「太陽光発電をすれば生産された電気を韓国電力公社(韓電)が買わなければならないが、韓電変電所に2031年まで連結不可だそうです。 村で『米国の韓電があれば、そこに電気を売りたい』という訴えまで出ています」。
先月26日、国内最大規模の「村住民主導営農型太陽光発電」が推進されている全羅南道霊光郡塩山面月坪村で会ったソ·チョンイル昇華技術理事はもどかしいように話した。 営農型太陽光は農地の上に4m高さの太陽光パネル構造物を設置し農作業もして発電もするモデルで、農地蚕食がなく水溶性が高い。 ここの住民は高齢層28世帯だけだが、協同組合を通じて発展収益を住民たちが共有する計画であり、老後用「日光年金」に対する期待も大きい。
問題は技術もあり準備も終えたが、いざ電気を生産しても「販売する所がないこともありうる」という点だ。 政府が電力系統(電力生産者から消費者まで連結網)が飽和した湖南、済州地域の新規発電所は「系統補強(2031年12月予定)以後、変電所に接続可能だ」と決めたからだ。 国内電力産業は事実上、韓電独占体制であるため、韓電送変電設備を通さずには電気を取り引きする方法がない。
月坪村の発電所は稲の収穫を終えて今月末に着工すれば来年2月頃に工事が終わるが、商業運転はいつからできるか見当がつかない状況だ。 ソ理事は「発電容量(最大可能生産容量)3メガワット(メガワット)のうち1メガワットでも先に連携を要求中」と話した。 村で最も若いカン·スンボム月坪4里里長(58)は「田舎の人口はますます減り、農業人材も消えている」とし「新再生エネルギー発電と地域消滅対応のために政府が太陽光をさらに積極的に支援してほしい」と訴えた。
電力系統の問題で太陽光発電を安定的に運営してきた大規模事業場も安心できない状況だ。 全羅南道新安郡荏子島には、かつて塩田だった土地に太陽光パネル21万8400枚が敷かれている。 2022年12月完工後、2年間運営中の「荏子太陽光発電所」のイ·ドンウク所長は「塩田敷地が太陽光発電にも良い立地」と話した。 日差しが良く、風も適当だからだ。 太陽光モジュールがあまりにも熱くなれば発電効率が落ちるが、海岸で吹く風がモジュールを冷やす役割をする。
イ所長はこの2年間、韓電から電力生産を止めろという「出力制御」予告通知を5回受けたが、運良く実際に停止までなされたケースはなかったと話した。 しかし、年間発電量が13万MWh(メガワット時)であるため、発電容量の99MWhは使い切れないのが実情だ。 彼は「全南に大規模産業施設やデータセンターがあれば分からないが、現在は消費先が不足している状況」とし「結局、生産された電気を首都圏に送るためには電力系統増設が至急だ」と話した。
本紙の分析結果、政府は2036年までに湖南圏の再生エネルギー生産量を現在の9.3GW(ギガワット)から59GWまで増やす計画だが、いざ首都圏まで続いた電力網が耐えられる量は4.5GWだけで、残りは「使うこともできずに捨てる電気」になる境遇だ。
(引用ここまで)
日本でも5、6月あたりのメガソーラーの接続拒否が話題になります。
ま、そりゃそうで。春先から初夏にかけてがもっとも太陽光発電の効率は高くなるのですね。
気温がそこまででもない状態で、かつ太陽光は潤沢っていう。
基本、熱くなればなるほど太陽光パネルの効率は落ちるので、意外と夏季の発電効率はよくないのです。
5〜6月くらいにはエアコンをつける日はそこまででもなく、需要がないので接続拒否されることになる、と。
要するに原発や火力のベースロード電力におまけとして付随してくるのが太陽光発電なのですね。
需要がなければ真っ先に切られるわけです。ま、当然。
夜間に需要がある時をどうするんだって話ですからね。
バッテリーでどうにかならないかってやってますが、価格がいまの半分以下にならないかぎり難しいところですかね。
というのが、この記事を読む前提知識にありまして。
全羅南道に作られているメガソーラーで接続拒否が連発している、とのニュース。
耕作放棄地や元塩田など、条件のいいところでメガソーラーを設置しているのだけども、売るところがない。住民は「アメリカの電力会社に接続できるならそっちに売りたいくらいだ」とか言っているっていう。
まあ、簡単に言えば全羅南道みたいな田舎に電力需要がないってことですね。
かといって都市部に電力を売ろうとしても、今度は送電網が貧弱なのでなんともできない。
首都圏にある半導体工場なんかは電力不足で稼働できるかどうか分からない状況に追いこまれているのに。
韓国メディア「発電能力はあるのに送電網が足りない!」と危機感を露わに。このままでは70兆円規模の半導体クラスタも送電できないまま空転の可能性も(楽韓Web過去エントリ)
そもそもこの全羅南道、光州の電力は過剰とされている段階で、この地域から全土へのブラックアウトすら生じかねないって危惧が去年の段階で出ていました。
太陽光発電に国運を賭けてきた韓国、送電網負担増大でブラックアウトの危機に陥る……ムン・ジェインの遺産だなぁ(楽韓Web過去エントリ)
それなのにまだメガソーラー開発をやっちゃっているっていう。
送電網を焼き切るつもり満々ですね。
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