韓国人回答者の81%が中国を「否定的」または「非常に否定的」と認識していることが分かった。 調査対象56カ国の中で最も高い水準だ。反中感情が強い国の2位はスイス(72%)、3位は日本(69%)だった。 韓国人の否定的な回答はスイスより10ポイント、日本より12ポイント多かった。
これは7年前の調査とは正反対の結果だ。 米国の世論調査機関ピューリサーチは2015年、類似する調査を実施したが、当時中国を否定的にとらえる韓国人の割合は37%にとどまっていた。
中国を否定的にとらえる理由についても、韓国は他の国々と差があった。ほとんどの国は「中国の軍事力」を最も否定的に認識しているのに対し、韓国は「中国が地球の自然環境に及ぼす影響」を最も否定的に認識していた。例えば、中国から飛来するPM2.5などの問題だ。 (中略)
韓国人が中国と言えば思い浮かぶ単語は「COVID-19」が最多だった。「歴史歪曲(わいきょく)」「汚さ」「偽物」「汚染」なども含まれた。ただ、韓中関係に影響を及ぼした終末高高度防衛ミサイル(THAAD)は連想する単語に含まれていなかった。
そのほか、韓国人は他国とは異なり、「中国の技術」にも否定的だった。「中国人」に対しても77%が否定的だったという。年齢別では20-30代の反中感情が最も強く、経済的に余裕があるほど反中感情が弱かった。ディプロマットは「社会経済的地位が高いほど中国を経済的側面でチャンスがある国家と考えるためだ」と分析した。
(引用ここまで)
The Diplomat紙が韓国の対中感情変化を記事にしたとのこと。
元記事はこちら。
South Koreans Have the World’s Most Negative Views of China. Why?(The Diplomat・英語)
中国に対する国民感情を調査した世界56カ国のうち、中国への嫌悪感情(Very negathive + negative)で韓国が1位。
2位がスイスで3位が日本。
……スイス? 中国となんかあったかなぁ?
韓国以外のインド太平洋地域では──
日本、台湾、オーストラリア、インド、ベトナムあたりまでが50%を越える「ネガティブ」、嫌悪感を持つ国々。
ニュージーランドがほぼ拮抗。
以降、フィリピン、シンガポール、マレーシア、カザフスタン、インドネシア、タイ、バングラデシュ、パキスタンの順でネガティブが少なくなっていくといったところ。
パキスタンに至っては80%以上が「ポジティブ」です。まあ、インドとの仲の悪さを考えたらそうなるか。
朝鮮日報の記事では引用していませんが、ディプロマット誌は「国ではない中国人そのものへの見方」について、韓国人が否定的であると報じています。
77%の韓国人が「中国人」を否定的に見ている。
下のグラフがEU諸国と北米での「中国人」への見方でして。

(引用元・CEIAS Trans-Atlantic public opinion on China: Great power competition amidst Russian invasion of Ukraine)
だいたい、中国人そのものへの否定的な見方は20〜30%ていど。
中国という国への否定的な見方は50〜70%ほどなので、多くの国で中国人への否定的な見方は半減しています。
これは中国が共産主義国家であるということが大きいのではないかと感じられます。
その一方で韓国では中国(否定的81%)≒中国人(否定的77%)といった見方になっている。
中国人そのものに否定的、恐れを抱いている部分があるということでしょうかね。
最後にある設問もかなり示唆的。「あなたが中国とアメリカのどちらかを同盟として選択しなければならないとしたらどっちにつく?」というもので。

91%がアメリカを選ぶ、としています。
ディプロマット誌は「たとえ政権が変わったとしても、この考えかたは韓国人にすでに根付いており変化しないだろう」としています。
ただまあ、地政学的、経済的にただアメリカを選択するというわけにもいかないでしょうけども。
一連の調査、なかなか面白いのでちょっと読みこんでみます。
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