量産着手は朗報だが、KF21に対する期待と同じくらい憂慮が大きい。 特に、量産契約の規模が公開され、価格が高すぎるのではないかという議論が起きた。
結論から言えば、KF21の価格は高い方とは言い難い。 KF21の初年度量産物量は計20台で、契約規模は1兆9610億ウォンだ。 飛行機の心臓になるエンジンは、ハンファ·エアロスペースが5562億ウォンで受注した。 戦闘機の目の役割をするAESA(能動位相配列)レーダーは、ハンファシステムが1100億ウォンで20台を担当する。 単純に計算すれば、総生産価格は2兆6272億ウォンで、これを20台に分けると1300億ウォン程度になる。
競争対象に挙げられるフランスの戦闘機ラファールは、1機当たり1500億ウォン程度で取り引きされるという。 競争機種より200億ウォンほど安い。 (中略)
しかし、業界の意見は違う。 防衛産業界の関係者は「ひとまず1台当たり1300億ウォンは誤った計算」と明らかにした。 (中略)
エンジンとレーダーも全部含めて計算しても、1台当たり1000億ウォン台を超えないものと見られる。 (中略)
「最近4.5世代戦闘機の平均単価は1台当り1500億ウォンまで上昇し、オプションによっては2000億ウォンまで上がる」と説明した。
(引用ここまで)
韓国メディアでたまに出てくる「KF-21は優れまくっている」とするコラム。
今回は「KF-21は同じ4.5世代戦闘機であるラファールと同じか、それを凌駕することができる!」ってネタ。
あまりに長いので冒頭で中略を入れつつ引用しましたが、まとめるとこんな感じ。
・ラファールは最低でも1500億ウォンするが、KF-21は現状でも1300億ウォン。将来的には1000億ウォンを割りこむ
・国産部品が多いので修理のしやすさはKF-21が圧倒する
・現状でもステルス性はKF-21のほうが上。
・さらに将来、ウェポンベイ等を採用すればKF-21は実質ステルス機となる。
・さらにさらにKF-21は将来的には第6世代戦闘機にも匹敵することとなる。
・多くの国がすでにKF-21の導入に興味を示している。
・インドネシアが憎くても最初の輸出先として切ることはできない。
……長いよ。
「国産部品が多いから整備性が高い」とかそれ韓国の立場だけで、国外の導入国には関係なくね?
「インドネシアが憎くても」ってのは実際にそう小見出しで書いてあります。
元記事をごらんあれ。
インドネシアについてはもともとは1兆6000億ウォンの開発分担金を支払うとのことでしたが、1兆ウォンのディスカウントを提示されてそれを丸呑みにせざるを得ませんでした。
63%ディスカウントに成功したわけです(機体代金別)。
韓国政府、「独自戦闘機KF-21」についてインドネシアから依頼のあった1兆ウォンの分担金ディスカウントを丸呑みしてしまう(楽韓Web過去エントリ)
こうした状況を韓国では「ホグにされた」(バカにされた、といった意味でさらに悪意のある表現)としてもっとも嫌います。
弱者扱いされたってことになるのですね。
で、そのインドネシアがKF-21を半ばキャンセルしたにもかかわらず、ラファールF4の導入を決定している(デリバリはまだ)。
そんなわけで「ラファールよりもKF-21のほうがよっぽど強いんだからねー」みたいな記事を書いてみたってのが実態でしょう。
バリバリに現役、シリア爆撃なんかにも参加しているラファールと、まだ就役すらしていないKF-21を比較していることがナンセンスなんですけどね。
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