相互RSS募集中です

カテゴリ:火器管制レーダー照射事件の記事一覧

火器管制レーダー照射事件:ムン・ジェイン前大統領が自ら、「レーダー照射はなかったものとする」と握りつぶしを命令、背景には北朝鮮との癒着があった

韓国レーダー照射事件で新証言 「文在寅大統領が隠蔽を指示した」 背景に北との癒着(産経新聞)
 日韓両国は1日の防衛相会談で、韓国海軍の海上自衛隊機へのレーダー照射事件に関する再発防止で合意し、防衛交流を再開しようとしている。だが、事実解明の棚上げには自民党をはじめとする保守陣営に強い不満が残った。火器管制レーダーを照射された日本側には事実を示すさまざまなデータがあり、全面否定する韓国の主張が荒唐無稽だからだ。ここにきて、照射の隠蔽(いんぺい)は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領(当時)の指示」だったことなど、一連の経緯を韓国の一部軍人らが非公式に日本側に説明していたことが明らかになった。 (中略)

 鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相(当時)が青瓦台(大統領府)に火器管制レーダー照射を報告に行ったところ、文氏から「照射はなかったことにする」と命令された。このため国防省はこの件で「何も言えなくなった」。鄭氏は韓国軍幹部OB数人に一連の事情を日本側の防衛省幹部らに伝えるよう指示した。

 その事情とは、「青瓦台は、北朝鮮から漁船で逃げた人間の拘束を依頼された。捜索水域に近い場所で演習中だった駆逐艦が現場に急行した。(P1が駆逐艦を発見したとき)駆逐艦は海に飛び込んだ北朝鮮人の身柄を確保している最中だった」というものだった。
(引用ここまで)


 ムン・ジェイン前大統領が脱北者に対して「憎しみ」といってもいいほどの感情を抱いていたであろうことがよく知られています。
 ベトナムでの脱北者13人を完全に無視し、なぜかアメリカが保護に走るなどしていた事例がありました。

アメリカ政府、ベトナムで送還寸前だった脱北者13人を韓国政府を無視して保護……え、こんなことあり得るの?(楽韓Web過去エントリ)

 それ以外にもいくつか事例がありまして。
 まず、脱北者団体に一切接触しませんでした。韓国の大統領として初の所業。
 さらに拉致被害者団体にも接触せず
 ベトナムでの脱北者を無視するのは上記の件だけでなく、他にも何度かありました。

 あ、それとFOXニュースで「あなたは脱北者やジャーナリストを弾圧していますよね?」ってインタビューされたこともありましたね。
 そのムン・ジェイン政権におけるクライマックスともいえるのが漁船で脱北してきたふたりの脱北者を板門店経由で送還したこと。


 ユン政権になってから当時の映像が公開されたのですが、これがひどい。



 超弩級の国際法違反。
 板門店、軍事境界線が見えて絶望する脱北者の様子を撮影できている性根ってのはどうなっているんでしょうね、これ。

 火器管制レーダー照射について、ムン・ジェイン前大統領が自ら握りつぶしにきた、とする原因が「北朝鮮から脱北してきた漁船を送還する作業を明らかにされたくなかった」とするこの報道は腑に落ちるものがあります。

 ムン・ジェイン政権は上記のように脱北者を送り返してきましたからね。
 韓国政府が北朝鮮の漁船でもなんでも把握すればそれはイコールで「脱北者の送還」につながるわけです。
 ……一応、あれが国際法違反であるっていう自覚はあったんだ。

 そこから敷衍して広開土王艦が火器管制レーダーを照射してきたことも、この「脱北者を送還する作業をさせられている光景」を日本に把握されたくなかったからでは……とも考えられます。
 韓国海軍にしてみれば救助ではなく、国際法違反につながる作業をやらされているわけで。
 日本の哨戒機を追い払いたかったんだろうな、と。
 いろいろと腑に落ちる話ですわ。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

日韓が防衛交流を再開へ、「火器管制レーダー照射問題」で再発防止策を見直す文書を交わす予定……これ韓国にとって屈辱的じゃない?

日韓防衛交流を再開へ…レーダー照射問題で再発防止策など確認見通し、近く防衛相会談(読売新聞)
 韓国の 尹錫悦政権が昨年3月、元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題の解決策を発表して以降、日韓間では政治・経済両分野で未来志向の関係改善が進む。防衛当局間の最大の懸案となってきたレーダー照射問題に区切りを付け、安保面でも関係正常化を図りたい考えだ。

 両政府は防衛相会談に合わせ、海自と韓国海軍が再発防止に向けた文書を交わすことも検討。海上衝突を避けるための国際基準「海上衝突回避規範(CUES)」を踏まえ、公海上の飛行・航行の自由や安全の確保、現場で接近した際の意思疎通の徹底――などについて合意する方向だ。
(引用ここまで)


 韓国海軍による火器管制レーダー照射事件について、なにがあったのか明記せずに「再発  防止策」の文書を交わすことになるだろうとの話。

 この件の経緯を見るだけでも、韓国海軍を「パートナー」として扱うことの危険さを理解できると思います。
 当時、ムン・ジェイン政権は徹底的に「レーダー照射はなかった」としていますが、当初から──
「荒天で全レーダーを使っていたのでそれを拾ったのかも」
「北朝鮮の漁船を捜索中だった」
「荒天だったので無線を聞き取れなかった」

 といった言い訳をしていたのですが。
 すべてが嘘であることが判明しています。

韓国政府「日本が公開した映像は証拠にはならない!」……でも、韓国政府の嘘は看破してますよね?(楽韓Web過去エントリ)

 当時の映像が公開されていて、事件当時の日本海はほぼ凪。北朝鮮の漁船は韓国海軍の広開土大王にほぼ横付けでした。
 その距離でなにを「捜索」していたのやら。



 で、ぐだぐだ言っていたものの最終的には「火器管制レーダーの照射はなかった」とする言い訳にたどり着いたという形。
 その後、ムン・ジェイン政権は「日本の哨戒機が近づいてきたら火器管制レーダーを照射しろ」との指針を韓国海軍に出して、半ば自白していたなんてこともありました。

ムン・ジェイン政権、「日本の哨戒機が近づいてきたら火器管制レーダーを照射しろ」との指針を大統領府が作成していた(楽韓Web過去エントリ)

 一応、現場の反対でこの指針が実際の行動に移されたことはありませんが。


 いやね、ミスでもなんでもいいんですが。
 まずはその事実を認めて再発防止策を取ってもらわないと困るんですよ。
 こうした偶発的な事件から戦闘行為に入るなんてこと、歴史上にはいくらでもあるわけで。

 しかし、「反日上等」であったムン・ジェイン政権はその事実を認めることなく、会合も完全に物別れ。
 当時の日韓関係を象徴する出来事になったのでした。
 まあ、その一方で「北朝鮮の漁船はモールス通信用のアンテナを搭載してた」とかいう人たちもいて、「なんだかなー」ってなっていたのも事実なんですが。

 今回の措置を見ると、けっこうひどいこと言ってますからね?
 記事には「海上衝突を避けるための国際基準「海上衝突回避規範(CUES)」を踏まえ、公海上の飛行・航行の自由や安全の確保、現場で接近した際の意思疎通の徹底――などについて合意する方向だ」ってあります。

 CUESって、まともな海軍であればどこであろうとも認識しているもので、日米が合同で中国やインドネシア、ベトナム、フィリピンといった海軍に対して訓練を施しているような状況のもの。
 「はい、こういう事態で両者が近づいたら『戦意なし』って示すためにはこうするんですよ」ってところからやっているわけですよ。

 そんなCUESを「韓国海軍はしっかり認識するように」って日本側が言い渡すってことですからね。
 あからさまな糾弾こそしないものの、世界の海軍から見たら「あいつらあんなん言われてんのかよ」ってなるレベルの話。
 そして、韓国側もそれを受け入れるしかないってことがすべてを語っていると思いますわ。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

日韓両政府が火器管制レーダー照射事件について『再発防止の合意文書策定』へ……ただし、韓国側はいまだに照射の事実を認めず

レーダー照射、日韓両政府が再発防止で合意文書策定へ 酒井海幕長「概ね方向性は合意」(産経新聞)
海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長は19日の記者会見で、韓国海軍による海自機への火器管制レーダー照射問題を巡り、日韓両政府が再発防止策をまとめた合意文書の策定に向けて調整していることを明らかにした。韓国側は照射の事実自体を認めていないが、両政府は再発防止策の協議加速で一致していた。

酒井氏は「概ね大きな方向性は合意できていると思うが、文書の文言などについて現在調整している。それが合意できれば発表できると考えている」と述べた。 (中略)

この問題では韓国海軍駆逐艦が平成30年12月、海自哨戒機に火器管制レーダーを照射した。防衛省は極めて危険な行為だと抗議したが、韓国側は照射を一貫して否定している。
(引用ここまで)


 韓国海軍の行った火器管制レーダー照射事件。
 いまだ韓国側はその事実自体を認めていません。
 このあたりが「ユン政権がまとも」といったところで、限界があることを示しているんじゃないですかね。


 こんな「火器管制レーダーを照射していない」「日本側が危険な飛行をしてきた」なんて嘘、信じているのは韓国人だけ。
 事情に詳しい第三者が見ればすぐにそんな嘘は看過されてしまう。

 外国人の意見はどれも「日本の海上自衛隊機による哨戒活動は通常のそれ」というものばかり。
 中国の専門家や、根本的に韓国擁護の姿勢で知られているダニエル・シュナイダー教授ですら「アメリカの当局者は韓国が火器管制レーダーを向けたと考えている」と述べるほどでしたから。

 ムン・ジェイン政権はそのまま嘘をつき通しましたし。
 政権交代後のユン政権であっても、その嘘を覆すことができない。


 で、ムン・ジェイン政権はさらに「日本の海自機が5.5km以内に近づいてきたら火器管制レーダーを照射すると警告せよ」とする通達を出していました。
 実際に警告が増えていたとする報告があります。
 この通達がユン政権になってから取り消されたのか否か、いまだに不明なんですよね。
 そんな相手と「関係を深化」させることはリスクでしかない。
 「アメリカに目をつけられないていどの仲」で済ませておくのが最良だと思います。
 今回の再発防止文書もどうなることやら。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国国防大臣「火器管制レーダー照射事件についてムン政権は4年に渡って日本に謝罪を要求してきたが受け容れられなかった」と発言

「韓日哨戒機葛藤、謝罪を受けたか」質問…韓国国防部長官「文政権、4年間努力したが受けられなかった」(中央日報)
韓国の李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官は文在寅(ムン・ジェイン)政府が韓日の「哨戒機葛藤」に対する日本側から謝罪を受けるために努力したが、受けられなかったと明らかにした。

李長官は12日、国会の対政府質問に出席し「日本側から哨戒機葛藤関連で謝罪を受けたのか」という共に民主党の田溶冀(チョン・ヨンギ)議員の質問に「受けていないと聞いている。前政権で4年以上(謝罪を受けようと)努力したが、受けることができなかった」と答えた。

当時、日本側は「韓国海軍艦が哨戒機に向かって攻撃直前の行為に見なせる射撃統制レーダーを稼動した」と主張したが、韓国軍は「事実無根」と対抗し、真実攻防が繰り広げられた。

李長官は4日、アジア安全保障会議(シャングリラ会合)への出席を機に開かれた浜田靖一防衛相と韓日国防相会談当時、両国間の哨戒機葛藤を収拾し、再発防止対策を講じることで合意した。

李長官は「韓国が哨戒機事件以降改正した日本哨戒機の対応指針を撤回する準備をしている」という日本メディアの報道に関連しては「事実ではない」と否認した。
(引用ここまで)


 韓国の国防部長官が韓国海軍による火器管制レーダー照射事件について「ムン・ジェイン政権時代に日本からの謝罪を求めたが受けられなかった」と国会で発言。
 これ、事件当時から日本側にも認識されていたことなのですけども。
 韓国大統領府的には「一方的に低空飛行してきた日本が悪い」としているのですね。

 あれだけ状況証拠が揃っていて、韓国側の自己弁護動画がゴミでしかないものしか作れなかったにも関わらず。
 ……改めて動画見たんだけどだっさいっていうか。



 北朝鮮の朝鮮中央TVの血脈って韓国にも確実にあるよねっていう。


 韓国側は「自分たちは悪くない、低空飛行してきた日本が悪いだけ」という認識なのです。
 それが今回の国防部長官による「ムン政権は日本からの謝罪を受けられなかった」との発言につながるわけです。

 もうひとつはムン政権時代に定められた「日本の哨戒機が近づいてきたら火器管制レーダーを照射せよ」とする指針について、削除されるのではないかともされていたのですが。
 削除は事実ではない、とも明言。
 ま、日韓関係はこんなもんじゃないかな、といった感じです。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

火器管制レーダー照射事件を「事実上の棚上げ」へ……自衛官からは「大ゲンカした後、どちらも謝らずに何事もなかったかのように振る舞えるだろうか」との声も

日韓、協力優先で事実棚上げ 「防衛外交」重視にじむ(産経新聞)
日本、韓国両国の防衛当局間で最大の懸案だった韓国海軍艦による海上自衛隊機へのレーダー照射問題は、照射の事実解明を棚上げしたまま、類似事案の再発防止を図ることとなった。日韓関係の停滞により米国主導のミサイル防衛網を妨げないようにするためだ。名を捨てて実を取る選択だが、日韓の首脳外交が先行する中、韓国の危険行為を見過ごすことになりかねない決断に、現場には腑に落ちない思いも残る。 (中略)

関係改善を急ぐ両国を象徴する場面が前日にあった。日韓と米国のオースティン国防長官の3カ国で行われた防衛相会談。開始前の写真撮影時に李氏から「握手してください」と浜田氏に求めた。2人の間にいたオースティン氏は2人の手を取り、掲げて結束をアピールした。米国の仲介による3カ国の関係を表しているかのようだった。 (中略)

防衛省幹部は「立場が違う以上、追及すれば話ができない。思うところは飲み込むしかない」と苦しい胸の内を明かす。

協力を再開すれば海自は韓国軍と向き合うことになる。「大ゲンカした後、どちらも謝らずに何事もなかったかのように振る舞えるだろうか」。ある海自幹部は不満を漏らす。
(引用ここまで)


 日韓が防衛協力を行うにあたって、韓国海軍が日本の海上自衛隊に対して行った 火器管制レーダー照射について、実質的に棚上げにするとの判断が行われました。
 まあ、アメリカからそうして圧されたら是非もない……というのが実際なのでしょう。
 日本の防衛はアメリカなしでは立ちゆきませんし、そのアメリカが今後数年間は日米韓の防衛連携を密にすると判断したのであればやむを得ないところ。

 ただ、記事にあるように現場ではしこりが残るでしょうね。
 「大ゲンカした後、どちらも謝らずに何事もなかったかのように振る舞えるだろうか」はきっちり本音でしょう。

 火器管制レーダーが照射されたことは間違いない。当時、防衛相から公開された映像を見ても「FC系出している」「FCコンタクト」っていう報告が的確に出されているのが理解できると思います。



 6分過ぎ。
 韓国側はこの映像を見て「対応が冷静すぎるので作り話だ」と反論したそうですわ。
 むしろ激昂せずに現状を認識しながら哨戒任務を行っていることが分かります。
 頼もしいですね。


 ちなみにこの「韓国の反論」は当時、統合幕僚長であった河野氏はその著作で書いていたものです。
 「韓国軍はこういう時に慌てふためくのかもしれないが、自衛隊の冷静な対応は訓練の賜物だ」とチクリと書いていたりもします。

 河野氏は全体的にはこのエピソードについて「韓国側がなにを言っているのか理解できなかった」との主旨の言葉を書いています。
 「私も生まれてこの方『無礼』と言われたのは姑からと韓国ぐらいのものである」とか面白おかしく書いていますが、そうでも書かないとやってられなかったのでしょう。

統合幕僚長 我がリーダーの心得
河野克俊
ワック
2020-09-30


 喫緊の対北朝鮮対応を考えればアメリカの焦りもわからないではないですが。
 「類似事案の再発防止策」で棚上げしてくれ、であればやむを得ないか。

 これもムン・ジェイン政権下における異常行動のひとつではあるのですよね。
 事実関係すら認めない、謝罪も再発防止の確約もせずに「悪いのは日本だ!」と言い出して、「今後、海自機が近づいてきたら積極的に火器管制レーダーを照射しろ」との指針まで作成していたのですから。
 まあ、現状のユン政権下ではこれが繰り返されるとは思いませんが。

 与野党の政権交代があったらどうなるか分かったものではないのですよね。
 現在の野党代表は「日本は敵性国家」発言で知られているイ・ジェミョンなのですから。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

朝日新聞記者「韓国が火器管制レーダー照射を認めなかったのは『嘘つき』という烙印を押されることを避けるためだった」……でも嘘つきじゃん

自衛隊機へのレーダー照射疑惑、韓国国防省が改めて否定 絶対に認められない軍の事情(朝日新聞GLOBE+)
日本側の通報から約3時間後、韓国国防省は「レーダー照射の事実はなかった」という見解を日本に伝えた。ただ、韓国国防省は同時に「この問題については、しばらく非公表とし、韓日双方の実務者協議で解決を図りたい」と伝えてきた。 (中略)

もちろん、こうした言い訳はかなり苦しい。当時の自衛隊幹部によれば、海自哨戒機にはレーダー照射の警報音が鳴り響いていた。計器はウソをつかない。 (中略)

韓国国防省報道官が翌15日の記者会見で、「日本はわが軍艦のレーダー情報全体について(開示を)求めた。受け入れが難しく、大変無礼な要求だ。事態を解決する意思がない強引な主張だ」と非難した。

これで、自衛隊もぶち切れた。当時の河野克俊自衛隊統合幕僚長は後に、「無礼だという発言が無礼だ」と周囲に激怒したという。

自衛隊は「これ以上、ケンカをしていてもらちが明かない」として、1月21日に防衛省がレーダー問題に関する最終見解を発表することで、日韓協議の打ち切りを発表した。 (中略)

別の韓国軍の元将校は、韓国国防省・軍の激しい反発について、「ウソつきという烙印を押されたら軍が崩壊する。それを避けるための便法だったのではないか」と語る。

こうして振り返ってみると、今回の韓国国防省の会見(11月17日)にも、「軍の崩壊を避ける」という思惑が見える。 (中略)

ここで昔の主張をひっくり返したら、もとの「ウソつき」に戻ってしまう。それは韓国の軍人として耐えられないことなのだろう。

複数の関係者によれば、当時の韓国海軍は火器管制レーダーの照射記録など、生データの収集をあえてやらなかったという。おそらく、すでにレーダー装備も取り換えている可能性が高い。この事件はこのまま闇に葬られるのだろう。
(引用ここまで)


 韓国側事情にかなり詳しい朝日新聞の牧野愛博氏による火器管制レーダー照射事件の顛末解説。
 曰く、「日本側に『あいつらは嘘つきだ』と指摘された嘘つきが、嘘を糊塗するために嘘をつき続けた」と。
 まあ、身も蓋もないというか。

 まともな軍事評論家であの行為を擁護できる人間はいませんわ。
 中には「ミサイルのハッチが開いていなかったから、嫌がらせていどだ」とかする逆神もいたのですが。
 広開土王に装備されているMk48はミサイル発射時に吹き飛ばして終わりの簡易蓋。
 そもそもハッチは開かないんだよね。あと、そもそも嫌がらせをするな。


 昨日も書いたように、韓国側がどこまでも嘘をつき通すというのであれば、日本側もどこまでも安保協力・交流を北朝鮮関連に限定するしかない。
 日本はインド太平洋戦略の旗振り役、提唱者として国際的な信認を受けつつあります。
 イギリス、オーストラリアと軍事面でRAA(円滑化協定)、ACSA(物品役務相互提供協定)を締結して準同盟といっていいほどの深化を見せています。
 定期的に外務、防衛相会談、いわゆる2+2をも行っていますね。
 すでにイギリスとは次期戦闘機の共同開発も行っています。

 韓国と行っているのはGSOMIAだけ。
 上記のような軍事的な協定はおろか、2+2すら行われていない。
 嘘つきとは関わってられない、ということですわ。

 アメリカの意向を完全に無視することはできないので対北朝鮮では多少の協力体制を見せることくらいはするでしょうが、実務的な交渉はゼロ。
 当面はそのままだな、ということで終了です。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国政府、ふたたび「火器管制レーダー照射はなかった」と表明。実はそれでも日本にはなんの問題もなかったりします

韓国国防部 海自哨戒機への「レーダー照射はなかった」(聯合ニュース)
2018年に韓国海軍の艦艇が海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射したと日本側が主張している問題で、韓国国防部のムン・ホンシク副報道官は17日の定例会見で改めて「当時、わが軍のレーダー照射はなかった」との立場を示した。

ムン氏は「韓日の双方に意見の違いがある」として、「今後、韓日関係の推移を見極めながら国防当局間の協議を通じて議論が必要な事案」と述べた。
(引用ここまで)


 韓国国防部が改めて「火器管制レーダー照射はなかった」との立場を確認。
 「双方に意見の違いがある」とはしています。

 ただ、それはそれでなんの問題もないのです。
 いや、問題は残っているけど。
 海上自衛隊のトップである海上幕僚長が「この事件が問題となっていて協力・交流はできない」と発言している。
 さらに国防大臣まで同様の発言を行っている。

 すなわち対北朝鮮で必要がある部分だけは協力するが、それ以外の協力・交流はまっぴらごめんだとの意見が表明されいているのです。
 背中から撃たれかねないのだ、という話ですからね。


 すでに国際的には日本の言い分が正しいとされています。
 複数の専門家が「日本の哨戒活動は正当のもの」と検証しています

 あのスタンフォード大学のダニエル・スナイダー教授であってですら韓国への擁護ができず「アメリカ軍、政府高官は日本の説明をおおむね正しいものとして受け入れている」と語ってしまうほど。
 これ、けっこうな衝撃でしたからね。
 アクロバット擁護をも辞さないあのダニエル・スナイダーが韓国の擁護を諦めたなんてちょっとした事件ですわ。

 日本では東京新聞ですら「韓国の説明は揺れている」「納得できる証拠を示してほしい」って言わざるを得なかったほど。
 あの東京新聞であってですら、ですからね。

 そんな中、韓国側が「火器管制レーダー照射はなかった」と主張し、それで安保協力・交流ができないのであれば、それはそれでなにが問題なのかと。
 諸外国、アメリカも納得するでしょうよ。「火器管制レーダーをいつ照射されるかわからない相手と組めるのか」と問われるわけですから。

 今回の日米韓首脳会談、日韓首脳会談と同様、日本と韓国は「必要なところでは最低限の協力を行う」くらいのことしかしない状況です。
 そして、それが許される状況へと日本はようやく自らの立場を引き上げることに成功した、というわけです。
 だからこそこうして「韓国にボールはある」と半ば以上放置できているのです。

Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

韓国メディア「旭日旗に敬礼までしたのに、また日本が後頭部を殴ってきた!」……防衛相が「火器管制レーダー照射事件等の問題があり、協力・交流ができない」と発言

旭日旗に敬礼までしたのに……後頭部を殴る日本(MBC・朝鮮語)
韓国海軍が日本首相に向かって敬礼をしたが、指揮艦にかかっていた旭日旗が議論になりました。
韓国の国防長官はこうした議論にも国家的利益に向けて観艦式に出席したと釈明しました。
ところで観艦式が終わって数日も経たないうちに、日本が4年前の哨戒機議論に再び火をつけました。

浜田靖一防衛相/昨日
「レーダー照準事案などの様々な問題があって両国の防衛協力・交流に影響を与えています。韓国側の適切な対応を強く求めていくこととします」

ここに海軍参謀総長である海上幕僚長まで手伝って出ました。

酒井亮海上幕僚長/昨日] 「ボールは韓国側にあると思います。これから韓国側でこの問題について整理された解答があると思います」

韓国が解答を出さなければ海上自衛隊との軍事交流はないと脅しもかけました。

2018年初めきっかけ、議論の出発点は日本の低高度の脅威飛行でした。
日本の哨戒機が海面150メートル低空飛行をして、韓国の広開土大王艦500メートル距離まで接近した脅威偵察をしたのです。
しかし、日本は脅威飛行に対する釈明や謝罪がなくて韓国が射撃レーダーを照準したという主張だけを繰り返しています。

当時、射撃統制レーダー照準はなかったというのが今まで一貫された韓国国防部の立場です。
強制動員賠償判決に続き、哨戒機議論まで、韓国が先に解決策をもたらすとし、日本がしきりに韓国政府に宿題を出しています。
(引用ここまで)


 浜田靖一防衛大臣が日韓関係について「火器管制レーダー照射等の様々な問題があって両国の防衛協力・交流に影響を与えています。韓国側の適切な対応を強く求めていくこととします」と発言。

 15日の記者会見での発言です。



 5分50秒くらいから。

 やはり現場としても韓国軍への不信感は拭いがたいものがある、というのが実際なのでしょう。
 対北朝鮮での安保協力については「それはそれ」としてやらなくてはならない、という認識。
 まあ、アメリカからの要請もあるでしょうしね。

 ただ、対北朝鮮での情報協力はともかくそれ以上は火器管制レーダー照射事件についての「調査」を済ませてからだという認識。


 それは海上自衛隊側からも声が出ています。
 海上自衛隊の酒井良海上幕僚長は「現状では日韓防衛交流はできない」とばっさり。

海上幕僚長「ボールは韓国側に」 レーダー照射問題(産経新聞)
平成30年12月に起きた韓国海軍駆逐艦による海自哨戒機へのレーダー照射問題に関し「ボールは韓国側にあると認識している。今後、韓国側から整理された回答があると認識している」と述べた。

酒井氏は、レーダー照射問題と韓国による自衛艦旗(旭日旗)の不当な排斥を日韓の防衛当局間の問題として挙げた上で「2つの問題が明確にされない限りは防衛交流を推進する状況ではない」と強調した。
(引用ここまで)

 他の記事では「韓国海軍の李鍾皓海軍参謀総長(大将)が観艦式に伴うシンポジウムに参加したが会談はしなかった」との発言も報じられています。
 アメリカを交えた3カ国会談は行ったとのことなので、やはりここでも「アメリカを軸とした対北朝鮮協力体制」は見せることにした、と。

 この件についてはとにかく韓国メディアの調査能力のなさがクローズアップされましたね。
 国外の識者に両方からの資料を見せて、どちらの主張が正しいか聞くなんてことは一切やらない。
 ただただ、大統領府と韓国軍の「我々は何もしていない。悪いのは日本」という主張を鵜呑みにして報道するだけ。

 当初の情報の混乱がなぜあったのか。
 国際的に見て海上自衛隊のP-1による哨戒活動がどのようなものだったのか。
 一切の検証なし。
 そんなもんは報道ですらないんだよな。

 まあ、それをやったらやばいと本能的に理解していたのかもしれませんけどね。
 MBCの報道もYouTube版あったので一応ピックアップしておきましょうか。



Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→

平気でうそをつく人たち:虚偽と邪悪の心理学
M・スコット・ペック
草思社
2016-03-03