相互RSS募集中です

カテゴリ:韓国教育事情の記事一覧

韓国、成人の知力がOECD平均以下だと判明してしまう……「大学入学試験一辺倒の勉強がまずいのは分かっている」そうですけどね?

カテゴリ:韓国教育事情 コメント:(113)
韓国教育、AI時代の言語数理「情報スキル」を大幅に強化すべき(Mエコノミーニュース・朝鮮語)
韓国の16~65歳の成人の言語能力の平均点数は249点でOECD260点より11点低く、数理力は253点でOECD263点より10点、適応的問題解決力に必要な情報処理スキルは238点でOECD251点より13ポイントも低いことが分かった。 3つの領域ともOECD平均より低いのは、韓国の教育に深刻な問題があることを証明している。 (中略)

韓国の教育がこれら3つの領域でいずれも平均以下を示したのは、大学入試で捕獲された理由であることは、あえて強調する必要はない。 多くの生徒が学校では創意的な教育を受けることがほとんどできず、入試塾で遅くまで勉強するやり方が繰り返されている。 塾は試験点数を直ちに上げることを願う学生たちの要求に応じるほかはないので、一種の「要領」教育に偏る。 (中略)

まず、言語力を高めるためには、何よりも読書と作文の訓練が必要だ。 携帯電話で使われる短い文だけを過度に没頭することは言語力に極めて有害にならざるをえない。 呼吸が長い読書を通じて多様な語彙と文章に接して考える機会を持たなければならない。

読書教育は本当に本を読んだかどうか分からないので、読書感想文を発表し、本の内容をめぐって討論する時間を持つ方式で行われなければならない。 それだけでなく、読書から得た考えを自ら文章で表現してみなければならない。 複数の文章で書かれた作文は、統合的で総合的な能力を育ててくれる。 読書と討論だけをして作文をしなければ、半分の教育に過ぎない。
(引用ここまで)


 PIAACの結果に対して評論、対策を述べている唯一の記事がこちら。
 あ、OECDが調査したPIAAC ── 成人の知力調査については下のリンクからご覧ください。

韓国、成人の知力はOECDの平均を下回り、31カ国・地域中で下位に沈むことが判明。読解力、数的思考力、問題解決能力のすべてで20位台(楽韓Web過去エントリ)

 31カ国・地域中、韓国は読解力で22位、数的思考力で23位、状況に応じた問題解決能力で24位。
 どれもOECDの平均にも満たない数字でした。
 一応、若年層は読解力、数的思考力ではOECD平均を上回るていどの点数になったことも書いておくべきですかね。


 で、それぞれに対して「こうしてはどうか」みたいな提言があるのですが。
 読解力については「読書して感想文を書くのがいいだろう」としています。

 でもなぁ……。
 記事中にもあるんですが、韓国人は韓国の大学に入るためだけの勉強をしているんですよ。
 いつだったか、TOEICで満点を取ったことがあるって韓国人女性がいたのですが。
 「TOEICでは満点だけども、英語はまるで話せない」って言ってたのですね。
 大学受験もそれと同じ文脈なんですよ。

 結果として「一般的に必要になる読解力や数的思考力を備えることができない」わけです。
 若年層ですら日本の平均には届いていないので。
 読解力に関していえばハングルだけにしたのは大失敗だったと思うなぁ……。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国、成人の知力はOECDの平均を下回り、31カ国・地域中で下位に沈むことが判明。読解力、数的思考力、問題解決能力のすべてで20位台

日本の成人、世界トップ級の知力 若年層がけん引(日経新聞)
経済協力開発機構(OECD)が実施した国際成人力調査(PIAAC)で、日本は前回1位だった読解力と数的思考力で2位、初めて試した問題解決能力で1位と好成績を維持した。調査は11年ぶりで、31カ国・地域が参加。日本は進学率の向上などを背景に、平均得点の高い若年層が全体の水準をけん引した。
(引用ここまで)


 楽韓Webでも注目していたOECDによるPIAAC ── 国際成人力調査の結果が出ました。
 なぜか韓国メディアではいつもやっている「日本との比較」をやっていないので、楽韓さんが独自にまとめましたよ。

 まず、全体の順位と得点はこんな感じ。参加国数は31カ国・地域。


   読解力   数的思考力 状況に応じた問題解決能力
日本 2位(289)  2位(291) 1位タイ(276)
韓国 22位(249) 23位(253) 24位(238)
平均 260点    263点    251点

 北欧はどこも上位。あとオランダとエストニアが上位って感じですね。
 韓国はOECD平均にも到達できず下位に沈みました。
 読解力と数的思考力については16〜24歳だけであればOECD平均を上回るていどにはなるようです。
 日本はどの年代でもOECD平均を下回ることはありません。


 PIAACではレベルを1〜5にわけ、どれだけの到達者がいるかを記しています。
 数的思考力ではればレベル1は単純な四則計算、小数、分数など。レベル2は数学的な情報にアクセスし、表やグラフを読み解ける。
 レベル3は複数のデータソースの使用、統合、操作を必要とする数学的分析が可能。レベル4は数学的手順を踏んで推論を行うなどができる。
 レベル5は数学的情報を分析、評価、推論し、批判的に考察することができる、とされています。

 さて、読解力、数的思考力、状況の変化に応じた問題解決能力のそれぞれで、どれだけのレベルに達しているかを日韓で比較してみましょう。
 あとOECDの平均もついでに。

●読解力
   Lv1未満 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4以上
日本 4%   7% 24% 42% 23%
韓国 9%  22% 37% 27%  6%
平均 9%  17%  31% 31% 12%


●数的思考力
   Lv1未満 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4以上
日本 3%   7%  24% 41% 25%
韓国 8%  20% 38% 28% 7%
平均 9%  16% 31% 31% 14%

●状況の変化に応じた問題解決能力
   Lv1未満 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4以上
日本  3%   9% 34% 45% 10%
韓国  8%  30% 45% 17% 1%
平均  8%  22% 38% 27% 5%

 どの統計でも共通しているのは日本はレベル3が最多で、韓国はレベル2が最多ってところですかね。
 ざくっといえば「韓国、言うほどじゃねえな」って感じ。

 韓国メディアの記事もそうした感じで伝えています。

韓国の成人の言語能力·数理力·問題解決力、OECD平均を下回る(聯合ニュース・朝鮮語)

 お通夜の空気。
 まあ、前回の結果から落ちたとはいえ、そこまで大きな変化があるわけでもないのでこのくらいが実際の韓国の成績、なんでしょうね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国政府の「医学部定員増」で仮面浪人たちがこぞって「ソウルにある医学部」を目指しはじめ、地方大学は悲鳴を上げる結果に……

韓国・大学入試まで50日、予備校街に漂う冷たい緊張感のわけ(KOREA WAVE)
韓国の昨年の大学修学能力試験で、地方の医大に合格した学生たちが、再びソウルの医大を目指して大峙洞(テチドン)に戻ってきているようだ。

2025学年度の大学修学能力試験を50日後に控えた9月25日、ソウル・江南の大峙洞にある予備校街には、温度計では測れない冷たい緊張感が漂っていた。

今回は▽医大の定員増加による受験生の増加▽「キラー問題(難問)排除」の発表後に実施される2回目の試験――ということの影響もあるだろう。

大峙十字路付近で10年以上運営しているC学舎の経営者は「再挑戦する学生たちは長い闘いをしてきた経験があるため、ある程度の安定感はあるが、今年の雰囲気は昨年と比べて浮ついている感じがする。医大の定員増加も揺れ動いており、試験の難易度も予測がつかないため、みんな不安を抱えている」と話した。 (中略)

C学舎の経営者は「昨年、地方の医大に合格した学生たちも、授業をほとんど受けていないため、再びソウルの医大を目指しているようだ」と語った。

受験生たちは混乱していると口を揃える。

大学に通いながら今年3回目の修学能力試験に挑む「半修生」のカンさん(20)は「大学受験の願書受付期間中にコンサルティングを受けたが、医大の定員増加がいつ撤回されるか分からないため、今年がチャンスだと言われた。長く勉強してきたため、緊張はあまりしないが、混乱しているのは確かだ」と話した。
(引用ここまで)


 合格した大学に通いつつ、医学部を目指している「仮面浪人」が韓国には少なからずいるのですね。
 去年、修能試験(日本の共通テストにあたる大学入試テスト)での満点者と偏差主席はどちらも医学部を希望して浪人と仮面浪人をしていました。

韓国の大学入試で満点と全国主席のふたり、どちらも浪人で月謝300万ウォンの塾に通っていた……なお、どちらも医学部志望(楽韓Web過去エントリ)

 ふたりとも同じ塾に通っていて、月謝300万ウォンだってことで話題になったりもしましたね。
 去年の修能テストは「塾に行っていないと解けないキテレツな問題」(キラー問題)が削除されたことで、医学部へ再チャレンジする仮面浪人が増えたのですね。

 で、今年はそれに加えて医学部・医大の定員増員で定員が1.5倍になったことからこうした形で仮面浪人をしていた大学生にとって、さらなるチャンスがやってきたわけです。
 韓国の大学にはふたつの序列があります。


 ひとつは何度か書いていますが、医学部とそれ以外。もしくは医学部・歯学部・薬学部・韓医学部とそれ以外。
 ソウル大学の医学部から埋まり、それ以外の大学の医学部が埋まっていきます。
 そして歯学部、薬学部、韓医学部と埋まっていってから、ソウル大学の理系が埋まっていくって感じです。
 医学部が序列の頂点なのですね。

 もうひとつの序列は、大学のキャンパスがソウルにあるか否か。もしくは首都圏(ソウル市+仁川市、京畿道)にあるか否か。
 ソウル大学が1番なのは言うまでもないですが、国立大学で2番手に位置する釜山大学よりもソウル市立大のほうがランキング的に上。
 それくらい「ソウルにあるかどうか」は大事なのです。
 つまり、「ソウルにキャンパスのある医大であれば最強」ってことで、優秀な仮面浪人は首都圏内にある医学部に再チャレンジしようとしているわけなのです。

 で、今回は医学部への集中が起きそう=優秀な学生が全国へばらけそうだってことで、他の学生が少しでも序列の高い大学に向かおうとして首都圏への集中がさらに増えているとのこと。
 風が吹けば桶屋が儲かる方式っすな。

地方大学のこのままでは大変なことになりそう…凄惨な状況に「哭声」(韓国経済新聞・朝鮮語)

 韓国国内においては「夢の都・ソウル」であることがよく分かります。
 ソウルにいないと仕事も収入もどうにもならないってのは「地方では違法を承知でコンビニバイトに最低賃金が支払われない」時点で現実の問題だもんなぁ……。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国で脱北者を支援する学校、近隣住民の反対でどこにも行けずに廃校に……脱北者が韓国で「透明な存在」になりつつある理由とは?

開校20年を迎える脱北青少年向け学校、歓迎ではなく忌避する韓国社会【9月24日付社説】(朝鮮日報)
北朝鮮から逃れてきた脱北青少年のための代案学校(オルタナティブスクール)「黎明学校」が今月27日に開校から20年を迎える。言語や文化の問題で一般の学校に適応できない脱北民の中高生たちを支援するため、23の教会が協力してソウル市冠岳区奉天洞の商業ビルに20年前に開校した。その後は紆余(うよ)曲折の末2回移転し、現在は昨年8月に江西区の廃校した小学校跡地で臨時運営されている。ところがこの廃校には近く別の施設が入る予定で、2026年2月までに施設を明け渡さねばならないという。学校側によると次の移転先はまだ見つかっておらず、関係者は支援を呼びかけているようだ。

 この問題が容易に解決しない理由は、一部地域住民が自分たちの近所への移転に反対しているからだ。黎明学校は2019年に運動場付きの校舎を建設しようとしたが、これに反発する横断幕が敷地内に設置され、区庁にも「来させるな」など抗議の電話が相次いだという。不動産価格にマイナスの影響を及ぼすとされたのがその理由だった。黎明学校の当時の教頭は「ひざまずいてくれる母親もいない脱北民の子供たちはどこに行くべきでしょうか」という題目の文書を青瓦台(韓国大統領府)の国民請願掲示板に掲載したが、それでも住民の反対が収まることはなかった。その後は今の場所に臨時で移転しているが、近隣住民を刺激しないため移転作業は深夜に行い、学校の看板も設置していない。

 しかし学校をソウル以外に移転することはできない。黎明学校は脱北民のための中学・高校としてソウル教育庁だけが認可し、卒業すれば高卒の資格が認められる。しかし移転先をソウル市以外にすればソウル教育庁から受けた正規の学歴認定が取り消される。そのため学校としてはどうすることもできないのが現状だ。 (中略)

今もおよそ100人の生徒が中学と高校で勉強を続けているが、中には両親がいない、あるいは片親しかいない生徒も少なくない。中国などで長期にわたり隠れ住んでから韓国にやって来たため、韓国語に不自由する生徒たちも多いという。黎明学校はそのような生徒たちが韓国社会に適応し、大韓民国国民として生活を送れるよう支援する教育施設だ。生徒が犯罪行為に走った事例も確認されていない。
(引用ここまで)


 韓国で脱北者を受け入れて教育を行っているちょっと特殊な中学・高校が廃校の瀬戸際にあるとのニュース。
 脱北者ってもはや韓国では透明人間も同様なのですよ。
 見えないものとして扱われている。
 これもムン・ジェインの仕業のひとつといえるでしょうね。

 ムン・ジェインは大統領としての任期中、一度として脱北者に会おうとしませんでした。
 韓国の大統領としてははじめての功績です。
 それ以外にもベトナムにやってきた脱北者が中国に強制送還される寸前であったのに完全に無視。それも2回に渡って。
 なぜかアメリカが対応するなんてこともありました。

ムン・ジェイン政権、北朝鮮の機嫌を損ねないために脱北者を見殺しにする……(楽韓Web過去エントリ)
ムン・ジェイン政権、またしても脱北者を見殺しに……(楽韓Web過去エントリ)
アメリカ政府、ベトナムで強制送還寸前だった脱北者13人を韓国政府を無視して保護……え、こんなことあり得るの?(楽韓Web過去エントリ)

 ムン・ジェイン政権下の5年間で脱北者っていないものと化したのですよ。
 ユン・ソンニョル政権では「脱北者の日」を制定して記念式典を開いて脱北者と会ってたりしていますけどね(今年から)。


 さらに韓国にたどり着いた脱北者は板門店経由で強制送還。ノン・ルフールマンの原則に反する国際法違反もいいとこ。

ムン・ジェイン政権のやった北朝鮮漁師送還事件、送還時の映像が公開される。強制送還を避けたくて座りこむ男を引きずって北朝鮮に向かわせる韓国当局者たち……超弩級の国際法違反です(楽韓Web過去エントリ)

 リンク先には送還時の映像もありますので、ご覧ください。
 脱北者が「ここは板門店でこれから北朝鮮に送還されるのだ」と認識してからの抵抗具合、ひどいもんですね。

 そうした5年間を経た結果、韓国では脱北者はいないものとなったのです。
 まるで透明になったみたい(布施明の声で)。
 そして、脱北者が通う学校はNIMBY扱いになったわけです。
 またひとつ、「キレイナ韓国」に近づいたのですね。

 ちなみに「うちの近所にくるな」って理由は「そんなものがあるとうちのマンションの価格が下がるから」だそうです。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

医学部の募集定員が1.5倍に増えた韓国、優秀な学生が一斉に医学部を狙って他の学部が狙い目に?

カテゴリ:韓国教育事情 コメント:(40)
医学部の随時募集、史上初の7万人突破…「SKY入学」は容易になるか(マネートゥデイ・朝鮮語)
2025学年度の随時受付が完了した中で、医大の随時志願者数が史上初めて7万人を突破した。 いわゆる「SKY(ソウル大・高麗大・延世大)」競争率も上がった。 最上位圏の学生たちの医学部志願が予想され、SKYに上層の志願が集中したものと分析される。

医学部の志願者数が大幅に増えたが、定員増加で競争率は例年より下落した。 入試業界では医学部間、理工系など重複合格が増え、連鎖作用があるものと予想している。

15日、鐘路学院(訳注・予備校のひとつ)によると、全国39の医大の随時志願者数は7万368人と集計された。 前年(5万7192人)より約1万3000人が増えたもので歴代最大値だ。 以前の最大値は2022学年度6万5000人余りだった。 これさえも地方圏14ヶ大学は最終志願者数を発表せず、13日午後1~3時基準で合算した数字だ。 したがって、最後の志願者を勘案すれば、志願者数が数千人さらに増える可能性がある。 定員がそのままのソウル圏は志願者数が減ったが、京仁(キョンイン)、地方に志願者が大挙殺到した。 ただ、定員が増えただけに競争率はむしろ下落した。

ソウルの8つの医学部の志願者数は1万6671人で、前年比8.9%減少した。 平均競争率も41.19倍から35.77倍に下落した。
(引用ここまで)


 今年の修能試験(日本での共通テストにあたる)から、医大・医学部の定員増が行われます。
 韓国政府は当初から2000人増を目指していましたが、大学側の都合や医師側の反対もあって1509人増となりました。
 とはいえ、前年までの3058人に比べればざっくり1.5倍。
 これまで医学部のハードルの高さに弾かれてた受験生も「今回は行けるはず!」となって受験生が医学部に殺到しているそうです。

 その一方で上位成績者がこぞって医学部受験を目指しているため、上位大学の象徴であるSKY(ソウル大学・高麗大学・延世大学)の理系への応募者が少なめでハードルが下がるのかもしれない、とされています。
 まあ、可能性が1.5倍になったのであればかなり希望は見えてきます。
 それでなくても試験の上位って「難問部分で得意な問題が出たか否か」でけっこう変わってきちゃいますからね。
 偏差値70アップの世界だとけっこうそんなことも起きがち。


 かつ、去年の修能試験から「予備校に行っていないと解けないレベルの突飛な問題」が少なくなったこともありまして。
 よけいに医学部への集中度合いが高まっているとのこと。

 なんかねぇ……。
 韓国の大学受験ってまずソウル大学の医学部が埋まって、次に高麗大学、延世大学の医学部が埋まります。
 ついでソウルにキャンパスのある大学の医学部が埋まって……ってなるのですね。
 で、歯学部、薬学部、韓医部が埋まるって順番。
 そこから理系が埋まるって感じです。

 去年の修能試験での満点、標準偏差1位のどちらも医学部に入ってましたしね。なんなら標準偏差1位のほうは他の大学の医学部から仮面浪人でソウル大学医学部に入るっていう。
 それくらいに韓国では「優秀ならまず医者になる」のが当然なんですよね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国の学生、漢字由来語の意味が分からずに読解力が下落……「たいへん(対辺)とはクソ(大便)のことですか?」

[単独]「先生、どういうことですか」… 不通になった教室[子供たちの識字力が危ない](ソウル新聞・朝鮮語)
「先生、『がんきょう』は 『完全に強い』じゃないですか?」

首都圏高校のある英語教師は最近、高校3年生の授業で意外な質問を受けた。 「頑強だ」が「完全に強い」の略語だと思ったという学生たちは、見慣れない単語が出てくる度に自分たちだけでざわめいた。 「『模索する』は『色に沿って塗る』という意味ですか?」と思わぬ質問にイ教師は「私が英語教師なのか国語教師なのか紛らわしいほど」としてため息を吐いた。

多様な文を理解して創作できる力、識字力が劣る子供たちが増えている。 文を読むことには問題がないが、解釈に困難をきたすことだ。 ソウル新聞が学生たちの文解力実態を調べるために今年2学期が始まった8月中旬から6日まで全国小中高校教師20人を深層インタビューし学生調査を併行した結果、教師たちは「授業進行が難しいほど最近2~3年間にわたり文解力が低くなった」と口をそろえた。 識字力が低下すれば、自己表現とコミュニケーションまで不便を強いられるため、さらに問題だという懸念も付け加えた。

識字率の低下は小学生から発見される。 早期教育でハングルを取ったため、文字はすらすら読めるが、単語と文章の意味を把握することができない。 大邱月培初等学校のキム·ミンジュン教師は「高学年が北朝鮮離脱住民から『離脱』の意味を知らないとか、地震や洪水は知っていても『災難』のような上意語や包括語を知らない場合が本当に多い」と話した。 「一緒に」を「価値」と書くなど比較的簡単な正書法を間違ったり、文章の叙述関係を把握できない高学年も簡単に見ることができる。 (中略)

国語はもちろん数学·社会·科学など他の教科学習にも障害物だ。 数学計算能力は優れているが、叙述型問題の文章を理解できず、手を出せない場合が多い。 中学校で数学を教えるチョ・ミスク教師は「『対辺』(向かい合う辺)を教えているが、子供たちが糞ではないかと言ったこともある」とし「数学の概念は単語と直接連結されたものが多いため、さらに難しがる」と話した。

社会や科学教科を教える時も基本単語説明に授業時間の10〜20分を割かなければならない。 時間は足りないが、単語が分からないと、進むことが難しいからだ。 「媒質による光の屈折」を説明するのになぜ殴るのかと聞いてしばらく説明したり(小6年生の教師)、「王が崩御する」という表現が分からず、歴史試験で誤答が続出(高校1年生の教師)したため、教師たちは語彙説明に精魂を入れるしかない。 (中略)

教師の半分以上の11人は、漢字語と語彙教育の減少も問題だと見た。 韓国語の70%が漢字語で、学年が上がるほど難しい概念と用語は漢字語になっているからだ。 中学校1年生のパク君は「国語教科書に『ミンチョ』(訳注:民草)という単語が出てきたが、『ミントチョコ』だと思った」として「初めて見る単語の中でも漢字語でできた単語が難しい」と話した。
(引用ここまで)


 ご好評いただいている漢字シリーズのひとつ。
 韓国人が韓国語を理解できなくなりつつある、とのニュース。

・国語の教科書で「民草(ミンチョ)」を見て「ミントチョコのことだ」と理解する。
・歴史のテストで「王が崩御」の意味が分からないので誤答が続出。
・中学の数学で「対辺」を教えようとして、大便だと勘違いする。
・「離脱」の意味がわからない。
・「一緒」と「価値」を同じように書く(文字は異なるが発音は同じ)。

 等々。
 まあ、韓国語あるあるではありますね。

 で、これらのアンケートを受けた教師20人のうち11人が「漢字語と語彙教育がなっていないせいだ」と答えています。


 まあ……そうね。
 記事の中でも小学校3年以降で漢字語が増えているけども、子供たちは正確な意味を知らないままでいるってあります。
 ハングルだからするすると読める。だけども、それ以上の伸びがない。

 韓国語の語彙は大半が漢字語だから、元の漢字を知らないと本当の意味での理解ができない。
 たぶんですが、上層の子供は漢字教育も受けているんだと思うんですよ。そのほうが圧倒的に有利ですからね。

 たしかに幼少期の読解力は韓国は世界でもトップレベルなのですが、そこ止まり。
 国連が16〜65歳を対象にして行っている読解力テスト(PIAAC)でも、韓国人は下位に沈んでいました。

韓国人の読解能力は世界1位! → 嘘でした(楽韓Web過去エントリ)

 一定以上の難易度を持つ語彙について、ハングルでは難しいのでしょうね。
 でもまあ、韓国人にハングルはお似合いだと思いますよ。
 文字オリンピックでハングルは堂々の2回連続金メダルですしね!(なお第2回で途絶)

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

ソウルの有名塾に通うために、地方から月に400万ウォンを費やして滞在する韓国の家族……それでもまだ「スタート地点にようやく立った」レベルでしかない……そりゃ少子化にもなるわ

カテゴリ:韓国教育事情 コメント:(87)
ひと月の宿泊費だけで44万円…それでも「大学入試合格」のため大峙洞へ=韓国(ハンギョレ)
 今月8日午後9時40分、ソウル江南区大峙洞(カンナムグ・テチドン)の○ホテルのロビー。Kさん(15)は左側に置いてあるパソコンデスクで英語の問題に取り組んでいた。部屋に上がっていったり、食堂から出てきたりする浮かれた様子の宿泊客の間で静かに問題集を見つめるKさんの姿は異質だった。

 江原道春川市(チュンチョンシ)の中学3年生のKさんは夏休みの間、このホテルに泊まっている。母親と高3の姉と一緒にだ。ベッドが2つある3人部屋を借りて長期滞在して3週目。春川に家があるのに家族3人で「大峙洞でのホテル暮らし」をしているのは、予備校に通うためだ。Kさんは午前9時ごろにホテルを出て大峙洞の英語・数学予備校で授業を受ける。午後3時ごろにホテルに戻って宿題をする。Kさんの姉は午前8時から夜10時まで自習型総合予備校で勉強している。

 3週間のホテルの宿泊費だけで200万ウォン(約22万円)以上かかる。Kさんの予備校の授業は1科目当たり35万~40万ウォン(約3万8500~4万4000円)ほど。宿泊費や授業料などを合わせると、Kさんの家族が3週間で使う金額は400万ウォン(約44万円)。にもかかわらず大峙洞のホテルに滞在する理由は明確だ。 (中略)

 長期休みを大峙洞のホテルで過ごすのは、Kさんの家族だけではない。「男子女子を問わず、このホテルにはたくさんの生徒が泊まっています。エレベーターでもよく会います。もともとはツールームのアパートを借りようと思って不動産屋に行ったんですが、このホテルをすすめられました。うちの子の友達で、学校で『トップ』の子がここの10階に泊まっているんですが、高1の時から夏休みや冬休みのたびにここに来ていたと言っていました」。Kさんの母親は9日朝、娘と共に取材に応じ、ここでは家を出てきた「大峙洞留学生」をよく見かけると語った。 (中略)

 『修能ハッキング』の著者で教育評論家のムン・ホジンさんは、私教育過熱現象の背景には公教育に対する不信の積み重なりがあると診断する。ムンさんは、「修能は、教育課程の目標を遂行したかとは関係なくなり、問題を解く訓練を通じた『パズル合わせ』試験になってしまっており、公教育で教えている内容との連係も崩壊している。同時に、学校は教える場所というより、勉強してきた内容を評価し記録する場所だと考えられている。特に地方の公教育については、生徒を教える力量が学校ごとに大きく異なるという認識が強い」と指摘した。
(引用ここまで)


 ひとつ前のエントリにつながるニュースではありますかね。
 ソウル江南区にあるテチドンは予備校のメッカ。
 大学受験の予備校などが山ほどあります。

 で、そこにある私塾に通うために月に400万ウォンを費やしてホテル暮らしをする地方の家族が記事では描かれています。
 多少なりとも頭のいい学生はこうして「受験に対応」しないと置いていかれてしまうのでしょうね。
 去年、修能試験(共通テストに相当)で満点、標準得点主席を取った2人が同じ塾に通っていたことでも話題になりました。

韓国の大学入試で満点と全国主席のふたり、どちらも浪人で月謝300万ウォンの塾に通っていた……なお、どちらも医学部志望(楽韓Web過去エントリ)

 受験はノウハウの側面も大きく、そのノウハウ伝授があるかどうかが大きな分岐点となるのは間違いないでしょう。


 個人的にも塾に通った時に「受験のための視点」が得られて楽に点数が取れた経験があります。
 なので、塾も必要悪なんでしょうけどね。
 韓国の場合、こうした教育を得られるのがソウルだけ。

 地方からきたら冒頭記事の親子のように滞在費も含めて月数十万円を費やさなければならない。
 中流家庭はもうすべてを賭けるレベルで、やっとスタート地点に立てるレベル。

 ちなみにテチドンの一流予備校だと通うだけで月に30〜50万円くらいかかったりするので、上流階層であっても負担は相当なものとなります。
 このレベルで私教育(塾、家庭教師など)を施さないと勝ち抜けないことから、少子化の原因のひとつとされているのも理解できるんじゃないでしょうか。

 エリート志向が強すぎて国が滅びるとかなかなか面白いのではないでしょうか。
 とても韓国らしい風景だと思いますよ。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国の最難関大学、ソウル大学から「ソウル大学生の親」「誇らしい家族」ステッカーの販売がはじまる……とても韓国らしい出来事ですわー

カテゴリ:韓国教育事情 コメント:(119)
「浅はかな発想」…韓国の市民団体、「ソウル大学生の親ステッカー」人権委に陳情(ハンギョレ)
 先日、ソウル大学発展財団がソウル大学生の家族であることを表示するステッカーを配布して物議を醸したなか、市民団体「学閥のない社会のための市民の会」(市民の会)が国家人権委員会に陳情書を提出した。

 市民の会は19日、報道資料を発表し「思慮のない事業で物議を自ら招いたソウル大学に遺憾の意を表する」とし、「このような形態に警戒を示すために国家人権委員会に陳情する」と明らかにした。

 これに先だち、ソウル大学発展財団はホームページを通じて、ソウル大学のロゴと英文の校名を背景に「I'M MOM」(私はソウル大生の子どもを持つ母親)、「I'M DAD」(私は父親)、「PROUD PARENT」(誇らしい親)などと書かれたソウル大学家族ステッカーを作り、ソウル大生の保護者に配布すると発表した。これに対し、学閥主義とコネづくり文化を助長するという非難と、海外大学では一般的に販売する「グッズ」に過ぎないという意見などが拮抗し、賛否世論が湧いた。
(引用ここまで)


 ソウル大学発展財団がこんなステッカーを作って配布していることがちょっとしたニュースになりました。

seouluniv_family.png

 「誇らしい家族」「誇らしい両親」「私はソウル大生の母親」「私はソウル大生の父親」とするもの。
 車に貼るステッカーなのだそうで。

 うん、なんというかこう。
 韓国で「ソウル大学に入学する」ことが、なにを意味するのが、ちょっと分かりやすくて個人的にはかなり好き。
 学生だけじゃなくて「我々家族は勝利者だ!」って宣言しているんですよ、これ。


 「誇らしい家族」ですから。
 ちなみにこの「家族」はだいたい、8親等くらいまでを指します。
 儒教的な考えに基づいた場合ですね。まあ、さすがに学生の時はそうでもないですが、社会に出て「成功」した場合は8親等の生まれてから顔も見たことがない親戚とか出てきます。

 女子柔道57kg級のホ・ミミという選手が銀メダルを獲得しましたが。韓国代表になった時点で「独立運動家の子孫」って判明したなんて話がありましたね。
 あれ、日本にいるときはただの柔道選手だったのです。
 ところが「柔道韓国代表」になったことで「誇らしい家族」の一員となり得たので家系図が追跡されて、「おや、先祖は独立運動家なのだ」ってなったというわけです。

 で、それに対して市民団体が国家人権委員会に「人権問題だ!」として文句を言い出した、というのが冒頭記事。
 そう感じる人々もいるのだ……ってことで。

 でも、韓国ウォッチャーとしては味わい深いステッカーなので、未来永劫続けてほしいですね。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→