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カテゴリ:中韓関係の記事一覧

世界でもっとも中国、および中国人に否定的な感情を持っているのが韓国人……実に81%が否定的

カテゴリ:中韓関係 コメント:(87)
「中国に否定的」81%…韓国人の対中感情が7年前と一変、世界56カ国でトップに(朝鮮日報)
韓国人回答者の81%が中国を「否定的」または「非常に否定的」と認識していることが分かった。 調査対象56カ国の中で最も高い水準だ。反中感情が強い国の2位はスイス(72%)、3位は日本(69%)だった。 韓国人の否定的な回答はスイスより10ポイント、日本より12ポイント多かった。

 これは7年前の調査とは正反対の結果だ。 米国の世論調査機関ピューリサーチは2015年、類似する調査を実施したが、当時中国を否定的にとらえる韓国人の割合は37%にとどまっていた。

 中国を否定的にとらえる理由についても、韓国は他の国々と差があった。ほとんどの国は「中国の軍事力」を最も否定的に認識しているのに対し、韓国は「中国が地球の自然環境に及ぼす影響」を最も否定的に認識していた。例えば、中国から飛来するPM2.5などの問題だ。 (中略)

韓国人が中国と言えば思い浮かぶ単語は「COVID-19」が最多だった。「歴史歪曲(わいきょく)」「汚さ」「偽物」「汚染」なども含まれた。ただ、韓中関係に影響を及ぼした終末高高度防衛ミサイル(THAAD)は連想する単語に含まれていなかった。

 そのほか、韓国人は他国とは異なり、「中国の技術」にも否定的だった。「中国人」に対しても77%が否定的だったという。年齢別では20-30代の反中感情が最も強く、経済的に余裕があるほど反中感情が弱かった。ディプロマットは「社会経済的地位が高いほど中国を経済的側面でチャンスがある国家と考えるためだ」と分析した。
(引用ここまで)


 The Diplomat紙が韓国の対中感情変化を記事にしたとのこと。
 元記事はこちら。

South Koreans Have the World’s Most Negative Views of China. Why?(The Diplomat・英語)

 中国に対する国民感情を調査した世界56カ国のうち、中国への嫌悪感情(Very negathive + negative)で韓国が1位。
 2位がスイスで3位が日本。
 ……スイス? 中国となんかあったかなぁ?

 韓国以外のインド太平洋地域では──
 日本、台湾、オーストラリア、インド、ベトナムあたりまでが50%を越える「ネガティブ」、嫌悪感を持つ国々。
 ニュージーランドがほぼ拮抗。
 以降、フィリピン、シンガポール、マレーシア、カザフスタン、インドネシア、タイ、バングラデシュ、パキスタンの順でネガティブが少なくなっていくといったところ。
 パキスタンに至っては80%以上が「ポジティブ」です。まあ、インドとの仲の悪さを考えたらそうなるか。 


 朝鮮日報の記事では引用していませんが、ディプロマット誌は「国ではない中国人そのものへの見方」について、韓国人が否定的であると報じています。
 77%の韓国人が「中国人」を否定的に見ている。
 下のグラフがEU諸国と北米での「中国人」への見方でして。

スクリーンショット 2022-12-29 15.33.00.png
(引用元・CEIAS Trans-Atlantic public opinion on China: Great power competition amidst Russian invasion of Ukraine

 だいたい、中国人そのものへの否定的な見方は20〜30%ていど。
 中国という国への否定的な見方は50〜70%ほどなので、多くの国で中国人への否定的な見方は半減しています。
 これは中国が共産主義国家であるということが大きいのではないかと感じられます。

 その一方で韓国では中国(否定的81%)≒中国人(否定的77%)といった見方になっている。
 中国人そのものに否定的、恐れを抱いている部分があるということでしょうかね。

 最後にある設問もかなり示唆的。「あなたが中国とアメリカのどちらかを同盟として選択しなければならないとしたらどっちにつく?」というもので。

スクリーンショット 2022-12-29 15.44.53.png

 91%がアメリカを選ぶ、としています。
 ディプロマット誌は「たとえ政権が変わったとしても、この考えかたは韓国人にすでに根付いており変化しないだろう」としています。
 ただまあ、地政学的、経済的にただアメリカを選択するというわけにもいかないでしょうけども。
 一連の調査、なかなか面白いのでちょっと読みこんでみます。

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韓国、「中国の影響力浸透度」で13位、経済では中国から圧倒的な支配を受けている模様

カテゴリ:中韓関係 コメント:(72)
タグ: 中韓関係
「中国の影響力浸透」韓国は13位…パキスタン1位、日本52位(中央日報)
世界で中国の影響力が最も大きく及ぶ国はどこだろうか。韓国内で中国の影響力が最も大きい分野は何だろうか。このような疑問を解消する研究結果が公開された。台湾の非営利団体「台湾民主実験室(Double Think Labs・DTL)」が最近発表した「チャイナ・インデックス(中国の影響力指数)2022」だ。

チャイナ・インデックスとは、中国が政治・経済的な影響力を利用して世界各国に浸透している状況を指数化したものだ。今年初めての調査でDTLは全世界82カ国を対象にした。 (中略)

調査結果、中国の影響力が最も大きく及ぶ国はパキスタンだった。 (中略)

地域別には、東南アジアで中国の影響が最も大きかった。カンボジア(2位)、シンガポール(3位)、タイ(4位)、フィリピン(7位)、マレーシア(10位)などが上位だった。 (中略)

韓国は82カ国のうち13位だった。分野別には、経済領域での影響力が最も高かった。経済分野での中国の影響力は82カ国平均が33.6%だが、韓国は72.7%だった。次に法執行(62.5%)、国内政治(52.3%)、外交(52.3%)、学界(47.7%)などが世界平均より高い数値を見せ、中国の影響から自由ではないことが分かった。反面、社会(18.2%)と軍事(18.2%)分野は世界平均より低かった。

一方、中国と覇権競争を繰り広げる米国で、中国の影響力は21位だった。学界や国内政治、メディア領域で特に中国の浸透力が大きかった。日本は中国と貿易、観光などで深く関わっているにもかかわらず52位に過ぎなかった。
(引用ここまで)


 台湾のNPOが制定した「チャイナインデックス」なる数字で全世界82カ国中、韓国における中国の影響は13位だった、とのニュース。
 ざっくりと見てみたのですがなるほどな、となる感じのランキングでした。

China Index 2022(Double Think Lab・英語)

 韓国周辺のランキングは──

10位 マレーシア
11位 台湾
12位 オーストラリア
13位 韓国
14位 ナイジェリア
15位 カザフスタン
16位インドネシア

 ……といったところ。
 オーストラリアでは「メディア」、「経済」、「内政」に強く食いこまれていて、韓国は「経済」、「法執行」、「内政」、「外交」に影響があると判断されている。
 ざっくりとですが違和感ないかな。
 日本は東アジア、東南アジアで最下位となる52位。全体的に低いもののその中でも「社会」、「外交」、「学会」で比較的高い数字になっていると。
 こちらもなんとなくですが納得できる結果。


 さて、韓国はすでに経済面で中国に圧倒的なほどに支配されている、というのは実情でしょうね。
 だからこそアメリカの半導体輸出規制にフルコミットできずにいるわけです。

 SKハイニックスがインテルが中国に持っていたNANDフラッシュ工場を買収するまでもなく、すでにサムスン電子、SKハイニックスは中国にDRAM、NANDでかなり大きな工場があったのです。
 アメリカの輸出規制に準じるとこれらの工場に最新の製造装置を入れることができなくなり、競争力が一気に落ちるようになってしまう。 

 中国が韓国に対して「我々も含めてCHIP5にすべきだ」なんて言っている(圧力をかけている)のは、こうした中国への経済依存がにっちもさっちもいかないレベルにまで達しているから。
 国賓として訪問したはずのムン・ジェインをあそこまで蔑ろにできたのも、そうした優位性を中国側が認識し、かつ韓国側がそれを耐える必要があったから。
 これを覆すことは保守政権の5年とかじゃ無理だよなぁ……。

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韓国保守紙「韓国は中国のウイグル人権弾圧にも声を上げられない国になってしまった」……恐中症は不治の病か

【コラム】韓国外交の宿痾「恐中症」は治せないのか(朝鮮日報)
習近平は6・25参戦老兵らと対面して「偉大な抗美援朝戦争(6・25の中国式表現)は平和を守り、侵略に立ち向かった正義の戦争」と言った。国際常識と懸け離れていただけでなく、韓国に全く配慮しない妄言だ。だが、中国の本音だった。輝かしい交易の成果に浮かされ、あえて見ないようにしていた「不都合な真実」だった。

そうして登場した習近平は中国の夢を叫び、中国を毛沢東時代に引き戻した。集団指導体制が崩れ、改革・開放は退潮した。韜光養晦(とうこうようかい、能力を隠して力を蓄えること)は沈んでいき、戦狼(せんろう)外交が本格化した。北京では王毅外相、ソウルではケイ海明大使の言行が日に日に荒っぽくなった。米国や西側はけん制路線へと進んだが、韓国はぐずった。もしかすると最大の市場を失いかねないという恐怖、北朝鮮の非核化と統一への協力を得られなかったらどうするかという心配を振り払えなかった。 (中略)

だから朴槿恵(パク・クンへ)元大統領は、米国からにらまれつつも天安門の門楼に上り、中国の戦勝節の軍事パレードを見守ったのだろう。習近平の回答は、無慈悲なTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復だった。文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は、訪中時に取った10回の食事のうち8回が「一人飯」だった。恥をかかされても「中国は高い峰、韓国は小さな国」と言った。 (中略)

韓国は、自由民主陣営50カ国が国連で中国のウイグル人権弾圧を糾弾する声明を共同発表したとき、ただ1カ国そこから手を引いた。恐中症が宿痾(しゅくあ)と化したらしい。
(引用ここまで)


 韓国の恐中症は治ることはないのか、との朝鮮日報の嘆き。
 サッカーでは恐韓症とされるほどに韓国が圧倒しているのに、外交では一切いいところなし。

 保守政権だったはずのパク・クネはプーチン、習近平と共に天安門に登り、地獄のようなスリーショットを撮ってしまう。
 ムン・ジェインは国賓として招かれたはずなのに、出迎えが次官補級の人物だったことにはじまり、ひとり飯を強いられ、挙げ句の果てには随行していた報道陣が中国当局から暴行を受ける始末。
 それでも「三不の誓いを捧げるのでTHAADミサイル制裁をなにとぞ」……としか言えなかった。
 まあ、一切是正なんてされなかったのですけどね。

 思えばこの傾向はイ・ミョンバク政権の頃からあった感じですね。
 政権の保革を問わずに韓国はずっと中国に対して弱腰のままなのです。


 さらに最近になってもウイグル問題に対しての人権弾圧に反対する声明に韓国が賛同しなかった。
 自由主義陣営ではほぼ唯一と言っていい離脱国でした。
 いや、これはなかなかの衝撃で。
 「あれ、安保体制を立て直すつもりないのかな?」と思わされた行動でした。

 まあ、要は「中国にもアメリカにもいい顔をする」という路線なのですけどね。
 アメリカとの合同軍事演習は再開する。
 ただし、対中強硬派のナンシー・ペロシ議長とは面会しない
 中国を直接刺激することになりかねないウイグルの人権弾圧については見て見ぬふりをする。

 ……より外向的な醜悪さが目立つだけのような気がするのですが。  まあ、それがアメリカに通用するといいですね。

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韓国メディア「中国は韓国のTHAAD配備にあれほどの報復をしたのに、日本の巡航ミサイル配備にはなにもいわない。なぜだ!」……なぜだもクソも……

カテゴリ:中韓関係 コメント:(84)
韓国THAAD配備に驚いていた中国…「日本ミサイル1000発」には報復の言及なし(中央日報)
22日、中国官営メディアが前日日本が中国を狙って中射程(中距離)巡航ミサイル1000発を配備するという報道に「改憲のための手段にすぎない」としながら低評価を下した。2016年、韓国が北朝鮮ミサイル防衛のための武器「THAAD(高高度防衛ミサイル)体系の配備を検討するとして大々的な報復を警告していた様子とは異なる。 (中略)

中国はTHAADの時とは違い、日本に対する報復には全く言及しなかった。同紙は「中距離弾道ミサイルは日本が憲法をなし崩しにするための手段の一つで、未来の日本は弾道ミサイル、原子力潜水艦、さらに空母を研究開発する可能性がある」としながら「これはすべて日本の憲法が制限し禁止している事項」と付け加えるにとどまった。

その代わり、電子版を通じて日本の改憲の動きを「米国の覇権野心」と構成して強調した。 (中略)

日本メディアの挑発的な報道にも中国外交当局は公式対応を避けた。中国外交部は今週夏休みであることを理由に「ミサイル1000発」について論評しなかった。在日中国大使館もホームページやSNSを通じて反論せず沈黙を守った。
(引用ここまで)


 ふむ、「韓国で在韓米軍がTHAADミサイルの配備を検討した時は騒いだのに、日本の中距離ミサイル配備にはなにも言わない中国」が韓国メディア的にはお気に召さないようで。
 ま、確かに。
 中国は韓国に対して、駐韓中国大使が「韓国でTHAADミサイルが配備されたら一瞬で中韓関係は破壊される(ことになりかねない)」と抗議しています。

 ですが、今回の日本による中距離巡航ミサイルの配備についてはなんのコメントもなし。
 そりゃまあ、そうですわな。
 実際に抗議できるかどうかはアメリカとの軍事同盟がどれほど深まっているかによるのは間違いないですから。


 韓国は「西側の一員」としてはもっとも弱い環であると考えられている。
 実際にパク・クネは中国に招かれて抗日戦勝パレードに参加し、天安門でプーチン、習近平と笑顔のスリーショットを撮影されている。アメリカが参加に反対したにもかかわらず、です。
 そしてムン・ジェインは中国にTHAADミサイルで三不の誓いを捧げ、かつ国賓として招かれたにもかかわらず徹底的に冷遇された。
 ユン・ソンニョルはナンシー・ペロシ下院議長の訪韓を無視した。

 そりゃ中国も「我々の意向に逆らってTHAADミサイルを配備したらどうなるか、わかってるんだろうな?」くらいのことは言いますよ。
 それに汲々と従うんですから。

 それに比べて日本はすでにアメリカを盟主と抱き、クアッドを主導して構成することで前に出ることを覚悟している。
 その位置から引き剥がすことはできないと認識しているからこそ、無駄に騒ぎ立てないというだけで。
 中国からの視点を考えてみれば当然の違いですよ。

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中国、NATO首脳会議に参加した韓国に「キミたちはパートナーだ。軍国主義で反省すべき日本とは違う」と言い出す……離間の計かぁ

中国、韓国には「パートナー」 日本には「反省すべき」…NATO出席に異なる反応(中央日報)
趙報道官は日本について「日本は言葉では『武力による一方的な現状変更に反対する』というが、実質的には自国の軍備拡張の名分を探している」とし「本当に東アジアの平和と安定を望むのなら、当然、自国の侵略の歴史を真摯に反省して教訓にすべきだ」と述べた。

続いて「NATOのアジア太平洋化の最先鋒に立つという日本の意図は全面的に私欲の発露であり、冷戦思考を持つ」とし「地域の平和と安定、団結と協力を毀損する行為はすべて中国人民と東アジア各国人民の反対にぶつかり、目的を達成することはできないだろう」と強調した。

さらに「中国側は今後、NATOの関連動向(アジア太平洋国家との連携)を鋭意注視し、中国の利益を害する状況に対しては座視しない」と明らかにした。

半面、韓国に対しては「中国と韓国は共にアジアの重要な国家であり、互いに重要な協力パートナーとして広範な共同利益を持つ」とし「中韓双方は不断の努力で両国の戦略的協力パートナーシップ関係が時代に合わせて前進するよう追求し、アジアの平和と安定、発展のために共に努力しなければならない」と強調した。 (中略)

趙報道官は先月30日の会見で「韓国と日本はアジアの重要国家であり、中国と互いに重要な協力パートナーとして広範囲な共同利益を保有している」とし「中国側はそれぞれの2国間関係を発展させ、アジアの平和かつ安定した発展を守るのに共同で努力することを希望する」と述べた。韓日ともに協力パートナーと規定した答弁だった。

しかし外務省のホームページに当日晩に掲載された質疑応答録には、この答弁のうち中国の協力パートナーに言及した部分から「日本」は抜け、「それぞれの」が「韓国との」に修正された。

韓国と日本に対する中国の異なる対応は、韓米日の連携を2つの軸の韓日を「分裂」させようという意図があるというのが専門家らの分析だ。
(引用ここまで)


 NATO首脳会議開催以前、中国は「韓国と日本の出席は地域を揺るがすことであり許されない」とか「アジアは大西洋ではない」とか言い続けてきたのですね。
 それ以外にも「新冷戦を企てるな」とかもありましたっけ。
 首脳会議がはじまってからもさんざん、批判していました。
中国、尹大統領のNATO首脳会議出席を初めて批判…「両国関係を悪化させる」(中央日報)

 AP4、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国がNATOに招待されることについて、しっかりと中国に効いている証拠ともいえますね。

 中国からは「ロシアと中国」というようなひとくくりにされることをなんとか避けたいという思惑が透けています。
 ウクライナ侵攻と台湾侵攻を同じ方向性で見られたくないという意向があるのでしょうね。

 NATO首脳会議であれば矛先はロシアだけに向かいます……というか、向かうように見えます。
 ところがそこに日豪新韓というアジア太平洋の4カ国が加わることで、一気に「ロシアと中国」に対抗するという枠組みが見えてきてしまうのですね。
 実際、G7〜NATO首脳会議という流れは対ロシアだけではないのだな、という感触を植えつけることに成功しています。


 そこでまたぞろ中国は離間の計をかけてきた、というわけです。
 NATO首脳会議出席国の中でももっとも弱い環に見える韓国を切り離したい。
 実際に前政権ではほぼ切り離すことに成功していたわけで。
 ムン・ジェイン政権の動きを多く引き継ぐであろうと思われていたイ・ジェミョンが大統領に当選しなかったことをもっとも悔しがっている国は中国じゃないかと思われるほどに。

 上でピックアップしている「両国関係を悪化させる」という記事内でも「反中活動に積極的に参加する日本よりは自制できているが、韓国が日米と協力するなら平和と安定にマイナスの影響を及ぼす」とグローバルタイムズ(環球時報、中国国営の英字紙)に論評が掲載されていたことに言及があります。

 NATO首脳会議よりも前には「参加するな」と脅しをかけ、参加以降は「キミのところは日本よりもマシなんだから考えな?」と比較を行い。
 そして首脳会議が終わったあとには「韓国は中国のパートナーだ。日本は歴史を反省すべき」と韓国が流されやすそうな甘言をかける。
 うーん、ちょっとしたDV彼氏。

 さっそく、韓国政府は「NATO首脳会議出席は特定国の排除が目的ではない」と言い訳している、あるいは野党である共に民主党は「チャイナリスクを高める行為だ」と非難したなんていうニュースも出てますね。

韓国政府「特定国の排除が目的ではない」 中国のNATO会議出席批判に(聯合ニュース)
尹大統領のNATO会議出席 野党「チャイナリスク高めた」と批判=韓国 (聯合ニュース)

 韓国は中国の影響力から逃れることはできません。地政学的に見てもそれは古代から決まった運命です。
 ムン・ジェイン政権は三不の誓いを捧げたように、中国に対して完全に平伏するという手段をとりました。
 その結果があのみじめな「国賓訪中」だったわけです。
 まだユン・ソンニョル政権の方向性は定まっているようには見えません。
 いまのところ、アメリカとの安保関係改善に向かおうとしているのは間違いないですが、それがどこまでの覚悟を伴ったものなのか。
 中国からの圧力を本気で跳ね返すつもりがあるのか。
 わりと見どころじゃないかな、と思いますが。さて。

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中国「日本、韓国等のNATO首脳会議参加は危険な兆候だ」「新冷戦を企てるな」と発言……つまり、効いているわけで

カテゴリ:中韓関係 コメント:(74)
韓日のNATO参加巡り…中国「アジア太平洋地域は北大西洋ではない」(中央日報)
23日(現地時間)、中国中央テレビの報道によると、中国外交部の汪文斌報道官はこの日の定例会見で、韓国を含むアジア太平洋国家のNATO首脳会議参加に対する立場について聞かれると「アジア太平洋地域は北大西洋の地理的範疇ではない」として反対の立場を明確にした。

汪報道官は「中国は国家間の発展関係は世界平和と安定に寄与するべきで、第三者を狙ったり第三者の利益を害してはいけないと一貫して考えてきた」と付け加えた。 (中略)

最近中国は米国が主導するNATOとアジア太平洋地域国家間の協力摸索に強い警戒心を表わしている。 (中略)

あわせて汪報道官は、NATO首脳会議で中国の影響力の強まりへの対応を議題の一つとして議論することにしたことについては「NATOは明らかに北大西洋軍事組織だが、今年に入ってアジア太平洋地域にやってきて威勢をふるい、欧州の集団対抗の道をアジア太平洋地域に複製しようとしている」と話した。

汪報道官は「これは非常に危険なこと」としながら「結局アジア太平洋国家と国際社会の高い警戒心と決然とした反対を誘発するだろう」と指摘した。
(引用ここまで)


 中国における戦狼外交のトップに立っていると言っても過言ではない汪文斌報道官が「日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドがNATO首脳会議に参加」することに対して苦言。
 つまり、効いているということでもありますが。
 韓国が主張するところの「NATO首脳会議出席は対北朝鮮を見てのこと」という欺瞞は通用していないというわけです。
 ま、こうして建前を並べることも重要ではありますけどね。

 韓国国内ではまたも「NATO首脳会議に呼ばれたということは韓国の外交における重要性を物語っている」というような言説がちらほらしているのですが。
 去年のG7にゲスト招待された時に「我々はもはやG8」とかわけの分からんことを大統領府高官が話していたのと一緒で。
 じゃあ、G8相当の外交負担に応えるつもりがあるのか、というとまったくそんなことはない。


 今回も「NATO首脳会議に呼ばれた」という部分だけチェリーピッキングして、中国に対しては「対北朝鮮問題は重要だから、韓国が呼ばれたのだ」って体でごまかそうとしているようですが。
 普通に考えてそんな言い訳が通用するわけもなく。
 現に中国は事前に「我々は怒っている」と表明。

 日本はもちろん、オーストラリア、ニュージーランドは肩をすくめるだけでしょうけども。
 果たして韓国は中国のこうした抗議を無視できるのか。

 まあ、韓国は中国の影響を無視できないからこそ30以上の国が参加するNATO首脳会議には呼ばれても、対中国の核心軸であるクアッドに加えることはできないと判断されているのでしょう。
 NATO首脳会議にゲストとして呼ばれても発言の重みは大したことはありませんが、クアッドに加わって発言するとなると内部分裂の要因にしかならない。

 クアッドについては現状の4カ国での行動が最適化されていると思いますよ。
 インドの参加はぎりぎりのところでバランスされているのですから、不安定要素でしかない韓国を入れたがることはないだろうなと。
 30+4カ国での発言は大きくクローズアップされなくても、5カ国のうちのひとつが不協和音を奏でだしたら組織が瓦解するのは目に見えてます。
 まあ、「これまでの実績」を見れば距離を置いて当然というところか。

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韓国によるNATOサイバー部門協力センター加入に中国から「隣国をないがしろにするとウクライナのようになるぞ」と恨み節

韓国がNATOサイバー防衛協力センターに加入、中国メディア「危険な一歩」(RecordChina)
2022年5月5日、中国・環球網は「韓国が日本に先んじて、危険な一歩を踏み出した?」とする記事を掲載した。

記事は、日本が今年6月の北大西洋条約機構(NATO)サミットに初めて招待されたことを契機にNATOとの関係を接近させようと画策している中で「韓国が突然ある情報を発表した」とし、韓国国家情報院が5日にNATOサイバー防衛協力センター(CCDCOE)に正式加入したと発表したことを伝えた。 (中略)

復旦大学サイバー国際ガバナンス研究基地の瀋逸(シェン・イー)主任の分析として、韓国によるCCDCOE加入は米韓一体化を政治的に表すもので、特に韓国国内の保守的な勢力による政治的パフォーマンスであり、米韓両国が今後重要インフラやサイバー協力を一層緊密化させ、米国の情報、国家安全当局が直接的、間接的に韓国への影響力を強めることが予測されると伝えた。また、韓国国内では北朝鮮によるサイバー攻撃を持ち出して、今回のアクションの合理性を宣揚する可能性があるとした。
(引用ここまで)


 韓国がNATOのサイバー防衛協力センターに加入した、というニュースがありまして。
 以前から韓国はサイバー防衛協力センター入りを狙っていたのですね。

韓国 NATOサイバー防衛協力センターの正会員に=アジア初(聯合ニュース)

 で、念願叶って加入したはよいのですが、中国が案の定というべきかいい顔をしていません。
 中国国営の英語紙である環球時報からはさっそく反対する論評記事が出ています。

NATO pulling Seoul closer shadows stability in NE Asia, even Indo-Pacific(Global Times・英語)

 「アメリカとNATOは東アジアの国々をチェスの駒にして、ロシアと中国を封じこめようとしている」とのこと。
 でもまあ「NATOがインド太平洋地域に拡大することは容易ではない」というのは実際ですね。
 それができるとしたら、イギリスやフランスといったそこそこの国くらい。それらが単独で日本やオーストラリアと組むようになる、というくらいでNATOそのものがインド太平洋地域に向かうというのは夢想でしかない。


 さてさて、そんな中でグローバルタイムズの元編集長である胡锡进氏はそのニュースに対して「韓国が隣国に対して敵対的になるのであれば、その道はウクライナへつながっている可能性がある」とツイートしています。



 まあ、この人は中国に敵対していると思われる行動すべてに噛みついてきた、いわば「戦狼外交」を体現してきた人物なのでまあそう言うだろうね、という感じなのですが。
 中国が韓国に抱いている感覚は、ロシアがウクライナや旧ソ連諸国に抱いている感覚に近い、というのは覚えておいてもよいかもしれませんね。
 清朝の最大版図が奪われたので取り戻す、という感覚が彼らにはあるのです。
 ……あんまり韓国関係なかったな、このエントリ。ダシに使っただけ。

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韓国の新大統領ユン・ソンニョルの就任式にアメリカは副大統領の夫、中国は「習近平の右腕」か

米国がハリス副大統領の夫派遣 韓国大統領就任式(聯合ニュース)
米ホワイトハウスは4日(現地時間)、韓国で10日に開催される尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領の就任式にハリス副大統領の夫で「セカンドジェントルマン」と呼ばれるダグラス・エムホフ氏を代表とする使節団を派遣すると発表した。 (中略)

 米国は、歴代の韓国大統領就任式に国家安全保障担当の大統領補佐官や国務長官などの要人を送ってきた。ただ今回は、今月20~22日のバイデン米大統領の訪韓日程を考慮して使節団を人選したとみられる。

 ブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)はバイデン氏の訪韓に同行する可能性が高い。また、ハリス副大統領が就任式に参列する場合、大統領と副大統領が10日足らずで相次ぎ訪韓することになるため、使節団の代表とするのは適当でないと判断したようだ。
(引用ここまで)


 アメリカはユン・ソンニョル次期大統領の就任式にハリス副大統領の夫を派遣。
 韓国メディアは「2週間もしないうちに大統領本人が訪韓するのだから……」と言い訳をしているようですが。
 まあ……副大統領本人でもファーストレディでもないということで、ちょっと苦しいかな。

 日本からは林外相が派遣されることが決まっています。
 あとなぜか鳩山由紀夫元首相が出席するそうですよ。

ユン・ソンニョル就任式に「親韓派」鳩山元首相が出席(TV朝鮮・朝鮮語)

 ……なんで(笑)。

 中国は副主席である王岐山副主席が出席の方向だそうです。
 習近平の右腕ともされている、そこそこの席次の人物とはいえるでのではないでしょうか。ただ、李克強首相が出席も、と言われていたのに比べると期待通りではないかな。


 あ、そうそう。退任間近のムン・ジェイン大統領に対して中国政府からお褒めの言葉があったんだそうですよ。

韓国・尹次期大統領就任前に中国高官「文政権を高く評価」(ANN)

 なんでも「文在寅(ムン・ジェイン)政権の対北朝鮮政策について『前向きな努力と成果を高く評価する』」のだそうで。
 よかったですね、ムン・ジェイン外交を褒めたたえる国がありましたよ。
 まあ、中国から見たら100点満点だっただろうからなぁ。

 THAAD配備について圧力に負けて主権を放棄し、中国の言いなりになったわけですから。
 アメリカも半ば呆れながら「いや、本気で主権を譲り渡したわけではないだろうが……」って言うしかなかったっていう。
 サウスチャイナモーニングポストには「中国は銃を一発も撃たずに勝利した」まで言われてましたもんね。
 主権を譲り渡して、国賓として中国を訪問したのにとことんまで冷遇されたっていう。
 やっぱり戦う意思を示さないとダメだ、ということがよく分かりますね。

 その「100点満点」であったムン・ジェインの政策を継続するのかどうか、という話をしにくるのでしょうね。
 最初の関門である、と思われますが。

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