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カテゴリ:イ・ジェミョンの記事一覧

韓国野党党首のイ・ジェミョン、最側近が実刑判決を受けてついに内堀が埋まる……多額の違法献金の行方は?

共に民主・李在明代表の大統領選資金を管理した金湧被告に一審で懲役5年判決(朝鮮日報)
 韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の側近とされる金湧(キム・ヨン)民主研究院副院長の一審裁判で、不法政治資金授受と収賄の容疑で金氏に懲役5年が宣告され、法廷で身柄を拘束された。また追徴金6億7000万ウォン(約7600万円)と罰金7000万ウォン(約800万円)も同時に命じられた。大庄洞事件関係者からの違法な資金が李在明代表に流れる仕組みの「コネクション」の存在が今回の裁判で認められたのだ。

 ソウル中央地裁刑事23部で30日に行われた裁判で、チョ・ビョング裁判長は「この事件は城南市議会議員だった金被告と、城南都市開発公社のユ・ドンギュ元本部長が民間業者と長期にわたり結託し、金品の授受など癒着関係を続けた一連の汚職犯罪」と断定した。裁判長はさらに「被告は政治資金法の趣旨、選出職(特別職)公務員の公正・清廉に対する社会的信頼をひどく傷つけておきながら、反省は一切していない」とも指摘した。

 金被告が2021年に4回にわたり総額8億4700万ウォン(約9630万円)の違法な政治資金をユ元本部長を通じて受け取った容疑について、裁判長は6億ウォン(約6800万円)については有罪との判断を示した。当時金被告は大統領選挙に出馬していた李在明代表の選挙陣営で総括副本部長を務め、李代表が劣勢だった湖南(全羅南北道)地域の組織編成や支持勢力拡大に力を入れていた。李代表は金被告を自らの「分身」と呼んでいた。法律に詳しいある専門家は「違法な資金の使い途を解明する必要が出てきた」と指摘する。 (中略)

 またユ元本部長を通じて金被告に資金を提供した弁護士の南旭(ナム・ウク)被告に対しては懲役8年が宣告された。
(引用ここまで)


 おっと、「イ・ジェミョンの最側近」とされるキム・ヨンに対して一審で実刑5年の有罪判決。
 しかも証拠隠滅のおそれがあるとして法廷拘束。

 審理が進められていたのはいわゆるテジャンドン開発疑惑。
 イ・ジェミョンが城南市長だった時代に行われた不動産開発に際して、特定の民間業者に情報を流すことで8000億ウォンにもおよぶ不当利益を得させたのではないか、とする疑惑。
 この不当利益から還元される形でイ・ジェミョンに選挙資金が渡ったのではないかとされています。
 この件がイ・ジェミョンの最側近にまで捜査の手が及んだのにはちょっと面白い経緯があったのです。

 「イ・ジェミョンの側近」とされていたユ・ドンギュという人物がいまして。
 今回のテジャンドン開発において「城南都市開発公社」の本部長を務めていました。
 このユ・ドンギュがある時からペラペラとイ・ジェミョンへの金の流れを話し始めたのです。

 その瞬間ともいうべき時が、イ・ジェミョンによって「ユ・ドンギュが側近? あんなのは側近じゃない。側近といえばキム・ヨンとチョン・ジンサンほどの者でなければならない」と語った時なのですね。
 この話、要するに「あいつはウリではない」とユ・ドンギュを切り捨てた瞬間なのですね。


 この瞬間からユ・ドンギュは立て板に水といった感じで証言をはじめました。
 なんだったら検察に呼ばれて席に着くやいなや「よし、金の流れについて話そうか」と言い出したとされています。

イ・ジェミョンの元側近とされていた人物、イ・ジェミョンに切り捨てられて「彼の最側近にお金渡しました」とあっさりと自白……これがウリとナム……か(楽韓Web過去エントリ)

 ウリであるうちは偽証してでも守るけども、ウリではないナムであるとされた途端にこうなった……と。

 今回、キム・ヨンの逮捕、起訴から実刑有罪に至ったのはユ・ドンギュの証言を重く見たものとされています。
 まあ、現場にいた人物ですからその証言には間違いないとされたのでしょう。

韓国最大野党代表の側近に懲役5年、法廷で拘束(中央日報)


 中央日報の記事でも「ユ・ドンギュの証言が重く見られた」との記述があります。
 今回のキム・ヨンへの実刑判決でイ・ジェミョンに対しての内堀は埋められた、といったところ。
 まあ、野党側はまたぞろ「政治弾圧だ!」ってやるんでしょうけどね。 

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中国メディア「韓国の野党党首、イ・ジェミョンは日本の蛮行に対抗する英雄的人物だ」……中国当局が次の大統領をイ・ジェミョンにさせようと介入してきましたね

カテゴリ:イ・ジェミョン コメント:(73)
「人類のために戦うリー・ザイミン」…中国ネット民、共に民主・李在明代表の反日に熱狂(朝鮮日報)
 韓国野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が、中国のインターネットで爆発的な人気を集めている。

 19日にTikTokの中国国内版「抖音(ドウイン)」で李在明と漢字で検索したところ、数十件以上の動画が出てきた。特に、いわゆる「断食闘争(ハンガーストライキ)」の動画が非常に人気だ。

 李代表が今年9月にハンストを行った際の動画には、19日現在で192万件の「いいね」と21万件のコメントが付いた。同様の内容が収められた別の動画にも117万件の「いいね」と14万件のコメントが寄せられた。ほかにも50万件以上の「いいね」が付いた動画が多数あった。 (中略)

 しかし、中国の複数のメディアが「韓国最大野党の代表が日本の『核 オ / セン 水』の放出を阻止するためにハンストに突入した」と紹介したことで、中国の国民に李在明代表の存在が広く知られるようになった。中国では当時、反日感情が沸騰し、日本食レストランを運営する中国人社長が自ら自分の店を破壊する動画を撮影し、SNS(交流サイト)に投稿するほどだった。

 中国のネットユーザーらは李代表の動画に「全人類のために戦う人」「彼は韓国の誇り」「あなたを応援します。あなたは大英雄です」などのコメントを付けて応援した。
(引用ここまで)


 イ・ジェミョンが中国のネットで大人気、とのこと。
 なんでもBTSやらBLACK PINKと同レベル、あるいはそれ以上でいいねやらなんやらを得ているとのこと。

「断食」イ・ジェミョンが世界の英雄?「リザイミング」に熱狂した理由(中央日報・朝鮮語)
8秒分のこの映像には去る17日基準で「いいね」192万個、コメント21万個が走った。 (中略)

同様の時期K-ポップガールズグループBLACKPINKのワールドツアー最後の公演エンディング曲「フォーエバーヤング」(Forever Young)映像は「いいね」11万本、防弾少年団(BTS)を紹介する映像は「いいね」6万6000個だったのと比べると、この代表関連映像がはるかに大きな関心を受けたわけだ。BLACKPINKとBTSの映像についたコメントはすべて5000件を超えなかった。
(引用ここまで)

 中国で「大英雄イ・ジェミョン」に祭りあげられている、と。
 日本の『核 オ / セン 水』に対抗して、世界のために戦っているのだそうですよ(笑)。


 もちろん、これは中国による日韓離間計です。
 自由主義陣営の中において、もっとも弱いのは日韓、米韓であることに異論はないでしょう。
 ただ、ユン・ソンニョルが大統領になったことで、まっとうな外交をしてしまっている。
 結果として日韓関係、米韓関係は比較的良好な状態になっている。

 なので、次期大統領としてイ・ジェミョンを推しているってことですね。
 台湾情勢でやっていることと一緒。一本化に向けても中国の介入があったとされていますしね。
 言ってみれば、中国側から韓国への指令です。

 韓国左派は「アメリカに支配されている現状よりも、アメリカと中国を天秤にかける外交をすべきだ」と考えています。
 ハンギョレのこの記事とかに顕著に出てますね。

韓国左派紙「長年、韓国繁栄の土台だったバランス外交は崩壊した!」「中国様がお怒りだ!」とユン大統領を糾弾(楽韓Web過去エントリ)

 中国も「アメリカ一辺倒になられるよりは左派政権で日米韓の環を弱体化させるほうがいい」と思っているわけです。
 その一環がこの「イ・ジェミョン英雄伝説」なのです。
 こないだの駐韓中国大使にこびへつらっていたあたりも「好ましい人物」とされている要因なのでしょうね。

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韓国野党が検察官らを次々と弾劾へ……なお、当該検察官の担当は「イ・ジェミョンの捜査」

検事弾劾、犬娘からの圧迫に「のように会」が主導···検察「イ・ジェミョン捜査報復」(朝鮮日報・朝鮮語)
共に民主党は9日、所属議員168人全員名義でイ·ジェミョン代表捜査を指揮している水原地検2次長検事に対する弾劾訴追案を党論として発議した。弾劾案が国会を通過すれば、李検事の職務は直ちに停止されるため、李代表の捜査にも支障をきたすしかない。イ代表の逮捕同意案否決に総力を傾けた民主党が、今は捜査検事弾劾という初の方式でさらに強力な防弾に乗り出したという批判が出た。

民主党は弾劾訴追案で李検事が「権限を乱用して不法行為をした。その不法性が非常に重大で職を剥奪することが妥当だ」と述べた。しかし、民主党が問題視する李検事の不正は、子供の小学校入学のための偽装転入、スキー場リゾート利用の支援を受けた請託禁止法違反、妻の実家が運営するゴルフ場職員などに対する犯罪記録照会などだ。民主党内でも「これが弾劾事案なのか」、「検察が捜査し懲戒すれば良い」という批判が出てきた。だが、ユン·ヨンドク院内報道官はこの日、議員総会が終わった後「異見はなかった」として「悪いことをすれば必ず処罰されたり懲戒されるということを見せる必要がある」と話した。

先立って民主党は9月「ソウル市公務員スパイ操作事件」と関連して報復起訴疑惑を提起しアン·ドンワン検事に対する弾劾訴追案を発議し通過させた。該当事件発生から約9年ぶりのことだ。現職検事弾劾訴追は憲政史上初めてだったが、わずか2ヶ月余りでこの日イ·ジョンソプ検事と「告発四柱」事件関連ソン·ジュンソン大邱高等検察庁次長検事弾劾案をまた発議したのだ。尹院内報道官は「弾劾中毒」、「民生と関係のない暴走」という指摘に対し、「弾劾訴追は憲法が国会に付与した権限」とし、「弾劾訴追の対象が明白であるにもかかわらず、そのような行為に目をつぶるのがむしろ問題」と述べた。

弾劾案は「ように会」所属のキム·ヨンミン議員が代表発議した。「犬娘」たちは連日検事弾劾を急ぐよう圧迫した。党内少数に過ぎない強硬派と犬娘に巨大野党全体が再び引きずられたのだ。 (中略)

法務部のハン·ドンフン長官はこの日、国会予算決算特委の質疑で検事弾劾に対する立場を尋ねる質問に「イ·ジェミョン代表捜査に対する報復と圧迫だと考える」と話した。

最高検察庁はこの日異例的に立場文を出し「民主党の反復的な検事弾劾は第1党の権力を乱用して検察に報復し捜査と裁判を妨害しようとする政治的意図」とし「司法を政治化しようとする試みで多数による法治主義破壊」とした。続けて「弾劾は公職者罷免を正当化するほどの重大な憲法·法律違反がある場合にのみ認められる」とし、「民主党の弾劾主張理由は疑惑が提起された段階だったり裁判手続きで扱われている事案で弾劾理由に該当するとは見難い」と話した。
(引用ここまで)


 韓国の野党第一党である共に民主党がイ・ジェミョンの捜査を担当している検察官を弾劾しまして。
 韓国では犬娘達の圧迫に耐えきれなくなった「のような会」がごり押しで弾劾を決めた、とされています。

 「犬娘」と呼ばれるイ・ジェミョンの強硬支持派がいまして。
 イ・ジェミョンに逆らう者のすべてに噛みつく人々です。
 先日、イ・ジェミョンへの逮捕同意案が国会で審議された際に造反議員が山ほど出て可決されました。
 その際にも共に民主党の造反議員を執拗に追い回していました。

 挙げ句の果てにはイ・ジェミョン本人からの制止も聞かずに、前代表のイ・ナギョンを主犯として晒しあげようとしていたのは記憶に新しいところ。

イ・ジェミョン支持派「逮捕同意案に賛成票を入れろと指示したのは前党代表のイ・ナギョンだ、除名せよ!」……内紛しているなぁ(楽韓Web過去エントリ)

 その犬娘らが検察改革を標榜する「行動する議員の会のように ── 会のような会」という議員連盟に「イ・ジェミョンの捜査担当検察官を弾劾にかけろ!」と圧力をかけた……という構造。


 とりあえず168人の党所属国会議員全員での連名で弾劾を行っているものの、党内には批判的な声も少なくない模様。
 ちなみに検事への弾劾は出席議員の過半数で可決、訴追され、憲法裁判所が判断をするというもの。
 そもそも9月にも同様に検事を弾劾しており、2月には去年のハロウィンでの事故に責任があるとして行政安全部長官(大臣に相当)を弾劾しています。
 なお、行安部長官については憲法裁判所が棄却済で復職しています。

韓国大統領室「巨大野党が弾劾訴追権乱用」 行政安全相の弾劾棄却受け(聯合ニュース)
韓国国会、現職検事の弾劾訴追案可決…憲政史上初(朝鮮日報)

 検事、検察をこのようにして目の敵にしているのは、ユン・ソンニョル大統領が検事総長出身であり、権力基盤がそこにあることも大きな理由として挙げられるでしょう。
 ただ、これら弾劾はほとんど空振りで終わりそうなのですよ。行安部長官について棄却されたのと同様、9月、および今回の検事弾劾もおそらくは憲法裁判所から棄却されるでしょう。
 それでも総選挙に向けて対した瑕疵にはならないだろうと考えているのかな。

 むしろ支持層に向けてのアピール行動として正当だ、くらいに思っているのかもしれませんね。
 なお、先日紹介した黄色い封筒法ですが昨日に可決されました。
 与党は大統領拒否権を行使するよう要請したとのこと。

韓国国会、野党主導で労働組合法・放送3法改正案を可決…与党は拒否権行使を要請(ハンギョレ)

 どこまで行ってもも分断を是とすることしかできていない。
 ま、分断こそが韓国、ひいては朝鮮半島の歴史なのだからしかたないか。

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イ・ジェミョン、逮捕を免れる……共に民主党は分裂に向かうのか、それとも宥和政策を出せるのか

韓国最大野党代表の逮捕状棄却 地裁は証拠隠滅の恐れ認めず(聯合ニュース)
韓国のソウル中央地裁は27日未明、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表に対する逮捕状請求を棄却した。検察は李氏を拘束してソウル近郊・京畿道城南市長時代と京畿道知事時代の不正行為の全貌を明らかにするという計画の練り直しを迫られそうだ。李氏は政治基盤を回復し、2年にわたり全方位で圧力をかけてきた検察に反撃する機会を得たことになる。

 地裁は26日、李氏を呼び出して逮捕状発付の是非を判断する令状審査を行った。9時間を超える審問と7時間の熟考の末、担当判事は27日「被疑者の防御権保障の必要性の度合いや証拠隠滅の憂慮の度合いなどを総合すると、不拘束捜査の原則を排除するほどの逮捕の理由と必要性があるとは見なし難い」との判断を示した。

 検察は李氏について、同氏が城南市長だった時期の都市開発事業で民間事業者に便宜を図り、城南都市開発公社に200億ウォン(約22億円)以上の損害を与えた容疑や、京畿道知事時代に下着メーカー大手・サンバンウルグループを通じ巨額資金を北朝鮮側に不正に渡した疑惑に絡む容疑で逮捕状を請求していた。

 地裁は都市開発事業での偽証教唆容疑を除き、いずれの事件も容疑に争いの余地があると判断した。証拠隠滅の恐れがあるとする検察の主張も認めなかった。
(引用ここまで)


 イ・ジェミョンによる北朝鮮送金疑惑について、検察は裁判所に逮捕状を請求しました。
 ですが、地裁からは棄却。9時間超のかなり長い事前審問(実質取り調べ)、さらにはそこから7時間かけた結果でした。
 異例ともいえる未明の発表になりました。
 それだけ地裁内でも意見が割れたってことかな。

 イ・ジェミョンの政治的立場としては「起死回生」ってところでしょうか。
 これで党代表として非ミョン派(非イ・ジェミョン派)を叩くのか、それとも党内宥和政策を出すのか。
 まあ、前者でしょうね。
 イ・ジェミョンが息を吹き返したことによって分裂の危機はさらに強くなった可能性が強いです。


 その一方でイ・ジェミョンの司法リスクがなくなったわけでもなく。
 今回も北朝鮮送金疑惑では「疎明」(確実ではなくともまあ確かだろうとされる状態)とされています。
 拘束されなかったというだけで、起訴されるのはほぼ確実ですしね。

[イ·ジェミョン令状棄却] 拘束を避けたが起訴は確実視···終わらない「司法リスク」(聯合ニュース・朝鮮語)

 ただまあ、拘束されなかったことでかなり安堵はできているでしょうね。
 実際、多くの容疑で起訴され裁判を受けるにしても、判決までは数年かかると思われます。
 タマネギ男ことチョ・グクに対しても、あるいはユン・ミヒャンに対しても最初の判決が出るまで延々と審理してましたから。

 結果、イ・ジェミョンの疑惑に対しては来年の総選挙までには判決は出ない公算が高い。拘束されなかったことで、かなり司法リスクは低減されたかな、といったところ。
 ただまあ、党内は割れる可能性も充分なのでそちらがどうなるか。
 あと今回失った面目がどこまで回復できるのかといったところが注目点ですかね。

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イ・ジェミョン、裁判所に出向いて9時間超えの事情聴取を受ける。8時間超えの「大物」はほぼ拘束・起訴済

韓国最大野党代表の「ハンストカード」が失敗に終わった理由とは(ハンギョレ)
今回のハンストが成功したか失敗したかを一言では判断できません。ただし、ハンストが長引くにつれ、党内結集には成功したとみられていました。ところが(結果的に)票を計算してみると、民主党議員167人のうち30人前後が(逮捕同意案の)賛成に回ったことになります。棄権と無効まで含めると40人に達するものとみられます。 (中略)

ハンストが長引くにつれ、イ代表の健康が悪化し、逮捕同意案を否決すべきというムードが広がったのは事実です。しかし、20日、予期せぬことが起こりました。イ代表が自ら逮捕同意案の否決を訴えるメッセージを出したのです。

 この反作用で非イ・ジェミョン派(イ代表に対抗・反対する勢力)を中心に、むしろ可決票が結集したものとみられます。否決の訴えが非イ・ジェミョン派の議員の間で「防弾(何が何でも逮捕を阻止する)政党はだめだ」という共感をより広め、固める結果をもたらしたのです。 (中略)

イ代表の指導力は大きく傷ついており、民主党は混乱が避けられないものとみられます。早い収拾に向けた努力が行われると思いますが、容易ではないでしょう。(中略)最悪の状況は、裁判所で拘束令状が発行されることです。イ代表の政治生命は危うくなり、憲政史上初めて最大野党代表が令状審査を経て拘束される不名誉も抱えることになるでしょう。 (中略)

 他の可能性もあります。逮捕状が棄却されれば、イ代表は政治的リーダーシップの復元はもちろん、反撃のチャンスをつかめるでしょう。(中略)もちろん令状が棄却されたとしても、イ代表がリーダーシップを一気に回復するには、今回の逮捕同意案可決で負った傷が非常に深いという意見もあります。
(引用ここまで)


 検察から逮捕状申請された裁判所がイ・ジェミョンに対してどのような判断をするのか待っていたのですが、どうやら26日中の判断はないと見ました。明日の午前中に決定は先述べされた模様です。
 全体的にスケジュールが遅延しているようですね。
 イ・ジェミョンは朝の8時から拘束前被疑者尋問(実質的には取り調べ)を受けていたのですが、それが9時間20分にも及んだそうです。

イ・ジェミョン9時間以上令状審査… 歴代2番目の記録(聯合ニュース・朝鮮語)

 裁判所もこの事件を重視していることが分かるのではないでしょうか。
 ちなみに最長なのは北朝鮮に公務員が射撃された事件で隠蔽工作をしたと見られているソ・フンで10時間6分。こちらは起訴済。
 それ以外だとパク・クネ大統領(当時)が8時間40分、サムスン電子副会長(当時)のイ・ジェヨンが8時間30分で、どちらも起訴されました。

 時間的に見るとイ・ジェミョンの拘束、起訴も充分にあり得るかな。


 で、冒頭のハンギョレの記事は「いかにしてイ・ジェミョンはハンストに敗れたのか」の解説。
 ハンストで世間の同情を買うまでは成功したものの、最後の最後で私欲を出してしまってなにもかもが終わりになったっていう。
 これまで解説してきた話と同様。

 ハンストを成功させるには徹底的に弱者である必要があるのですね。
 なにしろハンストは「巨悪と戦う最後の手段」ですから。
 それなのに最後の最後で欲をかいて「逮捕同意案を否決してくれ」って言い出しちゃってすべてを終わりにしてしまった。
 最後の最後まで無私(のふり)を貫いてりゃよかったのに。
 「もう一押ししておこう」ってやっちゃった。

 まあ、イ・ジェミョンの小物たる所以ですね。

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イ・ジェミョンを逮捕から救いたいと署名が90万筆も一気に集まる! なお、署名システムはフィルタリングゼロでひとりで何度でも署名可能

カテゴリ:イ・ジェミョン コメント:(45)
共に民主党、167人のうち161人が「裏切り者」の圧力に令状棄却嘆願書に参加(朝鮮日報・朝鮮語)
共に民主党の国会議員161人がイ·ジェミョン代表の拘束令状棄却を要求する嘆願書を提出したことが25日確認された。民主党議員168人のうち当事者であるイ代表を除く167人のうち6人を除いては「令状棄却要求」に参加したのだ。

この日、民主党代表室の関係者は「議員167人のうち161人が嘆願書を提出した」と明らかにした。民主党は同日午後2時までに受け取った161人の議員嘆願書を密封されたままソウル中央地裁に送ることにした。

21日の逮捕同意案表決では民主党議員最大39人が離脱したという推定が出てきた。だが棄却嘆願で「離脱」した議員は6人に過ぎない。賛成票を投じた議員に対して党指導部はこれまで「容認できない明白な該当行為」とし「裏切り者」「脅迫者」と言った。また、強硬支持層の全方位的な探索作業および攻撃が続き、逮捕同意案に賛成を投じた民主党議員も「棄却」嘆願書を提出したものと見られる。

先立って民主党は22日から議員全員に嘆願書提出を要請した。26日に予定された令状実質審査を控えて党次元で裁判所に「第1野党代表の拘束はできない」という決議を見せるという次元だった。これに対して党の一部では「嘆願書に参加しなかった議員を事実上賛成票を投じたと見なし、探し出そうとする意図ではないか」という話が出た。 (中略)

この日午前、チョン・チョンレ最高委員はユーチューブ「キム·オジュンのニュース工場」に出演し「嘆願書に署名した議員と違う議員の名簿を発表するつもり」と話した。しかし、党代表室の関係者は本紙に「棄却嘆願書を提出しなかった6人の議員が誰なのか名簿は公開しない方針」と話した。
(引用ここまで)


 明日の26日に検察の逮捕令状請求に対して、裁判所がイ・ジェミョンの拘束の可否を判断する予定になっています。
 それに向けて韓国の最大野党である共に民主党が「令状請求を棄却してほしい」との主旨の嘆願書を提出しています。

 で、そこに党所属の国会議員も署名しろと迫ったのですけどね。
 168人の所属議員中、161人が署名。イ・ジェミョンを除いて6人が頑なに署名しなかったわけですね。
 さすがに無記名だった国会での逮捕同意案と違って、名前が分かってしまう嘆願書への署名は多くが応じたと。


 一部の幹部からは「署名しなかった6人の名前を晒す」って宣言があったのですが、とりあえず現在のところ晒してはいないようです。
 もうそれやったら明らかに残されたルートは分裂しかないですからね。

 んで、一般支持者からの署名も数十万筆あったとのことなんですが。
 実は署名システムがザコでなんの認証もせずに、ひとりで何筆だろうと書けてしまうって話です。

数十万人が参加したというイ·ジェミョン嘆願書、1人が数回署名しても通ってしまう(朝鮮日報・朝鮮語)

 90万人が署名したんですって(笑)。
 なんの意味があるんですかね、それ。
 なお、裁判所の判断となる実質審査は26日。イ・ジェミョンも出席するそうですよ。
 この可否がまた政治的な混乱を呼ぶことになるのですが。さて。

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イ・ジェミョンの逮捕同意案可決は来年の総選挙を睨んだ派閥争いが原因だった……「あれが党の顔のままじゃ総選挙を戦えない」

カテゴリ:イ・ジェミョン コメント:(34)
韓国野党、選挙にらみ内部抗争 代表逮捕「造反」で可決(日経新聞)
韓国の最大野党「共に民主党」が混乱に陥っている。21日の国会で李在明(イ・ジェミョン)代表の逮捕同意案に一部の所属議員が賛成し、同案は可決された。野党が過半数を握る国会での異例の事態の原因は、根深い党内抗争にある。

「国会議員が自分の党代表を売り飛ばした。卑劣な裏切り行為が起きた」。逮捕同意案可決から一夜明けた22日、民主党幹部の会議で「造反」への怒りの声があがった。
(引用ここまで)


 イ・ジェミョンの逮捕同意案について、造反議員が続出したのは来年の総選挙に向けての自己アピールであるとの話をしようと思っていたのですが。
 当日にもちょこっとそんな話をしていますね。
 ちょうど日経新聞にそんな感じの記事が掲載されていたのでピックアップ。

 非ミョン派(非イ・ジェミョン派)はこのまま座していても、来年の総選挙で公認を得ることは難しい。
 韓国の選挙は基本的に党代表や執行部から見ての「ウリか、ウリでないか」で公認が決められます。ウリとは「我々」の意味で、ここでは仲間意識といったような意味合いを持ちます。
 前回の総選挙ではムン・ジェイン人気に乗っかって180議席という異常な数の議席数を得てしまったわけです(以降、離党等で現在は168議席)。
 次回はどうしたって揺り戻しがある。


 そんな中で「イ・ジェミョンが選挙の顔でいいのか」という葛藤は常にあるわけです。
 今回、イ・ジェミョン本人が「逮捕同意案を否決してほしい」等と述べて「党を自分の司法リスクを軽減するために利用した」(ように見えた)ことが最大の失敗なのも選挙がらみです。
 「イ・ジェミョンが司法リスク軽減のために使われた党の候補者」ってレッテルを貼られて総選挙を戦えるのかとの恐れがあったわけです。

 非ミョン派は「イ・ジェミョンを代表から降ろせばまだ戦える」と考えている。
 ミョン派は「イ・ジェミョン以外に選挙に顔になる知名度を持つ政治家がいない」と考えている。
 与党の国民の力は「分裂するか、イ・ジェミョンが党代表ままであれ」と願っているってところですかね。
 与党の立場では最悪なのは「イ・ジェミョンが代表をやめてクリーンになったと受け取られること」なので、なにかが起きたほうがいいわけです。

 ちなみにイ・ジェミョンは「代表を辞めることはない」と宣言しています。

「屈することなく精進する」…韓国野党代表、辞任論を一蹴(中央日報)

 まあ、すでに逮捕同意案は可決されてしまったので、なんらかの動きを見せざるをえない。
 一番ありそうなシナリオは分裂かな、という感じです。

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国会で逮捕同意案が可決されたイ・ジェミョン、まだ復活の目はあるのか?

カテゴリ:イ・ジェミョン コメント:(63)
韓国野党第一党代表、拘束なら政治生命危機…棄却ならリーダーシップ回復の機会(ハンギョレ)
 イ代表の前に立ちはだかる第1の関門は、裁判所の拘束前被疑者尋問(令状実質審査)だ。イ代表にとっての最悪のシナリオは、拘束令状が発行されることだ。この場合、イ代表の政治生命は崖っぷちに立たされ、憲政史上初の「野党第一党代表の拘束」という不名誉も背負うことになる。裁判所も疑惑を認めただけに、「自身の拘束の可能性を恐れてハンストと逮捕同意案否決要請をした」という党内外からの激しい批判に直面しうる。党代表を辞任せよという内外からの要求も強まるとみられる。

 イ代表が拘束されれば、民主党の未来も極度に不透明になる。イ・ジェミョン支持派の議員たちは、「党がイ・ジェミョンを捨てたために拘束された」という支持者たちの激しい反発によって、党が分裂へと向かう恐れがあるとみている。一方、イ代表が拘束されれば「司法リスク」を脱した民主党は新たなリーダーシップを得て生まれ変われるというのがイ・ジェミョン不支持派の見解だ。一部からは、不支持派は今回の逮捕同意案の可決で40人近い「勢力」を確認したため、党の分裂を恐れないだろうとの観測も示されている。

 逆に検察の拘束令状が棄却されれば、イ代表は政治的リーダーシップが回復するのはもちろん、反撃の機会がつかめるとみられる。ある重鎮議員は「拘束令状が棄却されれば、イ代表は完全に上昇気流に乗る」との見通しを示す。 (中略)

 しかし、一度の令状棄却でイ代表がリーダーシップを一気に回復するには、今回の逮捕同意案の可決で負った傷は深過ぎるという見解もある。今回の逮捕同意案局面で、自ら公言した約束を覆し、民主党に否決を押し付ける姿勢を見て、議員たちがイ代表の「リーダーとしての資質」そのものを考え直したというわけだ。同党のある関係者は「根本的に今回の逮捕同意案可決という事態は『(イ代表は)党を弾除けとして使い、本人は生き延びようとしている』という議員たちの、積もり積もった不満の結果」だとし「単に『イ代表が嫌い』なのではなく、イ代表のリーダーシップそのものに対する疑問が表出したもの」だと指摘した。
(引用ここまで)


 ハンギョレ曰く「拘束令状が発行されなければまだイ・ジェミョン復活の目はある」とのことですが。
 ……いや、もうなにもかもが遅すぎじゃない?

 最大の問題は「イ・ジェミョンが逮捕されてもいいと思っている一派が最低でも40人クラスで存在している」ことが可視化されたことで。
 可視化自体は前回の逮捕同意案で賛成多数(過半数に満たず否決)になった時点でもされていたのですが。
 今回は「逮捕案可決」という大きなハードルを越えてしまった。

 そのハードルを越えてもいい、むしろ「越えてイ・ジェミョンを晒せ」と考える議員が多数いることが分かってしまった。
 残った手段は分裂か、イ・ジェミョンが党代表として引っ込むかしかない。


 拘束令状が発行されるかどうかは週明けになるようです。

イ・ジェミョン早ければ26日拘束可否決定… 期日延期の可能性も(聯合ニュース・朝鮮語)

 で、裁判所が拘束令状発効を拒否すれば「イ・ジェミョンは党代表として復活する」とのことですが。
 本当ですかねぇ?
 分裂が加速する未来しか見えないのですが。

 「党を自らの立場を守るためだけに使ったイ・ジェミョン」というイメージはもはや覆しがたい。
 そのイメージでは総選挙は戦えないと考える人々は新党を作るか、イ・ジェミョンを追放するかしますわ。
 イ・ジェミョンが大人しく引っ込むのであればまだ共に民主党自体は存続できるでしょうけど、そんな殊勝な人物ではないでしょう。

 ま、事態はなおのこと複雑になってきました。
 あ、そうそう。イ・ジェミョンはまだ断食を続けているそうですよ。点滴をしているのでまったく命に別状はないのですが。

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