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カテゴリ:火器管制レーダー照射事件の記事一覧

韓国メディア「火器管制レーダー照射で正しかったのは韓国だ」「なのに日本はまだ謝罪もしていない」……うーん、この

軍、韓日関係「低姿勢」議論… 国民感情を見なければ(イーデイリー・朝鮮語)
2018年年末に始まった韓日間、いわゆる「哨戒機脅威飛行」あるいは「レーダー照射」葛藤はまだ終わっていない事件だ。戦後の事情と日本側が「決定的な証拠」と公開した動画、国際慣例などを総合してみると、我が艦艇が日本哨戒機を狙って射撃統制レーダーを稼動したという主張は信憑性が落ちる。むしろ日本側が韓国海軍艦艇に近接して脅威飛行をしたと見るのが妥当だ。

ところがユン・ソクヨル政府に入って両国はお互いの間違いを問うよりも葛藤を縫合する側に舵を切ったようだ。イ・ジョンソプ国防部長官は最近、国会で日本海上哨戒機に対する積極的な対応指針を破棄することも検討しなければならないと述べた。間違いを犯した日本が謝罪すらもなかったのにだ。「低姿勢」と映りかねない。 (中略)

日本はまだ韓日関係改善のためのジェスチャーを取っていない。大法院の判決に対する輸出規制もまだ解決されていない。それでも大統領室関係者は日本指導部の神社参拝を「慣習」といい、駐日大使は先に戦犯企業の資産強制売却に反対するような発言をした。現政府が日韓間協力する部分を考慮して「未来志向的視点」を強調することは理解する。しかし国民感情が考慮されなければならない。速度調節が必要だという話だ。我が軍の対日本軍事協力もそうしなければならない。
(引用ここまで)


 韓国海軍の広開土王艦による海上自衛隊のP-1に対する火器管制レーダー照射事件について、いまだに韓国メディアからは「脅威になる低空飛行をしたのは日本であって、韓国軍は火器管制レーダー照射などしていない」という立場である、という記事。
 徹底的に検証してみればいいのにね。

 韓国、日本ではなく、アメリカ等の複数の軍事評論家に「これらの資料からどのような事態であったかと思われるか」とか「日本のP-1による脅威はあったのか」って質問状を投げてみればいいんですよ。

 すでにコリン・コー氏をはじめとした識者の多くは「通常の哨戒飛行だった」と判断していますし。
 中国ですら「(日本の近接飛行は)非友好的であっても国際法には違反しない」と述べているほど。
 韓国側の立場を語ることが多い(多かった)スタンフォード大のダニエル・スナイダー教授すら「アメリカ政府、軍は日本の説明を正しいものとして受け入れている」と書かなければならなかったレベルで韓国の説明は拙いものでしたから。


 こうした話を見ると、よく分かるなあ……という記事がひとつありまして。
 以前ピックアップしたこともあるのですが。

「在日3世」の私が、「先進国の日本」から移住してわかった「韓国=後進国」という残酷な現実(現代ビジネス)

 この記事の筆者は「韓国人はNAVERでしか検索をしない。Googleなどはほとんど使われていない」ととあります。
 これ、実感としてよく分かります。韓国国内で完結してしまっていて、それ以上のことを調べない。

 そのもっともよく理解できる例として挙げられるのが二冊の嫌日流。
 徹頭徹尾、「ネットで見た」っていうていどの話を描き続けてましたからね。

 旧enjoykoreaでも「ファクトを調べてみろ」って言われたところで調べられない人がほとんど。
 そして貴重な「調べられる人」は「……日本人の言っていたことが本当だった」ってなってしまうのでした。
 彼らにはかわいそうなことをしてしまったなぁ……。

 そうした実感があるからこそ「高度な読解力を持つ韓国人は日本人の1/3」というPIAACによる統計が出たときに膝を叩いたのです。
 そういえばPIAACは第2回が行われたはずです。発表を待ちましょう。

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日韓の防衛次官が5年ぶりの会談、火器管制レーダー照射については「問題の議論を継続する」模様

韓日国防次官が6年ぶり会談 哨戒機問題の解決向け「実務的に議論へ」(聯合ニュース)
韓国国防部の申範澈(シン・ボムチョル)次官と日本防衛省の岡真臣・防衛審議官が7日、ソウルで開催中の多国間会議「ソウル安保対話(SDD)」を機に会談した。韓日国防次官の対面会談は2016年9月以来、6年ぶり。地域の安全保障問題をはじめ、韓国軍の日本哨戒機への対応や日本の国際観艦式招待などの懸案を話し合った。 (中略)

 2018年末に韓国海軍の艦艇が海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射したと日本側が主張している問題に関しては、「両国国防当局間の協力・発展のため、(この事案の)解決の必要性に共感し、問題を実務レベルで議論することを決めた」と説明した。 (中略)

 岡氏は会談を終えると申氏より先に会場を出た。特にコメントはなかった。
(引用ここまで)


 日韓の防衛次官会談が行われました。
 さらっと「韓国軍が火器管制レーダーを照射したと日本側が主張している問題」とかしていますが。
 まあ、韓国にもこれが最大の問題であるという認識はあるのでしょう。
 こうした日韓の安保体制の修復は韓国がアメリカからきつく言い渡されているのは間違いありません。

 米韓外相会談後の共同記者会見で、パク・ジン外交部長官が「GSOMIAを正常化します」と宣言させられた件を見ても確実にかつ、かなり強く言われています。
 日韓のGSOMIAの話題なんて本来であれば米韓外相会談の話題としてはかけ離れたものですからね。
 それでもあの席で「正常化します」と言わざるを得なかった状況を考えると、アメリカの圧力は相当なものであったことが理解できると思います。
 圧力の軽重はあっても日本にも同様に「韓国とどうにかできないか」との打診がきているでしょうね。


 とはいえ、日韓間には火器管制レーダーを照射されたという厳然たる事実がある。
 動画を見た軍事評論家、軍関係者で海上自衛隊のP-1がレーダー照射されたことを疑う人はひとりとしていないでしょう。韓国国内はともかく。
 それだけ日本側の言い分には説得力があり、韓国の反論動画はくだらないものでした。
 おまけにその後にムン・ジェイン政権は「日本の哨戒機が接近したら火器管制レーダーをばんばん照射しろ」との指針まで作っていたことが判明しています。

 日本としては許容しがたい所業です。
 いくら前政権の話といえども筋を通せ、という話になるのは当然のこと。
 それを韓国側に伝えるという意味ではよいのではないですかね。
 岡真臣防衛次官が会談後にノーコメントだったのも、日本側の対応の厳しさを象徴している感じです。
 この面においてもミリほどの疎通すらなかったムン政権よりは多少はマシかなー。

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韓国国防部次官「日本の哨戒機への火器管制レーダー照射はなかった、というのが我々の立場……だが解決のために議論はする」

レーダー照射「文政権、適切だったか疑問」 韓国国防次官一問一答(毎日新聞)
――レーダー照射問題をどう解決するのか。

 ◆公式的には、レーダー照射はなかったというのが我々の立場だが、両国関係の改善や国防協力の観点からより包括的に解決する意思がある。

 ――韓国内では文在寅(ムンジェイン)前政権は19年に韓国軍が艦艇に近づく日本の自衛隊機に対してレーダーを照射する指針を作ったとの指摘もある。

 ◆指針ではないが、文前政権が外国の国々の中で、日本に対してだけ追加した手続きを実施していた。それが適切だったかについては疑問を持っている。
(引用ここまで)


 韓国の国防部(防衛省に相当)次官が毎日新聞とのインタビューに応じて日本との安保協力等について語っています。
 引用部分のあとには「日韓で事実認識が異なるので、そうした部分も踏まえて議論しなければならない」と続きます。

 まだムン政権の公式見解である「火器管制レーダー照射はなかった」を建前にこそしていますが。
 火器管制レーダー照射はあった、という認識に傾きつつある感じですね。
 ただ、それを無条件で認めることはしたくないので、ここでも「包括的に云々」と述べているといったところでしょうか。
 「我々のメンツも立ててほしい」という感じかなー。知ったこっちゃないけど。


 あと先日スクープされた「対日本だけの火器管制レーダーを照射すべきとの指針」については「指針ではないが手続きとして存在している」とのこと。
 そして現政権はその存在が適切であったか疑問に思っている、と。
 まあ……ムン・ジェイン政権がどれだけ無茶苦茶だったのか、という話の一環であって「あいつらだったらやりかねない」くらいのものではありますけどね。

 それ以外だと──
・観艦式については「まだ政策決定はしていない」
・THAAD追加配備については「総合的に判断。いますぐやるというものではない」
・インド太平洋戦略には「基本としてコミットする」立場

 ──といった感じでした。

 米韓の安保状況についてはかなり本気で修復を考えている、というのはユン政権の方向性として間違いないところ。
 まあ、その方向性をアメリカが認めるのかどうかはまた別ですが。
 原則的には歓迎されるでしょうね。

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日韓の防衛当局、「火器管制レーダー事件」の対立解消のために局長級協議……「真相を究明するよりは対立の解消を」

韓日防衛当局 18年哨戒機事件巡る対立解消へ局長級協議(聯合ニュース)
韓国と日本の防衛当局が両国の軍事交流の障害となっている2018年12月の哨戒機事件の解決策を探るため、局長級協議を行っていることが11日、分かった。

 韓国の政府関係者は「局長級協議で哨戒機問題を議論している」として、「現在、韓日関係の改善ムードがあるため、過去のように一方的な主張をするより、関係改善のモメンタム(勢い)を活用し良い方策を見つけるため」と説明した。 (中略)

 韓日の外交消息筋は同事件について、「実務的な協議が行われている」として、「双方に認識の差があるため、是非を問うことは難しい。(対立を)一段落させるための方法を講じなければならない」と述べた。約4年が過ぎた事件の真相を究明するよりは、対立を解消させ、交流を再開させる方向で議論が行われるとみられる。
(引用ここまで)


 ここ何日か、2018年の年末に起きた韓国海軍の広開土王艦から海上自衛隊のP-1に火器管制レーダーが照射された件について協議する(協議している)との報道がぽちぽちと出ています。
 7月にはイ・ヨンジュン元北核大使が「この事件も詳細が解明されるだろう」と述べたことがありました。
 北朝鮮漁師強制送還事件と並べた形で、ムン・ジェイン政権による暴虐のひとつとして挙げられていましたね。

 つい先日、日経がユン・ドクミン駐日韓国大使にインタビューした際にも同様に火器管制レーダー照射について語っていました。

尹徳敏駐日韓国大使、自衛隊機へレーダー照射「協議中」(日経新聞)

 当時から日韓の言い分は180度異なるものでした。


 というか韓国側の言い分は「火器管制レーダーを使ったのは捜索のため」から「照射などしていない」になっていましたね。
 もう言い分はふらっふらにぶれてました。 

 韓国側が「証拠」として出してきたものはほぼすべてが噴飯物で。
 「P-1の高度を測らせないために海面を出さない」とかいう小賢しい手段でした。あとうざいBGMをつけたりしてたか。
 (韓国以外の)軍事専門家は口を揃えて「日本の哨戒活動は危険なものではなかった」としていました。

 あれを「事件の真相を究明するよりも」なんて話で有耶無耶にできるのか。
 そんなことをやられたら現場の自衛官はたまったもんじゃないですけどね。
 しっかり検証してほしいものですが。
 それなしで「交流再開」とか言われても空気は変わらないわな。

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韓国の元外交官「韓国海軍による海自機への火器管制レーダー照射事件も、ムン政権による対北政策の一環だったのでは。解明されるべきだ」

【寄稿】国家による国民に対する犯罪行為を正当化するつもりか(朝鮮日報)
前政権が国民を北朝鮮の手に渡して殺害を後押し、あるいは放置した二つの事件で国内外の世論がざわついている。一つは2019年11月、亡命を求めかつ憲法上は韓国国民である脱北漁師2人を強制的に北朝鮮当局に引き渡し、処刑させた事件だ。韓国政府は彼らを「船の上で数十人を殺害した凶悪犯」と主張しているが、そのことだけで強制送還は正当化できず、しかも彼らが乗っていた漁船からは凶器も血痕も見つからなかった。もう一つは2020年9月に北朝鮮側の海域で漂流していた漁業指導を行う韓国の公務員が数時間にわたり望遠鏡の可視距離にいながら、現場で救助の努力を一切せずに放置し、北朝鮮軍により射殺させた事件だ。救助隊の投入までは期待できないとしても、たびたび話題に上る北朝鮮との連絡チャンネルや海上での共用無線通信などを使った連絡は一度も試みられなかった。世論が沸き立つと当時の政府はこれを「越北事件」に捏造(ねつぞう)しようとした。 (中略)

この二つの事件を振り返ると幾つかの共通点が目につく。第一に後から必ず真実が解明され、大きなスキャンダルになることを事件当時から誰もが予想していた点だ。2018年12月に韓国の駆逐艦「広開土王」が日本の哨戒機と対峙(たいじ)してまで独島の北東200キロにある大和堆に急いで向かい、北朝鮮漁船1隻を救助して北朝鮮に送還したというあり得ない事件もあったが、これもいつか解明されるだろう。第二に二つの事件は北朝鮮に対して当然行うべき要求も拒否も一切せず、ただ平壌の顔色ばかりうかがっていた文在寅(ムン・ジェイン)前政権当時の青瓦台(韓国大統領府)の「口には出せない事情」がそのまま反映されたものだった。第三に両事件と関連する韓国政府中枢部の奇怪な判断と動きは、何か極秘で非公式な北朝鮮とのルートの存在を想定しなければうまく説明できない点だ。
(引用ここまで)


 おっと、韓国側からも2018年12月に起きた火器管制レーダー照射事件についての言及が。
 北朝鮮漁師強制送還事件とこの火器管制レーダー照射事件は線で結べるはずだ、という主張になりますかね。
 このコラムを書いたのは元KEDO政策部長で、北核大使もしていたイ・ヨンジュン氏。
 北朝鮮漁船を救助し、その過程で日本の海上自衛隊機に火器管制レーダーを照射し、かつ漁船を曳航して北朝鮮に送還した……という一連の動きになにか怪しさを感じている、ということなのでしょう。

 当時から「北朝鮮が韓国になにかを渡そうとしていたのだ」とか、「韓国が瀬取り取り締まりをするどころか、なにかを渡していたのだ」とかいう陰謀論を吹きまくっていた連中がいましたが。
 まあ、どう見てもただの漁船でそんなことするわけがないわなっていう。

 韓国の船から韓国側当局に対して「漂流しているらしき漁船を見つけた」という報告があったことも確認されています。それで広開土大王が駆けつけたと。
 このあたりには怪しい動きはないのですが。
 件の漁船をていねいに送還したあたりがなんか異様。


 単純にムン・ジェイン政権が北朝鮮のものは北朝鮮に返す、という方針があったとしか思えません。
 ベトナムにたどり着いた脱北者も完全に無視されていて、北朝鮮に送り返される寸前でアメリカ政府が保護したなんてことまであったほどです。
 当時も書いたのですが、これありえない話ですからね?
 憲法上、自国民であるはずの脱北者を韓国政府が無視して、出てきた中国側に送還される寸前にアメリカの当局者が業を煮やして保護するとか。

 それ以前の2019年4月、および同年の12月にもベトナムにたどり着いた脱北者を見殺しにしています。

 ムン・ジェイン政権は対北朝鮮政策は一貫していたのですよ。
 「すべてにおいて北朝鮮に従う」ということで。
 たとえ南北共同連絡事務所が爆破されても。
 ベトナムで米朝首脳会談が決裂しても。
 「法律でも作ってビラを規制しろ!」と言われれば平伏して法律を作る。

 ムン・ジェイン政権にとっては火器管制レーダー照射事件はその傍らで起きた些事、くらいの認識なんでしょうね。
 大事な北朝鮮漁船の送還を煩わせたのだから当然だ、くらいの認識だった……という感じか。
 まあ……そういう視点に立てば、行動としては一貫していることは一貫してるのか。

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2年前の韓国海軍による火器管制レーダー照射は「韓国人が激昂したため」だったのか、それともP-1が誤動作したのか……韓国側の見方は……

不信の日本、韓国海軍の一挙一動を低空監視(ハンギョレ)
 2018年12月21日夕方7時。2カ月前に韓国最高裁判所(大法院)が出した強制動員被害賠償判決で、韓日関係が破局に突き進んでいた頃だった。薄暗くなった東京市ヶ谷の防衛省庁舎玄関で、岩屋毅防衛相(当時)が落ち着かない表情で記者団の前に姿を現した。この会見は、同日行われた岩屋防衛相の二度目の記者会見だった。午前10時半に開かれた最初の会見で2019年度防衛予算に関する15分ほどの記者団の質問に答えてから1日もたたず再び緊急記者会見を要望したのだ。

 岩屋防衛相は「20日午後3時ごろ、(本州中部の)能登半島海域で警戒監視中だった自衛隊P-1哨戒機に、韓国軍の駆逐艦が火器管制レーダー(韓国では射撃統制レーダーと呼ぶ)を照射した。韓国側の意図は明確に分からないが、レーダーを照射するのは火器使用の前に行われる行為だ。これは予測できない事態を招きかねない非常に危険な行為だ」と述べた。岩谷防衛相の突然の会見に、韓国国防部は当日夜、出入記者らにショートメールを送り「軍は正常な作戦活動中だった。作戦活動の間にレーダーを運用したが、日本の海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない」と明らかにした。その後、韓日国防当局間の信頼関係を破綻に追い込む「海上自衛隊哨戒機威嚇飛行および韓国海軍レーダー照準」問題が始まった。 (中略)

日本の言い分通りなら、広開土大王艦では友好国の哨戒機を火器管制レーダーで狙った(ロックオン)とみられる行為を3回も繰り返す容認できない「軍紀を乱す」行為が起こったことになる。逆に、韓国の主張が正しければ、日本が誇る最先端P-1哨戒機が深刻な機器の誤作動を起こしたと結論を出すしかない。「人のせいか、機械のせいか」というこの質問については、信頼できる消息筋からの話があるが、ここで詳しい言及は避けたい。結局、妥協するしかなかった。 (中略)

 過去の事件に対するわだかまりが残っていた2019年1月23日、チョン・ギョンドゥ国防部長官は午後2時3分に始まった新年懇談会を40分で緊急中断した。離於島(イオド)付近の海上で、自衛隊機が韓国海軍の軍艦に再び低空威嚇飛行を試みたからだ。激昂した国防部は、一時「自衛権的措置」にまで言及し、それまでに確認されていた3件の低空近接飛行事態を公開した。防衛省は21日、広開土大王艦1隻に対して3回も低空飛行を試みたことも認めた。日本の自衛隊は、相手が嫌だというのになぜこのような行動を繰り返したのだろうか。深い不信のためだった。韓国をこれ以上信じられないため、怪しい動きが捉えられるたびに低空飛行で精密監視を試みていたのだった。
(引用ここまで)


 2017年頃からの南北関係の変化とともに、ムン・ジェイン政権下での日韓関係を語っているハンギョレの連載記事である「キル・ユンヒョンの新冷戦韓日戦」。
  初回に「約10回で〜」とあったのでおそらく最終回。もしかしたらもう1回くらいあるんですかね。
 全体に渡って韓国左派、よりムン・ジェイン大統領、ムン・ジェイン政権に近い立場からの視点での日韓関係が描かれています。
 向こう側から見た時の日韓関係はどのようなものなのか、という視点の転換が得られるので面白い記事だとは思います。
 ま、それはともかく。

 今回は2年前の広開土王艦による火器管制レーダー照射事件について。
 どうも歯切れが悪いというか、匂わせというか。
 全体のトーンとしては韓国側の照射があったことを暗に認めている感じ。
 これについては最近発刊された前統合幕僚長である河野克俊氏の著作でも言及がありますが、こちらは「韓国がなにを言っているのか理解できない」といったところでした。

 ハンギョレのこのコラムであってですら、「韓国海軍による火器管制レーダーの照射を否定できていない」というところからお察しください、というところでしょうか。
 まあ、この事件前後から韓国は日本にとって軍事的にも「とてもじゃないけども友好国とはいえない」という相手になったのです。
 中国を相手にしつつ、日本海で韓国を相手にするというのはしんどいのでなんとかしたいところではあるのですが。
 こんな事件で引くなんてことはできるわけもないですしね。

 このコラム、とりあえず通して読んでみてもよいと思います。韓国側の日本に対する考えかたというものがかなり色濃く出ているコラムですので。
 特に米朝交渉関連で「そこ日本のせいなんだ?」とみたいな話がいくつも出てきます。

統合幕僚長 我がリーダーの心得
河野克俊
ワック
2020-09-30

岩屋防衛相、非公式の日韓防衛省会談を行うものの火器管制レーダー照射については完全に平行線……

哨戒機後、初の韓日国防会談……日本側は謝罪もせずに不満を語るのみ(中央日報・朝鮮語)
日本の哨戒機低空脅威飛行事態に浮上した韓日両国の葛藤が、シンガポールのアジア安全保障会議(シャングリラ対話)中、両国長官会談が実現され、縫合の扉が開かれた。しかし、日本ではまだ「真実はひとつ」と低空脅威飛行事実を認めなかった。ただし、両国は「未来志向の関係」に傍点を撮って再発防止を行うことに結論を下した。

チョン・ギョンドゥ国防部長官と岩屋毅防衛大臣は1日午後、日韓の国防長官会談を開いて40分間意見を交わした。これシャングリラ対話の通常の会談とは異なり、冷却された両国国防協力を正常化するために意義を置く席だった。昨年12月に哨戒機葛藤の余波で、両国の国防長官会談は昨年10月にアセアン拡大国防相会議(ADMM-Plus)を最後に開かずにいた。

チョン長官はこの日の会談を終えた後、記者たちと会って、「日本の防衛相と日韓の防衛協力についてよい会談となった」とし「哨戒機近接脅威飛行関連しても虚心坦懐に率直な意見を交わした」と述べた。そして「これから両国が緊密に協力しながら、今後このようなことが再発しないように発展させていこうのに意見を一致させた」と説明した。

この日の会談でチョン長官は、岩屋防衛相に韓国艦艇の射撃統制レーダー照射について明白な根拠があることを説明した後、日本哨戒機の飛行のための国際法遵守を強調した。問題の本質は海上自衛隊の哨戒機による近接脅威飛行形態にあるという理由からだ。

チョン長官は続いて「韓国と日本は、隣接する友好国として国際社会で起こるすべてのことについて緊密に協力して協力をする必要がある」とし「協力して発展させてべきという意見の一致を見た」と話した。

しかし、両国の信頼関係は完全に回復していないとの解釈が支配的だ。日本がまだ哨戒機の事態に対して責任がないという主張を繰り返しているからである。岩屋防衛相はこの日の会談後、記者たちと会って、「レーダー調査事案に対する日本の立場は、昨年1月に表明したものである」と「真実はひとつしかない」と述べた。当時、日本は「危険な飛行はしておらず、むしろ哨戒機が脅威を受けた」と主張した。

さらに、日本はこの日の会談で韓国の新方針に対して、事実上の撤回を要請した。これは、韓国軍当局が哨戒機事態以後偶発的な衝突を防止するために作成された対応マニュアルを意味する。日本は「韓国が新指針を立て海軍艦艇から3海里以内入った軍用機は射撃統制レーダーを用いた調査を警告することにした」と主張している。このよ防衛相は「適切な指示も会談の議題にした」と語った。その結果、謝罪や遺憾表明どころか、両国がそれぞれ述べたいことを述べただけとなった。

その一方で、日本は対立をさらに拡大していない旨を明らかにした。岩屋防衛相は「どちらが譲歩して答えが出てくる状況ではない」とし「私たちの見解に変わりはないが、未来志向的な両国の防衛関係のために一歩閉じたい」とした。鄭長官も、「日本側から低空脅威飛行を認めたのか」の問いに「その部分についてはうまくいっていない。ただ、火器管制レーダー云々は別として、そのような事態が将来的に発生しないように(関係を)発展させていこうということで意見が一致した」とした。そして「(哨戒機論議が)終わったというより多くの意見交換を交換した」と付け加えた。 (中略)

国防部の一部では、今回の事態の原因を認めない日本がまた同じ話をするのではないかとの懸念の声が少なくない。(中略) 軍関係者は、「是非を確実に選ばはないだろうが、少なくとも遺憾レベルで日本の立場を引き出せないのは残念だ」と話した。
(引用ここまで)

 岩屋防衛大臣と韓国のチョン国防部長官がシンガポールで非公式会談をもったとのこと。
 非公式ということで30分ほどのものだったようですが、火器管制レーダー照射時件については互いの主張を再度ぶつけあっただけとなったようですね。
 韓国側は「日本の哨戒機による低空飛行こそが問題の本質だ」との立場を譲らず、日本側は「火器管制レーダーの照射があったことは間違いない」との立場。
 半年経ってもまだ平行線。
 韓国の言っていることを信じているのはおそらく韓国人だけでしょうから、基本的にはなんの問題もないのですけどね。
 いくつか過去エントリから専門家の言葉を見てみましょうか。

火器管制レーダー照射事件を第三国の専門家はこのように見ている模様……なお、韓国はアメリカの仲裁に期待するものの駐韓大使は元P-3C搭乗者だったり……
火器管制レーダー照射事件:アメリカの専門家「海上自衛隊は危険な動きをしたようにはみえない」「韓国側は火器管制レーダーを使ったように思われる」と分析
火器管制レーダー照射事件:米スタンフォード大教授「レーダー照射について日本側の説明が正しいとアメリカは認識している」と発言

 特に最後のダニエル・スナイダー教授が「韓国はなにをやっているのか」とまで言い出したのは大きいですね。いつもは韓国の言うことを丸呑みしてきた人物ですから。
 はっきり言って韓国をやりこめるなんてフェーズはとうの昔に終わっていて、韓国海軍は恥しかかいていません。
 陸軍や空軍とは異なり、対外交流を多く行うという海軍の性質からみれば、海自と同じ場所にいるのは針のむしろと言っても過言ではないほど。
 一度言い出したことを引っこめられないのは、ロシアが日本の地上版イージスシステム設置に延々と文句を言っているのと同じですね。
 一度自分で引いてしまった線からこっちには出てこられないというだけの話です。

 実際、必要だったのは再発防止であって、これ以上事態をエスカレートさせることではありません。
 再発防止という意味では最低限の合意はできた、と見るべきかなぁ。
 まあ、これまで韓国海軍がやってきたとされている「日本側の低空飛行に対しての警告」がなくなったら……とりあえずはOKではないかと思いますよ。

火器管制レーダー照射事件:安倍総理「真実をいうほうが強い」「各国の海軍は真実を知っている」と断言

レーダー問題に再び火をつける安倍首相「何が真実なのかプロは全部知っている」(中央日報)
安倍首相はこの日、参議院予算委員会で「韓国駆逐艦からレーダーで照射される状況でも自衛隊は録音と撮影を通じて映像を公開し、このような政府の対応に日本国民の80%以上が支持している」という自民党の有村治子議員の質問にこのように答えた。

安倍首相は「哨戒機に対する射撃レーダー照射は通常ならあり得ないし、(海上自衛隊哨戒機は)いつミサイルが飛んでくるか分からないい状況に置かれていた」と述べた。

彼は「われわれは真実を言っており、真実を言う方が強い」として「現場は真実が何かを全部知っている。各国の海軍は何が真実なのかを知っている」と再度強調した。

海上自衛隊の対処については「極めて緊張していた状況でも関係規則を守って冷静に、落ち着いて適切に対応したと考える」と評価した。
(引用ここまで)

 以前に韓国の駆逐艦による火器管制レーダー照射事件について語った外国人評論家の一覧というようなエントリを書きました。
 3人が3人とも「P-1の哨戒飛行は真っ当なもの」という見解でした。
 事件そのもののニュースとしての賞味期限が切れたこともあって、それ以上の評論はありませんでした。
 これらの評論を見ても分かるように、安倍総理による「各国の海軍は真実がなにか知っている」という答弁は実際のところでしょうね。

 この事件のよかったところは「韓国が外交上の敵対関係だけではなく、軍事的関係においても敵対する相手になり得るのだ」という認識を政府単位で持たせたところ。
 ただし、以前に書いたように中国地方から九州北部は自衛隊の空白地帯になっている部分。もし、韓国と軍事的衝突を考慮するのであれば、このあたりを他の地区と同様に充実させる必要がある。
 それを考えると韓国は米韓軍事同盟にしばらくは縛られていてほしいというのが本音なんですけどね。
 ただまあ、インドとパキスタンの例を見ても分かるように、隣国関係というのはああいったものになりがち。
 将来の日韓関係がああならないとはかぎらない、という認識をしておくべきでしょうね。

 ちなみに韓国の聯合ニュースが報じたこのニュースには500件以上のコメントがついていて、そこそこの炎上具合となってます。

安倍「韓日問題で日本が真実を語っている」と主張(聯合ニュース・朝鮮語)

 日韓どちらでも防衛関連は燃料になりやすい、ということが分かると思います。