横たわっているセウォル号の船体をまっすぐに立てる作業が10日を目標にカウントダウンに入った。
(中略)
セウォル号船体調査委員会と直立工事契約社現代三湖重工業は「ティデイ」(D- Day)を五日後の10日にした。
現代三湖重工業はセウォル号船体を去る2月21日の大型移動用の特別な装備であるモジュールトランスポーター(MT)に載せて作業が容易な木浦新港埠頭の端60m地点に移した。 (中略)
8日までのワイヤ接続などの準備作業を完遂する予定である。
9日には3時間ほどリハーサルをして問題がないか確認する。
滞りなく準備が完了したら、「ティデイ」の10日午前9時直立作業を開始する。
状況に応じて、9日にリハーサルですぐに建設をしようとする可能性もある。
海上クレーンで水平・垂直ビームに異なる力を適切に加えセウォル号を持ち上げるようになる。
35度、40度、50度、55度、90度など計6段階に分けて順番に返し、完全にまっすぐな状態に起こす予定だ。
(中略)
セウォル号船体調査委員会はセウォル号の船体が直立した状態で調査を再開し、機関室などで行方不明児童の調査と事故原因の調査を継続する予定である。
(引用ここまで)
ああ、この作業があるから先日、イ・ナギョン首相から「船体を立てれば新たな疑惑が~」という発言があったというわけか。
わざわざ巨額の費用をかけてまでやるようなことなんですかね……。
そもそも引き揚げ作業の際にも接岸時に傷をつけたと大騒ぎしたり、捜索作業を楽にするための切断もまかりならんとか言っていたのは「作業中に事故の真相を隠蔽するつもりだ」みたいな言いがかりをつけるためなのです。
ある意味、セウォル号が沈没したおかげでムン・ジェインは政権の座に着いたということもありまして。
亡くなった高校生に対して「ありがとう」と記帳した、なんて話もありましたっけね。
ま、そんなこんなで「徹底的な再調査」を遺族会に対して約束しています。一度は解散したセウォル号特別調査委員会を3月には再結成させているのもその一環。
で、記事中の船体調査委員会とやらが、先月から外部衝突説を唱え始めていまして。
セウォル号沈没原因に「外部衝突説」…正式調査への第一歩(ハンギョレ)
どうあっても事故ではなく、セウォルXというビデオが述べているような「パク・クネ政権下で韓国海軍が起こした事件」であるというようにしたいのです。
前政権下で隠蔽があり、それが7時間の空白の正体だったということが真実でなければならないのですね。
もう、それが真実でないと収まりがつかないところまできているとでも言うべきか。
現政権にとっては最後の希望が船の左側壁なのです。
ここを調べれば真実が明らかになるとでも言わんばかりに。
ま、陰謀説を信じている人間に現実を突きつけても無駄なのですけどね。

田中聡
幻冬舎
2014/7/3