち出された仏像の返還求める 韓国団体が会見(聯合ニュース)

 ふむ、この騒ぎで得をしているのは誰か……って話か。
 しかし、「国外所在文化財財団」に「文化遺産回復財団」、「文化財チェジャリ・チャッキ(元の場所に戻す、の意)」とか同じような事柄に対して異常な数の団体があるのですね。
 とても韓国らしい話です。

国宝のお医者さん 1 (BRIDGE COMICS)
芳井 アキ
KADOKAWA / メディアファクトリー
2019/5/2

百済の貴重な仏像が日本で見つかる → 中国と日本の博物館でのみ展示が決定 → 韓国人「なんで母国にこない!」と大騒ぎ

日本にあった三国時代最高傑作仏像、今度は中国に搬出(ハンギョレ)
「百済の微笑」が故国でなく中国に飛んで行った。

 7世紀始め、百済の職人が作った三国時代の最高傑作仏像で、最近日本で90年余ぶりに所在が確認された百済金銅観音菩薩立像が、中国の上海に再び搬出された事実が明らかになった。1907年、忠清南道扶余(プヨ)で出土したと伝えられるこの仏像は、1920年代に日本の収蔵家が搬出した後、行方不明だったが2017年末に日本の企業家の手中にあるという事実を韓国の美術史学者が明らかにした。しかし、昨年韓国文化財庁と所蔵者の還収交渉が大きな金額差で決裂し、国際競売出品が有力視されてきたが、今度は韓国でなく中国で初公開されるうえに、その後も韓国を排除して中国と日本での巡回展示まで推進しているため、韓国国内の文化財学界で論議が予想される。 (中略)

 中国当局は、上海博物館での展示の他にも、来年3月から2年間かけて中国と日本で中国政府の一帯一路政策の歴史的脈絡を指摘する特別巡回展「永遠のシルクロード-仏教芸術の起源」展にも百済仏像を出品することで所蔵者側と合意した状態だ。日中交流センターのタンチサン社長が企画したこの展示は、来年3月から河南省博物館を皮切りに1年間中国の省級博物館を巡回展示して、残りの1年は日本で巡回展示を行う予定だ。上海博物館の常設展と「シルクロード」特別展は、百済仏像を初めて一般大衆に公開する展示イベントになると見られる。しかし、遺物が出土した当事国である韓国の国公立展示機関は完全に排除され、展示以後には中国の博物館や民間財団側が巨額を投じて買い取る可能性も現地学界では提起されていて、韓国国内の文化財学界に大きな波紋を起こすものと見られる。
(引用ここまで)

 2017年に韓国の学者によって「再発見」された百済の金銅観音菩薩立像はその後、昨年に韓国政府からの格安での売却要請を所有者側が断ったことが知られています。
 時価数十億円にもなるとの話でしたが、韓国政府が用意できたのは40億ウォン+αだったのとこと。
 以前の日韓関係だったら、この価格差でも韓国から押し切られていた可能性があるのですが。
 昨今の嫌韓が進んだ日本であれば、むしろ断ることのほうが支持されるくらいのものでしょう。

 で、その後の動向が注目されていましたが、来年3月から中国の博物館でシルクロード関連の展覧会で中国を巡回して、翌年は日本で同様に巡回展示されるとのこと。
 さすがに2021年のスケジュールは公表されていないので、どこの展覧会で見られるかとかは不明ですが。

 これに関して韓国で「なんで韓国の頭越しにそんなことになるのだ!」とこのニュースの韓国版でのコメントで大騒ぎ。

日本にあった三国時代の最高傑作仏像、中国へと搬出(ハンギョレ・朝鮮語)

 コメント数は200とそこそこ多め。
 いわく「これが日本の本性だ。日本旅行など全員やめろ!」とか「遺物はその国に戻すことが正常だ」とか「野蛮な文化を持つ国は他国の文化財を盗んでいくのだ」等々。

 記事では「韓国の展示機関は排除された」とありますが。
 そりゃそうでしょ。
 あれだけフランスにも日本にも台湾にも「返還に関して法的根拠、拘束力なしには貸し出しできない」って言われているのにいまだに差し押さえ免除法を通そうとしていない。
 しかも、法整備しないという理由が「文物の返還要求をしている市民団体が反対しているから」というもので。
 貸し出されたものを盗むつもり満々じゃねえかっていう。
 朝鮮日報は貸し出しをしない日本に対して「器が小さい」とか言ってましたっけ。これが本当の盗っ人猛々しいってヤツか。

 高麗仏画、大般若経、対馬の仏像をユネスコ条約に基づいて返還してから言えって話ですね。

韓国国会議員「日本に不法に持ち出された韓国の文化財を返還しろ!」……なお、不法に持ち出された証拠はない模様

韓国国会議員 「小倉コレクション」の返還求める決議案提出(聯合ニュース)
 韓国の与野党の国会議員が「小倉コレクション」の返還を促す内容を盛り込んだ決議案を国会に提出した。決議案の提出に加わった与党「共に民主党」の金海永(キム・ヘヨン)議員が27日伝えた。

 金氏はこの日、国会で海外に流出した韓国の文化財を取り戻す活動を行う市民団体と共同で記者会見を行い、決議案の内容を公開した。

 小倉コレクションは、日本による植民地時代に南鮮合同電気の社長などを務めた日本人実業家、小倉武之助氏(1870~1964)が朝鮮半島全域で収集した約1100点に及ぶ文化財。小倉氏の死去後、1982年に東京国立博物館に寄贈された。これらの文化財には盗掘など不法な方法で収集されたものが含まれている。

 決議案には韓日両政府に対し、小倉コレクションのうち、不正に持ち出された文化財について綿密に調査するとともに、返還に向けた協議を積極的に進めることを促す内容が盛り込まれた。

 金氏は、日本による植民地時代の1919年に起きた独立運動「三・一運動」から今年で100周年になることに触れた上で、文化財が国外に流出したのは韓国の歴史の痛みでもあり、それを取り戻すことは、歴史と文化に対する自負心を守る上でとても重要だと指摘した。
(引用ここまで)

 3・1独立運動100周年に向けて、先日にちらっと東京国立博物館の東洋館も気をつけなければならないと書きました。
 おそらく小倉コレクションに目をつけてきて、3・1運動にかこつけて返還請求をするだろうなと思っていたのですよ。
 案の定でした。
 東洋館では現在、三国時代の展示がいくつか行われているようですが、3月1日に向けて警備員を増員すべきでしょうね。

 とにかく入手経路はどうであれ、韓国に入ってしまったらもう返還はあり得ない。
 対馬の仏像もそうですし、兵庫で盗まれた高麗仏画も同様。
 国内の水際作戦で奪還しないかぎり、戻らないのですから警備を増強するに越したことはないと考えます。

 さて、明白に3月1日に向けて韓国国内の反日が盛り上がりを見せています。
 問題は盛り上がりがここで終わるのではなく、そのレベルで天井に貼りついたままになるということなのです。
 この日以降、こうしたむき出しの悪意を韓国は日本に向け続けることになるのですよ。

対馬から盗まれた仏像、一切保存処理等されずに劣化が進行していた

対馬の盗難仏像に現場検証…き損が深刻(中央日報)
2012年対馬観音寺で窃盗犯によって韓国に持ち込まれた浮石寺(プソクサ)金銅観世音菩薩坐像の所有権控訴審で裁判所が仏像現場の検証を実施した。

大田(テジョン)高裁第1民事部は6日午後、大田国立文化財研究所で金銅観世音菩薩坐像の現場検証を行った。仏像保管状態とき損状態を確認し、仏像の真偽を確認するためだ。

現場検証結果、仏像のき損状態が深刻であることが分かった。仏像の顔は黒い色に変色し、左手の甲は一部が落ちたような跡が発見された。また、仏像の所々が緑色に錆がつき、腐食された跡が発見された。

国立文化財研究所関係者は取材陣に「現在としては保存処理する権限がなく、国家間紛争の余地があり手を付け難い」と話した。現在、韓国では盗難品を保存処理させる法律がなく、仏像は別途の保存処理なしで封印された状態だ。
(引用ここまで)

 対馬から盗難され、返還を求めた訴訟で地裁から「判決確定前に韓国側の寺に返還しろ」なんてトンデモ判決が出た金銅観世音菩薩坐像でしたが、ぎりぎりのところで強制執行差し止めに成功。
 現在は韓国の文化財研究所に保管されている仏像がかなり傷んでいるとの記事。
 保管されている、というよりはただ置かれているだけということらしいですね。

 2015年にすでに返還済みの銅造如来立像もかなり毀損された状態であったとされています。
 盗難時に毀損されたのか、保存状態がよくなかったのかはいまひとつ分からないのですが、指が欠けているなどの状態だったとのこと。
 韓国におけるこういった文化財の修復技術に関して、かなり不安があります。

 統一新羅時代の木製サイコロが出土したので乾燥させようとして燃やしたりもしています。
 そんな連中が日本にある李氏朝鮮時代の遺物を「保存状態がめちゃくちゃだから返還しろ」とかも言ってましたっけ。
 楽韓Webでは南大門再建に伴うぐだぐだを現地からレポートしていますが、想定以上にひどかったことを覚えています。

 もうとにかく普通に保管しておいてくれればそれでいいという気分でいっぱいですよ。むしろ触れてくれるなと。
 こういうひとつひとつの事柄で日本側の嫌韓はなおのこと進んでいくのですよね。

今日、見に行くことができる国宝・重要文化財レトロ建築
伊藤隆之
地球丸
2017/8/10