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カテゴリ:KF-X事業の記事一覧

韓国メディア「フィリピンが韓国独自の戦闘機KF-21にラブコール。F-16Vとグリペンとの三つ巴に!」……なお、韓国以外の報道だとグリペンでほぼ決まりの模様

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(50)
「KF-21」フィリピンからラブコール… 3つの国の競争(SBS・朝鮮語)
中国と南シナ海の領有権をめぐって争っているフィリピンは、最近、次期戦闘機の導入を進めていますが。 韓国のKF-21戦闘機に大きな関心を示したことが分かりました。 (中略)

フィリピンのマニラで開かれた国際防衛産業展示会。

先月オーストラリアで実施された多国籍軍事訓練の中で、模擬近接空中戦に関心が集中しました。

フィリピン空軍の韓国製軽攻撃機FA-50がタイ空軍主力のスウェーデン戦闘機グリペンに勝利した訓練です。

マリオ・メンドーサフィリピン空軍FA-50操縦士「初めて参加した訓練だったので非常に挑戦的な経験でしたがFA-50は私の役割を果たしました」

FA-50に対するフィリピンの満足感は、韓国型超音速戦闘機KF-21に対する期待感につながりました。

フィリピン軍当局は今年7月末、KF21を導入対象として検討するという意味の情報提供要請書を韓国航空宇宙産業KAIに送りました。

展示会に出席したフィリピン国防部次官は「性能と価格で競争力を備えたKF21に注目している」と述べたとKAI側は明らかにしました。

KF21の競合機種としてはスウェーデンのグリペンとアメリカのF16が挙げられますが、フィリピンは次期戦闘機を12機から最大40機導入する計画です。
(引用ここまで)


 フィリピンの防衛産業展示会にFA-50、KF-21の開発主体であるKAIが出展してまして。
 そこでFA-50等の展示を行ったとのニュースがありました。

KAI、フィリピン防産展示会参加… FA-50・KF-21戦闘機展示(ニュース1・朝鮮語)

 んで、その延長線上で「フィリピンが次期戦闘機選定にKF-21を候補として入れた」というのが冒頭のニュース。
 んー、どうでしょうかね。
 かなり難しいと思います。

 韓国国内では「フィリピンは韓国製のFA-50を導入しているから、同じく韓国製のKF-21もかなり有望だ」とされているのですが。

 FA-50ってなにもジェット戦闘機がないところにはよいと思うのですよ。
 フィリピンは2000年代にF-5が退役してから、まともな戦闘機を持っていなかったのですが2015年にFA-50を12機導入しています。
 ここからF-16等につなげるのだろうと当初からされていました。


 FA-50(T-50)はF-16のミニバージョンであり、F-16を所有している国にいろいろと売り込んでいます。このセールス手法はそれなりに成功しています。
 つまり、その逆として「FA-50を導入している国に、F-16をセールスすることも可能」なわけです。
 で、韓国的にはKF-21は「F-16よりもちょっと強力な戦闘機」を目指して開発されているので、「フィリピンの要求にフィットするはずだ」と。

 フィリピンにおける目下の問題は対中国の防衛力増強。
 「主力戦闘機が12機のFA-50」ではあまりにも貧弱。なんとかして航空戦力を増強したいところなのです。
 そこに韓国が「今度うちが作ったKF-21はどうですかー」とばかりに持っていったと。

 ただ、今回の次期戦闘機選定はスウェーデンのグリペン採用でほぼ決定でしょう。
 F-16Vは現在のフィリピンには高価すぎる。
 KF-21はまだ戦力化すら出来ていない。おまけに双発で単価も高い。
 ちなみにフィリピンの次期戦闘機についての英語圏の報道では、ほとんど「グリペン VS. F-16」になってて、KF-21とか影もありません(笑)。
 そりゃそうだわな。当て馬にすらなっていないでしょうね。

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「韓国独自の戦闘機」KF-21、インドネシアからの開発分担金は1兆ウォン(63%減)のディスカウント……それでもインドネシアを切り捨てられない理由とは?

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(50)
「KF21の分担金を削減してくれ」 あきれる… 韓国「聞いてあげよう」(世界日報・朝鮮語)
インドネシア分担金が大幅に低くなり、共同開発の趣旨が色あせたという指摘が出ている。

インドネシアとのKF21共同開発分担方式が「少なく与える、少なく受け取る」ことになったのは予想された問題だった。

この数年間、あちこちで「警報」が鳴ったが、政府はインドネシアの態度変化を引き出すモメンタムを見つけることができなかった。 その結果は、国民の血税で分担金の不足分を埋めるという官僚主義的な決定だった。 (中略)

今年5月までにインドネシアが支払った金額は3783億ウォン。

1200億ウォンあまりをさらに払って終わらせるという意味だ。 分担金1兆ウォンが目の前で消えるわけだ。 (中略)

インドネシアが望む水準の技術移転は、最初から実現が難しかった。 AESAレーダーは国防科学研究所(ADD)が作り、エンジンの国産化率は50%に及ばなかった。

輸入官級装備10種余りをはじめ、海外原著作権国家輸出承認(E/L)が必要な技術、韓国政府が核心技術に分類した技術などを除けば、韓国航空宇宙産業(KAI)にいたインドネシア技術陣が接することができる技術は非常に制限的だ。 (中略)

フランスはラファルの購入国に多額の融資を提供している。 エジプトがラファールを初めて購入した時、導入費の80%以上はフランスの融資で満たされた。
(引用ここまで)


 もう一本、KF-21関連の記事。かなり長いので引用部分は相当にざっくり削っています。
 全体を箇条書きにするとこんな感じ。

・インドネシアの分担金は6000億ウォンになった。韓国は1兆ウォンのディスカウントに応じた形だ。
・インドネシアは技術移転を要望していたが、海外からの技術もあって韓国側が移転できる技術はそれほどなかった。
・ただ、インドネシアもフランスとラファールの契約をするなどしていた。
・これはフランスから融資を受けてのものだ。韓国は融資ができない状況である。
・また、空対地攻撃ができるマルチロール機が必要なインドネシアにKF-21のブロック1は空対空だけしか提供できない。
・F-16やグリペンと異なり、輸出実績のないKF-21にとってインドネシアは捨てがたいパートナーになる。

 1兆6000億ウォンの分担金を支払う予定だったインドネシアですが、1兆ウォンをディスカウントして6000億ウォンの支払いを予定。
 現在まで3783億ウォン支払われているので残りの2000億あまりを支払って終了。


 まず、こんな事態を招いてしまった最大の理由は、韓国がメガバンクを持っていないことといえるでしょう。
 UAEへの原発輸出でも自国で融資ができずに国際市場から借りて逆ざやになってUAEに貸し付けしてましたね。
 「融資とのセットで売りつける」ってことが最低限のことしかできない。
 フランスはラファールでと融資を紐付けた販売をインドネシアでやっている。インドネシアがKF-21とラファール、どちらを選ぶかっていったら……ね。
 もうひとつ、「インドネシアを切り捨てられない理由」としては「輸出実績」がほしいから。
 同世代としているF-16やグリペンには輸出実績があり、すでに空対地の攻撃能力が充分にある。
 KF-21はどうがんばってもブロック2までは空対地攻撃能力を獲得できない。
 「インドネシアが欲しがった」って実績がどうしてもほしいんでしょうね。

 まあ……自国で戦闘機を製造したい、って気分は分からないでもない。
 インド(テジャス)もトルコ(KAAN)もやっていますからね。
 でも、インドネシア以外のどこにも売れず、鶏肋そのものになりそうな感じではありますが。

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「韓国独自の戦闘機」に搭載されるアメリカ製エンジン、契約時「国産化比率は60%ていど」→「40%くらい?」→直近「調べたら20%を切ってました」

[単独]国産戦闘機KF-21エンジン70%はアメリカ産[KF-21現在と未来(1)](フィナンシャルニュース・朝鮮語)
韓国型戦闘機KF21ポラメに装着されるエンジンの国産化率は、従来知られていた40%ではなく、20%前後と把握された。

現在、ハンファ・エアロスペースと米ゼネラルエレクトリック(GE)が一緒に作るエンジン部品の国産化率も30%台にとどまり、ハンファ・エアロスペースが製作さえできず、GEが直接納品するエンジン部品まで含めれば、KF-21に装着されるエンジンの国産化率は20%前後に落ちることになる。 これにより、直ちにKF21初度物量20台に入るエンジン費用4600億ウォンのうち、約3100億~3500億ウォンがGEなど米国の部品メーカーに入ることになる。 今後、戦力化物量を120台に拡大すれば、約2兆ウォン程度を支給せざるを得ないのが実情だ。 (中略)

ハンファ・エアロスペースの主張する基準での国産化率である40%ではなく、政府基準の国産化率は20%台となり、4600億ウォンのエンジン費用のうち、ハンファ・エアロスペースに対する支給分は1000億ウォン台にとどまることになる。

国産化率は全体費用対比国内企業費用と推算するという点で、最近の高為替レートによってKF21全体国産化率も既存65%から多少下方修正された。

政府当局者は「GEで技術移転をしてくれないエンジン品目を含めると、エンジン国産化率は20%未満の水準」とし、「政府が規定した公式を適用すれば、そのように出てくる」と説明した。 また、別の当局者は「免許生産を通じて加工の側面で技術を積んできた」としながらも、「体系開発当時の目標として韓国産化率と量産に突入した現段階でのエンジン国産化率は似たような水準」と指摘した。
(引用ここまで)


 2026年の戦力化を目指して開発中の「韓国独自の技術で設計製造される」KF-21。
 ま、独自のエンジンは作れないのでF414をライセンス生産することになっています。6機の試作機にはGEから輸入したものを搭載。
 1号機からはハンファ・エアロスペースがライセンス生産するものを導入予定となっています。

 なんでも提案されたのがF414の最新スペックの「F414-EDE」や「F414-EPE」ではなく、F414-GE-400だったってことで、韓国メディアは不満を表明していましたが。

韓国人「また後頭部を殴られた!」→韓国型戦闘機KF-Xのエンジン入札が完了(楽韓Web過去エントリ)

 F414-400でなんの不満があるのやら。
 ……まあ、騒音はひどいのですでに試作機のある飛行場周辺の住宅には防音サッシを導入するなどの補償が行われているそうですが。


 で、搭載エンジンがF414と決まった当初からハンファ・エアロスペース(当時はハンファ・テックウィン)は「国産化率は60%ていどになるだろう」としていました。
 その後、「40%くらいになるかもしれない」と述べていたのですが。

 実際には20%前後であることが判明したとのニュース。
 うん、まあ……でしょうね。
 GEが譲る理由もないですし。国産エンジンが作れるっていうのであればともかく、そうでなければ強気に出られてもしかたがない。

 日本でも戦車の90式の主砲はラインメタルからのライセンスを受けて製造されているものですが、「国産でも作れるからライセンス料は低くしてね」って話をして認められたそうですわ。
 最近になってハンファは「独自技術で戦闘機エンジンを作れるぞ!」ってアピールしているのですが、おそらくはF414のライセンス料や部品代を下げてもらうためのアピールでしょう。実際に製造できるかどうかはともかく。

 ついでに全体の国産化率も65%から下落した状態との話。これはウォン安だから、とのことですが。
 まあ、こんな風にいろいろとグダグダするんでしょうね。1号機ができた後でも。

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韓国政府、「独自戦闘機KF-21」についてインドネシアから依頼のあった1兆ウォンの分担金ディスカウントを丸呑みしてしまう

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(55)
KF21プロジェクト、結局1兆ウォンが踏み倒された(チャンネルA・朝鮮語)
2016年の契約当時、インドネシアが負担することにした戦闘機KF21の開発費は事業費の20%、1兆6000億ウォンです。
試作機1台と技術を移転し、48機をは現地生産する条件です。 (中略)

ところが、インドネシア側が予算不足を理由に初年度を除いて分担金を延滞し続けたが、6000億ウォンだけ出すと提案しました。
現在まで4000億ウォンを出したインドネシアとしては、今後2000億ウォンだけをさらに負担するということです。

結局、私たちが1兆ウォンを抱え込むことになったのですが、政府は今日、これを受け入れると明らかにしました。 (中略)

韓国政府は、「コスト削減などで実際の負担は1兆より少ない5000億ウォンと見ている」とし、「破棄よりは共同開発の持続が有利だ」と明らかにしました。
(引用ここまで)


 「韓国独自技術で設計・製造される戦闘機」KF-21の開発費について、韓国政府が60%を負担、開発主体のKAIが20%を負担。
 そして「共同開発国」であるインドネシアが20%を負担する予定でした。
 ところがインドネシアは1兆ウォン以上の分担金の支払いを延滞。

 なぜかこのインドネシアとの契約は民間企業であるKAIとのものになっていまして。
 かつ、インドネシア側に一切の罰則なし。
 2回の延滞があった場合にはKAI側から契約解消を申し出ることができるとの契約内容だったのです。
 民間企業であるKAIが国家を相手に契約解消を申し出ることは実際には難しかったでしょうね。

インドネシア、韓国に対して「KFーXの開発分担金を支払って欲しければうちの輸送機をバーターで買ってくれ」と要求。さらに不払いの違約金はない契約だった……なんだそりゃ(楽韓Web過去エントリ)

 ただまあインドネシア側の視点を考えてみると、また違った見方ができるんじゃないかなって感じです。


 つまり、海のものとも山のものともつかない、具体的にいえば初期生産型では空対空しか戦闘能力のない戦闘機にそこまでオールインするわけにもいかないってのも実際でしょう。

韓国の独自技術で製造されるKF-X、初期生産型の40機には対地攻撃能力ゼロ?(楽韓Web過去エントリ)

 ましてや実績のあるラファール、F-15EX(F-15ID)を導入することが決まっているのですから、KF-21はもう切ってもいい。
 支払い済の4000億ウォンとおそらくパーム油等で現物支給されることになる2000億ウォン分までは払う。
 それ以上は負担する気がないと言い渡されてしまったわけです。

 で、韓国の立場ではなんとしてでも「輸出実績」がほしいので、こんな無茶苦茶でも受け入れるしかなかった……と。
 大元の契約では韓国で製造した試作機を1機引き渡し、インドネシア現地で48機を生産するとの話でしたが、そのあたりも大きく変更されるとは思われますが。
 まあ、インドネシアの勝ち、かな。

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インドネシア、韓国に「戦闘機の開発分担金を1/3にする。技術供与もそのレベルでいい」と実質的なKF-21開発からの離脱を宣言

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(88)
タグ: KF-21 KF-X 軍事
韓国と超音速戦闘機を共同開発中のインドネシア「分担金は3分の1だけ払います」(朝鮮日報)
 韓国と超音速戦闘機「KF21」を共同開発しているインドネシアが、当初合意された開発分担金の納付を3分の1の水準のみにとどめたい、と韓国政府に提案した。共同開発の代価として予定されていた戦闘機技術移転も、それに相応の水準に限って受けるという立場だ。

 業界関係者が6日に明らかにしたところによると、インドネシアは最近、韓国政府に「KF21分担金を、支払い済みの3000億ウォン(現在のレートで約340億円。以下同じ)のほかさらに3000億ウォンを加えて、計6000億ウォン(約680億円)を2026年までに納付したい」と通知したといわれている。当初予定されていたインドネシアのKF21開発分担金はおよそ1兆7000億ウォン(約1930億円)で、後におよそ1兆6000億ウォン(約1820億円)に減額された。 (中略)

 韓国政府がインドネシア側の提案を受け入れた場合、KF21の総開発費8兆8000億ウォン(約9990億円)のうち1兆ウォン(約1140億円)を韓国政府の予算で追加分担することになる見込みだ。韓国政府は、インドネシア側の提案を検討している。

 インドネシアは、KF21共同開発の代価として試作機1機と技術資料の移転を受けた後、48機をインドネシア現地で生産する計画だった。実際、計6機が作られたKF21試作機には、韓国の国旗とインドネシアの国旗が一緒に描かれている。しかし、インドネシアの分担金規模が減ったら、共同開発に伴う恩恵の規模も縮小するものとみられる。
(引用ここまで)


 韓国が「独自技術で開発している」KF-21の共同開発国となっているインドネシアが「開発分担金を当初予定の1/3にしてくれ。技術移転も1/3でいい」と述べている、とのニュース。
 楽韓Webでは延々とKF-X、KF-21について追ってきましたが。
 インドネシア側はこれまで1兆ウォンほどの分担金を滞納してきました。

韓国の戦闘機開発に参加しているインドネシア、開発分担金の未払い金が1兆ウォンに迫る……もしかして他の戦闘機購入の交渉カードにしてた?(楽韓Web過去エントリ)

 ひとつの結論に達したと見てよいと思います。
 すなわち、「KF-21導入しなくてもいいや」ってことです。あと技術移転もいらないって。
 KF-21の共同開発をするよりも前、インドネシアの戦闘機はえらい混沌の状態を迎えていました。

Su-27 5機
Su-30MK 2機
Su-30MK2 9機
F-16A/B 10機(アップグレード済も含む)
F-16C/D 23機
T-50i 13機
Hawk200 22機
EMB314 13機

 ロシア機とアメリカ機、韓国機、イギリス機、ブラジル機のごちゃ混ぜ。
 アメリカに武器禁輸措置の制裁を受けていたこともあって、ロシア機を導入していた時期があったのですね。
 Su-35も取得予定だったのですが、アメリカからの圧力で契約破棄。
 ちなみにKF-21の分担金でも現物支給をとしていましたが、Su-35の契約交渉でも農産物とのバーターが行われる予定でした。


 現在はF-16A/Bの退役が進んでいて、その代わりにフランスからラファールF4を42機、そしてアメリカから24機のF-15EX導入が進んでいます。
 地域大国としても66機の4.5世代機を揃えたのならそれなりに面目も立って、防衛力もなんとかなるってことでしょうね。
 まだ実機はゼロですが。
 でもま、それをいうならKF-21も実機はまだゼロ。

 インドネシア側が自国の開発分担金を6000億ウォン、1/3規模にしてほしいってことは、残りの全額を現物納付にするってことかもしれませんね。
 以前から1/3を現物納付にするとの話でしたから。

韓国とインドネシアが戦闘機KF-21の共同開発で最終合意。インドネシアの分担金のうち、3割を現物支給に決定(楽韓Web過去エントリ)

 これまではKF-21って保険が必要だったのですよ。
 ラファール導入もまだ分からないし、アメリカはかつてインドネシアに武器禁輸措置をしていた実績があります。
 なので契約を交わすまでは保険としてKF-21の共同開発もキープしておく必要があった。
 ですが、ラファールはすでに3次契約まで行って42機の取得にゴーサインが出ています。
 F-15EX(F-15ID)もアメリカ政府からの販売承認を受けています。

インドネシアが戦闘機ラファールの導入で正式契約……KF-21を共同開発する韓国からは「インドネシアなんていらないだろ」との声も……(楽韓Web過去エントリ)
インドネシア、F-15EXを24機発注。韓国と共同開発しているKF-21からは離脱か?(楽韓Web過去エントリ)

 インドネシアにとって、KF-21の役割は終わったってことです。
 まあ、最初からあるていど見えていた結論ではありましたが。いつものようにインドネシアはインドネシアでしかないってわけです。

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韓国製戦闘機、KF-21の開発分担金を滞納しているインドネシア、「10年の分割払いで支払い終了は2034年」を打診……ラファール、F-15EXの「保険」だけの存在ですかね

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(41)
インドネシア、KF-21分担金1兆ウォンを「開発完了8年後に出す」要請で物議を醸す(東亞日報・朝鮮語)
韓国とインドネシアが韓国型超音速戦闘機KF21を共同開発中である中、インドネシア政府が開発分担金納付期限を2034年まで延長してほしいと昨年12月末、韓国側に要求した事実が一歩遅れて明らかになった。

これに先立ち、インドネシアは2016年の契約当時、約1兆6000億ウォンを2026年6月までに支払うことにしていた。 創軍以来最大(8兆8000億ウォン)兵器開発事業である韓国型戦闘機事業で、開発費の20%を分担することにしたのだ。 しかし、その後、納付を今日明日と先送りし、予定金額より今月基準で1兆ウォンほど少なく納付した。 このように不誠実納付で論議を呼んだ後、最終納付期限も当初契約した2026年ではなく、2034年まで8年を延ばしてほしいと言ったという。

韓国政府は、戦闘機の開発が2026年に完了するだけに、開発が終わってから8年後に金を出すという提案は受け入れがたいという立場だという。 ただ、インドネシアが完納の意志を明らかにし、共同開発を継続する意志も確認しただけに、ひとまず両国実務陣の線で妥協点を見出すために非公式議論を進行中だと伝えられた。

18日、外交筋と防衛産業界の関係者によると、インドネシア国防部は昨年12月末、KF21開発事業を管理する韓国防衛事業庁に開発分担金の納付期限延長を提案した。 そして、2034年までに年度別納付計画を盛り込んだ提案書も送った。 現在、インドネシアの開発費分担金の残高は約1兆3217億ウォンだ。 今年から毎年同じ金額を出すなら、2034年まで毎年約1100億ウォン台の金額を出すことになる。

韓国政府は、この提案に公式に拒否の立場を明らかにしていないという。 ただ、内部的には受け入れ難いという方針だという。 兵器体系の開発費を開発が終わった後に出すという提案自体が現実性に欠けるということだ。 KF21システムの開発は2026年に終わる。 40台と予想される初期生産分は直ちに2026〜2028年に量産され、韓国空軍に実戦配置される予定だ。 (中略)

ただ、政府は財政難を訴えてきたインドネシアが、今回は年度別計画まで具体的に指摘し、分担金完納の意志を初めて明らかにしたのは意味があると評価している。
(引用ここまで)


 KF-21の「共同開発国」になっているインドネシアですが、全体の20%を負担することになっている開発分担金を現時点で1兆ウォンほど滞納しています。
 分担金の30%を現物で支払うともしていたのですが。

韓国とインドネシアが戦闘機KF-21の共同開発で最終合意。インドネシアの分担金のうち、3割を現物支給に決定(楽韓Web過去エントリ)

 この合意があった際には原油かパーム油じゃないかとされていましたが、原油は韓国の精油所に合うとも思えないのでパーム油が本命かな……くらいに思っていたのですけどね。
 その後、この現物支給についても梨の礫。
 今回の報道では10年に渡って分割して支払っていくとしている。まあ

 ほんのわずかに「支払いする意思はある」ていどの支払いはあったようですが、それだけですかね。
 これまでインドネシアはラファールの最新版であるラファールF4を42機、さらにF-15EのリファインバージョンであるF-15EXを24機発注することが決まっています。
 4.5世代機を66機揃えることになったわけですね。


 韓国が独自技術で製造しているKF-21は4.5世代機としていますが、インドネシアはもうすでにそのレベルの機種を66機契約しているわけです。
 まだ納入はされていませんけどね。

 KF-21がラファール、F-15EX(F-15ID)を超える性能があるとも思えません。
 唯一、機体形状によるRCS低下においてはKF-21が上という可能性もなくはないですが。
 ラファール、F-15EXともにすでに完成されているマルチロール戦闘機で、確実性が高い。

 それらと比べるとKF-21の初期生産分は対空攻撃しかできることがない。
 初期生産分からどのくらいのペースでアップデートされるかも分からない。
 そりゃ、インドネシアとしても「保険としてはキープしておきたいけど、支払いはできるかぎり遅らせたい」ってくらいの扱いになるでしょうよ。
 KF-21の現在の地位ってものはそれくらいのものだって話ですよね。

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韓国人「韓国独自技術で製造されたKF-21をステルス化するために、エンジンを国産化しなければ」……うん、がんばれ

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(92)
タグ: KF-21 KF-X F-414
「KF21ステルス戦闘機転換、エンジン国産化なしには難しい」(イーデイリー・朝鮮語)
今後、ステルス戦闘機と攻撃用無人機の開発のために航空エンジンの国産化が急がれる中、ハンファ·エアロスペース(012450)が1万5000ポンド力(lbf)以上の推力を出す航空エンジンの開発に挑戦する。

ハンファ・エアロスペースのイ·グァンミン航空事業部長(専務)は13日、ソウル龍山区(ヨンサング)の国防コンベンションで開かれた記者懇談会で、「航空エンジンはミサイル技術統制体制(MTCR)、国際兵器取引規定(ITAR)、輸出管理規定(EAR)など各種規制を受けている」と国産化の必要性を説明した。 単純偵察用ではなくミサイル装着が可能な無人機の場合、1万5000lbf級以上のエンジンが必要だ。 しかし、MTCRなどの規制で輸入が難しい。 操縦士のいない第6世代戦闘機の開発も不可能になる。

しかも、米国はステルス戦闘機搭載用エンジンを販売した前例がない。 KF21が空対空·空対地攻撃能力の確保後、ステルス機に転換する場合、米ゼネラル·エレクトリック(GE)エンジンの搭載が難しい可能性がある。 韓国はT-50(FA-50)超音速航空機を開発したのに続き、KF-21戦闘機も製造しているが、航空機の「心臓」であるエンジンはGE製品だ。

国内唯一の航空用ガスタービンエンジン企業であるハンファ・エアロスペースは、今年退役を控えたF-4ファントム戦闘機「J79」エンジンを皮切りに、1万台余りの航空エンジンを作った。 しかし、いずれも海外技術を購入し、免許生産したものだ。 エンジンライセンスがないため、T-50だけでなく、今後KF-21輸出などに困難が伴う可能性がある。

これを受け、防衛事業庁は2020年から産業通商資源部と共に、推力5500lbf級の無人機用(MUAV)ターボファンエンジンを開発している。 これに加え、KF-21のF-414-400Kエンジンに匹敵する1万5000lbf級ターボファンエンジンの中核構成品の研究も進めている。 10年以上の研究開発期間に約5兆5000億ウォンが滞りなく投入されれば、30年代半ばから後半には国産戦闘機エンジンが誕生するものと見られる。

現在まで戦闘機エンジンを設計・製造できる国は米国、英国、フランスなど一部に過ぎない。 韓国のエンジン技術は先進国に比べて約70%水準に近づいたと評価されるが、素材技術は40~50%程度しか確保していない状況だ。 今後、規格システムは5 倍、素材データベースは4 倍確保する必要がある。

イ・グァンミン事業部長は「日本と中国は政府の強力な支援で独自エンジン開発を事実上成功した中で、最近米国GEのF-110エンジンを装着した第5世代戦闘機の初試験飛行に成功し、2028年には独自エンジンも生産する計画」とし「今後規格システム、素材データベースなどを早く確保して先進国との格差を減らさなければならない」と強調した。

続いて「先端航空エンジンの開発に成功すれば、国内約100社が輸入していた部品を独自に生産でき、独自のエンジン整備も可能になる」とし、「民間航空機と海洋、発展などに適用できる派生型エンジン分野に及ぼす影響まで考慮すれば、直接・間接的な経済効果は2040年以降、年間数十兆ウォンに達するだろう」と述べた。
(引用ここまで)


 韓国で今年から量産が開始される予定のKF-21について「このままではステルス機にバージョンアップすることはできない」としています。
 エンジンがステルス機用のものではないことが大きな理由として挙げられています。
 KF-21に採用されているのはF-414。F/A-18E/Fに採用されているもので、信頼性も推力も充分なエンジンです。
 ……まあ、くそうるさいことでも有名なのですが。
 これをハンファエアロスペースがライセンス生産する予定です。

 ただ、F414には「ステルス戦闘機」への採用実績はありません。
 ステルス戦闘機はエンジンにも電波反射防止の曲がりダクトが採用されています。
 というわけで、「KF-21のステルス化のためにも韓国国内でエンジンを製造しよう」との話になっているようですが。


 まあ……トライすること自体はいいのではないですかね。
 個人的には「形状によるRCS(レーダーを反射する数値)を低下」で充分だと思います。
 一応、KAIはKF-21について一度たりとも「ステルス機である」って話はしていないんですよね。
 あくまでも「RCSの低下」としか述べていないし、バッチ2とかになっても「さらなるRCSの低下」までしか言っていない。
 KF-21は根本的に「ステルス機」ではない、ということを分かっているのでしょうね。

 ちなみに政治家とかメディアは「ステルス機として〜」ってことを繰り返して言っていますが。
 まあ、「ステルス機」の基準をどこに置くかにもよりますかね。

 エンジン開発もがんばってみればいいと思うのです。
 あと艦載型のKF-21Nも。とりあえずネタにはなりますからね。

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インドネシア人、韓国の独自戦闘機であるKF-21の技術資料を持ち出そうとして摘発……でも、韓国もインドネシアに対して同じことやっているよね?

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(42)
USBにKF-21戦闘機資料…KAI派遣のインドネシア人、技術持ち出そうとして摘発=韓国(中央日報)
韓国型戦闘機(KF-21)の開発に参加するために韓国航空宇宙事業(KAI)に派遣されていたインドネシア国籍の技術者が関連資料を持ち出そうとして摘発された。

2日、韓国防衛事業庁によると、彼らは先月、KF-21関連の資料を移動式保存装置(USB)に入れて外部に持ち出そうとした。彼らが会社の外に出て行く過程で検索台で摘発されて持ち出しは未遂に終わった。

国情員や防諜士などで構成された調査チームは彼らが持ち出そうとしていた情報がどのような内容なのか、以前にも持ち出したことがあるのか、あるいは実際に持ち出したのかなどを調査している。徹底した調査のために彼ら技術者に対する出国禁止措置も取られたという。USBに含まれている情報の機密の有無と持ち出し先、および意図などにより、彼らに対する司法手続き行われるかどうかが決まるものとみられる。
(引用ここまで)


 名目上、KF-21の共同開発国になっている(ただし、開発分担金は払わない)インドネシア。
 一応、「共同開発」なので研究員を韓国に派遣するなどしています。
 んで、今回はその研究員がUSBメモリに入れた資料などを持ち出したことで、KAIのセキュリティに止められたとの話。

 ニュースによってはAESAレーダーなどの重要機密が含まれているとの報道もあったのですが。

KF-21技術機密流出試み摘発… 「インドネシア国籍者訴訟」(SBS・朝鮮語)
インドネシアの技術者が確保したKF-21技術資料は、戦闘機の目であるAESAレーダーなどの抗戦装備、試験飛行技術など、KF-21の全般的な技術が網羅されたことが分かりました。
(引用ここまで)




 一応、国情院(引用記事では国情員になってますが「国家情報院」、韓国政府の諜報機関。旧KCIAのこと)が調査に乗り出しているとのことで、まだ全貌は見えていないとされてはいます。  ただ、聯合ニュースによると一般的な資料がほとんどだったとのこと。

KAI勤務インドネシア技術者、KF-21内部資料流出しようと摘発(聯合ニュース・朝鮮語)

 まあ、持ち出そうとしたインドネシアの研究者に問題があるのは間違いないのですが。
 けっきょくはタヌキと狐の化かし合いなんですよね。
 2011年にT-50練習機やK-2戦車をインドネシアが輸入するかどうかを調査するために、インドネシアからの特使のPCを国情院職員が盗もうとして失敗していたことが知られています。

韓国情報機関員(旧KCIA)、インドネシア大統領特使のPCを盗もうとして失敗したことを暴露される(楽韓Web過去エントリ)

 インドネシアも韓国もやっていることは大差ないってオチです。

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