[探査報道]李明博政権の資源外交(1)石油でなく水を汲んだだけの国策事業(ハンギョレ)
李
明博(イ・ミョンバク)政府の“資源外交”事業が政治の真ん中に立つことになった。2月中旬から国政調査が本格化するものと展望される。
資源外交は、李明博大統領の任期初年度の国政課題だった。 5年間、公企業が先頭に立った80の事業に31兆2600億ウォンが投入された。
資源外交事業に乗り出した民間企業に与えた成功払い融資や税制減免の恩恵などを合わせれば、その規模ははるかに増大する。
李明博前大統領は国政調査の証人として出席するかどうかを尋ねる記者たちに「荒唐無稽な話」と言い切った。 ハンギョレが国会の本格的な国政調査に先立って、“新聞紙面での国政調査”を企画した。3カ月間追跡した探査企画を5回にわたって掲載する。
■サビアペルー(Savia Peru)
2009年2月、韓国石油公社がコロンビア石油公社とともに買い入れたペルーの石油会社だ。
ペルー北部の西側海上に位置した海上鉱区で、石油を生産し探査する企業だ。
韓国石油公社にとって初の外国石油会社の吸収・合併(M&A)事例だ。
累積投資額は7100億ウォンで、ソウル市無償給食予算(1400億ウォン)の5倍だ。 石油や収益を国内に全く持って来れずに現在は売却推進中だ。
2009年初め、アラン・ガルシア元ペルー大統領が“取引しないように”要請したが、韓国政府と石油公社は取引を強行した。(中略)
韓国石油公社は2009年2月、コロンビア石油公社(エコペトロール)とともにタララの石油会社サビアペルー(サビア)を買収した。
探査鉱区10カ所に生産油田1カ所の事業権を取得するために12億ドル(約1兆3千億ウォン)を支払った。2社が折半して負担した。
ペルー海上鉱区の4分の3を占め、一日平均石油1万余バレルを生産する中小型油田だ。
吸収は李明博政権になり2008年から本格化した石油公社大型化の“信号弾”だった。
政府は資源輸入量のうち韓国が直接生産する比率である自主開発率が0.3%上昇することになったと広報した。
生産量も2015年までには現在の約5倍の日平均4万5000バレルに増えるというバラ色の展望を出した。
6年余の歳月が流れた今、石油公社はそんな目標を達成できずにサビアの売却を推進中だ。
生産量は数年間にわたり1万バレルのままで、その間に生産した石油も韓国国内に持って来ることはなかった。
過去5年間に1811億ウォン(公社持分のみ反映)の当期純利益が出たと言うものの、全て再投資されている。国内には一銭も搬入されていないわけだ。泣き
面に蜂で、税金・罰金を巡ってペルー政府および売却者との訴訟が続いている。
南米に基盤を置く独立メディア『IPSニュース』のアンヘ
ル・パエズ記者は「サビアの売買はペルー大統領までが止めた取引だった。(このような状況は)予告されていたと言える」と話した。
彼はサビア売買に対する深層分析記事を2009~2010年に何度も書いた。
サビアを韓国石油公社に売ったアメリカ人ウィリアム・ギャロップは譲渡税を払わない方式で取引を推進し、2008年末にペルー政界を席巻したいわゆる“オ
イル スキャンダル”盗聴の黒幕に名指しされ注目を集めた。
実際、ハンギョレがキム・チェナム議員室を通じて確保した当時の3級秘密文
書には、このような情況がそっくり含まれている。
サビア売買の直前である2009年1月20日から2月6日まで、外交通商部とペルーおよびコロンビア駐在韓国大使館が6回やりとりした対外秘文書を見る
と、ガルシア前ペルー大統領は「(サビアに対する)不正疑惑が提起され続けている現状況から見て、これを買収しない方が良い」という意思を2009年1月
末に韓国側に明らかにした。 ベラウンデ元ペルー外交長官も「今回の吸収契約が締結されれば両国関係の発展に少なからぬ悪影響を及ぼすと見る」と話した。
当時、韓国政府と石油公社はこうした忠告を受け入れなかった。ハン・ビョンギル元ペルー大使はハンギョレとの通話で「(私も)サビア取引には否定的だった。しかし(李明博)大統領がやると言うのに、一介の大使が(取引を)止めようとは言えなかった」と話した。
李明博政権の意志により取引がなされたが、ペルー議会はサビア売買完了の1週間後である2009年2月中旬にサビア売買の不法性を調査する真相調査委員会を設けた。約 1年後に何と4億8200万ドルの未納税金と罰金などを賦課した。
7161億ウォンが投資されたサビア吸収は国民に宣伝した資源の確保も、金銭的収益も、外交的にも全く得にならなかった。(中略)
当初30分を予定していたインタビューは2時間にわたって続いた。
老教授は汗を流しながら黒板に、タララ海上プラントの構造とサビア契約の特徴などを説明した。
「韓国がペルー政府の警告を無視してサビアを買ったことは誤った選択ではなかったか」という記者の質問に、彼は笑って「必要ならば買うことは良い。しか
し、余りに高く買った。私が見るには3億ドルで充分だった。 9億ドル(最終12億ドル)で買ったので、一言で言えば詐欺にあった」と話した。
李明博政権の“資源外交”取材のために南米に出張にきて、一週間目でついに“詐欺”という単語を聞くことになった。(中略)
サビアの収
益性を宣伝した石油公社は、現在サビアの売却を推進中だ。
キム・ミョンフン石油公社広報室長はハンギョレとの通話で「サビアの売却を推進している」と話した。 しかし買い手がつかないという。
中国で資源開発事業を行うある事業家は「サビアが市場に出てきたが、会社の構造が良くなくインフラも悪い」として「市場の関心が低い」と話した。
売買収益はもとより、当初の投資金より安くしてこそ売れる状況だ。
このように吸収過程で実際より多くに金を払う問題は、サビアだけでな
く李明博政権で推進した他の事業でも珍しくない。
カナダのハーベスト社の場合、実際の価値より数千億ウォン高い価格で買収したという指摘を受けていて、英国の石油探査業者であるダナーを買収する時も高価
買い入れ論議が起こった。
李明博前大統領が至上課題として提示した自主開発率を高められる物量さえあれば、契約の形態や価格を問い詰めずにやみくもに契約を推進したためだ。
しかし、サビアはその契約上、原油の確保もできない構造だ。 サビアで生産する原油の処分権は韓国ではなくペルー政府にある。
石油公社は当初から石油ではなく金を受け取る契約を結んでおきながら、生産量を自分の持分率(50%)にあわせて反映し、これを石油自主開発率に含めてい
た。 これは国民を欺いたも同然だ。
(引用ここまで)
楽韓Webでも注目しているイ・ミョンバクの資源外交シリーズ。
2月から韓国国会で調査がスタートするということもあり、ハンギョレが5回連続でシリーズ化するということですべて見てみましょう。
終わったら以前のものも含めて一覧を更新します。
まず、ペルーでの石油開発。
ペルー政府……というか、当時の大統領であるアラン・ガルシア自らが「企業による不正が明らかになりつつあるうので、この企業は買わないほうがいい」と言及したそうです。
駐ペルー韓国大使も「やめたほうがいい」と進言したけども、イ・ミョンバク政権と石油公社が「やるといったらやる!」とばかりに、ゴリ推しで買収。
買収金額は7161億ウォン。
で、買収完了の1週間後にペルー政府は不正に関する真相調査委員会を立ち上げられて、1年後には4億8200万ドルの未納税金と罰金の徴収(笑)。
これを併せると1兆3000億ウォンで購入したことになるってことですかね。
ペルー側からしてみたら「ほら、だから言ったのに……」ってところですか。
2009年2月といったらいわゆるリーマンショックで原油価格がいまと同じレベルに下落して、ここから景気回復局面にかけては上昇するであろうと考えられていたときですね。
買収を焦っていたというのもあるのでしょう。
実際にそのあたりから原油価格は上昇を続けてWTIで1バレル=100ドルとなっていきました……が。
「日産4万5000バレルまで増産できる」はずの油井はいまも日産1万バレルのまま。
5年間で1811億ウォンの利益が生じたというけども、それもそのまま再投資されていて原油も外貨も韓国にはミリほども持ちこまれていない。
1300億円以上使って、年平均で3億6000万円の利益。
このまま順調に利益を出すことができれば360年ほどで償還できますね。
まあ、原油価格が下落している状況で利益が出せるのか分かりませんが。
どうしようもなくなって、石油公社はこの企業を売却しようとしている買い手がまるでつかないそうです。
ま、そりゃそうだ。
イ・ミョンバクがお縄につくことになるのか、それとも首に縄を自ら回すのか。
2月からの国政調査がなかなか楽しみですね。