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カテゴリ:平昌冬季オリンピックの記事一覧

韓国のショートトラックで八百長や故意に転倒させる事件が続発……北京五輪を前に代表剥奪も

元韓国代表コーチ「沈錫希に金メダル取らせようと2回八百長試みた」(朝鮮日報)
ショートトラック韓国代表の沈錫希(シム・ソクヒ)が2018年平昌冬季五輪の試合中、同じ韓国代表だったチェ・ミンジョンに故意に衝突したという疑惑が最近取りざたされているが、これより前に沈錫希に金メダルを取らせようと、韓国代表選手内で八百長の試みが少なくとも2回あったと暴露されていたことが分かった。選手たちに八百長を提案した当事者自身による暴露だ。

 この暴露をしたのは、沈錫希に対して性的暴行を振るったとして逮捕・起訴され、現在は二審の裁判を受けているチョ・ジェボム元韓国代表コーチだ。 (中略)

 チョ・ジェボム元コーチによると、初めて八百長を試みたのは2016年12月に江原道で開催された2016-17シーズン国際スケート連盟(ISU)ショートトラック・ワールドカップ(W杯)だったという。チョ・ジェボム元コーチはこの時、チェ・ミンジョンの所へ行き、1500メートルの試合で韓国体育大学在学中の沈錫希に金メダルを譲るよう要求したが、チェ・ミンジョンは「譲るくらいなら、いっそのこと別の種目に出場する」と言って、沈錫希が出場しない500メートルに出場した、というのが元コーチの主張だ。チェ・ミンジョンは延世大学に在学中だった。

 事実、チェ・ミンジョンは同大会で1500メートルに出場しておらず、沈錫希はチェ・ミンジョンがいない1500メートルで金メダルを取った。

 次の試みは2017年の札幌冬季アジア大会だった。チョ・ジェボム元コーチは手紙の中で、「(大韓スケート競技連盟副会長で韓国体育大学教授の)A氏が『韓国体育大学の沈錫希が金メダルを取らなければならない』と言って(私に)圧力を加え、以前1500メートルで金メダルを取ったことのあるチェ・ミンジョンが沈錫希に金メダルを譲るよう誘導しろと言ったので、そうした。(私は)チェ・ミンジョンに頼んだ。結局、チェ・ミンジョンは1000メートルで金メダルを譲った」と書いた。別の手紙では、「チェ・ミンジョン選手の宿泊先に行って頼み込んで、チェ・ミンジョン選手は承諾した」と説明している。

 当時の試合の動画を見ると、チェ・ミンジョンはスタートと共に先頭に出て、力走していたが、あと3周という時点で沈錫希がインコースに入ろうとしても、進路をふさがなかった。この時2人の順位が逆転して、首位を譲ったチェ・ミンジョンがその後、自分の後ろを滑走する3・4位の選手が追い越そうとした時は進路をふさいだ。そして結局、沈錫希が金メダルを取った。

 この試合直後、動画が掲載された「ユーチューブ」のコメント欄にも、チェ・ミンジョンについて「終盤にスピードを調節したようだ」「フィニッシュラインでスケートのブレード(刃)をなぜ出さなかったか」などの意見が寄せられていた。 (中略)

チョ・ジェボム元コーチは、このような八百長の試みがあった理由について、A氏の「韓国体育大学での実績」のためだと言っている。チョ元コーチは「韓国体育大学教授だったA氏は、延世大学に行ったチェ・ミンジョンの成績が韓国体育大学出身者よりも良いという理由で私に圧力をかけた。この時、私に対する暴行と共に、八百長の指示があった」と明らかにした。A氏は「当時そのような立ち場にいなかったし、全く知らないことだ」と話している。
(引用ここまで)


 ……なんだろう、出てくる人間にクズしかいないっていう。
 これ以外にも「あいつを故意にころばせよう」という話を韓国人選手がした、とされています。
 平昌冬季オリンピックで狙われたとして、事件になりかかっています。
 その話題の主人公がシム・ソクヒという選手で「転ばせてやる」という意味に取れるメールをコーチに送ったとしています。

オリンピックで八百長?韓国選手への深まる疑惑…連盟が下す懲戒に関心集中、2つの見方とは(スポーツソウル)
議論となっているのは、「ブラッドバリーを作ろう」というフレーズだ。

これは、オーストラリア出身の男子ショートトラック選手、スティーブン・ブラッドバリーを指している。彼は2002年ソルトレイクシティ五輪の男子1000m決勝で、最下位を走っていたが、アン・ヒョンス、アントン・オーノ、李佳軍などの優勝候補が相次いで衝突して倒れながら金メダルに輝いたことがある。

妙なことに、平昌五輪の女子1000m決勝でシム・ソクヒは、金メダルを競っていたチェ・ミンジョンと最後の1周を残して衝突した。強力な金メダル候補だった韓国選手2人が同時に倒れながら、オランダのスザンネ・シュルティングが優勝した。
(引用ここまで)

 この件ではシム・ソクヒがチェ・ミンジョンという選手を巻きこんで転倒したのではないか、とされています。
 韓国では国技といっても過言ではないショートトラック競技の醜聞に、だいぶ大きな話題になっているのですね。

 で、そのシム・ソクヒのコーチでかつ彼女に性的暴行を加えたとして逮捕され、裁判中の人物がいるのですが。
 そのコーチがチェ・ミョンジョンに八百長を頼んだ、という話題も出てきた……というか、以前から話題自体はあったのですが今回の「転ばせてやる」というメールが出てきたことで、過去の話題が再燃してきたという形。

 まあ……あるだろうな、としか言いようがありません。
 韓国のショートトラック界はもうスキャンダルまみれなのです。


 韓国はショートトラックが異常に強く、世界選手権やオリンピックを勝ち抜く前にまず国内予選がとてつもなく厳しいなんて状況になっています。
 その結果、談合やら八百長が山のように行われているのですね。
 大学に進学させるために高校生が順繰りに優勝できるよう八百長をしていた、なんてことが暴露されてもいます。
 韓流ドラマのほうがまだマシというくらいのスキャンダルまみれだと暴露されたこともありました。

 トリノ冬季オリンピックで金メダル3個、銅メダル1個を獲得したアン・ヒョンスことビクトル・アンが韓国籍を脱してロシアに帰化したのも、そうした内紛に巻きこまれたことが主因であるとしていましたね。
 ロシア帰化後にソチで同じく金メダル3個と銅メダル1個を獲得するという韓国にとっては最悪の結果になったわけですが。

 それらに比べてもなんというか……。
 最悪だな、としか言いようがない。
 最大の原因は学閥、でしょうね。

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平昌冬季オリンピックの中心地であったアルペンシアリゾート、借金苦で競売に出される

売りに出てきたオリンピック借金施設「アルペンシア」...売れるか? (YTN・朝鮮語)
平昌五輪中核施設であり、競技場が集中しているアルペンシアです。
江原道主導で作られた観光施設でオリンピック誘致と開催成功の1等功臣でした。
しかし、1兆ウォンを超えた造成費に加えて1日に4千万ウォンの負債を生む、負債の塊でもあります。

オリンピックが終わってから2年ぶりにアルペンシアが公開売却市場に出ました。
今年の初め、海外メーカーと数千億の売却交渉が進行されることもあったが、コロナ事態でなかったことになりました。
スキージャンプ台のような体育施設を除いて、400万平方メートルを超える敷地とリゾート、会員制と一般向けゴルフ場はもちろん、スキー場とウォーターパーク、関連株式等売ることができるものはすべてが売却対象です。 (中略)

売る側は内心アルペンシアを売って銀行の負債を返済したいのですが、借金は7700億ウォンを超えています。 (中略)

オリンピックが終わった後、3年もたたず売りに登場したアルペンシア。
一度関心は集めたが、実際の売却につながるか注目されます。
(引用ここまで)


 平昌のアルペンシアリゾートが丸ごと売りに出されている、とのこと。
 アルペンシアはジャンプ台があるなど、オリンピック期間中は中心地となっていた場所でしたが1日4000万ウォンと金利がかさんでギブアップ。

 時速250kmと準特急ながらKTXが通ったことでソウルから片道1時間半となった平昌でしたが、新型コロナ禍で客足はほぼゼロ。
 というか、韓国人にスキーをするという風習があまりない。
 ウィンタースポーツに馴染みがあるというわけでもない。
 そもそもそれほど雪が降ると言うわけでもない。

 そして平昌にもそもそもなにもない。
 そもそも冬季オリンピックに立候補したのは、開発が遅れて陸の孤島と化していた平昌にインフラを通して地価を高騰させようという目論みから。
 冷風が吹きすさび、一夜干しを作るくらいの土地だったのですよ。観光地でもなんでもない。
 そんなところにゴルフ場、プール、ホテルといったリゾート施設がポツンと建設されて経営が成り立つのか……という話でしたが。

 「成り立たない」という結論となりました。
 残された競技施設もまともに活用できていません
 というか日本でいうと東京から高速鉄道で1時間半ほどで行ける北の都市っていうと仙台ですが、平昌は仙台市の4倍の広さがある土地に4万人しか住んでいない場所ですからね。
 まあ、当初の「インフラを通して地価を高騰させる」という目論見は成功して財閥は売り抜けたようですから成功した……のでしょうね。平昌オリンピック。

平昌冬季五輪で残された遺物……地元からは「観光の目玉として活用したい」との声が挙がるものの……すでに廃墟化が進んでいる模様

負債7700億 - 環境問題の対立、「厄介者」お世話された競技場(スターニュース・朝鮮語)
問題となるのは、平昌アルペンシアスタジアムと旌善アルパイン競技場などである。アルペンシアスタジアムは、2009年のオリンピック招致のためにスキー場、ゴルフ場、ホテル、マンションなどが含まれている総合リゾートとして開発し、合計1兆ウォンを超えるお金が入った。

オリンピックメイン施設として大会の成功に大きな貢献をした。事後の利用率も悪くない。ゴルフ場があり、ローラースキー大会を開いた。コンベンションセンターも劇場、ワークショップなどで使用中である。

問題はお金だ。大会後の債務に対処することが困難になっている。アルペンシアの運営主体である江原道開発公社によると、2019年末の時点での負債万7700億ウォンに達する。

国内外の企業を対象に、複数回の売却を推進したが、適当な買収者が見つからなかった。正確にはお金が合わなかった。 (中略)

旌善アルパイン競技場は環境問題も抱えている。当初、オリンピックを控えて2034億ウォンを投入して整備し、大会が終わった後に森林を復元することにした。山林庁と環境団体は、約束通り「完全復元」しなければならないという立場であり、江原道と旌善郡は「最小限の存置」を求めている。 (中略)

旌善アルパイン競技場撤去反対汎軍民闘争委員会の関係者は、スターニュースとの通話で「復元をしないということではない。ゴンドラと運用道路は存置し、復元しようという意味である。2000億ウォンを超えるお金をかけてオリンピックを進行した。平和のメッセージも伝えていたはずだ。遺産に活用し、地域経済にも適用することができるようにしようという意味だ。現場検証をしてきた文化体育観光委員会の国会議員も「スイスのものよりよい。報告を受けたものと環境が違う」と認めた。 (中略)

一方、環境団体グリーン連合の関係者は「すでに社会的に多くの費用を行ったし、法的に復元するには既に決定された部分であった。我々は協議機構の構成自体も反対した。当然のことながら、復元がなければならないという立場だ。感情や、政治に振り回される問題ではない。国有林の貸付期間も2018年に終わった。政府が主導する会議で覆す場合は、今後の環境影響評価がどんな効果があるのか。終わってから「できないよ」というのはおかしいではないか」と抗弁した。

1月江原道は2024冬季ユースオリンピック誘致に成功した。来る2024年1月19日から2月2日まで江陵・平昌・旌善メンバーで開かれる予定だ。

大韓体育会の関係者は、「平昌五輪当時の施設をそのまま活用することが優先する方針だ。まだ具体的に決まったものはない。組織委員会も構成されていなかった。3月末に国際オリンピック委員会(IOC)関係者が韓国に来る予定である。江原道、大韓体育会と一緒に協議する。その時から本格的な議論が行われる見通しだ」と説明した。
(引用ここまで)


 平昌冬季オリンピックのレガシーをどうするかとのニュース。
 スーパー大回転、および滑降のアルペン競技会場であった旌善アルパインですが、本来は閉幕後には施設を撤去して自然に戻すとの約束でした。
 あくまでも「一時的に競技場を設置する」というものだったのですね。
 なんでも貴重な自然が残されている、とされていまして開催反対運動が起きたほどでした。
 ですが、閉幕後に地元住民からは「このまま残して活用しよう」という話が出てきまして。
 存続派、撤去派がいがみあっている中、時間だけが経過してろくな維持もされずに施設は崩壊しつつある、なんてニュースもありました。
 開催からわずか半年でゴンドラの支柱が15度も傾いているなんてのもありましたね。

 施設を活用するといってもコースの難易度はワールドカップを転戦している選手からは「生ぬるい」という評価でした。
 肯定的な評価ありましたがそれはあくまでも「オリンピックでの競技だったらこんなもんでしょ」というもの。
 つまり、FISワールドカップが開催できるような難易度のコースではないけども「参加することに意義がある」という建前のオリンピックコースとしてはまあ許容範囲内であるということなのです。
 なんでも2024年に冬季ユースオリンピックなるものを開催することになったとのことで。
 それまでは維持がされる……のでしょう、たぶん。

 いま開催されている四大陸フィギュア選手権はソウルのワイキキアイスアリーナで行われています。
 平昌で使用された江陵のアイスアリーナは改修されてコンサート施設となっていてリンクはもうないとのこと。
 まあ、堅実な方針ですかね。
 ソウルにそれなりの大きさのスケート場があるなら、誰も地の果ての江陵や平昌なんかに行きたくないよというのは本音でしょう。例の脱線転覆事故を起こしたKTXに乗らないといけないですし。

 そもそも平昌冬季オリンピックを開催する目的というのは地上げです。
 あとまともに整備されていなかったインフラを通すため。
 北朝鮮とスポーツ外交もできてしまったというおまけもつきました(逆にそのせいで現実を見れなくなっていますが)。
 そういった目的を達成することはできたのですから、韓国にとってはもう忘れたい出来事といえるでしょう。
 まあ、残された施設活用ができるようならやればよいのではないですかねー。

平昌オリンピックをあてにして作られた宿泊施設、ぞくぞくと競売にかけられる……東京オリンピックの開催後はこうならない理由とは?

観光先進国(G7)を標榜した韓国の宿泊施設がぞくぞく競売に(ニューズウィーク)
韓国では世界のトップレベルと肩を並べることを先進国首脳会議の参加国になぞらえて「G7」と呼ぶことがある。深刻な通貨危機に見舞われたいわゆるIMF経済危機の出口が見えはじめた2000年、韓国政府は先進国に比肩する技術を育てる試みを開始し、「G7プロジェクト」と名付けた。

観光業はG7プロジェクトには含まれていなかったが、かつて韓国は「観光G7」を標榜した。数年前、訪韓外国人は急激な右肩上がりを記録して、2012年には1000万人を突破。日本よりも1年早い1000万人達成だった。当時は平昌が冬季五輪の開催地に選ばれた直後でもあり、観戦者や報道陣を受け入れる宿泊施設の不足と交通アクセスが課題として浮上していた。

ところが、この観光業が奈落に落ちていると韓国の毎日経済新聞は伝えている。

特に冬季五輪が繰り広げられた江原道平昌郡の観光業が危機的な状況に陥っている。開会式や閉会式の会場となったメインスタジアムから7キロしか離れていないリーバリーファミリーホテルが競売にかけられ、12回の流札の末に15億2000万ウォンで落札された。鑑定価格90億375万ウォンのおよそ6分の1だが応札者は1人しかいなかった。

2017年1月から3月期に137件だった韓国全土の宿泊施設の競売件数は、2019年同期に237件まで増加し、落札件数は70件にとどまっている。

江原道は国内宿泊観光客の訪問先として、10年以上に渡って1位にランキングされてきた。また、中央政府機関の地方移転政策で、韓国観光公社の移転先として江原道原州市が選ばれた。江原道と五輪会場の近くに移転した観光公社は宿泊施設の誘致に取り組み、国内外からの観光誘客に力を注いだ。こうしていったんは平昌や江陵を訪問する人が増えて建設されたホテルは観光需要を享受したが、五輪が終わるとメインスタジアムが撤去され、観光バブルは終焉を迎えた。
(引用ここまで)

 開催前は「ホテル不足でひどいことになるぞ!」と言われていた平昌オリンピックの施設周辺ですが、現在では宿泊施設がばんばん競売にかけられているとのこと。
 原因はKTXが通ってしまってソウルから日帰り圏内になったことで、ホテルの需要が下落したから。
 まあ……なぁ。当時も「周辺施設はもう泊まれないけど、ソウルから行き来できるよ」なんてプロモーションをやってましたっけ。
 KTXの終点である江陵に新設された、オリンピック開催当時は1泊10万円だったスカイベイホテル(なお、コップ清掃はトイレの水)なんて一番高い海側のデラックスツインルームで平日だと大人2人で1泊14,981円とかになってましたわ。
 反対側のレイクビューのほうだと11,745円。

skybayhotel.jpg

 トリップアドバイザーで「江陵」を検索してみると、一番の観光スポットとして出てくるのが鏡浦海岸
 なんだろ、いろいろ無理ですね。

 記事の最後には「東京も他山の石としなければならない」とかありますが、東京がこんなんなるわけがないんだよな。
 観光資源は山ほどあるのですから。
 施設に関しても以前に書いたように平昌とは違って、東京には活用できるだけの人口が存在しているのです。
 なにしろ平昌はソウルから1時間半かかる(≒東京-仙台間)のに、仙台市の倍の広さの平昌郡には4万人しか住んでいないのですから。
 活用できるわけないし、観光資源もこれといったものがあるわけがない。

 オリンピック開催後は破綻するのは最初から目に見えていたのですよ。
 開会式で低体温症患者が出なかっただけでも大成功なのです。あとは施設を取り壊して忘れるしかない。
 KTXも通った。これまで顧みられなかった各種インフラも整った。それで平昌は満足すべきなのですよ。
 東京が見習う相手はロンドンとかでしょ、どう考えたって。

オリンピックがやってきた 猫とカラーテレビと卵焼き (角川文庫)
堀川 アサコ
KADOKAWA
2019/5/24

平昌五輪での小平選手と李選手に「韓日友情賞」が贈呈される……それはそれ、これはこれを確立すべき

小平奈緒と李相花に韓日友情賞 平昌五輪レース後に抱擁(朝日新聞)
 平昌ではレース後、金メダルに輝いた小平が、3連覇を逃して泣く李を抱きかかえ、「チャレッソ(頑張ったね)」とねぎらう場面が、「メダルの色を超えた友情」と話題になった。

 ソウルでの授与式に出た小平は「思いがけず大きな注目を浴びたが、私たちにとってあの情景は特別なものではなく、ごく自然なものだった」と笑顔で語った。五輪後に李から「奈緒がいて私がいる。私がいて奈緒がいる」というメッセージを受け取ったエピソードを明かした。一方の李は「けがで引退も考えたが、奈緒のお陰で挑戦を続けられた」と応じた。
(引用ここまで)

 別に小平と李が友情を育んでいてもいいのですよ。
 個人間でどう考えてもいいし、たとえば今回の山火事に義援金を出してもよいでしょうよ。
 でも、それを全体に敷衍したり強制させることはできない。
 ジェノサイドという小説でやたらに新大久保の乗客転落事故で韓国人が助けに入ったことを強調していて「人類は国籍を超えて協力できる」みたいな話をしていた気持ち悪かった覚えがあるのですが。
 それはそれ、これはこれ。
 いわば、これこそが本当のツートラックってヤツじゃないですか?

 去年の北海道大地震や広島の水害に寄付をしましたし、今年もなにかあれば寄付するつもりでいます。今年も交通遺児育英会にも寄付することでしょう。
 ですが、韓国には寄付はしませんね。
 それはたとえ韓国で東日本大震災クラスの災害があっても変わらないでしょう。

 それと個人同士の友情はまた別。
 KTXで出会って「タクシーは外国人相手にするとぼったくりが多いから」って一緒 にタクシーに乗ってくれて、さらに支払いまでしてくれた某製鉄企業の人には感謝しています。
 あと木浦で韓国インターナショナルサーキットへ向かいたいという話をがんばってやってくれた観光ブースの人にも感謝しています。
 でも、そういった話と韓国政府の徴用工裁判への対応に憤ることや、ムン・ヒサンの天皇謝罪要求発言に怒りを覚えることは別なのです。
 小平と李がスポーツ選手として友人であってもいい。だけども、それをもって日本人に韓国のすべてを受け入れろなんて話には注意をすべきだ、というような話でした。

平昌オリンピックの夢の跡……無駄金使いの「レガシー」だけが残された

平昌冬季五輪から1年、残された「レガシー」のむなしい現実(AFPBB)
 韓国は平昌五輪に向けて、六つの競技会場と開閉会式用のスタジアムを新設。加えて六つの既存施設を改修するのに合計8億ドル(約885億円)を投じた。

 ところが今、主要会場の江陵オリンピック公園 (Gangneung Olympic Park)は年配の人が時折散歩するのみで、照明の落ちた氷のないスピードスケート会場には空虚な雰囲気が漂っている。地元の尹誠彬(Sung-bin Yun、ユン・ソンビン)がスケルトンでアジア勢初の金メダルを獲得した平昌のスライディングセンターは、施設への道が封鎖されて入ることもできない。そしてアルペンスキーの滑降コースは、リゾート開発の方針と自然を復元する約束との間で板挟みとなり、抗議の対象となっている。

 直接的な費用だけでなく、韓国はソウルから江陵(Gangneung)までの200キロメートルの高速鉄道の開通など、五輪に向けたインフラ整備に100億ドル(約1兆1000億円)以上をつぎ込んだ。韓国でもとりわけ貧しい江陵では、五輪をきっかけに一帯の経済が活性化することが期待されたが、国内の冬季スポーツの人気は限定的で、ボブスレーやリュージュに至っては五輪前はほとんど知られていなかったこともあって、観光ブーム到来への期待は今のところ見込み外れに終わっている。 (中略)

 かつては炭鉱の町だった旌善は、2004年に最後の鉱山が閉鎖された。抗議に定期的に参加しているという地元の50代の男性は、「五輪のレガシーによって観光客が集まり、経済が盛り上がるのに期待していたが、実際はどん詰まりだ」と話し、「ほとんど誰も来ない」ことに「裏切られた」気分だと続けた。 (中略)

 1億ドル(約110億円)を投じた平昌のオリンピックスライディングセンター(Olympic Sliding Centre)は、莫大(ばくだい)な維持費を払いたくない江原道によって昨年3月から閉鎖されている。国内で唯一のボブスレーとスケルトンの施設が使えなくなったことで、両種目の代表チームはカナダでの練習を余儀なくされている。

 スピードスケートが行われた江陵オーバル(Gangneung Oval)も、利用計画が定まらずに放置されている。開閉会式が行われた平昌オリンピックスタジアム(Pyeongchang Olympic Stadium)は予定通りに解体され、メインスタンド跡に記念館がオープンする見込みだ。
(引用ここまで)

 滑降会場=観光資源として活用したい住民と撤去したい自治体の間で葛藤。
 スライディングセンター=閉鎖済み。
 スピードスケート会場=活用計画が決まらず放置。
 ホッケーセンター=8ヶ月のうち、使用されたのは3日間のみ。
 アイスアリーナ=コンサート会場に転用。使用されたのは2回のみ。

 平昌冬季オリンピックの競技会場は事前から重しになるのではないかと危惧されていましたが、その通りになってしまいました、というレポート。

 はっきりいえば韓国にとってはこれらのレガシーなんざどうでもいいのですよ。
 2度落選しながら平昌が根気よくオリンピック開催に立候補し続けたのは「インフラを通す」というそのことだけが目的の面がありましたからね。
 あとはちゃちゃっと地上げできて、それを売り払うことができれば万々歳。
 オリンピックのおかげで速度制限がされているとはいえどもKTXまで通ってしまったほどなのですから(脱線事故を起こしたとはいえども)。
 韓国政府としてもとりあえず対外的な体面は保つことができたでしょうし、ムン・ジェインとしても北朝鮮との対話のきっかけにもできた。
 充分、役に立っているのです。

「みな後悔は10年も前にすませた。あとはどうやって忘れるかだけだ。役に立たなかったでは終えられんしな」

 なんていう王立宇宙軍にあったセリフがフィットするような状況。

 ソウルから平昌までKTXで1時間半といったところになったのですが。
 速度の違いはありますが、東北新幹線でいうと東京から仙台まで行ける時間に相当します。
 もうこの時点で「うわ、遠い」って実感になるでしょう? 普通に「旅行」の感覚ですよ。
 でも100万人都市の仙台市と違って、平昌郡は仙台市の倍近い面積の場所に4万人しか住んでいない。
 いくら「国で唯一の施設」であったとしても、活用できるわけがない。
 そもそもが韓国人にウィンタースポーツになじみがあるというわけでもない。
 すべて取り壊して維持費がかからないようにするのがすべての人にとってよい話じゃないですかね。

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2008/07/25

平昌冬季五輪の負の遺産、誰も使わない会場をどうすべきか……東京は他山の石とすべき?_

国vs地元住民の大騒動! 韓国を苦しめる平昌五輪1年後の「負の遺産」(FINPRIME)
平昌五輪から1年 活性化進まず 東京に教訓(東京新聞)
「負の遺産」、それは熱戦の舞台となった競技場だ。ボブスレーやリュージュの会場となった「アルペンシア・スライディングセンター」、女子パシュートで日本チームが感動の金メダルを獲得した「江陵(カンヌン)スピードスケート競技場」、アイスホッケー女子代表のスマイルジャパンが健闘した「江陵ホッケーセンター」の3つの競技場は大会から1年が経ったいまも有効な活用方法が見出せず、地元の小学生がたまに使う程度の“放置状態”となっている。

大会前から競技場の事後活用は課題に挙げられていたが、案の定その不安が現実のものとなった形だ。特に「アルペンシア・スライディングセンター」は五輪のために約114億円もの多額の費用をかけて建設されたが、大会後から一度も使われずに閉鎖されている。韓国メディアは3つの競技場の維持費用について年間8億円との試算を出した上で「血税浪費との批判は避けにくい状況」と批判的に伝えている。

もう一つ問題となっている競技場がある。アルペンスキー競技が行われた「旌善(チョンソン)アルペン競技場」だ。この競技場は貴重な植物がある原生林を伐採し造られた競技場で、建設費用は約190億円にも上る。韓国政府はもともと大会終了後「原状回復」するとの前提で競技場としての使用を承認していた。しかし五輪終了後、地元自治体と住民らが反発。「観光資源としての競技場保存」を訴え議論はいまも平行線をたどっている。

実はこの問題、半年前に記事にしていたのだが、1年が経った今も何の進展もない。むしろ、国と地元自治体の協議の場に住民が押し寄せ現場が大混乱に陥るなど、時が経つにつれて事態は悪化の様相を呈している。
(引用ここまで)
 旌善郡加里王(カリワン)山の一角に、平昌五輪の新設競技場として最高額の二千億ウォン(約二百億円)をかけてつくられたアルペン競技場。計画段階で環境破壊問題が持ち上がり原状回復を条件に建設されたが、地元住民や江原道は現在、五輪遺産の観光活用などのため、ゴンドラと付属道路を残すよう求め、山林庁や環境団体と対立している。

 「闘争委員会」を結成した地元住民らは二カ月前から、いきなり復元工事に入られないよう競技場入り口でコンテナ生活を送る。

 「住民三十五世帯は競技場建設のため移住し、農業などの仕事も失った。ゴンドラを残せば夏も簡単に山頂に行けるので、東海(トンヘ)(日本海)からの日の出が見られる観光スポットになる」 (中略)

 費用の問題もある。原状回復は千百億~千九百億ウォン(約百十億円~約百九十億円)かかるとの試算も。江原道の崔文洵(チェムンスン)知事は「そのままにすれば自然が回復するのになぜ金を使うのか」と疑問視する。だが、環境団体などは「環境保護という五輪精神の順守を」と訴え、協議は難航しそうだ。

 平昌五輪は六百二十億ウォン(約六十二億円)の黒字を生み、剰余金は新たな財団に移される予定だ。
(引用ここまで)

 どちらの記事も「東京オリンピックは平昌を他山の石にしなければならない」という感じで書かれている部分があるのですが。
 まあ、両方の五輪の目的が完全に異なっているし、形式も異なっているのでそのあたりを心配する必要はないと思うのですけどね。
 ロンドン、東京、ロス、パリと夏季五輪が都市型開催が続いているのは、レガシーを活用できるのは大都市しかないという認識が行き渡っているからなのですね。なにか忘れている気がしないでもないけど気のせいか。
 オリンピックアジェンダ2020の既存施設活用なんかも同じですね。
 大会が肥大しすぎて大国、大都市でしか開催できない状況を追認したというべきか。

 平昌冬季オリンピックの開催理念というものはまったく別。
 楽韓Webで「平昌……それは最後のフロンティア」っていうくらいに韓国の開発から取り残された土地だったものを、オリンピックをテコにしてインフラを通そうという理念で行われたものですから。
 あわよくば土地を高騰させてバブルをいっちょ起こしてやろうというくらいのもの。
 競技会場がどうなるかなんて、言ってみればどうでもいいことだったのです。
 ウィンタースポーツの振興とかももちろんどうでもいい。なので外国人選手を二重国籍を認めて特別帰化させて出場させればいいか、ていどの扱いになるわけです。光画部の学園祭展示みたいなものですね。

 かつ、ムン・ジェイン政権になってからは、平昌冬季五輪は南北融和の道具としてだけ使えればいいというものになったわけです。ま、そういう面では成功したといえるかもしれません。
 どちらにせよ、競技会場がどうなるかなんてどうでもいいことだったのです。

 アルペン会場(滑降/スーパー大回転で使用)を残したいと地元住人は言っているようですが、あの競技場は「オリンピックで使われるのであれば問題ない」=「ISUワールドカップでは使えない」というていどの難易度しかありませんからねぇ……。
 競技場として残すのは難しい。かといって観光の目玉にするにはゴンドラしかない。
 無理なんじゃないかねぇ。

 東京の場合はなんだかんだいって国立競技場なんてこれから数十年、かなりの頻度で使われるのは間違いないですし。他の競技会場ももれなく使われることでしょうよ。
 それだけの人口を東京は抱えていますからね。

平昌冬季五輪で「特別帰化」した「韓国人選手」たち、続々と韓国代表から離脱中【案の定】

平昌五輪1年:帰化選手の半数以上が韓国代表チームから離脱(朝鮮日報)
 平昌五輪は乏しかった韓国冬季スポーツを飛躍的に発展させるきっかけになるものと期待された。これまで、氷上でのみ獲得していた五輪のメダルが、スケルトンなどのそり、スノーボード、カーリングなどの種目からも獲得できた。メダルこそ獲得できなかったものの、アイスホッケーも最強国を相手に執念を見せつけ、国民を熱狂させた。しかし、五輪から1年が過ぎ、歓声は無関心へと変わっていった。各種の支援が断ち切られ、劣悪な環境へと逆戻りした。 (中略)

韓国国籍を取得して平昌五輪に出場した帰化外国人選手15人のうち、今も太極マークを付けている選手は6人だけだ。韓国国籍を取得して平昌五輪に出場した帰化外国人選手15人のうち、今も太極マークを付けている選手は6人だけだ。帰化した選手が7人と最も多かった男子アイスホッケー選手のうち、ブロック・ラドンスキー(36)は引退し、マイケル・スウィフト(32)などテミョン所属の3人は昨年5月に開催された世界選手権ワールド・チャンピオンシップ以降、公の場で姿が見られない。マット・ダルトン(33)ら安養ハンラ所属の3選手だけが今も太極マークを付けている。五輪当時、南北単一チームで話題を集めた女子アイスホッケー代表チームのランディ・グリフィン(31)ら帰化選手3人は、学業などを理由に皆米国などに戻っていった。

 韓国生活に適応できなかったロシア出身のエカテリナ・エバクモバ選手(29)=バイアスロン=は、現在他の国家代表チームを模索中という。五輪当時パートナーのミン・ユラと共に人気を呼んだフィギュアスケート「アイスダンス」のアレクサンダー・ゲムリン(26)は、支援金の分配とトレーニングの問題で、ミン・ユラと決別。代表チームとしての活動は行っていない。
(引用ここまで)

 アイスホッケーについては帰化選手の人数が11人だったり10人だったりするのですが、これは女子選手のひとりが二重国籍から韓国を選択したので「韓国人」だからですね。
 ちなみにスキーのフリースタイルとクロスカントリーも同様(ひとりは輸出孤児からの国籍回復者)なので、この記事の「帰化選手」のカウントには入っていない模様。

 で、そのアイスホッケーでは前述した二重国籍からの韓国籍選択をした女子はどうしているのかこの記事では触れていませんが、残りの女子選手3名はすべて帰国。韓国系だったはずなのですが(笑)。
 男子チームも7人中4人が帰国。
 バイアスロンはロシア人3人中2人が韓国残留。当初は4人だったはずなのですが、オリンピック前に離脱したのかな。
 リュージュのドイツ人女子選手は韓国残留。
 アイスダンスの男子選手はアメリカに帰国。帰国理由は「支援金の分配」を巡って衝突したからだっていうのが韓国的。

 特別帰化を果たした15人中、9人が帰国。6人が韓国残留。
 意外と残りましたね。
 まあ、アイスホッケーで残った3人の男子選手に関していえば特別帰化以前から韓国リーグのアニャンハルラに所属していて、それなりに韓国への愛着をインタビューで語っていたので残留も当然かなという気がします。
 代表以外にも収入を得る場があるわけですから。

 実質的に残留したはバイアスロンのロシア人2人と、ドイツのリュージュ女子選手の3人といえるかもしれません。
 正直、いまのロシアに戻ってもいろいろと無理だろうしなぁ……。
 リュージュの選手はワールドカップを転戦しているようですが、韓国に残留したとして練習場所はどうするんでしょうね。
 紆余曲折の結果、韓国内に建造されたスライディングセンターなのですが、オリンピックが終わってからは1度も使われていないとのこと。
 このあたりの平昌のレガシーについてもあとでちょっと扱いますか。

 あと残留している選手のステータスでも貼っておこう。こういうのを調べておかないと気が済まない質なのはブログ書くのに向いていると思う。我ながら。

アジアリーグアイスホッケー アニャンハルラ
国際リュージュ連盟 アイリーン・フリッシュ
国際バイアスロン連合 ティモフェイ・ラプシン
国際バイアスロン連合 アンナ・フロリーナ

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2012/6/20