国際経済諮問機関である英国のケンブリッジ・エコノメトリックスが、エネルギー価格の急騰にともなう韓国電力の財務危機を再生可能エネルギーの拡大で解決すべきだと助言する報告書を出した。 (中略)
現在、韓国電力は急騰した発電燃料費を電気料金に反映できず、原価以下で電力を供給し、年末までに30兆ウォン(約3兆円)台の営業損失を記録すると予想されている。韓国電力はこのような営業損失による資金難を、主に社債を発行して調達した資金で賄っている。
しかし、今年の決算が反映される来年3月以降は、社債発行額が資本金と積立金を合わせた金額の2倍を超えないよう制限した韓国電力公社法(韓電法)によって、こうした資金調達の道も閉ざされる。そのため、政界では韓電法を改正し、社債発行限度を最大6倍まで増やす案をめぐって議論が起きている。
報告書は「ガソリン、ガス、軽油の価格上昇が今年の韓国のインフレに大きな影響を及ぼし、年間物価上昇率の4分の1を占めたが、電力の小売価格には料金規制によりエネルギー価格の上昇が反映されていない」とし「これにともなう韓国電力の莫大な財政損失は、結局国が抱え込むことになる」と指摘した。 (中略)
報告書の著者であるカール・ハイメマン氏は「再生可能エネルギーの投資の壁をなくし、韓国電力の独占構造を変えることが、化石燃料価格の変動に対する韓電の脆弱性を補完する正しい政策方案であり、韓国電力のみならず韓国電力の顧客と韓国経済全体に必要だ」として「これは燃料費が必要ない風力や太陽エネルギーの拡大で実現できる」と述べた。
(引用ここまで)
韓国電力が1年で30兆ウォンを超える赤字を叩き出したことについて、「再生可能エネルギーを採用しないからこうなったんだ」との報告書が出されている、とのニュース。
「価格変動のある化石燃料に頼っているからこうなるのだ」ですって。
これを報じているハンギョレが左派紙であり、反原発・親再生可能エネルギーであるのでこうしてピックアップしているという部分が小さくないのですけどね。
実際には燃料の価格変動に応じての料値上げをムン・ジェイン政権時代に封じられたからなのですが。
韓国電力は値上げを禁じられており、かつ産業用や農業用の電気料金は原価以下になっている。
そりゃま、こうした状況にもなりますわな。
逆に燃料費が下がった時にはアホほど儲かってサムスン電子どころじゃない利益率を叩き出したこともあるのですが。
ムン政権は「こんな風に儲けるのはけしからん」とばかりに電気料金の変動幅をなくしてしまったわけです。
で、巡り巡って社債市場が凍り付くほどの額の「政府保証付き」の社債を発行せざるを得なくなり、なお一層の不況に韓国経済を叩きこんでいる、と。
ムン・ジェイン政権の気分としては「庶民の味方」として行った政策なんでしょうけども。
健全な経営範囲内にすることで電力供給の安定を図る、とかいう考えかたすらなかったんですよ。
すごい政権だったよな……。
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