日本の「百済微笑菩薩150億ウォン」……予算42億ウォンの文化財庁、返還作業を放棄へ(朝鮮日報・朝鮮語)
大田高裁民事第1部(グォンヒョクジュン部長判事)は21日午後、315号法廷で忠南瑞山の曹渓宗浮石寺が国(大韓民国)を相手に出した流体動産、引き渡し控訴審公判を開いた。
この日の裁判では、2012年金銅仏像釜山港を通関する際に「贋作」との所見を出した鑑定委員が証人として出席した。
彼は「仏像の真偽を確認するには、周辺の歴史的な状況ではなく、遺物そのものだけを見なければならない」とし「仏像の錆の色は、現代的な金属物質を人為的に塗った時出てくるタイプ」と主張した。
合金の検査で、金成分が検出されていないと思われる点、土と砂などの異物付着現象、胸の部分に自然でない水平線柄錆なども自分の主張を裏付ける証拠と彼強調した。
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7世紀百済美術の最高傑作とされる「百済金銅観音菩薩立像(別名百済微笑菩薩)」の返還が日本所蔵者の無理な価格要求に事実上霧散したという指摘が11日提起された。
国会文化体育観光委員会所属共に民主党イ・ビョンフン(光州広域市東区ナムグウル)議員が文化財庁から提出を受けた資料によると、文化財庁は買取価格の問題で交渉が決裂した2018年以降、百済笑顔菩薩の返還手続きを中断していることが分かった。
百済笑顔菩薩は1907年忠南扶余ギュアム洞の寺で二点が発見された。一点は国宝第293号に指定され、現在は国立扶余博物館に所蔵している。文化財庁の返還を推進していたもう一点は、当時の日本憲兵隊によって押収された。以後、日本人コレクター市田次郎がオークションに買い入れて、日本に搬出した。
学界では日本に搬出された百済の笑顔菩薩が国宝第293号より繊細で洗練されが高いと評価している。国立中央博物館と文化財庁では、目利きを反映した百済笑顔菩薩の返還額に42億ウォンを提示したが、日本所蔵者側は約150億ウォンを希望したことが分かった。
これに対して、文化財庁は鑑定額の42億ウォン以上は執行することができないという立場を見せており、返還交渉が事実上中断された状態とイ・ビョンフン議員は指摘した。この議員は「忠清南道では「百済微小菩薩」など国外文化財還収のための支援条例制定を通じて、今年の予算10億ウォンを編成し、来年から3年間60億ウォンの基金を造成する計画」とし「扶余郡でも、国民の寄付などを介して38億ウォンを募金することにした」とした。
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仏像関連の話題をふたつ。
ひとつ目は対馬から盗まれた観世音菩薩坐像について、裁判で「これは偽物だ」とする鑑定人が出てきたというニュース。これは今年7月のニュースで、以降の裁判の話題はないので高裁での審理は進んでいないようですね。
というか、この鑑定人は泥棒がこの仏像を韓国に持ち込んだ際に、税関が鑑定を依頼した人物なのですよ。
で、その際に「これはレプリカ」という判断をして、韓国への持ち込みを許したという。
以前にも同様に「この仏像は偽物だ」とする話はあったのですけどね。
偽物であれば尚のこと、とっとと返還してくれればいいのですが。
この面でも韓国は国際条約を守れない国であるという認識が世界に広がっているのはよいことですね。
フランスからは「差し押さえ免除法が立法されないかぎり、韓国への文化財の貸し出しはあり得ない」という扱いを受けています。その際に「対馬の事例もよく知っている」と例に挙げられたそうですよ。
で、もうひとつは日本人コレクターが購入した百済微笑菩薩について、韓国の文化財庁は買取を諦めたようだ……というニュース。
韓国側は42億ウォンで売ってほしいとし、所有者側は「最低でも150億ウォン」としているとのこと。
42億ウォンという金額は文化財庁が予算から出せるギリギリのものだった、という話もありました。
この交渉が破断となったのが2年前。当時から、オークションで売り払えば200〜300億ウォンになるともされていました。
文化財庁は2年前の交渉が終わった以降、なんらアクションを起こさなかったということが国会での国政監査の場で暴露されたとのこと。
ホント、国政監査はいろいろな事実が暴露されて見逃せませんわ。
地元の扶余市では「寄付金で買取金額を賄おう」とする運動も展開されているのですが、文化財庁は「我々の予算から出す予定だった42億ウォンはその寄付金には足されない」としています。
所有権があやふやになるから、という話でこれはしょうがないかなぁ……とも思われますが。
ま、韓国に売却するのであれば日本の所有者もドライに交渉してほしいものです。
というか、2年前の時点でそうして「決裂も辞さない」という形で交渉ができるようになったのはよいことですよね。