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カテゴリ:事故・事件の記事一覧

韓国でエレベーターが誤作動。急上昇、天井崩落! 乗客は1メートル浮くほどの事故に……実は韓国ではよくあること

カテゴリ:事故・事件 コメント:(80)
韓国・エレベーターが誤作動・急上昇・天井崩落という危険…1m宙に浮いた乗客(KOREA WAVE)
韓国・釜山(プサン)のビルでエレベーターが誤作動を起こして急上昇し、壁面に衝突、天井が崩れ落ちる事故が発生した。放送局JTBCの番組「事件班長」が事故時の映像を報じた。

それによると、事故は9月4日に発生。女性がエレベーターに乗ったところ、扉が完全に閉まる前に突然上昇が始まった。

異常を察した女性は必死にボタンを押したが作動せず、その直後「ドン」という衝撃音とともに空中に飛び上がり、床に落ちた。エレベーターが最上階で壁面に激突したのだ。その衝撃で鉄製の天井板が外れ、女性の頭上に崩れ落ちた。
(引用ここまで)




 韓国でエレベーター故障による事故が発生したとのニュース。
 防犯カメラの映像では扉が閉まりきる前に急上昇をはじめて、しばらくしてから女性が1メートルほど浮かび上がった様子が見れます。



 エレベーターが天井に激突して浮かび上がったとのことです。
 慣性の法則の教材になりそう(笑)。

 まあ、こうしたエレベーター、エスカレーターの事故は韓国ではよくあることです。
 ……いや、ホントに。



 統計によると韓国で過去6年間でエスカレーター、エレベーターの事故によって亡くなったのは41人。

過去6年間で昇降機死亡事故、41人···条件付き合格期間に29人死傷(聯合ニュース・朝鮮語)

 重大事故が342件生じており、41人が亡くなり、314人が負傷している。
 うち「条件付き合格」なるもので28件の事故が起きていて、2人が亡くなっているとのこと。
 エレベーター、エスカレーターで「条件付き合格」とは。

 日本でも報じられた、駅でのエスカレーターの逆走事故とかありましたが。



 その時にも「まあ、韓国ではよくあることだなー」で済ませようとしてました。
 それくらいに韓国では普通にある。
 日本でエスカレーター、エレベーターで死亡事故が起きようものならけっこうな騒ぎになりますけどね。
 まあ、韓国では日常なのです。



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韓国で起きた済州航空着陸事故、原因となったコンクリート構造物は18年間「壊れやすい」と評価されてきたし、設計が変更された理由もまったく分からない……あー、これがマニュアルに頼らず臨機応変な国、韓国ってヤツですよ

務安空港滑走路先の「コンクリート構造物」 国土交通部が撤去する機会を3度黙殺していた【独自】(朝鮮日報)
 国会国土交通委員会所属の金恩慧(キム・ウンヘ)議員(国民の力)が26日に国土交通部から入手した資料によると、務安空港が開港する直前の2007年、韓国空港公社は国土交通部に「滑走路の末端から300メートル以内の地点にローカライザー(着陸誘導システムの方位角装置)の土台(コンクリート構造物)が存在しており、基準に合致していない」として「土台の傾斜角度などを勘案した場合、『障害物』と見なされるため、設置基準に合うよう補完が必要」と指摘した。これは、務安空港が完工し、韓国空港公社が引き渡しを受けるために点検をしていた時期だ。

 ところが国土交通部はこの指摘を黙殺した。当時、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権下の国土交通部は「航空機の安全運航に直接の影響がないことが確認された」として、空港の運営を可能にする「航空運営証明」を認可した。 (中略)

 韓国空港公社が務安空港の「コンクリート構造物」を危険な障害物に分類し、補完を指摘したのは、飛行機が滑走路を外れた場合に備えて設ける安全区域「滑走路端安全区域」が非常に短かったからだ。滑走路端安全区域は、着陸帯の端から240メートルを確保するのが望ましいとされているが、務安空港の場合は199メートルしかなかったため、事故の懸念が指摘されていた。

 専門家らは、国土交通部が当時、韓国空港公社の意見を突っぱね「滑走路端安全区域内のコンクリート構造物は問題がない」と記述したことに注目している。 (中略)

国土交通部のずさんな管理は、設計変更の過程からも見て取れる。本紙が確保した務安空港の最初の設計図は、ローカライザー下段のコンクリート土台が「横型」になっているが、実際の施工過程では、この土台が「縦型」に変更された。これはコンクリート構造物が作られた経緯などに関わるものだが、国土交通部は当時の設計変更に関する資料自体を保有していないことが分かった。当時、このコンクリート構造物に関してどのような議論があって、なぜ設計が変更されたのか、真相が全く分からないということだ。 (中略)

 コンクリートの構造物を改善する機会は2020年以降もあった。務安空港は20年、ローカライザーの改良・交換工事を始め、昨年初めまで改良作業を実施していた。しかし国土交通部と韓国空港公社はこのとき、コンクリートの構造物をなくすのではなく、上部をさらに補強する案を選択した。設計業務を発注する際に「壊れやすさ(Frangibility)」を重視することを検討事項に含めていたにもかかわらず、実際に設計案が採択された際には、コンクリートの構造物を強化する案を、特に検討することもなく受け入れた。
(引用ここまで・太字引用者)




 去年の年末に179人が亡くなる、韓国史上最悪の航空事故となった務安国際空港の済州航空機着陸事故。
 さまざまな原因が語られていますが、究極的には務安国際空港の滑走路延長線上にコンクリートで補強されたローカライザーがあったことが原因といえるでしょう。


(爆発シーンが再生されます)

 何度見ても胴体着陸そのものはうまくいっているので「よし、このままスライドしていけばなんとか……なんで爆発したの?」ってなるなぁ。

 バードストライクの後にパイロットが誤って反対側のエンジンを切ってしまったなんてこともあったようですが、アクシデント時のミスはある。



 航空事故にはありがちなヒューマンエラー。
 それをフォローするのが施設や機体だったりするわけですが。
 空港側にあれあったらもうどうにもできないわな……。



 で、そのローカライザーですが、3回に渡って撤去する機会があったのだけども、すべての機会で撤去されなかったっていう。

●2007年
 韓国空港公社はコンクリートで補強されたローカライザーについて「施設が安全基準に合致していない」と指摘したものの、国土交通部は指摘を黙殺。
 以降、1年に1回の検査でも常に「壊れやすい」として満足と評価されていた。

●2020年
 ローカライザーを「壊れやすくする」改良工事が予定されていたが、なぜか強化される結論となった。なんでも台風対策とのこと。

 「コンクリート構造物に関してどのような議論があって、なぜ設計が変更されたのか、真相が全く分からない」はよかったですね。
 これが物事に対してマニュアルに頼らない、臨機応変に対応する韓国の素晴らしさってヤツですよ。
 すなわち「韓国らしさ」が存分に発揮されたってわけです。
 日本のようにマニュアルに頼らない、素晴らしい国ってことですよ。



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韓国メディア「イ・ジェミョンが大企業の事故に激怒して免許取消云々するなら、鉄道公社の事故にも同じように対処すべきだ」……どうせ「それはそれ、これはこれ」で終わりですよ

韓国鉄道公社の保線作業員死亡事故 家宅捜索して長官に責任取らせれば納得するのか【8月20日付社説】(朝鮮日報)
19日、慶尚北道清道郡の京釜線で、線路上で作業していた韓国鉄道公社(KORAIL、コレール)の保線作業員や下請け労働者7人が列車にはねられ、2人が死亡する労災事故が発生した。重傷が4人、軽傷が1人だった。水害で被災した地域で、線路脇の盛り土の安全点検のため移動していたところ、列車に後ろからはねられたという。今回の事故は「労災との戦争」を掲げる李在明(イ・ジェミョン)大統領が「繰り返す労災を減らすには、本当に強い制裁が必要だ」と言ってから1週間後のことだ。韓国鉄道公社は国土交通部(省に相当)の傘下にある。

 労災による死亡事故が最近発生した企業は、例外なく家宅捜索など強制捜査の対象になっている。建設現場の作業員が死亡したポスコE&Cや、工場で転落死亡事故が発生したハンソル製紙などは本社も家宅捜索された。重大災害処罰法により、現場責任者だけでなく、事業主や経営責任者も1年以上の懲役刑に処される可能性がある。今回の列車事故は2人が死亡し、4人が重傷を負った重大災害に当たる。民間企業の処罰基準なら、韓国鉄道公社の上級機関である国土交通部も家宅捜索と責任者の処罰対象ではないだろうか。民間企業の事故で死んだ労働者は人間で、公的機関の事故で死んだ労働者は人間ではないというのか。

 李大統領は労災による死亡事故に対し、「未必の故意による殺人」「建設免許取り消し」「懲罰的損害賠償」「株価暴落」を警告した。雇用労働部は建設現場で死亡者が1人発生しても「営業停止」措置を下す方案を推進している。それならば、19日に2人が死亡した韓国鉄道公社も「営業停止」「免許取り消し」の対象になり得る。今年上半期の鉄道利用客は7200万人を超え、韓国鉄道公社の職員だけで3万人以上に達する。鉄道は国の基幹産業だ。労災死亡事故により韓国鉄道公社が営業を停止したり、廃業したりすれば、どんな事態になるだろうか。 (中略)

 後進的な労災事故は絶対に減らさなければならない。重大災害処罰法は3年前に施行されたが、死亡事故があまり減っていないのを見ると、処罰だけでは難しい構造的な問題があるようだ。作業現場の高齢化、外国人労働者の増加など、実質的な問題を見ずに、むやみに家宅捜索し、上の人間を処罰するようでは、こうした問題は解決どころか歪曲(わいきょく)され、国民全体に被害を与えるだろう。
(引用ここまで)




 イ・ジェミョンが「後進国型事故」に対して激怒している、っていうのは理解できないでもないのですよ。
 特に激オコなのがこのポスコE&Cによる地下鉄トンネル崩落事故。



 当該地域は「地盤が脆弱なのでトンネル掘削には周到に下準備が必要とされる」と報告されていたのですが、もちろん韓国企業なのでそんなことはやっちゃいません。
 今回はハードラックを引いてしまって事故になったわけですね。

 まあ、「いつもの韓国じゃん」と言われればその通りでしかない。
 でもまあ、それに対してイ・ジェミョンは激怒して「たとえ亡くなったのがひとりだけであろうと建設営業免許を取り消す!」とか言っているのです。
 厳罰で対処すればこうした事故もなくなるだろうとの想定なんでしょうね。



 んで、19日に保線作業中に7名がムグンファ号にはねられて、2人が亡くなる事故が起きまして。
 まあ、韓国ではよくあること。
 保線作業中だろうと地下鉄のホームドア修理中だろうとばんばん列車が通過して、作業中に亡くなるってパターン、ホントによくありますから。



 イ・ジェミョンがポスコE&Cの事故に激怒するのであれば、この韓国鉄道公社の事故に対しても激怒して営業免許取消云々を言うべきではないか、と朝鮮日報が語っているのです。
 「公社ならいい」とはならんやろ、と。
 事故に激怒するのならすべての事故に激怒せよ、と。

 ま、実際には「高度な公共性があるのでー」とかなんとか言ってスルーされるのでしょうけども。
 イ・ジェミョンの怒りの矛先は大企業にしか向きませんからね。



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韓国で起きた航空機事故、パイロットが動作している左エンジンをカットしてしまったために電源を喪失してしまった模様……ただ、そうしたミスは起きうるとの認識の上で安全対策をするのが現代の事故対策なんですけどね

カテゴリ:事故・事件 コメント:(87)
「右エンジンが損傷したのに左エンジン切った」 務安空港事故中間報告、コンクリートの盛り土には言及せずパイロットの過失に焦点(朝鮮日報)
 昨年12月末に全羅南道の務安空港で179人が犠牲となった済州空港旅客機事故の原因について調査を進めている国土交通部(省に相当)航空鉄道事故調査委員会は「パイロットが作動中の左エンジンを誤って切った」とする中間報告を取りまとめた。

 調査委員会は19日午後、全羅南道の務安国際空港で事故を起こした旅客機のエンジンに対する調査結果を遺族に説明した。今年3月に事故機の2つのエンジンをフランスのメーカーに送り詳しい調査を行ってきたが、その結果が今回取りまとめられたのだ。それによると左エンジンが誤って切られ、その影響で旅客機は推進力が完全に失われたという。

 調査委員会は遺族に内容を説明した直後、メディア向けに同じ内容を発表する予定だったが、遺族の反発を受け発表は取りやめた。遺族らは本紙の電話取材に「調査委員会は滑走路先端のコンクリートの土台や機体の欠陥などについては一切言及せず、事故原因をパイロットの過失としている。これは到底納得できない」と主張した。

 20日までの本紙の取材を総合すると、調査委員会が遺族に報告した内容には「鳥との衝突で激しく損傷した右エンジンをパイロットは切らねばならなかったが、実際は作動中の左エンジンを誤って切った。その結果、2つのエンジンはいずれも出力を失い、ランディングギア(車輪)も正常に作動しなかった」との内容が含まれているという。ブラックボックスに相当するコックピット・ボイスレコーダー(CVR)には「2番エンジン(右エンジン)を切ろう」という声が録音されているが、フライトデータレコーダー(FDR)には1番エンジン(左エンジン)が切られた記録が残っているという。つまりパイロットは問題のある右エンジンを切ろうとしたが、実際は左エンジンを右エンジンと間違えて切ったと考えられるというのだ。

 電子エンジン制御装置(EEC)などを詳しく分析した調査委員会は「エンジン自体には問題がなかった」と結論付けたという。つまり左エンジンは機械的な欠陥が原因で切れたのではなく、パイロットが直接切ったということだ。 (中略)

 本紙の取材を総合した結果、パイロットは緊急対応の手順を踏んでエンジンに燃料を供給する「カットオフ」スイッチの右側ではなく左側を切り、その後エンジンの消火器スイッチも右側ではなく左側を入れた。エンジン消火器は1回使用すればそのエンジンを空中で再び使うことはできなくなる。これらの点から推測し、調査委員会は「左エンジンはパイロットが切った」との結論を下したのだ。その結果、損傷して電力が途切れた右エンジンと左エンジンはいずれも停止し、旅客機は事実上「シャットダウン」を起こしたとの見方だ。
(引用ここまで)




 去年12月に起こった務安国際空港での済州航空機事故についての中間報告がまとまったとのニュース。
 その中で「パイロットは右エンジンへの燃料カットをするつもりで左のエンジンを切ってしまい、全電源が喪われることになった」ことが大きな原因とされています。
 まあ、これはパニックになった人間のやるミスとしてありがち。
 記事の引用外にも台湾での同様の事故があったことが書かれています。

 ただ、現代の航空機の安全対策って、そうしたミスがあることを前提でいくつものフェイルセーフが重ねられているんですよ。
 滑走路の外側にクラッシャブル構造な路面を設置して、オーバーランを最小限に抑えようなんて設備(アレスティングシステム、EMAS)もありますね。
 日本でも羽田空港には設置されているとのこと。



 「ミスの上にミスが重なってしまうことはありうる。極限状況であればなおのこと。だから、できるかぎりの多重安全対策を採ろう」ってのが基本方針。
 そんな中で務安国際航空にあったのはコンクリートの壁だったわけで。



 事故当時の映像が流れます。



 ……なんというか。
 事故の最終原因が韓国独特だったってことに変わりはないですかね。

 遺族側は「事故の責任をパイロットに転嫁している」って糾弾しているそうですが。
 中間報告書で事故の原因究明なんだからしかたないんじゃないかって気はします。

 韓国国内に「安全にするにはどうすればいいか」って気分があったらね。
 事故後のいまですらあるかどうかだよなぁ。

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失敗の科学
マシュー・サイド
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016-12-23



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韓国の三豊百貨店崩壊から30年、遺族「娘の遺体は瓦礫と一緒に埋められた」……韓国の事故現場で行われる「くそみそ整理」とは?

カテゴリ:事故・事件 コメント:(89)
「若者を見ると娘を思い出す」…韓国・百貨店崩壊から30年、遺体を見つけられなかった母たちの喪失と記憶(KOREA WAVE)
韓国史上最悪のビル崩壊となった三豊百貨店事故(1995年6月29日午後5時57分)から今年で30年。行方不明者の母たちは今も「娘」を探し続けている。

イ・ギョンソンさん(当時22歳)は、メイクアップアーティストを夢見てソウルに上京し、三豊百貨店の化粧品売り場で働き始めて3カ月目に崩壊事故に遭った。遺体は見つからず、彼女の名前は「行方不明者」のリストに残り続けている。

母ホン・ヨンヒさん(76)はその日から30年、娘の遺体すら見つけられないまま、悲しみの中に生きている。娘の遺影と色あせたアルバムを手に、「娘は170cmあった。あの子が戻ってくる気がする」と語った。

事故当日、ニュース映像で百貨店が崩れ落ちる様子を見た家族はすぐに現場へ向かったが、会社や自治体は何も知らせてくれなかった。父親は50カ所以上の病院を回り、白布の下の遺体を一つひとつ確認したが、娘には出会えなかった。

その後、遺族らは百貨店の残骸が運ばれたゴミ埋立地を手で掘り起こしたが、成果はなかった。2年が経ったある日、「イ・ギョンソン」と記された骨壺を手渡されたが、DNA鑑定もされず、他人の遺骨と混ざった「身元不明の骨壺」だった。

ホン・ヨンヒさんは「早く何かを渡して帰らせようとする態度だった。謝罪する人は一人もいなかった」と憤る。人が集まる都市にいられなくなり、ホン・ヨンヒさんは山と川に囲まれた江原道春川市の山間部に移り住んだ。家の前を流れる北漢江には、身元不明の骨をまいて天道祭(仏教の弔い)も営んだ。

「うちの娘の墓はゴミ埋立地よ」。ホン・ヨンヒさんはそこに慰霊塔が建てられることを願っている。現在の慰霊塔は事故現場の瑞草洞でも、残骸が埋まった埋立地でもなく、良才市民の森の一角にひっそりと建てられている。
(引用ここまで・太字引用者)




 あー、三豊百貨店崩壊から30年か……。
 当時の映像がありましたのでピックアップしておきましょう。



 日本であれば最後の最後まで遺体捜索が行われるのでしょうけども。
 パルリパルリ(早く早く)で知られている韓国がそんなものを許容するわけもなく。
 重機入れて真っ平らにしちゃったんですよね。
 「くそみそ整理」と呼ばれます。



 「知ったこっちゃない。俺たちは上に頼まれただけだから」って作業員がユンボでがーっとやってしまうのです。



 まあ、そんなことをするのにも理由がありまして。



 大邱の地下鉄放火事件でも同様にさっさと現場を整理してしまったのです。
 その理由が「遺骨を持ちこんでくる可能性がある」とのことで……。
 ……すごい社会だな。

 っていうか「どこの誰とも分からない骨が入っている骨壺を持ってきた」ってのもすげえ話だ。
 そんな風にして「整理」されて、埋め立て地に瓦礫とともに埋められた遺族もやるせないでしょうね。
 それで韓国の安全性が上がったりすればまだ「意味があった」って受け取れると思うのですが、何年かに1度のペースで同じような「人為的ミス」で亡くなる事故が起きるんですから。  



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韓国の空港に鳥類レーダー、オーバーラン防止装置が設置され、「コンクリートの丘」が撤去される……済州航空機着陸事故を受けての措置……泥縄ですね

カテゴリ:事故・事件 コメント:(84)
7つの空港でコンクリート・鉄骨ローカライザーの改修に230億ウォン投入(朝鮮日報・朝鮮語)
政府は 230億ウォン を投入し、コンクリートの障害物 などで構成された全国 7つの空港 の ローカライザー(Localizer) を 地下構造化 するか、衝撃時に折れやすい素材 に改善することを決定した。また、鳥衝突(バードストライク)対策 として 全国15の空港 に 鳥類探知レーダー を導入するため、840億ウォン を割り当てた。これは、昨年 12月29日に発生した務安(ムアン)空港の旅客機事故 の原因と指摘された問題を解決するとの主旨だ。

19日、政府は民生経済点検会議を開き、このような予算投入計画を明らかにした。 これに先立ち、務安空港惨事当時、滑走路に機体着陸した済州航空旅客機は、ローカライザーとぶつかって爆発した。 ローカライザーは飛行機が滑走路に進入する際に方位を確認できるように助ける安全装備で、滑走路の端に設置されるため、海外では飛行機がぶつかった場合、簡単に折れるようにする。 しかし、韓国の空港ではコンクリートや鉄筋を活用する場合があり、務安空港がこれに該当した。

政府は先月、実態調査を経て7つの空港でローカライザーの改善が必要だと見て、年内に地下化したり折れやすい材質に変えると明らかにした。 ローカライザーがコンクリートの丘でできた務安・光州・麗水・浦項慶州空港、コンクリートが露出していた金海・泗川空港、Hビーム型鉄骨構造である済州空港が対象だ。 政府はこれに230億ウォンの予算を投入することにした。

また、務安航空旅客機惨事の1次原因とされる「バードストライク」を予防するため、全国15の空港に鳥類探知レーダーを順次導入することにした。 先月導入計画を明らかにし、この日2027年までに840億ウォンを投じるという執行計画を出した。 現在、15の空港のうち、鳥の探知レーダーを導入したところは一つもない。 政府は4月までにまず設置対象空港を確定した後、今年試験導入を経て来年から本格導入を推進する方針だ。

また、空港内の縦断安全区域240メートルを確保できなかったり、防衛各施設の改善が難しい浦項(ポハン)慶州(キョンジュ)と泗川(サチョン)、蔚山(ウルサン)、済州(チェジュ)などの空港には1250億ウォンをかけて、2027年までにEMAS(滑走路縦断離脱防止システム)を設置することにした。 務安航空旅客機惨事当時、EMASがあったとすれば事故を防ぐことができたという指摘が提起されたが、これを受け入れた措置だ。
(引用ここまで)


 済州航空機着陸事故を受けて、韓国国内の空港が改修されるとのニュース。
 事故当時、国土交通部(省に相当)は「務安空港の設備は法令にはなんら違反していない」って言い張っていたのでしたが。
 調べれば調べるほどダメだってことが分かってきたので、改修せざるを得なくなったと。

 「コンクリートの丘でできた」「コンクリートが露出している」はまあ……わからないでもない。ローカライザーの基礎部分を堅牢なものにしておいて経費を下げたかったんでしょうね。
 でも、済州国際空港のHビーム型鉄骨構造ってのはすごいな。滑走路の近くでH型鉄鋼。
 H型鉄骨ってこれですからね?

h_kou.png

 なんでも務安国際空港のは2020年頃にあった台風対策でコンクリートにしたってことで。
 そこから拡がったんですかね。
 なんで「クラッシャブルにしろ」って規程があるのかを考えないのか……まあ、韓国でそれが考えられたら事故がこんな多発することないんですが。


 あと15ある韓国国内の空港にひとつすらなかった鳥類レーダーが設置されるとのこと。
 ついでEMASも導入されると。
 EMASは滑走路の両端に設置される「壊れて航空機のエネルギーを吸収する素材」ですね。
 発泡コンクリートとかでできているもの。
 オーバーランしてもエネルギーを吸収してくれるそうです。FAAのこの動画が分かりやすいかな。



 まあ……なんだ。
 こうした事故の結果として安全度が高まるのはよいのですけどね。
 でも、コンクリート基礎のあれはどう考えても避けられたと思うんだけどなぁ。
 泥縄感が否めませんね。

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失敗の科学
マシュー・サイド
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016-12-23

韓国で起きた済州航空機着陸事故、詳細が見えてくればくるほど悲惨でかつ「韓国的」だった……起こるべくして起きた事故としかいえません

カテゴリ:事故・事件 コメント:(79)
【取材ファイル】務安空港惨事、なぜ皆沈黙するのか…「核心は隠したまま、密かに責任回避」(SBS・朝鮮語)
「事故調査の理論的観点から見ると、事故は突破され、突破され、さらに突破された結果として発生するものです。ところが、今回の惨事では、すべてが突破されてしまいました。
鳥類警報システムは人員に依存するしかなく、駆除要員は圧倒的に不足していました。国際線の本格運用を始めてわずか3週間の空港で、適切に対応する余力もなかったでしょう。さらに、最大の問題であるコンクリートの突起まで――
最初から最後まで防御策がことごとく突破され、ついに事故が起きてしまったのです」

ある航空学科の教授は、昨年12月29日に務安空港で起きた惨事をこのように規定した。 「最初から最後まですべてが破れてしまった惨事」ということだ。 惨事の顛末はまだ完全に究明されていないが、今回の惨事を招いた根本的な原因は自明である。 (中略)

昨年12月29日に務安空港で発生した惨事に関する取材ファイルを書くことを決めたのは、事故後に国土交通部(国土部)が航空会社に送った一通の公文を目にしたときだった。

「緊急安全運航対策」 というタイトルで航空会社や操縦士に通達されたその公文には、次のような内容が含まれていた。

・「該当空港では可能な限り経験豊富な操縦士を優先的に運航に投入」
・「ローカライザー(着陸誘導装置)の詳細データを即時公開し、徹底的に教育」
・「離着陸時のブリーフィングでローカライザーに関する内容を必ず告知」

この公文が伝わると、操縦士たちのコミュニティでは怒りを込めた反応が噴出した。

「経験豊富な操縦士が運航すれば、コンクリートの突起がスポンジにでもなるのか?」
「経験があれば突起物を避けられるとでも思っているのか?」
「これは故人への冒涜であり、責任逃れだ」


核心を外した公文が、事故機の機長と副操縦士の名誉を傷つけ、最終的には現場の操縦士や航空会社に責任を押しつけようとしている――そうした怒りの声が広がったのだ。 (中略)

今回の惨事を取材する中で、現場の操縦士たちが口をそろえて語ったことがある。それは、事故機の機長と副操縦士が胴体着陸に成功した瞬間、きっと 「助かった」 と安堵の息をついたはずだ、ということだった。

土砂に衝突したとしても速度は落ちると信じ、最後まで操縦桿を手放さなかったはず。それが最も痛ましい――これが現役操縦士たちの共通した反応だった。 (中略)

彼らは、生き残るために最善を尽くした。だが、着陸後に待っていたのは、命を救うはずの滑走路ではなく、コンクリートの突起だった。 (中略)

務安空港で惨事10日前に開かれた鳥衝突予防委員会では人材、車両などが不足し、鳥の分散、捕獲実績が前年比14.4%減少したという懸念が出た。 それでも事故当時、現場には鳥退治の人材1人だけが勤めていた。 勤務者1人が2.5キロの長さの滑走路、最大150メートルの高度までを責任を負わなければならないのだ。 爆音器と職員1人が猟銃1本で巨大な鳥の群れを退治することが常識的に可能なはずがない。 鳥類探知に必要な鳥類感知装備、鳥類探知専用レーダー、熱画像カメラもなかった。
(引用ここまで)


 去年12月に起きた務安国際空港での済州航空機着陸事故。
 まだ事故調査中ですが、けっこうよい記事が出てきていたのでピックアップします。
 機械翻訳でもよいので読んでもよい記事じゃないでしょうか。
 だいぶ長めに引用しましたが、大元の記事がめちゃくちゃ長いのです。
 記者の感じた憤りがその長さに感じられます。

 事故原因はバードストライクによる両エンジンの停止。
 電源を喪失し、補助電源を搭載していない型だったためにランディングギアが出せないまま再着陸を試みるしかなかった。
 フラップも出せず、スラストリバーサーも動作できなかった。
 ほとんど減速できない中、胴体着陸を成功させたのですが。

(事故時の衝突炎上映像が含まれます)


 滑走路の奥(本来の着陸態勢から逆に進入する結果になったため、実際には手前側)にあったコンクリートの壁に激突して爆発炎上。
 最初にこの映像を見た時は衝撃的でしたね。
 「あ、このまま滑っていけばなんとかなるか。いや、それでもだいぶ速度あるな……ってなんで爆発したの?」って。


 記事はその事故に至った理由をまんべんなく伝えています。
 冒頭の「最初から最後まですべての安全策が破られてしまった」との言葉はだいぶ重いですね。
 まあ、実際には安全策がまともに設置されていなかった部分も大きいのですが。

 バードストライクが世界的に見ても多い空港なのに、バードレーダーもなし。というか、バードレーダーが設置されている韓国の空港は皆無。仁川国際空港にすらない。
 務安国際空港では鳥を追い払う警備員もひとりだけ。
 そもそも「国際空港」として必要だったのかどうかも怪しい立地。ぱっと見た感じですが、胴体着陸の映像に消防車がなかったので用意もされていなかったのでしょうね。

 それでもなんとか立て直して胴体着陸を成功させたのに、その行く手にはコンクリートの壁が立ち塞がっていてすべてが終わったわけです。
 ちなみにサムネイルの画像は麗水空港のもの。ベトン陣地かな?
 これ以外にも複数の空港で同じようなコンクリートで固められたローカライザーが確認されています。

済州航空機事故、アメリカの専門家は「やはりあそこに頑丈な構造物があったことはおかしい」「アメリカでは構造物を頑丈にしてはいけないとの規定がある」→ただし、韓国の規定では完全に問題なし。他の空港にも同じような構造物がある模様(楽韓Web過去エントリ)

 なんというかね。
 「ああ、韓国だなぁ……」ってところです。

 構造はほとんどセウォル号と同じですね。
 安全策をまともにやっていればそもそも事故自体を防げた可能性が高い。
 最後の砦もあっさり突破される。
 今回であればコンクリートで強化されたローカライザーがそれ。
 セウォル号の場合であれば、脱出を優先させなかったこと。

 それくらいに起きた原因が明白な事故なのに、政局が混乱していることもあってなんとなーく見過ごされている。
 事故後の国土交通部(省に相当)から「(コンクリート壁のある空港には)ベテラン機長をあてがえ」って通達もなんというかね。
 とても韓国的。
 「機長の腕が悪かったので事故が起きた」といわんばかりの通達ですわ。
 起こるべくして起きた事故、って感じます。

 当初は「韓国的な要因がなければただの航空機事故としてスルーします」とか言ってたんだよなぁ……。

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失敗の科学
マシュー・サイド
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016-12-23

韓国の航空機着陸事故、「もし韓国でなかったら」を考えてしまう状況だった。国内の空港すべてでバードストライク対策は最小限、コンクリート壁があるのも韓国だけ……

カテゴリ:事故・事件 コメント:(94)
バードストライクの警告、1分後にブラックボックスが作動不可に。両エンジンに「トモエガモ」の衝突を確認(聯合ニュース・朝鮮語)


航鉄委は事故機ブラックボックスである飛行記録装置(FDR)と操縦室音声記録装置(CVR)および管制交信記録などを同期化・分析し再構成した衝突直前状況を秒単位で公開した。

これによると、事故機は先月29日午前8時54分43秒、空港管制塔と着陸接近のために初めて交信した。 管制塔は事故が発生した滑走路の反対方向である01滑走路に着陸許可をした。

3分7秒後の8時57分50秒に管制塔は航空機に「バードストライク注意」の情報を発行した。 以後8時58分11秒、機長と副機長は航空機の下側に鳥の群れがいるという内容の対話を交わした。

FDRとCVRの8時58分50秒から記録は同時に中断されたことが分かった。 その直前に事故機の両方のエンジンへのバードストライクによる影響で、機内への電源供給が中断されたものと推定される。

当時、事故機は速度161ノット(約298キロ)で498フィート(約151メートル)の低い高度で飛んでいた。

続いて8時58分56秒、操縦士が復行しながら管制塔にバードストライクによるメイデーを宣言した。 これは録音が残っておらず、航鉄委が管制記録と同期化を通じて推定した時間だ。

務安空港のCCTVには、航空機がゴーアラウンドの最中に鳥の群れと接触する場面が捉えられた。 映像には火花や煙が見えないが、機体が多数の鳥とぶつかったと把握されると航鉄委は説明した。
(引用ここまで)


 済州航空機着陸事故について、韓国の航空鉄道事故調査委員会が初期の事故調査の中間報告をしたとのニュース。
 着陸態勢に入ったものの、途中で両方のエンジンにバードストライク。全電源を喪失。
 その6秒後に管制塔にメーデーが入って、滑走路に本来とは反対に入る形でゴーアラウンド。
 電源喪失でリバーサー、フラップも作動せず。胴体着陸はうまくいったもののコンクリートで固められたローカライザーに衝突して炎上爆発。

 だいたい、これまで語られていた方向と同じですかね。
 調査が進めば進むほど、「韓国だからこそ起きていた部分」がきつく効いているのが分かってしまうというか。
 世界的に見てもバードストライクの危険性が高い空港であったのに、対策がまともにできていなかった。


 鳥類探知レーダーを装備していない。
 画像探知もやっていない。
 バードパトロールの巡回要員も務安空港は韓国内で最低人数。

 務安空港だけでなく、探知レーダーは韓国内の空港にゼロ。
 画像探知は金浦、金海、済州空港にあるだけだそうで。

「鳥類衝突最多」務安空港、探知レーダー・画像探知機がなかった(中央日報)

 韓国らしいというか。
 設備を作ったらそのあとのメンテとか最低限に済まそうってことなんでしょうね。
 いつものパターンです。

 ローカライザーの基礎をコンクリートで固めたのも同じことでしょうね。
 「メンテナンスを最低限にしたいから、クラッシャブル構造のものなんてとんでもない」っていう。

 地下鉄の座席が難燃素材じゃなかったから大延焼した大邱の地下鉄火災とかありましたけども……。
 何年経とうとなにが起きようと韓国社会は変わらないんだなぁ、ってところですわ。

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