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カテゴリ:イ・ジェミョンの記事一覧

イ・ジェミョン「人は私を『韓国のトランプ』などと呼ぶが、私はあくまでも現実主義者だ」……WSJが「次期大統領有力候補」としてイ・ジェミョンにインタビュー、か

カテゴリ:イ・ジェミョン コメント:(100)
イ・ジェミョン「ある人は私を韓国のトランプと呼ぶが……私は現実主義者」(聯合ニュース・朝鮮語)
共に民主党イ・ジェミョン代表は9日(現地時間)「ある人々は私を「韓国のトランプ」と呼ぶ」と話した。

李代表はウォルストリートジャーナル(WSJ)がこの日に掲載したソウル発インタビュー記事で自分を「極左」ではないとしながら「私は現実主義者」としてこのように明らかにした。 (中略)

イ・ジェミョン代表はWSJとのインタビューで、対中国関係について、「尹錫悦大統領が中国との緊張を不必要に高めた」と述べた。

イ代表は戒厳事態と関連して、ユン大統領の弾劾訴追案が国民の力の不参加で廃棄されたことと関連して「私たちは彼を弾劾し正常な民主主義を復元しなければならない」と明らかにした。

また、ハン・ドンフン国民の力代表のいわゆる「秩序あるユン大統領早期退陣」方針などについては、韓代表と与党による「第2の内乱行為」と述べた。
(引用ここまで)


 ウォールストリートジャーナルが「実質的な次期韓国大統領」としてイ・ジェミョンを扱い、インタビューしています。
 で、その中で「私はhyperpartisanではない。現実主義者である」としているのですが。
 hyperpartisanは「極端に党の方針に乗っ取っている人間」って意味。ここでは「極左」って意味合いですかね。
 まあ……イ・ジェミョンが実際に大統領になった場合の経済政策とか見えてないですから、そのあたりはなんとも言えません。
 前回の大統領選挙ではベーシックインカムを提唱していたので、「大きな政府主義」ではありますね。

 外交については反日反米であることは間違いないところ。
 かつて「台湾にも中国にもシェイシェイと言っておけばいい」「台湾海峡がどうなっても我々には関係ない」と発言したように、台湾有事なんか韓国の知ったこっちゃないといった思想の持ち主。
 下手したら台湾有事の際に在韓米軍の基地を補給にすら使えない可能性すらあります。


 現実主義者……なぁ。
 主観ではほぼ全員が「自分は普通」って思っているわけで。
 イ・ジェミョンの「普通」は、標準偏差からかけ離れてるんだよなぁ。

 ムン・ジェインが就任した際も「内政はまあいいけど、外交はどうなるんだ」って周囲から見られて、結果はあれでした。
 象徴的だったのは──

・ヨーロッパ歴訪で北朝鮮への制裁解除を要請
    ↓
・会談したヨーロッパの首脳全員から「非核化が先」と反論
    ↓
・そのうちひとりからは「彼はちょっとおかしい人なのでは」と評価
    ↓
・なぜか最終的には日本のせいにされていた

 ……なんてのでした。
 イ・ジェミョンはこれすらをも上回ってくる可能性があります。

 本当に東アジア情勢の悪い意味でのキーパーソンになりかねない。
 そんなのが「次期大統領有力候補」(当選確率90%以上)としてWSJに紹介されているしんどさよ。

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わずか2時間で韓国の戒厳令解除、「ユン・ソンニョルの乱」終結……これからの韓国でなにが起こるのかを解説しましょう

「非常戒厳解除要求決議案」本会議可決…「戒厳宣言無効」(聯合ニュース・朝鮮語)
国会は4日、本会議を開き、非常戒厳解除要求決議案を可決した。

同日の本会議で、非常戒厳解除要求決議案は、在席190人、賛成190人で可決された。 国民の力所属の親ハン(親ハン・ドンフン)系議員18人と野党議員172人が可決投票した。 (中略)

憲法第77条5項には「国会が在籍議員過半数の賛成で戒厳の解除を要求した時には大統領はこれを解除しなければならない」となっている。
(引用ここまで)


 ユン・ソンニョル大統領は3日11時頃に戒厳令を発令しました。
 一切の政治行動を禁じるなどして、一気に韓国が混沌に陥れられたのですが。
 日経の第一報を受けての楽韓さんのXのポストこちら。



 「わけがわからない」って状況をよく物語ってますね(笑)。

 そこから実況モードに入ったものの、国会に議員らが三々五々集まって190人ほどが出席。
 翌4日1時頃には国会で戒厳令発令の解除を賛成多数で可決。
 法的にはこの時点で戒厳令は終わりました。
 約2時間で「ユン・ソンニョルの乱」は終結したわけです。

 同時にユン・ソンニョル大統領の政治生命も終わりました。
 国会が正常化したらユン・ソンニョルの弾劾案が提出されるでしょう。
 そして、与党からの造反票が出て可決されます。もうこれは既定路線。
 今回の戒厳令発令が「違憲行為」と認められて、憲法裁判所も弾劾を認めるでしょうね。


 そしてイ・ジェミョン大統領が爆誕します。
 現在のところ、この未来が現実化する確率は70%以上。……もはや80%以上、なんなら確定しているまであるかな。

 いやぁ、参った。
 イ・ジェミョンが2022年の選挙で落ちた時、楽韓Web的には「ムン・ジェイン時代よりもアクセスがなくなるだろうな」と思ったのですが(なお杞憂だった。ピークは下がっても平均アクセスはむしろ上がってます)。
 東アジア情勢にとっては悪くない結果だと思っていたのです。
 どう考えてもイ・ジェミョンは不安定要素でしかなかったからです。

 そのイ・ジェミョン政権が想定していたよりも2年半も早く生まれることになってしまった。
 司法リスクももはや消滅したも同然です。

 あ、それと韓国から保守勢力も消滅しました。
 その代わりに「半島リスク」が生じましたね。
 トランプ−イ・ジェミョンの米韓怪談会談がいまから楽しみでしかたないですよ。

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イ・ジェミョン、偽証教唆では無罪判決! ただし、「偽証そのものはあった」として教唆を受けた側は有罪……これは荒れそうだな

偽証はあったが偽証教唆はなかった…検察の代わりにイ・ジェミョンの手を上げた裁判所(聯合ニュース・朝鮮語)
裁判所が共に民主党のイ・ジェミョン代表の偽証教唆疑惑に対して無罪と判断したことには、イ代表の証言要請に偽証の故意性が立証されないという判断が主な要因として作用した。

ただ、イ代表と通話して話を交わし、一緒に起訴された相手に対しては偽証容疑が一部認められ、立場が分かれた。 検察の公訴事実はすべて受け入れられず、検察は当然控訴するものとみられる。

これに伴い、色々な行為の中で偽証と認定された行為、偽証教唆と評価されない行為に関する1審宣告結果を巡り、今後2審で検察とイ代表の間に再び激しい攻防が予想される。

ソウル中央地裁刑事合議33部(キム・ドンヒョン部長判事)は25日、偽証教唆の疑いで在宅起訴されたイ代表に無罪を言い渡した。 偽証の正犯で起訴された故キム·ビョンリャン前城南市長の秘書出身であるキム・ジンソン氏に対しては罰金500万ウォンが宣告された。

裁判所は、金被告に対しては一部の証言に偽証した事実を認めたが、偽りの証言を教唆した疑いを受けている李代表は無罪だと判断した。
(引用ここまで)


 イ・ジェミョンの偽証教唆について、ソウル中央地裁は無罪判決を出しました。
 ただ、偽証をした側である元城南市長秘書であったキム・ジンソンには偽証で罰金500万ウォンの有罪判決。
 「偽証はあったが、偽証教唆はなかった」とするややねじれた判決となりました。

 といったわけで現在の星取り表はこんな感じになりました。

・1テジャンドン開発不正 背任 / 利害衝突防止法違反
・2ウィレ新都市開発不正 旧腐敗防止法違反
・3ペクキョンドン開発不正 背任
・4城南FC違法後援金 第三者供賄 / 犯罪収益隠匿
・5偽証教唆 (2020年の公職選挙法違反裁判での)偽証教唆
   (地裁判決:無罪)←NEW!!
・6公職選挙法違反 虚偽事実公表(2020年判決のものとは別)
   (地裁判決:懲役1年執行猶予2年)
・7北朝鮮違法送金 第三者供賄 / 外為取引法違反 / 南北交流協力法違反

 1〜4については裁判がまとめられて同時進行中。
 5〜7は個別に審理されています。


 ただまあ、事実認定のところで微妙な部分もあるので高裁でひっくり返る可能性が充分にあるものと思われます。
 韓国の法曹界、ガチで伏魔殿なので……。

 以前から「公職選挙法違反は無罪でも、偽証教唆は難しい」とされていたのですが、実際には逆の判決となりました。
 今回の無罪判決が確定したとしても、公職選挙法の懲役1年執行猶予2年が確定してしまえば議員失職、かつ10年に被選挙権喪失。
 これからも司法リスクが続くことに変わりはありませんが、ちょっと一息つくことはできたってところかな。

 個人的には一覧表で7番の北朝鮮への送金疑惑がどうなるかを注目しています。
 これ、すでに今年6月には当時の副知事が地裁で有罪判決を受けていて、懲役9年6ヶ月の実刑判決でした。
 さすがに「副知事までは知っていたけども、知事は知らなかった」は通用しないと思うのですがね。

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イ・ジェミョンにさらなる司法リスク……「偽証教唆」で起訴された場合、83%が有罪で懲役刑の判決。確定すれば議員失職+大統領選挙への出馬も不可能に

カテゴリ:イ・ジェミョン コメント:(46)
偽証教唆の1審判決は83%懲役刑……裁判結果に影響を与えたかどうかがカギ(朝鮮日報・朝鮮語)
共に民主党のイ・ジェミョン代表の偽証教師事件に対する1審判決が25日に出る。 15日、虚偽事実公表の疑いで1審で懲役1年、執行猶予2年を宣告されたイ代表が10日ぶりに他の事件で宣告を受けるということだ。

イ代表は2018年京畿道知事選挙の時、過去「検事詐称」事件と関連して「検事を詐称したことはない。濡れ衣を着せられたものだ」と話し、公職選挙法上虚偽事実公表疑惑で起訴された後、裁判過程で証人キム・ジンソン氏に偽りの証言を要求したという疑惑を受けている。 キム氏は検察捜査と法廷で偽証疑惑を認めている。 だが、イ代表は「『覚えている通りに』話してほしいと言っただけ」とし、疑惑を否認している。

裁判所は偽証教唆罪に対して裁判を妨害し、司法秩序を撹乱する犯罪と見て厳罰に処する傾向にある。 本紙が法律データ企業「エルボックス」を通じて2022年以後、偽証教師疑惑だけで起訴された1審判決文65件を分析した結果、被告人71人中59人(83.1%)が懲役刑(執行猶予含む)を宣告された。 罰金刑の判決は11人(15.5%)、無罪は1人(1.4%)に過ぎなかった。

1審で実刑を言い渡されたケースは25人(35.2%)だった。 オ・ヨンホ前慶南宜寧郡守は2014年、組織暴力団のイ某氏を動員して自身に否定的な記事を書いた記者を脅迫し、1審で実刑を宣告された。 これに対しオ前郡守はイ氏に「『脅迫指示を受けなかった』と言ってくれ」と要求した。 当時収監中だったイ氏は出所後、代価を約束され2審で偽りの証言をした。 オ前郡守の偽証教師事件を審理した裁判所は「映画で見られる権力型不正の姿」として懲役8ヶ月を宣告した。 パク・ジュウォン前安山市長は2022年地方選挙を控えて公認を受けるために自身の詐欺事件裁判証人3人に虚偽証言を要求したが摘発され今年6月1審で懲役10ヶ月を宣告され法廷拘束された。

虚偽証言をした人とこれをさせた人が一緒に起訴された場合、裁判所は教唆犯をより重く処罰する。 分析対象判決のうち41件で偽証犯と教唆犯が一緒に裁判を受けたが、このうち37件で教師犯がさらに高い刑量を宣告された。 (中略)

1審で罰金刑を言い渡された11人のうち8人は、犯行を自白しながら反省する点が量刑に酌量された。

イ代表は「キム氏の証言が裁判に役に立たなかった」とし、「偽証を教唆することも、約束を受けることもなかった」と主張する。 反面、検察はキム氏の偽証がなかったとすればイ代表が2018年に起訴された公職選挙法事件で有罪判決を受けたと見ている。 ある判事出身の弁護士は「裁判所がイ代表の疑いを認めても、キム氏の偽証が判決に決定的ではなかったと見れば罰金刑に終わることもありうる」と話した。 李代表が執行猶予を含めて禁固刑以上が確定すれば、議員職を失い、次の大統領選挙に出馬できなくなる。
(引用ここまで・太字引用者)


 25日にイ・ジェミョンが今度は「偽証教唆」の罪について地裁判決が出ます。

 この事件は2002年に弁護士だったイ・ジェミョンが当時の城南市長に対して、ニュース番組のディレクターと共に「私は検事だが、不動産開発疑惑について話を聞きたい」と検事を詐称して証言を引き出そうとしたものです。

 当時、イ・ジェミョンは弁護士として「議員やその親戚に優先的にマンションが分譲されている」「土地用途変更が恣意的に行われている」との疑惑を追いかけていたのですね。
 で、その疑惑を暴こうとそんな行動に出たわけです。
 「盆唐パークビューマンション分譲疑惑」というもの。

盆唐高級マンション分譲疑惑 議員6人ら130人のリスト(東亞日報)

 この記事が一番詳しいかな。


 イ・ジェミョンは検事を騙ったとして「公務員詐称」の罪で罰金刑を受けています。

 んで、この事件について2018年の京畿道知事選挙の間に「検事詐称などしていない。濡れ衣だ」と述べたのですね。
 これが公職選挙法違反に問われて知事職喪失の危機だったのですが、なぜか大法院で無罪判決前提の高裁差し戻し判決が出て九死に一生を得ることができました。
 こちら公職選挙法の裁判がおかしかったって話は昨日のエントリでしていますので、そちらも参照してください。

 この無罪判決が出た公職選挙法違反の裁判で、イ・ジェミョンが偽証教唆をしていた件で25日に地裁判決が出ると。

テジャンドン開発不正 背任 / 利害衝突防止法違反
ウィレ新都市開発不正 旧腐敗防止法違反
ペクキョンドン開発不正 背任
城南FC違法後援金 第三者供賄 / 犯罪収益隠匿
偽証教唆 (2020年の公職選挙法違反裁判での)偽証教唆
公職選挙法違反 虚偽事実公表(2020年のものとは別)
北朝鮮違法送金 第三者供賄 / 外為取引法違反 / 南北交流協力法違反

 この罪状一覧の上から5番目のもの。
 すでに偽証罪で起訴されている「教唆されたほう」のキム・ジンソン氏(当時の市長秘書)は罪を認めています。
 通話記録も提出されていて、イ・ジェミョンから「裁判で『ディレクターと当時の市長がイ・ジェミョンを主犯扱いとすることで合意していた』との証言をしてほしい」との依頼があったことが判明済。

 イ・ジェミョンの犯罪は数が多すぎてこうして解きほぐさないとなにがなんだか分からないのですね。
 でもって、朝鮮日報が調査したところによると偽証教唆で起訴された場合、83%が懲役刑を受けているというのが冒頭記事。
 罰金刑が15%、無罪がひとりだけ。
 罰金になった人々は「罪を認めて反省した」ことが心証をよくした模様。

 なお、イ・ジェミョンは「彼との通話で『事実の通りに話してもらいたい』と言っただけ」として無罪を主張しています。
 これまでの判例だと有罪、かつ懲役刑となりますが。
 注目の判決は明後日。まあ……有罪でしょうね。
 こちらも懲役刑以上(執行猶予の有無関係なし)が確定すれば議員失職、大統領選挙への出馬は不可能となります。

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懲役1年の有罪判決を受けたイ・ジェミョン、さらに来週にはまた地裁判決で司法リスクのスパイラル状態……党内の求心力を急速に失いつつある模様

公選法違反事件で終わりではない…共に民主・李在明代表、25日に偽証教唆事件で一審判決(朝鮮日報)
共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の公職選挙法違反事件で懲役1年、執行猶予2年の一審判決が下され、李代表の司法リスクが一気に現実化した。民主党は無罪判決または100万ウォン(約11万円)未満の罰金刑を予想する向きが多かった。しかし、予想を超える懲役刑が言い渡され、二審以降も李代表が追い込まれた状況で裁判が進む可能性が指摘されている。

 仮に一審判決のまま大法院で刑が確定すれば、李代表は被選挙権が10年間制限され、次の大統領選には出馬できなくなる。さらに、今月25日には公職選挙法違反事件より反論がはるかに難しいとされてきた偽証教唆事件の一審判決も予定されている。このため、金融投資所得税の廃止方針を表明にするなど、最近中道勢力の取り込みを図ってきた李代表が方針を変え、与党との対決をエスカレートさせるのではないかとの見方が出ている。 (中略)

 民主党は判決に衝撃を受けている。これまで民主党議員は、李代表の公職選挙法違反事件について、対外的には「100%無罪」だと主張してきた。党内でも「たとえ有罪となっても、大統領選出馬には支障がない100万ウォン未満の罰金刑が言い渡されるだろう」との予測が支配的だった。同党関係者は「李代表の司法リスクの中で最も難度が低いとされてきた最初の関門で難関にぶつかった」と話した。

 法曹界からは二審以降も李代表には見通しが厳しいとの分析が多く聞かれる。公職選挙法は一審裁判は6カ月、二審以降はそれぞれ3カ月以内に裁判を終えるよう定めている。 (中略)

 2027年3月に行われる次期大統領選前に、一審判決の通りに大法院で刑が確定すれば、李代表は大統領選出馬の道は閉ざされる。このため、今回の判決を契機として、李代表が掌握してきた民主党は屋台骨が揺らぎかねない。李代表は偽証教唆事件、大庄洞事件、サンバンウルによる対北朝鮮違法送金事件などの審理と一審判決を相次いで控えている。民主党関係者は「党が引き続き『李在明擁護組織』として活動することは難しいのではないか」と語った。
(引用ここまで)


 イ・ジェミョンへの公職選挙法違反での有罪判決、それも懲役1年という被選挙権を10年間失うことになる判決は野党である共に民主党に大打撃を与えています。
 何度か書いていますが、野党側は「無罪、有罪でも公民権停止のない軽い判決」を想定していました。
 ですが、実際には懲役1年執行猶予2年と想定外の有罪判決を受けてしまった。

 といったわけで一気にイ・ジェミョンはその求心力を失いつつあるのですね。
 共に民主党はプランBとして、京畿道知事であるキム・ドンヨン知事を擁立しようとの話が出つつあります。

「懲役刑」で揺れるイ・ジェミョン…… 「待望論」が固まるキム・ドンヨン(京幾日報・朝鮮語)

 「キム・ドンヨン、聞いたことあるな……」って思う人もいると思います。
 ムン・ジェイン政権時代、企画財政部長官(財務相に相当)だった人物ですね。


 キム・ドンヨンは経済官僚からの叩き上げだったこともあって、ムン・ジェインの「所得主導成長政策」に反旗を翻したこともあるんですよね。
 まあ、結果として更迭されたんですが(笑)。
 その後、政治家に転身して2022年の地方統一選で京畿道知事になってます。

 ただまあ……キム・ドンヨンは政治家としてはまだ未知数でしかない。
 イ・ジェミョンは無茶苦茶であっても、大統領選挙で0.7%差で惜敗したことがあるわけで。

 んー、難しいところ。司法リスクを抱えているが政治家として顔が売れているイ・ジェミョンか。
 政治家としてはまだ馴染みはないものの司法リスクのないキム・ドンヨンか。

 ちなみにタマネギ男ことチョ・グクは子供の大学受験に際しての書類偽造で実刑判決(懲役2年)を受けて大法院で上告中。
 つまり、司法リスクはイ・ジェミョンよりも高いので大統領候補としてはだいぶ無理です。奇跡的に大法院で無罪判決を受けたら……まあ可能性はだいぶ低いですけどね。

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イ・ジェミョンと野党が繰り広げてきた法廷外戦術での裁判所への圧力、完全に逆効果で「議員資格喪失&大統領選出馬不可」の有罪、懲役判決となる原因だった模様

イ・ジェミョン懲役判決、司法府への圧迫が逆効果だった?「判事が萎縮するだろうか、まったく逆効果だ」(ニュース1・朝鮮語)
民主党はこれまで「イ代表は無罪」として裁判所の無罪宣告を促してきた。100万人を超える無罪要求嘆願書を提出し、無罪嘆願決議大会を開くなど、全方位的に司法府を圧迫しているという批判を受けた。

李代表の強硬支持層は、サンバンウル対北朝鮮送金疑惑事件担当判事の弾劾署名運動に乗り出した。

前日にも親ミョン(親イ・ジェミョン)系最大組織「ザ・民主全国革新会議」が、李代表の裁判が開かれるソウル瑞草区(ソチョグ)のソウル中央地裁前で、李代表の無罪を求める大規模な集会を開いた。 指導部を含む民主党議員70人余りも瑞草洞に集まった。

法曹界では野党のこのような動きがかえって裁判にマイナス要因になったと見ている。 量刑に直接影響を与えなくても、司法府を圧迫しようとする試みが、かえって判事たちの反感を増大させたという分析だ。

裁判を控えて大規模集会を開く場合、無罪を確信してというより「自信がない」という傍証である可能性もあるという解釈もある。 法理争いより場外闘争に集中するという主張だ。

ある判事出身の弁護士は「集会がむしろ逆効果になったようだ。 判事弾劾まで云々しているのだから、判事たちが萎縮するだろうか。 むしろその反対」とし、「疑惑も全て認めず、裁判を2年以上引きずったので、むち稼いだのだ(訳注:「悪いことをして報いを受けた」の意)」と話した。

ある部長検事も「集会がむしろ悪影響を与えただろう」とし、「党に裁判所出身者もいるはずなのに、なぜこのような判断をしたのか分からない」と話した。 (中略)

先立ってチョ・グク革新党代表が子供の入試不正疑惑で裁判を受けた当時には週末ごとに瑞草洞で「チョ・グク守護集会」が開かれた。 チョ代表は2審で懲役2年を宣告され、最高裁の最終判決を待っている。

キム・ギョンス前慶南知事の「ドルイドキングコメント操作」事件裁判の時も支持者が大規模集会を開いた。 民主党は、担当判事が梁承泰(ヤン・スンテ)元最高裁長官と一緒に勤務したという点を問題視した。

キム前知事は2021年に懲役2年が確定し服役した。 22年、復権なしで赦免され、今年光復節特使として復権した。

ソウル家庭裁判所長と監査院長などを務めたチェ・ジェヒョン弁護士は「議員と支持者数千人を動員することは裁判所に対する圧力であり一種の脅迫」とし「政治勢力や影響から独立して裁判しろということが司法部に与えられた使命だが、これを妨害してはならない」と話した。
(引用ここまで)


 イ・ジェミョンへの懲役1年、執行猶予2年という判決は意外であったと受け止められています。
 特に野党である共に民主党界隈では「おそらく無罪、有罪だとしても議員資格喪失には至らないていどの罰金刑」となるだろうとの確信が語られていたのですね。
 どちらかというと、25日に判決のある偽証教唆、あるいは北朝鮮への送金疑惑のほうが司法的にはきついはず……みたいな予想がされていました。

 あに図らんや、確定すれば10年間の公民権停止となる懲役刑。
 野党側、および野党支持層の反発はものすごいものがありまして。
 「韓国の司法は死んだ」とか「とうてい受け入れることのできない判決」とか述べています。

 で、そうした「予想より重い判決」が出た理由として、野党側が続けてきた反対運動が作用したのではないかとするのが冒頭記事。


 裁判所に100万筆を超える無罪判決を求める署名を提出したり、判決当日にも裁判所前で「イ・ジェミョン支持集会」とかやってましたね。
 裁判所からのニュース映像でも延々と「イ・ジェミョン!」ってシュプレヒコールが上がってました。

 法廷での論争ではなく、法廷外での圧力をメインにした時点で心証が最悪になったってことでしょう。
 本来、地裁での審理は「6ヶ月以内に終わらせて判決を出さなければならない」とされているのに、イ・ジェミョンのこの裁判は遅延戦術を繰り広げて2年もかかっています。
 チョ・グクも子供の大学入試で偽造書類を提出した件で延々と一審判決を引き延ばしていましたね。ちなみに一審判決まで3年かかっています。

タマネギ男ことチョ・グクに「息子、娘の大学入試不正等」で懲役2年の実刑判決……なぜここまで裁判が遅延したのか、ムン・ジェインからの圧力だったのでは……(楽韓Web過去エントリ)

 こっちも裁判官の心証を散々悪くしたんでしょうね。
 チョ・グクへの実刑判決、さらには今回の判決を鑑みるに、25日の偽証教唆容疑についてもかなり厳しい判決が出るんじゃないかなぁ……と予想します。

 「地裁判決までは6ヶ月」ですが、「高裁、大法院(最高裁に相当)判決は3ヶ月で出すべき」とされています。
 つまり、イ・ジェミョンの政治生命は余命6ヶ月とちょっと(控訴と上告の期間もあるので)。長めに見ても1年前後ってところかな。
 ユン・ソンニョル大統領の人気はあと2年半。
 よってユン大統領への辞任、弾劾圧力はさらに強まるしかないわけです。

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韓国最大野党代表イ・ジェミョン、公職選挙法違反で有罪判決。判決が確定すれば10年の被選挙権喪失で大統領への夢も潰えてしまう

最大野党代表に執行猶予付き有罪判決 確定すれば次期大統領選出馬できず=韓国(聯合ニュース)
韓国のソウル中央地裁は15日、2022年の大統領選に絡み虚偽の事実を述べたとして、公職選挙法違反の罪に問われた最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の判決公判で懲役1年、執行猶予2年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。

 検察によると、李氏は共に民主党の大統領選候補だった21年、過去に市長を務めたソウル郊外の城南市で起きた大庄洞開発事業を巡る不正事件に関連し、インタビューで事業関係者の職員を「末端の職員だったので知らなかった」と虚偽の発言をした。また、同市の柏峴洞の土地が不正に用途変更された疑惑を巡って「国土交通部が要請した」と虚偽の発言をした。

 地裁はいずれの発言も虚偽であると認めたが、大庄洞開発事業の関係者に対する発言は法律上無罪とし、柏峴洞の土地に関する発言のみを有罪と判断した。
(引用ここまで)


 2022年の大統領選挙中における発言が虚偽であるとして、公職選挙法違反に問われていたイ・ジェミョン。
 まあ、公判やら捜査対象になっているものは山ほどあるので一覧を出しておくと──

・テジャンドン開発不正 背任 / 利害衝突防止法違反
・ウィレ新都市開発不正 旧腐敗防止法違反
・ペクキョンドン開発不正 背任
・城南FC違法後援金 第三者供賄 / 犯罪収益隠匿
・偽証教唆 (2020年の公職選挙法違反裁判での)偽証教唆
・公職選挙法違反 虚偽事実公表(2020年のものとは別) TODAY!
・北朝鮮違法送金 第三者供賄 / 外為取引法違反 / 南北交流協力法違反

 イ・ジェミョンの場合「今日の裁判(聴取)はどれなんだよ」って話になるのですが、今日は下から2番目の公職選挙法違反。

 罪状は、2022年の大統領選挙中に──

 城南市長時代、テジャンドン(地名)の不動産開発に対して便宜を図ったとする疑惑で「キム・ムンギとかいう開発責任者みたいな下っ端は知らない」と述べたこと。
 および、ペクヒャンドン(地名)での土地用途変更で便宜を図ったことについて「国土部(省に相当)から圧力があったのでやむなくやったにすぎない」と述べたこと。

 どちらも検察から虚偽であるとして訴えられていたものです。


 地裁の判断は「どちらも虚偽」であるがキム・ムンギを知らないとした件については無罪。
 国土部からの圧力があったとした発言については有罪。
 判決は懲役1年、執行猶予2年。

 この判決が確定した場合、議員資格を失い、さらに10年間の被選挙権喪失となります。
 次の大統領選挙も、その次の大統領選挙にも出られません。
 即日控訴しているので、判決確定はまだ先になるとは思われます。

韓国野党代表 有罪判決受け「受け入れ難い」=控訴表明(聯合ニュース)

 なお、25日には公職選挙法違反(最高裁で逆転無罪を獲得)に問われた際、証人に偽証教唆を行ったとされているもの。
 こちらはリストの上から5番目。
 これも無罪判決は難しいんじゃないかなぁ。

 ユン大統領への辞職圧力も強くなっていくのは間違いないでしょうね。

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「日本は敵性国家」発言の韓国野党代表イ・ジェミョン、明後日に運命の判決。被選挙権すら失いかねない事態に待ったなし

「生中継」を避けたイ・ジェミョン、司法リスク1次関門「選挙法違反」争点は(ニュース1・朝鮮語)
裁判所が裁判生中継を許可せず、15日に予定された共に民主党のイ・ジェミョン代表の公職選挙法違反疑惑1審宣告に一層耳目が集中している。 (中略)

イ代表は大統領選挙当時、テジャンドン開発事業と関連して「キム・ムンギ前城南都市開発公社1処長を知らない」と虚偽事実を話した疑惑を受けている。

検察は当時、テジャンドン疑惑がふくらむと、イ代表が関連性を断ち切るためにキム前処長との関係を否認したと見ている。 検察は裁判過程でイ代表とキム前処長が一緒に海外出張で撮った写真を証拠として提示し圧迫した。 (中略)

イ代表は最終陳述で「明らかなことは少なくともこの事件に対して私は私の記憶に外れる話をわざとしたことがない」として「話にならない濡れ衣を着せられたと考える」と主張した。 (中略)

イ前代表は前回の大統領選挙当時、ペクヒョンドンの開発事業について「国土交通部が脅迫しペクヒョンドンの敷地用途を変更した」と話し虚偽事実を公表した疑惑も受けている。

ペクヒョンドンの韓国食品研究院の敷地にマンションが建てられるように用途を変更したのが、中央政府の指示によるものであり、民間業者に利益を与えるための意図ではないという趣旨だ。

しかし検察は、李代表が大統領選挙を控えて、テジャンドン疑惑とペクヒョンドン疑惑などで支持率が下落するなど、危機を免れるために嘘をついたと見ている。 裁判に証人として出席した多数の城南市関係者たちは「国土部圧迫がなかった」という趣旨で証言した。 (中略)

反面、イ代表は当時、栢峴洞の開発事業過程で朴槿恵政府国土部から強圧的な用途変更要求があったと感じ、これは主観的認識なので虚偽とは見られないという立場だ。 (中略)

選挙法で罰金100万ウォン以上の刑が言い渡されて最高裁判所で確定すれば、イ代表は議員職を失い、2027年の大統領選出馬もできない。 共に民主党は、前回の大統領選挙の際、選挙費用として補填された434億ウォンを国庫に返納しなければならない。

一方、イ代表選挙法1審宣告10日後の25日には偽証教唆疑惑1審宣告が予定されている。 偽証教唆の場合、禁錮以上の刑が確定すれば議員職を失い、5年間被選挙権が剥奪される。
(引用ここまで)


 イ・ジェミョンの持つ司法リスクがいくつか佳境を迎えています。
 現在のところ、捜査・公判中の事件はこんなところ。7つの事件で11の罪に問われています。

テジャンドン開発不正 背任 / 利害衝突防止法違反
ウィレ新都市開発不正 旧腐敗防止法違反
ペクキョンドン開発不正 背任
城南FC違法後援金 第三者供賄 / 犯罪収益隠匿
偽証教唆 (2020年の公職選挙法違反裁判での)偽証教唆
公職選挙法違反 虚偽事実公表(2020年のものとは別)
北朝鮮違法送金 第三者供賄 / 外為取引法違反 / 南北交流協力法違反


 今回の公判は大統領選当時の虚偽事実公表による公職選挙法違反に関するもの。
 これは城南市長時代に公務員であったキム・ムンギ処長について「彼のことを知らない」と述べたこと。
 および、「ペクヒョンドンの土地用途変更については国土部(省に相当)からの圧迫があった(からしかたなくやったことで自分の責任はない)」と述べたことが嘘だったとして裁判を起こされているものです。
 ちなみにキム・ムンギ処長はすでに口封じの処理が終わっています。

 さて、15日に公職選挙法違反について裁判の判決が言い渡されます。
 与党はこの判決言い渡しを生放送すべきだとしてきたのですが、裁判所はそれを却下。
 判決を生放送される危機は脱したものの、司法リスクそのものはまるで減っていません。
 今回の公職選挙法違反(虚偽事項公表)に対して、イ・ジェミョン側は「わたしの記憶ではそうなっていたのだから、虚偽を公表したわけではない」との主張で一貫しています。
 だいぶ無理筋ではないかと思うのですが。

 なお、公職選挙法違反では罰金100万ウォン以上が課せられるようであれば議員失職となり、公民権剥奪となるために2027年の大統領選挙にも出られません。


 そんな事情もあって、なんとかして「判決の確定」を先延ばししたいイ・ジェミョン側はあの手この手で裁判を遅延しようと画策しています。

【社説】「こんな裁判遅延は初めて」李代表担当裁判部の嘆き(朝鮮日報・朝鮮語)

 「書類をコピーできなかった」
 「記録検討ができなかった」
 「記録が半分しか見られなかった」
 「この裁判所じゃなくてソウル中央地裁で裁判したい」

 等々の言い訳で裁判を遅延させようとしているっていう。
 小学生の宿題しなかった時のいいわけレベルですね。

 こうやって1日でも長く遅延させることで有罪判決が出ることを先延ばししようって戦術ですね。裁判官の心証、どんどん悪くなっている気がするのですが。
 特にこの北朝鮮送金事件については、ほぼ黒。言い訳すら難しいレベルで黒。
 なのでこうしているのでしょうけども……。

 「ユン政権を弾劾すべきだ」とか「ユン政権の任期だけを憲法改正で短縮すべきだ」といった話はすべてここにつながるのですね。
 「現職の大統領は訴追されない(そして進行中の裁判も停止する)」ことを狙っているのです。

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