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カテゴリ:中韓関係の記事一覧

韓国左派紙「長年、韓国繁栄の土台だったバランス外交は崩壊した!」「中国様がお怒りだ!」とユン大統領を糾弾

尹大統領に怒る中国…崩壊したバランス外交、訪米後に具体的対応(ハンギョレ)
 「(尹錫悦大統領の発言は)到底受け入れられない。厳重な憂慮と強烈な不満を提起する」

 米中戦略競争の「最前線」である台湾問題について、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が19日のロイター通信とのインタビューで、「力による現状変更に反対する」、「(この問題は)北朝鮮問題のように地域の次元を越えた世界的な問題だ」と述べた発言に対し、中国は4日間にわたって強い反発を示している。 (中略)

 「グローバル・タイムズ」などの中国官営メディアも「韓国外交の国格が粉々になった」という社説をウェブサイトの最上段に載せ、「台湾問題に対する韓国の誤った認識がこれほどだったとは知らなかった」と指摘した。

 中国が韓国に対して鋭い批判を繰り返すのは、26日の韓米首脳会談を控えた敏感な状況で飛び出した尹大統領の発言が、台湾問題について中国の引いた「レッドライン」を越えたと判断したためとみられる。 (中略)

 尹政権のこのような動きがどこへ向かうかは明らかだ。冷戦解体からのこの30年あまりの間、韓国が享受してきた繁栄の土台となった「米中バランス外交」の廃棄と「韓米日3カ国同盟」による中国封鎖だ。北京のある中国人消息筋は「中国はこの発言を見て、韓国がさらに米国側に立ったものと受け止めている」とし「まもなく行われる韓米首脳会談の結果を見守ったうえで、具体的な対応を取るだろう」と述べた。
(引用ここまで)


 左派紙ハンギョレの北京特派員による「ユン・ソンニョル大統領の外交にもの申す」コラム。
 「これまでうまくいっていたバランス外交を破棄し、アメリカに傾倒するとはなにごとだ!」という主旨ですね。
 THAADミサイルに関する三不も形骸化し、ムン政権下では有名無実となっていた米韓合同軍事演習も再開し、台湾情勢に口を出すようになった。
 中国に対抗する様が見え見えではないか、と。

 ……いや、韓国ってアメリカの同盟国じゃなかったっけか。
 まあ、彼ら左派にとっては「自主国防」、すなわちアメリカとの軍事同盟を脱して独自の国防力を持つことは念願のひとつなので非難するのも分からないでもないのですけどね。

 うまくいっていた要因のひとつとしてハンギョレが挙げている「三不」ですが、あれは主権の放棄ですからね?


 当時から楽韓さんも「なんで嬉々として主権放棄してんの。乙巳条約ってあんな感じで結んだんだろうな」と述べていましたし、当時の大統領特別補佐官であったマクマスター氏も「韓国がそれらの領域で主権を放棄するとは思えない」と言いながらも、三不が実質的な主権放棄であることを認めてました。

 バランス外交ではなくて、主権を差し出すことで中国にお目こぼしをいただいていたにすぎない。
 まあ、バランス外交、あるいはバランサー外交は20年前のノ・ムヒョン政権時代から言われ続けてきたことではあります。
 その後のイ・ミョンバク政権もパク・クネ政権でも同様に「バランス外交」を標榜してきました。

 パク・クネ政権時代のユン・ビョンセ外交部長官(外相に相当)はAIIB加入について「我々の外交力はハイレベル」「アメリカ、中国の双方からラブコールを受けている」と語り、ムン・ジェイン政権時代の駐米大使による「我々は選択を強いられるのではなく、選択できる立場になった」なんてコメントも同様の「バランス外交の成果を誇る」ものといえるでしょう。
 ちなみに楽韓Webでは「AIIBに入るな」「THAADミサイルを配備せよ」とするアメリカと「AIIBに加入せよ」「THAADミサイルを配備するな」とする中国にはさまれた韓国の様子を見て「まさかこんな状況を『我々はモテモテだ』とか思ってないよね?」と述べていたりしました。
 上記のユン発言のわずか2週間前のことです(笑)。

 むしろ、こうしてどっちつかずでやってきたことの歪みの代償を払っているのがユン大統領なんだよなぁ。
 数十年来、インフラやその補修に投資せずにやってきた結果をいま様々な結果で支払っているのと同じことですわ。

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韓国と中国の外交当局が激しく衝突→中国「台湾は内政問題だ。口出しするな」→韓国「外交欠礼だ。大使を呼んで抗議する」……ムン政権時代には見たことのない対応をしているなぁ

韓国と中国が激しく応酬 尹大統領の「台湾発言」巡り(聯合ニュース)
韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が海外メディアとのインタビューで台湾問題に触れたことを巡り韓国と中国の外交当局が激しく応酬し合った。中国外務省の報道官が20日の定例会見で「口出しを許さない」などと反発すると、韓国外交部は「中国の品格を疑わせる深刻な外交的欠礼であることを指摘せざるを得ない」と非難した。

 尹大統領は前日公開された海外メディアとのインタビューで、台湾海峡の緊張について「このような緊張は力で現状を変えようとする試みのために起きたものであり、われわれは国際社会とともに力による現状変更には絶対反対するという立場だ」と述べた。 (中略)

 尹大統領の発言について、中国外務省報道官は定例会見で「台湾問題を解決するのは中国人自身の仕事だ」とし、「他人の口出しを許さない」と激しく反発した。

 これを受けて韓国外交部は「力による現状変更に反対するという国際社会の普遍的原則をわが国の首脳が言及したことに対し、中国外務省報道官は口にしてはいけない発言をした」と応酬した。
(引用ここまで)


 ユン・ソンニョル大統領がロイター通信とのインタビューで「台湾問題は中国の『力による現状変更』の試みによって生じた緊張である」「我々と国際社会は力による現状変更に対して、絶対的に反対する」と述べています。

 ロイターの元記事はこちら。

Exclusive: South Korea's Yoon opens door for possible military aid to Ukraine(ロイター・英語)

 日本ではこの部分よりも「ウクライナへの武器供給もある」とする話が大きく扱われていますけどね。
 でもまあ、中国にとっては気に入らない話であるのは間違いない。

 以前もパク・ジン外交部長官(外相に相当)が台湾海峡についてほんのちょっと言及しただけでも、中国側の反応はえらいもんでした。


 その際に「他人事にくちばしを挟むな」との強い言葉を発していたのですが、今回も同様の言葉を述べています。
 中国にとっては台湾問題はいわゆる「核心的利益」の問題で、他国に一切手を触れてほしくない部分。
 それについて外相だけじゃなく、ユン大統領自らが口を出してきたのだから「小国がなにをほざいている」くらいの態度になるのも当然ですわな。

 で、これに対して韓国外交部も「中国の品格を疑わせる外交的欠礼だ」と言い出していると。
 このあたり、本当にユン・ソンニョル政権が西側と協調する度合いを深めようとしているのだろうな、と感じられます。
 実際のところは「度合いを深める」レベルでしかないのですが。
 ほら、前の大統領がアレだったからさ……。

 さらになんと駐韓中国大使を外交部にまで呼び出して抗議したとのこと。

外交部、「ユン大統領は口出しするな」という主張に中国大使の招致に強く抗議(ニュース1・朝鮮語)

 ムン政権時代にはこんな対応をした覚えすらないですね。国賓招待された上であんな扱いまでされていたのに。
 どこまで中国に対抗できるのか、という部分も含めてちょっとウォッチ継続しておきたい感じですかね。

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中国人が行きたい国、1位は圧倒的に日本。韓国は……うん、まあそのなんだ……

中国人が行きたい国、日本が1位 2位に大差 海外旅行意識調査(毎日新聞)
 中国へのマーケティング支援を行う株式会社「ENJOY JAPAN」(東京都新宿区)は、中国在住の中国人に対して海外旅行に関するアンケート調査を実施した。全体の76%が「行きたい国」として日本を挙げ、2位のシンガポールを大きく引き離して1位となった。外国為替市場で円安が進んだことで日本を訪れる外国人観光客にとっては消費に割安感があることも影響しているとみられる。

 アンケートは3月13~19日にオンラインで実施し、18~49歳の男女1140人から回答を得た。複数回答可で日本が1位となった「行きたい国」は、2位のシンガポール(全体の41%)、3位のカンボジア(同24%)、4位のマレーシア(22%)などが続いた。

 また、行きたい国を日本と答えた人に旅行目的を聞いたところ、全体の53・3%が「買い物」と回答。「食事」と答えた人は35・5%、「遊園地やテーマパークで遊ぶ」と回答した人も24・5%いた。日本で購入したい商品については、「化粧品・香水」(49・8%)、「菓子類」(44・8%)がいずれも半数近くを占めた。
(引用ここまで)


 日本企業のアンケートではありますが、「中国人の行きたい観光先」というものが出てまして。
 複数回答ありでの結果がこんな感じ。

1位 日本 76%
2位 シンガポール 41%
3位 カンボジア 24%
4位 マレーシア 22%
5位 韓国 20%
6位 タイ 17%
7位 インドネシア 17%
8位 アメリカ 15%
9位 ドイツ 11%
10位 オーストラリア 11%

 以前の統計では韓国は3位くらいに入ることが多かったのですが。
 かなり「中国人の観光地」としての地位は下落したといっても過言ではないでしょうかね。

 さて、その一方で韓国人はばんばん海外旅行に出てまして。
 2月統計でも韓国人訪日客は56万人ほどとなっています。
 訪日客全体を見ても2019年比で2割減とインバウンドの回復は確実なものとなっていますね。
 浅草とかえらいことになってますからね。


 で、その結果として韓国の経常収支が2ヶ月連続でマイナスになりました。

輸出を減らして海外旅行を増やす… 2月経常収支5.2億ドルまた赤字(韓国経済新聞)

 貿易赤字とサービス赤字の双子の赤字がすくすくと育っていまして。
 ま、1月の40億ドル以上だった赤字に比べればだいぶ少なめになったのですが。
 その大きな理由は1月に旧正月があったから、です。
 旧正月に多くの韓国人が海外旅行に出かけたのが大きな原因で2月は休みが少なかったから。

 ここのところ何度か書いている「韓国国内で観光とか笑わせるな」ってアレですね。
 コロナ禍が終わって観光に行きたがっているのだけども、韓国国内にはそんな場所はない。
 あってもぼったくられて最悪の思い出だけしか残らない。

 アウトバウンドは大きくなっているのに、インバウンドは増えていない。
 特に中国人観光客がさっぱり増えていない。
 増えていないという意味では日本も同じですが。

 中国人の希望としても韓国への優先度はもはや高くないと。
 6月にはハリー・ポッターのテーマパークが開園してそちらも人気がだいぶすごいことになりそうだと。
 まあ……韓国の観光地ってホントになんかこう「昭和でもそこまでじゃないわ」くらいのところが多いんですよ。
 そうした部分が楽しめる人であれば別でしょうが。
 そんな人は多数ではないからなぁ(笑)。

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韓国外相の「台湾海峡の安定は重要だ」との発言に中国激昂、「くちばしを挟むことは許さない」と報道官……中韓関係の象徴ですね

カテゴリ:中韓関係 コメント:(53)
韓国外交部長官の台湾問題発言に反発する中国…「口出し容認しない」(中央日報)
台湾海峡有事の際、韓半島(朝鮮半島)の安定を維持しなければならないという韓国外交部の朴振(パク・ジン)長官の発言に、中国外交部の毛寧報道官が「口出しは容認しない」という意味の四字熟語「不容置喙」を使って反発した。

毛報道官は前日(27日)の定例会見で朴長官の台湾問題関連のCNNのインタビューに対する立場を尋ねる中国メディアの質問に「台湾問題は中国の内政で、他人が口出しすることは許さない」と強い語調で答えた。 (中略)

毛報道官はこれに対して「不容置喙」という表現を使って反発した。「不容置喙」は清国の作家である蒲松齢の小説に登場する言葉で、相手の干渉を許さないという意志が込められた表現だ。強い語調で相手を批判する時に主に使われる。中国は香港問題や東シナ海島しょ領有権問題をはじめとする自国の核心利益に関連した外交葛藤がある時に使用してきた。
(引用ここまで)


 韓国のパク・ジン外交部長官(外相に相当)がCNNのインタビューを受けて北朝鮮情勢やアメリカの核の傘について語っています。
 現状では北朝鮮との接触はなく、キム・ジョンウンが自発的に核を放棄することはないだろう、と述べています。

Exclusive: North Korea a ‘clear and present danger,’ says South Korean Foreign Minister(CNN)

 この動画の最後の中でパク・ジン長官は「武力による現状変更に反対です。台湾海峡でなにかが起きた場合、我々は朝鮮半島の平和と安定を維持しなければならない。我々の国に直接的な影響があるからです」と語っていますね。
 それ以外にも台湾海峡の平和と安定が朝鮮半島の平和と安定につながっている、との発言をしています。


 これが中国側の逆鱗に触れたということでしょう。
 実際にはかなりおまけ、といった感じの発言でしかないのですが。

 韓国にそんな発言を許すことはない、という厳しい姿勢が見えていますね。
 「不容置喙」は「横からの口出しを許さない」といった意味。喙はくちばしですから「くちばしをはさむことを許容しない」、かな。かなり強い言葉です。

 中国はいわゆる戦狼外交を取り下げたとの報道があります。
 特に「新型コロナは米軍が中国に持ちこんだのだ」とか言っていた、あるいはオーストラリアに向けてフェイク写真であざ笑うなどしていた趙立堅副報道局長が左遷ともされたことで戦狼外交を取り下げた象徴としているメディアがいくつかありましたね。

コラム:中国「戦狼外交」修正か、西側敵視の強硬派退場(ロイター)

 中国は最後の最後まで「大国意識」を捨てはしませんよ。
 特に小国との間では。「黙れ、小国のくせに」は中国の基本方針で、変わるわけがないんですよね。
 韓国に対しての態度はいつまで経ってもこうしたものなのです。
 日本はそうした関係から離脱してだいぶになるのですけどね。韓国はそうではない、ってことです。

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韓国メディア「中国が韓国だけに厳しい入国制限措置をしている。日本にはビザ発給を再開したのに!」……中国の日韓に異なる対応、そこにある真実とは?

中国、韓国だけに報復措置を追加… 日本人ビザの発行は再開、韓入国者はコロナ検査(朝鮮BIZ・朝鮮語)
中国が2月1日から韓国発入国者を対象にコロナPCR(遺伝子増幅)検査を義務化する。中国は中国発入国者対象防疫水位を高めた韓国と日本にビザ発給中断で対応した後、今月29日、日本国民にはビザ発給を再開したが、韓国に向けて報復水位を高めている。

駐中韓国大使館は、中国政府が外交経路を通じて2月1日から韓国発中国到着直航航空機搭乗客全員を対象に入国後PCR検査を義務化すると通知したと31日、ウェブサイトに公示した。PCR検査の結果が陽性である場合は、自宅または宿泊施設から隔離する必要があります。中国が今月8日、入国者対象コロナ検査と施設隔離義務を全面廃止した後、特定国家発入国者を対象に新たな防疫措置を適用するのは今回が初めてだ。 (中略)

中国は最近、日本に加えた防疫報復措置を解除した。今月29日から日本国籍者向け中国行きビザの発行を再開した。当時、韓国人ビザ発給再開の可否は一切言及しなかった。
(引用ここまで)


 中国が日本に対してはビザ発行を再開し、韓国に対してはビザ発行停止をしたまま。
 さらに昨日から韓国からの入国者に対してはPCR検査を義務化。

 この措置、中国の日韓への態度の違いとして韓国では大きく報じられています。
 ビザ発行時点で「なぜだ?」みたいな報道が少なからずありましたね。

中国、日本のみ「ビザ報復」解除‥韓国は維持(MBC・朝鮮語)

 日本へのビザ発行停止を発表してからわずか19日で解除。
 その一方で韓国に対してはビザ発行停止をしたままで、さらにPCR検査も義務化。
 なぜこのような違いが生まれたのだ……と。


 まあ、これで「中国は韓国にだけ厳しい措置をしているんだ」みたいに煽ったほうがPVは上がるのかもしれませんが。

 実際は──

・日本は中国に対するビザ発給停止をしていない(水際対策あり)
・韓国は中国に対してビザ発行停止をしており、中国からの入国者にPCR検査を義務化している

 日本に対してビザ発給停止を宣言してしまったのは、いわば中国の勇み足。
 しかも、一般ビザの発給停止ですから、相当に重い措置。
 たぶん、駐日中国大使館あたりから「いや、それはやりすぎだ」って報告が行ったんじゃないですかね。
 実はなんか「ビザ発給停止解除」をする前から、必要な分のビザはこっそりと発給していたらしいという話も聞いてます。

 要するに相互主義に基づいて韓国に対して厳しい措置をやっているだけ、というオチなのでした。

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中国から「韓紙だと? 製紙は中国の文化だ! また韓国が文化収奪している!」と攻撃、その「韓紙手作り動画」を見てみると……

カテゴリ:中韓関係 コメント:(130)
【寄稿】「K-POPアイドルは好きだけど韓国は嫌い」(朝鮮日報)
この動画でNewJeansのメンバーたちは韓国の伝統製法の紙「韓紙」について語り、韓紙の手作り体験などを通じて韓国の伝統文化をPRした。ところが、この動画が公開されるやいなや、メンバーたちは中国人ネットユーザーからアンチコメント攻撃を受けた。一部の中国人ネットユーザーたちが「製紙術は中国のものなのに、韓国は今度もまた『我が国の文化だ』と言って中国の文化を盗もうとしている」と非難の声を浴びせたのだ。

 もちろん、K-POPやエンターテインメントになじみのある人々は、こうした事件は今やいつでも起こり得る日常茶飯事であることを知っている。ガールズグループIVE(アイヴ)のメンバー、ウォニョンも昨年、「パリ・ファッション・ウィークで(中国の伝説の鳥)鳳凰(ほうおう)をかたどったかんざしを差した」と中国人ネットユーザーたちのターゲットになった。

 しかし、逆の状況も発生している。2021年のSBSドラマ『朝鮮退魔師』は「中国色が強すぎる」という理由で韓国人ネットユーザーたちから集中砲火を浴び、打ち切られる事態になった。 (中略)

韓国のポップカルチャー業界で起こっている出来事や韓国のネット情報に精通し、韓国語を話せる人も多い。彼らは韓国のネット空間の広範囲な合意である反中感情にもすぐ接することになる。触れ合いや交流を通じ、知らなかった人々を知るようになると、アイデンティティーを超えた友愛が生まれることもあるが、反対に知れば知るほど互いをいっそう嫌うようになり、むしろ反感が高まる状況も発生する。今、韓国のポップカルチャーを媒介して急速につながりつつある韓国と中国のネットユーザーたちの間では、後者の心理機制の方が強そうだ。 (中略)

韓国文化が大きくなればなるほど、韓国人は思いもしなかった人々にもっと接するようになるかもしれない。それはつまり「K-POPアイドルのファンだが韓国を嫌う人々」のことだ。
(引用ここまで)


 ちょっと面白い記事。
 K-POPのグループが「韓紙手作り」の動画を流したところ、中国から「文化収奪だ!」とクレームがついた、という話から「中国の人々は韓流を消費しつつも、韓国は嫌いだという立場に向かいつつある」としています。
 まあ、普通に考えればこういう事態にもなりますわな。

 ピューリサーチセンターの統計では77%、最近行われた統計では81%の韓国人が中国に対して「Negative」とされる感情を持っているとされています。
 つまり、中国側から韓国を知れば知るほどそうした国民感情も中国人の知るところにな る。

 韓流は消費しても、国民同士の感情はそれ以上にはならないという話ですね。
 これはかつて「韓国でもっとも有名な日本人」であった水野俊平教授も述べているところではありますね。


 どうもこういう話を理解できない韓国人が多くてですね。
 韓国メディアからは「悪いのは政府間の関係だけで、日本人の多くは韓国ドラマやK-POPを見て韓国に親しみを持っている」って話が幾度も幾度も出てきては日本で嗤われています。
 その日本人が「韓国に親しみを持たない」と2/3が答えているのですよね。
 好まれていないのに好むヤツはそういませんわ。

 それはそれとして「韓紙の手作り体験」の動画がこちらなのですが。



 見事に和紙の漉きこみだな……。
 というか「韓国伝統の韓紙」というのは併合時代に和紙の普及で消滅していて、実態がよく分からないものでしかなかったりします。
 懸命に「美術品の修復に韓国伝統の韓紙を!」ってやっているのは質の悪い和紙もどきを使っているのと同じなんですよね。

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世界でもっとも中国、および中国人に否定的な感情を持っているのが韓国人……実に81%が否定的

カテゴリ:中韓関係 コメント:(87)
「中国に否定的」81%…韓国人の対中感情が7年前と一変、世界56カ国でトップに(朝鮮日報)
韓国人回答者の81%が中国を「否定的」または「非常に否定的」と認識していることが分かった。 調査対象56カ国の中で最も高い水準だ。反中感情が強い国の2位はスイス(72%)、3位は日本(69%)だった。 韓国人の否定的な回答はスイスより10ポイント、日本より12ポイント多かった。

 これは7年前の調査とは正反対の結果だ。 米国の世論調査機関ピューリサーチは2015年、類似する調査を実施したが、当時中国を否定的にとらえる韓国人の割合は37%にとどまっていた。

 中国を否定的にとらえる理由についても、韓国は他の国々と差があった。ほとんどの国は「中国の軍事力」を最も否定的に認識しているのに対し、韓国は「中国が地球の自然環境に及ぼす影響」を最も否定的に認識していた。例えば、中国から飛来するPM2.5などの問題だ。 (中略)

韓国人が中国と言えば思い浮かぶ単語は「COVID-19」が最多だった。「歴史歪曲(わいきょく)」「汚さ」「偽物」「汚染」なども含まれた。ただ、韓中関係に影響を及ぼした終末高高度防衛ミサイル(THAAD)は連想する単語に含まれていなかった。

 そのほか、韓国人は他国とは異なり、「中国の技術」にも否定的だった。「中国人」に対しても77%が否定的だったという。年齢別では20-30代の反中感情が最も強く、経済的に余裕があるほど反中感情が弱かった。ディプロマットは「社会経済的地位が高いほど中国を経済的側面でチャンスがある国家と考えるためだ」と分析した。
(引用ここまで)


 The Diplomat紙が韓国の対中感情変化を記事にしたとのこと。
 元記事はこちら。

South Koreans Have the World’s Most Negative Views of China. Why?(The Diplomat・英語)

 中国に対する国民感情を調査した世界56カ国のうち、中国への嫌悪感情(Very negathive + negative)で韓国が1位。
 2位がスイスで3位が日本。
 ……スイス? 中国となんかあったかなぁ?

 韓国以外のインド太平洋地域では──
 日本、台湾、オーストラリア、インド、ベトナムあたりまでが50%を越える「ネガティブ」、嫌悪感を持つ国々。
 ニュージーランドがほぼ拮抗。
 以降、フィリピン、シンガポール、マレーシア、カザフスタン、インドネシア、タイ、バングラデシュ、パキスタンの順でネガティブが少なくなっていくといったところ。
 パキスタンに至っては80%以上が「ポジティブ」です。まあ、インドとの仲の悪さを考えたらそうなるか。 


 朝鮮日報の記事では引用していませんが、ディプロマット誌は「国ではない中国人そのものへの見方」について、韓国人が否定的であると報じています。
 77%の韓国人が「中国人」を否定的に見ている。
 下のグラフがEU諸国と北米での「中国人」への見方でして。

スクリーンショット 2022-12-29 15.33.00.png
(引用元・CEIAS Trans-Atlantic public opinion on China: Great power competition amidst Russian invasion of Ukraine

 だいたい、中国人そのものへの否定的な見方は20〜30%ていど。
 中国という国への否定的な見方は50〜70%ほどなので、多くの国で中国人への否定的な見方は半減しています。
 これは中国が共産主義国家であるということが大きいのではないかと感じられます。

 その一方で韓国では中国(否定的81%)≒中国人(否定的77%)といった見方になっている。
 中国人そのものに否定的、恐れを抱いている部分があるということでしょうかね。

 最後にある設問もかなり示唆的。「あなたが中国とアメリカのどちらかを同盟として選択しなければならないとしたらどっちにつく?」というもので。

スクリーンショット 2022-12-29 15.44.53.png

 91%がアメリカを選ぶ、としています。
 ディプロマット誌は「たとえ政権が変わったとしても、この考えかたは韓国人にすでに根付いており変化しないだろう」としています。
 ただまあ、地政学的、経済的にただアメリカを選択するというわけにもいかないでしょうけども。
 一連の調査、なかなか面白いのでちょっと読みこんでみます。

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韓国、「中国の影響力浸透度」で13位、経済では中国から圧倒的な支配を受けている模様

カテゴリ:中韓関係 コメント:(72)
タグ: 中韓関係
「中国の影響力浸透」韓国は13位…パキスタン1位、日本52位(中央日報)
世界で中国の影響力が最も大きく及ぶ国はどこだろうか。韓国内で中国の影響力が最も大きい分野は何だろうか。このような疑問を解消する研究結果が公開された。台湾の非営利団体「台湾民主実験室(Double Think Labs・DTL)」が最近発表した「チャイナ・インデックス(中国の影響力指数)2022」だ。

チャイナ・インデックスとは、中国が政治・経済的な影響力を利用して世界各国に浸透している状況を指数化したものだ。今年初めての調査でDTLは全世界82カ国を対象にした。 (中略)

調査結果、中国の影響力が最も大きく及ぶ国はパキスタンだった。 (中略)

地域別には、東南アジアで中国の影響が最も大きかった。カンボジア(2位)、シンガポール(3位)、タイ(4位)、フィリピン(7位)、マレーシア(10位)などが上位だった。 (中略)

韓国は82カ国のうち13位だった。分野別には、経済領域での影響力が最も高かった。経済分野での中国の影響力は82カ国平均が33.6%だが、韓国は72.7%だった。次に法執行(62.5%)、国内政治(52.3%)、外交(52.3%)、学界(47.7%)などが世界平均より高い数値を見せ、中国の影響から自由ではないことが分かった。反面、社会(18.2%)と軍事(18.2%)分野は世界平均より低かった。

一方、中国と覇権競争を繰り広げる米国で、中国の影響力は21位だった。学界や国内政治、メディア領域で特に中国の浸透力が大きかった。日本は中国と貿易、観光などで深く関わっているにもかかわらず52位に過ぎなかった。
(引用ここまで)


 台湾のNPOが制定した「チャイナインデックス」なる数字で全世界82カ国中、韓国における中国の影響は13位だった、とのニュース。
 ざっくりと見てみたのですがなるほどな、となる感じのランキングでした。

China Index 2022(Double Think Lab・英語)

 韓国周辺のランキングは──

10位 マレーシア
11位 台湾
12位 オーストラリア
13位 韓国
14位 ナイジェリア
15位 カザフスタン
16位インドネシア

 ……といったところ。
 オーストラリアでは「メディア」、「経済」、「内政」に強く食いこまれていて、韓国は「経済」、「法執行」、「内政」、「外交」に影響があると判断されている。
 ざっくりとですが違和感ないかな。
 日本は東アジア、東南アジアで最下位となる52位。全体的に低いもののその中でも「社会」、「外交」、「学会」で比較的高い数字になっていると。
 こちらもなんとなくですが納得できる結果。


 さて、韓国はすでに経済面で中国に圧倒的なほどに支配されている、というのは実情でしょうね。
 だからこそアメリカの半導体輸出規制にフルコミットできずにいるわけです。

 SKハイニックスがインテルが中国に持っていたNANDフラッシュ工場を買収するまでもなく、すでにサムスン電子、SKハイニックスは中国にDRAM、NANDでかなり大きな工場があったのです。
 アメリカの輸出規制に準じるとこれらの工場に最新の製造装置を入れることができなくなり、競争力が一気に落ちるようになってしまう。 

 中国が韓国に対して「我々も含めてCHIP5にすべきだ」なんて言っている(圧力をかけている)のは、こうした中国への経済依存がにっちもさっちもいかないレベルにまで達しているから。
 国賓として訪問したはずのムン・ジェインをあそこまで蔑ろにできたのも、そうした優位性を中国側が認識し、かつ韓国側がそれを耐える必要があったから。
 これを覆すことは保守政権の5年とかじゃ無理だよなぁ……。

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