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カテゴリ:火器管制レーダー照射事件の記事一覧

火器管制レーダー照射事件:防衛省が「当時、なにがあったのか」を10カ国語で公開へ

防衛省、レーダー照射の実態を10カ国語で発信へ(産経新聞)
 防衛省は、韓国駆逐艦による海上自衛隊P1哨戒機への火器管制レーダー照射の実態を、10カ国程度の言語で発信する検討に入った。韓国がレーダー照射の事実を認めず、日本に非があるとの虚偽の発信を続けていることから、国際社会に日本の哨戒活動の正当性を訴える必要があると判断した。政府関係者が20日、明らかにした。

 防衛省は週内にも、哨戒機内で記録した電波信号音をレーダー照射の証拠として公開する方針だ。同時に、韓国側の不適切な対応に反論する声明文も発表する。 (中略)

 政府関係者は「韓国は論点をすり替え、誇大発信する情報戦を仕掛けている」と指摘。多くの言語で発信する理由について「どんなにでたらめな理屈でも国際社会では声が大きい方が勝つ。事実を基に日本の哨戒活動の正当性や韓国の虚偽を訴えていく必要がある」と語る。
(引用ここまで)

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 韓国が8カ国語でゴミ映像を公開してきたので、防衛省もそれに対抗して反論を含めた当時なにがあったのかを10カ国語で発信。
 韓国が虚偽の主張をするのであれば、どこまででも追求するということですね。
 雉も鳴かずば撃たれまい……というか、雉のほうも国内事情があって鳴きたくて鳴いているわけでもない感じです。ま、そんなこた日本側にとっては知ったこっちゃない。
 おそらく韓国側が論点をすり替えようとしている「低空飛行云々」についても反論することになるのでしょう。
 韓国の哨戒機は当該艦船から3海里離れて哨戒活動をする、ということでしたからそのあたりを突くのかなぁ……。

 以前の政府であれば考えられない対応ですね。時代はここまできたか、と感慨深い。
 幸いなことに国民からの理解もあるし、政府、与党からのバックアップもある。
 この件についてはどうせ落としどころなんてないし、そもそも必要ないのですから行けるところまで行ってみるのがよいと思いますね。

 ただ、週明けにも電波音の公開ともあったのですが、もうちょっとかかりそうです(防衛省のお知らせをリロードしながら)。
 韓国側は「電波音では客観的な証拠にはならない」って必死の抗議をしていますが、RWR装置が動作している音を聞けば全世界の軍事関係者は明白に理解するでしょうよ。
 彼らの主観に働きかけるだけで充分なのです。
 海軍はその性格上、各国に派遣される任務が多いのですが、その先々で揶揄されたりするんでしょうねぇ。

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立憲民主党の枝野代表、火器管制レーダー照射に対して初コメント……なにこれ

レーダー照射問題「我が方に理がある」 立憲・枝野氏(朝日新聞)
(海上自衛隊の哨戒機に韓国海軍の駆逐艦が火器管制レーダーを照射したとされる問題について)これは政治問題化をせず、実務的に粛々と事実関係を明らかにしていけば、いま我々が承知している範囲では、明らかに我が方に理があると思っている。できるだけ粛々とやっていく方が、国際社会の理解も得ながら、あるべき結論に近づいていくのではないか。(鹿児島市内で記者団に)
(引用ここまで)

 事案の発生から1ヶ月して、野党第1党の党首がようやく発言。
 韓国を非難するでもなく、海上自衛隊の労をねぎらうわけでもない。
 もはや「粛々とやる」なんて時期は過ぎている。当初にそれをいうのであればまだしも、韓国側から不条理な反論を受けている段階でこんなコメントとかふざけてるとしか思えない。

 さまざまな方面から「立憲民主はなんで発言をしないんだ」って言われていましたが、こんなんだったら出さないほうがまだマシでしたね。
 実際にどこかの国と戦闘が起きた際にも、1ヶ月寝かせてからコメントするのか、ひいてはこの党に国政を任せるべきなのかってことになる。
 自民党の外交部会からは方向性や実現性はさておき、韓国を非難する声が多数出ている。
 「こういう方向性ではどうか」というような議論が行われているのが見えています。

 一方で立憲民主側の議員には箝口令でも敷かれているのかってくらいに意見が見えない。
 韓国のやっていることに対して「あちら側とこちら側、どの立場に立っているのかがよく見える事件」というように書いていますが。
 それはそのまま国内にも適用できるということですね。

今朝の防衛省「火器管制レーダーの警告音公開予定」→15時頃の韓国国防部「また事実を歪曲した不正確で一方的な主張だ!」……リアクションタイム早いな、おい

日本の哨戒機警告音公開方針に... 韓国国防部「不適切な世論戦」と反論(ニューシス・朝鮮語)
国防部は19日、声明資料において「日本政府が哨戒機の警告音を公開する場合、以前のように事実を歪曲したり、両国間の対立を助長する意図で不正確な内容を一方的に主張することは望ましくない」と指摘した。

続いて「日本は公開するというビープ音が私たちの広開土大王艦の追跡レーダー( STIR)から照射受けた時点のビープ音であることが確認されなければならない」とし「不正確なビープ音を公開し脅威を受けたと主張することは、国際社会に誤った認識を与えることができので、日時、防衛、周波数特性などの正確な情報を公開しなければならない」と警告した。

また「人道的救助活動を進行中の広開土大王ことについて、継続的な低空脅威飛行をした理由とそのように危険なレーダーの調査を受けた場合、すぐに回避行動を起こさなければならないのに、余裕を持った飛行をした理由も明らかにすべき」と批判した。

国防部は「日本は不適切な世論戦を繰り広げるのではなく、正確な証拠を提示し、両国の専門家が参加した中、科学的かつ客観的検証を受けるだろう」と明らかにした。
(引用ここまで)

 ひとつ前のエントリになっている「火器管制レーダーから照射された電波を音に変換したものを公開」というニュースが確認できる中でもっとも早く報じられたのがNHKニュース。
 掲載時間を見ると早朝の4時1分に掲載となっています。
 そこから韓国メディアにぽちぽちと掲載されはじめたのがお昼くらい。
 で、午後3時36分には「国防部が反論した」というニュースが掲載されるっていう。
 おそらくこれも最初に迷走しはじめたリリースと同様にカカオトークでのテキスト文によるリリースでしょう。
 韓国メディアがそれを受けてほぼ丸写しのニュース記事を書いて公開するまで30分くらいと考えて、15時にはおそらくリリースがあったという感じでしょう。
 リアクションタイムがどんどん短くなっていってますね。
 「それを公開するなんてとんでもない!」ってとこでしょうか。
 なんとかして今回の主張にも含まれている「人道的救助活動中に日本が低空威嚇飛行をしてきた」という方向に持っていきたいのだけども、日本がまったく乗ってこないので焦りもあるんだろうな。

 先日、韓国側からは14日の実務協議で「P-1の受信データを提出してもらって日韓の専門家で検証しよう」という働きかけがあったとの話です。

レーダー問題巡る韓日当局協議は平行線 韓国が専門家の相互検証提案(聯合ニュース)

 なんで日本だけがデータを提出して「韓国の専門家」とやらにさらけ出さなければいけないんだって話ですわ。

 もはや防衛省は火器管制レーダーを照射したと韓国に認めさせることを目的としていないのですよね。
 「こういう事案があり、日本はこうして対応した。公正な対応だ」ということを世界に対して公表しているだけ。
 日韓がそれぞれ主張して、判断はそれぞれの国がすればいいというだけなのです。
 あえて離間の計に乗っている、ということですね。離れれば離れるだけよし。物理的な距離をどうこうすることはできませんが、心理的な距離をとることであればいくらでもできるということでしょう。
 そのためにいくらでも事実を公表し、積み上げていくのがいい。
 「あのときにおまえらこんなこと言ってたよな」と言える。慰安婦合意を利用している現状と同じですね。

火器管制レーダー照射事件:防衛省が公開しようとしている「電波の音」とは?

新証拠の電波音公開へ=レーダー照射、日本の正当性主張-防衛省(時事通信)
 韓国駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題をめぐり、防衛省は新たな証拠として、レーダー照射を受けたときに哨戒機内で記録した電波信号の音を公開する方針を固めた。防衛省幹部が19日、明らかにした。週明けにも公開する方向で調整している。
(引用ここまで)

 電波信号の音、というのがなにを意味するのか分からない人がほとんどじゃないでしょうかね。
 軍用機は電波を受けた際に、機内のクルーに分かりやすいように音に変換して「いま電波を照射されていますよ」という通知をするのです。

 で、昨日書いたように回転する捜索レーダーは2~4秒に1回しか電波が当たらないので「ピッ……ピッ……ピッ」というように電波が当たった時にしか音が鳴りません。
 その一方で火器管制レーダーは照射され続けるので、「ピーーーーーーーーーーーーーっ!」と音が鳴り続けるわけです。

 防衛省が提供した参考資料(PDF)の中に分かりやすい部分があります。

fc_search

 左が捜索レーダーで右が火器管制レーダーです。
 回転している捜索レーダーが当たる場合、ピークになっているところでだけ「ピッ」と鳴るわけですね。
 照射され続ける火器管制レーダーはピークが長く続いていて、「ピーーーーーーー」と鳴り続ける。

 戦闘機が出てくる映画なんかで「ロックオンされてます」っていう状況でアラームが鳴っているのがそれに当たるわけです。
 防衛省提供の映像中のP-1機内では鳴っていませんでしたが、クルーのヘルメット内のインカムに鳴っているということなのでしょう。

 映像中に「すごい音だ」ってあって、その下に「電波強度が強い」って表示がありましたね。
 あの言葉も、捜索レーダーではなく火器管制レーダー波を照射されているという証拠のひとつといえるでしょう。火器管制レーダーの電波は指向性の高く、かつ出力が強いのです。
 捜索レーダーはいいとこ水平線まで届けばいいのですが、火器管制レーダーはより遠方まで届かせる必要があるからです。

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 その前に「コンティニューホールド(継続探知)」とクルーが行っていましたが、あれも「火器管制レーダーを照射され続けている」という意味です。

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 おそらく発表は岩屋防衛大臣が帰国してからになると思われますが、客観的な証拠としては充分でしょう。MW-08やサンボンギョのレーダーを誤認したという話を潰すにはちょうどいいものになります。
 さて、韓国がどんな反応を返してくるか。楽しみですね。


韓国メディア「P-1は海洋警察の警備艇が出していた電波を火器管制レーダーだと誤認していたのだ!」……絶対にあり得ません

哨戒機接近時に韓国警備艇のレーダーも稼働 日本が誤認か(聯合ニュース)
韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射したと日本が主張する問題で、哨戒機が駆逐艦に接近した際、駆逐艦と共に北朝鮮漁船の救助活動を行っていた韓国海洋警察の警備艇もレーダーを稼働していたことが18日、分かった。警備艇が稼働したレーダーを駆逐艦の火器管制レーダーと誤認した可能性があるとの見方が出ている。 (中略)

 軍事専門家らは駆逐艦が運用していた探索レーダー(MW08)の電波か、海洋警察の警備艇のレーダーの電波を日本の哨戒機が駆逐艦の火器管制レーダーと誤認した可能性があるとの見方を示していた。

 海洋警察の警備艇に搭載されているレーダーは探索・火器管制の兼用で使用されている。駆逐艦の探索レーダーは周波数帯域がGバンドのため、火器管制レーダーと誤認する可能性がほぼないが、警備艇のレーダーは火器管制レーダーと同じIバンドを使うため、誤認する可能性があるという。
(引用ここまで)

 ここでいうIバンドというのはNATOをはじめとしたヨーロッパ使用されている区分で8~10GHz帯のこと。
 IEEEによる区分であるXバンドの8~12GHz帯と同一ではありませんが、かぶっています。
 で、このIバンドを使った探索用レーダーが韓国海洋警察のサンボンギョに搭載されているので、P-1がこのレーダー波を火器管制レーダーであると勘違いしたのではないか、というのが今回の話なのですが。
 あり得ません。

 ざっくりとですが計算してみましょうか。
 探索用レーダーは回転して船の周囲360度をチェックするものです。
 Xバンド、もしくはIバンドのレーダー波は指向性が高く、角度でおよそ1度ほどのものが照射され、これがだいたい2~4秒ていどで一回転します。つまり、1度分のレーダーがあたる秒数は0.005~0.01秒ほど。
 P-1が500メートル離れていたとしましょう。すると、1度のビームはだいたい8.7メートルの幅があることが、話題の三角関数で求められます。P-1の全長が38メートルですから、最大で4.37度分が照射されます。
 つまり、サンボンギョの捜索レーダーがP-1の全長分を通過するのに必要な時間は0.02~0.05秒(回転速度によって変わる)ほど。
 まあ、いろいろな条件を甘々に見積もっても、500メートル離れたP-1に回転するレーダー波が当たるのは0.05~0.1秒といったところ。
 ただし、これはレーダー波の大元が点であると考えた場合なので、実際にはアンテナ幅があるためにもうちょっと拡がります(ここまで書いてきて、いまになってアンテナ幅に気がついた)。
 どちらにしても回転している数秒に1回のわずかな時間しか照射されないことに違いはありません。

 それに比べて広開土大王が搭載しているSTIR-180は追尾が可能で、レーダー波を当て続けることができるものです。ターゲットにした航空機にレーダー波を当て続け、その反射してくるレーダー波を追尾してシースパローは誘導されます。最終的には赤外線で追尾するのですが、それまではレーダー波を追尾するのです。
 
 WikipediaのSTIRの項目にある画像を見ると、レーダーが上下に動きかつ回転する機構になっていることが分かります。

stir

 この機構でP-1を追尾してレーダー波を当て続けていたから、P-1の乗組員は「FCコンタクト」であることが分かったのですよ。
 このふたつのレーダー波を取り違えるわけがない。あとレーダー波の出力も大きく違うはずです。

 韓国側の言い訳がありえないものであることが理解できるはずです。
 当初から防衛省はこういった混同や誤認をしていないという意思表示のため、去年の12月28日に行われた映像公表時に参考資料(PDF)として回転する捜索用レーダーと火器管制レーダーの違いを描いています。
 いまさらこんな低レベルな「日本は電波を誤認していた」なんていう話を出してくる意図が分からんわ……。

韓国軍関係者、国会国防委員長らが揃って「日本は低空飛行の再発防止策を用意し謝罪せよ」と反論……議論を膠着させるのが目的です

軍、日本の自衛隊統合幕僚長発言に「低空脅威飛行謝りなさい」と反論(ニューシス・朝鮮語)
韓国国会国防委員長 日本に哨戒機威嚇飛行の謝罪求める(朝鮮日報)
軍当局が日本統合幕僚長(韓国の合同参謀議長に相当)による哨戒機葛藤関連発言に対して、日本の海上哨戒機の「低空脅威飛行」を謝罪しろと反論した。

先に産経新聞によると、河野克俊統合幕僚長は17日の記者会見で、「私たちは(レーダー照射の)確かな証拠を持っている」とし「韓国側が真摯に受け止め、事実を認めて再発防止に努力することを望む」と述べた。

軍関係者は18日、記者たちと会って「日本側がその時間、防衛などの特定の周波数の情報を公開しなければならない」とし「低空脅威飛行防止対策を用意して謝罪するという我々の立場を固守する」と述べた。
この関係者は、前日に哨戒機低空脅威飛行と関連して駐韓日本武官を招致したのと関連しては「日本防衛省側のメッセージがなかった」とし「対話の扉を開けておいた」と述べた。
さらにこの関係者は、「事実を十分に理解して武器体系を少し理解すれば十分納得できるはず」と強調した。
関係者は、「周波数が公開されるのであれば、どこからの周波数であるのかを明確に知ることができる」とし「(日本側は)公開していない周波数の所有者についてあれこれ言うべきではない」と説明した。

彼は「日本がレーダー情報を明らかにすれば、これは誰によるものなのかを探し、その後に進むことができる」とし「今の状況では、進方向性がないというのが私たちの立場だ」と強調した。 (中略)

軍関係者によると艦艇のレーダーは固有に持っている周波数特性がある。これを公開する場合、実際の電子戦の状況において電波妨害(jamming)を受けることになり、私たちの軍艦が無力化されたり、今後の機器を交換しなければならないといった問題が生じる。
(引用ここまで)
韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射したと日本が主張する問題で、韓国国会国防委員会の安圭伯(アン・キュベク)委員長(与党・共に民主党)は18日、日本政府に対し哨戒機による威嚇飛行の謝罪と再発防止の約束を求める声明を発表した。

 安氏は「事件の本質は、人道主義的な救助作戦を遂行していた(海軍駆逐艦の)広開土大王に対する日本の哨戒機の低空威嚇飛行」と指摘。この威嚇飛行は「乗務員が肉眼で哨戒機の日章旗を識別できるほどの距離で行われた」とし、「明白な国際慣例違反で、人道的な救助活動の妨害」と批判した。また、日本政府は韓国海軍の火器管制レーダー照射を主張することで、韓日関係を悪化の一途に追い込んでいるとした。 (中略)

また、哨戒機の威嚇飛行について「再発防止の約束と謝罪を求める」と強調した。
(引用ここまで)

 韓国国防部報道官、軍関係者(記事上)、韓国国会の国防委員長(記事下)が揃って「日本のP-1哨戒機が低空威嚇飛行をした」ってことで謝罪要求。
 これ、要するに火器管制レーダーを照射したという事件を矮小化して、「自分たちこそ被害者なのだ」っていうヤツですね。
 韓国流にいうと「被害者コスプレ」ってあれ。
 思想的に偏っているアレな人たちと韓国人以外、広開土大王がP-1に対して火器管制レーダーを照射したというのは事実であると分かっている中でも、こうして話題を逸らせることでしか反論ができないのですよ。
 韓国海軍の哨戒機であるP-3Cは外国の艦船に対して高度60メートルまで接近していると月刊朝鮮に書かれていました。
 つまり、軍機には適用されない民間用の規定(ICAO)すら守っていたP-1は紳士的であったとすらいえるのですが。
 まあ、このあたりの話をすること自体が韓国側の戦術に巻きこまれていることでもあるんだよなぁ……。

 以前に書いたように、日韓歴史共同研究での一幕にそっくりですわ。

 日本側「では資料をごらんください」  韓国側「韓国に対する愛情はないのかーっ!」  日本側「資料をごらんください」  韓国側「資料はそうなっているけども……」「研究者としての良心はあるのかーっ!」

 ってアレを延々とやろうとしているのですね。

 「P-1の哨戒飛行は民間機に適用されるICAOの規定すら遵守している」
 「資料ではそうなっているけど」
 「P-1は静粛性に優れていて、500メートル離れていれば振動も感じないはずだ」
 「国防関係者としての良心はあるのかーっ!」

 こうやって本筋とはまったく異なる部分で謝罪要求をしてきて、本来の話を進展させようとしない。
 韓国側は議論を膠着させること自体が目的になっている。
 まあ、それをやっているということは、逆に知られたくない部分があるということが韓国ウォッチャー的には理解できるというわけですけども。
 電波情報を出してしまって検算を要求する等してもよいかもしれませんね。

火器管制レーダー照射事件:日本側制服トップ「韓国が無礼だと話したことは極めて不適切だ」→韓国国防部「抗議に対して抗議する。我々の会見内容こそが事実だ」

深まるレーダー葛藤…韓国政府、日本の韓国武官招致→日本武官を呼んで抗議(中央日報)
韓国の無礼発言「不適切」=レーダー照射問題で河野統幕長(時事通信)
 国防部はこの日、記者団に送ったメッセージで、前日に日本の防衛省が韓国の駐在武官を呼んで15日の国防部報道官の会見に対して抗議したことに関し、日本の武官を呼んで関連する内容に対する事実関係を明確にし、厳重に抗議したと伝えた。

 国防部は、同部の崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官が15日の定例会見で言及した韓日国防当局の実務者協議の内容が正確な事実であることを強調したと説明。日本のメディアが実務者協議の終了前には報道しないとした事前合意を破って関連内容を報じたことについても防衛省に厳重に抗議し、再発防止を求めたと明らかにした。
(引用ここまで)
 自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は17日の定例会見で、韓国駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題をめぐり、日本の要求を無礼だとした韓国国防省報道官の発言に対し、「極めて不適切で、遺憾だ」と批判した。
(引用ここまで)

 統合幕僚長、つまり制服組のトップが「韓国のやっていることは極めて不適切で遺憾だ」と断言。
 その一方で、一昨日の「P-1の低空飛行が脅威であるとしたことに日本側は同意したという韓国側の発表は事実と異なる」「非公開とした協議内容を暴露したのは約束違反」という日本側の抗議に対して、「我々は真実を述べている」「むしろ日本側がメディアに対してリークしている」と再抗議。
 もう、完全にすりあわせるつもりはゼロ。
 「約束違反」という記事が出た歳に、防衛省幹部が「完全に信頼関係は崩れた」というコメントをしていましたが今度は統合幕僚長が定期会見でこう言っちゃう。
 最初のボタンを掛け違えると韓国みたいになっちゃいますよ、という典型的な嘘つきの失敗例になってしまっていますね。

 韓国側の態度にはなにがあっても認めない、このまま嘘を突き通すという鉄の意志を感じます。
 「ウソをつくだろ。それがばれそうになって、ごまかすためにまたウソをつく。ウソがどんどんふくらんで手におえなくなるんだ」とスネ夫が語っていた通りの話になっています。
 これがきっかけになって日韓関係がどれだけ冷えこむかちょっと想像がつかない。
 自衛隊と韓国軍だけで収まる話ではなくなっていますからね。
 ただ、それはそれで悪い話じゃない。
 日韓関係がこういった事実関係を争う形で悪化していくというのであれば、方向性として間違っていない。
 むしろここで退くことこそが問題となります。
 「日韓関係の新しい形」や「ニューノーマルとしての日韓関係」を形成する一環であると考えられるのです。

 たとえばこの方向性でなら最終的に断交にまで行ってもいいのですよ。
 この場合、断交が手段であって目的ではないですからね。目的は韓国の嘘を糾弾することですから。
 「ダンコウガー!」って叫んでいる人たちの大半は断交そのものが目的になってますからね。
 ま、それにしたって断交はないけど。

火器管制レーダー照射事件:韓国国防部、協議内容を非公開とする約束を破った上に、嘘までついていた

「非公開の約束破り、でたらめ発表」防衛省が韓国に抗議(産経新聞)
 14日の日韓実務者協議で、日本側は電波情報の交換を提起したが、韓国側は応じず、協議は平行線に終わった。協議内容は非公開とする取り決めだった。しかし、韓国国防省報道官は15日の定例記者会見で協議内容を公表。「韓国の乗組員が脅威と感じる雰囲気であったという部分は、日本側が一部認めた」などと事実と異なる見解も示していた。

 これに対し防衛省は16日午前、韓国の駐在武官を東京・市ケ谷の防衛省に呼び出し、抗議するとともに撤回を求めた。韓国側は「本国に伝える」と応じたという。防衛省幹部は「非公開の約束を破った上、でたらめな発表をしている。信頼関係は完全に崩れた」と語る。
(引用ここまで)

 今回の火器管制レーダー照射事件について、現状の韓国国防部は「進むも地獄、退くも地獄」と何度か書いていますが。
 嘘をつき続ける地獄を選択したようですね。
 で、さらに「協議内容は公開しない」という同意を破っているっていうね。
 しかも、その公開している協議内容が虚偽っていう。
 約束も破るし、徹底的に嘘をつく。……それは一般的な韓国人の傾向じゃないかと言われたら、ぐうの音も出ないのですけども。

 当初から「乗組員が脅威と感じる雰囲気については日本も一部認めた」という記述についてはだいぶ怪しく感じていたのですよ。
 ついで韓国の報道陣に対して「我々は他国の軍艦に対して3シーマイル離れている」とか言っているのですが、3海里離れたら肉眼での確認ができんだろうが……。そんな哨戒飛行ねえよ。

 「信頼関係は完全に崩れた」というのはむしろ僥倖。
 手加減なしでできることはすべてやればよい。政治的にも、国民感情的にも許される状況ですからね。

良心をもたない人たち
マーサ・スタウト
草思社
2012/10/10