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カテゴリ:韓国電力・停電の記事一覧

韓国、数年後には電力過剰でいつでもブラックアウト可能な状況に……これはひどい

【独自】文在寅政権の再生可能エネルギー大量導入が原因で…2031年に大停電の懸念(朝鮮日報)
文在寅(ムン・ジェイン)政権で一気に広がった太陽光発電と風力発電の影響で、韓国における電力需給の安定性が損なわれ、2031年前後には過剰生産による「ブラックアウト(大停電)」が懸念されるという。国会立法調査処による独自の分析で分かった。電力は貯蔵が難しいため、需要と供給のバランスをうまく管理することが重要だが、再生可能エネルギーは原発のように生産量の調整が難しい。ブラックアウトは電力需要の過剰はもちろんだが、供給過剰の時にも発生するという。春と秋の電力需要が比較的少ない時期に太陽光などで過剰に電力を生産すれば、送電系統に無理が生じ大停電が起こる恐れがあるというのだ。ブラックアウトのリスク発生の時期が明記されるのは今回が初めてだ。

 立法調査処は今年1月に公表された第10次電力需給基本計画を分析し、その結果をまとめた資料を5日に韓国与党・国民の力の金承洙(キム・スンス)議員に提出した。それによると年度ごとの電力源で再生可能エネルギーが占める割合は2023年には22.1%だが、30年に36.7%、36年には45.3%にまで増えるという。今の電力生産の仕組みでは再生可能エネルギーの出力は調整できないが、電力の供給過剰が懸念される場合は風力発電装置の電源を切るか、原発など他の発電所で生産量を減らすなどの方法で供給を管理している。しかし再生可能エネルギーの割合が今後も高まった場合、2031年前後にはこのような形の管理が難しくなるほど電力バランスが崩壊し、大停電のリスクが高まるというのだ。 (中略)

文在寅(ムン・ジェイン)前政権は「2030NDC(国の温室効果ガス削減目標)」をそれまでの26.3%から40%へと一気に引き上げたが、二酸化炭素を排出しない原発の割合は2023年の17.5%から30年14.6%、36年13.2%へと少しずつ減らす形とした。従来の化石燃料を使った発電を再生可能エネルギーだけでまかなうことを目指したため、電力の安定性を損なうほど再生可能エネルギーを増やしてしまったというのだ。

 「ブラックアウト」への懸念はすでに現実になりつつある。今現在湖南(全羅南北道)地方で最も規模の大きい太陽光発電所は9111メガワットの出力があるため、今年春には霊光のハンビッ原発の出力を複数回減らした。原発の出力制限は需給のアンバランスを解消できない時に取られる最後の手段で、電力供給を管理するそれ以外の対応を取ってもアンバランスが解消できないときに行われる。それだけ春の時期は太陽光発電による電力の過剰生産が深刻だったのだ。韓国国内の太陽光発電は全羅南道(5057メガワット)、全羅北道(4054メガワット)、慶尚北道(3022メガワット)、忠清南道(2674メガワット)の順となっている。首都圏を除く韓国全土が事実上、再生可能エネルギーの電力供給過剰問題に直面しているのだ。
(引用ここまで)


 韓国の電力網が再生可能エネルギーによる過剰電力生産に追いつくことができず、ブラックアウトの危機に見舞われているとのニュース。
 これについては先月、すでにそうした傾向にあるとの報道がありました。

 再生可能エネルギーとありますが、ここではほぼ太陽光発電のみのことになるでしょうね。
 太陽光発電は特に春に過剰になる傾向があります。

 4月から6月にかけて日照時間が長くなり、かつ気温がそこまで上がらないために太陽光発電の効率がもっともよくなるのですね。
 逆に夏季はパネルの効率が気温上昇で落ちてしまうために、そこまでの電力が生産できなかったりします。
 イメージ的には夏が太陽光発電の最盛期のように思われることが多いのですが。


 んで、太陽光発電による電気が過剰になると送電網が焼き切れます。
 いや、文字通りに焼き切れるんですよ。変電所とか送電線が。
 んで、ブラックアウトして復旧にはどのくらいかかるかは神のみぞ知るって状況になるのです。

 北海道で地震が起きた際に供給減によるブラックアウトがありましたが、あの時は2日ほどでほとんど復旧させることができました。
 あれはかなり幸運だったんじゃないかな、と思われます。

 で、韓国は2031年にはそのような状況が常態となると。
 これまでは細かく原発の出力調整等を行っていたそうですが。
 どこまでそんなことをやるつもりなのやら。

 資源エネルギー庁の電力バランスゲームをやるだけでも出力調整の難しさは理解できるんじゃないですかねー。

電力バランスゲーム~町に電気をとどけよう~(資源エネルギー庁)

 この混乱のほぼすべてがムン・ジェインの成果なんですから、すごい政治家だったよ……。不世出の政治家でしたね(最近お気に入りのオチ)。

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太陽光発電に国運を賭けてきた韓国、送電網負担増大でブラックアウトの危機に陥る……ムン・ジェインの遺産だなぁ

大規模停電の懸念高める韓国・湖南地域の太陽光発電、急速拡大の末削減する羽目に(朝鮮日報)
 春を迎え、韓国の湖南地域(光州市、全羅南・北道)の電力需給に時ならぬ赤信号が灯った。これまで電力危機は電力需要が急増する猛暑期と厳冬期に限られていたが、電力需要が最も少ない春に停電を懸念しなければならない事態となった。

 原因は急激に増えた太陽光発電のせいだ。太陽光発電設備は急増したが、実際に発電した電力を送る送・配電網の建設や余剰電力を保存しておくエネルギー貯蔵装置(ESS)の普及を軽視したため、送電線で過負荷の懸念が高まったのだ。

 湖南地域の太陽光発電設備容量は2016年末の1751メガワットから現在は5倍以上の9371メガワットに急増した。 原発10基に匹敵する規模だ。電力は不足しても問題だが、供給が需要を上回っても送配電網に問題を起こしブラックアウト(大規模停電)が起こりうる。電力網は全国的につながっており、発電所1ヵ所で問題が発生しても大規模停電に発展する可能性がある。韓国政府は4月1日から日照が多い日には過剰発電を防ぐため、湖南地域で太陽光発電を強制的に削減することにした。 (中略)

天候に依存する太陽光発電は原発や石炭火力発電所と違い、電力生産を段階的に調節できないため、停電のようなリスクに弱い。 (中略)

 太陽光のような再生可能エネルギー発電が増えれば、炭素排出を減らすことができるメリットがある。しかし、設備容量が増加しても、太陽光発電は天候によって不安定なことが短所だ。春は電力需要が多くないが、日照は良好なので、発電量が大きく増加する。実際に日照量が多い正午から午後1時の電力生産は太陽光が原発を上回っている。今月2日と3日の同時間帯に太陽光発電による出力はそれぞれ20.5ギガワット、20.7ギガワットだったが、原発は19.6ギガワット、19.9ギガワットだった。電力取引所関係者は「3月以降、そうした現象が続いている。昼間の電力生産で太陽光が占める割合は30%を超える」と話した。 (中略)

 春の太陽光発電が増えたため、全羅道地域では先月から発電単価が4倍近く高い太陽光発電の稼働を続けるために、発電単価が最も安い原発稼働を減らす事態が起きている。韓国水力原子力は週末の2日、午前10時から午後3時までハンビッ原発2・3号機の発電量を普段より約15%減らした。割高な太陽光発電のために原発の発電を減らしたため、5時間で発生した韓電の損失は2億ウォン(約2000万円)に達するという。
(引用ここまで)


 韓国があまりにも太陽光発電を増やしたために送電網負担が増加してブラックアウトの危機を迎えている、とのニュース。
 まあ、送電網への負担については日本もあまり韓国の事情をどうこう言えないのですが。
 それでも太陽光発電を受け入れるために原発、火力発電を停止するとかアホですかって感じですね。

 ご存じのように前政権のムン・ジェイン大統領は「石炭火力と原子力発電は悪い文明!」として石炭火力と原発の廃炉政策を進めてきました。
 その代わりに天然ガス火力と再生可能エネルギーを推進してきたのですね。
 で、その結果がこれ。


 干拓地に大規模ソーラーを設置したら糞害で発電量ゼロ
 んで、糞を洗い流すために合成洗剤を使ったら漁業被害

 累進制をやめて、かつ発電原価の安い原発を減らしてって、韓国電力を自分のオモチャのようにいじくり回している最中にも「こんなことをしてたら韓国の発電構造は取り返しのつかないものになる」って警告していたメディアもあったのですけどね。
 「韓国国民のために」って言って韓国電力に赤字を強いて、挙げ句の果てに30兆ウォンを超える赤字を叩き出させて、ほぼ同額の社債を発行させて。
 他の韓国企業の社債を邪魔し続けているっていう。

 ムン・ジェインはすげえよ。本当にすごかった。
 韓国を破壊したくてたまらなかったんだろうな。そういう観点からすれば優れてたのかもしれない。
 そうでもなかったらあそこまでメチャクチャやらんでしょ……。

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韓国電力、韓国の金融市場の流動性をなくすほどに社債を発行してしまう……発行上限はすぐそばで設備メンテナンスができなくなるカウントダウン開始か

カテゴリ:韓国電力・停電 コメント:(63)
値上げできない韓国電力、債券発行72%増やす…韓国金融市場に暗雲(中央日報)
資金調達に行き詰まる韓国電力が債券(韓電債)の発行を増やせば金融市場が不安になりかねないとの懸念が出ている。政界で電気料金引き上げを防いだのに伴う否定的効果だ。 (中略)

今年も上半期だけで10兆ウォン以上の赤字を予想する。韓国電力は1カ月に4回にわたり発電会社から電力を購入しその代金を支払わなければならない。

資金確保が厳しい韓国電力が代金を調達する方法は2種類だ。債券を発行するか銀行から借り入れることだ。通常銀行の貸出金利が社債発行金利より高く、韓国電力が必要な資金をすべて銀行からの借入で充当するのは負担だ。結局残るのは韓電債の発行だ。

韓国電力によると、3月末基準で韓電債の発行残高は68兆300億ウォン。1年前の39兆6200億ウォンから72%増えた。1-3月期の発行額8兆100億ウォンは1年前の6兆8700億ウォンから17%増えた。1月の発行額は過去最大規模だった昨年11月の4兆300億ウォン、12月の3兆8700億ウォンに次いで3番目だ。

ちょうど道も開かれた。国会は昨年末に韓国電力法を改正し韓電債発行限度を資本金と積立金を加えた規模の2倍から5倍に引き上げた。経営危機を解消するための緊急状況では産業通商資源部長官の承認により限度を6倍まで増やせるようにした。ハナ証券のキム・サンマン債券チーム長は「電気料金を追加で引き上げず、毎月3兆ウォンずつ韓電債を発行するならば、(一部債券の満期が来る点を考慮しても)今年韓電債残高は90兆ウォンを突破するかもしれない」と予想する。

問題は韓電債が金融市場に及ぼす影響が少なくない点だ。韓電債は一般社債と違い政府が支払いを保証する。格付けは最優良等級であるトリプルAだ。韓電債が「国民債」と呼ばれる理由だ。昨年韓国で発行した債券の4.8%、社債発行量の45.6%が韓電債だった。

優良株だが最近では金利まで高い。金融投資協会によると5日基準で韓電債3年物金利は3.803%だ。金利がピークに達した昨年11月の5.99%よりは下がったが、2021年まで長期にわたり1%台を維持していた点を考慮すれば依然として高い。

金利が高く格付けも最上位である韓電債に投資需要が集まれば一般企業が発行するA級以下の社債はさらに高い金利を提示しなければならない。それらの企業は資金調達が厳しくなるほかない。特に最近の世界的な銀行危機で債券市場が冷え込んだ状況で、韓電債に資金移動が起きれば一般社債が忌避される駆逐効果が深まりかねない。 (中略)

実際に昨年10月のレゴランド事態直後に社債投資心理が急激に冷え込むと、信用度が高い韓電債・銀行債に需要が急激に集まった。一般企業は社債で資金を調達できず資金難に陥った。
(引用ここまで)


 韓国電力が赤字に苦しんでいる、という話は何度かしていますが。
 それを社債市場から見た記事。
 去年、韓国で発行された債券(国債等も含めたすべての債券)のうち、4.8%が韓国電力のもの。
 そして社債市場では45.6%が韓国電力の社債だったっていう。

 2022年だけで赤字は32兆6000億ウォンっていう冗談みたいな額で、その赤字を埋めるために30兆ウォンもの社債を発行。
 政府保証つきなので誰しも危険性の少ないと思われる韓電の社債を好みますわな。
 それでも一時期は2年債、3年債でそれぞれ5.75%、5.9%の高利回りを提示したのに売れ残ったそうです。
 年間30兆ウォンじゃ消化しきれんか。

 その余波でSKハイニックスは1年債で5.34%の高利息を提示しなければなりませんでした。
 社債市場の流動性を韓国電力がブラックホールのように飲み込んでいる、とまでされていました。


 まあ、当時はレゴランドの手形の保証を江原道が拒絶したという「レゴランド事態」で社債市場そのものがきついことになっていたことが高利息の原因だったこともありますけどね。
 いまではさすがにここまでの高利回りではないそうですが。

 とはいえ今年も上半期だけで10兆ウォンの赤字が見込まれており、損失を埋めるためにはほぼ同額の社債発行を「しなければならない」わけで。
 一応、上限キャップは設定されていて最大で残高100兆ウォン(緊急時には120兆ウォン)までしか発行できないことにされているのですが。
 記事中にあるように今年中に90兆ウォンを突破するだろうと予想されており、いまのところ安定局面に転じた燃料が高騰するようなことがあればそれ以上の可能性もある。

 社債発行の上限キャップに貼りついたら設備のメンテナンスすらできなくなるのですよ。
 ……いや、「大げさな」って思うかもしれませんが、公社であろうと法人である以上はどこかからお金を持ってこなければ設備の更新もメンテナンスもできませんからね。
 実際に韓国メディアからも「これ以上の社債発行は危険ではないか」とする声が聞こえてきています。

 ただ、韓国国民からは「(公共料金値上げが凍結されていた)ムン・ジェイン政権時代の方が暮らしゆきが楽だった」といった声も出ており、それを気にしているユン政権も「値上げする」としていたはずなのに、凍結したままになっているのです。
 問題は「次の政権に丸投げすりゃいいや」くらいの気分でいたムン政権とは異なり、ユン政権の任期はまだ4年以上残されていることですかね。
 ま、10年ちょっと前のような大停電を起こさないよう、祈ってはおきます。
 現代では電気は生命ですからね。

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韓国電力、原価の70%で電力供給していた……赤字補填の社債はすでに7兆円規模に

電気料金の引き上げ留保に電力供給網が危ない……ガス原料費未収金も増える(SBS BIZ・朝鮮語)
今年第2四半期の電気とガス料金の引き上げが留保される中、政府が韓国電力と韓国ガス公社の経営状況を考慮した場合、料金引き上げは避けられないとしました。

産業通商資源部は今日(2日)、韓電アートセンターでチョン・スンイル韓電社長とチェ・ヨンヘガス公社社長などが参加した中で「エネルギー公企業緊急経営状況点検会議」を開き、料金調整遅延で発生しうるリスクを点検したと明らかにしました。

この席で韓国電力は社債発行限度を超過し電力供給網が危うくなり、韓国ガス公社は未収金が今年末13兆ウォンまで増えるだろうという分析を発表しました。

韓電は電気料金を通じた原価回収率が約70%に過ぎず、発電会社に支給する電力購入代金を毎月4回(平均9日間隔)社債を発行して調達していると説明しました。

問題は今年も赤字が5兆ウォン以上発生した場合、来年には韓電法に規定された社債発行限度(資本金と積立金を合わせた金額の5倍)超過が予想されるということです。

韓電は「社債発行に支障が生じれば電力購買代金と資機材・工事代金支給が難しくなり電力産業生態系全般が危うくなる可能性が高い」と韓電は明らかにしました。

韓電はまた、電気料金の引き上げが遅延すれば、韓電債発行規模を増やすしかなく、韓電債「偏り現象」による債権市場撹乱が発生する恐れがあると強調しました。

債券の総発行額で韓電債が占める割合は昨年4.8%(37兆2000億ウォン)に達し、今年はすでに2.6%(5兆3000億ウォン)を占めています。韓電債金利は2021年6月1.6%から昨年10月5.8%まで上がり、先月も4.3%を記録し高い水準を維持しており、発行規模が拡大すれば偏り現象が深刻化する可能性が高いと予想されます。

ガス公社はガス料金が引き上げられない場合、昨年末までに累積した8兆6千億ウォンの原料費未収金が今年末12兆9千億ウォンまで増えると予想しました。

そうなれば、未収金に対する年間利子費用は約4700億ウォン(一日当たり13億ウォン)に達すると予想されます。

現在、ガス料金を通じた原価回収率は62.4%に過ぎず、ガス公社の未収金は増え続けるしかない状況です。
(引用ここまで)


 ……。
 …………。

 「韓国電力の原価回収率が約70%」
 「韓国ガスの原価回収率は62.4%」


 異常だわ。
 ムン・ジェイン政権は「コロナ禍の民衆を守る」とか言い出して、公共料金の凍結をしたのですが。
 その後にウクライナ戦争で原油価格が激上がりして原価率がアホほど上昇。
 すっかり赤字での電力供給が定着しているっていう。


 そして、その赤字を補填するために社債を発行し続けて去年は社債市場全体の4.8%を1社で発行。
 今年はまだ2.6%。でも、もうすでに長期債7兆6100億ウォン
 社債市場を徹底的に冷えこませている。

 ちなみにユン政権も「今年前半まで公共料金を上げない」と確約していまして(笑)。
 値上げ時の国民からの反応が芳しくなかったのでポピュリズムに走りました。
 今年頭くらいには「順次料金を上げていく」と宣言していたはずですが。

 ちなみに韓国電力は2016年後頃にはサムスン電子の利益率すら超える優良企業だったのですが。
 ま、韓国の公社は政権にいいように使われるのは当たり前なのですけどね。

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韓国左派紙「韓国電力が3兆円規模の赤字に苦しんでいるのは再生可能エネルギーを採用していないからだ!」……ムン・ジェインのせいでしょ

カテゴリ:韓国電力・停電 コメント:(65)
韓国電力が「3兆円の赤字」を出す本当の理由(ハンギョレ)
 国際経済諮問機関である英国のケンブリッジ・エコノメトリックスが、エネルギー価格の急騰にともなう韓国電力の財務危機を再生可能エネルギーの拡大で解決すべきだと助言する報告書を出した。 (中略)

 現在、韓国電力は急騰した発電燃料費を電気料金に反映できず、原価以下で電力を供給し、年末までに30兆ウォン(約3兆円)台の営業損失を記録すると予想されている。韓国電力はこのような営業損失による資金難を、主に社債を発行して調達した資金で賄っている。

 しかし、今年の決算が反映される来年3月以降は、社債発行額が資本金と積立金を合わせた金額の2倍を超えないよう制限した韓国電力公社法(韓電法)によって、こうした資金調達の道も閉ざされる。そのため、政界では韓電法を改正し、社債発行限度を最大6倍まで増やす案をめぐって議論が起きている。

 報告書は「ガソリン、ガス、軽油の価格上昇が今年の韓国のインフレに大きな影響を及ぼし、年間物価上昇率の4分の1を占めたが、電力の小売価格には料金規制によりエネルギー価格の上昇が反映されていない」とし「これにともなう韓国電力の莫大な財政損失は、結局国が抱え込むことになる」と指摘した。 (中略)

 報告書の著者であるカール・ハイメマン氏は「再生可能エネルギーの投資の壁をなくし、韓国電力の独占構造を変えることが、化石燃料価格の変動に対する韓電の脆弱性を補完する正しい政策方案であり、韓国電力のみならず韓国電力の顧客と韓国経済全体に必要だ」として「これは燃料費が必要ない風力や太陽エネルギーの拡大で実現できる」と述べた。
(引用ここまで)


 韓国電力が1年で30兆ウォンを超える赤字を叩き出したことについて、「再生可能エネルギーを採用しないからこうなったんだ」との報告書が出されている、とのニュース。
 「価格変動のある化石燃料に頼っているからこうなるのだ」ですって。
 これを報じているハンギョレが左派紙であり、反原発・親再生可能エネルギーであるのでこうしてピックアップしているという部分が小さくないのですけどね。

 実際には燃料の価格変動に応じての料値上げをムン・ジェイン政権時代に封じられたからなのですが。
 韓国電力は値上げを禁じられており、かつ産業用や農業用の電気料金は原価以下になっている。
 そりゃま、こうした状況にもなりますわな。


 逆に燃料費が下がった時にはアホほど儲かってサムスン電子どころじゃない利益率を叩き出したこともあるのですが。
 ムン政権は「こんな風に儲けるのはけしからん」とばかりに電気料金の変動幅をなくしてしまったわけです。

 で、巡り巡って社債市場が凍り付くほどの額の「政府保証付き」の社債を発行せざるを得なくなり、なお一層の不況に韓国経済を叩きこんでいる、と。
 ムン・ジェイン政権の気分としては「庶民の味方」として行った政策なんでしょうけども。
 健全な経営範囲内にすることで電力供給の安定を図る、とかいう考えかたすらなかったんですよ。
 すごい政権だったよな……。

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韓国、天然ガスの需要増を見誤り、備蓄が冬季の10日分もなくなってしまう……冬にはブラックアウトも?

韓国の液化天然ガス備蓄、冬の10日分にも満たない137万トン(韓国経済新聞)
韓国経済新聞の取材を総合すれば、2日現在、韓国ガス公社のLNG備蓄量は総貯蔵容量(557万トン)の25%に過ぎない137万トンまで落ちた。2020年7月と2021年8月の総貯蔵容量対比備蓄量がそれぞれ79%と53%に達したことと比べても非常に低い水準だ。あるガス公社関係者は「LNG在庫は事実上、底を打った状態」として「今冬LNG不足による大災害が来る恐れがある」と話した。

こうした事態に直面しているのは、需要増加と供給不足が同時に重なった結果だ。 まず、今年の気温変動が予想より±1度大きくなり、国内電力需要が増加した。西側が、ウクライナに侵攻したロシアを制裁し、ロシアがこれに反発して欧州に対するガス供給を減らした点もガス公社のLNG導入難を加重させた。 (中略)

世界的なLNG供給難に韓国内電力需要の増加まで重なったのも一因だ。 ガス公社は今冬、ブラックアウト(大停電)を避けるため、大規模LNGの追加購入に乗り出す計画だ。 しかし、LNG価格がこの2年間で20倍以上、暴騰したうえ、従来ロシアからパイプラインを通じてガス供給を受けていた欧州まで、新しいLNG供給先に目を向けた。価格が高くなっても、韓国が望むだけLNGを確保できるかどうかは不透明だ。ロシアが欧州に向かうガスバルブを閉めたことで高まる今年の冬、世界的なLNG大乱の恐怖から韓国も自由ではないのだ。
(引用ここまで)


 ムン・ジェイン政権は就任1ヶ月の2017年6月時点で「石炭火力と原子力発電を縮小し、それぞれ天然ガス、再生可能エネルギーで代替する」という方針を発表しました。
 原発の発電シェアを30%台から少なくとも24%にする、と。
 実際、現在の原発による発電シェアは27%ほどになっています。

 そして最低賃金の急激な上昇も予告されていましたね。
 どちらもあからさまに韓国企業の競争力を削ぎにきた政策で、中小企業からも「もう韓国で工場を操業するのは無理」と海外脱出を予告する声が出ていましたものです。
 実際に韓国最古の企業であった京紡は不動産事業だけを韓国に残して、すべての工場施設をベトナムに運び出しています。

 そうした方向性を持っていたムン・ジェイン政権は建設途中だった石炭火力まで「天然ガス火力に改装しろ」とかいって建設を邪魔してきたのです。
 原発に関しては建設計画を遅滞させ、さらには「まだ経済性は充分にあります」との報告書を出した担当者に対して「おまえ死にたいのか」と大臣が叱責するなんてことも。
 最終的には虚偽の報告書を作らせて月城原発1号機を廃炉に追いこんだことが知られています。
 ムン・ジェイン政権のレガシーとして象徴化したかったのでしょうね。
 ……やっぱりろくなことやっちゃねえな。


 で、そうして天然ガス火力を増やした結果、ウクライナ戦争による天然ガスの高騰もあって、もはや備蓄が冬季の10日分になってしまった。
 冬になればブラックアウトの危機も充分にある……と。
 日本は災害があったりなんだりで発電所にダメージが行ってブラックアウトも覚悟するシーンがこの春、夏とありましたが。
 さぞかし韓国も発電所にダメージが行くような事態になったのでしょうね。

 え、ないの?
 ほら、こないだ水害があったじゃないですか。
 それで発電所にダメージが……え、ないんだ。

 単純に天然ガスの需要を見誤っただけ?
 ああ、そうか。
 じゃあ、しょうがないな。

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韓国の月城原発2号機、配管の老朽化でピンホールが空いて重水漏れ……でしょうね

「原発に穴とは」…6月にも韓国の月城2号機の配管に「ピンホール」(ハンギョレ)
 慶尚北道慶州(キョンジュ)の月城(ウォルソン)原発2号機の配管に、1月に続き6月にも小さな穴(ピンホール)が開き、冷却材として使われる重水が漏れていたことが確認された。1月のピンホール発生で原発稼動が6カ月にわたり中断している中、またしてもピンホールと重水漏れが発見されたことで、老朽化した原発の安全性を懸念する声が高まっている。月城原発2号機は設計寿命(運用許可)満了を約4年後に控えている。

 原子力安全委員会(原安委)と韓国水力原子力などの11日の話を総合すると、先月16日から17日の間に月城2号機の原子炉格納建屋内の停止冷却ポンプ出口の配管にピンホールが生じ、19.7キログラムの重水が漏れた。ピンホールとは、配管の溶接部などに長期間加わるストレス性の腐食などによって生じる小さな穴のこと。1月23日にも、同原発の蒸気発生器に取り付けられている水位計測器の圧力伝送配管にピンホールが発生し、13.13キロの重水が漏れていたことが明らかになっている。ピンホールが生じた水位計測器の交換作業が遅れたことで、月城2号機は当初1月30日に予定されていた計画予防整備(事前に立てた整備計画にもとづいて設備の検査や点検などを行うこと)終了日が過ぎてから6カ月目に入った今も停止したままだ。

 今回の重水漏れも、1月と同様に、原子炉建屋内のトリチウム(三重水素)濃度が高まっているのが監視装置に捉えられたことで発見された。 (中略)

月城2号機は4年4カ月後の2026年11月に設計寿命を迎える。しかし尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、任期中に稼働を延長する計画だ。月城2号機のある慶州市陽南面(ヤンナムミョン)のセマウル協議会のイ・ジェゴル会長は「原発からトリチウムが漏れたという声が聞こえてきて不安だが、古い設備の配管に穴が開いて重水が漏れるとは、住民の立場からするとよりいっそう不安になる」と話した。
(引用ここまで)


 月城原発2号機の老朽化した配管から重水漏れがあった、というニュース。
 1月にも同様に配管にピンホールが空いて重水漏れがあったとしています。
 1月のものは蒸気発生器、今回は原子炉格納建屋の配管とのこと。

 韓国の原発事情を知るものからすると「でしょうね!」としかならないのですが。
 とりあえず過去の所業でも見てみます?

台風による高潮の塩害被害で原子炉停止
タービン建屋内で雨漏り
ボヤがあっても通報せず
放射線検知機をテキトーに設定していた

 不安になることこの上にない。


 ムン政権では原発廃絶の方向で進んでいたのですが、ユン政権ではそれを否定して原発輸出も盛んに行うという方向に転じています。
 ……まあ、まともな経済感覚を持っているのであればそうなるのが当然ともいえますが。

 さて、月城原発はカナダで設計されたCANDU式という重水炉で、原則としてトリチウムはダダ漏れです。
 カナダにある天然ウランを燃料とすることを目的としたタイプの原子炉で、天然ウランなんてどこ掘っても見つからない韓国がこれを導入するのは不自然なんですけどね?

 ま、それはともかく。
 今回のピンホールで「トリチウムの含まれていた重水が漏出した」そうですが、まあそもそもが月城原発ではトリチウムの大気放出も海水への放出も山ほどやっているのでいうほどの問題はないと思います。
 ただ、韓国国内では日本の福島第一原発からの処理水放出に反対するために「トリチウムは猛毒だ」という設定になっているっぽいのですね。

 以前も韓国の国会議員が「トリチウムは自然界に存在しない危険な放射性物質だ」とか言い出してまして。
 この時はやはり月城原発の地下水に多量の放射線が検出されたという件でした。
 結果的には「薄めて放出する前のものなので問題なし」だったのですけどね。

 日本や原発を悪魔化しすぎてトリチウムが「自然には存在しない放射性物質」になっちゃっているっていう。
 福島第一原発からの放射性物質が同心円状に拡がる世界ではそんなこともあるのかもしれませんが。
 こんなやりかたで日本の処理水放出を吊し上げようとしている、ということでもあります。

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韓国、干拓地のメガソーラーが糞害で発電不可能 → 合成洗剤で洗浄して周囲を死の湾に変えてしまう

カテゴリ:韓国電力・停電 コメント:(113)
高興 海倉湾、ボラの集団死の原因論議…江原大学研究所「台所用洗剤成分のABS検出」(TV朝鮮・朝鮮語)

ボラなどが相次いで死んだ高興海倉湾一帯で「キッチン洗剤」成分が検出され、議論が起きている。
14日、高興郡によると、江原大学魚類研究センターが住民が依頼した水質検査サンプルと魚類死体を分析した結果、キッチン洗剤成分の一種である「アルキルベンゼンサルフォネート(ABS)」を検出した。
研究センター側は、脂肪成分を溶かす作用をするアルキルベンゼンサルフォネートが魚の鰓や体の粘液にも作用した可能性があると伝えた。
住民たちは先月3日から海倉湾の魚類が相次いで廃死すると、太陽光パネル洗浄剤が原因だと主張した。
これに対して太陽光メーカー側は洗浄時には洗剤を使わなかったと住民の疑惑を否定した。
(引用ここまで)


 以前に韓国の大規模干拓地にメガソーラー計画を立てたのだけども、飛来する渡り鳥の止まり木になってしまって糞害でミリほども発電できなくなった……というしょうもないお話があったのを覚えていますでしょうか。

 このメガソーラー計画が行われているのはセマングム干拓地で着工30年から進捗率10%ていどという「ザ・韓国」といってもいいような代物でした。
 韓国人曰く「日本のケチな干拓とはわけが違う」との話だったのですが。
 まあ、確かにいろんな意味でわけが違うわな。

 ちなみに当時の太陽光パネルの画像がこちら。


(画像引用元・朝鮮BIZニュース記事から画面キャプチャ)

 当初計画では「鳥の糞が多少ついたところで雨で流れるから大丈夫」というものだったのですが。
 この驚きの白さで……?
 と疑問符がついてました。


 この報道後にボラや鯉が一斉に死ぬという事件がありまして。
 原因を調べたところ、台所用洗剤が検出された……というのがこのニュース。
 ABSはいわゆる合成洗剤に使われる成分ですね。
 ところがパネルを設置した側は「洗剤など使っていない。農家が使った農薬が原因ではないのか」と言い出したのですよ。

 で、しっかりと調べたところ、ABSが検出されて太陽光パネルに近い水域であればあるほど濃度が高かった……というオチ。

魚の群れ死の惨事…全国で起きる奇妙なこと(オーマイニュース・朝鮮語)

 最大で環境基準値の962倍の濃度でABSが検出された……と。

 メガソーラーを活かして死の干拓地とするか、この地での太陽光発電を諦めるかのふたつにひとつですね。
 以前に報じられたように「猛禽類の凧を上げて渡り鳥を脅す」でもよいですが。
 この再生可能エネルギーが大好きだったムン・ジェイン政権の負の遺産をどうするんでしょうね。

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