米国が最近、ワクチン協力もクアッド(日米豪印戦略対話)を中心にすることを示唆した。しかし韓国政府はクアッドについて「米国から参加要請を受けたことはない」とし、選択を回避するような立場を見せている。2016年のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備前の「要請も、協議も、決定したこともない」とあいまいな態度で一貫してきた当時の政府の立場のデジャビュという指摘だ。
中国も韓国のクアッド参加意思に注目している。香港サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)は24日、複数の消息筋を引用し、「中国が韓国にクアッドに参加するかどうかを数回問いただし、これに対して韓国は『参加要請を受けたことはない』と答えた」と伝えた。中国外務省の汪文斌報道官はこの報道に関する中央日報の質問に対し、「中国は関連国が地域の平和と安定に利益になることを多くすることを希望する」と答え、韓国を相手にクアッド問題を取り上げたことを否認しなかった。 中略 専門家らはTHAAD配備やクアッド参加などのように米中の戦略的利益が衝突する事案では、政府が国益レベルで鮮明な原則を示すべきだと助言する。国立外交院のキム・ハングォン教授は「政府が『3NO』立場を堅持しながら結局は米国に軍配を上げたTHAAD事態の前轍を踏むという懸念がある」とし「クアッドに関して米国が事実上、間接的にメッセージを伝えてきた状況で、これを徐々に公論化して対応策を具体的に準備していく必要がある」と分析した。
(引用ここまで)
中国から韓国に対して「クアッドに参加するのかどうか」と問いただされた。
韓国政府はそれに対して「参加要請を受けたことはない」といつもの返答をした、との記事がサウスチャイナモーニングポストに掲載されたと。
で、中国の外交部副報道局長の汪文斌氏はその質問を否定しなかった……と中央日報の記事。
ふむ。
韓国国内から問われた時も「アメリカから参加要請を受けたことはない」という話をしていましたけどね。
ですが、参加要請がないわけがない。
実際、朝鮮日報は「アメリカの政権高官は(非公式で)『参加を要請した』と述べている」と報道してましたしね。
たとえ公式の場で伝えたことがなくても、非公式の場では何度も伝えられていることでしょう。
というか、同盟国に参加を問わないわけがない。
先月の米韓2+2あたりでも問われていて当然。
ですが、韓国政府の答は常に「参加要請を受けたことはない」というだけ。
「韓国の意向」というものを表明したことは一度もないのですよ。
まあ、「クアッドはよくないアイディアだ」と外相が述べたことがあるので、それが正式な見解なのかもしれませんが。
韓国が国としてどのような方向性なのか。
米中新冷戦ともされている中で。
クアッドに加わるのか。
傍観するのか。
中国側につくのか。
どうしたいのかがさっぱり見えてこない。
それでいて「クアッドが相互に利益を授受している」「韓国が除外されている」とか言い出している。
これからはワクチン関連だけでなく、同じような事態が増えることでしょうよ。
そもそもクアッドそのものがインドを取り込むために「軍事同盟ではない」という話になっているのですから。
クアッド諸国が利益を囲いこみ、中国からは圧力を掛けられ続ける。
まあ、それが韓国の選んだ道であるというのなら、その道を行ってもらうしかないのですが。