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カテゴリ:大気汚染の記事一覧

ムン・ジェイン「粒子状物質について中国と協議せよ!」→以降、3年間一度も協議は行われず……これが見習うべき韓国への扱いか

「文指示」と言っていたのに……韓中微細粉塵協議体、3年間一度も開かなかった(朝鮮日報・朝鮮語)
中国発微細粉塵による被害が大きくなっている中、韓中微細粉塵関連協議体が2019年以降一度も開かれていないことが確認された。

チョ・テヨン国民の力議員が10日、外交部から提出された「2016年以降、微細粉塵関連韓・中協議体の現状」によると、韓・中環境協力共同委は2019年1月23~24日、ソウルで最後に開かれ、その後は開催内訳がなかった。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2019年3月、「中国から来る微細粉塵の影響を最小化するために中国政府と協議して緊急対策を設けろ」と指示し、チョ・ミョンレ環境部長官(当時)が「韓・中協議体を次官級に格上げさせて積極対処する」としたが、実際には以後両国間協議体が一度も稼動していないのだ。

外交部次官出身のチョ・テヨン議員は「3年前、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が微細粉塵問題に対して積極的に対応すると言った後、中国ときちんとした会議を一度もしなかったという事実は、外交失敗を越えて国民に対する裏切りだ」とし「文在寅政権の5年間、低姿勢外交で得た結果物は西海不法操業増加、限韓令日常化、中国発微細粉塵そして中国の傲慢と内政干渉論議だけだ」とした。

外交部側の関係者は、朝鮮ドットコムと通話で「コロナ状況のため、2019年以降、韓・中微細粉塵関連協議体が開催されなかった」とした。コロナ事態が世界中で本格的な影響を及ぼしたのは2020年以降だ。外交部関係者は「現在、中国側と日程を調整中」と明らかにした。
(引用ここまで)


 これは草生える。
 ムン・ジェイン大統領が2019年当時に「ミセモンジ(粒子状物質)について中国と協議をする」と言い出しはじめたのですね。
 ですが、それから3年が経過したものの、中国側が拒絶していて一切の協議が行われていなかったというオチ。
 外交部は「コロナ禍で……」と言い訳しているのですが、実務者協議なんていくらでもオンラインでできるわけで。
 中国による韓国への扱いは本当に見習うべきものがあるなぁ。

 当時から本当に大気汚染はひどいもので、ソウルがインド・北京を超えた世界最悪の大気汚染都市となることもありました。
 その「世界最悪」の数字も地上28メートルの数字を測定するなどして3割引きされたものだったなんてオチもついてました。

 大気汚染対策の一環として人工降雨を試みたものの、なにも成果はありませんでした。ついでにいうと中国と共同で人工降雨実験をやれとムン・ジェインは言い出したのですが、中国側から難色を示されて終わっています。
 これをやってしまうと中国が自分側にも原因があると認めてしまうことになるからでしょうね。

人工降雨の韓中共同実験 中国が難色示し、実現せず(KBS World)

 あるいは「超大型空気清浄機を屋外に設置する」なんて案も出てましたが、あれはどうなったんでしょうかね。
 そんな中でムン・ジェインが高らかに「中国と粒子状物質について協議体を設立する」と言い出したのです。


韓国ソウルが大気汚染世界1位 文在寅大統領、中国と協議指示(産経新聞)

 これが2019年の3月。産経新聞の記事にもありますが、中国側は明らかに乗り気ではない。
 人工降雨実験と同様、協議をすることで「韓国における大気汚染の責任が中国にもある」と認めてしまうことになるわけで。
 そもそもムン・ジェインの国民向けのアピールにつきあう必要なんてミリほどもない。

 だいたいにして調査では韓国の大気汚染における中国の寄与度は34%ほどとされてます。
 つまり、6割以上は韓国国内の問題。
 2018年時点で電力生産における石炭火力の割合は45.4%。
 ムン・ジェイン政権になってから石炭火力発電所をいくつか閉鎖していますが、そこまで大きな減少にはなっていません。

 さらに火力発電所のうち、85〜90%ていどは脱硝のためのSCR装置がついていないこともあって、大気汚染しまくり。
 そりゃま、中国だって「いや、俺たちのせいじゃないし」ってなるわな。

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世界最悪の空気汚染都市となったソウル、その中国からの寄与率はわずか32%? 数字をよく見てみると……

カテゴリ:大気汚染 コメント:(50)
韓国の「PM2.5」 32%は中国発=韓中日の共同研究で分析(聯合ニュース)
韓国の微小粒子状物質の32%は中国発、中国が初めて認める(東亞日報)
韓国国内の微小粒子状物質(PM2.5)のうち、国内の要因により発生したものは半分程度であり、32%は中国に起因するとした韓中日の初の共同研究結果が示された。 (中略)

 報告書によると、2017年に韓国(ソウル、大田、釜山)、中国(北京、天津、上海、青島、瀋陽、大連)、日本(東京、大阪、福岡)の主要都市におけるPM2.5の発生要因を分析した結果、自己寄与率は韓国が年平均51%、中国が91%、日本が55%だった。韓国と日本の場合、国内で発生したPM2.5のうち国内の要因に起因するものが半分をやや上回るという意味になる。また、中国国内におけるPM2.5は9割以上が中国内の要因により発生したことになる。

 硫黄酸化物(SOx)、粒子状物質(PM)といった中国の大気汚染物質が韓国の3都市に与える影響は平均32%、日本への影響は25%と分析された。 (中略)

 今回の報告書は、韓中日の専門家が共同で研究に取り組み、その結果を3カ国政府が検討した上で発行した最初の報告書となる。昨年に発行予定だったが、中国側が異論を唱えたため延期されていた。
(引用ここまで)

今回の研究結果には、高濃度粒子状物質が発生したとき、中国発の微小粒子状物質が韓国と日本にどれだけ大きな影響を与えるかは中国当局の反対で含まれなかった。張倫碩(チャン・ユンソク)国立環境科学院長は、「当初3カ国が合意した公開レベルは、平均寄与率の数値だ」と説明した。中国は高濃度の時期ではなく、年間平均値だけを公開しようと主張したと伝えられた。これに先立って、今年1月に最悪の高濃度粒子状物質発生時に国立環境科学院は、韓国の粒子状物質の69~82%は中国などの韓国国外から流入するという分析結果を発表している。
(引用ここまで)


 今年の3月に世界最悪の空気汚染都市として名を馳せたソウル
 その韓国で観測されるPM2.5のうち、中国からの寄与率が32%であるとの報告書が出たそうですよ。  ただ、この寄与率の測定方法が異常で。
 日本、中国、韓国の研究所でそれぞれモデルを作成して出した数字を足して3で割った数字が寄与率として報告書に書かれているそうですよ。
 なので、たとえば日韓で中国の寄与率が38%、中国では20%と出たとしたらこれらの数字を足して3で割った……というのが今回の結果。実際の数字は異なってますが。
 これ、朝鮮日報の記事で出ていたのですが、日本版は1週間で消えてしまったので韓国版を探してきました。

韓国超微細粉塵32%中で超え来る、中国の最初の認定(朝鮮日報・朝鮮語)
しかし、報告書は、これといった変化をもたらさないという見通しが出ている。この日の発表は、3カ国の研究者が都市別それぞれ提出した数値を単純平均して出したという点で限界がある。中国の側中国発超微細粉塵が韓国(32%)と日本(24%)に及ぼす影響については合意したが、都市別の影響については、合意しなかった。また、高濃度微細粉塵発生時期(12~3月)の各国微細粉塵の影響が調査対象から除外されたことも弱点として挙げられる。
(引用ここまで)

 それ以外にも去年出るはずだった報告書が中国の反対で出せなかった。
 さらに年平均の寄与率のみが記され、最大汚染時の寄与率は記されていません。
   どちらも中国の反対によるもの。
 おまけに中国は「韓国の空気汚染は半分以上が韓国国内から出ていることが確認された」という話を展開しているとのこと。

中国メディア「韓国の微小粒子状物質32%が中国産? 韓国産半分以上なのだから中国のせいにするな」(韓国経済新聞・朝鮮語)

 まあ、それでもこういった報告書が形になって出されたという意味はあるかもしれませんが。
 中国、韓国、日本とも石炭火力の割合が高いのが原因でしょうね。
 中国は2015年のデータで7割が石炭火力、韓国が40%超、日本が30%超。
 日本の石炭火力は脱硫装置がついているので、かなり軽減できているはずなのですが。
 日本国内がどれだけきれいだろうと、偏西風が吹く度に中国、韓国が隣国であるということを思い知らされる……ということなのだよな。

韓国政府「大気汚染の計測担当が足りないから企業が計測して報告していいよ」→韓国企業(おっ、やった!)→結果……

カテゴリ:大気汚染 コメント:(73)
麗水産業団地大気汚染排出操作……「セルフ測定」の盲点を悪用(聯合ニュース・朝鮮語)
麗水国家産業団地の一部の入居企業の大気汚染物質の測定値の操作は、企業や代行業者が組ん制度盲点を悪用した不正の典型的明らかになった。
環境保護団体は、粗末な規制とモラルハザードが不正となったと指摘し、全国単位の全数調査が必要であると促した。
17日、環境部によると全国に散在している大気汚染物質の排出事業所は58932ヶ所だ。
大気汚染物質の排出事業場の管理・監督業務は、2002年に環境部から地方自治団体に移った。
自治体ごとに何人もいない担当公務員ではリアルタイムな監視網を構築するのは難しいのが実情である。

政府は企業自ら、もしくは専門業者に任せて大気汚染物質の排出レベルを測定し、基準値を超える結果が出た場合には自己改善するものとしている制度を設けた。
企業が代理店と組んで大気汚染物質の排出の測定値をいくらでもだますことができるという抜け穴がそのまま表れた。
(引用ここまで)

 こちらの記事には具体的な数値は書かれていませんが、聯合ニュースTVの記事によると、企業で記録された塩化水素の数値は3.52ppm。
 基準値は12ppm。
 実測値は70ppmを超えていたそうです。
 違反していた企業は麗水産業団地に入居しているLG化学、ハンファケミカルなど。

 韓国では微粒子状物質の計測でも人が空気を吸う高さではなく、計測機器が10メートルよりも高い位置に設置されていた場所が80%超えという数字を出していました。
 これによっておおよそ3割引きになった数字が出ているそうですよ。
 これは2016年の統計。
 微粒子状物質がかなりの問題になっている韓国では、この計測方法がけっこうな話題となってしまいまして。
 去年になってからメディアが再度チェックしたところ、そのまま80%以上が10メートル以上の高さで計測をしていたっていうオチでした。
 数字は相変わらず3割引き。
 世界最悪とされているレベルのソウルの大気汚染ですが、数字的には3割引きのままで世界最悪になっていたのですね。
 あれだけ大問題になっている微粒子状物質(ミセモンジ)ですらこの体たらく。

 ……まあ、韓国であれば当然といった感じですかね。
 それ以外の感想が思い浮かばないな。

世界一の大気汚染都市となったソウル、屋外に大型空気洗浄機を設置する模様……

屋外大型空気清浄機の導入、効果はどのくらい?(KBS・朝鮮語)
政府が韓国に導入するという屋外の大型空気清浄機は、どのような方法であろうか? チョ・ミョンレ環境部長官は7日の記者会見で、屋外の空気清浄器を開発し、都心に設置する案を推進すると発表した。チョ長官は「微細粉塵を吸入して浄化する空気清浄器を学校や建物の屋上などに一定の間隔で設置すると、微細ホコリが低減されるだろう」と語った。機器ごとにかかる費用は、1億~2億ウォン程度と予想される。チョ長官の言葉通りなら、韓国に導入する屋外大型空気清浄器は、中国西安に設置された超大型施設とは異なり、建物の屋上に設置し、限られた範囲内で周囲の空気を浄化する役割をするものと見られる。環境省は既存の製品が存在しているというわけではなく、企業が公募を経て製品を開発する実証プロセスを介して効果がどのよう現れるかを実験設置で見ていこうという計画だ。屋外大型空気清浄機の動作原理や効果は、最終的に企業の開発能力にかかっているという話だ。政府関係者は、中国で試験運営している大型の屋外の空気清浄機は、効果が検証されていないために、韓国の方法で開発が必要であると述べた。

このような政府の計画に環境運動団体は泥縄式処方とし、微細粉塵排出源を減らす根本的な対策が惜しいと指摘した。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインは世界一の大気汚染都市となったソウルについて、泥縄式の対策ばかりを打ち出しています。
 いわく「人工降雨を実験する(失敗済み)」、「中国と共同で微粒子状物質を削減する(中国側から拒絶済み)」、「保育所や小中学校に空気清浄機を設置する」といったものですね。
 あとはここぞとばかりに「老朽化した石炭火力発電は閉鎖する」っていつもの「キレイナ韓国」への持論を述べてましたね。粒子状物質については原子力発電所を建てることが有効なのですけどね(シムシティ的な意味でも)。

 で、さらにもうひとつ屋外に空気清浄機を設置するという方針を打ち出したそうですよ。
 引用していない記事の前半では中国やインドで導入されている超大型施設の紹介があるのですが、唖然としますね。
 効果があるんだかないんだか、いまひとつ判然としませんがこんなものをアナウンス効果も込みではあっても建てざるを得ない状況が怖ろしいというか。

 韓国では北京のような超大型のものではなく、韓国独自の方式として中型のものをビルの屋上に設置してどのような効果があるのか様子を見る、とのことですが。
 ……イ・ミョンバク政権下で作られた水質検査用の魚ロボットを思い浮かべたのはうちだけではないと思います。
 魚ロボットがどのような末路を辿ったかは、過去のエントリを見てもらうとして。
 その研究員がその後、収賄の容疑で逮捕されて実刑判決を受けたということは特筆しておいてもよいのではないでしょうかね。


韓国ソウル、ついにインドも中国も越えた世界一の大気汚染都市に

カテゴリ:大気汚染 コメント:(176)
PM2.5:ソウル、ついに大気汚染世界ワースト1位=2位は仁川(朝鮮日報)
 粒子状物質に覆われた同日のソウルは、周囲の物を見分けることすら難しかった。同日正午、ソウル市松坡区のロッテワールド・タワー展望台入口にある案内板には、「視界1-4キロメートル」と書かれていた。121階の展望台に上がると、約3キロメートル離れた蚕室総合運動場でさえ屋根の輪郭がやっと分かる程度だった。

 同日午後5時現在のPM2.5平均濃度はソウル市で1立方メートル当たり144マイクログラム、世宗市で153マイクログラムを記録するなど、全国的に過去最悪の状態が続いた。ソウルの場合、日中に一時178マイクログラム、忠清北道は239マイクログラムにまで上昇した。 (中略)

 世界的な大気汚染調査機関「エアビジュアル」(AirVisual)の都市別空気質指数(AQI・PM2.5などさまざまな大気汚染の数値を評価する指数)によると、同日午後5時現在の大気汚染度世界1・2位はソウル市(188)と仁川市(180)だった。中国の北京市(45)は58位だ。国際環境団体グリーンピースが経済協力開発機構(OECD)加盟国の都市ごとにPM2.5の濃度を測定した結果でも、汚染度が高い上位100都市のうち韓国の都市が44都市も入り、加盟国の中で最も多かった。
(引用ここまで)

 記事中のエアビジュアル(www.airvisual.com)によると、今日未明の3時の時点でもソウルのAQIが234と飛び抜けた成績で世界最悪の大気汚染都市となっています。

airpollution

 aqicn.orgで午後3時現在だとこんな感じ。

aqicncom

 正午前後では200をちょっと超えていた感じですかね。デリーもカトマンズもコルカタ(カルカッタ)も上海も超えて世界一。

 これまでも世界で2位とか3位をばんばんとってきたので、時間の問題であったとはいえるでしょうけど。
 ムン・ジェイン政権は「キレイナ韓国」を標榜しており、粒子状物質を多く排出する石炭火力をやめて太陽光発電とLNG火力に移行しようとしているのですが発電所がそんなに早く転換できるわけもなく。
 雨を降らせればなんとかなるかもしれないということで、人工降雨試験をやったりしています。

韓国の「対中」大気汚染改善実験、初回は失敗 人工雨ほぼ降らず(AFPBB)

 人工降雨にはいわば「雨の種」のようなものが必要で、それを成長させることくらいしかできないのですよ。なにもないところから雨を降らせるようなことはできないのですね。
 でも、韓国らしい「早く早く」で条件が整っていない日に決行させて失敗と。
 その様子が会話まで含めて目に見えるようですね。
 で、今日になってムン・ジェイン自ら「中国と共同で人工降雨を行え」と指示が飛んだとのこと。 
 北京オリンピックの用意等で中国には実績があるから、ということでしょうね。

中国と共同で人工降雨を=韓国大統領、大気汚染で対策指示(時事通信)

 中国沿岸部からの微粒子状物質、黄砂、さらに韓国国内からの微粒子状物質でトリプルパンチ。
 果たしてムン・ジェイン政権念願の「キレイナ韓国」は達成できるのか。
 そもそも論でいえば韓国国内の環境基準が低すぎたせいじゃないのかって気がしているのですけどね。

韓国の大気汚染が深刻……韓国政府の対策は「西風が吹かないように祈る」だけ?

韓国政府のPM2.5対策は西風が吹かないことを祈るだけ(朝鮮日報)
5回に1回は外れる韓国のPM2.5予報(朝鮮日報)
 米シカゴ大エネルギー政策研究所が最近発表した「中国は微小粒子状物質との戦争に勝っている」と題する報告書によると、中国最大の都市である上海、北京をはじめ、ソウルと人口が近い四川省など大半の都市で微小粒子状物質濃度は21.3-42.4%低下した。報告書をまとめたマイケル・グリーンストン教授は13年、「微小粒子状物質の高濃度地域に住む中国人は相対的に空気がきれいな地域に比べ、寿命が約5年短い」とする研究結果を発表し、中国政府に警鐘を鳴らした人物だ。同教授は5年後、「中国は微小粒子状物質の排出量を驚くほど大幅に減らした。微小粒子状物質との戦争に勝ちつつある」との見解を示した格好だ。

 韓国の状況は真逆だ。ソウルの微小粒子状物質濃度は13年も17年も年平均25マイクログラムで変わらなかった。しかし、高濃度で「微小粒子状物質注意報」が発表された日は13年の1日から17年には10日に増えた。今年に入ると、26日までに既に13日を数えた。中国主要都市の微小粒子状物質濃度は減少しているのに、ソウルでの濃度は横ばいか国民が感じる汚染度はむしろ悪化している。 (中略)

 韓国大気環境協会のチョン・ヨンウォン元会長は「政府の政策がディーゼル車規制など特定分野にばかり集中しており、対策から漏れた汚染源が多い。違法焼却、薪(まき)ストーブ、固形燃料などから生じる粒子も多いのに、管理がなされておらず、そうした有害な粒子を管理すべきだ」と呼び掛けた。チョン元会長はまた、「中国の対策はさまざまな汚染源を全体的に規制し、燃焼で発生する微小粒子状物質の排出源そのものを減らそうとするものだ。社会主義国家である中国と同じことはできなくても、韓国政府も多方面にわたる積極的な対策を立てるべきだ」と述べた。
(引用ここまで)
 政府の粒子状物質予報が5回に1回の割合で外れることが明らかになった。国会・粒子状物質対策特別委員会の崔道子(チェ・ドジャ)議員=正しい未来党=が今月1日、国立環境科学院から提出を受けた資料によると、政府が出した昨年1月から先月26日までのソウル地域における粒子状物質の「明日の予報」2384件のうち、予報と実際の観測が異なっていた事例は487件(20.4%)だったという。 (中略)

 資料期間の全予報6568件における誤報率は14.8%(973件)だった。「今日の予報」は3600件中335件(9.3%)が誤報だった一方、「あさっての予報」は584件中151件(25.9%)が誤報で、誤報率が高かった。このように、「今日の予報」と「あさっての予報」を合わせると誤報率は下がるが、これは当日に粒子状物質濃度を予報する「今日の予報」では現状の発表に近いため、的中率が高まるためだと指摘されている。

 国立環境科学院の関係者は「韓国の特性に合わせた観測モデルもなく、予報は難しい。現在使用している観測モデルは韓国独特の山岳地形・空気中の化学物質含有量・国内外の排出要因といった特性が考慮されておらず、推定値が正確でない。2017年から韓国の状況を反映させた観測モデルを開発しており、来年の完成を目標にしている」と述べた。しかし、韓国の状況に合わせた観測モデルを実用レベルで発表するまでには、開発完了後も2-3年の試験過程を経なければならない。つまり、新しいモデルが使えるようになるまでにはあと3-4年はかかるということだ。
(引用ここまで)

 5回に1回ていどの失敗ならまあ実用的じゃないかと思ったのですが。
 韓国気象庁といえば豪雨の5分前に予想を出して「そりゃ予報じゃなくて実況だ」って文句をつけられたり、毎度毎度台風の希望的観測を予報として出しているところでもあるわけですから(答え合わせ編)。
 以前の「台風が直撃してもなんの警告も出ないので韓国人は勇敢にならざるを得ない」っていう状況に比べればだいぶマシになっているようには思いますけどね。

 中国からの汚染物質も数割は影響しているとのことですが、実際には韓国西部の忠清南道に石炭火力発電所が集中していて、そこからの煤煙が主犯。
 というわけで「西風が吹かないように願う」というだけが韓国でのPM2.5対策である、というわけなのです。
 しかも韓国の場合、計測場所が地上14メートルであるために、実測値の3割引きになっているという話もありまして。
 全体的にメチャクチャであるのは間違いない。

 それでも一応、「韓国モデル」なるものが構築されているそうですから?
 何年か後には韓国でもそれなりに有効な予想システムが構築されているかも知れませんね。ほら、IT強国だって自称していることですし。

PM2.5「越境汚染」 中国の汚染物質が日本を襲う (角川SSC新書)
沈 才彬
KADOKAWA / 角川マガジンズ
2014/4/24

【韓国人の反応】「PM2.5で前が見えない! 中国が原因だ!!」→大気汚染の本当の原因は……

カテゴリ:大気汚染 コメント:(73)
韓国全域にPM2.5飛散…「他国へ移住したい」「終末映画の中の空だ」…政府には中国への対策要求も(中央日報)
「最初はメガネに何か付いているのかと思った。空全体が灰色で、まるで地球終末映画の中の空みたいだ」

25日、ソウルのある地下鉄構内で会った大学生キムさん(24)の言葉だ。市民は3日間続いている高濃度粒子状物質発の「灰色の空」に視覚的な恐怖を感じていると口々に話した。

韓国環境公団の大気情報サイト「エアコリア」によると、25日午後12時のソウルのPM2.5(微小粒子状物質)濃度は1立方メートルあたり104マイクログラムだ。粒子状物質の予報段階上、「非常に悪い」に該当する。京畿道(キョンギド)は121マイクログラム/立方メートル、光州(クァンジュ)は116マイクログラム/立方メートル、忠清北道(チュンチョンブクド)110マイクログラム/立方メートル、仁川(インチョン)107マイクログラム/立方メートルなどで全国の大部分が「灰色空襲」を受けた。 (中略)

オンライン掲示板などには「空気がきれいな国に移民したい」という書き込みが多数寄せられた。ある市民は「職場を整理してカナダやオーストラリアに移住したい。冗談ではなく本当に真剣に悩んでいる」と書き込んだ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の国民請願掲示板には「粒子状物質のせいでやりきれない思いです。助けてください」「粒子状物質で韓国の市民たちを生きにくくしている中国の粒子状物質に対する外交的対策を具体的に用意してください」などのコメントが掲載された。
(引用ここまで)

 まるでこうして粒子状物質(PM2.5等)が多いときだけ、韓国の空気が汚れているみたいな話になっていますが。
 原則的に韓国の大気汚染はひどいですからね。
 2002年にフランス代表のリザラズが「ソウルは空気の汚れた街で、ちょっと動いたら肌がかゆくなった」って言っていました。韓国人はそれにブーイングを浴びせていましたが。
 呼吸器系が弱い楽韓さんも韓国に行くたびに苦しんでます。常にマスクが手放せない状況。粘膜はホントに辛い。
 韓国に降り立つと同時に空気の汚れを意識するレベル。
 以前はマスクをすると目立って日本人だというのがすぐにばれていたのですが、最近は韓国人にもマスクが普及するようになってる、というほどの状況です。

 で、それを韓国人は「中国が原因だ」と言ってるのですが。
 この件についてのNAVERニュースのコメントでも「中国が!」って叫んでいるものがほとんど。

思う存分息をしにくい現実…私たちはさらにきつくなったほこりを吸っている(JTBC・朝鮮語)

 中国の汚染物質は韓国の空気汚染全体の20~30%ていどの原因でしかないというのはすでに判明済みの事実。
 韓国の全発電量の40%弱が石炭火力で、ほとんど汚染物質対策もしていないもの。
 ソウルは北京、デリーに続く世界三大大気汚染都市なのです。
 しかも、この数値もだいたい3割引きで計測されていたりしますからね。

 自分たちの引き起こしている大気汚染の責任を中国に押しつけているだけ。
 旅行なら数日我慢すれば終わりますが、あれを365日はホントにきついでしょうから、そうやって責任転嫁したいのも理解できないではないですけどね。
 ムン・ジェインの「キレイナ韓国構想」は脱石炭火力、脱原子力を基本としているので、もしかしたらムン・ジェインの行った唯一の功績として語られるようになるかもしれませんね。
 ただし、電気代はぐっと上昇するでしょうけども。

中国複合汚染の正体 (扶桑社BOOKS)
福島 香織
扶桑社
2013/12/20

韓国気象庁「大気汚染警報!」→ソウル市「公共交通期間無料にします」→汚染確認できず→解除された翌日に汚染度MAXに……

カテゴリ:大気汚染 コメント:(56)
粒子状物質究明できないまま…手を離す環境部、金だけ使うソウル市(中央日報)
15日に続き17日に施行された首都圏粒子状物質非常低減対策に批判があふれている。特にソウル市が多額の予算をかけて公共交通を無料利用できるようにしたが、通行量減少など具体的な成果は現れず、汚染度は継続して上昇したためだ。

こうした状況は昨年2月に環境部とソウル市、仁川市(インチョンシ)、京畿道(キョンギド)の3自治体が非常低減対策を施行すると発表した時からすでに予想されていた。核心案である車両2部制の施行対象が首都圏地域の行政・公共機関の公務員52万7000人だけであるためだ。彼らのうち自家用車で通勤する割合45%を考慮すると実際に減る車両は11万9000台で首都圏全体の2~3%水準にすぎない。 (中略)

さらに粒子状物質予報がはずれて議論に油をそそぐ格好になった。14日午後に環境部は非常低減措置を発令したが、実際には15日午後4時まで粒子状物質濃度は「普通」水準を示した。国立環境科学院大気質統合予報センターは「15日は中国など国外からの粒子状物質流入が予想より遅れたが15日全体として見れば粒子状物質汚染度は『悪い』水準だった」と釈明した。だが、これによって16日には低減対策を施行しなかったが、首都圏地域では注意報が相次いで発令されるほど汚染が激しかった。 (中略)

これと関連し、亜洲(アジュ)大学環境工学科のキム・スンテ教授の分析によると、中国発の汚染物質が首都圏の粒子状物質汚染で占める割合は年平均44%に至っている。残り42%は韓国国内汚染(26%は首都圏自体の汚染、16%は非首都圏地域から来る汚染)だ。また、首都圏の汚染の10%程度は北朝鮮から入ってくる汚染物質と把握されている。 (中略)

首都圏自らの排出汚染物質が汚染全体の4分の1にすぎない状況で首都圏内だけで努力しては成果を上げるのが難しいということだ。行政・公共機関のほかにも民間の参加が必須で、首都圏地域以外にも忠清南道(チュンチョンナムド)地域の火力発電所なども含む必要があるという指摘だ。
(引用ここまで)

 韓国で「粒子状物質の濃度が高いときには公共交通機関を使いましょう」というキャンペーンをやっているのですよ。
 警報が出た日には交通機関が無料になるので、ぜひ乗ってくださいね……というもの。
 粒子状物質を多少なりとも軽減しようという措置であるそうです。

 で、この1月15日に韓国の気象庁が「大気汚染が最悪レベルになる」という警報を出したのですが、15日はそれほど悪くならなかった。でも、交通機関は無料になったそうです。
 16日には警告通りに悪化したのだけども、この日は警報を出すことができなかった。
 17日も引き続き悪く、この日には警報が出されて公共交通機関無料となったのですが、まったく軽減効果が出なかったという3段オチ。
 それでなくとも赤字運営の公共交通機関を無料にするためには1日5億円かかって、それを2日間。10億円使ってまったく軽減効果なしというオチだったのですね。

 韓国気象庁の予測精度が低いのは台風なんかでもお馴染みでいつものこと。まったくもって驚きはないのですが。
 ただ、粒子状物質の動態予測はスーパーコンピュータがもっとも活用できるシーン。韓国気象庁には韓国でも最高レベルのクレイ社XC40というスパコンが2台あって、そこそこ高性能なはずなのですけどね。

 というか、このマイカー通勤をやめましょうという軽減措置自体が的外れ。
 そもそも自動車が出すPM2.5、PM10といった粒子状物質はディーゼルがメインであって、通勤を規制したところでさほどの意味はない。
 中国からの汚染物質は1/3~半分ほどなのですから、韓国国内の工場や石炭火力発電所を規制したほうがよっぽどよいと思いますけどね。
 まあ、ソウル市長のパク・ウォンスンもムン・ジェインに負けず劣らずの左翼で再生可能エネルギー大好きな人間ですから薄ら甘い「キレイナ韓国」のために目立つ施策をしたかったということなのでしょう。