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カテゴリ:KF-X事業の記事一覧

韓国メディア「日英伊の次世代戦闘機のせいでKF-21のマーケットが狭まってしまう」……そんな心配必要ある?

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(58)
日本「6世代戦闘機輸出」…KF-21を妨げる? (OBS・朝鮮語)
日本は「2035年配置」を目指し、イギリス、イタリアと手を握りました。
攻撃兵器の輸出を禁止した指針も改正し、海外販売にも乗り出す方針です。

浜田靖一 日本防衛相(昨日9日):「現時点において何ら決定したものはありませんが、英国が輸出を重視していることを踏まえ、今後、英伊とともにですね、検討してまいりたいと考えております」

この構想が現実化すれば私たちが作るKF-21にも相当な余波が予想されます。
ヨーロッパを含む主要市場が浸食される可能性が高いからです。
最悪の場合、KF-21は低段階の低価格機種に転落する可能性もあります。
武装力の強化や性能の拡張などが引き続き推進されますが、100%確信することも困難です。

ユ・ヒョングン防衛事業庁中佐「必ず完了する、といった形で申し上げるのは適切ではありません。リスクを最小限に抑えながら、適期に推進できるよう努力します」

ただ、3カ国が予定された時点に開発を終了できるかどうかは未知数です。
ユーロファイターの共同開発事例のように相互の意見の食い違いが浮き彫りになる余地も大きいです。
(引用ここまで)


 日本、イギリス、イタリアが共同開発する次期戦闘機について発表が行われました。
 IHIもロールスロイスと共同で搭載するエンジンの開発を担うことになるのでしょう。
 第6世代戦闘機として2035年に戦力化を予定しているというもの。

航空自衛隊向け次期戦闘機 日本・イギリス・イタリアの3国共同開発が決定(乗りものニュース)

 一応、アメリカとは無人機の開発とかで協力するらしいですけどね。
 というか「第6世代」のカテゴライズもいまひとつ不明瞭ですが、まあ第5世代+αという感じなのかな。


 んで、韓国メディアは「日英伊の戦闘機が完成してしまうとKF-21の市場が侵食されてしまう」と恐れているのですが……。
 うーん。
 あんまり……関係ないんじゃないかな。

 第6世代機と正面RCSを機体形状だけで減らしただけのKF-21じゃ話にならんよ。
 KF-21の想定ユーザーは2030年代でもF-16を買うくらいの国。
 次世代戦闘機は現状でF-35を運用できている国でしょ。
 韓国自身も東南アジア、南ア、ブラジルあたりがターゲットってしてましたから。

 ポーランドにK-2戦車とかが売れていることもあって「韓国はすごいんだ!」ってなっちゃってるっぽいですが。
 さすがに次世代戦闘機をライバル視するのはどうなんですかね、ってところです。

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韓国メディア「ついにインドネシアが戦闘機KF-21の開発分担金を支払った!」……なお、支払額はたったの……

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(57)
インドネシア、46ヶ月ぶりにKF-21開発分担金を納付(世界日報・朝鮮語)
韓国型戦闘機KF-21ボラメ(インドネシア名IF-X)開発事業に参加したが、4年近く分担金を払わなかったインドネシアが3年10ヶ月ぶりに分担金の納付を再開したと連合ニュースが政府関係者を引用して2日報道した。

通信によると、インドネシア国防部は1日、韓国政府にKF-21共同開発費用名目で94億ウォンを支給した。これまで未納金約8000億ウォンの1.17%水準だ。政府関係者はこれに対してインドネシアがKF-21共同開発事業を継続して推進するという意志を見せたものと解釈した。
(引用ここまで)


 これは短い記事になってしまうけどピックアップせざるを得ない。

 「韓国独自の4.5世代戦闘機」であるKF-21 ポラメの共同開発国としてインドネシアが入っています。
 インドネシアは開発費全体の20%を分担するはずだったのですが、現在のところまで8000億ウォンを支払っていません。
 現状で1兆ウォンほどを支払う必要があるにも関わらず、です。

 これ、以前からだいぶ韓国内で問題になってまして。
 けっこう問題がこじれているのは理由があるのですね。
 インドネシアが契約しているのは、韓国政府ではなく開発主体のKAI
 しかも、支払いを延滞していてもインドネシアには一切のペナルティはなし。
 2回連続で延滞があった場合はKAI側から契約を打ち切ることはできる、というだけ。


 それだったら「あのインドネシア」が支払うわけありませんわな。
 むしろ強気の交渉で一定分は現物払い(内容未定、LNGかパームオイル?)で支払いできると契約を書き直させたほど。
 さらにそれでも支払いしていないのですけども。

 で、先月になって「なんぼか支払うらしい」という話が韓国メディアに出たのですが。
 インドネシアは1ウォンすら支払わなかったと。

 んで、今回は延滞している8000億ウォンの1.1%に相当する94億ウォンを支払った、というニュース。
 ……1.1%て。
 今日のレートで9.8億円ほどですよ。
 アホほど舐められてますね。
 一応、手付金だけは支払っておいて、事業に関わる姿勢だけは見せているという感じ。
 でも、「戦闘機における輸出実績」がほしい韓国はそれでもインドネシアを無視することはできないのです。

 そしてインドネシアはフランスとラファールF4の42機の導入で契約済み。
 ま、KF-21については様子見ですわな。

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韓国メディア「インドネシア、来週にもKF-21の延滞金をちょっとだけ支払う模様」……支払わなかった模様

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(48)
KF-21の分担金8000億の延滞インドネシア、85億だけ出す(ファイナンシャルタイムス・朝鮮語)
インドネシアが韓国型戦闘機KF-21開発事業支援の見返りに大韓民国に納付しなければならない未払金の一部である600万ドル(約85億ウォン)を来週に納付する。

ただ、インドネシア政府は来年に3300万ドル(約460億ウォン)を納付することにした中で、来年までに納付する金額が累積された滞納額の8000億ウォンあまりの10%にも及ばないという点で、インドネシア政府のKF-21共同開発の参加意志に疑問ばかりが拡大している。

これまでも「ウォン」で支給する予定であり、最近、ウォン安ドル高によって韓国政府が受ける分担金の規模が多少減る可能性がある。

5日、複数の政府当局者によれば、ムハンマド・ヘリンドゥト インドネシア国防部次官はこの9月28日、慶尚南道泗川で開かれたKF-21初飛行成功記念行事に出席した席で、このような未払金納付計画を明らかにした。 (中略)

インドネシア政府は全体事業費8兆8000億ウォン台の20%の約1兆7000億ウォン程度をこえた2016年から2026年まで分けて出す予定だ。 しかし、インドネシア側は経済難を理由に2017年から分担金の支払いを先延ばしし、現在まで支給した金額は2272億ウォンに過ぎない。 当然払うべき分担金を適時に納付しない、延滞された規模が8000億ウォン以上だ。 (中略)

インドネシア側が少額でも分担金未納額を納付し、共同開発余地を残しているがインドネシア側分担金1兆7000億ウォンの30%水準の5100億ウォン程度をパーム油など現物で納付する問題が難航し、分担金問題は両国間の負担になる見通しだ。

現物を受けた場合、当該現物を現金化する過程が必要だが、この場合には手数料の支出が発生するため、我々が受けなければならない分担金の規模が減るからだ。 パーム油をはじめ一部の現物価格変動性が高いという点でややもすると韓国側の開発費の負担が大きくなるだけだという説明だ。
(引用ここまで)


 韓国独自の戦闘機であるKF-21について、インドネシアが共同開発国とされているのですが。
 そのインドネシアはこれまで開発分担金を8000億ウォンほど延滞しています。
 先週あたりから「インドネシアとの契約が改定される」だのなんだの微妙に記事が出てました。
 で、ようやく延滞していたお金を支払う……というニュース。

 ですが、その支払額も85億ウォン。延滞金全体の1%ちょい。
 一応、支払う気はありますよという意思表示でしかないですね。
 まだ契約破棄はしない、というレベル。


 そもそもインドネシアはフランス製のラファールを導入することを決めています
 6機導入後、36機を追加という形になってるようですね。
 対中国、対オーストラリアを考えると4.5世代機ではもっとも入手しやすい戦闘機であると言っていいでしょう。
 イスラム国であるインドネシアにとっては、アメリカの意向に左右されないというのも大きな要素のひとつですから。

 それを考えるとKF-21はエンジンがF414とアメリカ製(量産機は国内でのライセンス生産予定)。
 その時点でインドネシアからしてみたらやや不安点。
 まあ、そういいながらF-15EX(F-15ID)もほしいとか言ってますけどね。

 あと現物支給になるという部分も進捗ダメだそうで。
 そもそもなにがくるのかも分からない。原油か天然ガスかパーム油か。
 現状、資源類は高騰しているのでインドネシアにとってもいまがチャンスだと思うのですけどね。
 それでも具体的な動きがないのだから、KF-21をとりあえずキープくらいにしか見てないのだろうな……という感じです。

 あ、それと記事中では「来週中にも」ってなってますが、記事の初出は6日なので「来週」はすでに終わっているんですよ(笑)。

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韓国メディア「KF-21の艦載機版、KF-21NはF-35Bよりも強力だ!」……ああ、はい

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(112)
「F-35Bより良い」… 韓国型空母書に使われる国産戦闘機製造へ(世界日報・朝鮮語)
KF-21Nは既存に取り上げられていたF-35B垂直離着陸ステルス機の弱点を補完し、空母が実質的に戦闘力を発揮することに焦点を当てたという評価だ。 (中略)

KAI関係者は「KF-21Nの開発には6.5~7年程度かかり、量産まで含めれば10年程度であれば可能だろう」と説明した。 (中略)

KF-21Nは、垂直離着陸を行うF-35Bとは異なり、射出機(キャタパルト)を利用する方式(CATOBAR)とスキージャンプ台を使う方式(STOBAR)を離陸に適用する。 (中略)

KF-21Nは、文在寅政府で軽空母艦載機と考えられたF-35Bより利点が多いとKAI側は説明する。

F-35Bは垂直離着陸を助ける「リフトファン」が多い空間を占め、武装搭載力がF-35Aより低い。空対艦能力を持たず、空母の攻撃力を落とすという指摘も出ている。 (中略)

空母に使われる射出機は、米国核推進航空母艦ジェラルドフォード号で運用する電磁射出機(EMALS)が有力だ。 (中略)

射出機を搭載すると、空母の大きさも大きくなる。軽空母よりも大きい中型空母を乾燥する方向に切り替えるしかない。軍と防衛産業界で「KF-21N開発=中型空母導入」という観測が出てくる理由だ。
(引用ここまで)


 先日、艦載型KF-21ことKF-21N、KF-21ネイビーの模型が展示会で発表されました。
 開発元のKAIは「あくまでもコンセプトデザイン」とはしていますが、折りたたみ型になり、かつ巨大化した主翼、強化されたランディングギア、アレスティングフック装備等々、けっこう本気のモデルであることがレポートされていました。
 基本モデルからの発展させる形での艦載型開発って、けっこうな苦労をする……というか、いまだに試験飛行しかしていない戦闘機に「じゃあ、次に艦載機」とか無謀が過ぎますけどね。

 ただ、そうした状況を全部吹っ飛ばして「韓国のためにはF-35BよりもKF-21N!」という記事が出てきてます。
 軽空母ではなくカタパルトのある中型空母を建造して、電磁型カタパルトを搭載する。かつ、その技術はアメリカ等から供与してもらう……のだそうですよ(笑)。あ、ここ引用部分外。

 どうも韓国の中では「F-35Bは弱い」ってのが基本認識になっているっぽいですね。
 「燃料も積めない、武装も貧弱」なのだそうで。
 実際にはF-35Bを展開させるだけで敵国にはめちゃくちゃ嫌がらせになるんですけどね。


 個人的には4万トン以上の中型空母+KF-21Nのほうが面白そうなのでおすすめ。
 軽空母+F-35Bだとチャレンジが少ない。それでも紆余曲折はけっこうあるでしょうが。
 軽空母に比べたらだいぶ挑戦的。
 当然、お笑い韓国軍を楽しめるというわけで。

 日本にとってもF-35Bで向かわれるよりはKF-21Nのほうがはるかに御しやすい。
 F-35Bを日本海に展開されるのは正直きつい。
 攻撃力そのものよりもむしろ先進センサー類があることが。

 それに比べたら4.5世代機のKF-21Nなら御しやすいし、ひょいひょうとレーダーにもかかってくれるでしょうよ。
 「技術供与を約束したのにもらえなかった、後頭部を殴られたんだ!」みたいなアレがまた見れるのも楽しみにできます。
 ……まあ、一番ありそうなルートは軽空母も中型空母もKF-21Nもなし、ですけどね。

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韓国の防衛装備展示会で「KF-21艦載型、KF-21N」の模型が展示される……中型空母、KF-21ネイビーの夢はまだ潰えていない?

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(92)
あれ、空母は…? 韓国最新戦闘機の空母搭載モデル「KF-21N」全容明らかに 現地でメーカーを直撃(乗りものニュース)
 2022年9月21日より韓国の首都ソウルで、韓国防衛企業が一堂に会した安全保障関連の展示会「DXコリア」が開催されています。その出展者のひとつ、韓国の防衛企業「KAI(韓国航空宇宙産業)」が、国産戦闘機KF-21「ポラメ」の艦載機型、すなわち空母搭載型の模型を世界で初めて展示、その全容が明らかになりました。

 ブースに展示されていた艦載機型の模型は「KF-21N」と呼称されており、模型の細部を見ると艦載機らしい特徴が随所に見受けられました。まず、主翼の端が折り畳み式になっている点、これは艦載機が空母内での駐機スペースを少なくするための定番の機構といえます。

 ほかにも着艦に耐えられるよう着陸脚は太くなっており、機首下の前脚は2輪式で空母のカタパルト発艦に使うローンチバー(カタパルトと機体を接続する棒状の器具)も付いていました。また、機体下部の後方には、艦載機が着艦するときに使うアレスティングフックが付いているのも確認できました。 (中略)

KF-21Nに未知数の部分が多いのは、その大前提となる韓国の空母建造計画自体に不確定な要素が多いためです。もともとは独島級揚陸艦の後継艦を建造するための計画としてスタートしましたが、その後にF-35Bが運用可能な軽空母に拡大され、現在のCVX(将来空母建造)という計画名になると、カタパルト無しでも固定翼機を発艦させられるスキージャンプ装備の中型空母のコンセプト模型まで公開されるようになりました。

一方で、2022年5月に政権が交代し、尹錫悦大統領がトップになると予算が大幅に縮小され、一転して建造計画自体が不確実なものとなっています。
(引用ここまで)


 おっと、韓国のDXコリアでKF-21Nの模型が飾られていたとの話。
 KF-21の艦載型として想定されているもので、主翼の折りたたみ、ランディングギアの強大化、アレスティングフックの追加などがあったそうです。
 これまで構想だけだったKF-Xネイビーが、KF-21Nとしてあるていどの形を取って見せたのははじめてのことじゃないですかね。

 楽韓Webでの希望の星、KF-Xネイビーは軽空母導入によって潰えたかのように見えました。
 一時期は軍の公聴会的なもので専門家が「KF-Xネイビーを艦載機にすることも検討事項」と述べるほどだったのですが。

 KF-21Nを導入するには最低でも4万トン級でカタパルト搭載が条件。
 カタパルトなしの軽空母導入がムン・ジェイン政権で決定されてしまったために、その夢は潰えたのでした。


 ですが、ユン政権によって軽空母計画がお取り潰しになったことで、逆にKF-21ネイビーには目があるようになった可能性が出てきました。
 軽空母計画を潰した上でまだ空母を云々するのであれば中型空母以上にランクアップするしかない。であれば……というだいぶ細い道ではありますが。

 KF-21を開発しているKAIがこうしてあるていどの希望を持ってKF-21Nのモデルを展示しているということからも、なにかの拍子で計画が転がりはじめないともかぎりません。
 ま、難しいでしょうけどね。
 ユン政権はその政策方針として、「現実的な方向性」を掲げています。
 ムン・ジェインのような夢想家ではないのは間違いないところ。
 なんかの間違いで中型空母計画はじめてくれんかなー。

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韓国メディア「インドネシアの大統領が訪韓してKF-21の分担金未払い問題も解決だ」……去年の11月にもそんなこと言ってなかったっけ?

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(50)
インドネシア大統領今週訪韓… KF-21「未納分担金」を議論するか(ニュース1・朝鮮語)
ユンソクヨル大統領とジョコ・ウィドド、インドネシア大統領が今週の首脳会談の議題に韓国型戦闘機KF-21「ポラメ」(インドネシア名IF-X)事業に対するインドネシア側の未納分担金問題が含まれるものと見られており、注目されている。 (中略)

共同開発国であるインドネシア側の分担金延滞は依然として「宿題」として残っている状況だ。
防衛事業庁によると、2015年に始まったKF-21開発事業には、2028年までに合計8兆8000億ウォンが投入される。段階別では2015~26年体系開発に8兆1000億ウォン、2026~28年追加武装試験には7000億ウォンがそれぞれかかる。

事業財源は韓国で80%(政府60%・企業20%)、そしてインドネシア政府が20%をそれぞれ分担して用意することになっている。これにより、インドネシア側が分担すべきKF-21事業費用は1兆6000億ウォンに達するが、インドネシア側は自国の経済難と予算不足を理由に2017年下半期から分担金の納付を中止した。

現在インドネシア側が延滞中のKF-21事業分担金は8000億ウォン台に達することが知られている。これに対して防衛事業庁関係者は「インドネシア側の分担金未納が続いて契約書を改訂しなければならない状況になった」と説明した。

防衛庁関係者は「インドネシア国防部・財務部など高位級の人事の日程が合わずインドネシア側の修正案の提示が遅れているが、契約書を修正しようとする意志は明らかにある」と話した。 (中略)

また、政府はインドネシア側が最後まで分担金を未納すれば当初の契約によるKF-21試作機の提供もしないという計画だ。
(引用ここまで)


 インドネシアのジョコ・ウィドド大統領が訪韓し、ユン・ソンニョル大統領との首脳会談が来週に予定されています。
 で、初飛行を成功させたKF-21の分担金についても話し合われるのではないか、との話。
 韓国側は「試験飛行も成功させたのでインドネシア側も乗り気だ」という話をしているのですが。

 去年の11月に最終合意をして、3割を現物支給することに決定した……というニュースがあってから8ヶ月ほどですが。
 この時も韓国側は「ようやくインドネシアがやる気になってくれた」なんてコメントしてましたが。
 現物はおろか、1ウォン、1ルピアすらも支払われていないのが実情。
 それ以前に「現物支払いがなにによって行われるのか」すら決まっていないっていうね。


 ちなみにこのインドネシアとの契約は製造企業のKAIとの間で交わされたものとなっておりまして。
 支払遅延時にインドネシア側へのペナルティはゼロ。完全になにもなし。
 2回に渡って遅延があった場合には韓国側から契約を破棄できる、という条項があるだけのものとなっています。
 そりゃまあ、インドネシアも支払いを遅らせられるだけ遅らせるよねっていう。

 で、2月にはフランスからラファールを購入することで同意。
 なめられきってますね。
 同時期にアメリカ政府はF-15EXの輸出許可を出しましたが、まあこれは実際に導入するかどうかは微妙。
 インドネシアの地元紙には「導入する予定」みたいな記事が多数出てるのですけどね。

 ま、両天秤にかけて少しでも有利な条件を出させようというのはインドネシアの常套手段なので。
 KF-21とF-15EXでもやるのでしょう。
 あとラファールの追加導入とかでもやると思います。
 というか、2026年になってようやく制式化、そこでもまだ中距離空対空ミサイルしか撃てない機体であるKF-21(IF-X)が本当にインドネシアにとって必要なのか……ということでもあるのですけどね。

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韓国メディア「高い開発費を払ってまで国産戦闘機を製造する理由はこれだ!」とKF-21の初飛行に大喜び

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(87)
タグ: KF-X KF-21 軍事
韓国型戦闘機KF21、「アウディの価格で国産大衆車」と言われても必要な理由(ハンギョレ)
 しかも、KF-21は100%国内開発戦闘機ではない。KF-21全体の価格の15%ほどを占めるエンジンは、米国に本社を置くゼネラルエレクトリック(GE)の製品だ。KF-21の試作機の国産化率(部品基準)は65%だ。厳密に言えば、KF-21は「国内独自開発戦闘機」ではなく「国内主導開発戦闘機」だ。

 コストパフォーマンスが低く、作るのに時間もかかり、国産化率も期待より高くないのに、なぜあえて国産戦闘機を開発しようとするのか。戦闘機独自のプラットフォームを確保することが重要であるからだ。米国から購入した戦闘機は、故障したとき主要部品を自由に修理できず、米国の許可を受けなければならない。

 独自のプラットフォームの重要性を語る時、2011年の「タイガーアイ」事件がよく登場する。 (中略)

 当時米国は、表向きではタイガーアイの封印無断毀損を問題視したが、実は韓国がタイガーアイを分解した目的が当時開発中の韓国型戦闘機に適用する技術を流出させるためではないかと疑っていた。韓国が1970~80年代に米国産兵器を分解した後、そのまま真似て逆設計したように、今回もそうしたのではないかという疑いだった。タイガーアイの封印毀損問題は「兵器は売っても技術は売らない」という米国の兵器輸出原則によるものだ。 (中略)

 このような問題は、戦闘機を国内で開発し、独自のプラットフォームを確保すれば解決される。
(引用ここまで)


 XF-3やテンペスト、FCASなど戦闘機の新規開発では第6世代が中心となり、販売ではF-35がアホほど売れていて今度はチェコが購入を考えているとのニュースがありました。
 そんな中、なぜ韓国は限定的なRCS軽減能力しかないKF-21を設計製造するのか、といった記事。
 あと初回の試験飛行でなぜ時速400kmしか出さなかったのかとかが前編で書かれてますので妙味があればそちらも。上のリンク先は後編です。

 まあ、すごく簡単にいえばいまからでも追いつくためであれば4.5世代機から履修しなければどうにもならない。
 これまでT-50を作ることはできても、それ以上のことはできなかったという状況下で「アメリカ製の戦闘機をひたすら購入する」ことに耐えられなかったのです。
 特に左派が。
 金大中、ノ・ムヒョン、ムン・ジェインといった左派政権になる度に防衛費の伸びは高くなり、アメリカとの連携を優先するよりも「自主国防」を標榜するようになるという傾向があるのですね。
 で、その「自主国防」の結実した形がKF-21なのです。


 アメリカからの束縛から自由になりたい、という方向性がまずあり。
 そこにアメリカからのメンテナンス、供与品が高いという不満が重なり。
 じゃあ、独自開発しようという考えに至ったのです。
 こういう部分だからこそ左派紙のハンギョレが嬉々として報じている、というわけでもあります。

 まあ、部品ベースでの国産化比率は65%。
 もっとも高いパーツであるエンジンもアメリカ製ではありますが。
 それでもまあ作れないよりはだいぶマシ。
 「故障した時も自分たちの判断で部品交換ができたり、新しい武装を搭載することも自由にできる」とのことですが。

 その代償として強力なアメリカ製のミサイルの供与を拒否されたりもしているわけで。
 あとAESAレーダーはイスラエル企業との共同開発とのことですが、故障時にその企業の許可なしに交換したりできるんでしょうかね?

 もうひとつ、「F-35を必要としないくらいの国にはセールスチャンスがある」という外貨獲得目的もあるようですが。
 ロシアショックが世界を覆っている中、どれだけのニッチ市場があるのでしょうかね。
 前述したチェコやタイすらもF-35の導入を考慮している状況下ですからね。
 というか、まずインドネシアから開発分担金を支払ってもらうのが先かな。

 初飛行を報じる動画ニュースに「機種からインドネシア国旗を消せ」というコメントがついていたのですが。
 実質的な輸出の足がかりとなるインドネシアとの共同開発を、あれほど分担金支払いが遅延していてもやめられないのは「まず実績を積みたい」という考えがあるからなのでしょう。
 というか、T-50の輸出先とバッティングすらしそうですけどね。

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「韓国独自の戦闘機」KF-21が初の試験飛行、30分の空の旅を楽しんだ模様

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(88)
タグ: KF-21 KF-X 軍事 T-50
韓国製戦闘機「KF-21」が初めて飛び立った…「順調に飛行」(中央日報)
韓国国産超音速戦闘機のKF-21が19日に初めての飛行試験に向け滑走路を蹴り青空に飛び立った。

KF-21は離陸後30~40分間飛行し基本的な機体性能などを確認する。

この日の初めての飛行では超音速までスピードを出さず軽飛行機のスピードである時速400キロメートル(200ノット)程度で飛行するという。

正常に飛行を終えれば30~40分後に滑走路に着陸する予定だ。操縦士はこれを通じて航空機の安全性などを点検することになる。
(引用ここまで)


 「韓国独自技術で設計製造された」ポラメ・KF-21の試作機が試験飛行を行いました。
 まずはその映像でも見てもらいましょうかね。



 ランディングギアを出したまま飛行しているのは万が一の事故に備えてすぐに着陸できるように。
 「ランディングギアが出ない」という不具合がないようにする、試験飛行でのお約束です。
 試験飛行ですから、どんな不具合が出るかも分からないので対応できる部分は最初から対応しておこうしているのですね。

 ランディングギアは空気抵抗の大きなパーツなので、今日は時速400kmていどの低速飛行。
 かつ30分ていどの慣らし運転。
 ぱっと見は普通に飛行しているように見えます。
 あと胴体のへこんでいる部分にミサイル搭載している感じがするな。おそらくは同重量のダミーと思われます。
 この半埋没式のウェポンベイもどき、なんか空力的かRCS的に効果あるのかなぁ……。

 あと聯合ニュースの映像も真ん中あたりににCGぶっこんでんの意味が分からないですけどね。
 まあ、予想通りに飛びはしました。
 これから6機試作機を製造し、うち5機で8000時間だったかの試験飛行を行って制式化するのだそうです(1機はインドネシアに譲渡予定)。
 要素的にこれといって冒険している部分もないように見えるので、それなりに飛ぶことは飛ぶでしょう。
 武装を搭載して戦力化できるかどうか、という部分にハードルはあると思いますが。


 さて、その一方で「韓国独自技術で製造されたそこそこ売れている超音速訓練機」ことT-50(T/A-50、F/A-50)ですが、またインドネシアで事故を起こしてパイロットが亡くなっています。

「インドネシアで韓国製空軍訓練機が墜落、1人死亡」(中央日報)

 変な話ですが、T-50系統が事故を起こすと、確実にパイロットが亡くなるというジンクスがありまして。
 これまで墜落事故を起こすとすべてパイロットが亡くなっているのですね。今回で4件目。
 脱出装置にはマーティンベイカー社の射出座席が使われていて、かつ使用された形跡もあるのにダメだったなんてこともあるので。
 訓練機だから、という部分はあるかもしれませんが。

 もちろん、墜落事故を起こせばパイロットが亡くなる可能性は低いわけがないのですが。
 なんとなく不思議な感じがしますね。

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