韓国国会の国民同意請願のホームページに寄せられた尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾訴追案の発議を求める請願に対し、同意した人が3日午前に100万人を超えた。 (中略)
30日以内に5万人以上が同意した請願は、国会常任委員会の請願審査小委員会に回付され、妥当性が認められれば国会本会議に付議される。本会議で可決された請願は政府に送られ、政府はこの請願の処理結果を国会に報告しなければならない。 (中略)
ただ、共に民主党の一部では不用意に「大統領弾劾」を前面に押し出せば逆風につながりかねないとの懸念も出ている。
党執行部も慎重な姿勢を保っている。朴省俊(パク・ソンジュン)院内首席副代表は1日のインタビューで「(共に民主党が)請願に対して常任委で『議決しろ』『するな』などの意見を示すこと自体が正しくない」と述べた。
(引用ここまで)
ユン・ソンニョル大統領への弾劾請願署名が100万人を突破したとのことで。
そこそこ話題になっています。
大元はなにかというと、いわゆる「梨泰院ハロウィン事態」の初期対応で「左派によって捏造された報告なのではないか」と言っていたと元国会議長が暴露したことで炎上したのですね。
元韓国国会議長回顧録 梨泰院ハロウィーン雑踏事故巡る「尹大統領の発言」記述が韓国政界に波紋(朝鮮日報)
元国会議長であるキム・ジンピョが自らの回顧録にこう書いた……のですが。
それが事実かどうかは不明。
あと弾劾請願への署名が「延べ100万人」で同一人物が何度も署名しているのではないのか、ともされています。
もともとの大統領府請願掲示板も同様で、メアドの登録だけで署名できるのですよ。システム的に。
なのでやろうと思えばひとりで100万筆でも1000万筆でも署名可能ではあります。
とはいえ、あるていどの勢いがあるのも間違いないところ。
ユン大統領に対しては一定の不満が常に熾火のように燃えていた状態。
なんらかの燃料が足されれば一気に炎上するのは目に見えていたのですよ。
ただ、野党側はこうした「弾劾せよ!」って盛り上がりに困惑している部分もあります。
要するに不信任案と同じで、弾劾案が国会で否決されたら「信任された」と見なされてしまう。
ノ・ムヒョンは国会で弾劾案が成立しましたが、憲法裁で否定されてしまってそれ以降はあんな状況であってにも関わらず弾劾のだの字も出ない状況になりました。
まあ、開かれたウリ党(現在の国民の力)が弾劾可決後の総選挙で負けたのが最大の原因ではありますけどね。
野党的にはユン大統領本人の弾劾よりも、イ・ジェミョン関連の捜査をしている検察官に弾劾をかけて捜査、裁判の遅延をさせたいのが本音でしょう。
李在明の大統領選出馬を阻むものは片っ端から弾劾する共に民主党、国家紊乱と言っても過言ではない【7月3日付社説】(朝鮮日報)
一度、弾劾訴追が可決されると憲法裁判所が判断を下すまでは実質的に停職状態になるのですね。
こうして検察に圧力を加えつつ、裁判・捜査を遅延させるという手法。
そうしておいて、もっとも盛り上がるポイントでユン大統領の弾劾をしたい、と考えているのでしょう。
現状では憲法裁判所が弾劾成立を認める可能性はだいぶ小さい。
弾劾には憲法裁判所すらねじ伏せられるくらいの勢いが必要になるのです。パク・クネを弾劾したときのように、です。
そうすればイ・ジェミョンへの司法リスクを止められる可能性がありますからね。
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