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カテゴリ:ムン・ジェインの記事一覧

ムン・ジェイン政権「将来の国家債務がGDP比153%になるわけがない。二桁に修正しろ!」と数字を歪曲……その背景にあった思想とは?

「2060年国家債務比率153%」 文在寅大統領主宰の会議後、「81%」に縮小・歪曲されていた(朝鮮日報)
 文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に企画財政部(省に相当。企財部)が、2060年に韓国が背負うことになると予想される借金の大きさを、国内総生産(GDP)比153%から81.1%へと半分近く縮小・歪曲(わいきょく)したことが4日に監査院の監査結果で判明した。監査院は、こうした歪曲が、当時の文在寅大統領主宰の青瓦台(韓国大統領府)における会議で「(国家債務比率に関して)不必要な論争が大きくならないようにうまく管理せよ」という話を聞いた洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相の指示で行われたことをつかんだ。当時、洪副首相の指示を受けた企財部の官僚が、国家債務比率の見込み値を人為的に低くしながらも、これは事実上「操作」に該当するとして反発していたことも分かった。

 監査院が4日に公開した「主要財政管理制度運営実態」監査報告書によると、企財部は2020年9月2日、「60年にGDP比国家債務比率は64.5-81.1%の水準と見込まれる」と発表した。当時は文政権が、借金をしながら政府の支出を急激に増やしていた時期だった。国家債務比率は16年末の36%から21年末には46.7%へと悪化した。それにもかかわらず文政権は、こういう形でお金を使っても国家債務比率は今後それほど高くならないだろう、と主張したのだ。

 しかし、こうした見込み値は縮小・歪曲されたものだった。企財部が20年6月に最初に計算したときは、2060年の債務比率は298%まで跳ね上がるという結果が出た。そこで企財部は、政府支出をコロナ以前の水準に減らすと仮定して、債務比率は111.6-168.2%になるだろうという新たな見込み値を作り出した。

 洪副首相は7月8日、文大統領の主宰する会議で「2060年の国家債務比率は大きく上昇するだろう」と報告した。会議後、企財部実務陣には「(60年国家債務比率見込み値が)社会的論争ばかり引き起こす余地がある。不必要な論争が大きくならないようにうまく管理して神経を使ってもらいたい」という「青瓦台のコメント」が伝えられた。

 企財部実務陣は再び計算して、7月16日に洪副首相に「129.6-153.0%」を報告したが、洪副首相は「2桁にしろ」と言った。その上で、国際的に通用している方法とは違うやり方で、「政府支出が増加する速度を経済成長率(名目GDP成長率)に合わせろ」と方法まで指示した。これは、未来の政権が何もせずにいるのでない限り達成不可能な内容だ。

 実務陣の反対にもかかわらず、洪副首相は7月21日、文大統領に「2桁にするつもり」と再度報告した。こうした過程を経て、結局「64.5-81.1%」で最終発表を行ったのだ。

 この見込み値はすぐに「歪曲」だとの指摘を受けた。国際通貨基金(IMF)は同年9月の報告書で「韓国政府の見込みは『ある程度の調整』を仮定している」とし「政府の以前の基準に基づいた予測によると、200-220%まで増加する」と指摘した。監査院が当時の企財部実務陣の業務用パソコンや携帯電話などをデジタル・フォレンジック(電子機器の鑑識・科学調査)してみたところ、実務陣同士で「IMFは、われわれが『でっちあげ』したことを思いきり遠回しに批判した」「罪悪感がある」と語っていた内容が出てきた。実務陣は、監査院の聞き取りでも「韓国国民にきちんとした情報を提供すべきなのに、あまりにも相反する仮定をしたことで、ストレスがひどかった」と語ったという。
(引用ここまで・太字引用者)


 ムン・ジェイン政権が「2060年の政府債務はGDPの80%ほど」とする予測を発表したことについて、監査院が「統計歪曲である」と結論づけた、とのニュース。
 コロナ禍当時、どの国もさかんに財政出動をやっていました。
 というわけで、韓国政府も当時対GDP比で40%にほどで保たれてきた規律を無視して財政出動したのです。

韓国経済:ムン・ジェイン「政府債務比率を40%の科学的根拠はなんだ?」と大規模な財政出動を予告……実は韓国政府の債務比率は残念なことに……(楽韓Web過去エントリ)

 ただ、かねてから韓国では「対GDP比で40%以上に債務を増やすことはまかりならない」との意識があったのですね。
 野党の党代表であったムン・ジェインも債務比率が40%を超えそうになっていたパク・クネ政権の方針を叩きまくっていました。
 でもまあ、実際の問題としてはコロナ禍で財政出動しなかったらとんでもない事態になっていたので、この方針自体は正しかったのです。


 問題は、「こうして財政出動しても、将来の国家債務はそこまで増えない」と予測を歪曲したこと。
 ま、ムン・ジェイン政権は歪曲の上に成り立っていた政権だったことが判明しているので、驚くには及ばないのですが。

ムン・ジェイン政権での統計改竄、不動産だけで5年間で94回にも及んでいた……民間統計では倍になったソウルの不動産価格、政府統計では「20%上昇した」だけだった(楽韓Web過去エントリ)
ムン・ジェイン政権、自分に都合の悪い数字は片っ端から改竄してきた……「非正規雇用が90万人増えました」→「彼らは自分が非正規雇用であると勘違いしているだけだ」(楽韓Web過去エントリ)

 雇用が減り、非正規が90万人増え、ソウルのマンション価格が2倍になっても「まったく問題ない」との態度に終始していたのです。
 今回は「予測を歪曲した」って部分が明らかになっただけ。

 これらの過去エントリでも言及していますが、「ムン・ジェインは絶対に間違わない政権」として生まれてきたことが背景にあります。
 発足当初から「悪のパク・クネ政権を排除して、正義のムン・ジェイン政権が誕生した」ってナラティブを抱えてきたのですね。
 なので、彼らは「一切、間違わなかった」のです。

 政権発足2年目には早くも統計長庁を更迭したなんてこともやってましたね。
 更迭された人物は涙ながらに「私は大統領府のいうことを聞き入れなかったほうだ」と会見してました。

韓国大統領府、統計庁長を更迭→新庁長就任と共に「所得主導成長のプラス面を誇示する新たな統計」を策定……2+2=5です、ブラザー(楽韓Web過去エントリ)

 つまり、間違っていたのは数字のほうだし、なんなら雇用悪化については国民が「非正規雇用だと勘違いした」のが悪い。
 間違った政権運営をしなかったので、国家債務が150%なんて数字になるわけがない。
 というわけで「40年後の数字も二桁にしろ」って命令できたのです。

 なお、実際の数字は去年の段階で対GDP比54.3%、28年には58%が予想されています
 なお、この数字は「公企業の負債」は加えられていませんので、韓国電力の膨大な負債も無視されています。

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韓国で肝いりで展開された「10万人でAIに画像を読み込ませるお仕事」、案の定ゴミデータを大量に生むだけの結果に

文在寅政権時代に1000億ウォン投じて作成したAIデータ、34%はデタラメだった(朝鮮日報)
韓国のある民間IT業者が2020年、韓国政府から「人工知能(AI)学習用データ構築事業」を受注した。卵・牛肉など畜産物の写真数万件で構成された蓄積データを作成する業務だった。政府がその蓄積データを一般公開すれば、企業がそれをAIに学習させ「卵の外見だけで卵の品質を判定するAI」「牛肉の外見だけで、等級分類できるAI」などを開発することができるものだった。

しかし、この業者が提出した蓄積データはAI学習に全く使い物にならない「ゴミデータ」だった。政府はA~D等級の卵の写真をそれぞれ1万6000枚、計6万4000枚取りまとめることを要求していたが、問題の業者が提出した写真はB等級の卵の写真43枚にすぎなかった。このほか、牛肉の写真も5等級ごとに各1万6000枚ずつ計8万枚を提出なければならなかったが、1等級の写真は皆無で、2・3等級の牛肉の写真だけ数千枚を提出した。1等級の牛肉の写真がないデータでAIを学習させ、1等級と2・3等級の牛肉を区別させることなどできない。それでも同社は政府から19億ウォン(約2憶1800万円)を受け取った。

 この業者は文在寅(ムン・ジェイン)政権が「韓国版ニューディール」という名目で2020年から推進した「AIデータ事業」に参加した。監査院は23日、2020年から25年までに約2兆5000億ウォンが投じられる同事業で、最初の2年間に作成された蓄積データ360件のうち122件(33.8%)の品質が基準を満たしておらず、AI学習には使えない状態だったと発表した。不合格の蓄積データを作成するのに要した費用は1148億ウォンだった。

 他社が作成したサッカー競技の動作に関するデータには写真が数万件含まれていたが、 一部の写真には写真のの動作がどんな動作なのかに関する説明が欠落していた。チャージをかけているのか、スライディングをしているのか、反則なのか、正常なプレーなのかなどの表示が全くされていなかった。また別の業者は、聴力検査の結果データを10万8167件集めたが、資料に対する説明が全て欠落していた。これもデータとしては役に立たない。それでも両社は政府からそれぞれ19億ウォン、18億ウォンを受け取った。
(引用ここまで)


 あー……。
 ムン・ジェインが2020年あたりに「Kニューディール政策」を掲げて、新たな経済政策をぶち上げたのです。
 デジタル関連産業と再生エネルギーを中心としたグリーンニューディールを両輪とし、さまざまな雇用を行うとの政策でした。
 Kニューディールで創出されるであろうとされていた新規雇用は190万人。

 まあ、その結果として生まれたのは──

・「鳩の餌やり禁止要員」
・「ベンチの鳥の糞掃除係」
・「ペットエチケット順守ヘルパー」
・「浄化槽掃除促進業務」
・「地方税納税広報要員」

 といった斬新な職業の数々でした。

ムン・ジェイン「Kニューディールで190万人の雇用を創出!」→その仕事の中身を見てみると「鳩の餌やり禁止要員」「鳥の糞掃除係」「浄化槽掃除呼びかけ人」(楽韓Web過去エントリ)

 その中に「若者向けAIラベラー」ってものがありまして。

 あ、これ説明するのめんどくさいな。まあ、ちょこっとだけ語るか。
 現在の「AI」とされるものは、大量のデータを収集してその差異を学習するものとなっています。
 いわゆる「ディープラーニング」と呼ばれる手法です。
 たとえば肺のレントゲン画像を大量に読み込ませて「悪性腫瘍(癌)の発生がある否か」をパラメーターとして確認させる。
 そうして数万枚単位での学習をさせると、専門家でも見つけられないようなわずかな違いをAIが感知できるようになるといった形で成果が出るわけです。


 ただ、画像を漫然と読み込ませても意味がないのですね。それぞれの画像にインデックス、パラメータがついていないとAI側が判断をできないのです。
 で、AIラベラーが必要になってくるのです。
 X(Twitter)でいうところのハッシュタグを、ひたすら画像につける作業と思ってもらえればよいかな。

 この「画像にラベルを貼る人」を10万人単位で雇用して、韓国をAI大国にするとの目論見だったのです。

韓国政府、またも若者向けのクズ雇用を創出……今度は「AI向けデータラベラー」だそうですよ(楽韓Web過去エントリ)

 いや、本気ですよ。
 ムン・ジェインはいつも本気でしたからね。
 Kニューディールには「データ、ネットワーク、AI」の「D・N・A生態強化」部門ってのがあったのです。

 ただし、当時から「ゴミデータが生まれるだけ」「こんなものがキャリアになるわけがない」ってされていました。
 要するに内職ですから、これ。

 んでもって、当時の「AIラベラーの成果を監査してみよう」ってことになって、調べたら冒頭記事のようになった……と。
 おいしく公金チューチューされてしまったわけです。
 あまりにも想定していた通りのオチでしたね。
 経済政策としてはよかったんじゃないかとは思います。「穴を掘って埋めるだけの作業」でも賃金さえ発生させれば経済は回りますからね。ムン・ジェインの経済政策としては上出来です。

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ムン・ジェイン前大統領、いただき書記長ジョンウンちゃんにメロメロだった……「年長者を尊重する行動が身についていた」「対話に値する人物だった」と評価

「制裁、正直きつい」「核を使うつもりはない」 金正恩氏が吐露(毎日新聞)
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は今月発売の回顧録で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が、核・ミサイル開発に対する国連などによる経済制裁について「正直に言って、きつい」と吐露したと明らかにした。「経済を発展させることが自分にとって最も重要な課題なのに、制裁のせいで難しい」とも話したという。 (中略)

 金氏は、トランプ米大統領(当時)との会談への期待を口にすると共に「何の経験もない」と不安も口にし「どのようなアプローチをすればいいのか」と文氏に助言を求めたという。

 金氏が駆け引きの一環で文氏にこうした発言をした可能性もある。

 また、金氏は首脳会談後の両首脳による共同記者発表について「一度もしたことがない。どうすればいいのか。どんな内容を盛り込めばいいのか」と文氏に質問した。発表が終わった後も「自分はうまくできたか」と文氏に尋ねたという。
(引用ここまで)


 ムン・ジェインの回顧録について毎日紹介しているレベルに(笑)。
 今回はムン・ジェインがキム・ジョンウンに対してどのような印象を持ったかとのお話。
 トランプ前大統領との会談について、ムン・ジェインに「どのようにアプローチすればいいのか」と問うキム・ジョンウン。
 そして米朝首脳会談後の共同記者会見に向けて、ムン・ジェインに「一度もしたことがない」「どうすればいいのか」と問うキム・ジョンウン。

 で、それに対してムン・ジェインは──

「年長者を尊重する行動が身についていた」
「いつも先に来て待ち、私が去るときは最後まで見送ってくれた」
「たばこを吸うときは外に出ていた」
「対話に値する人物だった」

 ……との評価。


 すっかりやられちゃってますね。
 儒教……というか朱子学の「年配者を敬う」態度を規範とした行動にメロメロ。
 私的な場所では「彼は韓国では失われた気概を持つ人物」くらいのことを言ってそう。

 で、このキム・ジョンウンの態度に対して南北共同連絡事務所を開設168億ウォンをかけて建設し、さまざまな「北朝鮮への利益を約束した」と。
 「いただき委員長ジョンウンちゃん」じゃん。
 ちょろいというかなんというか。

 こんなのにフルベットして「終戦宣言を」だの「制裁を解除すべきだ」だの世界に向けてアピールしていたわけですから。
 そして欧州歴訪では最初の訪問地フランスでマクロン大統領に「制裁解除してください」「いや、非核化が先」って言われて。
 ついでイギリス、イタリア、ドイツ、EUにも「非核化が先でしょ」って諭すように言われる始末。
 挙げ句の果てにそれらのどこかの首脳から「あの人(ムン・ジェイン)は少しおかしい人ではないか」って話が伝わってきたほどでしたからね。
 あ、ちなみにこの欧州各国からこうした扱いを受けたのは日本のロビー活動の成果だったとの認識だそうです。

 これらの行動の根本に、キム・ジョンウンによっていただかれていた状況があったとするなら、なんというかまあ……「外交は個人間によるものだ」って部分もあるのだな、と呆れながら肩をすくめるしかないですね。

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ムン・ジェイン、回顧録で「GSOMIA破棄は韓国国民からの支持を得ていた。間違いじゃなかった」と叫ぶ……当時の状況を再録してみましょうか?

<文前大統領回顧録出版>GSOMIA終了決定関連「世論調査結果圧倒的」…米国側の大きい失望呼ぶ(中央日報)
「心が狭い姿」「度量のない国」「墜落する国」…。

文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は17日に公開された回顧録のうち対日外交を取り上げた12章「二度と負けません」でこうした表現により強×徴△関連問題に対する日本の態度を批判した。

特に日本の輸出規制措置(2019年7月)に対応し1カ月ほど後に韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了を決めた当時、「世論調査の結果われわれの判断が正しいという確実な後押しを得ることになった」と明らかにした。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の指示で韓国政府がGSOMIA終了と維持を問う世論調査を実施した結果、「終了」を求める回答が圧倒的だったとしながらだ。

文前大統領は「世論調査の結果を見て判断をしたものではなく、当然の論理的帰結だった」としながらも「韓日関係だけでなく韓米日3カ国の間で非常に敏感な問題だったため国民の世論まで聞いて最終判断をしようと思った」とその背景を説明した。だがこれは重要な外交安保政策を世論調査に依存して決めたという意味に解釈される恐れがある。当時GSOMIA終了決定に米国が大きな失望を示し、韓国政府が国内政治的脈絡で対応して同盟に否定的影響を及ぼしたという批判も提起された。 (中略)

これと関連し米国の関与にも言及された。バイデン政権発足後に米国が強●徴△問題を韓米日安保協力を損ねる事案と判断し「米国の共同基金参加」などを通じて問題解決に出ようとしたということだ。文前大統領は「その解決方法を提案したキャンベル調整官に尋ねたところ、まだ日本と協議はできていなかったが、韓国さえOKすれば日本はすぐ説得できないだろうかとした。ところが日本はその提案も断った」と話した。
(引用ここまで)


 いやぁ、あの「GSOMIA騒動」はいま思い返してもすごかった。
 普通に考えれば日韓GSOMIAを破棄するなんてことはあり得ないのですよ。
 これはありとあらゆる国政政治評論家やウォッチャーに共通した意見だと思います。
 国内世論からそうした突き上げがあったとしても、外交安保としてやってはいけない一線が存在し、日韓の場合でいえばGSOMIA破棄はまさにその一線でした。

 いいとこ、「破棄するぞ、いいのか?」ってプレッシャーをかけるくらいですが……。
 破棄を事前にアメリカにも知らせず唐突に発表。
 「GSOMIA」「日韓合意(2015年)」と日韓関係の修復に骨を折ったアメリカのメンツを潰して、長官、高官クラスから「遺憾」「失望」の連発を食らってましたからね。
 ちょっと当時のエントリを見てみましょうか。

 まず、ここからスタート。
速報:韓国政府、日韓GSOMIAの破棄を宣言……え、なに考えてんの?(楽韓Web過去エントリ)

 アメリカ激オコ。
アメリカ、韓国のGSOMIA破棄に激オコ。ポンペオ国務長官「失望した」→ 国防総省報道官「強い懸念と失望を表明する」……まあそれもそのはずで……(楽韓Web過去エントリ)
韓国、ようやくアメリカがGSOMIA破棄でガチ切れモードになっていることを理解しはじめた模様。在韓アメリカ大使館が「深い失望」を翻訳して伝えるまでして、ようやく(楽韓Web過去エントリ)

 ムン・ジェインは言い訳三昧。
ムン・ジェイン「GSOMIA破棄の原因は日本」「韓国は防波堤として日本の安保に貢献してる」……なに言ってんだ、こいつ(楽韓Web過去エントリ)

 そして撤回へ……。
速報:韓国政府、GSOMIA破棄を撤回。「条件付き延長」へ(楽韓Web過去エントリ)

 後日談。
韓国のGSOMIA破棄、および撤回は「砲火を交えない戦争」であった……彼我の戦力差を勘違いして戦いを挑んできた韓国。また同じことが起きる?(楽韓Web過去エントリ)

 あれが外交的な失敗じゃなかったっていうなら、この世に「失敗した外交」ってものが存在しなくなるレベル。


 韓国ウォッチャーが常に言ってた「ムン・ジェインはすごいぞ。本物だぞ」って話が世間一般に浸透した瞬間でもありましたね。

 そして日本はまるでうろたえずに「まあ、韓国が決定したことにこちらから口を出すことはない」で終始。
 アメリカは韓国に圧力を加え続けて失効前日に破棄を撤回(言い分は「破棄宣言の停止」「いつでも破棄できることを保留する」でしたっけ?)。
 GSOMIA破棄でアメリカを動かし、日本をやりこめようとした野望は潰えたのでした。

 ムン・ジェインの回顧録でそのあたりには一切触れることなく「世論調査で是認された」「後押しを得た」とかもう政治家として致命的な話をしていると。
 世論調査で支持があった……かぁ。
 まあ、終始ポピュリストであったムン・ジェインには大事な部分かな。

 あといわゆる「基金案」でアメリカを巻きこもうとしていたのは初見。
 でもまあ、そんなもん日本が賛成するわけもないわな。
 アメリカをなんとかして巻きこんで日本を屈服させようって意識が見えすぎてて草しか生えない。
 そりゃ断られて当然。本当に政治的センスゼロだったな。

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韓国前大統領ムン・ジェイン、米朝首脳会談で行われた「ある密約」を暴露してしまう……

<文前大統領回顧録出版>「米国、連合訓練中断を明文化すべきだった」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が17日に公開した外交安保回顧録『辺境から中心へ』で、2018年のシンガポール朝米首脳会談の結果に、交渉期間中、北朝鮮の核・長距離ミサイル試験猶予に対する措置として韓米連合訓練の中断を明文化するべきだったと主張した。これを相互間の「レッドライン」(越えてはならない臨界点)に比喩しながらだ。

この回顧録は、文政権で青瓦台(チョンワデ、大統領府)秘書官、外交部第1次官などを務めた崔鍾建(チェ・ジョンゴン)延世大教授が質問をして文氏が答える対談集形式で、655ページ分量。文氏は2018年の6・12シンガポール朝米首脳会談について「史上初めて朝米首脳を向き合って座らせるのに成功した」とし、仲裁者としての役割を浮き彫りにした。しかし「我々としてはテーブルを整えたが、十分に反映されなかったのが残念だった」と振り返った。

特に韓米連合訓練を戦略的カードとして活用した状況を紹介した。シンガポール首脳会談前に朝米間で大規模韓米連合訓練中断に関する「口頭の合意があった」ということだ。非核化交渉中、北朝鮮は核と大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験をせず、米国も大規模な連合訓練を中断するというのが骨子であり、文氏は「(朝米が)言葉だけで約束し、共同宣言文には明示せず、後に連合訓練がずっと問題になった」と伝えた。さらに「それを宣言文に盛り込んでいれば、北が核実験をしたりICBMを発射したりすればレッドラインを越えることになるように、米国側も大規模な連合訓練をすればレッドラインを越えることになるため、互いに合意違反の責任を負ったはず」と主張した。

しかしこれは事実上、以前から朝中ロが要求してきた「双中断(北朝鮮の核ミサイル実験と韓米連合訓練の同時中断)」を事実上受け入れるとものとみられる。合法的で防御的な性格の韓米連合訓練を北朝鮮の不法な挑発と同じレッドラインに比喩しながら対等交換するという側面でも、批判を受ける可能性がある。

文氏は2019年2・29ハノイ第2回朝米首脳会談の「ノーディール」についても「トランプ大統領と米国の交渉チームは北の提案内容さえも正しく理解できなかった」と指摘した。「(寧辺廃棄)約束を私が平壌(ピョンヤン)南北首脳会談(2018年9月18、19日)で受けたため(米国が)相応の措置さえ講じれば立派なディールになるはずだったが、(米国が)これを拒否するとは全く考えていなかった」ということだ。 (中略)

文氏はシンガポール首脳会談の前日の2018年6月11日、トランプ大統領との電話で「朝米首脳会談がうまくいく場合、望むなら会談後に私がその場に合流することもできる」と話したという。「望むなら3カ国間で終戦宣言をしたり終戦宣言を議論することもできる」と述べたということだ。また「望むならいつでも行けるよう、その日の日程を空けて待つと伝えた」とし「実際に日程を空けて見守ったが、米国からはいかなる返答もなかった」と明らかにした。対談者の崔教授は「会談直前に安保室が米国に最後に送ったメッセージは、米国と北だけで終戦宣言をしてもかまわないというものだった」と紹介した。
(引用ここまで)


 ムン・ジェイン前大統領による外交安保についての回顧録が出版されまして。
 中味がだいぶすごい模様。

 「米朝首脳会談をお膳立てしたのは我々だ」
 「米朝間で北朝鮮がICBM試験と核実験をしない代わりに、アメリカは米韓軍事演習をしないとの密約があった」
 「ハノイでの決裂はあり得ないものだった」
 「アメリカが北朝鮮にシンガポール会談の中止を言い渡したのは外交非礼だ」
 「我々は中止を聞かされることはなかった」
 「再開されたシンガポールでの米朝会談に対して『必要なら3カ国で会談しよう』と連絡したが、アメリカから返信はなかった」


 まあ……ムン・ジェインの主観部分を取り除くとこれまでマクマスター特別補佐官やボルトン特別補佐官によって語られていたこととそんな変わらないかな。
 「北朝鮮とアメリカ間で核実験・ICBM試験と米韓軍事演習を相互停止する口約束・密約があった」って暴露が目新しいことですかね。
 確かにさんざん、韓国は……というかムン・ジェイン政権は徹底して米韓軍事演習を避けてきたのですよ。

韓国軍、最後まで日本・アメリカとの大規模な合同軍事演習を行わずにムン・ジェイン政権が終了……(楽韓Web過去エントリ)

 だからといってそれがこの密約の証拠になるかと言ったらちょっと厳しい。
 ただ単にムン・ジェインが北朝鮮におもねっていただけって可能性のほうが強いですからね。
 うーん、やっぱりこの本は入手して読まざるを得ないか。和訳……出ないだろうなぁ。

 あ、それとシンガポール会談前に「必要なら私もシンガポールに行く」ってアメリカに言っていたそうですよ。スケジュールを空けてまで。
 でも、アメリカはムン・ジェインに連絡することはなかった、と。

トランプ政権時代の外交高官「ムン・ジェインは北朝鮮に譲歩しようとしすぎたので、シンガポールでの米朝首脳会談から排除された」……ですよねー(楽韓Web過去エントリ)

 「米朝首脳会談のお膳立て」をしたのに排除された、ってオチでした。
 当時、「仲裁者としてノーベル平和賞も」とか韓国メディアが騒いでいましたが「わたしはノーベル平和賞などいらない。ほしいのは平和だけだ」とか言ってたっけなぁ(笑)。

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トランプ政権時代の外交高官「ムン・ジェインは北朝鮮に譲歩しようとしすぎたので、シンガポールでの米朝首脳会談から排除された」……ですよねー

トランプ氏側近「文前大統領は北に譲歩し過ぎるのでシンガポール会談から排除した」【独自】(朝鮮日報)
 再度のホワイトハウス入りを目指す米共和党の大統領選候補、ドナルド・トランプ前大統領の側近らが大挙して執筆に参加した書籍『米国の安全保障のためのアメリカ・ファースト・アプローチ(An America First Approach to U.S. National Security)』が、9日に出版された。ワシントンの政治関係者の間では事実上の「トランプ引き継ぎ委員会」で通用する、親トランプのシンクタンク「アメリカ・ファースト政策研究所(AFPI)」が企画した、342ページのこの書籍を巡っては、トランプ第2期政権の外交・安全保障政策の哲学と方向性が盛り込まれているとの評がある。ロバート・ライトハイザー元米国通商代表、リック・ペリー元エネルギー省長官、チャド・ウルフ元国土安全保障省長官代行、ロバート・ウィルキー元退役軍人省長官など16人が同書の共著者として名を連ねた。

 モーガン・オータガス元国務省報道官は同書で、2018-19年の米朝対話と2度の首脳会談を「アメリカ・ファースト外交の成功事例」と記した。「米国の国力、大統領のリーダーシップ、力による平和、同盟と共に働きはするが時には米国が国益に基づいて単独行動することもあり得るという警告などが一体となった結果」だとした。オータガス氏は、当時の文在寅(ムン・ジェイン)大統領について「米国は文大統領の話を聞きはしたが、彼が望んでいたよりも北朝鮮に対し強硬な態度を取った」とし「文大統領はあまりに北朝鮮に譲歩しようとする意図が強かったので、故意に彼をシンガポール会談から排除した」とつづった。故・安倍晋三首相については「トランプ氏との個人的な絆が米日関係を強化し、共通の目標を追求する上で核心的な役割を果たした」と評した。
(引用ここまで)


 「もしトラ」がささやかれる中、トランプ政権時代の政府高官らが「次にはこのようにする」との書籍を出版しています。
 この書籍中に対北朝鮮外交についての評価がありまして。
 「アメリカは同盟を尊重するが、国益に基づいて単独行動を取ることもある」との文脈で描かれているそうです。

 で、その中に「ムン・ジェイン大統領があまりにも北朝鮮に譲歩しようとするので、シンガポールでの米朝首脳会談から排除した」との記述があったと。

 当時の証言から「ムン・ジェインは米朝首脳会談に関与をしようとしてきたが、キム・ジョンウン国務委員長はそれを望まなかった」としています。
 キム・ジョンウンは「ムン・ジェイン側から『アメリカの意向』として聞かされることと、アメリカが実際に自分に言っていることがあまりにも違っている。ムン・ジェインを排除するしかない」としていたことが知られています。

ムン・ジェイン前大統領、キム・ジョンウンから「あいつは排除してトランプ大統領とだけ話し合いたい」と言われてた……あ、やっぱり(楽韓Web過去エントリ)

 シンガポールでの第1回米朝首脳会談にムン・ジェインは行く気満々だったのですが、排除されたと考えて間違いないでしょうね。


 ちょうど、板門店でのキム・ジョンウンとトランプ大統領の対話(会談ではない)で、「おまえ、この控え室で待ってろ」って1時間ほど閉じ込められたムン・ジェインと同じ構図ですね。

板門店米朝会談:韓国政府「南北首脳がまず会って、トランプ大統領を紹介するという形で」→アメリカ「必要なのは米朝会談だけ。ムン・ジェインは控え室で待ってろ」(楽韓Web過去エントリ)

 仲介者気取りで米朝間を取り持ったのは自分なのだってしゃしゃり出ようとして失敗したのが「歴史的事実」として認識されたといっていいでしょう。

 この記事のNAVER版には4400を超えるコメントが書きこまれています。かなりの大事件レベルといっていいコメント数。

「文、北朝鮮に譲歩しようとしてシンガポール会談から除外させられた」(朝鮮日報・朝鮮語)

 ちょっと面白いのは、ムン・ジェインの自伝が来週発売されるタイミングなんですよ。

ムン・ジェイン回顧録、ベストセラー1位… 20日正式出版(ニューシス・朝鮮語)

 すでに予約だけで1位になっているとのこと。
 うーむ、これは読んでみたい。
 世間で言われている米朝首脳会談、南北首脳会談の話とムン・ジェインの自認している話がどれだけ乖離しているかチェックしたいですね。

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ムン・ジェイン前大統領「軍事境界線近辺の北朝鮮監視所は軍事合意によって撤去され、より平和な南北関係が近づいた」→嘘でした

北朝鮮の監視所撤去検証に不備か 韓国国防部「事実関係確認中」(聯合ニュース)
韓国と北朝鮮が2018年の軍事合意を受け非武装地帯(DMZ)にある監視所(GP)をそれぞれ撤去し相互に検証したものの、韓国側の検証が不十分だったとの疑惑が取り沙汰されていることについて、韓国国防部のチョン・ハギュ報道官は15日の記者会見で「事実関係を確認中」と述べた。

 同疑惑は申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官が10日に行われた聯合ニュースとのインタビューで初めて提起した。申氏は北朝鮮が昨年11月に南北軍事合意の破棄を宣言した後、破壊した監視所の復元を進めているとし、「(撤去した)当時、北は地上に見える監視所だけを破壊し、残りの地下施設には手をつけなかったものとみられる」と指摘。修理すればすぐに使える程度の破壊だったのではないかなどと述べた。

 南北は文在寅(ムン・ジェイン)前政権下の2018年に軍事合意を締結。合意に基づき、非武装地帯内の監視所のうち、試験的に各10カ所を撤去し、1カ所ずつは火力装備などを撤去し建物のみを保存した。撤去作業後には南北からそれぞれ77人が相手側の監視所跡を訪問して検証作業を行った。当時、韓国軍当局は北朝鮮側の監視所が完全に破壊されたと発表した。

 しかし北朝鮮が合意破棄の宣言後、速いスピードで監視所の復元を進めたため、監視所の地下施設が残っていた可能性が指摘されている。また、撤去された北朝鮮の監視所の検証作業が十分でなかったとする報告があったにもかかわらず、当局が黙殺したとの報道も出た。
(引用ここまで)


 9・19軍事合意、というものがありまして。
 ざっというと、軍事的緊張を緩和するための北朝鮮と韓国の申し合わせ。
 2018年の9月18日にムン・ジェインとキム・ジョンウンが会談した南北首脳会談で合意が行われたことから、9・18軍事合意と呼ばれます。
 主要な項目は以下の三点。

・DMZ(非武装地帯)付近の軍事施設を縮小し、偵察等をなくしていく。
・JSA(板門店共同警備区域)の自由往来を推進していく。
・NLL(北方限界線=海上の軍事境界線)での敵対行為も全面中止。

 まあ、ひとつとして北朝鮮は守っていなかったのですけどね。
 当時、ムン・ジェインは特にNLL、北方限界線について北朝鮮に認めさせたことを「大きな意味がある」と自画自賛していました。
 NLLはいわば海上の軍事境界線ですが北朝鮮は認めていません。下の図で青が韓国が主張するNLL、赤が北朝鮮の主張する海上軍事境界線。

nll.png
(画像引用元・Wikimedia

 ムン・ジェインは「南北の海上境界がNLLに統一されたのだ」「平和の海になったのだ」と胸を張っていたのですが。

文大統領 「軍事合意は北韓にNLL認めさせた」(KBS WOLRD)

 ま、嘘でした。

ムン・ジェイン「北朝鮮は韓国の主張する海上境界線を認めた」と主張→嘘でした(楽韓Web過去エントリ)

 9・18軍事合意のあとも毎年、「NLLを認めない」とする通信を2000〜5000回以上送っていたことが判明しています。


 一事が万事、こんな感じで。
 先日、延坪島付近への砲撃があった海岸砲についても、9・18軍事で砲門開放をやめるはずだったのですが、北朝鮮側は一度として閉じることはなかったとのオチに終わり、かつ先日の砲撃(3日連続)に至ったわけです。

 NLL付近でこうなのですから、DMZ(非武装地帯)付近についても同様でしょう。
 北朝鮮は160以上ある監視所のうち、軍事境界線に近い11ヶ所(のちに10ヶ所に変更)について撤去したとしていました。
 ですが、地中施設についてチェックするレーダーの持ちこみ等が妨害され、検証できなかったとされています。

「北が解体した」監視哨所、検証も行わず信じてしまった文前政権(朝鮮日報)

 これについてもムン・ジェインは騙されていたと。
 当時から知っていて黙認したのか、それとも調査側が報告しなかったのかは不明ですが。
 ムン・ジェインが間抜けであった、としか言いようがないなぁ……。
 とにかく北朝鮮との融和を宣言していた5年間でしたが、なにひとつとして成し遂げることができなかったわけです。

 結果として韓国の資産であるはずの金剛山のホテルは「みすぼらしい」として撤去され、南北連絡事務所は爆破されたと。
 まあ、面白おかしい5年間ではありましたよ、実際。

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韓国人公務員が船から落ちて漂流→北朝鮮当局に射殺された事件、当時のムン・ジェイン政権はすべてを把握しながらも「生存しているように見せかける」ために事故現場の捜索だけをしていた……醜悪だわ

「文政権、西海公務員射殺を把握しながら…生存しているように捜索」(中央日報)
38時間漂流した韓国の国民が北朝鮮海域で発見されたが、北朝鮮に救助された後に報告すれば済むと考えて早く退勤した。そして北朝鮮には救助してほしいという通知もしなかった。北朝鮮軍が韓国国民を射殺した後には、まだ生存しているかのうように捜索作戦を続けて国民を欺き、関連文書を破棄した。そして自ら越北したかのように見せかけるため、存在しない情報も捏造した。

監査院が7日に発表した海洋水産部公務員イ・デジュン氏射殺事件に対する監査の結果で表れた政府当局者の一連の行動だ。監査院は、2020年9月に西海(ソヘ、黄海)上で北朝鮮軍に銃撃されたイ氏の事件に対する青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府の対処が「違法で不当な業務処理」だったという結論を出した。

監査の結果、国家安保室と国防部は2020年9月22日午後9時40分ごろ、北朝鮮軍により李氏が射殺された事実を認知したが、対外的には依然として失踪(生存)状態のように見せかけて隠蔽した。9月23日午前1時に開いた関係長官会議で安保室が「西海公務員射殺・焼却事実に対する保安維持」指針を命令すると、国防部と合同参謀本部は一糸乱れず動いた。当時の会議は終戦宣言の必要性を強調した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の国連演説の録画が放送される直前に開かれた。

合同参謀本部は安保室の指針に従って関連情報報告書60件を削除し、国防部は9月23日午後1時30分ごろ、イ氏が射殺されてから15時間ほど経過していたが、記者団にイ氏が依然として失踪状態だというメッセージを送った。さらに海洋警察はイ氏に対する失踪者捜索活動を続けた。捜索活動を終了する場合、イ氏が射殺された事実が露出するという懸念から最初の失踪地点で「偽の捜索」をしたということだ。

これは事実上、韓国国民の安全と生命よりも南北関係改善を優先視した結果だった。実際、保安維持指針が出た23日、関係長官会議後に一部の秘書官の間では「国民が後に知ることになれば大変なことになる」「透明に公開するのがよい」という趣旨の対話があったという。

政府はその後も対北朝鮮世論の悪化を防ぐの心血を注いだ。9月25日に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「本当に申し訳ない」として通知文を送り、青瓦台はこれを直ちに全文公開する一方、文大統領と金正恩委員長の親書交換事実まで明らかにして雰囲気の反転を図った。

「(李氏射殺は)金正恩委員長の指示ではない」(当時の朴智元国家情報院長)、「(北の最高指導者が)今回のように迅速に具体的な内容に言及しながら謝罪した事例はなかった」(当時の李仁栄統一部長官)など北朝鮮の蛮行に免罪符でも与えようとする「援護射撃」が続いた。

北朝鮮軍の韓国国民射殺および遺体焼却という事件の本質を隠すために意図的に「独自越北」フレームをかぶせた状況も確認された。特に当時の青瓦台国家安保室・国家情報院・国防部・統一部・国家情報院などは明確な根拠が確保されていないにもかかわらず「イ氏が自ら北に渡った」という結論を定め、報告内容と中間捜査結果を調整したことが分かった。 (中略)

文在寅政権がイ氏射殺事件の深刻性をまともに認知していたかも疑問だ。イ氏が生存状態で北側の海域に漂流していた当時、安保関係部処・機関は関連状況をお互いまともに報告しなかった。

さらに当時の徐薫(ソ・フン)安保室長と徐柱錫(ソ・ジュソク)安保第1次長は、イ氏が北側海域で漂流していて状況が終結していない状態で退勤した。当時のカン・ゴンジャク国家危機管理センター長も、北朝鮮がイ氏を救助すれば「状況終結報告」ですべての対応が終わると判断し、事件発生当日の9月22日午後7時30分ごろ退勤した。国防部はイ氏の身辺安全保障を促す電話通知文の発送も検討しなかった。
(引用ここまで)


 2020年9月22日(この日付が重要です。後述)に黄海で船から落ちた韓国の公務員が漂流して、NLL(北方限界線)を越えて北朝鮮側に入ってしまったという事件がありまして。
 最終的に北朝鮮軍によって射殺され、遺体が焼却されるという事件に発展しました。
 当時、ムン・ジェイン政権はこの事件 ── 当初は事故だったのですけども ──を受けて、なにをしたのかというと。
 なにもしなかったのですね。

 あ、いや。
 一応、行動は起こしています。
 たとえば大元の船に対して「ライフジャケットの数をカウントしろ」と3回要請しています。

韓国当局「北朝鮮に韓国国民が逮捕されました!」→さて、ムン・ジェイン政権が最初にした命令はなーんだ?(楽韓Web過去エントリ)

 落ちた人物が最初からライフジャケットを着ていたのだったら、故意に落ちて「越北」を狙っていたことが証明できると考えたようですね。
 ただ、船のほうにその意図が伝わらなかったらしく、3回とも「すべてのライフジャケットは揃っています」と回答されたそうです(笑)。

 要は救助のための行動はいっさい起こさなかったってことです。


 そうした自分たちの行動を糊塗するために「件の公務員はギャンブルで多額の借金を作っており、韓国では追いこまれたので越北したのだ」とのストーリーを組み上げています。
 ちなみに借金額は水増しされていたそうですよ。
 自分たちの不作為をごまかすために、ですね。

 その偽装工作を主導したのは当時のソ・フン国家安全保障室長、および国防部長官(防衛大臣に相当)、海洋警察庁長官だとされています。
 全員が逮捕されて公判中。
 ちなみに国防部長官(当時)からは「関連資料をすべて削除せよ」との命令があったのですが、法令違反であったために現場ではローカルデータだけを削除して大元のデータは残していました。
 それが裁判の証拠として採用されていたりもします。

韓国前政権、自国民が北朝鮮に逮捕→射殺された事件で「傍受した通信記録はすべて消去せよ」と命令を出していた……歪みねえなぁ(楽韓Web過去エントリ)

 件の元長官は「大元のデータが残っているのだから削除の命令なんて嘘だ」とか言っているそうですが。

 なぜこのような行動に出たか、ですが。翌日の2020年9月23日にムン・ジェインの国連演説が控えていたためではないかとされています。
 演説内容は北朝鮮との終戦宣言を出すべきだ、とするものでした。

ムン・ジェイン「来年は朝鮮戦争から70年。そこで終戦宣言を出すべきだ」……なお、具体的な手段、アイディアはなにもない模様(楽韓Web過去エントリ)

 そんな中、北朝鮮当局によって自国民が射殺されていたという事実は、実に「具合の悪い」ものだったのですね。
 というわけでなにもかも隠蔽し、かつまともに捜索もせず「彼は自ら越北したのだ」とのストーリーを作り上げた……と。

 ムン・ジェイン政権の醜悪さをこれでもかとばかりに見せつけるものとなったわけです。
 今回の監査結果でさらに逮捕者が増える模様。
 なお、月曜日には監査で「当時のムン・ジェイン大統領の直接的な関与があったのか」が発表されるそうですよ。

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