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カテゴリ:ユン・ソンニョルの記事一覧

韓国野党、「弾劾、弾劾」でやりすぎて与野党の党支持率が拮抗してしまう……さすがに弾劾29連発はやりすぎだったか

「国民の力35.7%・共に民主40.4%」支持率差が誤差内に 弾劾政局で保守層が結集か(朝鮮日報)
韓国の保守系与党「国民の力」と進歩(革新)系最大野党「共に民主党」間の支持率の差が誤差の範囲内に縮まったことを示す世論調査結果が1日に出た。

 エースリサーチがNEWSISの依頼に基づいて12月29日・30日の両日、満18歳以上の成人1010人を対象に支持政党調査を行ったところ、共に民主党が40.4%、国民の力が35.7%を記録した。

 両党の支持率の差は4.7ポイントで、誤差範囲(プラスマイナス3.1ポイント)に収まった。直前の調査(11月第2週)では11.7ポイント差だったが、7週間でその差は「誤差範囲外」から「誤差範囲内」に縮まったのだ。 (中略)

 これについてエースリサーチの関係者は「尹大統領に対する国会の弾劾訴追案可決直後、国民の力の支持率は大幅に下落したが、韓悳洙大統領権限代行の弾劾、国務委員(閣僚)の弾劾など政治的事件による保守層の危機感で中道保守層が結集した影響と解釈される」と説明した。
(引用ここまで)


 先月29、30日に行われた世論調査で、与党・国民の力と野党・共に民主党の党支持率が拮抗しているとのニュース。
 済州航空機の着陸事故が29日の午前9時だったので、そのあたりも加味されている部分もあるかな。
 災害や大事故が起きると与党への支持率は高まるのが一般的な現象なので。
 その最たるものが戦争ですね。

 加えてハン・ドクス国務総理兼大統領代行への弾劾が27日。
 さすがに野党側がやりすぎた、と判断したのではないでしょうか。
 大統領の代行の代行まできてますからね。
 しかも、航空機事故が起きなかったらその「代行の代行」への弾劾すら辞さないって態度でしたから。


 ところでその「代行の代行」であるチェ・サンモク経済副首相兼企画財政長官兼大統領代行がふたりの憲法裁判官を任命しました。

韓国大統領権限代行を務める崔相穆副首相が憲法裁判官2人を任命、特別検事法2件は拒否(朝鮮日報)

 野党・共に民主党側が推薦しているひとりについては任命せず、与野党で協議のあったふたりについては任命。バランスをとったつもり……なのかもしれませんが。

 与党・国民の力の閣僚から糾弾されて文字通り涙目になったとのこと。

閣僚に何も相談せずに憲法裁判官2人任命した「権限代行の代行」崔相穆副首相、閣議でつるし上げられ涙目(朝鮮日報)

 「代行の代行」がそれをできるのか、と。
 まあ、とりあえずこれで8人体制。「8人で大統領弾劾の審理」ははじめられますが、4月にはふたりが定年で退任予定。
 また6人体制に戻るのでどうなることやら。

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韓国野党、ここまで29回の弾劾案を提出……今後は閣僚への無限弾劾で大統領代行の拒否権自体を無効化する可能性も。これが「成熟した民主主義社会」ってヤツですか?

「大統領権限代行の代行」「代行代行の代行」「代行代行代行の代行」…韓国巨大野党の「弾劾断頭台」前に並ぶ閣僚たち(朝鮮日報)
 韓国最大野党・共に民主党は27日、韓悳洙(ハン・ドクス)首相の職務停止により大統領権限代行職を継承した崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政長官に対し、「国会推薦の憲法裁判官3人を任命せよ」と要求した。同党は「我々が要求してきた憲法裁判官の任命などを崔相穆副首相が受け入れなければ、また弾劾訴追を推進する」と言った。同党は政府組織法に基づき、大統領権限代行職を継承する他の国務委員(閣僚)に対しても弾劾訴追を予告するなど、行政府の崩壊も辞さない構えだ。

 共に民主党の朴賛大(パク・チャンデ)院内代表は同日、「崔相穆副首相に要求する。韓悳洙首相が弾劾され、大統領権限を代行することになったのだから、直ちに国会(選出)分の憲法裁判官を任命せよ」「内乱常設特検(非常戒厳宣布に関する内乱容疑などを真相究明するための常設特別検事)候補の推薦依頼、内乱・金建希(キム・ゴンヒ)夫人に対する特検法公布も直ちに進めよ」と言った。同党の趙承来(チョ・スンレ)首席報道官は「崔相穆副首相は内乱を防げなかった過ちを償う気持ちを持って大統領権限代行の職務に臨むよう、あらためて求める」「憲法裁判官を任命しなければ、内乱の状況を終息させようとしているのではなく、続けようとしているものと見なすほかない」と述べた。憲法裁判官の任命を拒否するなら「内乱同調者」と見なし、弾劾訴追に着手するということだ。

 共に民主党はまた、「大統領権限代行が誰であれ、国会選出の憲法裁判官3人を直ちに任命しなければ、任命するまで弾劾訴追を行う」とも言った。 (中略)

盧宗勉(ノ・ジョンミョン)議員も23日、「内乱事件に同調する可能性などを判断し、一気に弾劾する方法がある」「閣僚15人中5人を弾劾すれば、国務会議(閣議)での議決ができなくなる」と言った。これは、閣僚をまとめて弾劾訴追し、共に民主党の意のままに立法をするという意味だと解釈できる。つまり、政権を事実上、崩壊させるという警告だ。

 憲法上、閣議は大統領・首相と15人以上30人以下の閣僚(長官)によって構成される。現在、長官職は19で、大統領・首相を含む現行の閣議構成員は21人だ。閣議の規定上、閣議は構成員の過半数(11人)が出席すれば開会することができ、出席構成員の3分の2以上の賛成で議決する。ところが今、閣僚19人のうち国防長官・行政安全長官・女性家族長官は空席であり、朴性載(パク・ソンジェ)法務長官は弾劾訴追されて職務停止状態にある。残った閣僚15人のうち、共に民主党が崔相穆副首相をはじめとする閣僚5人を弾劾訴追すれば、閣議の最小議事定足数である閣僚11人を満たすことができず、もはや閣議を開くこともできなくなる。つまり、政権が事実上、崩壊するのだ。
(引用ここまで)


 昨日、ハン・ドクス首相への弾劾案が可決しまして。
 現在、残っている閣僚は15人。
 行政が閣議を成立させるために必要となる条件が、フルメンバーである21人のうち11人が揃っていること。

 つまり、閣僚が11人未満となれば閣議を成立させることができなくなり、閣議で出される大統領拒否権も使えなくなるわけです。
 これ、政局争いの中で「こういう手法もあるけど、まさかそこまでしないよね」くらいの話として紹介されていたのですが。
 共に民主党側は本気でやろうとしていますね。


 第2次安倍政権になる前、G7に参加する日本の首相が毎年変わっているなんて揶揄されていましたが。
 もう韓国のそれは毎年なんてもんじゃない。
 ユン大統領→ハン国務総理兼大統領代行→チェ企画財政部長官兼大統領代行になるまでわずか10日。
 週替わり国家元首。

 もう外交なんてやりようがないですね。
 今日話していた国家元首(代理)が明日にはその席からいなくなっている可能性が充分にあるのですから。

 あと「弾劾案上程はこれで23回」って書いていましたが、実際には29回でした。

巨大野党が29回目の弾劾暴走…尹大統領の職務を代行する韓悳洙首相も職務停止、崔相穆副首相が「権限代行の代行」に(朝鮮日報)

 謝罪して訂正させていただきます。
 法務部長官弾劾(13日)までで延べ22回で、そっから2週間で6回も弾劾案出してるとは思わないじゃん……。
 いや、なんともまあ爛熟した民主主義ですこと。

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韓国野党、大統領だけでなく閣僚、検事などに向けて弾劾を20連発していた……法務相への弾劾理由は「国会でイ・ジェミョンを見つめていたから」って本気で?

韓国国会で法務部長官と警察庁長の弾劾訴追案も可決・成立 憲政史上初(朝鮮日報)
韓国野党・共に民主党など野党各党は12日、国会本会議で朴性載(パク・ソンジェ)韓国法務部(省に相当、以下同じ)長官と趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長の弾劾訴追案を可決・成立させた。法務部長官と警察庁長の弾劾訴追案が国会で成立するのは今回が初めてだ。 (中略)

 今回の弾劾訴追案成立で朴性載長官と趙志浩庁長の職務は憲法裁判所の判断が下されるまで停止となる。野党・共に民主党など野党各党は「朴性載長官は今月3日夜の非常戒厳令宣布直前の国務会議に出席したが、戒厳令を阻止する積極的な行動を取らず、戒厳軍が逮捕予定だった人物の拘禁場所を事前に確保した疑いがある」との理由で弾劾した。趙志浩庁長については「戒厳令宣布後、国会議員を含む国会関係者の国会への立ち入りを全面的に禁じ、議員らによる戒厳令解除の評決を妨害するなど、内乱に加担した」との理由で弾劾した。

 共に民主党は朴性載長官と趙志浩庁長の他にも現政権発足後に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、崔載海(チェ・ジェヘ)監査院長、金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官、李相敏(イ・サンミン)行政安全部長官(2回)、李真淑(イ・ジンスク)韓国放送通信委員長、金洪一(キム・ホンイル)元放送通信委員長、李東官(イ・ドングァン)元放送通信委員長、李相仁(イ・サンイン)元放送通信委員長職務代行、李昌洙(イ・チャンス)検事、趙相元(チョ・サンウォン)検事、崔宰勲(チェ・ジェフン)検事、朴庠勇(パク・サンヨン)検事、厳熙竣(オム・ヒジュン)検事、姜白信(カン・ベクシン)検事、金英徹(キム・ヨンチョル)検事、李廷燮(イ・ジョンソプ)検事、孫俊成(ソン・ジュンソン)検事、アン・ドンワン検事ら合計20人に対して弾劾訴追案を提出した。
(引用ここまで)


 「野党は弾劾を連発していて〜」といったエントリをよく書いていたのですが、「全部を調べるのは面倒くさいなぁ……」と思っていたところにいまのところの弾劾内容が書かれている記事を見つけたのでピックアップ。

 ユン政権になってからこっち、20人に対して22回の弾劾訴追案を出しています。
 閣僚に対しては23年に「ハロウィンでの事故の責任は行政安全部長官(大臣に相当)にある」として出して、憲法裁判所に棄却されたのが最初かな。
 記事を見てもらえれば分かりますが、目立つのは検事に対しての弾劾。
 これ、要するにイ・ジェミョンへの捜査妨害です。

 特に今年7月の弾劾はひどかった。
 城南市長時代のテジャンドン、ペクヒョンドン不動産疑惑を捜査していた検察官がふたり、大統領選に向けての北朝鮮送金疑惑を捜査していた検察官をひとり弾劾しています。

韓国・共に民主党が検事4人弾劾案 3人は李代表捜査を担当 尹政権と検察が反発(産経新聞)

 弾劾訴追案が国会で成立すると、憲法裁判所が弾劾についての可否を判断するまで一時職務停止になるのですね。
 それを狙ってのことでしょう。


 さすがにこれについては左派紙のハンギョレすら若干、批判的な記事を書いていたほどです。
 「いま、そんなことやっている余裕があるのか?」ってなってましたね。

韓国野党第一党「イ代表の捜査担当検事」を弾劾・告発…「報復」批判強まる(ハンギョレ)

 で、いまちょっと話題になっているのが法務部長官への弾劾理由が「イ・ジェミョンを国会で見つめたことが国会軽視にあたる」ってしていること。

「国会で共に民主・李在明代表を見つめたこと」が法相弾劾訴追の事由になるだなんて【12月26日付社説】(朝鮮日報)

 最初に廃案になったユン大統領弾劾の理由も噴飯物でしたが。

韓国野党が最初に書いた弾劾決議案がひどいとアメリカで話題に……「日本中心の奇異な外交に固執」「国際的に孤立」したことが弾劾理由?(楽韓Web過去エントリ)

 まあ、弾劾理由なんてどうでもよくて「我々は国政を好きなようにどうとでもできる!」って万能感に溢れている状況になっているのでしょう。
 政局優先で国政なんてどうでもいいってのがよく分かりますね。
 あ、それと大統領代行であるハン・ドクス国務総理(首相)が野党の推薦する憲法裁判官3名の任命を行わないってことでやっぱり弾劾するそうです。

韓国代行、今日は憲法裁判官任命しない。野設定期限を事実上拒否(聯合ニュース・朝鮮語)

 こんなのを主導している野党代表であるイ・ジェミョンが大統領になる可能性が大なわけです。
 来年が楽しみですね。

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韓国野党、「我々の要求を呑まなかった大統領代理の首相も弾劾だ!」と息巻く……無限弾劾編、開幕か?

韓国最大野党 大統領代行の弾劾手続きへ=特別法公布見送りに「内乱持続」(聯合ニュース)
韓国最大野党「共に民主党」の朴贊大(パク・チャンデ)院内代表は24日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)首相について、「すぐに大統領代行の弾劾手続きを開始する」と述べた。

朴氏は国会で開かれた院内対策会議で、大統領の「非常戒厳」宣言を巡る内乱事件と尹大統領夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏を巡る疑惑を政府から独立した特別検察官に捜査させるための特別法案について「韓氏はきょうの閣議で法案を公布しないという意志を明確にした」とし、「時間を遅らせて内乱を持続させるとしか解釈のしようがない」と述べた。

弾劾案の提出時期は、党内で検討して決めるとみられる。
(引用ここまで)


 韓国野党は現在の大統領代理であるハン・ドクス国務総理(首相)の弾劾を進めることに決定。
 「24日までに特検法通過を認めなかったら弾劾する」と予告していましたが、その通りになるそうです。
 自分たちの求める特検法に、拒否権を使われる可能性が大きいため……ではあるのですが。
 名目上は内乱に加わった容疑があるから、とするもの。

 なぜかというと、現在の「大統領代理」に弾劾をかけるのであれば、大統領に対する弾劾と同様に国会の2/3以上の賛成票 ── 200票が必要となるからです。
 一方で「国務総理でしかなかった際」、つまり戒厳令発令を事前に知っていたことに対して弾劾をするのであれば、国会の過半数 ── 151票で済むことから、与党からの造反票が必要ないこちらで弾劾しようとしているわけですね。

 一応、国会立法調査処からは「首相職務としての弾劾であれば過半数でいい」との回答があったとのこと。

国会立法調査処「ハン・ドクス、首相職務で弾劾すれば、定足数は151人」(MBC・朝鮮語)

 実際には憲法裁判所がその可否を裁くことになるんでしょうけども。


 それでも弾劾決議案が成立してしまえば職務停止になります。復帰するにしても憲法裁判所が判断してから。
 国政の停滞は免れないでしょうねぇ……。

 ちなみに国務総理が弾劾された場合は企画財政部長官兼経済副首相(大臣に相当)が大統領代行となりますが、憲政史上はじめてのこと。
 さらに企画財政部長官が弾劾された場合は教育部長官兼社会副首相が大統領代行となります。
 以下、科学技術情報通信部長官、外交部長官、統一部長官……と序列があり、それらに応じて大統領代行となります。
 序列はこちらの内閣一覧をご覧ください。日本語です。

内閣一覧(KOREA.net)

 すでに国防部長官をはじめとして何人かが辞任しているために空席になってますね。
 これら閣僚がすべて弾劾、もしくは辞任した場合は……まあ長官代理がいるでしょうからその人物が大統領代行になるんじゃないでしょうかね。
 共に民主党も「拒否権発動したら弾劾する」って宣言したも同然なのだから順繰りにやっていくしかないのでしょう。

 もう大統領を弾劾しちゃったもんだから勢いがついて止まらない状態になってますね。
 ま、行き着くところまで行けばいいと思うのです。

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韓国野党、大統領代行の首相に「おまえも弾劾してやろうか!」と警告。自分たちの成立させた法律に拒否権を発動させるなとするものの……

民主党「ハン・ドクス、24日までに『内乱・キム夫人特検法』公布しなければ弾劾」(MBC・朝鮮語)
共に民主党がハン・ドクス大統領権限代行に24日までに「内乱特検法」と「キム・ゴンヒ女史特検法」を公布しなければ、ハン権限代行に対する弾劾訴追を推進すると警告しました。

パク・チャンデ院内代表は休日の今日、国会で記者懇談会を自ら要望し、「特検はハン権限代行が憲法と法律、国民の意思に従う意志があるかを見る『バロメーター』すなわち尺度」とし、「遅くとも24日までに特検法の公布がなされなければ直ちに責任を問う」と宣言しました。
(引用ここまで)


 ユン大統領への弾劾決議案が成立して大統領の職務停止となり、国務総理(首相)に権限が移行しています。
 現在の大統領代理はハン・ドクス首相。
 以前から共に民主党は「ハン・ドクスも内乱の一味だ」として、弾劾をちらつかせていました。
 というのも大統領と違って閣僚への弾劾は国会議員の1/3から発議の賛成があり、かつ過半数で成立するのです。

 まあ、法的にいうと微妙なところで。
 現在、大統領代行にある立場の人物をそれまでの規程で弾劾できるのか否か。
 「大統領権限を代行する」のであれば、大統領と同じように国会議員の2/3以上の賛成が弾劾可決には必要になるのではないか……とも思われるのですが。
 「そんなものは憲法裁判所が判断することだから、まず弾劾決議案を通しちゃえばいいんだよ」みたいな部分もある模様です。

 国務総理が弾劾されると、次の大統領権限代行は誰になるのかですが。
 これは国務長官(大臣に相当)の誰か、となるはずなのですが。
 閣僚間の優先順位はなかったような気がします。


 なんでハン首相を弾劾するのか、ですが。
 先だって野党が国会で可決した法案に対して、拒否権を行使したのですね。

韓国大統領権限代行首相が20年ぶりの拒否権行使…糧穀管理法など6法案で再審議を要求(朝鮮日報)

 糧穀管理法は「あまった米を政府が買い入れる」「価格下落時には補填する」といった法律で、以前から与党が財源がないとして反対しているものです。

韓国野党、「政府は余った米を買い入れろ」「不法デモを合法にしろ」等々の大統領拒否権で廃案になった各種法案を再立法へ(楽韓Web過去エントリ)

 過去エントリにあるように以前にも発議されていたのですが、拒否権発動で廃案に追いこまれていたものを再立法。再度、拒否権発動で廃案となっていたものです。
 それを今回、再々立法してきたのですよ。
 「まさか大統領でもない、権限代行ごときが拒否権を発動させないだろう」との目論見で。
 その目論見に反して拒否権を発動されたので弾劾するぞと脅しているっていうね。
 これ以上、国政を麻痺させてなにがしたいんだって気がしないでもないですが、もう弾劾の世界記録とか作っちゃえばいいと思いますよ。
 ギネスに挑戦ってヤツですね。

 「お前も弾劾してやろうかぁ」くらいの勢いですね。
 閣下の「お前も蝋人形にしてやろうかぁ」の調子で読んでください。

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韓国軍情報司令官、戒厳令の打ち合わせをロッテリアで行う……そのロッテリアに「内乱バーガーいっちょ!」とのミームが拡がる

「『戒厳バーガー』、『内乱バーガー』作ってください」…困ったロッテリア(韓国経済新聞・朝鮮語)
「12・3非常戒厳」直前、前・現職情報司令官たちがバーガーフランチャイズロッテリアで「秘密会合」をしたことが知られ、ロッテリアに意外な火の粉が飛んでいる。

18日、ある地図アプリケーションによると、京畿道安山の常緑樹駅近くのロッテリア支店に戒厳と関連したレビューが100件以上掲載された。 「戒厳模擬セットを発売してほしい」、「内乱本店」のような非難性レビューと共に意図的に星1点を与える「星点テロ」が続いた。 チャットGPTに「卵が4個入ったバーガー(ネランバーガー)」を作ってほしいと注文して生成された写真も急速に広がっている。

インターネット上ではロッテリアと戒厳を編んだミーム(インターネット流行コンテンツ)が流行している。 ネチズンたちは「国を売っても惜しくない味」、「戒厳に成功するためにはその隣にバーガーキングに行くべきだった」等の反応を示した。 一部のネチズンはロッテリアに「内乱バーガー」、「弾劾バーガー」、「戒厳バーガー」等を作ってほしいと注文をしている。
(引用ここまで)


 戒厳令が発令される2日前の12月1日、現役の情報司令官と、元情報司令官がソウルにほど近い駅近くのロッテリアで戒厳令下でどのように動くかについての打ち合わせをしていたとのこと。
 この元情報司令官っていうのが、セクハラで不名誉除隊されていて。
 その後、占い師として活躍していたそうですわ。

「ロッテリア戒厳」ノ・サンウォン、占い店を運営していた。「霊的な才能がある」(イーデイリー・朝鮮語)

 ……待って、情報量が多すぎる(笑)。

 ついでにいうと、件のロッテリアは占い師の館から徒歩15分ほど。
 つまり、現役の情報司令官が元情報司令官のところに行って打ち合わせをしていた、ってシチュエーションか。


 韓国でありがちな「元上官のいうことには逆らえない」ってアレですね。
 しかし、それが戒厳令にまで至っている、おまけに打ち合わせをロッテリアでやっていたとなるともう唖然とするというか。
 ……いや、「こういう時どんな顔すればいいのかわからないの」だな。
 「嗤えばいいと思うよ」でいいの?

 で、そのロッテリアのGoogleマップのレビュー的なもので「弾劾バーガーお願いします」とか「内乱バーガーお願いします」とか書かれているそうな。
 「たまご4つ(ナッラン)」と「内乱(ナエラン)」が似ているので、「卵4つ入りバーガー(内乱バーガー)」がネットミーム的に流行っているそうです。

 AI生成画像も流行っているとのこと。

内乱バーガー.jpeg

 Grokもけっこうちゃんと描いてくれるもんだ。

 ……というか情報量多すぎて草。

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韓国で起きた戒厳令騒ぎ……もしかしたら韓国の民主主義ってとんでもない欠陥を抱えてない? 国会→解散なし、大統領→辞任規程なし……国民の信を問う方法がないのでは……

【リセットコリア】崩れた韓国の大統領制…内閣制が答えだ(中央日報)
12・3非常戒厳事態が収拾局面に入った。大統領は国会で弾劾訴追され、戒厳に積極的に参加した軍・警察の幹部も次々と拘束された。戒厳の違憲性と違法性については法曹界の意見がほぼ一致する。しかし依然として解決の糸口も見いだせない問題がある。それは政治改革問題だ。司法処理が結果に対する懲らしめなら、政治改革は事態の再発防止のための処方だ。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が現実とかけ離れた考えをし、さらに行動に結びつけた理由は、政治制度の欠陥と無関係でない。与党の役割を見てもそうだ。国民の力は戒厳宣言に関して大統領に完全にスルーされた。それでも大半の議員が弾劾訴追案投票で「大統領に対する義理」を前に出して反対票を投じた。政党とは何か。「ビジョン」と「規律」を備えて国を統治する集団的な力を形成する組織だ。現代政治は政党として組織された集団知性を通じて、指導者個人の気質的特性や逸脱を最小化する。しかし今回の戒厳事態で与党は政党本然の役割を全く果たせなかった。

野党はどうか。振り返ってみると憲法の安定性を先に揺さぶったのは共に民主党だった。民主党は過去2年半の間に18人の公職者を相手に弾劾訴追を乱発した。さらに党代表の腐敗捜査を妨害しようという意図で弾劾訴追を推進した。しかし弾劾は「刑事裁判的な処分が難しい条件で憲法侵害から憲法を保護する手段」だ。民主党は憲法が前提とするこうした暗黙的規則を無視した。

両政党の状態がこのようだ。不幸にも与野党の位置を入れ替えても状況は変わらない。「一極体制」という評価を受ける民主党が与党になれば、大統領とどんな関係を結ぶかは見なくても明らかだ。明白な憲政破壊にもかかわらず「義理」を前に出す国民の力が憲法に忠実な野党になるはずもない。

1987年の民主化以降の状況を見ると、少数与党の期間が多数与党よりも長かった。大統領と野党が対立したが、それでも憲法的権限を極端な方法で使ってはいない。だからこそ政府が持続できた。しかしこれからは違う。行政府と立法府の相互尊重という大統領制の規範が消えた。弾劾は日常的になるはずで、非常戒厳までではないとしても憲法の境界を行き来する危険な権限行使も乱舞するだろう。大統領制はうまく作動するどころか、維持することも不可能になった。過度な予測という人もいるかもしれない。しかし20年前まで弾劾は辞書でのみ目にするような言葉であり、戒厳宣言は10日ほど前まで妄想の領域にあったという点を考えてみる必要がある。
(引用ここまで)


 韓国の政治体制にひとつ大きな問題がありまして。
 任期途中で大きな問題が起きても、国民の信を問うことができないのですよ。
 大統領は辞任することができず、国会も解散することができないのです。
 行政と立法が完全に分断されていて、相互に関与することが難しい。

 唯一、国会から行政(大臣や検察官)に対しては弾劾手続きを取ることはできますが、よほどの違法行動がないかぎり法裁判所から棄却されておしまい。
 まあ、その棄却されっぱなしの弾劾を19連発して現在のところ全部棄却、なんなら審理にすら出てこなかったりするのですよね。
 本当にただの嫌がらせだけでやってきたのがよく分かります。


 国政を揺るがすような問題が起きても、韓国には一切「信を問う」方法がないのですよ。
 大統領は1期5年。憲法に辞任規程なし。辞めるには弾劾されるしかない。

 国会は一院制で解散がない。
 任期終了時の風向きで国会の方向性が決まってしまって、その後の4年間はなにも動かない。
 議員個人が不祥事やら亡くなるやらで変動するくらいしかないのです。

 アメリカの議会も解散はないですが、上院下院共に2年ごとに選挙ありますからね。
 選挙の機会、言ってみれば「国民が政治に関与できる機会」は少なくないわけです。

 韓国の場合は大統領選、総選挙以外にはこれといって関与ができない。
 結果として韓国ではデモになって「国民の気分はここにあるぞ!」ってアピールせざるをえないのですね。
 国会では4年に1回、大統領選では5年に1回しか投票できないから。
 ……韓国の民主主義ってシステム自体に大きな欠陥があるんじゃないですかね。

 冒頭記事では「内閣制を採用すべきだ」ってなっていますが。
 実際に「国民の信を問う」手段は必要だと思いますよ。

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ユン大統領の弾劾審理で憲法裁判官が6人しかいない現状であっても、ユン・ソンニョルの弾劾は確定済。問題はそのスケジュールのみ。

憲法裁「ユン弾劾6人で可能か論議中」(朝鮮日報・朝鮮語)
憲法裁判所は16日、尹錫悦大統領側に送った弾劾審判準備手続き期日通知書と出席要求書が送達中だと17日明らかにした。 「6人体制」で弾劾審判決定ができるかについては「議論中」と話した。 (中略)

憲法裁は27日に予定されたユン大統領弾劾審判事件の初弁論準備期日など弁論と関連した期日は生中継しない方針だと明らかにした。 李公報官は「(弾劾審判)宣告と関連しては後で決定されれば申し上げる」と話した。

また、憲法裁は現在6人だけの裁判官が尹大統領に対する弾劾可否を決定できるかについては「議論中」としながらも、「(2016~2017年朴槿恵、前大統領弾劾当時)黄教安(ファン·ギョアン)大統領権限代行(首相)が憲法裁判官候補者を任命した事例があると聞いている」と述べた。 実際、2017年3月、当時の黄教安(ファン·ギョアン)大統領権限代行(首相)は、李正美(イ·ジョンミ)前憲法裁判官の後任に梁承泰(ヤン·スンテ)最高裁長官が指名した李善愛(イ·ソンエ)弁護士を任命した。 ただ、これは朴元大統領の弾劾が引用された後に行ったもので、弾劾審判の手続きが進行中の状況ではなかった。 (中略)

憲法裁は本来、裁判官9人で構成されなければならないが、10月にイ·ジョンソク憲法裁所長とイ·ヨンジン、キム·ギヨン裁判官が退任した後、国会分の後任が任命されなかった。 通常、与野党(與野)が1人ずつ推薦し、残りの1人は与野党が合意して選出するのが慣例だったが、共に民主党が議席数によって自分たちが後任者3人のうち2人を推薦しなければならないと主張し、選出が遅れたためだ。
(引用ここまで)


 憲法裁判所に河岸を移した弾劾がこれからどのように行われるか、といったテクニカルな部分を書いておこうかなと。
 何度か書いていますが、国会が弾劾決議案を可決してから180日以内に弾劾の可否を決定しなければなりません。
 憲法裁判官が6名賛成した場合、弾劾が成立して大統領は失職します。
 そこから60日以内に大統領選挙を行わなければなりません。

 弾劾手続きは7人以上で行うとされていますが、憲法裁判所についてはその規程を免除されています。
 現在、憲法裁判官は6人だけ。
 国会から推薦される3名について、慣例ではひとりを与党から、ひとりは野党からの推薦となり、もうひとりは与野党協議で推薦することになっているのですが。
 共に民主党が「圧倒的多数の我々がふたりを推薦する!」と譲らずに承認ができずにいます。


 ただ、現状の6名でも弾劾審判が可能かどうかについていえば、可能であろうと。
 一応、冒頭記事では「論議する」とありますが、そのハードルは高くはないです。国会からの推薦がなくても審理そのものは可能。

 で、現状の6名の構成を見てみると保守派が4名、左派が2名となっています。
 この構成から「保守派から反対が出るのではないか」との話も出ているようですが。
 審理に入れば6人が全員賛成して弾劾が成立します。

 ユン大統領の戒厳令発令と国会閉鎖は完全な憲法違反で、この違法・違憲を憲法裁判官が看過することはあり得ません。
 パク・クネ大統領の弾劾の際はひとり欠員の8名で審理が行われましたが、この際にも保守派から推薦された憲法裁判官がいました。
 ですが、結果は8名全員の賛成で弾劾成立し、罷免が確定しました。
 今回の事態はそれ以上に問題のある行動であり、違憲そのものです。看過は許されないでしょう。

 6名であることについても議論は出るでしょうが、「弾劾の審理が進まない害に比べれば問題がない」とされると思われます。
 ちなみにパク・クネ弾劾の際にも「9人定員なのに裁判官が8名では公平な裁判を受ける権利が損なわれる」とパク・クネ側から主張がありましたが、却下されています。

 スケジュールに関してはまだどうなるか分かりませんし、イ・ジェミョンの公職選挙法違反についての判決確定が早い可能性もありますが。
 確実にいえるのは、ユン大統領の弾劾は成立して罷免されます。
 これだけは間違いありません。

 憲法裁判官として弾劾に反対することは許されません。
 さらにいえばその後のキャリアにも悪影響を及ぼすでしょう。生涯、「ユン大統領の弾劾に反対した」と烙印を押されるでしょうからね。

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