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カテゴリ:大統領選挙2017の記事一覧

韓国与党の大統領候補も「慰安婦合意なんて破棄してやる!」と叫ぶ。保守も革新も関係ない模様

自由韓国党の大統領選候補「大統領になったら慰安婦合意は破棄する」(中央日報)
自由韓国党の大統領選挙戦に出馬した洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補と正しい政党の金武星(キム・ムソン)議員が最近会合を持ち、保守陣営の候補単一化を話し合ったことが分かった。22日、釜山(プサン)を訪問した洪候補は記者団に対し、先週金議員との会合事実を確認しながら「(金議員に)『時間上、大統領選挙前の党統合は難しくないだろうか。候補は単一化するのが正しい』と話した。執権すれば2党を統合しようと提案した」と明らかにした。当時、金議員は肯定も否定もしないまま特別な発言はしなかったという。 (中略)

この日、釜山市東区(プサンシ・トング)の慰安婦少女像を訪れて献花した洪候補は、朴槿恵(パク・クネ)政府の韓日慰安婦合意について「政府は10億円ではなく10兆円をもらっても合意してはいけない。大統領になったら慰安婦合意は破棄する」と述べた。洪候補は「慰安婦問題はナチのユダヤ人虐殺に匹敵するほどの反倫理的犯罪」とし「そのような犯罪は合意の対象ではなく、それを金で取り引きするというのは外交ではなく闇取引に過ぎない」と主張した。
(引用ここまで・太字引用者)

 またひとり、大統領候補が釜山の慰安婦像の元で候補として立つことの赦しを得てきた……ということですか。

 さて、記事中の正しい政党は旧セヌリ党非パク派がセヌリ党から分離してできた新政党。
 自由韓国党は残された旧セヌリ党が改名した政党です。両方とも保守として挙げられる政党ですね。
 今回の記事の候補は自由韓国党からの候補予定者。
 与党である保守政党からの候補であってですら、こうして「10兆円もらったとしても慰安婦合意は破棄する」と言っているわけですね。

 現在の与党なのにパク・クネの政策を引き継がないのかって思うでしょうが、これも当然のことなのです。
 同一政党だったイ・ミョンバクからパク・クネが政権を継いだ際にも、4大河川事業資源外交といったイ・ミョンバク政権色の強い政策はすべて否定しています。
 そもそもが大統領選挙の時点で「わたしはイ・ミョンバクとは違う」ということを主張していました。
 韓国の政権交代はたとえ同一政党間であっても易姓革命の性格を強く持っているのですね。

 通常時ですらそうやって前政権の政策を叩きつぶす方向性であるのに、今回はさらに前政権が弾劾されているというおまけつきです。
 そりゃ、すべてを否定されるに決まっています。
 そこに加えて現在の韓国において最高権威者となっている「慰安婦」に関しての案件。
 どの政党からであろうとも否定されて当然というべきでしょう。


 ただ、今回の大統領選挙にかんしてえはなにをどうひっくり返そうとも保守政党が大統領を出すなんてことはありえないので、この人物の言っていることなんてなにひとつ考慮に入れなくても構わないのですが。

慰安婦問題の決算 現代史の深淵
秦郁彦
PHP研究所
2016/5/20

次期韓国大統領最有力候補ムン・ジェインの公約を一覧にしてみた……これは……

【社説】文在寅氏が「ノー」と言うべきこと、言うべきでないこと(朝鮮日報)
 大韓民国の大統領が強い態度で「ノー」と言うべき問題が幾つかある。それは北朝鮮による核とミサイルによる挑発、北朝鮮に住む同胞への人権弾圧、国連による対北朝鮮制裁に違反する行為などだ。これらは絶対に容認できるものではない。さらにわれわれの主権を無視しTHAAD(米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル」)配備の取りやめを求める中国の干渉にも「ノー」と言うべきであり、日本の歴史問題、独島(竹島)領有権問題も見過ごすことはできない。さらに米国による不合理かつ行き過ぎた通商圧力にもノーと言うべきだ。

 一方ですでに韓米間の合意を経て配備され、稼働に向けた最終段階に入ったTHAAD、そして「最終かつ不可逆」として国家間で合意し署名した韓日慰安婦合意については話は別だ。これらを今から「ノー」と言って拒否すれば同盟国との葛藤を引き起こし、国際的な信用を失墜させてしまうため、大韓民国の国益という観点からも深刻なマイナスとなってしまう。われわれはかつての盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権内部が「対米自主派」と「韓米同盟派」に別れて対立し、米国との関係をいたずらに悪化させたことを思い起こさねばならない。文氏は「当選すれば直ちに開城工業団地と金剛山観光を再開する」と明言している。これらは国連による制裁に違反するのはもちろん、北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の息を吹き返させ、米国とも深刻かつ無用な対立を引き起こすだろう。この状況を最も喜ぶのは他でもない、金正恩氏だ。

 ところが文氏はこの指摘に対しては一言も説明しようとしない。国民の多くは文氏が米国に「ノー」と言うべきでないことに「ノー」と言い、北朝鮮と中国には逆に「ノー」と言うべきことに「ノー」と言えないのではないかと今から心配しているのだ。
(引用ここまで)

 昨日のエントリで「弾劾で勝利した気分になっているのはいいけど、そのあとはどうするのよ」と書きましたが。
 その後の韓国はこんな感じの国になるという輪郭が、ムン・ジェインの発言から見えてくるのではないでしょうかね。
 というわけで、これまで明らかになっているムン・ジェインの公約を見ていきましょうか。
 まだ大統領選への出馬宣言をしていないので公約でもないのですが、まあこれまでの発言をなぞるという意味で。

慰安婦合意  再交渉
THAAD配備   次政権が合理的に判断
日韓GSOMIA  破棄
最初の訪問国 北朝鮮
開城工業団地 再開
金剛山観光  再開
公務員雇用  81万人(131万人)増
徴兵期間   18ヶ月へ短縮

 「ザ・ヒダリ」って感じの公約しか並んでいませんね。
 公務員雇用は公共部門で81万人、それ以外で50万人増やすということで最大131万人増なのだそうですよ。
 その他にも発言を聞いていると、「財閥を懲らしめる」「中小企業を育成する」といった声が聞こえてきます。大企業偏重の韓国経済の構造を変更しようという意思を持っているのは間違いないですね。
 それがうまくいくかどうかは別にして、その構造改革の中途では相当な数の犠牲者が生まれるのではないでしょうか。
 韓国が迎えるはずの「ろうそくに照らされた輝かしい未来」はこんなものになる可能性が高い、ということですね。

 なにしろあのノ・ムヒョンの系譜を継ぐ人物なのです。
 大統領に就任したらまともな政策を打ち出すだろうなどという期待はしないほうがいいですね。
 室谷克実氏は先日、「ムン・ジェイン政権による対馬侵攻すらありえる」と書いていました。
 実際にそこまでするかどうかはともかく、「ノ・ムヒョンの系譜を継ぐ」というのはそういう政策を執る可能性のある人物であり得るということなのですよ。

「ムン・ジェインが反日に走れない理由」は正常性バイアスだと思うなぁ……。
週刊ニューズウィーク日本版「特集:北朝鮮 新次元の脅威」〈2017年3/21号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2017/3/14

パク・クネは罷免決定、韓国大統領選出馬予定の候補たちの横顔を見てみよう

【社説】中国の放送で「THAAD撤回」を約束した李在明城南市長(中央日報)
有力な大統領選候補者である李在明(イ・ジェミョン)城南(ソンナム)市長の安保思想が度を越した。2回にわたって「共に民主党」選挙候補討論会でTHAAD(高高度ミサイル防衛)体系に対して偏った認識を露わにしたあげく、今回は論争を巻き起こしそうな発言を行った。彼は7日、中国中央テレビ(CC-TV)に出演して「THAAD配備は大韓民国の国益につながらないため、原点に立ち戻って再検討して撤回しなければならない」と話した後、記者が「大統領になればTHAAD配備を撤回するか」と質問すると、「はい、そうです」と答えた。李市長の発言が中国と中国人にどれほど大事な話だったのか、中央テレビはこの日に4回にわたって同じ場面を放映したという。中国記者とのインタビューは前日、李市長が自身の大統領選キャンプで主催した「全国THAAD被害商人懇談会」で行われた。
(引用ここまで)

 一時期、「日本は敵性国家だ」とか「慰安婦像撤去は内政干渉だ」といった過激な言説でムン・ジェインに次ぐ支持率2位の位置にいたイ・ジェミョンですが、現在は10%に届くことが珍しい状況。
 どうしてもムン・ジェインとの違いを打ち出せずに低迷しているのですね。

 そこで今回は中国に対して「私が大統領だったらTHAADミサイルなんて一瞬で配備撤回してみせます」と言ってみた、ってところですか。
 ついでなんで現状の大統領候補たちの情勢をチェックしてみましょうかね。

 現在、ムン・ジェイン(共に民主党)が支持率30%前後で独走中。
 それをアン・ヒジョン(共に民主党)、ファン・ギョアン(無所属)、イ・ジェミョン(共に民主党)が支持率10%前後で追っており、さらにその後ろに国民の党前代表アン・チョルスがいるというようなところです。
 調査によって差は出ていますが、おおよそこんな感じ。

 アン・ヒジョンは左派でありながら保守派に対して「わたしならムン・ジェインのようにすべてを否定しない」というようなメッセージを送っていて、一時期は20%近い支持率を誇っていたのですがその後に左派的な発言を繰り返して支持率低迷。
 ファン・ギョアンは現在の大統領代行(首相)であることから、パク・クネ派であるとされて保守派の受け皿になりきれていません。
 イ・ジェミョンは前述のようにムン・ジェインとの決定的な違いを打ち出せずに低迷。
 ソウル市長のパク・ウォンスンも同様で大統領選撤退。
 アン・チョルスはポピュリストというか風見鶏であることが分かってしまって忌避されている。

 この状態があと2ヶ月継続するのであればおそらく70%以上の得票率を持って、次期大統領はムン・ジェインになることでしょう。
 慰安婦合意は再交渉THAADは次期政権に判断持ち越し、GSOMIAは見直し、さらに就任したらまず北朝鮮に向かうと宣言している。
 あのノ・ムヒョンの系譜を継ぐ男が韓国の「皇帝」ともされる大統領になるのですよ。
 それも圧倒的な支持率をもって。しかも、パク・クネ政権で行われたすべてを否定するために。

 ある意味で楽しみというか……。日韓関係が新たな局面を迎えるのは間違いないでしょうね。

音無さんは破壊神! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
ちゅー太
芳文社
2016/3/26

韓国野党が全方位に噛みつきまくり。今度は大統領代行を弾劾へ

大統領弾劾審判中に大統領権限代行弾劾カードを取り出した韓国野党(中央日報)
黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行が27日、崔順実(チェ・スンシル)特別検察官チームの捜査期間延長要請を拒否すると、野党が弾劾カードを取り出した。憲政史上初めてのことだ。大統領権限代行はもちろん、首相に対しても弾劾が進められたことはなかった。

共に民主党、国民の党、正義党の野党3党はこの日、3月に臨時国会を召集し、黄代行に対する弾劾を推進することで一致した。憲法第65条によると、首相に対する弾劾案は在籍議員の3分の1が発議し、在籍議員の過半が賛成すれば通過する。民主党(121議席)、国民の党(39議席)、正義党(6議席)が結集すれば過半議席を超えるため、黄代行の弾劾が可能だ。しかし一部では大統領権限代行は大統領に準ずる弾劾基準(在籍議員3分の2以上の賛成)を適用するべきだという主張もある。この場合、正しい政党(32席議席)と一部の無所属までが弾劾に参加しなければならない。

正しい政党は黄代行の決定を批判しながらも弾劾には参加しないという立場だ。 (中略)

野党側の大統領候補は黄代行に向けた総攻勢に乗り出した。文在寅元代表は「大統領と首相が憲法蹂躙と国政壟断の胴体であることを表した」と述べた。安熙正(アン・ヒジョン)忠南知事は「青瓦台(チョンワデ、大統領府)が事実上、組織的に捜査を妨害する状況であるため、黄代行は特検の捜査期間延長要請を受けるべきだった」と主張した。安哲秀(アン・チョルス)前国民の党代表側も「黄代行は国政壟断の反逆者ではなく国政壟断勢力の主犯であることが明らかになった」と語った。
(引用ここまで)

 どんだけ政治を停滞させれば気が済むんでしょうかね。
 今日で特別検察の任期が終了して、パク・クネに対する捜査が終了しました。世論は「任期を延長してすべての事実を掘り繰り返せ」という声が大きかったのです。
 特別検察からも先々週あたりに「一ヶ月の任期延長を」という申請があったのですが、ファン・ギョアン大統領代行はそれを認めずに捜査幕引き。

 大統領府への家宅捜索もできなければ、大統領本人への取り調べもできないという中途半端な結果に終わりました。
 ま、最初から「大統領への取り調べとか無理だよね」という空気は漂っていたのですけども。

 そこで野党は「特別検察の任期を延長しなかった」ということを理由として弾劾しようとしている、というのが今回の記事。
 パク・クネの弾劾が成立して罷免されたとしても、大統領選が行われて次期大統領が就任するまでは大統領代行は必要になるのですが。
 もはや韓国ではどこまでポピュリズムが進化していくのか、想像すらできませんね。

 記事にもありますが、首相の弾劾は国会議員の1/2で成立するので比較的楽にできるのです。
 もっとも、弾劾の採決ができる日程は3月16日以降と、おそらくはパク・クネ本人の弾劾裁判が終了している状況であってほとんど効力なし。
 話題の旬も過ぎてしまう上に、「大統領代行」である首相の弾劾は国会議員の2/3の賛成が必要になるのではないかとされていることから、ただ単に人気取りだけして終わりというのが実際の模様。

 もはや共に民主党はすべてのものに噛みついて、食い散らかすのがよいと思いますわ。
 米韓関係も中韓関係も日韓関係もぐっちゃぐちゃにして、また国を亡くすことでしょうよ。割と本気で。

認知症を「噛む力」で治す (らくらく健康シリーズ)
小野塚 實
SBクリエイティブ
2014/9/13

韓国で大統領が交代すればすべてがよくなる……はず?

【コラム】大統領さえ交代すればすべて良くなると?=韓国(中央日報)
明日で朴槿恵(パク・クネ)大統領が就任4年を迎える。弾劾審判が進行中という状況であるため、誰も祝うことも記憶することもない陰鬱な記念日だ。しかし未来に失敗を繰り返さないためには過去から徹底的に学ぶ必要がある。過去4年間の問題点を徹底的に点検し、政治と権力の制度を改めなければいけない理由だ。候補が大統領になれば合理的な判断ができる人物なのか、予算を使って推進する政策が国民と共同体のためのものか、主権者である国民の意思を尊重しながら国政運営をするかという点を正確に見ることができなかったため、今のような事態を迎えているのではないのか。

なら、憲法・法律・制度・慣行を徹底的に改めて再発を防ぐ努力が当然必要となる。ところが今の大統領候補を見ると、そのような悩みよりも当選ばかりに関心があるようだ。別の言い方をすれば、朴大統領が持つ権力を自分が持てば、もっとうまく使うことができるという話しかしていないということだ。法と制度をそのままにして大統領さえ交代すればすべて良くなるのか。憲法と慣行を改めて正しい民主国家を作るという挑戦意識で国民に近づく候補を渇望する。
(引用ここまで)

 そりゃ、大統領が替わればすべてがいい方向に転がるに決まっています。
 韓国人は世界でも有数の優秀な民族なのに、経済成長率はわずか2%台にまで落ち込んでいる。それも不動産バブルをかなり加熱させてようやくこのレベル。
 大きな事故は立て続けに起きるし、春になろうとするこれからは道路陥没がいくつも発見される。
 そんな「悪い韓国」である状況は、国家元首であるパク・クネの責任なのです。

 パク・クネとその友人のチェ・スンシルが韓国のすべてに渡って悪の手を伸ばしていたのですよ?
 政界だけではなく、防衛装備品や芸能界を牛耳ろうとまでしていたのですから。
 つまり、パク・クネを断罪して高く吊すことができれば、それだけで韓国はよくなるのです。

 ムン・ジェインが大統領になれば就職の受け入れ先として公務員が80万人も増え、ほとんどの国民には負担なしで法人税・高所得者の税率を上昇させて福祉を隅々にまで届かせることができる。
 つまり、バッカスおばさん塩田奴隷もいなくなり、海外輸出されている売春婦もいなくなり、孤児輸出もなくなり、高齢層自殺率も世界1位ではなくなり、大学入学への競争も緩やかになって、さらには兵役期間も短くなっちゃう
 夢のような大韓民国が生まれるに決まっているじゃないですか。

 ここまで書いてみて、これやっぱり易姓革命であることが理解できますね。
 得を失った為政者が倒され、新たな王朝が建つ状況そのものです。
 来月に判決が下るであろう弾劾成立の日は、韓国の新たな建国記念日になるでしょう。
 滅亡のスイッチを押した日にならなければいいのですけどね……。

中国 かなりこわい闇の歴史 学校じゃここまで教えない! (KAWADE夢文庫)
歴史の謎を探る会
河出書房新社
2011/8/11

保守か革新かで真っ二つに割れる韓国社会。弾劾が棄却されたらやっぱり「革命」か……

【社説】朴大統領側弁護士の野蛮発言、破局に向かう韓国の法治(朝鮮日報)
 もう一つ懸念すべきことは、今後大統領選挙が前倒しで行われた場合、政権を取る可能性の高い最大野党「共に民主党」の大統領候補者らが、誰も憲法裁判所の決定への承服を明言しないことだ。「陣営による政治を乗り越えたい」という新鮮な言葉で支持率が高まっている安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事もそうだ。安知事は報道関係者の親睦団体「寛勲クラブ」で行われた討論会で「(弾劾が棄却されたときの)国民の喪失感を考えると、たとえ憲法に基づいた決定であってもこれを尊重するとは明言しがたい」と発言した。大統領を目指す人物が法律に基づいた決定を尊重できないとはどういうことか。これではこの国は今後いったいどこに向かうのだろうか。

 安知事の発言は「憲法裁判所の決定に対する承服」を明言すれば、共に民主党の支持者が離れかねないとの懸念があるから出たものだという。共に民主党は弾劾の成立を確信しているそうだが、それでも「承服」という当然の言葉は党内で一言も口にできない雰囲気のようだ。このような政党が政権を取れば、この社会はいったいどうなるのだろうか。文在寅(ムン・ジェイン)前代表も「私は承服するが」とは言いつつ「民心と懸け離れた決定が下されれば、国民は容認できないだろう」などと述べ、承服しないことも一方でにじませている。

 朴大統領の弾劾を求める「キャンドル勢力」は堂々と「弾劾が棄却されれば革命」と主張しており、弾劾に反対する「太極旗勢力」は「弾劾が成立すればアスファルトを血が覆う」とためらいもなく口にしている。このように破局が少しずつ近づいているにもかかわらず、政治家たちは誰もリーダーシップを発揮できず、皆どちらかに迎合するばかりだ。この国の現状は本当に深刻だ。
(引用ここまで)

 アン・ヒジョンは最近になってぐっと支持率を上げてきた共に民主党の大統領候補のひとり。
 保守派にも響く政策や公約を挙げていて、パン・ギムンが大統領選を辞退したためにぽっかりと空いてしまった保守派の支持を大きく受けていることが影響しています。
 左派ではあるけども、「保守の気持ちも分かりますよ」というような話をしている人物です。

 ムン・ジェインが「不正に対して怒りを持って正義を貫くのだ」とぶち上げたときに「国家指導者の怒りは惨事をもたらす」と発言したということから、単純にろうそくデモに乗っかっている候補ではないことが分かります。
 保守派の支持もあり、一気に20%台にまで支持率を乗せてきて、あっという間にムン・ジェインの対抗馬として名乗りを上げたといったところでしょうか。

 だけども、その人物であってですら「弾劾が棄却されたらこれを尊重できるとは言い切れない」と言ってしまう。
 まあ、左派からの票を失わないためにもそういう発言も必要なんですかね。
 ちなみにムン・ジェインは「弾劾棄却時には私自身は受け入れるけど、国民がどう動くか分かりませんよー」みたいな言い方をしています。
 左に身を置いている以上、「革命」を欲してやまないというのは本音でしょうからね。
 政権を手に入れる際に、前政権を倒したという「正統性」を欲しがるのは儒教の影響だけではないのでしょう。
 左の根本的な思想として「革命無罪」があって、革命のためであれば暴力も無法も肯定されるというのが彼らの気分ですから。
 韓国人の「法治は自分には及ばない」という考えにこれが加えられると、民主労総のような暴力デモに陥るわけです。ムン・ジェインの「国民がどうするかなー」という発言は、この暴力デモが全土に広がることを期待している……と見るのは穿ちすぎですかね。

 世界における社会情勢のトレンドとして「同一国民同士の格差や思想によるデバイド(デバイドに相当する日本語が今ひとつ思い浮かばない。格差ではないのですよね、この場合)」がありますが、その最先端の形が韓国で見られると思いますよ。
 弾劾の可否を問わず。

 で、その弾劾裁判は27日に最終弁論で3月10日か13日に判決。最終弁論は24日の予定でしたが、パク・クネ陣営からの抗議で少し伸びました。
 弾劾棄却になったら韓国は際限のない混沌に叩きこまれることでしょう。
 そのあたりの事情もこみで弾劾が認められ、罷免されるとは思いますが……次のエントリに続く(予定)。

講談社現代新書がいろいろ安いような……。
文化大革命 (講談社現代新書)
矢吹晋

講談社
1989/10/20

韓国大統領選:極左VS.超極左の闘いへ。パン・ギムンの撤退で保守派に有力候補ゼロ

潘基文氏不出馬で「文氏1強」も 数々の波乱要素=韓国大統領選(聯合ニュース)
潘前国連事務総長の立候補辞退 大統領選の構図が急変(KBS World Radio)
 早ければ春にも実施される大統領選は文氏と潘氏の2強対決の様相を呈していたが、潘氏の出馬辞退により、選挙構図は文氏という「1強」と支持率10%前後の複数の候補という構図に変わり、複雑な展開を繰り広げる可能性がある。潘氏の支持基盤だった保守層と中道層を取り込むことが鍵になりそうだ。

 与党陣営は潘氏との連携を通じ、保守陣営の候補一本化を目指す戦略の全面的な見直しを迫られる。「ポスト潘基文」を早期に擁立し、有力候補に仕立て上げることが急務となった。

 共に民主党は文氏への待望論がさらに強まる中、安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事と李在明(イ・ジェミョン)城南市長が猛烈な追い上げを見せるとの見方が大勢を占めている。

 前回2012年の大統領選で文氏と野党統一候補の座を激しく争った安哲秀(アン・チョルス)氏がいる第2野党「国民の党」は野党陣営の反文派を最大限集めて勢力を拡大し、独自路線を歩みながら逆転のチャンスを狙うとみられる。

 与党セヌリ党と同党を離党した国会議員らが結成した新党「正しい政党」は態勢を立て直し、保守陣営での主導権争いを激化させるとみられる。

 与党陣営の候補者は事実上、セヌリ党の一部から擁立の動きが出ている黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行首相、正しい政党の劉承ミン(ユ・スンミン)元セヌリ党院内代表と南景弼(ナム・ギョンピル)京畿道知事の3人。三つどもえの構図になったとの見方が多く、両党の神経戦は激しさを増しそうだ。

 潘氏の不出馬宣言により、大統領選は保守系(セヌリ党・正しい政党)と左派系(共に民主党・国民の党)の対決構図が鮮明になったとの分析もある。
(引用ここまで)
JTBCが、世論調査会社の「リアルメーター」に依頼して全国の成人男女1000人あまりを対象に調査を行って、1日、発表したところによりますと、「潘前事務総長が候補から外れた状態で、大統領候補として名前が上がっている人物のうち誰を支持するか」という質問に対して、文前代表と答えた人が26.1%で1位、続いて黄大統領権限代行が12.1%で2位となっていました。
黄大統領権限代行の支持率は、同じ「リアルメーター」の先月23日と24日の世論調査の結果に比べて4.7ポイント上昇しています。
しかし、黄大統領権限代行については、国政介入事件によるいまの事態を招いた責任など、否定的な声も出ています。
また「支持する候補がいない」と答えた人の割合は7.2ポイント増え、この票の行方に注目が集まっています。
(引用ここまで)

 パン・ギムンの不出馬宣言でムン・ジェインの独走態勢が固まってしまった……という感じに。
 先週までの支持率としてはムン・ジェインが30%弱、パン・ギムンが20%弱。イ・ジェミョンが10%強、ファン・ギョアンが7%ほどといったところでした。
 ここからパン・ギムンが消えるので、保守層の票が迷走状態になっています。

 一応、現在の大統領代行であるファン・ギョアンが12%ほどの支持率を得ているのですが、ムン・ジェインと戦える支持率ではない。
 そもそもがファン・ギョアンは「パク・クネ一派」と目されていて、パク・クネ関連の人物はすべて処分されている現状の韓国社会では通用しないのは火を見るよりも明らか。
 ……現状で誰かと考えてみると、なんとアン・チョルスが保守派側として扱われるのではないかという恐ろしい事態に。

 前回の大統領選挙でもアン・チョルスは立候補を取りやめてムン・ジェイン支援に回ったのですが、選挙日当日になぜかアメリカに向かうという謎の行動を取ったのでした。
 本当に僅差での敗北だったので、ムン・ジェイン陣営は「当日も支援してくれれば勝てたのに」と恨み節ともとれるようなコメントを出していたのです。

 そんな経緯もあるので、ムン・ジェインの対抗勢力としてアン・チョルスはなきにもあらず……といったところなのですが。
 さすがにいまの韓国社会で保守派の候補として担ぎ上げられるのは自殺行為です。
 かなりの小賢しさを持つ人間なので、アン・チョルスは出馬しないんじゃないかなぁ……と思われます。
 ムン・ジェインとイ・ジェミョンの共に民主党同士の一騎打ちみたいなことになりますかね。
 極左と超極左の闘いですわ……。

この1冊で韓国問題丸わかり!Part.2―――やっぱりこの国はホントにおかしい【歴史通増刊】
ワック編集部
ワック
2016/11/4

元慰安婦らがパン・ギムンの訪問拒否 → 韓国の最高権威者はやっぱり……

潘基文氏、慰安婦施設を訪問できず…「被害者が強く拒否」(中央日報)
潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が旧日本軍慰安婦被害者のための施設「ナヌムの家」を訪問する予定だったが、拒否されていたことが最近分かった。

「ナヌムの家」によると、潘基文氏側は17日の訪問を打診したが、被害者は潘氏の訪問を強く拒否した。このため「ナヌムの家」側は拒否の意を伝えたと明らかにした。

潘氏は2015年、韓日慰安婦合意交渉について「歓迎する」という公式声明を発表し、論議を呼んだ。これに関し潘氏は「その程度でも進展したことを評価するという意味」と釈明したが、批判の声は続いている。
(引用ここまで)

 一昨日、ちらと「現在における韓国の最高権力者は誰なのか」という話をしましたが。
 まさにそれをあからさまにした現象が起きていますね。

 いってみれば「権威の付与者」として元慰安婦たちがいるのですよ。
 「おまえは大統領選挙に出てもいい」「おまえはダメだ」という選別が元慰安婦たち、もっといえばその背景にいる団体、さらにいえばその団体の背景にいる国から行われている。

 建前上は「慰安婦合意に歓迎の意を示したから」、あるいは「憲法裁判所が『慰安婦問題を放置しているのは違憲』とした時期、ノ・ムヒョン政権の外交部長官だったのがパン・ギムンだから許せない」というように語られているのですが。
 実際には他の候補者に比べて保守的であり、挺対協の意のままに動かないと考えられているからではないですかね。
 しかし、韓国内の序列では世界大統領様よりも元慰安婦が上であるとは……。

 カノッサの屈辱のように、ナヌムの家の前に裸足のままで断食して赦しを請うのであれば入ることができるのかもしれませんね(笑)。

神聖ローマ帝国 (講談社現代新書)
菊池良生
講談社
2003/7/20