韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の側近とされる金湧(キム・ヨン)民主研究院副院長の一審裁判で、不法政治資金授受と収賄の容疑で金氏に懲役5年が宣告され、法廷で身柄を拘束された。また追徴金6億7000万ウォン(約7600万円)と罰金7000万ウォン(約800万円)も同時に命じられた。大庄洞事件関係者からの違法な資金が李在明代表に流れる仕組みの「コネクション」の存在が今回の裁判で認められたのだ。
ソウル中央地裁刑事23部で30日に行われた裁判で、チョ・ビョング裁判長は「この事件は城南市議会議員だった金被告と、城南都市開発公社のユ・ドンギュ元本部長が民間業者と長期にわたり結託し、金品の授受など癒着関係を続けた一連の汚職犯罪」と断定した。裁判長はさらに「被告は政治資金法の趣旨、選出職(特別職)公務員の公正・清廉に対する社会的信頼をひどく傷つけておきながら、反省は一切していない」とも指摘した。
金被告が2021年に4回にわたり総額8億4700万ウォン(約9630万円)の違法な政治資金をユ元本部長を通じて受け取った容疑について、裁判長は6億ウォン(約6800万円)については有罪との判断を示した。当時金被告は大統領選挙に出馬していた李在明代表の選挙陣営で総括副本部長を務め、李代表が劣勢だった湖南(全羅南北道)地域の組織編成や支持勢力拡大に力を入れていた。李代表は金被告を自らの「分身」と呼んでいた。法律に詳しいある専門家は「違法な資金の使い途を解明する必要が出てきた」と指摘する。 (中略)
またユ元本部長を通じて金被告に資金を提供した弁護士の南旭(ナム・ウク)被告に対しては懲役8年が宣告された。
(引用ここまで)
おっと、「イ・ジェミョンの最側近」とされるキム・ヨンに対して一審で実刑5年の有罪判決。
しかも証拠隠滅のおそれがあるとして法廷拘束。
審理が進められていたのはいわゆるテジャンドン開発疑惑。
イ・ジェミョンが城南市長だった時代に行われた不動産開発に際して、特定の民間業者に情報を流すことで8000億ウォンにもおよぶ不当利益を得させたのではないか、とする疑惑。
この不当利益から還元される形でイ・ジェミョンに選挙資金が渡ったのではないかとされています。
この件がイ・ジェミョンの最側近にまで捜査の手が及んだのにはちょっと面白い経緯があったのです。
「イ・ジェミョンの側近」とされていたユ・ドンギュという人物がいまして。
今回のテジャンドン開発において「城南都市開発公社」の本部長を務めていました。
このユ・ドンギュがある時からペラペラとイ・ジェミョンへの金の流れを話し始めたのです。
その瞬間ともいうべき時が、イ・ジェミョンによって「ユ・ドンギュが側近? あんなのは側近じゃない。側近といえばキム・ヨンとチョン・ジンサンほどの者でなければならない」と語った時なのですね。
この話、要するに「あいつはウリではない」とユ・ドンギュを切り捨てた瞬間なのですね。
この瞬間からユ・ドンギュは立て板に水といった感じで証言をはじめました。
なんだったら検察に呼ばれて席に着くやいなや「よし、金の流れについて話そうか」と言い出したとされています。
イ・ジェミョンの元側近とされていた人物、イ・ジェミョンに切り捨てられて「彼の最側近にお金渡しました」とあっさりと自白……これがウリとナム……か(楽韓Web過去エントリ)
ウリであるうちは偽証してでも守るけども、ウリではないナムであるとされた途端にこうなった……と。
今回、キム・ヨンの逮捕、起訴から実刑有罪に至ったのはユ・ドンギュの証言を重く見たものとされています。
まあ、現場にいた人物ですからその証言には間違いないとされたのでしょう。
韓国最大野党代表の側近に懲役5年、法廷で拘束(中央日報)
中央日報の記事でも「ユ・ドンギュの証言が重く見られた」との記述があります。
今回のキム・ヨンへの実刑判決でイ・ジェミョンに対しての内堀は埋められた、といったところ。
まあ、野党側はまたぞろ「政治弾圧だ!」ってやるんでしょうけどね。
Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex