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カテゴリ:ユン・ソンニョルの記事一覧

ユン大統領への弾劾審判宣告日が4月4日11時に決定。ユン大統領の命運やいかに?

ユン宣告日が決まると、我田引水の世論戦···「4:4棄却」 「8:0認容」(聯合ニュース・朝鮮語)
与野党は、尹錫悦(尹錫悦)大統領弾劾審判の宣告期日が4日に指定されたことについて歓迎しながらも、宣告結果をめぐっては「我田引水」式の展望を出し、世論戦を繰り広げた。

国民の力は公正な判決を願いながら国民が棄却・却下を望んでいると、共に民主党は内乱状況を終息させる最高の判決は罷免だけだと各々主張した。 (中略)

党内では、憲法裁の判決が当初の見通しより遅れたのは、弾劾引用のための憲法裁判官定足数(6人)を満たせなかったためだという分析が出ており、棄却·却下を占う声が高まっている。

(国民の力)党所属議員らはフェイスブックに「4月4日は4(認容):4(棄却)に」(パク・デチュル)、「4:4棄却あるいは却下を予想」(カン・スンギュ)、「ユン・ソンニョル、大統領弾劾却下または棄却を確信し切実に念願している」(パク・サンウン)などの文を載せた。

反面、共に民主党のパク・チャンデ院内代表はこの日、政府総合庁舎前で記者会見を行い「4日に宣告することになったことをそれでも幸いだと考える」とし、「今の内乱状況を鎮圧し終息する最高の判決は疑いなく内乱首魁尹錫悦の罷免だけ」と話した。 (中略)

ただし、民主党内では弾劾棄却・却下にともなう不安感も感知される。 一部ではもし憲法裁がユン大統領を罷免しないならば「不服・抵抗」運動をしなければならないという主張も出てきた。
(引用ここまで)


 ユン・ソンニョル大統領の弾劾宣告が4日11時と決まりました。

尹大統領の弾劾審判 4日に宣告=罷免か棄却・却下か(聯合ニュース)

 ノ・ムヒョン、およびパク・クネの大統領弾劾審判に比べると圧倒的に長い審議が行われていました。
 最終弁論から宣告までノ・ムヒョンのケースでは14日、パク・クネのケースでは11日。
 それが今回は37日かかっています。
 憲法裁判所内での意見が分かれたのでしょう。

 何度か指摘していますが、今回の戒厳令発令は若干微妙なところがあるのは間違いないところ。
 ただまあ、認容(弾劾成立=罷免でユン失職)ではないかとは思っています。さすがに戒厳令発令は見逃せない違憲行為であるかと。
 ここまで時間がかかったのは、「どうしても全員一致にならなかった」ですかね。


 共に民主党側が「大臣を全員弾劾する」とまで言い出していましたね。

韓国野党院内代表「我々の推薦した憲法裁判官を任命せよ、さもなくば大臣全員を弾劾だ!」→与党「それやったらお前ら全員内乱陰謀罪で告訴するわ」……いつまで経っても政争ばっかりっすなー(楽韓Web過去エントリ)

 これは定員9人の憲法裁判官が現状8人であるので、自分たちの子飼いの裁判官を憲法裁判所に送りこもうとしていたのです。
 微妙な動きを見せていた天秤を認容側に傾けようとしていたのですね。
 彼らも弾劾が成立するかどうか微妙であると感じていたからこそ、こうした動きがあったわけです。

 さらに共に民主党は送り込もうとしていたマ・ウンヒョクを自動的に任命する法案まで発議していたのですが。これが31日のこと。

共に民主、大統領権限代行による憲法裁判官後任指名を禁じる法案と併せて「馬恩赫自動任命法案」発議(朝鮮日報)

 1日になって憲法裁判所が宣告日を表明したために、はしごを外された形になっています。
 いますぐに憲法裁判官に任命されたところで、審判に加われるわけないですからね。
 どうもこれ、憲法裁判所が共に民主党から圧力をかけられるのを嫌ったんじゃないかな……って感じがしています。

 んー、読めないですね。ただ、90%認容であるとは思っています。
 残り10%は「法的要件を満たしていない」として却下が意外と多くて認容4、棄却2、却下2とかになる可能性を見ています。
 でも、ユン大統領が復帰したところで……って感じではありますが。

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韓国野党院内代表「我々の推薦した憲法裁判官を任命せよ、さもなくば大臣全員を弾劾だ!」→与党「それやったらお前ら全員内乱陰謀罪で告訴するわ」……いつまで経っても政争ばっかりっすなー

パク・チャンデ「マ・ウンヒョクの任命しなければ重大決心」……国務委員全員弾劾強行?(TV朝鮮・朝鮮語)
共に民主党のパク·チャンデ院内代表がハン・ドクス大統領権限代行国務総理に向かって「『尹錫悦復帰』プロジェクトを止め、マ・ウンヒョク憲法裁判官を4月1日までに任命せよ」とし、「ハン総理が4月1日までに憲法守護責務を履行しないならば、民主党は重大決心をするだろう」と話した。

パク院内代表は「憲法と法律により職務を誠実に遂行するという国民の信任を裏切ったと判断するのに十分な期間が流れた」として「憲法機関である国会は憲政秩序を守護する責務があり、民主党は与えられたすべての権限を全て行使する」と予告した。
(引用ここまで)


 えーっとですね。
 昨日の「すべての大臣を弾劾するぞ!」って宣言はあくまでも初当選議員の表明だったのですが。
 今回は野党・共に民主党の院内代表が「重大決心」「与えられたすべての権限を行使する」と言い出しました。

 要するにハン・ドクスの再弾劾をはじめとして、すべての閣僚を弾劾しようって話であろうと解釈されています。
 いや、初当選議員がいうのであれば「まあ、そんなことも言い出すかもしれないねー」で済んでいたのかもしれませんけどね。
 院内代表の発言は相当に重い。
 本気でやりかねないですね。


 というか、ユン・ソンニョル大統領の戒厳令発令が「国乱となった」ってするのであれば、国務大臣全員弾劾もとんでもなく国乱だと思いますけどね。
 「国家予算を与党への嫌がらせで減額したら未曾有の山火事が起きて半減させられた予備費が必要になった」ってレベルの。

 さすがに与党・国民の力側も反発していて「それやるんだったら、初当選議員もイ・ジェミョンもキム・オジュンも内乱陰謀罪、内乱煽動罪で告発する」と言い出しました。

与党、国民の力、民主党の相次ぐ弾劾予告に「イ・ジェミョン、キム・オジュン、民主党初当選者全員内乱罪で告発」(マエイル新聞・朝鮮語)

 一部では「共に民主党への違憲政党解散の提訴を憲法裁判所にする」とまで述べている議員もいます。
 ま、そのくらいの暴挙であるのは間違いないでしょうね。

 ここにビジネス陰謀論の大家であるキム・オジュンの名前が出てくるのも面白いな。
 現在の左派言論において、キム・オジュンが占めている地位というのが透けてみえてくるのではないでしょうか。

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韓国で30回目の弾劾決議案が提出されるものの、まったく無意味に終わりそうな理由とは? そしてユン大統領への宣告内容はまだ決定すらしていない模様

崔相穆・大統領権限代行の弾劾手続きを開始する共に民主、24日の韓悳洙首相弾劾審判宣告で徒労に終わる公算大(朝鮮日報)
韓国野党・共に民主党は20日「崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行副首相に対する弾劾訴追の手続きを開始する」と発表した。19日までの馬恩赫(マ・ウンヒョク)憲法裁判官候補者の任命を求めた共に民主党の要求を崔相穆代行が受け入れなかったからだ。 (中略)

 ところが憲法裁判所が同日、韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理への弾劾審判について今月24日に決定を下すと発表したため「共に民主党は空振りに終わりそうだ」との声が相次いでいる。政界関係者や法律に詳しい専門家などの間では「憲法裁判所は韓悳洙首相に対する弾劾を棄却あるいは却下するだろう」との見方が有力視されている。もし憲法裁判所が韓悳洙首相の職務復帰を認めた場合、韓悳洙首相は大統領権限代行に就任するため、崔相穆代行を弾劾訴追しても共に民主党は何も得られないからだ。 (中略)

 政界からは「共に民主党には憲法裁判所内の情報が不十分なようだ」との見方が相次いでいる。共に民主党執行部も先日、国会法制司法委員会所属の幹部議員らに「憲法裁判所の弾劾審判に関する情報が足りない」として情報収集を求めたという。ある政界関係者は「共に民主党による崔相穆代行の弾劾訴追強行の動きを見ると、韓悳洙首相の弾劾審判宣告期日を予想できる情報が得られていなかったようだ」と指摘した。
(引用ここまで)


 昨日の昼くらいに野党・共に民主党が中心になって現在の大統領代行であるチェ・サンモク企画財政部長官(財務相に相当)兼副首相の弾劾方針を決定しました。
 現政権になってから記念すべき30回目の弾劾決議案提出ですわ。
 で、同じ日の夕方に最初の大統領代行であったハン・ドクス国務総理に対する憲法裁判所からの審判宣告日が24日と発表されています。

 大統領代行に対して弾劾して圧力を加えようとしたところ、憲法裁判所からはしごを外された形になりました。
 チェ・サンモク長官を弾劾して大統領代行としての職務を停止にしたところで、ハン・ドクス総理が大統領代行に戻ってくるので意味はゼロになってしまったのですね。

 このことから、共に民主党と憲法裁判所の間にコネクションはほぼないことが判明したといってもいいでしょう。


 共に民主党としては、現在8人の憲法裁判官を子飼いの裁判官を加えて9人体制にして弾劾認容、ユン大統領の罷免に天秤を傾けようとしていたわけですが。
 チェ・サンモク長官がそれを拒絶しているのです。
 ちなみにこの判断については「違法である」と憲法裁判所が認めています。

大統領代行の憲法裁判官任命保留は「国会の権限侵害」 任命要求は却下=韓国憲法裁(聯合ニュース)

 それでもチェ長官は憲法裁判官の任命をしていないことから、弾劾に至ったわけです。

 ただ、この弾劾もハン首相に対する弾劾決議案の却下、もしくは棄却によって完全に無意味になったのですね。
 ハン・ドクス首相への弾劾判断宣告日が24日、月曜日。
 イ・ジェミョンに対する公職選挙法違反の高裁判決日が26日、水曜日。
 これを考えるとユン大統領の宣告日が26日よりも前になることはなさそうです。

 というかユン大統領への弾劾可否について結論そのものが出てない感じですね。
 月をまたぐ可能性すら出てきたなぁ……。

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ユン大統領弾劾の宣告日、来週以降に持ち越し決定……時間が経てば経つほど韓国国内の分断が深まっていく模様

尹氏弾劾審判 きょうも宣告日発表されず=事実上来週以降に持ち越し(聯合ニュース)
韓国の憲法裁判所は19日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の罷免の是非を判断する弾劾審判の宣告日を業務時間が終了する午後6時までに発表しなかった。21日に宣告するには19日までに発表する必要があるとされるため、事実上、決定が言い渡されるのは来週以降に持ち越されることになった。

 憲法裁の裁判官はこの日も評議を行った。

 宣告前後の安全確保のために警察やソウル市、区などと協議する時間が必要なため、宣告の2日前には各方面に通知する必要があるとされ、憲法裁が当日や前日に宣告日を告知する可能性は低いとみられている。 (中略)

 決定が遅れている理由については争点の細部に対する検討が終わっていないという見方や、「全員一致」の結論を出すため調整中との見方、決定文の内容を協議中との見方など、評議内容の公開が禁止されているため、憶測だけが飛び交っている。
(引用ここまで)


 憲法裁判所によるユン・ソンニョル大統領への弾劾裁判、だいぶ長引いています。
 当初は14日前後にも判断が下されるとの見通しでしたが、今日になってもまだ宣告日の告知すらされていません。
 警備の都合上等も考慮すると、どんなに早くても宣告日は来週になることが事実上決定しています。

 これまでの2回の弾劾審判については60日、90日ていどで判断が行われてきたのですが、今回は100日を超えています。
 なぜここまで遅れているのかについて記事では「意見を全員一致にするためにすり合わせが行われている」「決定文の中味を協議中」としています。
 ま、想像に過ぎないのですが。
 どちらにせよ過去の事例よりははるかに揉めているのは確かですね。


 すでに弾劾の賛否について韓国は真っ二つに割れています。
 この週末に向けて賛否それぞれで集会が行われています。宣告日が告知されないので先々週の週末あたりからずーっと散発的にやっているんですよね。



 左のプラカードを掲げているのが弾劾賛成派、野党・共に民主党支持層。
 右の太極旗と星条旗を掲げているのが弾劾反対派。与党・国民の力の支持層です。
 今回の戒厳令→弾劾騒ぎでまた国民間の分断が深まってまして。
 こんな世論調査の結果が出ています。

弾劾裁判の結論 「受け入れる」54%・「受け入れない」42%(KBS WORLD)

 小競り合いも起きているようですが、現在のところは警察が集会周辺で出張っているので事件らしい事件は起きていない模様。
 共に民主党の国会議員が「ユンを弾劾せよ!」との記者会見を開いている際に卵が投げられて命中したなんてニュースもあります。

憲法裁の前でユン罷免を促したペク・ヘリョン「卵洗礼」警察「容疑者追跡中」(東亞日報・朝鮮語)

 分断先進国として分断が深まると国がどうなるのかって姿を見せてほしいものです。
 ここにさらに底なしの不況まで加わっているのですから。
 どうなることやら、といったところです。

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次期大統領最有力候補イ・ジェミョン、「なぜ憲法裁判所はユン罷免の判断を出さないのだ!」といらつきを隠せず……大統領弾劾の行方は?

李在明「憲法裁はユンを速やかに罷免すべき…」判決の遅延、理解できない」(デジタルタイムズ・朝鮮語)
イ・ジェミョン共に民主党代表は18日、「一日でも早く国政の混乱を終わらせなければならない」とし、「国民が寒空の下で野宿せず、安心して眠れるように、これ以上断食する人や命を失う人が出ないように、迅速な(ユン・ソンニョル大統領の)罷免を求める」と促した。 イ代表はこの日、自身のフェイスブックに民主党のミン・ヒョンベ議員が倒れた場面を載せ「大統領罷免迅速宣告を要求し断食8日目のミン議員が倒れて病院に移送された」と明らかにした。 (中略)

それと共に「憲法裁がパク·ソンジェ長官弾劾審判弁論まで始め、大統領弾劾審判宣告を遅らせていることをどの国民が納得するか疑問だ」として「『大統領弾劾最優先審理』を話した憲法裁が他の事件審理まで始めて宣告を遅延することは容易に理解できない」と批判した。

パク・チャンデ院内代表も同日、国会で開かれた院内対策会議で、「独裁政権顔負けの尹錫悦の暴政と12.3内乱事態で、大韓民国の国格と民主主義が凄惨に崩れた」とし、「内乱首魁尹錫悦の弾劾審判最終弁論が終わって今日で22日目だ。 憲法裁判所は速やかに判決を下してほしい」と要請した。
(引用ここまで)


 個人的にはすごく面白く見ている憲法裁判所によるユン・ソンニョル大統領への弾劾審判宣告日関連ニュース。
 昨日も関連ニュースをお伝えしましたが、「18日は宣告日が告知されるだろう」との見方がけっこうあったのですね。
 ここで告知がなかったらまた来週になる可能性が高くなる。
 そうなると3月26日に予定されているイ・ジェミョンへの公職選挙法違反の判決日とかぶるのでそれも避けたい。
 4月にすらなるのではないかとの観測も出ています。

 そんな中、大統領選挙よりも前に判決が確定してしまったら被選挙権を喪失してしまうイ・ジェミョンがだいぶいらいらしている、とのニュース。
 「なんでさくっとユン罷免の結論が出せないんだ!」だそうで。  司法リスクを抱えたままでここまで突っ走ってきたのですから、最後の一手が指されないままというのはだいぶストレスになっているのでしょうね。


 朝鮮日報は識者にインタビューをしていて、認容(罷免)、棄却、却下のそれぞれの可能性があると語らせています。

認容・棄却・却下…韓国の憲法学者3人が予想する尹大統領弾劾審判の行方(朝鮮日報)

 もしかしたら法的不備があるとして却下はあるかもしれないなぁ。
 憲法裁判所の判断が遅れているのはこのあたりの精査に時間がかかっているせいかもしれません。
 さすがに非常戒厳発令は憲法違反として扱わざるを得ないと思うのですけどね。

 じゃあ、却下されてユン大統領復職したとしましょうか。
 ……いや、こんなレイムダックおらんやろってくらいの規模でのレイムダックが誕生するわけで。
 国政の混乱を込みで考えると罷免じゃないのかなぁ。

 いや、憲法裁判所的に考えると「国政の混乱が」なんて要素を入れこむのはダメなのではとも感じられます。
 まあ、楽韓さんの立場的には、認容で罷免されればイ・ジェミョン大統領の可能性が高くなり、棄却・却下でユン大統領復職なら韓国社会はさらに混沌の極みに落とされると。
 エンタメとして見るのがよいかもしれないですね。

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韓国憲法裁、「弾劾への判断」はいつになるのか。今週末か、それとも月を超えるのか……どちらにせよ社会の分断は深まり、混沌となっていく模様

韓国憲法裁の熟考の中、「尹大統領宣告日」推測が乱舞…与党「4月初め」 野党「今週」(中央日報)
憲法裁判所が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾事件に対して歴代最長期間の熟考を繰り返しながら、法曹界と政界では宣告日をめぐる各種推測が乱舞している。16日基準で尹大統領弾劾審判は昨年12月14日の訴追から93日目となり、従来の最長期間である盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の弾劾審判期間(91日)を超え、連日記録を更新している。先月25日の弁論終結以降、裁判官の評議だけで4週目に入った。

共に民主党など野党は「今週中の宣告」を予想している。当初の3月上旬・中旬という予想が外れたものの、憲法裁が「最優先審理」という立場を明らかにしただけに速度を出すと期待している。今週中に出る場合、通常2、3日前に期日を指定した慣例からみて19-21日中の宣告が有力だ。18日には朴性載(パク・ソンジェ)法務部長官の弾劾審判弁論期日が予定されている。

A裁判官が知人との約束を23日以降に延期したという「噂」も根拠に提示された。野党および法曹界に詳しいある関係者は「A裁判官が知人と当初13日だった約束を取り消して『23日(日曜日)以降に会おう』と話した」とし、この伝言を根拠に「宣告は来週に持ち越されるだろう」と推測した。この関係者は「尹大統領の拘束取り消しが変数になったが、ひとまず1週ほどだけ延期した」とし「23日前の今週中に宣告が出るようだ」と話した。ただ、A裁判官の23日以降の約束延期が事実だとしても、追加で延期する可能性もあるため宣告日と見ることはできない。

与党側は宣告日がさらに遅れるとみている。保守陣営は弾劾審判初期から「5(認容)対3(棄却)」を主張してきたが、「実際に棄却される可能性が可視化すると、文炯培(ムン・ヒョンベ)憲法裁判所長権限代行が認容票を増やす馬恩赫(マ・ウンヒョク)裁判官候補の任命のまでひたすら待っている」というのが主張の骨子だ。弾劾審判は6人以上の裁判官が認容側に立ってこそ罷免される。
(引用ここまで)


 ユン大統領に対する憲法裁の弾劾認容・棄却がいつ言い渡されるのか、ちょっと紛糾しています。
 当初は14日前後ではないかとされていました。
 これはパク・クネ大統領の弾劾案可決から91日であったこと前例を考慮して、90日前後で判断が下されるのではないかとの憶測があったためです。
 実際にはその直前にユン大統領の釈放もあって実現せず。

 次には今週の20、21日頃ではないかともされています。
 ただ、ユン大統領以外のハン・ドクス首相等への弾劾案も可決されており、それらの審議もあるために長引くのではないかとの憶測も流れています。
 どちらにせよ最大で180日以内に判断が下されることが決まっています。6月よりも前には結果が出るのは間違いない。
 イ・ジェミョンに対する公職選挙法違反の高裁判決(26日予定)よりも前なのか後なのかもポイントになると思われます。


 あ、中央日報は「ノ・ムヒョン元大統領の弾劾審判期間(91日)」としていますが、翻訳ミスか大元が間違っているかしていますね。ノ・ムヒョンのそれは60日ほどでした。
 91日なのはパク・クネのはず。

 どちらにせよ結果は「認容(ユン大統領の失職)」となるでしょう。
 ユン大統領の戒厳令発令は憲法違反であり、もはや大統領職を続けるべきではないと判断されるはずです。
 現在、大法官(最高裁判官に相当)は8名で、このうち6名以上が弾劾に賛成すれば失職となります。
 大法官には中道派や保守派もいますが、今回の国政混乱は座視できないとの判断になるでしょう。

 ただ、宣告が長引いているのは全員賛成ではないからかもしれません。
 前回のパク・クネ弾劾は国民含めて大多数が「これ以上大統領職を続けさせるべきではない」との認識だったのですが。
 今回は党支持率を見てもそこまで一色に染まっているわけではありません。

韓国政党支持率 与党39.0%・最大野党44.3%(聯合ニュース)

 前週は与党が上となっていましたが、今回はまた再逆転。
 ちょっとしたきっかけでいくらでも与野党への支持率が変わりうる状況にあるのです。あくまでもどちらかに一辺倒って状況ではありません。
 認容、棄却のどちらの結果となってもさらに分断は深まり、韓国社会は混乱の度合いを増すでしょうね。

 前回のパク・クネ失職の際にはデモなどで4人が亡くなりましたが、今回はどうなることやら……。

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韓国野党、弾劾を29連発してきたものの、憲法裁からすべて棄却……韓国国民からは「ひどい不況下なのになにをやっているんだ」との評価も

8連続棄却··· 「弾劾乱発」大きくなる野党の責任論(世界日報・朝鮮語)
憲法裁判所が13日、チェ・ジェヘ監査院長とイ・チャンス ソウル中央地検長ら検事3人に対する弾劾訴追を裁判官全員一致の意見で棄却した。 チェ監査院長とイ地検長らは、憲法裁の決定によって国会弾劾訴追98日ぶりに業務に復帰した。 ユン政権発足後、国会が発議して職務停止効力が発生した弾劾訴追案13件のうち、同日までに8件が棄却され、認容された事例は1件もない。 共に民主党が無理な弾劾訴追権乱用で国政を麻痺させ混乱を拡大させているという責任論に一層重きが置かれることになった。 大統領室は報道官室名義で「野党の弾劾乱発に警鐘を鳴らした」と歓迎の立場を明らかにした。 (中略)

憲法裁などによると、尹錫烈(ユン·ソクヨル)政府発足後、民主党主導で発議された弾劾訴追案は29件であり、本会議で可決され、職務停止の効力が発生した訴追案は13件だ。 憲法裁はこの日、宣告事件を含め8件を宣告したが、全て棄却決定が下された。 (中略)

憲法裁は、ユン大統領とハン・ドクス首相、パク・ソンジェ法務部長官、チョ・ジホ警察庁長、ソン・ジュンソン検事の弾劾審判を進めている。 このうち、ユン大統領とハン首相に対する弾劾審判を近く宣告するという見通しが出ている。 憲法裁は、ユン大統領の弾劾審判では歴代最長の評議を続けている。
(引用ここまで)


 韓国の最大野党・共に民主党は弾劾を国会戦術のひとつとして取り入れています。
 これまで29件の弾劾決議案を発議し、うち13件が国会で可決されています。
 ただし、これまで憲法裁で認容された弾劾案はゼロ。

 弾劾決議案が可決されると、憲法裁判所の判断が出るまで職務停止になるのですね。
 それで国政を停滞させようって手段です。
 だいたい、職務停止から復帰までは3ヶ月ほどかかります。
 その間、代理を建てることはできますが、


 去年の前半からこうした戦略でユン政権に揺さぶりをかけてきたのですね。
 こうした嫌がらせを連発して国政を停滞させてきた結果がユン大統領の暴発ともいえる戒厳令発令だったわけです。

 このあたりはいまnoteで書いている、なぜユン大統領は戒厳令を発令したのかって話につながっていくのですけどね。
 あ、前半は上がってますのでよろしかったらそちらもお読みください。

ユン大統領はなぜ戒厳令を発令するに至ったのか(楽韓note)

 初の有料コンテンツです。よろしく。

 ただし、この弾劾戦略をとった共に民主党は中道派、無党派層からの反感を買っています。
 去年からこっち、ここ20年では最悪の不況に陥っているにもかかわらず、野党のやってきたことはユン政権の邪魔だけでしたから。
 あの戒厳令発令があったにもかかわらず、党支持率が拮抗しているのは共に民主党が不況に対してなにもしてこなかったからといった部分も大きいのです。

 その結果というべきか、こうして憲法裁判所から棄却を連発されている。
 特にユン大統領の弾劾後に可決されたハン・ドクス首相(大統領代行)と、パク・ソンジェ法務部長官(法相に相当)への弾劾が棄却された時には反感がまた上がるんじゃないかなと予測しています。
 こんな国難にあってもやってたのは弾劾だけでしたからね……。

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韓国野党「ユン・ソンニョルの釈放を看過した検察総長は辞任しろ。さもなくば弾劾だ!」といつものアレがはじまってしまう……イ・ジェミョンは「国民と共に必ず光の革命を完遂する!」と堂々発言!!

民主「ユン・ソンニョルを釈放させたシム・ウジョン告発…」「辞職しなければ弾劾検討」(ハンギョレ・朝鮮語)
共に民主党のパク・チャンデ院内代表が、尹錫悦大統領の釈放を指揮したシム・ウジョン検察総長の辞職を促した。

パク院内代表は9日、非常議員総会直後、国会本庁中央ホールで糾弾大会を開き「シム・ウジョン総長は今回の事態に最も大きな責任がある」として「直ちに辞職せよ」と話した。 これに先立ち8日、検察はソウル中央地裁の「ユン・ソンニョル(大統領の拘置所の取り消し)決定」を受け入れ、ユン大統領を釈放することを決め、ユン大統領はソウル拘置所を出て帰宅した状態だ。

朴院内代表は「(沈総長が)1審裁判所の理解できない判断に対して直ちに抗告し、上級審の判断を受ける機会を自ら放棄し、内乱首魁尹錫悦を釈放した。 他の話をする必要もなく、それだけで沈総長は服を脱がなければならない」と述べた。 続けて「民主党はシム·ウジョン総長に対して直ちに告発措置し、シム総長自ら直ちに辞退を拒否するならば弾劾を含むすべての措置を取る」と明らかにした。

専門家と市民社会でも、シム総長が事態の責任を負って辞任しなければならないという指摘が相次いでいる。 ソウル大学法学専門大学院のハン・インソプ教授はフェイスブックに載せた文で「検察首脳部が皆集まって決定したにも関わらず致命的な誤りないし重大なミスがあったので、それに対して検察総長が責任を負うことが正しい」と指摘した。 韓教授はまた、「検察総長は特別捜査本部の即時抗告の主張を阻止した。 この時からはミスではなく、故意の次元で扱われなければならない」とし、「特定人に対してだけ抗告放棄したことから見える偏向に対して責任を負わなければならない」と指摘した。
(引用ここまで)


 韓国の野党がシム・ウジョン検察総長を辞職を勧告しています。
 これが今日の正午くらいの話。

 その理由として挙げられているのがユン・ソンニョル大統領の拘束が取り消され、釈放されたこと。



 地裁の決定に対して即時抗告を行わずに、釈放されるがままにしたと。
 イ・ジェミョンもこの決定に対して抗議の声を上げています。

<尹大統領拘束取消>野党「内乱首魁・尹大統領の釈放、どういうことか」…「検察の故意的錯誤」疑心も(中央日報)
李在明(イ・ジェミョン)代表は7日、国会で記者らに対し(中略)「国民と共に必ず光の革命を完遂する」と話した。
(引用ここまで)

 光の革命(笑)。
 ひ か り の か く め い。
 草(光の革命による光合成を含む)生えるわ。

 ちなみにこうした裁判所の決定に対して、即時抗告を行うことは憲法違反であるとの判断があります。

尹大統領「52日ぶり釈放」の真相…抗告断念した韓国検察は「違憲」を懸念か(KOREA WAVE)

 浅羽祐樹教授もこの点をXでポストしていますね。



 検察としてもやむを得ず手を引いたといった構図ではあるようです。


 さらにいうとそもそもこの逮捕・拘留自体が「令状ショッピング」(令状を出してもらいやすい裁判所を探して廻った)の結果ではないかともされています。
 法的に戦えるものではないのではとの指摘は逮捕当時からされていましたね。

尹大統領の勾留取り消し 現職大統領の逮捕状・勾留状を発布したソウル西部地裁の判断が俎上に(朝鮮日報)

 要するに逮捕・拘留が認められるかどうか危ういものであったわけです。
 実際に1度は棄却されたものを再度、「認められやすい裁判所」に持っていって逮捕状を発行してもらったと。
 政局の一環として逮捕状請求をしてしまったのですね。
 それらの主体が公捜処(高位公職者捜査処)であったことまで分かっています。
 さらに行われた拘留はすでに期間が過ぎており、地裁から拘留に法的根拠がないのではと指摘されて釈放が決定しています。

 で、業を煮やした野党側は「全部検察が悪い!」「検察総長は辞任しろ、さもなくば弾劾だ!」といつものアレをやりだしたのです。
 これが正午のことで実際に午後4時頃には公捜処にシム・ウジョン検察総長を告発したそうですわ。

 弾劾をやりすぎて支持率下がったのを忘れた模様。
 次に弾劾案が国会に提出された場合、記念すべき30回目(ユン・ソンニョル政権下のみ)となります。
 いや、めでたいなぁ。

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